特許第6987371号(P6987371)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ▲蘇▼州炬▲鴻▼通▲訊▼▲電▼▲脳▼科技有限公司の特許一覧

特許6987371リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造
<>
  • 特許6987371-リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造 図000002
  • 特許6987371-リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造 図000003
  • 特許6987371-リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造 図000004
  • 特許6987371-リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造 図000005
  • 特許6987371-リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987371
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2021年12月22日
(54)【発明の名称】リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/586 20210101AFI20211213BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20211213BHJP
   H01M 50/342 20210101ALI20211213BHJP
【FI】
   H01M50/586
   H01M50/533
   H01M50/55 101
   H01M50/553
   H01M50/15
   H01M50/184 A
   H01M50/342 101
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2020-193162(P2020-193162)
(22)【出願日】2020年11月20日
(65)【公開番号】特開2021-111620(P2021-111620A)
(43)【公開日】2021年8月2日
【審査請求日】2020年11月27日
(31)【優先権主張番号】202010028659.3
(32)【優先日】2020年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520457269
【氏名又は名称】▲蘇▼州炬▲鴻▼通▲訊▼▲電▼▲脳▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】S.Z. Juhong Computer Telecommunication Technology CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【弁理士】
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】王 文林
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−204013(JP,A)
【文献】 特開2012−226836(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2019/0280257(US,A1)
【文献】 特開2010−198946(JP,A)
【文献】 中国実用新案第208722933(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/572
H01M 50/531
H01M 50/147
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正負電極を挿入するための二つの開口部を備えたカバープレートと、カバープレートの底部に設けられる下部絶縁パッドと、開口部を貫通して下部絶縁パッドに吊り連結される正負極リードと、正負極リードの外周方向と下部絶縁パッドとの間にスリーブ設置されるシールリングと、正負極リードの周方向にスリーブ設置され、シールリングに貼合される上部絶縁パッドとを含み、
カバープレートにおける開口部の周方向を絞り加工することにより上部絶縁パッドを締め付けることを特徴とするリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項2】
前記正負極リードは、L字型の本体と、本体頂部の周方向に設けられた環状のフランジとを含み、正負極リードの表面は、開口部の位置から露出している、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項3】
前記カバープレートは、ストリップ状の板体構造であって、カバープレート上の両側には開口部が対称的に設けられ、開口部の内周には、凹状のリング溝が設けられ、フランジは、リング溝の位置に対応して設置される、ことを特徴とする請求項2に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項4】
前記下部絶縁パッドは、ストリップ状の槽体構造であって、下部絶縁パッドの槽体内の両側には、開口部に対応してスリーブ連結される支持台が対称的に設けられ、支持台内には、貫通する貫通穴が設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項5】
前記下部絶縁パッド及びカバープレート内には、下部絶縁パッド及びカバープレートを貫通する第一防爆孔及び第二防爆孔がそれぞれ設けられ、第一防爆孔と第二防爆孔はお互いに対応され、カバープレートにおける防爆孔の位置には、位置に合わせて防爆膜が設けられ、防爆膜の頂部には、カバープレートにおける防爆孔を覆う表面貼着シートが連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項6】
前記シールリングは環状構造であって、シールリングの一部は支持台上に架設され、他の一部はリング溝内に配置され、フランジの底部は、シールリングに対応して貼合されてシール配置される、ことを特徴とする請求項4に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項7】
前記上部絶縁パッドは周方向において環状の段差構造であって、上部絶縁パッドの底部はシールリングに貼合され、上部絶縁パッドの内周は、フランジの外周に貼合されてシール配置される、ことを特徴とする請求項2に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項8】
前記開口部の内周は、上部絶縁パッドの外周に貼合されてシール配置される、ことを特徴とする請求項7に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【請求項9】
前記カバープレートの開口位置には、正負極リードの表面を露出するクランピングリングが覆われ、クランピングリングの内壁は、開口部の側壁及び上部絶縁パッドの側壁をしっかりと押圧されるように貼合される、ことを特徴とする請求項1に記載のリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池技術分野に関するものである。特に、リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リチウム電池のタブを組み立てるとき、各部品が効果的かつ正確に配合されることができないため、機能が不安定になる。シーリング構造により貼合されるように設置された後も、リスクは依然として存在する。組み立ての部品数が多いため、部品の組み合わせ中に内部抵抗が不安定になり、リチウム電池カバープレートの充電及び放電による発熱の問題が発生する。カバープレートが電極に接触する場合、リチウム電池カバープレートは、充電および放電においてギャップによるアーク現象が発生される。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、上記の技術的な問題を解決することを目的とし、タブの組み立てが正確で、内部抵抗が安定で、充電及び放電中の発熱の問題がないリチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造を提供する。上記目的を達成するために、本発明の技術的な解決策は以下の通りである。
【0004】
正負電極を挿入するための二つの開口部を備えたカバープレートと、カバープレートの底部に設けられる下部絶縁パッドと、開口部を貫通して下部絶縁パッドに吊り連結される正負極リードと、正負極リードの外周方向と下部絶縁パッドとの間にスリーブ設置されるシールリングと、正負極リードの周方向にスリーブ設置され、シールリングに貼合される上部絶縁パッドとを含み、カバープレートにおける開口部の周方向を絞り加工することにより上部絶縁パッドを締め付ける、リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造である。
【0005】
具体的には、前記正負極リードは、L字型の本体と、本体頂部の周方向に設けられた環状のフランジとを含み、正負極リードの表面は、開口部の位置から露出している。
【0006】
具体的には、前記カバープレートは、ストリップ状の板体構造であって、カバープレート上の両側には開口部が対称的に設けられ、開口部の内周には、凹状のリング溝が設けられ、フランジは、リング溝の位置に対応して設置される。
【0007】
具体的には、前記下部絶縁パッドは、ストリップ状の槽体構造であって、下部絶縁パッドの槽体内の両側には、開口部に対応してスリーブ連結される支持台が対称的に設けられ、支持台内には、貫通する貫通穴が設けられている。
【0008】
具体的には、前記下部絶縁パッド及びカバープレート内には、下部絶縁パッド及びカバープレートを貫通する第一防爆孔及び第二防爆孔がそれぞれ設けられ、第一防爆孔と第二防爆孔はお互いに対応され、カバープレートにおける防爆孔の位置には、位置に合わせて防爆膜が設けられ、防爆膜の頂部には、カバープレートにおける防爆孔を覆う表面貼着シートが連結されている。
【0009】
具体的には、前記シールリングは環状構造であって、シールリングの一部は支持台上に架設され、他の一部はリング溝内に配置され、フランジの底部は、シールリングに対応して貼合されてシール配置される。
【0010】
具体的には、前記上部絶縁パッドは周方向において環状の段差構造であって、上部絶縁パッドの底部はシールリングに貼合され、上部絶縁パッドの内周は、フランジの外周に貼合されてシール配置される。
【0011】
具体的には、前記開口部の内周は、上部絶縁パッドの外周に貼合されてシール配置される。
【0012】
具体的には、前記カバープレートの開口位置には、正負極リードの表面を露出するクランピングリングが覆われ、クランピングリングの内壁は、開口部の側壁及び上部絶縁パッドの側壁をしっかりと押圧されるように貼合される。
【0013】
従来技術と比較して、リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造は、以下のような有益な効果を有する。
【0014】
各構成要素が正確かつ効果的に配合されるように連結され、リチウム電池の作業安定性が実現される。シールリングと上部絶縁パッド及び下部絶縁パッドの配合構造により、シール性能の信頼性を実現し、液漏れのリスクを回避する。正負極リードとカバープレートとを、一定の間隔を置いて連結するように設置することにより、複数部品の組み立てによる内部抵抗の不安定化の問題が回避されるとともに、リチウム電池カバープレート内の充電及び放電における発熱温度値を低減させる。上部絶縁パッド及び下部絶縁パッドがカバープレートと正負極リードを隔離させることにより、充電及び放電において、リチウム電池カバープレートにおけるギャップによるアーク現象を防止する。コストを削減するために、クランピングリングは必要に応じて省略可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態の分解斜視図である。
図2】本実施形態における下部絶縁パッドの部分拡大概略図である。
図3】本実施形態における組み立てられた部分構造の概略図である。
図4】本実施形態における組み立てられた部分構造の断面図である。
図5】本実施形態における組み立てられた防爆膜の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態における技術的な解決策を明確かつ完全に説明する。記載されている実施形態は、すべての実施形態ではなく、本発明の実施形態の一部に過ぎないことは明らかである。
【実施例】
【0017】
図1〜5に示すように、本実施形態は、正負電極を挿入するための二つの開口部1を備えたカバープレート11と、カバープレート11の底部に設けられる下部絶縁パッド2と、開口部1を貫通して下部絶縁パッド2に吊り連結される正負極リード3と、正負極リード3の外周方向と下部絶縁パッド2との間にスリーブ設置されるシールリング4と、正負極リード3の周方向にスリーブ設置され、シールリング4に貼合される上部絶縁パッド5とを含み、カバープレート11における開口部1の周方向を絞り加工することにより上部絶縁パッドを締め付ける、リチウム電池カバープレートのフルタブ組み立て構造である。
【0018】
正負極リード3は、L字型の本体31と、本体31の頂部の周方向に設けられた環状のフランジ32とを含み、正負極リード3の表面は、開口部1の位置から露出している。
【0019】
カバープレート11は、ストリップ状の板体構造であって、カバープレート11上の両側には開口部1が対称的に設けられ、開口部1の内周には、凹状のリング溝12が設けられ、フランジ32は、リング溝12の位置に対応して設置される。
【0020】
下部絶縁パッド2は、ストリップ状の槽体構造であって、下部絶縁パッド2の槽体内の両側には、開口部1に対応してスリーブ連結される支持台21が対称的に設けられ、支持台21内には、貫通する貫通穴22が設けられている。
【0021】
正負極リード3の頂部構造の形状は、円形、楕円形、正方形、または多角形の中のいずれかである。開口部1及び貫通孔22は、正負極リード3の頂部構造の形状に対応して設置される。
【0022】
下部絶縁パッド2及びカバープレート11内には、下部絶縁パッド2及びカバープレート11を貫通する第一防爆孔6及び第二防爆孔60がそれぞれ設けられ、第一防爆孔6と第二防爆孔60はお互いに対応され、カバープレート11における防爆孔6の位置には、位置に合わせて防爆膜61が設けられ、防爆膜61の頂部には、カバープレート11における防爆孔6を覆う表面貼着シート62が連結されている。
【0023】
シールリング4は環状構造であって、シールリング4の一部は支持台21上に架設され、他の一部はリング溝12内に配置され、フランジ32の底部は、シールリング4に対応して貼合されてシール配置される。
【0024】
上部絶縁パッド5は周方向において環状の段差構造であって、上部絶縁パッド5の底部はシールリング4に貼合され、上部絶縁パッド5の内周は、フランジ32の外周に貼合されてシール配置される。
【0025】
開口部1の内周は、上部絶縁パッド5の外周に貼合されてシール配置される。
【0026】
カバープレート11は下部絶縁パッド2に貼合されるように突合せされ、シールリング4は開口部1に差し込まれ、上部絶縁パッド5はフランジ32の位置に套嵌され、正負極リード3は開口部1及び貫通穴22を貫通する。フランジ32はシールリング4上に配置され、開口部1の頂部の周方向と上部絶縁パッド5の周方向との連結処を絞り加工により締め付け、開口部1内にはリング溝12の構造が形成される。
【0027】
カバープレート11における開口部1の位置には、正負極リード3の表面を露出するクランピングリング7が覆われ、クランピングリング7の内壁は、開口部1の側壁及び上部絶縁パッド5の側壁にをしっかりと押圧されて貼合される。
【0028】
本実施形態を適用する場合、各構成要素が正確かつ効果的に配合されるように連結され、リチウム電池の作業安定性が実現される。シールリング4と上部絶縁パッド5及び下部絶縁パッド2の配合構造により、シール性能の信頼性を実現し、液漏れのリスクを回避する。正負極リード3とカバープレート11とを、一定の間隔を置いて連結するように設置することにより、複数部品の組み立てによる内部抵抗の不安定化の問題が回避されるとともに、リチウム電池カバープレート11内の充電及び放電における発熱温度値を低減させる。上部絶縁パッド5及び下部絶縁パッド2がカバープレート11と正負極リード3を隔離させることにより、充電及び放電においてリチウム電池カバープレートにおけるギャップによるアーク現象を防止する。コストを削減するために、クランピングリング7は必要に応じて省略可能である。
【0029】
上記に記載されていることは、本発明の単なるいくつかの実施形態にすぎない。当技術分野の通常の技術者にとって、本発明の概念から逸脱することなく様々な変形及び修正を行うことができるが、これらはすべて本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0030】
1開口部、11カバープレート、12リング溝、2下部絶縁パッド、21支持台、22貫通孔、3正負極リード、31本体、32フランジ、4シールリング、5上部絶縁パッド、6防爆孔、61防爆フィルム、62表面貼着シート、7クランピングリング。

図1
図2
図3
図4
図5