【実施例】
【0101】
  「実験に使用される腫瘍細胞、医薬品、動物」
  マウス黒色腫細胞株B16、ヒト乳がん細胞株MCF−7、ヒト黒色腫細胞株A375、ヒト白血病細胞株K562、ヒト白血病細胞株HL−60は、アメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)又は中国北京協和医学院基礎研究中心より購入される。
【0102】
  MP−1細胞は、黒色腫臨床患者の腫瘍検体より分離され、マルチチャネル式の培地において成長する。
【0103】
  ALL−1細胞は、白血病臨床患者の骨髄血より無菌条件に獲得され、3D培養条件において成長する。
【0104】
  雌性C57BL/Cマウスは、4〜6週である。雌性NOD−SCIDマウスは、中国協和医科大学実験動物中心より購入される。
【0105】
  DMF(3’,4’−ジメトキシフラボン)は、米国、シグマ社(Sigma)より購入される。
【0106】
  キノカルコン誘導体HB−48は、本願に係る方法によって合成される。
【0107】
  実施例1:3D培養条件において、HB−48は固形腫瘍、白血病細胞の成長を効果的に阻害できる。
【0108】
  [実験手順]
  3Dゲル培養技術を用いて、約3000個の細胞/ウェルで、A375、B16、MP−1、MCF−7、HL−60、K562、ALL−1細胞を培養し、2日後に細胞の状態を観察する。3Dゲル培養技術は、ゲル状のマトリクスに細胞を培養する技術である。実験室で研究したところ、3D培養技術が適用されたがん細胞は生体内に発見したがんのように成長することが判明した。これは、3D培養技術が適用されたがん細胞が、通常の方法で培養したがん細胞よりも、成長中に高い増殖能力、より高い薬剤耐性、より高い腫瘍原性、より高い遠隔侵入転移能力を示すためである。以下の処理を生細胞の3D培地に追加する。
  ・対照群1(培地):グルタミンを追加したRPMI−1640培地。
  ・実験群1(HB−48):HB−48を1μmol/ml、5μmol/ml、10μmol/ml、20μmol/ml、又は50μmol/mlの終濃度で培地中の細胞に加える。
【0109】
  投与開始日は0日目と記録する。投与から48時間後、96時間後に写真を撮影してクローンのサイズを決定する。ソフトウェアImageJを用いてクローンのサイズを分析する。2日目に、各群のクローンのサイズは対照群に対して正規化される。
【0110】
  [結果(
図1A〜1G)]
  
図1に示すように、HB−48は単独で、濃度依存的に固形腫瘍、白血病細胞の成長を顕著に阻害している。
【0111】
  実施例2:3D培養条件において、HB−48は単独で、固形腫瘍、白血病細胞の数量を効果的に低減できる。
【0112】
  [実験手順]
  3Dゲル培養技術を用いて、約3000個の細胞/ウェルでA375、B16、MP−1、MCF−7、HL−60、K562、ALL−1細胞を培養し、2日後に細胞の状態を観察する。以下の処理を生細胞の培地に追加する。
  ・対照群1(培地):グルタミンを追加したRPMI−1640培地。
  ・実験群1(HB−48):HB−48を1μmol/ml、5μmol/ml、10μmol/ml、20μmol/ml、又は50μmol/mlの終濃度で培地中の細胞に加える。
【0113】
  薬物処理の開始日は0日目と記録する。48時間後、96時間後に、3Dソフトゲル中のクローンを撮影し、ソフトウェアImageJを用いてクローンのサイズを算出する。2日目の対照群のクローンのサイズが対照として使用される。
【0114】
  [結果(
図2A〜2G)]
  HB−48は単独(free)で、用量依存的に固形腫瘍細胞、白血病細胞におけるクローン数を効果的に低減している。
【0115】
  実施例3:固形腫瘍に対する治療効果について、はHB−48がDMFより顕著に優れている。
【0116】
  腫瘍担持マウスモデルの作成:1×10
5個のマウス黒色腫B16細胞を4〜6週齢のC57BL/Cマウス(C57マウス)に移植する。各マウスの重量は約20gである。7日目に腫瘍が確認される。腫瘍サイズが5mm×5mmになったら、マウスに以下の治療を行う。
  ・対照群1(PBS):PBS腫瘍内注射。
  ・実験群2(HB−48):2日ごとに1回で合計10日間、5mg/kgでHB−48を腫瘍内に注射する。
  ・実験群3(DMF):2日ごとに1回で合計10日間、5mg/kgでDMFを腫瘍内に注射する。
  毎日腫瘍サイズを記録する。
【0117】
  [結果(
図3)]
  HB−48、DMFは腫瘍の成長を阻害でき、しかもHB−48は顕著な抗がん増強効果を示している。
【0118】
  実施例4:HB−48とIFN−βの併用が、3D培地における固形腫瘍細胞及び白血病細胞のクローンの成長を効果的に阻害する。
【0119】
  [実験手順]
  3Dゲル培養技術を用いて、約3000個の細胞/ウェルでA375、B16、MP−1、MCF−7細胞を培養する。以下の処理は0日目に生細胞の培地に追加する。
  ・対照群1(PBS):グルタミン(培地)、PBS、薬物担体DMFを追加したRPMI−1640培地。
  ・対照群2(IFN−β):細胞の由来(例えば、マウス、又はヒト)、マウスIFN−βを6ng/ml、又はヒトIFN−βを10ng/ml含有する培地。
  ・実験群3(HB−48):HB−48をμmol/ml含有する培地。
  ・実験群4(IFN−β+DMF):マウスIFN−βを6ng/ml又はヒトIFN−βを10ng/ml、DMFを20μmol/ml含有する培地。
  ・実験群5(IFN−β+HB−48):マウスIFN−βを6ng/ml又はヒトIFN−βを10ng/ml、HB−48(10μmol/ml)を含有する培地。
【0120】
  1日目、2日目、3日目、4日目、5日目に、3Dソフトゲル中のクローンに対して撮影し、ソフトウェアImageJを用いてクローンのサイズを算出する。結果を
図4A〜4Dに示す。
【0121】
  3Dゲル培養技術を用いて、約3000個の細胞/ウェルでHL−60、K562、ALL−1細胞を培養する。以下の処理は0日目に生細胞の培地に追加する。
  ・対照群1(PBS):グルタミン(培地)を追加したRPMI−1640培地。
  ・実験群2(IFN−β+HB−48):マウスIFN−βを6ng又はヒトIFN−βを10ng、濃度1μmol/ml、3μmol/ml、5μmol/ml、6μmol/ml、10μmol/ml、20μmol/mlのHB−48を含有する培地。
【0122】
  投与開始日は0日目と記録する。投与から48時間、96時間後に写真を撮影してクローンのサイズを決定する。ソフトウェアImageJを用いてクローンのサイズを分析する。各群のクローンのサイズは対照群に対して正規化される。結果を
図4E、4F、4Gに示す。
【0123】
  [結果(
図4)]
  
図4のデータより、IFN−βとHB−48との併用が、固形腫瘍細胞及び白血病細胞のクローンのサイズを効果的に低減でき、しかもHB−48は用量依存的であることが判明した。
【0124】
  実施例5:IFN−βとHB−48との併用が、固形腫瘍細胞及び白血病細胞のクローン数(colony  numbers)を効果的に低減する。
【0125】
  [実験手順]
  3Dゲル培養技術を用いて、約3000個の細胞/ウェルでA375、B16、MP−1、MCF−7、HL−60、K562、ALL−1細胞を培養し、2日後細胞の状態を観察する。以下の処理を生細胞の培地に追加する。
  ・対照群1(PBS):グルタミン(培地)を追加したRPMI−1640培地。
  ・対照群2(IFN−β):マウスIFN−βを6ng/ml又はヒトIFN−βを10ng/ml含有する培地。
  ・対照群3(IFN−β+DMF):マウスIFN−βを6ng/ml又はヒトIFN−βを10ng/ml、DMFを20μmol/ml含有する培地。
  ・実験群4(HB−48):濃度10μmol/mlのHB−48を含有する培地。
  ・実験群5(IFN−β+HB−48):マウスIFN−βを6ng又はヒトIFN−βを10ng/ml、濃度10μmol/mlのHB−48を含有する培地。
【0126】
  [結果(
図5)]
  
図5より、IFN−βとHB−48の併用が、固形腫瘍細胞及び白血病細胞のクローン数を効果的に低減でき、IFN−βとDMFの併用よりも増強効果が示されることが判明した。
【0127】
  実施例6:IFN−βとHB−48の併用が、固形腫瘍細胞及び白血病細胞のアポトーシスを効果的に誘導でき、しかもフラスコ培養は細胞に影響を与えないことを示す。
【0128】
  [実験手順]
  3Dゲル培養技術を用いて、約8000個の細胞/ウェル(3D)又は約3万/ウェル(6ウェルプレート)(フラスコ)で、A375、B16、MP−1、MCF−7、HL−60、K562、ALL−1細胞を培養し、2日後に細胞の状態を観察する。以下の処理を生細胞の培地に添加する。
  ・対照群1(PBS):グルタミン(培地)、薬学的に許容される溶媒を追加したRPMI−1640培地。
  ・対照群2(IFN−β):マウスIFN−βを6ng/ml又はヒトIFN−βを10ng/ml含有する培地。
  ・対照群3(IFN−β+DMF):マウスIFN−βを6ng/ml又はヒトIFN−βを10ng/ml、DMFを20μmol/ml含有する培地。
  ・実験群4(HB−48):濃度10μmol/mlのHB−48を含有する培地。
  ・実験群5(IFN−β+HB−48):マウスIFN−βを6ng/ml又はヒトIFN−βを10ng/ml、濃度10μmol/mlのHB−48を含有する培地。
【0129】
  前記3D培養は24ウェルプレートにおいて、フラスコ振とう培養は6ウェルプレートにおいて実施する。前記プレートに加える前に、薬物と培地が均一に混合される。48時間後にアポトーシスを計測する。細胞のアポトーシスはFACSより測定する。
【0130】
  [結果(
図6)]
  フラスコ培養において、IFN−β単独、又はIFN−βとHB−48との併用は、固形腫瘍細胞、白血病細胞に対する明確な細胞毒性を示していない。3D培養において、IFN−βとHB−48との併用が、固形腫瘍細胞に対する細胞毒性を効果的に向上させ、しかもIFN−βとHB−48の併用は、DMFとの併用よりも増強効果を示している(
図6参照)。
【0131】
  実施例7:IFN−βとHB−48との併用は、固形腫瘍の成長を阻害し、生存時間を延長できる。
【0132】
  IFN−βとHB−48との併用を腫瘍担持C57BL/Cマウスの治療に適用する。
【0133】
  [実験手順]
  腫瘍担持マウスモデルの作成:1×10
5の黒色腫B16細胞を4〜6週齢のC56BL/Cマウスに移植する。35匹のマウスを無作為に5群に分ける。各マウスの重量は約20gである。7日目に腫瘍が確認される。腫瘍サイズが5mm×5mmになると、マウスに以下の処理を行う。
  ・対照群1(PBS):PBS腫瘍内注射。
  ・実験群2(IFN−β):1×10
5単位(U)のIFN−βを2日ごとに1回で合計10日間、腫瘍内に注射する。
  ・実験群3(HB−48):2日ごとに1回で合計10日間、5mg/kgでHB−48を腫瘍内に注射する。
  ・実験群4(IFN−β/HB−48):IFN−β(1×10
5U、2日ごとに1回)、HB−48(5mg/kg、2日ごとに1回)を腫瘍内に注射する。処理は10日継続する。
  ・実験群5(IFN−β/DMF):マウスの腫瘍内にIFN−β、DMFを注射する(実験3と同じ)。
【0134】
  毎日腫瘍のサイズ、死亡日を記録する。
【0135】
  [結果(
図7A〜7B)]
  IFN−βとDMF又はHB−48との併用が、対照群よりも黒色腫の成長を顕著に阻害し(
図7A)、マウスの生存時間を延長している(
図7B)。
【0136】
  IFN−βとHB−48との併用を腫瘍担持NOD−SCIDマウスの治療に適用する(
図7C〜7D)。
【0137】
  [実験手順]
  腫瘍担持マウスモデルの作成:1×10
5の黒色腫B16細胞を4〜6週齢のNOD−SCIDマウスに移植する。35匹のマウスを無作為に5群に分ける。各マウスの重量は約20gである。7日目に腫瘍が確認される。腫瘍サイズが5mm×5mmになると、マウスに以下の処理を行う。
  ・対照群1(PBS):PBS腫瘍内注射。
  ・実験群2(IFN−β):1×10
5単位(U)のIFN−βを2日ごとに1回で合計10日間、腫瘍内に注射する。
  ・実験群3(HB−48):2日ごとに1回で合計10日間、5mg/kgでHB−48を腫瘍内に注射する。
  ・実験群4(IFN−β/HB−48):IFN−β(1×10
5U、2日ごとに1回)、HB−48(5mg/kg、2日ごとに1回)を腫瘍内に注射する。処理は10日継続する。
  ・実験群5(IFN−β/DMF):マウスの腫瘍内にIFN−β、DMFを注射する(実験3と同じ)。
【0138】
  毎日腫瘍のサイズを計測し、マウスの死亡日を記録する。
【0139】
  [結果(
図7C〜7H)]
  投与する過程で、IFN−βとHB−48との併用が腫瘍の成長を顕著的に阻害しており、これは統計学的に有意差があり(P<0.001)(
図7)、しかもIFN−βとHB−48との併用が、IFN−βとDMFとの併用よりも顕著に優れている。関連のデータより、IFN−βとHB−48との併用が、マウスの生存を顕著に延長しており(
図7B、7H)、しかもIFN−β/HB−48の併用が、IFN−β/DMFの併用よりも顕著に優れていることが判明した。また、ヒト黒色腫細胞A375、ヒト乳がん細胞MCF−7も、腫瘍担持マウスの作成にNOD−SCIDマウスに皮下注射される。10日後、腫瘍の形成が観察され、後に実験を行ってIFN−βとHB−48の併用が、腫瘍の成長に対する顕著な阻害を示すことが判明した(
図7E〜7G参照)。
【0140】
  実施例8:HB−48が、マウスCD8+T細胞におけるPD−1の発現を低減しT細胞の殺傷効果を増強できる。
【0141】
  活性化されたマウスCD8+T細胞におけるPD−1の発現に対するHB−48の影響を測定する。
【0142】
  [実験手順]
  磁気ビーズ選別によってマウス脾臓CD8+T細胞を獲得してU底96ウェルプレート(10万/ウェル)に接種し、抗CD3/CD28ビーズでT細胞を活性化させる。前記培地は、RPMI−1640、マウスIL−2  10ng、50nMのβ−メルカプトエタノールからなる。以下のとおりに処理し、投与する。
  ・対照群1(PBS):培地とPBS。
  ・実験群2(Kyn):200μMのKynを培地に加える。
  ・実験群3(Kyn+DMF):200μMのKyn、10μMのDMFを同時に培地に加える。
  ・実験群4(Kyn+HB−48):200μMのKyn、10μMのHB−48を同時に培地に加える。
【0143】
  フローサイトメトリーによって、各群のT細胞における48時間のPD−1の発現量を測定する。
【0144】
  [結果]
  HB−48はDMFよりも、CD8+T細胞におけるKyn媒介のPD−1上方制御を効果的に阻害していることから、低分子受容体に対する阻害はHB−48がDMFよりも効果的であることが判明した(
図8A、8B)。
【0145】
  特異的CD8+T細胞の機能に対するHB−48の影響を測定する。
【0146】
  [実験手順]
  磁気ビーズ選別によって獲得したOT−1マウス脾臓CD8+T細胞を、U底96ウェルプレートに接種し(10万個の細胞/ウェル)、以下の処理を行う。
  ・対照群1(PBS):培地にPBSを加える。
  ・実験群2(DMF):培地に10μMのDMFを加える。
  ・実験群3(HB−48):培地に10μMのHB−48を加える。
【0147】
  T細胞を24時間前処理した後、3D培養したOVA−B16とOT−1  CD8+T細胞を1対10の比率で共培養した。4時間後にフローサイトメトリーによってOVA−B16細胞のアポトーシスが検出される。
【0148】
  [結果]
  
図8Cより、OVA−B16腫瘍細胞とHB−48で前処理されたT細胞を共培養すると、アポトーシスのパーセントが顕著に上昇していた。このことから、HB−48はT細胞の低分子受容体を顕著に阻害し、PD−1の発現を下方制御し、CD8+T細胞の殺傷機能の発現を増強できることが判明した。
【0149】
  実施例9:HB−48と特異的CD8+T細胞によるマウス固形腫瘍に対する効果的な養子免疫療法。
【0150】
  [実験手順]
  腫瘍担持マウスの作成:OVA−B16黒色腫細胞をC57BL/6マウスに接種し(接種量は1×10
5個の細胞)4〜6週継続する。マウスの体重は20gであり、7日目に腫瘍の形成が確認される。腫瘍サイズが5mm×5mmになると、腫瘍担持マウスに以下の処理を行う。
  ・対照群1(PBS):PBS腫瘍内注射のみ。
  ・実験群2(CD8+T細胞):腫瘍担持マウスに4×10
6個のOVA特異的CD8+T細胞(OT−1  T細胞)を静脈内より養子移入し、5日ごとに1回で合計3回実施する。
  ・実験群3(DMF):腫瘍担持マウスに、2日ごとに1回で合計10回、5mg/kgでDMFを腫瘍内に注射する。
  ・実験群4(HB−48):腫瘍担持マウスに、2日ごとに1回で合計10回、5mg/kgでHB−48を腫瘍内に注射する。
  ・実験群5(CD8+TとDMF):腫瘍担持マウスに、5日ごとに1回で合計3回、OT−1  T細胞を静脈内注射し、同時に2日ごとに1回で合計10回、DMFを腫瘍内に注射する。
  ・実験群6(CD8+TとHB−48):腫瘍担持マウスに、5日ごとに1回で合計3回、OT−1  T細胞を静脈内注射し、同時に2日ごとに1回で合計10回、HB−48を腫瘍内に注射する。
【0151】
  毎日腫瘍の長さと幅を計測し、腫瘍体積の変化を算出する。
【0152】
  [結果]
  
図9より、CD8+T細胞単独養子移入、HB−48単独投与は、ある程度治療効果があることが判明した。一方、CD8+T細胞とHB−48の併用が、対照よりも顕著に効果的である。HB−48は、DMFよりも効果的に、CD8+T細胞の芳香族炭化水素受容体を阻害しCD8+T細胞のインビボ殺傷効果を増強できる。
【0153】
  実施例10:HB−48がヒト末梢血CD8+T細胞によるPD−1の発現を低減できる。
【0154】
  乳がん患者の末梢血CD8+T細胞におけるPD−1の発現に対するHB−48の影響を測定する。
【0155】
  [実験手順」
  Ficollを用いて乳がん患者の末梢血から単核細胞を獲得する。磁気ビーズ選別によってCD8+T細胞を獲得して、RPMI−1640を追加したU底96ウェルプレートに接種し(10万個の細胞/ウェル)、RPMI−1640に10ng/mLのヒトIL−2が追加されている。以下のとおりに投与を行う。
  ・対照群1(PBS):培地にPBSを加える。
  ・実験群2(DMF):培地に10μMのDMFを加える。
  ・実験群3(HB−48):培地に10μMのHB−48を加える。
【0156】
  48時間後、フローサイトメトリーによって各群のT細胞におけるPD−1の発現量を測定する。
【0157】
  [結果]
  
図10Aに示すように、HB−48は、DMFよりも効果的に、乳がん患者の末梢血CD8+T細胞におけるPD−1の発現を下方制御している。
【0158】
  アクティブな乳がん(active  breast  cancer)に罹患している患者の末梢血CD8+T細胞におけるPD−1の発現に対するHB−48の影響を測定する。
【0159】
  [実験手順]
  Ficollを用いて乳がん患者の末梢血の全血から単核細胞を獲得する。磁気ビーズ選別によってCD8+T細胞を獲得してU底96ウェルプレートに接種する(10万個の細胞/ウェル)。抗CD3/CD28ビーズによってT細胞を活性化させる。培地は10ng/mLのヒトIL−2を添加したRPMI−1640である。以下のとおりに投与を行う。
  ・対照群1(PBS):培地とPBS。
  ・実験群2(Kyn):培地に200μMのKynを加える。
  ・実験群3(Kyn+DMF):培地に200μMのKyn、10μMのDMFを同時に加える。
  ・実験群4(Kyn+HB−48):培地に200μMのKyn、10μMのHB−48を同時に加える。
【0160】
  48時間後、フローサイトメトリーによって各群のT細胞におけるPD−1の発現量を測定する。
【0161】
  [結果]
  
図10Bより、HB−48はDMFよりも乳がん患者の末梢血CD8+T細胞におけるKyn媒介のPD−1上方制御を効果的に阻害していることから、HB−48によるヒトCD8+Tの阻害が、DMFによる小細胞受容体の阻害よりも効果的であることが判明した。
【0162】
  活性化されたヒト末梢血CD8+T細胞におけるKynトランスポーターPAT4の発現に対するHB−48の影響を測定する。
【0163】
  [実験手順]
  Ficollを用いて乳がん患者の末梢血の全血から単核細胞を獲得する。磁気ビーズ選別によってCD8+T細胞を獲得してU底96ウェルプレートに接種する(10万個の細胞/ウェル)。抗CD3/CD28ビーズによってT細胞を活性化させる。培地は10ng/mLのヒトIL−2を加えたRPMI−1640である。以下のとおりに投与を行う。
  ・対照群1(PBS):培地とPBS
  ・実験群2(Kyn):培地に200μMのKynを加える。
  ・実験群3(Kyn+DMF):培地に200μMのKyn、10μMのDMFを同時に加える。
  ・実験群4(Kyn+HB−48):培地に200μMのKyn、10μMのHB−48を同時に加える。
【0164】
  48時間後、各群のT細胞からRNAを抽出し、蛍光定量PCRによってPAT4の発現を検出する。
【0165】
  [結果]
  
図10Cに示すように、KynはトランスポーターPAT4の発現を上方制御でき、HB−48はDMFよりも効果的に乳がん患者の末梢血CD8+T細胞におけるPAT4の発現を下方制御できる。当該結果から、HB−48がCD8+T細胞によるKynの摂取を阻害しPD−1の発現を低減できることが判明した。
【0166】
  まとめて、実施例に係る上記の結果から分かるように、HB−48の単独投与又はIFN−βとの併用が、固形腫瘍(例えば、A375、B16、MP−1、MCF−7)、白血病細胞(例えば、HL−60、K562、ALL−1)を効果的に死滅させることができ、殺傷効果を向上させ、腫瘍の成長を阻害している。また、当該結果から、HB−48がDMFよりも、CD8+T細胞におけるPD−1の発現を顕著に低減し、Kyn媒介のPD−1上方制御を阻害し、特異的CD8+T細胞の各種の腫瘍細胞に対する細胞毒性を増強させていることも判明した。
【0167】
  実施例11:低分子阻害薬HB−48とIFNβ又はIFNγとの固形腫瘍及び白血病に対する影響について研究する。当該実験から、HB−48とIFNβ又はIFNγとの併用が、3D培養条件における固形腫瘍及び白血病細胞のクローンの成長を効果的に阻害していることが判明した。
【0168】
  [実験手順]
  A375、B16、MP−1、MCF−7、HL−60、K562、ALL−1を3Dソフトゲル(3000個/ウェル)に接種し、2日後に細胞の状態を観察する。培養した細胞を対照群、実験群に分けて、以下のとおりに処理を行う
  ・対照群1(対照):グルタミンを追加した培地(例えば、RPMI−1640培地)。
  ・対照群2(IFNβ又はIFNγ):グルタミンを追加した培地(例えば、RPMI−1640培地)に6ng/mlのマウスIFNβ/IFNγ又は10ng/mlのヒトIFNβ/IFNγを加える。
  ・対照群3(IFNβ/IFNγ+DMF):グルタミンを追加した培地(例えば、RPMI−1640培地)に6ng/mlのマウスIFNβ/IFNγ又は10ng/mgのヒトIFNβ/IFNγ、20μmol/mlのDMFを加える。
  ・実験群4(HB−48):グルタミンを追加した培地(例えば、RPMI−1640培地)に10μmol/mlのHB−48を加える。
  ・実験群5(IFNβ/IFNγ+HB−48):グルタミンを追加した培地(例えば、RPMI−1640培地)に6ng/mlのマウスIFNβ/IFNγ又は10ng/mlのヒトIFNβ/IFNγ、10μmol/mlのHB−48を加える。
  ・実験群6(IFNβ/IFNγ+HB−48):グルタミンを追加した培地(例えば、RPMI−1640培地)に6ng/mlのマウスIFNβ/IFNγ又は10ng/mlのヒトIFNβ/IFNγ、異なる濃度のHB−48を加える。
【0169】
  培地に薬剤を均一に混合して、各実験群に添加する。薬剤処理の開始日は0日目と記録する。48時間後、96時間後に細胞を撮影する。ソフトウェアImageJを用いてクローンのサイズを分析する。2日目の対照群のクローンのサイズに基づいて、異なる時刻における各群のクローンの相対的サイズを算出し、統計学的分析を行う。
【0170】
  注:培養した腫瘍細胞の特性に応じて、「マウスIFNβ/IFNγ」又は「ヒトIFNβ/IFNγ」を実験に使用する。次の実施例についても同様である。
【0171】
  [結果]
  各群のクローンの相対的サイズの結果、IFNβ/IFNγ+HB−48実験群細胞のクローンのサイズに対する異なる濃度のHB−48の影響を、
図11A〜Dに示す。
図11A〜Dは、3つの対照群、実験群4の結果であり、
図11E〜Gは実験群6の結果である。
【0172】
  図11に示すように、低分子阻害薬DMF及びHB−48と、IFNβ/IFNγとの併用が、より優れた腫瘍阻害効果を示している。一方、実験群IFNβ/IFNγとHB−48(IFNβ/IFNγ+HB−48)とが、固形腫瘍及び白血病細胞のクローンのサイズに対して増強した阻害効果を示している。HB−48は濃度依存的であり、これに関しては統計学的に顕著な有意差がある。
【0173】
  実施例12:3D培養条件において、HB−48とIFNβ/IFNγとの併用が固形腫瘍及び白血病細胞のクローン数を効果的に低減する。
【0174】
  [実験手順]
  3Dゲル培養技術を用いて、約3000個の細胞/ウェルでA375、B16、MP−1、MCF−7、HL−60、K562、ALL−1細胞を培養し、2日後に細胞の状態を観察する。細胞の状態が良好であれば、以下のとおりに投与する。
  ・対照群1(対照):グルタミンを含有する通常培地(例えば、RPMI  1640培地)。
  ・実験群2(IFNβ/IFNγ):グルタミンを含有する通常培地(例えば、RPMI  1640培地)に6ng/mlのマウスIFNβ/IFNγ又は10ng/mlのヒトIFNβ/IFNγを追加する。
  ・実験群3(IFNβ/IFNγ+DMF):グルタミンを含有する通常培地(例えば、RPMI  1640培地)に6ng/mlのマウスIFNβ/IFNγ又は10ng/mlのヒトIFNβ/IFNγ、20μmol/mlのDMFを追加する。
  ・実験群4(HB−48):グルタミンを追加した通常培地(例えば、RPMI−1640培地)に低分子阻害薬HB−48を追加する。
  ・実験群5(IFNβ/IFNγ+HB−48):グルタミンを含有する通常培地(例えば、RPMI  1640培養液)に、6ng/mlのマウスIFNβ/IFNγ又は10ng/mlのヒトIFNβ/IFNγ、10μmol/mlのHB−48を追加する。
【0175】
  培地と薬物を各群に加える前に均一に混合する必要がある。投与開始日は0日目と記録する。4日目に、顕微鏡下でクローン数を計数する。
【0176】
  [結果]
  各群のクローン数の観察結果を
図12に示す。
図12に示す集計結果では、各ヒストグラムは左側から順に、対照群、IFNβ群、IFNβ/IFNγ+DMF群、HB−48群、IFNβ/IFNγ+HB−48群と各腫瘍細胞に対応する。
【0177】
  図12に示すように、HB−48とIFN−β/IFN−γとの併用処理の実験群は、固形腫瘍及び白血病細胞のクローン数を効果的に低減でき、しかもIFN−β/IFN−γとDMFとの併用よりも効果が顕著に優れている。
【0178】
  実施例13:マウス骨髄に由来するマクロファージの炎症性サイトカインの発現に対する、HB−48の影響を研究する。HB−48が、マウス骨髄に由来するマクロファージが分泌する炎症性サイトカインの発現を顕著に阻害している。
【0179】
  [実験手順]
  マウス骨髄細胞をRPMI−1640+20ng/mLのマウスM−CSFで5日間培養して、骨髄に由来するマクロファージを獲得し、以下のとおりに処理を行う。
  ・対照群1(PBS):培地にPBSを加える。
  ・実験群2(HB−48):培地に10μMの用量でHB−48を加える。
【0180】
  48時間後、マクロファージを収集し、qPCRによって、2群におけるIFN−γ、TNF−α、IL−12p35、IL−12p40、IL−2の発現を検出する。
【0181】
  [結果]
  
図13に示すように、HB−48治療群で、IFN−γ、TNF−α、IL−12p35、IL−12p40、IL−1βの発現が顕著に低減していることから、HB−48がマクロファージによる炎症性サイトカインの分泌を顕著に阻害できることが判明した。
【0182】
  以上のデータは大量研究の結果を反映している。実施例1〜実施例13の各実施例より、低分子阻害薬HB−48が固形腫瘍及び白血病の悪性成長を効果的に阻害できることが判明した。また、低分子阻害薬HB−48とIFNβ又はIFNγとが併用される場合は、一方の用量を低減するとより優れた治療効果が確認されることから、低分子阻害薬HB−48とIFNβの併用は、有効治療用量を低減できるだけでなく、治療効果を顕著に向上できることが判明した。臨床治療において、抗がん効果と腫瘍成長の阻害効果を増強できる。
【0183】
  HB−48(低分子阻害薬)は、DMFよりもCD8+T細胞におけるPD−1の発現を顕著に低減し、Kyn媒介のPD−1上方制御を阻害し、特異的CD8+T細胞の腫瘍細胞に対する細胞毒性を増強することができる。
【0184】
  実施例14:発明を実施するための形態
  A1.  下記式Iの構造を含むキノカルコン化合物又はその塩を含む組成物。
【化6】
  A2.  インターフェロン又はそのバリアントをさらに含む実施形態A1に記載の組成物。
  A2.1.  有機溶媒をさらに含む実施形態A1、A2のいずれか1項に記載の組成物。
  A2.2.  有機溶媒は3’,4’−ジメトキシフラボン(DMF)であるA2.1に記載の組成物。
  A2.3.  がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞のアポトーシス、壊死、オートファジー、又は死亡を誘導する実施形態A1〜A2.2のいずれか1項に記載の組成物。
  A2.4.  がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞の成長、活性、又は転移を阻害、抑制、解消、又は停止する実施形態A1〜A2.3のいずれか1項に記載の組成物。
  A3.  前記IFNはIFN−β又は生理活性を有するそのバリアントである実施形態A2〜A2.4のいずれか1項に記載の組成物。
  A3.1.  前記IFN−βはヒトIFN−βである実施形態A2.5に記載の組成物。
  A4.  前記IFNはIFN−γ又は生理活性を有するそのバリアントである実施形態A2〜A2.4のいずれか1項に記載の組成物。
  A4.1.  前記IFN−γはヒトIFN−γである実施形態A4に記載の組成物。
  A5.  薬学的に許容される1種以上の賦形剤を含む医薬組成物である実施形態A1〜A4.1のいずれか1項に記載の組成物。
  A6.  1μg〜100g、1mg〜100g、100mg〜10g、又は1g〜10gのキノカルコン化合物を含む実施形態A1〜A5のいずれか1項に記載の組成物。
  A7.  1ng/ml〜1g/ml、1μg/ml〜100mg/ml、又は100μg/ml〜100mg/mlのキノカルコン化合物を含む実施形態A1〜A6のいずれか1項に記載の組成物。
  A8.  1×10
6単位(U)〜10×10
8U、1×10
6U〜1×10
8U、又は1×10
7U〜4×10
7UのIFNを含む実施形態A2〜A7のいずれか1項に記載の組成物。
  A9.  1×10
4U/ml〜10×10
8U/ml、1×10
5U/ml〜10×10
8U/ml、1×10
6U/ml〜10×10
8U/ml、1×10
6U/ml〜1×10
8U/ml、又は1×10
6U/ml〜1×10
7U/mlのIFNを含む実施形態A2〜A8のいずれか1項に記載の組成物。
【0185】
  B1.  がんの治療を必要とする対象に治療有効量の実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含むがんの治療方法。
  B2.  がんに罹患している又はがんの罹患が疑われる対象のがんを治療するための、実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物の使用。
  B3.  前記対象はヒトである実施形態B2に記載の用途の組成物。
【0186】
  C1.  がんの治療を必要とする対象に、治療有効量のキノカルコン化合物又はその塩、治療有効量のIFN又は生理活性を有するそのバリアントを投与することを含むがんの治療方法。
  C1.1.  前記キノカルコン化合物は式Iの構造を含む実施形態C1に記載の方法。
【化7】
  C2.  前記IFNはIFN−β又は生理活性を有するそのバリアントである、又は前記IFNはIFN−γ又は生理活性を有するそのバリアントである、実施形態C1、C1.1のいずれか1項に記載の方法。
  C2.1.  前記IFNはヒトIFN又は生理活性を有するそのバリアントである、実施形態C1〜C2のいずれか1項に記載の方法。
  C3.  前記対象はヒトである、実施形態B1、C1〜C2のいずれか1項に記載の方法。
  C4.  前記対象はがんに罹患している又はがんの罹患が疑われる、実施形態B1〜B3、C1〜C3のいずれか1項に記載の方法。
  C5.  前記がんは新生物(neoplasm)、又は腫瘍(tumor)である、実施形態B1〜B3、C1〜C4のいずれか1項に記載の方法。
  C6.  前記がんは悪性であり、且つ/又は、転移性がある、実施形態B1〜B3、C1〜C5のいずれか1項に記載の方法。
  C7.  前記がんは非転移性である実施形態B1〜B3、C1〜C5のいずれか1項に記載の方法。
  C8.  前記がんは、がん腫(carcinoma)、肉腫、神経腫、リンパ腫、骨髄腫、白血病、黒色腫、中皮腫、固形腫瘍又は軟部組織腫瘍、二次がんから選択される、実施形態B1〜B3、C1〜C7のいずれか1項に記載の方法。
  C9.  前記がん腫(carcinoma)は、呼吸器系がん、消化器系がん、泌尿生殖器系がん、精巣がん、前立腺がん、内分泌器系がん、皮膚基底細胞がん、原発不明がん腫(carcinoma  of  unknown  primary)、胆管がん、非浸潤性乳管がん(DCIS)、メルケル細胞がん、肺がん、胸腺腫と胸腺がん、正中線がん、小細胞肺がん、甲状腺がん、肝細胞がん、扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、乳がん、上皮がん、副腎皮質がん、上皮性卵巣がん等から選択される、実施形態C8に記載の方法。
  C10.  前記がんは、子宮がん、子宮頸がん、結腸がん、膵臓がん、腎臓がん、食道がん、胃がん、卵巣がんから選択される、実施形態C8に記載の方法。
  C11.  前記肉腫は、ユーイング肉腫、リンパ肉腫、脂肪肉腫、骨肉腫、軟部組織肉腫、カポジ肉腫、横紋筋肉腫、子宮肉腫、軟骨肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫等から選択される、実施形態C8に記載の方法。
  C12.  前記神経腫は、神経膠腫、膠芽腫、髄膜腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、星状細胞腫、乏突起膠細胞系腫瘍等から選択される、実施形態C8に記載の方法。
  C13.  前記リンパ腫、前記骨髄腫、又は前記白血病は、骨髄芽球性白血病、多発性骨髄腫、低分化型急性白血病(例えば、赤芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病)、急性前骨髄球性白血病(APML)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)(B細胞性ALL、T細胞性ALLを含む)、慢性リンパ性白血病(chronic  lymphoblastic  leukemia)、慢性リンパ性白血病(chronic  lymphocytic  leukemia、略称CLL)、前リンパ球性白血病(PLL)、有毛細胞白血病(HLL)、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM)、非ホジキンリンパ腫及びそのバリアント、末梢T細胞リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)、大顆粒リンパ球性白血病(LGF)、ホジキンリンパ腫、リードシュテルンベルク病、及びこれらのバリアントから選択される、実施形態C8に記載の方法。
  C14.  前記軟部組織腫瘍又は固形組織腫瘍は、内臓腫瘍、精上皮腫、肝細胞腫、乳がん、肝臓がん、肺がん、膵臓がん、及び子宮、卵巣、精巣、頭、頸、眼、脳、口部、咽頭、声帯、耳、鼻、食道、胃、腸、結腸、副腎、腎臓、骨、膀胱、尿道、がん腫、肺、筋肉、皮膚、足、手、軟部組織における他の軟部組織腫瘍又は固形組織腫瘍から選択される、実施形態C8に記載の方法。
  C15.  前記対象に抗がん治療を行うことをさらに含む実施形態B1〜B3、C1〜C14のいずれか1項に記載の方法。
  C16.  前記抗がん治療は、前記対象にがんワクチンを投与することを含む実施形態C15に記載の方法。
  C17.  前記抗がん治療は、前記対象に化学療法剤を投与する又は放射線療法を行うことを含む実施形態C15に記載の方法。
  C18.  前記抗がん治療は、前記対象に免疫療法を行うことを含む実施形態C15に記載の方法。
  C19.  前記免疫療法は、CD20、CD52、CD274、CD279、CTLA−4、プログラムされたデスリガンド1(PD−L1)、プログラムされた細胞死−1(PD−1)、又はPD−1受容体と特異的に結合する抗体を投与することを含む実施形態C18に記載の方法。
  C20.  キノカルコン化合物、IFNを対象に同時に投与する実施形態B1〜B3、C1〜C19のいずれか1項に記載の方法。
  C21.  キノカルコン化合物、IFNを個別に対象に投与する実施形態B1〜B3、C1〜C19のいずれか1項に記載の方法。
  C22.  キノカルコン化合物、IFNをそれぞれ5分間以内、1〜12時間以内、又は1〜2日以内に対象に投与する実施形態C21に記載の方法。
  C23.  前記キノカルコン化合物の治療有効量は、1μg/kg(APIの重量/対象の体重)〜10g/kg、1mg/kg〜10g/kg、1mg/kg〜1g/kg、1mg/kg〜100mg/kg、又は1mg/kg〜10mg/kgの量を含む実施形態B1〜B3、C1〜C22のいずれか1項に記載の方法。
  C24.  前記治療有効量のキノカルコン化合物が月1回、週1回、週2回、週3回、週4回、週5回、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、これらの間の間隔(intervening  intervals  thereof)、又はこれらの組み合わせから選択された頻度で投与される、実施形態C23に記載の方法。
  C25.  前記IFNの治療有効量は、1ug〜1000ug、10ug〜500ug、25ug〜300ug、又は30ug〜250ugの範囲内の量であり、且つ、月1回、月2回、週1回、週2回、2日に1回、又は1日1回から選択された頻度で投与される、実施形態B1〜B3、C1〜C24のいずれか1項に記載の方法。
【0187】
  D1.  下記式Iの構造を含むキノカルコン化合物又はその塩。
【化8】
  D2.  HB−48である、実施形態D1に記載のキノカルコン化合物。
  D3.  がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞を実施形態D1又はD2に記載のキノカルコン化合物に接触させることを含む、がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞のアポトーシス、壊死、オートファジー、又は死亡を誘導する方法。
  D4.  上記のがん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞をIFNβ、又はIFNγに接触させることをさらに含む、実施形態D3に記載の方法。
  D5.  がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞の成長、活性、又は転移を抑制(suppressing)、解消(abrogating)、又は停止するための、実施形態D1又はD2に記載のキノカルコン化合物の使用。
  D6.  (i)実施形態D1又はD2に記載のキノカルコン化合物と、(ii)IFNβ又はIFNγとを含む組成物の、がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞の成長、活性、又は転移を抑制、解消、又は停止するための使用。
【0188】
  E1.  がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞を実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物に接触させることを含む、がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞のアポトーシス、壊死、オートファジー、又は死亡を誘導する方法。
  E2.  前記接触によって、がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞のアポトーシス、壊死、オートファジー、又は死亡が誘導される、実施形態E1に記載の方法。
  E3.  前記接触によって、分化した腫瘍細胞、休眠する腫瘍幹細胞のアポトーシス、壊死、オートファジー、又は死亡が誘導される、実施形態E2に記載の方法。
  E4.  がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞を実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物に接触させることを含む、がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞の成長、活性、又は転移を阻害、抑制、解消、又は停止する方法。
  E5.  前記接触によって、がん、がん細胞、悪性細胞、腫瘍細胞、分化した腫瘍細胞、腫瘍幹細胞、又は休眠する腫瘍幹細胞の成長、活性、又は転移が阻害、抑制、解消、又は停止される、実施形態E4に記載の方法。
  E6.  前記接触によって、分化した腫瘍細胞、休眠する腫瘍幹細胞の成長、活性、又は転移が阻害、抑制、解消、又は停止される、実施形態E5に記載の方法。
【0189】
  F1.  CD8+T細胞を実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物に接触させることによって、CD8+T細胞におけるPD−1の発現を阻害、低減、抑制、解消、又は阻止することを含む、CD8+T細胞におけるPD−1の発現を阻害、低減、抑制、解消、又は阻止する方法。
  F2.  CD8+T細胞におけるPD−1の発現は、Kyn媒介のPD−1上方制御の結果である、F1に記載の方法。
F3.  (i)事前にkynに接触させておいたCD8+T細胞を提供することと、(ii)前記CD8+T細胞を実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物に接触させることによって、CD8+T細胞におけるPD−1の発現を阻害、低減、抑制、解消、又は阻止することと、を含むCD8+T細胞におけるkyn媒介のPD−1の発現を阻害、低減、抑制、解消、又は阻止する方法。
【0190】
  G1.  (i)CD8+T細胞を実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物に接触させることと、(ii)CD8+T細胞を腫瘍細胞に接触させることによって、CD8+T細胞を介して腫瘍細胞毒性を誘導、又は増強することと、を含むCD8+T細胞が媒介する腫瘍細胞毒性を誘導、又は増強する方法。
【0191】
  H1.  炎症を治療するための、実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物、又は、実施形態D1〜D4のいずれか1項に記載のキノカルコン化合物の使用。
  H2.  前記炎症は血管炎、関節炎、変形性関節症、又は大腸炎である、実施形態H1に記載の用途の組成物。
【0192】
  J1.  実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物、又は実施形態D1〜D4のいずれか1項に記載のキノカルコン化合物を含む、ヒト用の食品。
【0193】
  K1.  炎症の治療を必要とする対象に、治療有効量の実施形態A1〜A9のいずれか1項に記載の組成物、又は実施形態D1〜D4のいずれか1項に記載のキノカルコン化合物を投与することを含む炎症の治療方法。
【0194】
  L1.  HB−48を含む組成物。
  L2.  IFN−β又はそのバリアントをさらに含む、実施形態L1に記載の組成物。
  L3.  薬学的に許容される1種以上の賦形剤を含む医薬組成物である、実施形態L1又はL2に記載の組成物。
  L4.  前記IFN−βはヒトIFN−βである、実施形態L2又はL3に記載の組成物。
  L5.  IFN−βのバリアントは生理活性を有するバリアントである、実施形態L2〜L4のいずれか1項に記載の組成物。
  L6.  がんの治療が適用される対象に、治療有効量の実施形態L1〜L5のいずれか1項に記載の組成物を投与することを含む、がんの治療方法。
  L7.  がんの治療が適用される対象に、治療有効量のHB−48を単独で投与する、又は治療有効量のHB−48と治療有効量のIFN−βを併用することを含む、がんの治療方法。
  L8.  前記IFN−βはヒトIFN−β又は生理活性を有するそのバリアントである、実施形態L6又はL7に記載の方法。
  L9.  前記対象はヒトである実施形態L6〜L8のいずれか1項に記載の方法。
  L10.  前記がんは、リンパ腫、白血病、造血組織腫瘍、骨髄腫、黒色腫、固形腫瘍から選択される、実施形態L6〜L9のいずれか1項に記載の方法。
  L11.  前記対象に抗がん治療を行うことをさらに含む、実施形態L6〜L11のいずれか1項に記載の方法。
  L12.  前記抗がん治療は、前記対象にがんワクチンを投与することを含む、実施形態L11に記載の方法。
  L13.  前記抗がん治療は、前記対象に化学療法剤を投与することを含む、実施形態L11に記載の方法。
  L14.  HB−48、IFN−βを同時に対象に投与する、実施形態L6〜L13のいずれか1項に記載の方法。
  L15.  HB−48、IFN−βを個別に対象に投与する、実施形態L6〜L13のいずれか1項に記載の方法。
  L16.  前記HB−48、前記IFN−βをそれぞれ5分間以内、1〜12時間以内、又は1〜2日以内に投与する、実施形態L15に記載の方法。
【0195】
  M1.  腫瘍疾患を治療する医薬品を製造するための、以下の構造を有するキノカルコン化合物の使用。
【化9】
  M2.  前記腫瘍疾患は、乳がん、悪性黒色腫、肺がん、肝臓がん、膵臓がん、脳腫瘍、又は白血病を含む、実施形態M1に記載の使用。
  M3.  腫瘍疾患を治療する前記医薬品は、注射剤形、経口剤形を含む、実施形態M1又はM2に記載の使用。
  M4.  腫瘍疾患を治療する前記試薬は、単位製剤である、実施形態M1〜M3のいずれか1項に記載の使用。
  M5.  1〜5mgの前記キノカルコン化合物が有効成分として単位製剤なる前記医薬品に含まれる、実施形態M4に記載の使用。
  M6.  腫瘍疾患を治療する前記試薬は、治療有効量のインターフェロン、キノカルコン化合物を含む試薬組成物である、実施形態M1〜M3に記載のいずれか1項の使用。
  M7.  腫瘍疾患を治療する試薬は単位製剤である、実施形態M6に記載の使用。
  M8.  単位剤形なる前記医薬品に腫瘍治療有効量のインターフェロン、1〜5mgのキノカルコン化合物が有効成分として含まれる、実施形態M7に記載の使用。
  M9.  単位製剤は前記医薬品において1×10
7U〜4×10
7Uのインターフェロンを含む、実施形態M8に記載の使用。
  M10.  腫瘍疾患を治療する前記医薬品は、臨床用抗腫瘍薬、キノカルコン化合物の製剤を含む組成物である、実施形態M1〜M4のいずれか1項の使用。
  M11.  前記臨床用抗腫瘍薬は、抗腫瘍ワクチン又は化学療法薬を含む、実施形態M10に記載の使用。
  M12.  前記治療有効成分はインターフェロン、実施形態M1に記載のキノカルコン化合物を含む抗腫瘍剤を製造するための試薬組成物。
  M13.  単位製剤である実施形態M12に記載の製剤組成物。
  M14.  単位用量の製剤に治療有効量の腫瘍インターフェロン、1〜5mgのキノカルコン化合物が有効成分として含まれる、実施形態M13に記載の組成物。
  M15.  単位製剤は1×10
7U〜4×10
7Uのインターフェロンを含む、実施形態M14に記載の製剤。
  M16.  前記インターフェロンはインターフェロンβ、インターフェロンγから選択される、実施形態M12〜M15に記載の試薬組成物。
  M17.  治療有効成分として実施形態M1に記載のキノカルコン化合物、臨床用抗腫瘍剤が含まれる抗腫瘍剤組成物。
  M18.  前記臨床用抗腫瘍剤は抗腫瘍ワクチン又は化学療法剤を含む、実施形態M17に記載の組成物。
【0196】
  本明細書において言及する各特許、特許出願、刊行物、又は他の参考文献もしくは論文は、いずれも本願に援用される。もし矛盾が生じる場合、本明細書(定義の部分を含む)に準拠する。
【0197】
  特許、特許出願、刊行物、又は他の論文を援用することは、これらの内容が関連の従来技術であることを認めるわけではなく、また、これらの刊行物又は論文の内容又は記載の日時を認めるわけでもない。
【0198】
  特に定義される場合を除き、本願で使用される技術用語、科学用語は、そのいずれも当業者が理解している通常の意味を有する。本願に記載の関連の内容に類似する又は等価な方法又は材料は、本発明の実施又は検証に供することができるが、本願において適切な方法又は材料が提供されている。
【0199】
  本願に記載の特徴は、いずれも適切に組み合わせることができる。本明細書に開示されている各特徴は、同一の目的、等価な目的、又は類似する目的とする特徴に置き換えてもよい。したがって、特に説明される場合を除き、開示されている特徴(例えば、抗体)は、その等価な特徴又は類似する特徴に関する一つの例に過ぎない。
【0200】
  文脈中に明確に説明される場合を除き、本願で使用される数値、又は数値の範囲は、いずれも当該範囲内の整数、及び、当該範囲内の値又は整数に関する分数を含む。また、本明細書に値の列挙がある(例えば、約50%、60%、70%、80%、85%又は86%)場合は、当該列挙は全ての中間の値、分数値(例えば、54%、85.4%)を含む。したがって、例えば、80%以上と記載された場合は、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%等、及び81.1%、81.2%、81.3%、81.4%、81.5%等、82.1%、82.2%、82.3%、82.4%、82.5%等も含む。
【0201】
  量に関する記載に「未満」が添えられた場合は、量の参照用に記載された数字より小さいゼロ以外の任意の量を含む。
【0202】
  一連の範囲が記載された場合は、当該一連の範囲の境界値を組み合わせてなる範囲も含む。例えば、当該一連の範囲の説明として、例えば、1〜10及び10〜20が記載された場合は、1〜20である範囲を含む。
【0203】
  なお、本願技術の基本を逸脱しない範囲で、関連の内容の補正が可能である。1つ以上の特定の実施形態を参照して、本願技術に関して多くの詳細な説明がされているが、本願に開示されている具体的な実施形態に変更を加えることができ、ただし変更として補正又は改良を加えた場合は、本願技術の趣旨の範囲内とすべきであることは当業者に自明である。
【0204】
  本願では一般に、本発明に係る各種の実施形態、又は態様の具体的な説明に肯定形式の文言を使用しているが、本発明はまた、特定の事項(subject  matter)が全部又は部分的に排除された実施形態、例えば、物質もしくは材料、方法のステップと条件、実施形態もしくは手順も含む。例えば、本発明に係るいくつかの実施例又は態様において、材料及び/又は方法のステップが排除される。したがって、本願では一般に、本発明が特定の事項を含まないという形式の表現を採用していないため、本願の記載には、本発明に明確に排除されていない特定の事項も含まれる場合がある。
【0205】
  本願では具体的に説明されていない要素(element)が存在する場合においても、本明細書に例示的に説明された技術を適宜実施することができる。したがって、例えば、本願の各種の実施形態において、用語「含む」、「実質的に…からなる」、「…からなる」のいずれか一方は、他の2つの用語のいずれかが代用できる。記載されていた用語、表現は、限定の目的ではなく、説明目的の文言として理解される。しかもこれらの用語、表現の使用によって、すでに表示又は説明がされた特徴又はその一部に関する任意の等価な形態が排除されるわけではなく、且つ、本願技術の趣旨を超えない範囲内で各種の補正は可能である。用語「1つ」又は「1個」は、文脈中に一つの要素又は特定数量の要素と明確な記載がある場合を除き、それによって修飾された1つ以上の当該要素を指してもよい(例えば、「1種の試薬」と記載の場合は1種以上の試薬を意味してもよい)。本願で使用される用語「約」は、参照用に記載された数値の10%以内の値(即ち、±10%)であることを指し、しかも一連の値の前に添えられた用語「約」は、それぞれの値を修飾している(即ち、「約1、2、3」とは、約1、約2、約3であることを指す)。例えば、「約100g」の重量と記載された場合は、90g〜110gの間の重量を含む。本願で使用される用語「実質的に」は、数値を修飾して使用される用語であり、「少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%」、「少なくとも96%」、「少なくとも97%」、「少なくとも98%」、又は「少なくとも99%」であって、しかも100%を含むことを意味する。例えば、Xを実質的に含まない組成物と記載された場合は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満又は1%未満のXを含み、且つ/又は、前記組成物にXが存在しないもしくは検出されないことであってもよい。
【0206】
  用語「特異的結合」とは、特定のインビトロ測定方法(例えば、Elisa、ウェスタンブロッティング、フローサイトメトリー等)において、標的タンパク質又はペプチドとの結合が他の分子又はペプチドとの結合より優先する結合剤を指す。特異的結合による相互作用は、非特異的結合による相互作用の約2倍以上、一般に約10倍以上に相当し、場合によって、約100倍以上、1000倍以上、1万倍以上、10万倍以上、又は100万倍以上に相当する。
【0207】
  なお、典型的な実施形態、好ましい特徴を参照して本願技術を具体的に開示してはいるが、当業者が本願に開示されている内容に補正、変形を行うことができ、しかもこれらの補正又は変形が本願技術の範囲に含まれることは理解される。