(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態に係る室外機、室内機、および空気調和機を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる空気調和機の構成を示す図である。空気調和機100は、室外機50と室内機51とを備える。室外機50と室内機51とはガス接続配管52および液接続配管53を介して接続される。ガス接続配管52と液接続配管53とは合わせて冷媒配管とも呼ぶ。冷媒が冷媒配管に充填され、冷媒配管を介して室外機50と室内機51との間を循環することで、空気調和機100は室内と室外との間で熱交換を行う。
【0011】
図2は、実施の形態1にかかる室外機50の内部構成を示す図である。室外機50は、第1の送風機2と、第2の送風機3と、冷却フィン4と、冷却フィン温度検出部5と、圧縮機6と、制御基板7と、圧縮機駆動基板8と、熱交換器9と、配管温度検出部10と、気温検出部11と、送風機位置判定部12と、を備える。第1の送風機2は、熱交換器9に送風する。第2の送風機3は、第1の送風機2より下に設置され、熱交換器9に送風する。また、第1の送風機2および第2の送風機3は、冷却フィン4に送風する。また、第1の送風機2は、第2の送風機3よりも、冷却フィン4に近い位置に設置される。冷却フィン4は、圧縮機駆動部に備わるパワー素子を冷却する。冷却フィン温度検出部5は、冷却フィン4の温度を検出する。圧縮機6は、冷媒を圧縮する。制御基板7は、送風機位置判定部12を備える。圧縮機駆動基板8は、圧縮機駆動部を備える。圧縮機駆動部は、圧縮機6を駆動し、パワー素子を備える。熱交換器9は、冷媒と空気との熱交換を行う。配管温度検出部10は、熱交換器9に接続された冷媒配管の温度を検出する。気温検出部11は、外気温度サーミスタを備え、外気の温度を検出する。また、気温検出部11は、熱交換器9の入口部分に設置される。送風機位置判定部12は、第1の送風機2および第2の送風機3の位置を判定する。送風機位置判定部12は、位置判定部とも呼ばれる。
【0012】
室外機50は、送風機室60と機械室61とを備える。送風機室60の内部には、第1の送風機2、および第2の送風機3が配置される。送風機室60の外部には気温検出部11が配置される。機械室61の内部には、冷却フィン温度検出部5、圧縮機6、制御基板7、圧縮機駆動基板8、配管温度検出部10、および送風機位置判定部12が配置される。また、冷却フィン4は、
図2に示すように機械室61から送風機室60に飛び出すように配置される。第1の送風機2および第2の送風機3は、それぞれがリード線によって制御基板7と接続する。また、第1の送風機2および第2の送風機3には、それぞれが駆動するための電力および駆動信号が制御基板7から供給される。
【0013】
冷却フィン温度検出部5、配管温度検出部10、気温検出部11および送風機位置判定部12は、各処理を行う電子回路である処理回路により実現される。
【0014】
本処理回路は、専用のハードウェアであっても、メモリ及びメモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央演算装置)を備える制御回路であってもよい。ここでメモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスクなどが該当する。本処理回路がCPUを備える制御回路である場合、この制御回路は例えば、
図3に示す構成の制御回路200となる。
【0015】
図3に示すように、制御回路200は、CPUであるプロセッサ200aと、メモリ200bとを備える。
図3に示す制御回路200により実現される場合、プロセッサ200aがメモリ200bに記憶された、各処理に対応するプログラムを読みだして実行することにより実現される。また、メモリ200bは、プロセッサ200aが実施する各処理における一時メモリとしても使用される。
【0016】
室外機50の動作について説明する。室外機50は、冷媒の温度および冷媒の圧力を送風機の回転数を変化させることで制御する。ここで、回転数とは単位時間あたりの回転回数を示しており、つまりは回転速度を示す。回転数が多いとは回転速度が速いことを示し、回転数が少ないとは回転速度が遅いことを示す。冷媒は圧縮機6によって圧縮される。空気と冷媒との熱交換がより多く必要なときは、室外機50は、第1の送風機2および第2の送風機3の回転数を多くする。一方、空気と冷媒との熱交換があまり必要ではないときは、室外機50は、第1の送風機2および第2の送風機3の回転数を少なくする。また、室外機50は、第2の送風機3を停止し、第1の送風機2のみを動作させることで熱交換量をさらに低減させることができる。第1の送風機2は、圧縮機駆動部のパワー素子に取り付けられた冷却フィン4に送風することでパワー素子の冷却を行う。圧縮機駆動部のパワー素子の温度が高いときは、第1の送風機2の回転数を多くすることで冷却フィン4に送風し、パワー素子を冷却しパワー素子の信頼性を高めている。つまり、第1の送風機2は、冷媒の温度および冷媒の圧力の制御と、圧縮機駆動部のパワー素子の冷却との2つの役割をもっている。
【0017】
第1の送風機2および第2の送風機3が設置される位置は、製品出荷時には規定の位置に設置されるため問題ないが、第1の送風機2または第2の送風機3の故障、または制御基板7の故障が発生したときに、部品交換等で第1の送風機2の位置と第2の送風機3の位置とが入れ替わってしまう場合がある。第1の送風機2のみで熱交換を行う場合、第1の送風機2の位置と第2の送風機3の位置とが入れ替わった状態で運転されてしまうと、冷却フィン4に送風することができない。このため、パワー素子の冷却が十分に行うことができずパワー素子の熱破壊を招くおそれがある。このため、第1の送風機2および第2の送風機3を正しい位置に設置することが重要となる。実施の形態1にかかる室外機50は、複数の送風機を備えた場合にパワー素子の冷却に使われる第1の送風機2の位置を判別することが可能となる。
【0018】
図4は、実施の形態1にかかる送風機位置判定部12の動作を示すフローチャートである。送風機位置判定部12は、圧縮機6が運転中から停止中に状態が変化したか検出する(ステップS1)。圧縮機6の状態が運転中から停止中に状態が変化したことを検出した場合(ステップS1,Yes)、送風機位置判定部12は、圧縮機6が運転を継続した時間がt1以上であるか判定を行う(ステップS2)。t1は、圧縮機6の運転の継続によって圧縮機駆動部のパワー素子の温度が十分に上昇し、パワー素子の温度と外気の温度との差が大きくなるために必要な時間である。圧縮機6が運転を継続した時間がt1より小さい場合(ステップS2,No)、処理はステップS1に戻る。圧縮機6が運転を継続した時間がt1以上である場合(ステップS2,Yes)、送風機位置判定部12は、気温検出部11の外気温度サーミスタを用いて外気温度Taを検出する(ステップS3)。送風機位置判定部12は、送風機の位置を判定するための温度を示す判定温度Aを決定する(ステップS4)。判定温度Aは、圧縮機6がt1時間以上運転した後の冷却フィン4の温度から、圧縮機6が運転する前の冷却フィン4の温度を引いた値である。換言すれば、判定温度Aは、冷却フィン4の温度の変化量である。また、判定温度Aは、冷却フィン4に送風されているか判定するために用いる閾値である。判定温度Aは、冷却フィン4の温度を示す冷却フィン温度Th
の変化量と比較される。
【0019】
ここで、外気温度Taおよび判定温度Aについて説明する。
図5は、実施の形態1にかかる判定温度と外気温度との関係を示す図である。
図5において縦軸は、判定温度Aを示す。横軸は、外気温度Taを示す。図
2が示すように、第1の送風機2は外気を取り入れて冷却フィン4を冷却するため、外気温度Taが高くなるにつれて、冷却フィン4の冷却機能は低下する。このため、外気温度Taが高くなるにつれて、冷却フィン4の温度の変化量は小さくなる。つまり、外気温度Taが高い場合の判定温度Aは、外気温度Taが低い場合の判定温度Aと比べて低い値となる。
【0020】
送風機位置判定部12は、第1の送風機2を動作させ、冷却フィン温度Thを検出する(ステップS5)。送風機位置判定部12は、冷却フィン温度Th
の変化量が判定温度Aよりも
大きいか判定する(ステップS6)。冷却フィン温度Th
の変化量が判定温度Aよりも
大きい場合(ステップS6,Yes)、送風機位置判定部12は、第1の送風機2が第2の送風機3より上に設置されている送風機、つまり第2の送風機3よりも冷却フィン4に近い場所に位置する送風機であると判定し、第2の送風機3が、第1の送風機2より下に設置されている送風機であると判定する(ステップS7)。冷却フィン温度Th
の変化量が判定温度A以
下である場合(ステップS6,No)、送風機位置判定部12は、第2の送風機3が第1の送風機2より上に設置されている送風機、つまり第1の送風機2よりも冷却フィン4に近い場所に位置する送風機であると判定し、第1の送風機2が第2の送風機3より下に設置されている送風機であると判定する(ステップS8)。
【0021】
圧縮機6が一定時間継続運転を行った後に停止した場合、圧縮機駆動部のパワー素子は運転時に発生した損失によって自己発熱し、外気温度よりも高い温度となる。このときにパワー素子の冷却フィン4側に設置された送風機を動作させると冷却フィン4に送風されてパワー素子が冷却される。外気温度Taが低いほど冷却フィン温度Thが低下する傾きは大きくなり、外気温度が高いほど冷却フィン温度Thが低下する傾きは小さくなる。一方でパワー素子の冷却フィン4が無い場所に設置された送風機を動作させても、冷却フィン4に送風されないため冷却フィン4の温度はほとんど低下しない。送風機位置判定部12は、この温度変化の差異を利用することで第1の送風機2および第2の送風機3の位置判別を行う。
【0022】
ステップS3においては、送風機位置判定部12は、冷却フィン4の温度の
代わりに、液接続配管53の温度を用いて判定を行っても良い。液接続配管53の温度は、第1の送風機2を動作させると外気の温度に近づく。液接続配管53の温度は、配管温度検出部10によって検出される。この場合、判定温度Aは圧縮機6がt1時間以上運転した後の液接続配管53の温度から、圧縮機6が運転する前の液接続配管53の温度を引いた値である。換言すれば、判定温度Aは、液接続配管53の温度の変化量である。送風機位置判定部12が液接続配管53の温度を用いて判定を行う場合、外気温度Taと判定温度Aとの関係は、空気調和機100の空調の設定によって異なる。空気調和機100の空調の設定が暖房である場合、液接続配管53の温度は外気よりも低温になる。このため、外気温度Taと判定温度Aとの関係は、
図5に示す負の比例の関係となる。
【0023】
図6は、実施の形態1にかかる判定温度と外気温度との関係の別の例を示す図である。空気調和機100の空調の設定が冷房である場合、液接続配管53の温度は外気よりも高温になる。このため、外気温度Taと判定温度Aとの関係は、
図6に示す正の比例の関係となる。また、液接続配管53の温度を用いて判定を行う場合、t1は圧縮機6の運転の継続によって液接続配管53の温度が十分に変化し、液接続配管53の温度と外気の温度との差が大きくなるために必要な時間である。
【0024】
また、冷却フィン4は、送風機室60側に飛び出すように配置されていなくても良く、送風機室60側に設置されたいずれかの送風機によって機械室61側からダクトを通じて引き込まれた空気で冷却フィン4を冷却するような構成であってもよい。また、圧縮機6の出力周波数が低い場合、
図5および
図6に示される外気温度と判定温度Aとのグラフの特性を満たせない場合があるため、圧縮機6が周波数f以上で運転している場合に判定するとしてもよい。周波数fは、例えば、
図5および
図6のグラフの特性が成り立つ範囲の圧縮機6の周波数の下限が挙げられる。なお、周波数fは、
図5および
図6のグラフの特性が成り立つ圧縮機6の周波数に基づいて決定されればよく、上記下限より高い値とするなど上記下限に限定されない。
【0025】
第1の送風機2の位置と第2の送風機3の位置とを決める方法として、それぞれの送風機と制御基板7とが接続するコネクタの形状をそれぞれ区別する方法、またはそれぞれの送風機の取り付け構造を区別する方法がある。しかし、それぞれの仕様が分かれて共通化できないため区別化に伴うコストアップ、および区別化に伴う部品管理の複雑化を招いてしまう。一方、実施の形態1にかかる室外機50の送風機位置判定部12では、第1の送風機2の仕様および第2の送風機3の仕様を共通化することができるためコスト低減および部品管理の簡略化が可能となる。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態にかかる室外機50は、送風機位置判定部12によって冷却フィン4に送風する第1の送風機2の位置を定期的に判定することが可能である。このため、送風機の交換が行われて、第1の送風機2の位置と第2の送風機3の位置とが逆転してしまった場合でも、送風機位置判定部12が送風機の位置を判別し、第1の送風機2および第2の送風機3の制御を入れ替えることができる。また、第1の送風機2および第2の送風機3をそれぞれ個別に制御する場合でも、送風機位置判定部12が制御を入れ替えることでパワー素子を冷却することが可能となり、圧縮機駆動部のパワー素子の信頼性の低下を防止することができる。このため、空気調和機100の空調能力の低下を抑制することができる。
【0027】
実施の形態2.
実施の形態2にかかる空気調和機の室内機における送風機の位置判別の動作について説明する。なお、実施の形態1と同一の機能を有する構成要素は、実施の形態1と同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0028】
図7は、実施の形態2にかかる室内機の内部構成を示す図である。室内機51aは、室外機50の構成と比べて、第1の送風機2に代えて第3の送風機21を、第2の送風機3に代えて、第4の送風機22を備える点が異なる。また、室内機51aは、圧縮機駆動基板8に代えて送風機駆動基板23を備える。送風機駆動基板23は、送風機駆動部を備える。送風機駆動部は、第3の送風機21および第4の送風機22を駆動し、パワー素子を備える。また、室内機51aは、圧縮機6を備えない。第1の送風機2、第2の送風機3、圧縮機駆動基板8、および圧縮機6以外の機能部は、室
外機5
0と同様に備えられる。第3の送風機21は、熱交換器9に送風する。冷却フィン4は、送風機駆動部が備えるパワー素子を冷却する。第4の送風機22は、第3の送風機21より左に設置され、熱交換器9に送風する。また、第3の送風機21および第4の送風機22は、冷却フィン4に送風する。気温検出部11は、室内機51aが吸い込む
空気の温度を検出する。
【0029】
実施の形態2における送風機の位置判別動作は、実施の形態1では送風機の位置の判別に外気温度を用いていたが、実施の形態2では外気温度に代えて室内機51aが吸い込む
空気の吸い込み温度を用いる。判定温度Aと室内機51aが吸い込む空気の温度との関係は、実施の形態1の判定温度Aと外気温度Taとの関係と同じである。また、判定温度Aと室内機51aが吸い込む空気の温度を比較する以外の位置判別動作に関しては、実施の形態1と同様である。
【0030】
なお、室内機51aの吸い込み温度の代わりに同様の効果が得られる冷媒配管温度で判定を行っても良い。室内機51aは、室外機に対して凝縮器と蒸発器とが逆になる。このため、空気調和機100の空調の設定が冷房である場合、液接続配管53の温度は外気よりも低温になる。このため、外気温度Taと判定温度Aとの関係は、
図5に示す負の比例の関係となる。空気調和機100の空調の設定が暖房である場合、液接続配管53の温度は外気よりも高温になる。このため、外気温度Taと判定温度Aとの関係は、
図6に示す正の比例の関係となる。また、冷却フィン4は、送風機室側に飛び出すように配置されていなくても送風機室側に設置された、いずれかの送風機によって機械室側からダクトを通じて引き込まれた空気で冷却フィン4を冷却するような構成、または電気品を板金で囲い、この板金に直接送風機から送風された空気を当てることで冷却するような構成であってもよい。
【0031】
以上説明したように、本実施の形態では複数の送風機を備えた空気調和機の室内機51aにおいても冷却フィン4に送風するための送風機の位置を定期的に判定することが可能である。このため、室内機51aの送風機の交換が行われ、第3の送風機21と第4の送風機22の位置が逆転してしまったとしても送
風機の位置を判別して制御を入れ替えることができる。また、複数ある送風機を個別に制御する場合でもパワー素子を冷却することが可能となり、
送風機駆動部のパワー素子の信頼性低下を防止することができる。このため、空気調和機の空調能力の低下を抑制することができる。
【0032】
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。