(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検知センサからの検知結果を取得し、前記検知センサが前記周辺における前記人の不在を予め定められた時間以上検知した場合に、前記遮断弁を閉じる遮断信号を前記遮断ユニットへ出力する出力装置、を備え、
前記遮断ユニットは、前記遮断信号を取得し、且つ前記流量センサが予め定められた流量以上の流量を検知した場合に、前記ガスの供給を前記遮断弁により遮断する
請求項1に記載のガス遮断システム。
前記遮断ユニットは、前記供給管のガスの圧力を検出する圧力センサを有し、前記圧力センサが予め定められた圧力値以上の圧力を検出した場合に、閉じた状態の前記遮断弁の復帰を許容する
請求項1又は2に記載のガス遮断システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるシステムでは、ガス機器の使用状態を炎センサで検知するため、炎センサを遮断弁とは別部品として構成し、且つ遮断弁から離れた位置に配置する必要がある。このため、炎センサを配置するための配置スペースを、別途、設ける必要がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、ガス遮断システムの省スペース化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様に係るガス遮断システムは、ガス機器の周辺における人の存否を検知する検知センサと、前記ガス機器へガスを供給する供給管に設けられ、前記ガスの供給を遮断する遮断弁と、前記供給管の流量を検出する流量センサと、を有する遮断ユニットであって、前記検知センサが前記周辺における前記人の不在を予め定められた時間以上検知し、且つ前記流量センサによって予め定められた流量以上の流量が検出された場合に、前記ガスの供給を前記遮断弁により遮断する遮断ユニットと、を備える。
【0007】
このように、第1態様の構成では、遮断弁と流量センサとを有するユニットを用いているため、遮断弁と流量センサとがユニットとして構成されていない場合に比べ、ガス遮断システムの省スペース化を図ることができる。
【0008】
ここで、例えば、ガス機器の使用状態を流量センサではなく、ガス機器の炎を検出する炎センサで検知する構成では、遮断弁と離れた位置に炎センサを配置する必要があり、ユニットとして構成できない。
【0009】
第2態様に係るガス遮断システムは、前記検知センサからの検知結果を取得し、前記検知センサが前記周辺における前記人の不在を予め定められた時間以上検知した場合に、前記遮断弁を閉じる遮断信号を前記遮断ユニットへ出力する出力装置、を備え、前記遮断ユニットは、前記遮断信号を取得し、且つ前記流量センサが予め定められた流量以上の流量を検知した場合に、前記ガスの供給を前記遮断弁により遮断する。
【0010】
このように、第2態様の構成では、検知センサがガス機器の周辺における人の不在を予め定められた時間以上検知した場合に、出力装置が、遮断信号を遮断ユニットへ出力するため、遮断ユニットにおいて、検知センサがガス機器の周辺における人の不在を予め定められた時間以上検知したか否かの判定を行う必要がない。
【0011】
したがって、遮断ユニットにおいて、検知センサがガス機器の周辺における人の不在を予め定められた時間以上検知したか否かの判定を行う必要がある構成に比べ、遮断ユニットを簡易な構成にできる。
【0012】
第3態様に係るガス遮断システムでは、前記遮断ユニットは、前記供給管のガスの圧力を検出する圧力センサを有し、前記圧力センサが予め定められた圧力値以上の圧力を検出した場合に、閉じた状態の前記遮断弁の復帰を許容する。
【0013】
このように、第3態様の構成では、圧力センサが予め定められた圧力値以上の圧力を検出した場合に、遮断弁の復帰を許容するので、例えば、ガス機器におけるガス栓が開放状態であることによって、又は、供給管やガス機器等でのガス漏れによって、供給管のガス圧力が低下している状態で、遮断弁が復帰されることを防止できる。
【0014】
第4態様に係るガス遮断システムは、閉じた状態の前記遮断弁を復帰させる指示を取得した場合に、復帰信号を前記遮断ユニットへ出力する出力装置、を備え、前記遮断ユニットは、前記復帰信号を取得し、且つ前記圧力センサが予め定められた圧力値以上の圧力を検出した場合に、閉じた状態の前記遮断弁を復帰させる。
【0015】
第4態様の構成では、出力装置に対して遮断弁を復帰させる指示を入力することで、遮断弁を復帰できる。したがって、人が遮断弁自体を操作せずに、遮断弁を復帰できる。
【0016】
第5態様に係るガス遮断システムでは、前記供給管は、本管と、該本管から分岐して前記ガス機器としての第一ガス機器にガスを供給する第一枝管と、該本管から分岐して第二ガス機器にガスを供給する第二枝管と、を有しており、前記遮断ユニットは、前記第一枝管に設けられている。
【0017】
このように、第5態様の構成では、ユニットが、本管ではなく第一枝管に設けられているため、検知センサが人の不在を予め定められた時間以上検知し、且つ流量センサが予め定められた流量以上の流量を検出した場合でも、第二ガス機器の使用を継続できる。
【0018】
第6態様に係るガス遮断システムでは、前記検知センサは、マイクロ波を照射して前記人の存否を検知するセンサである。
【0019】
このように、第6態様の構成では、マイクロ波を照射して前記人の存否を検知するセンサので、赤外線センサを用いる場合に比べ、温度の影響を受けにくく、気温が高い環境においても誤検知を抑制できる。
【0020】
第7態様に係るガス遮断システムは、前記マイクロ波の照射範囲を変更する変更指示を取得した場合に、前記検知センサのマイクロ波の照射範囲を変更する変更装置を備える。
【0021】
このように、第7態様の構成では、検知センサのマイクロ波の照射範囲を変更できるので、ガス機器が設置されている設置場所の状況に合わせて、検知センサの検知範囲を調整できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、上記構成としたので、ガス遮断システムの省スペース化を図ることができるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
【0025】
(ガス遮断システム10)
本実施形態に係るガス遮断システム10の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係るガス遮断システム10の構成を示す概略図である。
【0026】
図1に示されるガス遮断システム10は、ガス機器11へのガスの供給を、予め定められた条件下において遮断するシステムである。このガス遮断システム10は、一例として、ガス機器11が配置された飲食店の厨房に対して、適用される。
【0027】
本実施形態では、ガス遮断システム10は、厨房に配置された複数のガス機器11、12のうち、ガス機器11に対してガス供給の遮断機能を有し、ガス機器12に対してはガス供給の遮断機能を有していない。すなわち、本実施形態では、厨房に配置された全てのガス機器が、ガス供給の遮断対象となるわけではなく、複数のガス機器として、ガス供給の遮断対象となるガス機器(本実施形態ではガス機器11)と、ガス供給の遮断対象とならないガス機器(本実施形態ではガス機器12)と、が存在する。
【0028】
なお、ガス遮断システム10は、ガス遮断システム10が適用される適用対象(本実施形態では厨房)に配置された全てのガス機器について、ガスの供給を遮断するように構成されていてもよい。
【0029】
ガス遮断システム10は、具体的には、
図1に示されるように、人感センサ20と、遮断ユニット30と、処理装置60と、を備えている。以下、ガス機器11、12と、ガス機器11、12へガスを供給する供給管50と、ガス遮断システム10の各構成部(具体的には、人感センサ20、遮断ユニット30、及び処理装置60)と、について説明する。
【0030】
(ガス機器11、12及び供給管50)
ガス機器11、12へガスを供給する供給管50は、
図1に示されるように、本管56と、本管56から分岐する第一枝管51と、本管56から分岐する第二枝管52と、を有している。本管56の上流端部には、ガスメータ59が接続されている。
【0031】
第一枝管51には、ガス機器11が設けられている。第一枝管51は、ガス機器11へガスを供給する。第二枝管52には、ガス機器12が設けられている。第二枝管52は、ガス機器12へガスを供給する。
【0032】
ガス機器11は、第一ガス機器の一例であり、前述のように、ガスの供給の遮断対象となるガス機器である。ガス機器11としては、例えば、過熱状態が生じるガス機器(例えば、ガスレンジ、及びフライヤー等)などがある。
【0033】
ガス機器12は、第二ガス機器の一例であり、前述のように、ガスの供給の遮断対象とならないガス機器である。ガス機器12としては、例えば、火力が自動制御されること等により、過熱状態が生じないガス機器(例えば、給湯器等)、使用途中でガス供給が遮断されると営業に支障をきたすガス機器(例えば、スチームコンベクションオーブン等のガスオーブン、及び中華レンジ等)などがある。
【0034】
なお、供給管50は、第一枝管51及び第二枝管52に加えて、さらに、本管56、第一枝管51及び第二枝管52のいずれかから分岐する枝管を有していてもよい。この場合では、さらに、当該枝管に対してガス機器が設けられていてもよい。
【0035】
(人感センサ20)
人感センサ20は、検知センサの一例である。人感センサ20は、ガス機器11の周辺における人(すなわち、ガス機器11の使用者)の存否を検知するセンサである。本実施形態では、人感センサ20は、ガス機器11が配置された飲食店の厨房に設置される。
【0036】
このように、人感センサ20は、飲食店の厨房に設置されるため、以下の(1)(2)の機能を有することが求められる。
(1)一般の部屋より温湿度が高い厨房内にて、ガス機器11の使用者(以下、単に使用者という)の存否を検知可能であること
(2)人感センサ20が熱や油煙、及び水蒸気等で故障しないこと
【0037】
人感センサ20としては、赤外線センサ、超音波センサ、及びマイクロ波センサなどが用いることができるが、この中でもマイクロ波センサを用いることが望ましい。
【0038】
マイクロ波センサは、マイクロ波を照射して使用者の存否を検知するセンサである。具体的には、マイクロ波センサは、マイクロ波を照射し、ドップラー効果を利用して動体(すなわち、動作する使用者)を検知する。そして、人感センサ20では、ガス機器11周辺の予め定められた範囲(以下、検知範囲という)において、動体(すなわち、動作する使用者)を検知しない場合に、当該検知範囲に使用者が不在であることを示す不在信号を出力する。この不在信号は、処理装置60の後述の取得部61Aによって取得される。人感センサ20の検知範囲は、ガス機器11の使用の際に使用者が居る(立つ)領域、具体的には、例えば、ガス機器11正面の領域に設定される。
【0039】
このように、マイクロ波の照射によるドップラー効果を利用した方式では、温湿度の変化に影響を受けにくい。また、マイクロ波は、プラスチック等の所定の物質を透過する性質を有している。
【0040】
一方、赤外線センサは、周囲の気温と使用者の体温との温度差によって使用者の存否を検知する。具体的には、赤外線センサは、周囲の気温よりも予め定められた温度(例えば3℃)高い動体(すなわち、動作する使用者)を検知する。このため、一般の部屋より気温が高い厨房内では、周囲の気温と使用者の体温との温度差が小さくなるため、使用者の存否を検知しにくい。
【0041】
また、超音波センサでは、通常、厨房の空間内に配置された配置物(例えば機器や食材)の配置位置を記憶させてから用いる必要があるため、配置物の配置位置が変更されるためにリセットする必要がある。厨房では、配置物の移動が、頻繁に行われるため、超音波センサは不向きである。なお、マイクロ波センサの場合では、厨房の空間内に配置された配置物の配置位置を記憶させる必要はないため、配置物の配置位置が変更されてもリセットの必要はない。
【0042】
また、人感センサ20は、マイクロ波が透過する材料(例えばプラスチック)で構成されたケースに収容されている。これにより、人感センサ20が、熱、油煙、及び水蒸気等にさらされることを抑制する。
【0043】
人感センサ20は、
図1に示されるように、例えば、厨房の天井102に設置される。人感センサ20は、下方側へ向けてマイクロ波を照射する。人感センサ20の設置される個数は、単数に限られず、複数であってもよく、ガス機器11が設置されている設置場所の状況に合わせて設定可能である。
【0044】
なお、本実施形態では、人感センサ20としてマイクロ波センサを用いたが、これに限られない。人感センサ20としては、赤外線センサ及び超音波センサ、その他のセンサを用いてもよい。
【0045】
(遮断ユニット30)
遮断ユニット30は、ガス機器11へ供給されるガスを、予め定められた条件下で遮断するユニットである。この遮断ユニット30は、
図1に示されるように、ガス機器11へガスを供給する供給管50に設けられている。具体的には、遮断ユニット30は、第一枝管51に対して設けられ、第二枝管52に対しては設けられていない。
【0046】
遮断ユニット30は、
図2に示されるように、筐体31と、ガス流路33と、遮断弁32と、流量センサ34と、圧力センサ36と、制御基板38と、を有している。
【0047】
筐体31は、遮断ユニット30の各構成部分が収容される箱体(すなわちケース)である。ガス流路33は、筐体31の内部に設けられており、正面視においてUの字状に形成されている。ガス流路33の一端部及び他端部が第一枝管51に接続され、第一枝管51のガスがガス流路33を流れる。換言すれば、ガス流路33が第一枝管51の一部を構成している。なお、
図2では、ガス流路33におけるガスの流通方向が、一点鎖線の矢印にて示されている。
【0048】
遮断弁32は、ガス機器11へ供給されるガスを、予め定められた条件下で遮断する弁である。この遮断弁32は、ガス流路33に対して設けられており、ガス流路33を開閉可能な弁として構成されている。そして、遮断弁32が、ガス流路33を閉じることで、第一枝管51でのガスの供給を遮断する。
【0049】
圧力センサ36は、ガス流路33におけるガス圧力を検知するセンサである。圧力センサ36は、ガス流路33におけるガス圧力を検知することにより、第一枝管51におけるガス圧力を検知する。本実施形態では、圧力センサ36は、一例として、
図2に示されるように、遮断弁32に搭載されている。
【0050】
この圧力センサ36は、一例として、予め定められた圧力値(以下、基準圧力値)未満のガス圧力を検出した場合に、第一枝管51のガス圧力が基準圧力値未満であることを示す検知信号を出力する。この検知信号は、制御基板38の後述の取得部81Aによって取得される。一方、圧力センサ36は、ガス流路33におけるガス圧力が、基準圧力値以上である場合には、上記検知信号を出力しない。
【0051】
流量センサ34は、供給管50(具体的には、第一枝管51)の流量を検出するためのセンサである。本実施形態では、流量センサ34は、ガス機器11が使用状態であるか否かを検知するために用いられる。
【0052】
流量センサ34は、
図2に示されるように、一例として、ガス流路33を間に挟んで互いが対向するように、ガス流路33の上流側と下流側とに配置された一対の超音波センサ34A、34Bを有している。一対の超音波センサ34A、34Bの各々が送信機能及び受信機能を有しており、各々が送信した超音波を互いに受信し合う。そして、後述するように、一対の超音波センサ34A、34Bの各々が受信した超音波の到達時間差により、ガス流路33に流れるガスのガス流量が算出される。
【0053】
なお、遮断ユニット30に備えられた制御基板38の具体的な構成については後述する。
【0054】
上記構成を有する遮断ユニット30としては、超音波型のマイコンメータを転用することが可能である。また、遮断ユニット30では、流量センサ34として、超音波センサ34A、34Bを有するセンサを用いたが、これに限られない。流量センサ34としては、種々のセンサを用いることが可能である。
【0055】
(処理装置60)
処理装置60は、出力装置の一例であり、各種の処理を実行する装置である。この処理装置60は、予め定められた信号を、予め定められた条件下において、遮断ユニット30に出力する。
【0056】
具体的には、処理装置60は、人感センサ20からの検知結果を取得し、人感センサ20がガス機器11の周辺における使用者の不在を予め定められた時間(以下、基準時間という)以上検知した場合に、遮断弁32を閉じる遮断信号を遮断ユニット30へ出力する。
【0057】
処理装置60は、
図3に示されるように、一例として、プロセッサ61と、メモリ62と、ストレージ63と、タイマー64と、入力部66と、を有している。プロセッサ61は、一例として、汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)で構成されている。タイマー64は、人感センサ20からの信号の入力が継続する継続時間を計測するための計測部である。
【0058】
入力部66は、使用者によって各種の指示が入力される構成部である。入力部66では、例えば、閉じた状態の遮断弁32を復帰させる復帰指示(すなわちガス機器11が使用可能な状態へ復帰させる復帰指示)、人感センサ20のマイクロ波の照射範囲を変更する照射範囲変更指示、及び基準時間を変更する時間変更指示が入力可能とされている。入力部66は、一例として、タッチパネル、操作ボタン、操作キー、及び操作レバー等の操作部により構成される。なお、処理装置60は、使用者に操作される入力部66を有するため、予め使用者が操作しやすい壁や台に設置される。
【0059】
ストレージ63は、処理プログラム63A(
図4参照)を含む各種プログラムと、各種データと、を格納する。ストレージ63は、具体的には、フラッシュメモリ等の記録装置により実現される。
【0060】
メモリ62は、プロセッサ61が各種プログラムを実行するための作業領域であり、プロセッサ61が処理を実行する際に一時的に各種プログラム又は各種データを記録する。プロセッサ61は、ストレージ63から処理プログラム63Aを含む各種プログラムをメモリ62に読み出し、メモリ62を作業領域としてプログラムを実行する。
【0061】
処理装置60において、プロセッサ61は処理プログラム63Aを実行することにより、各種の機能を実現する。以下、ハードウェア資源としてのプロセッサ61とソフトウェア資源としての処理プログラム63Aの協働によって実現される機能構成について説明する。
図4は、プロセッサ61の機能構成を示すブロック図である。
【0062】
図4に示されるように、処理装置60において、プロセッサ61は、処理プログラム63Aを実行することにより、取得部61A、計測部61B、出力部61C、及びセンサ制御部61Dとして機能する。
【0063】
取得部61Aは、人感センサ20からの検知結果を取得する。具体的には、取得部61Aは、人感センサ20から、検知範囲において使用者が不在であることを示す不在信号を取得する。
【0064】
また、取得部61Aは、入力部66を通じて入力された各種の指示を取得する。具体的には、取得部61Aは、閉じた状態の遮断弁32を復帰させる復帰指示、人感センサ20のマイクロ波の照射範囲を変更する照射範囲変更指示、及び基準時間を変更する時間変更指示を取得する。照射範囲変更指示には、変更後の照射範囲を示す照射範囲情報も含まれる。また、時間変更指示には、変更後の基準時間を示す時間情報も含まれる。
【0065】
計測部61Bは、取得部61Aによる不在信号の取得が継続する継続時間を、タイマー64によって計測する。
【0066】
出力部61Cは、計測部61Bが、当該継続時間を基準時間以上計測した場合に、遮断弁32を閉じる遮断信号を遮断ユニット30の制御基板38へ出力する。このように、処理装置60は、人感センサ20からの検知結果を取得し、人感センサ20がガス機器11の周辺における使用者の不在を基準時間以上検知した場合に、遮断弁32を閉じる遮断信号を遮断ユニット30へ出力する。
【0067】
基準時間は、ガス機器11において加熱を継続した場合に異常過熱が生じ得る時間として予め設定される。なお、出力部61Cは、取得部61Aが時間変更指示を取得した場合に、当該時間変更指示に含まれる時間情報に基づき、基準時間を変更する。
【0068】
また、出力部61Cは、取得部61Aが復帰指示を取得した場合に、閉じた状態の遮断弁32を開いた状態に復帰させる復帰信号を遮断ユニット30への制御基板38へ出力する。このように、処理装置60は、遮断弁32を復帰させる復帰指示を取得した場合に、復帰信号を遮断ユニット30へ出力する。
【0069】
センサ制御部61Dは、取得部61Aが照射範囲変更指示を取得した場合に、当該照射範囲変更指示に含まれる照射範囲情報に基づき、人感センサ20の照射範囲を変更する。このように、処理装置60は、人感センサ20におけるマイクロ波の照射範囲(すなわち検知範囲)を変更する変更指示を取得した場合に、人感センサ20のマイクロ波の照射範囲を変更する。すなわち、処理装置60は、変更装置の一例として機能する。
【0070】
なお、処理装置60は、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路で構成された専用のプロセッサを有し、当該プロセッサに各種の処理を実行する構成であってもよい。
【0071】
(制御基板38)
遮断ユニット30の制御基板38は、遮断弁32の開閉を制御する制御部である。具体的には、制御基板38は、人感センサ20がガス機器11の周辺における使用者の不在を基準時間以上検知し、流量センサ34によって予め定められた流量以上の流量が検出された場合に、ガスの供給を遮断弁32により遮断する。
【0072】
制御基板38は、
図5に示されるように、一例として、プロセッサ81と、メモリ82と、ストレージ83と、を有している。プロセッサ81は、一例として、汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)で構成されている。
【0073】
ストレージ83は、処理プログラム83A(
図6参照)を含む各種プログラムと、各種データと、を格納する。ストレージ83は、具体的には、フラッシュメモリ等の記録装置により実現される。
【0074】
メモリ82は、プロセッサ81が各種プログラムを実行するための作業領域であり、プロセッサ81が処理を実行する際に一時的に各種プログラム又は各種データを記録する。プロセッサ81は、ストレージ83から処理プログラム83Aを含む各種プログラムをメモリ82に読み出し、メモリ82を作業領域としてプログラムを実行する。
【0075】
制御基板38において、プロセッサ81は処理プログラム83Aを実行することにより、各種の機能を実現する。以下、ハードウェア資源としてのプロセッサ81とソフトウェア資源としての処理プログラム83Aの協働によって実現される機能構成について説明する。
図6は、プロセッサ81の機能構成を示すブロック図である。
【0076】
図6に示されるように、制御基板38において、プロセッサ81は、処理プログラム83Aを実行することにより、取得部81A、計測部81B、算出部81C、及び開閉制御部81Dとして機能する。
【0077】
取得部81Aは、遮断弁32を閉じる遮断信号を処理装置60から取得する。また、取得部81Aは、流量センサ34の検知結果を流量センサ34から取得する。具体的には、取得部81Aは、流量センサ34に備えられた一対の超音波センサ34A、34Bの各々が超音波を送信したことを示す送信信号と、一対の超音波センサ34A、34Bの各々が超音波を受信したことを示す受信信号と、を取得する。
【0078】
また、取得部81Aは、閉じた遮断弁32を開いた状態に復帰させる復帰信号を、処理装置60から取得する。また、取得部81Aは、第一枝管51のガス圧力が基準圧力値未満であることを示す検知信号を圧力センサ36から取得する。なお、ガス流路33におけるガス圧力が、基準圧力値以上である場合には、圧力センサ36は、当該検知信号を出力しないため、取得部81Aが当該検知信号を取得しない場合には、制御基板38では、圧力センサ36が、基準圧力値未満のガス圧力を検出したものと把握される。換言すれば、圧力センサ36は、当該検知信号を出力しない場合は、圧力センサ36が、基準圧力値未満のガス圧力を検出した場合に相当する。
【0079】
計測部81Bは、超音波センサ34Aが超音波を送信してから該超音波を超音波センサ34Bが受信するまでの到達時間と、超音波センサ34Bが超音波を送信してから該超音波を超音波センサ34Aが受信するまでの到達時間と、を計測する。
【0080】
算出部81Cは、計測部81Bの計測された2つの到達時間の差により、ガス流路33に流れるガスのガス流量を算出する。
【0081】
開閉制御部81Dは、遮断弁32の開閉を制御する機能を有している。開閉制御部81Dは、取得部81Aが処理装置60からの遮断信号を取得し、且つ、算出部81Cが算出したガス流量が、予め定められた流量(以下、基準流量)以上の流量である場合に、遮断弁32を閉じる遮断制御を遮断弁32に対して行う。基準流量は、ガス機器11の使用によってガス流路33において生じるガス流量として設定される。すなわち、基準流量は、ガス機器11の使用状態が認められる流量として予め設定される。
【0082】
ここで、判定の対象となるガス流量は、一例として、取得部81Aが遮断信号を取得した時点の流量である。この場合は、遮断信号を取得した時点でガス機器11が使用されていたことから、人感センサ20の検知範囲に使用者が不在であった期間(すなわち基準時間)にガス機器11が使用されていたものとして、遮断制御を行う。なお、判定の対象となるガス流量は、人感センサ20の検知範囲に使用者が不在であった期間(すなわち基準時間)における流量であってもよいし、当該期間の経過時点(終了時点)の流量であってもよい。
【0083】
開閉制御部81Dは、取得部81Aが処理装置60からの遮断信号を取得しない場合、及び、算出部81Cが算出したガス流量が、基準流量未満の流量である場合においては、遮断弁32を動作させず、遮断弁32が開いた状態を維持する。したがって、開閉制御部81Dは、取得部81Aが処理装置60からの遮断信号を取得した場合であっても、算出部81Cが算出したガス流量が、基準流量未満の流量である場合には、遮断弁32を動作させず、遮断弁32が開いた状態を維持する。
【0084】
以上のように、遮断ユニット30では、処理装置60から遮断信号を取得し、且つ流量センサ34が基準流量以上の流量を検知した場合に、ガスの供給を遮断弁32により遮断する。また、遮断ユニット30では、処理装置60から遮断信号を取得した場合であっても、流量センサ34が基準流量未満の流量を検知した場合には、ガスの供給を遮断しない。
【0085】
開閉制御部81Dは、取得部81Aが処理装置60からの復帰信号を取得し、且つ、取得部81Aが、第一枝管51のガス圧力が基準圧力値未満であることを示す検知信号を取得しない場合に、閉じた遮断弁32を開いた状態に復帰させる。したがって、開閉制御部81Dは、取得部81Aが処理装置60からの復帰信号を取得した場合であっても、取得部81Aが検知信号を取得する場合には、遮断弁32を閉じた状態に維持する。
【0086】
以上のように、遮断ユニット30では、処理装置60から復帰信号を取得し、圧力センサ36が基準圧力値以上の圧力を検出した場合に、遮断弁32を復帰させる。また、遮断ユニット30では、処理装置60から復帰信号を取得し、圧力センサ36が基準圧力値未満の圧力を検出した場合には、遮断弁32を復帰させない。
【0087】
すなわち、本実施形態では、圧力センサ36が基準圧力値以上の圧力を検出した場合に、遮断弁32の復帰を許容し、圧力センサ36が基準圧力値未満の圧力を検出した場合に、遮断弁32の復帰を禁止する。
【0088】
なお、制御基板38は、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路で構成された専用のプロセッサを有し、当該プロセッサに各種の処理を実行する構成であってもよい。
【0089】
(本実施形態に係る遮断処理)
次に、本実施形態に係る遮断処理の一例について説明する。
図7は、処理装置60及び制御基板38によって実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0090】
本処理は、プロセッサ61、81が、ストレージ63、83から処理プログラム63A、83Aを読み出し、協働して実行することにより行なわれる。本処理は、一例として、処理装置60の電源が投入されることで、実行が開始される。
【0091】
プロセッサ61は、
図7に示されるように、人感センサ20からの検知結果(すなわち不在信号)を取得したか否かを判定する(ステップS102)。
【0092】
プロセッサ61は、人感センサ20から不在信号を取得したと判定した場合に(ステップS102:YES)、ステップS104へ移行する。一方、プロセッサ61は、人感センサ20から不在信号を取得していないと判定した場合には(ステップS102:NO)、再度、ステップS102を行う。すなわち、人感センサ20から不在信号を取得するまで、ステップS102を繰り返す。
【0093】
ステップS104では、プロセッサ61は、人感センサ20からの不在信号の取得が継続する継続時間が、基準時間以上であるか否かを判定する。すなわち、プロセッサ61は、人感センサ20がガス機器11の周辺における使用者の不在を検知した検知時間が、基準時間以上であるか否かを判定する。
【0094】
プロセッサ61は、継続時間が基準時間以上であると判定した場合に(ステップS104:YES)、遮断弁32を閉じる遮断信号を遮断ユニット30へ出力し、ステップS106へ移行する。一方、プロセッサ61は、継続時間が基準時間未満であると判定した場合に(ステップS104:NO)、ステップS102へ戻る。
【0095】
ステップS106では、プロセッサ81は、流量センサ34で検知されたガス流量が、基準流量以上の流量であるか否かを判定する。
【0096】
プロセッサ81は、流量センサ34で検知されたガス流量が、基準流量以上の流量であると判定した場合に(ステップS106:YES)、遮断弁32を閉じる制御を遮断弁32に対して行い(ステップS108)、本処理を終了する。一方、プロセッサ81は、流量センサ34で検知されたガス流量が、基準流量未満の流量であると判定した場合に(ステップS106:NO)、ステップS102へ戻る。
【0097】
なお、
図7に示す処理では、例えば、処理装置60の電源がオフとされた場合に、いずれのステップを実行しているかに関わらず、本処理を終了する。
【0098】
以上のように、ガス遮断システム10では、人感センサ20がガス機器11の周辺における使用者の不在を基準時間以上検知し、且つ流量センサ34によって基準流量以上の流量が検出された場合に、ガスの供給を遮断弁32により遮断する。これにより、ガス機器11におけるガスの消し忘れを防止できる。
【0099】
(本実施形態に係る作用効果)
以上のように、本実施形態に係るガス遮断システム10では、遮断弁32と流量センサ34とを有する遮断ユニット30を用いているため、遮断弁32と流量センサ34とがユニットとして構成されていない場合に比べ、ガス遮断システム10の省スペース化を図ることができる。
【0100】
ここで、例えば、ガス機器11の使用状態を流量センサ34ではなく、ガス機器11の炎を検出する炎センサで検知する構成では、遮断弁32と離れた位置に炎センサを配置する必要があり、ユニットとして構成できない。
【0101】
また、ガス遮断システム10では、処理装置60は、人感センサ20からの検知結果を取得し、人感センサ20がガス機器11の周辺における使用者の不在を基準時間以上検知した場合に、遮断弁32を閉じる遮断信号を遮断ユニット30へ出力する。そして、遮断ユニット30では、処理装置60から遮断信号を取得し、且つ流量センサ34が基準流量以上の流量を検知した場合に、ガスの供給を遮断弁32により遮断する。
【0102】
このため、遮断ユニット30において、人感センサ20がガス機器11の周辺における使用者の不在を基準時間以上検知したか否かの判定を行う必要がない。したがって、遮断ユニット30において、当該判定を行う必要がある構成に比べ、遮断ユニット30を簡易な構成にできる。すなわち、当該判定を行うための回路等を、遮断ユニット30に追加する必要がなく、既存のマイコンメータを用いることが可能となる。
【0103】
また、ガス遮断システム10では、遮断ユニット30は、圧力センサ36が基準圧力値以上の圧力を検出した場合に、遮断弁32の復帰を許容する。
【0104】
このため、例えば、例えば、ガス機器11におけるガス栓が開放状態であることによって、又は、供給管50やガス機器11等でのガス漏れによって、第一枝管51のガス圧力が低下している状態で、遮断弁32が復帰されることを防止できる。
【0105】
また、ガス遮断システム10では、処理装置60は、閉じた状態の遮断弁32を復帰させる復帰指示を取得した場合に、復帰信号を遮断ユニット30へ出力する。そして、遮断ユニット30が、処理装置60から復帰信号を取得し、圧力センサ36が基準圧力値以上の圧力を検出した場合に、遮断弁32を復帰させる。
【0106】
このため、使用者が、処理装置60に対して遮断弁32を復帰させる指示を入力することで、遮断弁32を復帰できる。したがって、使用者が遮断弁32自体を操作せずに、例えば、予め使用者が操作しやすい壁や台に設置されている処理装置60の入力部66を操作することにより、遮断弁32を復帰できる。
【0107】
また、ガス遮断システム10では、遮断ユニット30は、供給管50において、本管56及び第二枝管52ではなく、第一枝管51に設けられている。このため、人感センサ20が使用者の不在を基準時間以上検知し、流量センサ34が基準流量以上の流量を検知した場合でも、ガス機器12の使用を継続できる。
【0108】
また、ガス遮断システム10では、人感センサ20として、マイクロ波を照射して使用者の存否を検知するマイクロ波センサを用いている。このため、例えば、人感センサ20として、赤外線センサを用いる場合に比べ、温度の影響を受けにくく、気温が高い環境においても誤検知を抑制できる。
【0109】
また、ガス遮断システム10では、処理装置60は、人感センサ20におけるマイクロ波の照射範囲を変更する変更指示を取得した場合に、人感センサ20のマイクロ波の照射範囲を変更する。
【0110】
このように、人感センサ20におけるマイクロ波の照射範囲を変更できるので、ガス機器11が設置されている設置場所の状況に合わせて、人感センサ20の検知範囲を調整できる。また、マイクロ波の照射範囲を変更に加えて、人感センサ20の個数を変更することで、人感センサ20の検知範囲を微調整することが可能となる。
【0111】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、その主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、変更、改良が可能である。
【解決手段】ガス遮断システムは、ガス機器の周辺における人の存否を検知する検知センサと、前記ガス機器へガスを供給する供給管に設けられ、前記ガスの供給を遮断する遮断弁と、前記供給管の流量を検出する流量センサと、を有する遮断ユニットであって、前記検知センサが前記周辺における前記人の不在を予め定められた時間以上検知し、且つ前記流量センサによって予め定められた流量以上の流量が検出された場合に、前記ガスの供給を前記遮断弁により遮断する遮断ユニットと、を備える。