(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記出力制御部は、前記復号結果に対して誤り検出を行い、前記複数の干渉除去アルゴリズムに基づく全ての前記復号結果で誤りが検出された場合、誤りが検出された前記復号結果のうち、最も信頼度の高い前記判定基準値が得られたときの前記復号結果を最終的な誤り訂正復号結果として出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の誤り訂正復号装置。
前記誤り訂正部は、繰り返し復号を行う符号を用いる場合、誤り訂正復号が完了する前の途中の繰り返し回数における前記判定基準値と閾値とを比較し、前記閾値の方が大きいときは、該当する前記干渉除去アルゴリズムで干渉除去され、復調された信号に対する誤り訂正復号を中止し、他の前記干渉除去アルゴリズムで干渉除去され、復調された信号に対する誤り訂正復号を行う、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の誤り訂正復号装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施の形態に係る誤り訂正復号装置、制御回路、記憶媒体および誤り訂正復号方法を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る誤り訂正復号装置30の構成例を示すブロック図である。誤り訂正復号装置30は、干渉除去部1と、選択部2と、復調部3と、誤り訂正部4と、比較部5と、選択部6と、復号結果候補記憶部7と、選択部8と、判定基準値候補記憶部9と、を備える。また、誤り訂正復号装置30では、比較部5、選択部6、復号結果候補記憶部7、選択部8、および判定基準値候補記憶部9によって、出力制御部10を構成している。
【0011】
干渉除去部1は、受信信号に対して複数の異なる干渉除去アルゴリズムによって干渉除去を行う。干渉除去部1は、干渉除去処理部20−1〜20−kを備える。干渉除去処理部20−1〜20−kは、受信信号に対して、各々が異なる干渉除去アルゴリズムによって干渉除去を行う。干渉除去部1は、
図1の例では、k種類の干渉除去アルゴリズムによって干渉除去を行い、k種類の干渉除去アルゴリズムごとに干渉除去信号を生成する。
【0012】
選択部2は、干渉除去部1によって生成された複数の干渉除去信号の中から1つを選択する。選択部2は、選択した干渉除去信号を復調部3に出力する。
【0013】
復調部3は、選択部2で選択された干渉除去信号を復調する。復調部3は、復調した信号を誤り訂正部4に出力する。
【0014】
誤り訂正部4は、復調部3で復調された信号に対して誤り訂正復号を行う。誤り訂正部4は、誤り訂正復号の結果得られた復号結果を選択部6に出力する。また、誤り訂正部4は、誤り訂正復号の過程で得られる値であって、復号結果の信頼度を示す判定基準値を比較部5および選択部8に出力する。判定基準値は、例えば、受信硬判定ビットと復号ビットとを比較して反転したビット数、復号後の尤度比の絶対値の総和といった値などで表すことができるが、これらに限定されない。
【0015】
比較部5は、誤り訂正部4から出力される判定基準値と、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補とを比較する。判定基準値候補とは、誤り訂正復号装置30から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果の復号過程で得られた判定基準値である。比較部5は、比較結果に基づいて、選択部6,8による選択、すなわち選択部6,8からの出力を制御する。
【0016】
選択部6は、比較部5の制御に基づいて、誤り訂正部4から出力される復号結果、または復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を選択する。復号結果候補とは、誤り訂正復号装置30から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果である。
【0017】
復号結果候補記憶部7は、選択部6で選択されたものであって、誤り訂正復号装置30から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果を復号結果候補として記憶する。
【0018】
選択部8は、比較部5の制御に基づいて、誤り訂正部4から出力される判定基準値、または判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を選択する。
【0019】
判定基準値候補記憶部9は、選択部8で選択されたものであって、誤り訂正復号装置30から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果の復号過程で得られた判定基準値を判定基準値候補として記憶する。
【0020】
出力制御部10は、判定基準値に基づいて、最も信頼度の高い判定基準値が得られたときの復号結果を最終的な誤り訂正復号結果として出力する。
【0021】
つづいて、誤り訂正復号装置30の動作について説明する。
図2は、実施の形態1に係る誤り訂正復号装置30の動作を示すフローチャートである。
【0022】
受信信号が入力されると、誤り訂正復号装置30において、干渉除去部1の干渉除去処理部20−1は、受信信号に対して第1の干渉除去アルゴリズムを用いて干渉除去を行い(ステップS101)、干渉除去信号を生成する。選択部2は、干渉除去部1の干渉除去処理部20−1で生成された干渉除去信号を選択し(ステップS102)、復調部3に出力する。復調部3は、選択部2で選択された干渉除去信号を復調し(ステップS103)、復調した信号として軟判定情報を生成して誤り訂正部4に出力する。誤り訂正部4は、復調部3で生成された軟判定情報に対して誤り訂正復号を行い(ステップS104)、誤り訂正復号された復号結果、および復号過程で得られる判定基準値を生成して出力する。
【0023】
比較部5は、誤り訂正部4から判定基準値を取得し、誤り訂正部4から取得した判定基準値と、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補とを比較する(ステップS105)。比較部5は、初回の場合、判定基準値候補記憶部9に判定基準値候補が記憶されていないことから、誤り訂正部4から取得した判定基準値の信頼度が高いと判定する(ステップS105:No)。比較部5は、誤り訂正部4から出力された復号結果を選択するよう選択部6を制御する。また、比較部5は、誤り訂正部4から出力された判定基準値を選択するよう選択部8を制御する。選択部6は、誤り訂正部4から出力された復号結果を選択して復号結果候補記憶部7に復号結果候補として記憶、すなわち更新させる(ステップS106)。選択部8は、誤り訂正部4から出力された判定基準値を選択して判定基準値候補記憶部9に判定基準値候補として記憶、すなわち更新させる(ステップS106)。
【0024】
誤り訂正復号装置30は、全ての干渉除去アルゴリズムでの干渉除去が終了していないため(ステップS108:No)、ステップS101の動作に戻る。
【0025】
つぎに、干渉除去部1の干渉除去処理部20−2は、受信信号に対して第2の干渉除去アルゴリズムを用いて干渉除去を行い(ステップS101)、干渉除去信号を生成する。選択部2は、干渉除去部1の干渉除去処理部20−2で生成された干渉除去信号を選択し(ステップS102)、復調部3に出力する。復調部3は、選択部2で選択された干渉除去信号を復調し(ステップS103)、復調した信号として軟判定情報を生成して誤り訂正部4に出力する。誤り訂正部4は、復調部3で生成された軟判定情報に対して誤り訂正復号を行い(ステップS104)、誤り訂正復号された復号結果、および復号過程で得られる判定基準値を生成して出力する。
【0026】
比較部5は、誤り訂正部4から判定基準値を取得し、誤り訂正部4から取得した判定基準値と、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補とを比較する(ステップS105)。比較部5は、比較した結果、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補の信頼度が高い場合(ステップS105:Yes)、選択部6に対して復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を選択させ、選択部8に対して判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を選択させる。選択部6は、復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を選択することで、復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補をそのままの状態で保持させる(ステップS107)。選択部8は、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を選択することで、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補をそのままの状態で保持させる(ステップS107)。
【0027】
一方、比較部5は、比較した結果、誤り訂正部4から取得した判定基準値の信頼度が高い場合(ステップS105:No)、選択部6に対して誤り訂正部4から出力される復号結果を選択させ、選択部8に対して誤り訂正部4から出力される判定基準値を選択させる。選択部6は、誤り訂正部4から出力される復号結果を選択することで、復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を更新させる(ステップS106)。選択部8は、誤り訂正部4から出力される判定基準値を選択することで、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を更新させる(ステップS106)。
【0028】
誤り訂正復号装置30は、以降も同様に、干渉除去部1の干渉除去処理部20−3〜20−kが用いる第3の干渉除去アルゴリズムから第kの干渉除去アルゴリズムによって干渉除去された信号に対して復調および誤り訂正を行い、復号結果および判定基準値を生成する。誤り訂正復号装置30は、復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補、および判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を、保持または更新する操作を繰り返し行う。誤り訂正復号装置30は、全ての干渉除去アルゴリズムでの干渉除去が終了した場合(ステップS108:Yes)、最終的に復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を、誤り訂正復号結果として出力する(ステップS109)。
【0029】
本実施の形態において、判定基準値は、前述のように、受信硬判定ビットと復号ビットとを比較して反転したビット数、復号後の尤度比の絶対値の総和といった値などを用いることができる。反転したビット数を利用した場合、ビット数が少ない方が信頼性の高い復号結果とすることができる。また、復号後の尤度比の絶対値の総和を利用した場合、絶対値の総和の大きい方が信頼性の高い復号結果とすることができる。なお、判定基準値については、誤り訂正部4において繰り返し復号を行う符号の場合、上記の値の他、外部値、繰り返し復号の間での判定基準値の変化量などを用いることもできる。
【0030】
つづいて、誤り訂正復号装置30のハードウェア構成について説明する。誤り訂正復号装置30において、干渉除去部1、選択部2、復調部3、誤り訂正部4、比較部5、選択部6、復号結果候補記憶部7、選択部8、および判定基準値候補記憶部9は、処理回路により実現される。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサおよびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。処理回路は制御回路とも呼ばれる。
【0031】
図3は、実施の形態1に係る誤り訂正復号装置30が備える処理回路をプロセッサ91およびメモリ92で実現する場合の処理回路90の構成例を示す図である。
図3に示す処理回路90は制御回路であり、プロセッサ91およびメモリ92を備える。処理回路90がプロセッサ91およびメモリ92で構成される場合、処理回路90の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路90では、メモリ92に記憶されたプログラムをプロセッサ91が読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、処理回路90は、誤り訂正復号装置30の処理が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を備える。このプログラムは、処理回路90により実現される各機能を誤り訂正復号装置30に実行させるためのプログラムであるともいえる。このプログラムは、プログラムが記憶された記憶媒体により提供されてもよいし、通信媒体など他の手段により提供されてもよい。
【0032】
上記プログラムは、干渉除去部1が、受信信号に対して複数の干渉除去アルゴリズムによって干渉除去を行い、干渉除去アルゴリズムごとに干渉除去信号を生成する第1のステップと、復調部3が、干渉除去信号を復調する第2のステップと、誤り訂正部4が、復調部3で復調された信号に対して誤り訂正復号を行い、復号結果、および復号結果の信頼度を示す判定基準値を出力する第3のステップと、出力制御部10が、判定基準値に基づいて、最も信頼度の高い判定基準値が得られたときの復号結果を最終的な誤り訂正復号結果として出力する第4のステップと、を誤り訂正復号装置30に実行させるプログラムであるとも言える。
【0033】
ここで、プロセッサ91は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などである。また、メモリ92は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(登録商標)(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
【0034】
図4は、実施の形態1に係る誤り訂正復号装置30が備える処理回路を専用のハードウェアで構成する場合の処理回路93の例を示す図である。
図4に示す処理回路93は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。処理回路については、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、誤り訂正復号装置30は、あらかじめ用意された複数の干渉除去のアルゴリズムに対して、受信信号を別々に干渉除去した信号を復調し、復調を行った受信信号の各々に対して誤り訂正復号を実施する。誤り訂正復号装置30は、複数の復号結果が得られるため、復号結果の信頼度を示す判定基準値に基づいて、最終的な誤り訂正復号結果として複数の復号結果から選択して出力することとした。これにより、誤り訂正復号装置30は、情報の流れに対してフィードバックすることなく処理をすることができるため、遅延を抑制しつつ、簡易な制御で誤り訂正復号を行うことができる。
【0036】
実施の形態2.
実施の形態2では、誤り訂正復号装置がCRC(Cyclic Redundancy Check)による誤り検出を行う場合について説明する。
【0037】
図5は、実施の形態2に係る誤り訂正復号装置31の構成例を示すブロック図である。誤り訂正復号装置31は、干渉除去部1と、選択部2と、復調部3と、誤り訂正部4と、比較部5と、誤り検出部13と、選択部14と、復号結果候補記憶部7と、選択部15と、判定基準値候補記憶部9と、を備える。また、誤り訂正復号装置31では、比較部5、誤り検出部13、選択部14、復号結果候補記憶部7、選択部15、および判定基準値候補記憶部9によって、出力制御部16を構成している。なお、誤り訂正復号装置31において、実施の形態1の誤り訂正復号装置30が備える構成と同一のものについて同一の符号を付与し、説明を省略する。
【0038】
誤り検出部13は、CRCによる誤り検出を行う。誤り検出部13は、CRCによる誤り検出の検出結果を、選択部14および選択部15に出力する。
【0039】
選択部14は、誤り検出部13の検出結果、および比較部5の制御に基づいて、誤り訂正部4から出力される復号結果、または復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を選択する。具体的には、選択部14は、誤り検出部13で誤りが検出されなかった場合、実施の形態1と同様、比較部5の制御に基づいて、誤り訂正部4から出力される復号結果、または復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を選択する。選択部14は、誤り検出部13で誤りが検出された場合、比較部5の制御に係わらず復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を選択する。
【0040】
選択部15は、誤り検出部13の検出結果、および比較部5の制御に基づいて、誤り訂正部4から出力される判定基準値、または判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を選択する。具体的には、選択部15は、誤り検出部13で誤りが検出されなかった場合、実施の形態1と同様、比較部5の制御に基づいて、誤り訂正部4から出力される判定基準値、または判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を選択する。選択部15は、誤り検出部13で誤りが検出された場合、比較部5の制御に係わらず判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を選択する。
【0041】
出力制御部16は、復号結果に対して誤り検出を行い、誤りが検出された復号結果を最終的な誤り訂正復号結果の候補から除外する。
【0042】
つづいて、誤り訂正復号装置31の動作について説明する。
図6は、実施の形態2に係る誤り訂正復号装置31の動作を示すフローチャートである。
図6のフローチャートにおいて、ステップS101からステップS104までの誤り訂正復号装置31の動作は、
図2のフローチャートにおける誤り訂正復号装置30の動作と同じである。誤り訂正復号装置31において、誤り検出部13は、誤りが検出されなかった場合(ステップS201:No)、誤りが検出されなかった旨を選択部14および選択部15に出力する。この場合、以降の選択部14の動作は、実施の形態1の誤り訂正復号装置30が備える選択部6の動作と同じである。また、以降の選択部15の動作は、実施の形態1の誤り訂正復号装置30が備える選択部8の動作と同じである。
【0043】
誤り訂正復号装置31において、誤り検出部13は、誤りが検出された場合(ステップS201:Yes)、誤りが検出された旨を選択部14および選択部15に出力する。この場合、選択部14は、前述のように、比較部5の制御に係わらず、復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を選択することで、復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補をそのままの状態で保持させる(ステップS107)。同様に、選択部15は、前述のように、比較部5の制御に係わらず、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補を選択することで、判定基準値候補記憶部9に記憶されている判定基準値候補をそのままの状態で保持させる(ステップS107)。
図6のフローチャートにおいて、ステップS108およびステップS109の誤り訂正復号装置31の動作は、
図2のフローチャートにおける誤り訂正復号装置30の動作と同じである。
【0044】
実施の形態2では、復号結果候補記憶部7は、誤り検出部13で誤りが検出されなかった符号の中で、誤り訂正復号装置31から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果を復号結果候補として記憶することになる。同様に、判定基準値候補記憶部9は、誤り検出部13で誤りが検出されなかった符号の中で、誤り訂正復号装置31から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果の復号過程で得られた判定基準値を判定基準値候補として記憶することになる。
【0045】
誤り訂正復号装置31のハードウェア構成について説明する。誤り訂正復号装置31において、干渉除去部1、選択部2、復調部3、誤り訂正部4、比較部5、誤り検出部13、選択部14、復号結果候補記憶部7、選択部15、および判定基準値候補記憶部9は、処理回路により実現される。実施の形態1の誤り訂正復号装置30と同様、処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサおよびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、誤り訂正復号装置31は、誤り検出部13で誤りが検出されなかった符号の中で、最も信頼度の高い復号結果を選択する。これにより、誤り訂正復号装置31は、実施の形態1の誤り訂正復号装置30と比較して、最終的な誤り訂正復号結果として、信頼度の高い誤り訂正復号結果を出力することができる。
【0047】
実施の形態3.
実施の形態3では、実施の形態2の誤り訂正復号装置31と同様の構成において、誤り検出部13の検出結果の異なる利用方法について説明する。
【0048】
図7は、実施の形態3に係る誤り訂正復号装置31の動作を示すフローチャートである。
図6で示される実施の形態2のフローチャートとの違いは、ステップS301の部分である。実施の形態3において、誤り訂正復号装置31は、誤り検出部13で誤りが検出されなかった場合(ステップS301:No)、誤り訂正部4から出力される復号結果を最終的な復号結果、すなわち誤り訂正復号結果として出力する(ステップS109)。この場合、誤り訂正復号装置31は、干渉除去部1で干渉除去が行われていない干渉除去アルゴリズムが残っていても処理を終了させる。
【0049】
一方で、誤り訂正復号装置31は、誤り検出部13で誤りが検出された場合(ステップS301:Yes)、実施の形態1と同様の動作を行う。誤り訂正復号装置31は、最終的に全ての干渉除去アルゴリズムに対して誤りが検出された場合、最終的に復号結果候補記憶部7に記憶されている復号結果候補を、誤り訂正復号結果として出力する(ステップS109)。
【0050】
実施の形態3では、復号結果候補記憶部7は、誤り検出部13で誤りが検出された符号の中で、誤り訂正復号装置31から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果を復号結果候補として記憶することになる。同様に、判定基準値候補記憶部9は、誤り検出部13で誤りが検出された符号の中で、誤り訂正復号装置31から誤り訂正復号結果として出力される最も可能性の高い復号結果の復号過程で得られた判定基準値を判定基準値候補として記憶することになる。
【0051】
このように、実施の形態3において、出力制御部16は、復号結果に対して誤り検出を行い、複数の干渉除去アルゴリズムに基づく全ての復号結果で誤りが検出された場合、誤りが検出された復号結果のうち、最も信頼度の高い判定基準値が得られたときの復号結果を最終的な誤り訂正復号結果として出力する。
【0052】
以上説明したように、本実施の形態によれば、誤り訂正復号装置31は、誤り検出部13で誤りが検出されなかった場合、その時点で誤り訂正復号を終了させることができるため、処理量の平均を小さくすることができ、処理ステップを削減でき、消費電力を削減することができる。
【0053】
また、誤り訂正復号装置31において全ての干渉除去アルゴリズムに対して誤りが検出された場合、誤り訂正復号装置31から出力される誤り訂正復号結果には、誤りが残留していることになる。しかしながら、出力制御部16の図示しない後段において、例えば、音声情報、映像情報などを扱う場合、前後の誤りが検出されていない復号結果を用いてから補正を行うことによって、信頼度の高い誤り訂正復号装置31を得ることができる。
【0054】
実施の形態4.
実施の形態4では、実施の形態1の誤り訂正復号装置30、または実施の形態2の誤り訂正復号装置31において、誤り訂正部4が、LDPC(Low Density Parity Check)、ターボ符号などの繰り返し復号を行う符号を用いる場合の動作について説明する。以下では、具体的に実施の形態1の誤り訂正復号装置30を例にして説明するが、実施の形態2の誤り訂正復号装置31にも適用可能である。
【0055】
図8は、実施の形態4に係る誤り訂正復号装置30の動作を示すフローチャートである。
図8のフローチャートは、実施の形態1の
図2のフローチャートに対して、ステップS104の動作を、ステップS401およびステップS402に置き換えたものである。誤り訂正復号装置30において、誤り訂正部4は、誤り訂正復号を行う際、復号終了のためにあらかじめ規定された繰り返し回数よりも少ない繰り返し回数における判定基準値、すなわち誤り訂正復号途中の判定基準値を求める。誤り訂正部4は、求めた誤り訂正復号途中の判定基準値と、判定基準値の信頼度を判定するために規定された閾値とを比較する(ステップS401)。
【0056】
誤り訂正復号途中の判定基準値が閾値以上の場合(ステップS401:Yes)、誤り訂正部4は、該当する干渉除去アルゴリズムによる誤り訂正復号を継続する(ステップS402)。この場合、誤り訂正復号装置30は、実施の形態1の
図2のフローチャートにおいてステップS104の動作を行った状態になる。誤り訂正復号装置30の以降の動作は実施の形態1のときと同じである。
【0057】
誤り訂正復号途中の判定基準値が閾値未満の場合(ステップS401:No)、誤り訂正部4は、該当する干渉除去アルゴリズムによる誤り訂正復号を中止する(ステップS403)。この場合、誤り訂正復号装置30は、実施の形態1の
図2のフローチャートにおいてステップS105からステップS107の動作を省略し、次の干渉除去アルゴリズムで干渉除去された信号の誤り訂正復号を行う。誤り訂正復号装置30の以降の動作は実施の形態1のときと同じである。
【0058】
このように、実施の形態4において、誤り訂正部4は、繰り返し復号を行う符号を用いる場合、誤り訂正復号が完了する前の途中の繰り返し回数における判定基準値と閾値とを比較し、閾値の方が大きいときは、該当する干渉除去アルゴリズムで干渉除去され、復調された信号に対する誤り訂正復号を中止する。誤り訂正部4は、他の干渉除去アルゴリズムで干渉除去され、復調された信号に対する誤り訂正復号を行う。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態によれば、誤り訂正復号装置30は、正しい復号結果が得られる可能性の低い干渉除去アルゴリズムで復号したものに対しては少ないステップ数で処理を終了させる。これにより、誤り訂正復号装置30は、全体の処理ステップの削減を図ることができる。
【0060】
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
受信信号に対して複数の干渉除去アルゴリズムによって干渉除去を行い、干渉除去アルゴリズムごとに干渉除去信号を生成する干渉除去部(1)と、干渉除去信号を復調する復調部(3)と、復調部(3)で復調された信号に対して誤り訂正復号を行い、復号結果、および復号結果の信頼度を示す判定基準値を出力する誤り訂正部(4)と、判定基準値に基づいて、最も信頼度の高い判定基準値が得られたときの復号結果を最終的な誤り訂正復号結果として出力する出力制御部(10)と、を備える。