(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態に係る自動計量式の薬剤分包装置を、図面を用いて説明する。
図1は実施形態に係る薬剤分包装置1の正面図、
図2は実施形態に係る薬剤分包装置1の正面断面図、
図3は実施形態に係る薬剤分包装置1の側断面図、
図4は実施形態に係る薬剤収容容器2及び薬剤計量容器3の斜視図、
図5は実施形態に係る薬剤計量容器3の回転機構の斜視図である。また、ここで言う散薬とは、微粒粉から顆粒まで、各々その性状の異なる粉粒体薬剤を意味するものである。
【0012】
自動計量式の薬剤分包装置1で取り扱う薬剤容器は2種類あり、その一つである薬剤収容容器2は、それぞれ個別の散薬を大量に収容するものである。もう一つは薬剤計量容器3であり、薬剤収容容器2から処方箋に従って特定量の散薬を放出し、この放出された散薬の重量を計量しながら薬剤計量容器3に落下収容するものである。薬剤分包装置1ではこの計量された散薬を収容した薬剤計量容器3から、さらに配分円盤に散薬を放出して、処方箋によって指定される包数の個包に分包するものである。
【0013】
ここで、薬剤収容容器2は、特定の薬剤のみを収容する専用容器であるのに対して、薬剤計量容器3も薬剤ごとに専用化すると、薬剤収容容器2と同数の数量が必要となってしまう。その結果、自動計量式の薬剤分包装置1として大型化してしまうので、少ない数の薬剤計量容器3を、各薬剤に対して使い回しするようにしている。
【0014】
上記の自動計量及び自動分包を実行するために、筐体4の正面側には、薬剤収容容器2と薬剤計量容器3とを載置・保管することができる左右の容器棚5a,5bが設けられている。容器棚5a,5bの奥側には、これらの容器棚5a,5bと後述の他の装置との間で、薬剤収容容器2と薬剤計量容器3とを移送する容器移送装置6が設けられている。また、容器棚5a,5bの左右下部には、2台の薬剤計量装置7a、7bと、容器棚5a,5bの下方には2台の円盤配分装置8a、8bとが設けられている。さらに、円盤配分装置8a、8bの下方には、分包用用紙を取付け、上下ホッパ9から落下する1個包分ずつの薬剤を連続して分包する包装装置10が設けられている。
【0015】
薬剤計量装置7a,7bは
図1に示すように薬剤放出部500の上に薬剤収容容器2が載置され、薬剤放出部500の下に薬剤計量容器3が配置されて薬剤の放出がなされる。このとき、薬剤計量容器3は薬剤の重量を測定する電子はかり600の上に載置され、薬剤計量容器3と薬剤収容容器2から放出される薬剤の総重量を測定することによって、収容された薬剤の重量を求めるものである。なお、薬剤放出部500については後に詳述する。
【0016】
また、円盤配分装置8a,8bには、薬剤計量装置7a,7bに設けられている薬剤放出部と同じ薬剤放出部500が設けられている。そして、薬剤計量装置7a,7bで秤量された薬剤が収容された薬剤計量容器3が薬剤放出部500の上に載置され、薬剤放出部500の動作によって薬剤計量容器3から薬剤が放出されるものである。円盤配分装置8a,8bにはそれぞれ2つの薬剤放出部500が設けられている。なお、円盤配分部8a,8bについては後に詳述する。
【0017】
円盤配分装置8a、8bの間の上方には後に詳述する薬剤計量容器3を清掃する清掃装置100が設けられている。さらに、包装装置10の下方には、
図2に示すように、上位のPCサーバ上の電子処方箋システム11から、処方情報を取得して自動計量式の薬剤分包装置1全体を制御する制御部12が設けられている。そして、電子処方箋システム11には薬剤ごとに、使用後の薬剤計量容器3の清掃が必要であるか否かを示す情報を記憶する記憶部11aが設けられている。また、制御部12にも、電子処方箋システム11の記憶部11aから取得した使用後の薬剤計量容器3の清掃が必要であるか否かを示す情報を記憶する記憶部12aが設けられている。
【0018】
さらに、包装装置10の下方には、清掃装置100や他の部位の空気源として、集塵・排気用の吸引装置13a、13bと、高圧空気吹き出し用のコンプレッサ14も具備している。
【0019】
容器棚5a,5bは、正面から見て平面的に配置しているので、その背面である奥側に配置されている容器移送装置6は、XYZ軸の電動直交スライド装置であることが好適である。
図2及び
図3に示すように、筐体4の左右の垂直Z軸6Z1、6Z2に対して上下方向(Z軸方向)にスライド可能に設けられた可動片6X1,6X2が設けられている。これらの可動片6X1,6X2には水平X軸6Xが取付けられている。また、この水平X軸6Xには左右方向(X軸方向)にスライド可能に設けられた可動片6Y1が設けられている。そしてこの可動片6Y1には奥行き方向に延びる前後Y軸6Yが設けられている。さらにこの前後Y軸6Yに対して筐体の前後方向(奥行き方向)に移動可能な可動片6Aを設けている。これによって可動片6Aは、3軸直交移動装置を実現している。
【0020】
さらに、前後Y軸6Yの可動片6Aに180度回転アクチュエータ6Rを取付け、この可動片6Aに電磁石による容器把持機構6Cを取付けている。そして、例えば薬剤計量容器3の把持部3aを容器把持機構6Cによって把持して、薬剤計量容器3を容器棚5a,5b、2台の薬剤計量装置7a、7b、及び2台の円盤配分装置8a、8bとの間で移動させる。さらに、薬剤計量容器3を清掃装置100へ移動する場合には、薬剤計量容器3の開放された上面3bを下向きに回転させて移動することができるものである。
【0021】
図4(a)は、薬剤収容容器2の斜視図で
図4(b)は薬剤収容容器2の上蓋2bを開放した状態の斜視図である。また、
図4(c)は薬剤計量容器3の斜視図で、この薬剤計量容器3の上面3bは開放されている。さらに
図4(d)は薬剤計量容器3を180度回転させて、開放している上面3bを下方に向けた図である。なお、2aは薬剤収容容器2の把持部、3aは薬剤計量容器3の把持部である。
図4から判るように、薬剤収容容器2と薬剤計量容器3とは上面に蓋を有するか否かの違いのみで、形状や容器からの散薬の放出機構は同一である。また、把持部2a,3aについても同一であり、容器把持機構6Cによって共通に把持できるようになっている。
【0022】
図5は薬剤計量容器3を容器移送装置6の回転アクチュエータ6Rと容器把持機構6Cによって把持している状態の斜視図で、図
5(a)は、薬剤計量容器3の開放している上面3bが上向きの状態を、図
5(b)は薬剤計量容器3の上面3bが下向きの状態を示している。図
5(b)の状態になると、薬剤計量容器3の内部に付着している薬剤が落下する場合があるので、
図2及び
図5に示すように、筐体4内に落下薬剤受け皿15を設けてある。そして、落下薬剤受け皿15に対向する位置でのみ、薬剤計量容器3を回転アクチュエータ6Rによる下向きへの回転を実行するようにしている。
【0023】
以上の平面配置された容器棚5a,5bおよび3軸直交した電動スライダによる容器移送装置6は、別に多関節ロボット等を利用することで、容器棚の配置の自由度を増すことができるものであり、それは本発明の応用の一例である。
【0024】
図6は実施形態に係る薬剤分包装置1の円盤配分装置8a,8bに於ける薬剤容器3からの薬剤放出部500の側断面図である。薬剤計量装置7a,7bに於ける薬剤収容容器2からの薬剤放出部500についても同じ構成である。薬剤放出部500は薬剤計量容器3を載置可能な容器載置台510と、容器載置台510に載置された薬剤計量容器3を振動させて薬剤を放出する振動台520とを有する。
【0025】
振動台520は、固定板521と、固定板521の上に複数のコイルスプリング522を介して設置される中間台523とを有する。そして、中間台523の上に複数の板バネ524を介して容器載置台510が取付けられている。中間台523には電磁石525が、容器載置台510には磁性を有する鉄板511が、電磁石525とわずかな間隙を有してそれぞれ配置されている。
【0026】
このような構成で、薬剤計量容器3から薬剤を放出するときは、電磁石525に交流電流を印加することにより、鉄板511が電磁石525に引寄せられたり、離れたりする。その結果、容器載置台510が板バネ524を介して中間台523に取付けられているので、容器載置台510が振動を行う。これによって、薬剤計量容器3の排出口3cから薬剤が少量ずつ落下するものである。
【0027】
図7は、薬剤分包装置1の円盤配分装置8a,8bの斜視図である。円盤配分部8a,8bは左右2セットの円盤811a,811bを有し、その各々に対して薬剤放出部500を2台配置している。従って、1台の薬剤分包装置1に対して4台の薬剤放出部500a,500b,500c,500d,が設けられている。これらの薬剤放出部500a,500b,500c,500d,に薬剤計量容器3が載置されて、薬剤が円盤811の上に放出されるものである。また、図示しない薬剤切り出し装置が設けられており、円盤811上にドーナツ状に形成された薬剤を1包分ずつ切り出し、
図2に示す上下ホッパ9から包装装置10に落下させるものである。なお、100は後述する薬剤計量容器3を清掃する清掃装置である。
【0028】
次に、実施形態に係る自動計量式の薬剤分包装置1の要部である薬剤計量容器3の清掃装置100の構成について、図面を用いて詳述する。
図8は、本実施形態に係る薬剤計量容器3の清掃装置100の斜視図で、薬剤計量容器3が載置されていない状態を示している。
【0029】
容器清掃装置100は、台座101上に空気の吸入口105と複数の吹き付けノズル106とを持つ中子形状体102が設けられている。中子形状体102の中子と呼ぶ意味は、中子形状体102の外形が薬剤計量容器3の内側の凹凸形状を写し取った木型の中子のような形態をしているからである。しかしながら、完全に同一であると、薬剤計量容器3を中子形状体102に被せたときに、密着して空気が流れなくなるので、たとえば1mm〜2mmの僅かな隙間ができるような寸法関係になるようにしている。従って、この中子形状体102の外面は、薬剤計量容器3の内面と略相似する形状となっている。この中子形状体102に薬剤収容容器3を被せると、薬剤収容容器3の内面と中子形状体102の外面との間には1mm〜2mm程度の間隙が形成される。
【0030】
台座101の上には、後述する上下移動機構によって移動可能な容器台113が設けられこの容器台113には薬剤計量容器3の載置台103が形成されている。
図8(a)は薬剤計量容器3の清掃位置である容器台113が下降している状態103aを示している。また、
図8(b)は、薬剤計量容器3を容器移送装置6から受け取り、載置するために、容器台113が上昇している状態103bを示している。なお、Mは容器台113の上下移動機構が収容されている部分のカバーを示している。また、104は先端にハンマ104aを有する叩き機構である。
【0031】
図9は、
図8に対して、薬剤計量容器3を取り付けた状態を示す斜視図である。
図9(b)は、容器台113が上昇している状態で、図示しない容器移送装置6から薬剤計量容器3を載置台103に受け取った状態を示している。
図9(a)は薬剤計量容器3を受け取った後に、容器の清掃のために、容器台113が下降した状態を示している。このようにして薬剤計量容器3を中子形状体102に被せることで、中子形状体102を薬剤計量容器3の中に位置させるようにしている。
【0032】
図10は、清掃装置10の断面図を示すもので、
図10(a)は薬剤計量容器3を被せていない状態を示す図、
図10(b)は中子形状体102に薬剤計量容器3を被せた状態を示す図である。
【0033】
中子形状体102の外面側、すなわち、薬剤計量容器3の内面に対向した側には、2種類の空気配管の出入り口が形成されている。その一つは、吸引装置13に比較的太い配管で接続されている風量の大きな空気吸入口105である。その開口は、薬剤計量容器3の底面側に対向するように中子形状体102の上面に設けられている。配管口105aを介して図示しない配管から 吸入された空気は、吸引装置13の内部の図示しない集塵袋を通過するときに、空気中の紛体等を付着捕集して、それ以外の空気を装置外に排気することができるように構成される。
図10から明らかなように、中子形状体102の上面と薬剤計量容器3の底面との間隙は中子形状体102の空気吸入口105に沿って徐々に間隙が広くなるように構成されている。これは、薬剤計量容器3の側面から均等に空気を吸引できるようにするためである。
【0034】
他の配管の出入り口はコンプレッサ14に図示しない配管で接続された複数のノズル(小穴)106であって、その開口は、薬剤計量容器3の底面側のノズル106aだけでなく、各側面側106bや、特に薬剤が残りやすい薬剤計量容器3の排出口3cに対向する106c(
図10参照)位置に配置させることで、薬剤計量容器3の内面に高圧の空気を噴射して、付着物の剥離を行うものである。なお、
図10では各配管の記載は省略してある。
【0035】
図10(b)に示すように、薬剤計量容器3の排出口3c部に取付けられた軸3eを中心に回動する出口シャッタ3dを閉じた状態としているのは、出口シャッタ3dを開放した状態で、ノズル106b、106cから空気を噴射することによる、排出口3cから付着薬剤が外部に放出飛散することを防止するためである。しかしながら、図示しないアクチュエータで、出口シャッタ3dを開放して、コンプレッサ14は停止した状態で、吸引装置13だけを稼働すると、空気は吸い込みだけになって、排出口3cと出口シャッタ3dに挟まった薬剤を吸い取ることができる。
【0036】
以上のような空気吸入口105と、ノズル106の配置は、本実施形態の薬剤計量容器3の形状に適応したものであって、容器の形状が変われば、その配置や数も変わるし、それぞれ吸引装置13の風量設定、コンプレッサ14の圧力設定によって、清掃効果は変化するものであるが、これらもまた変形・応用の一例である。
【0037】
次に、薬剤計量容器3の容器台113の上下移動機構について、
図11を参照して説明する。台座101の裏側に取り付けた保持部111には、長ネジ(雄ネジ)112が回転自在に保持されている。また、台座101の裏側に取り付けられたステッピングモータ107の軸に取付けられたタイミングプーリ108と、長ネジ112の下端のタイミングプーリ110とにタイミングベルト109が懸け渡されている。これによって、長ネジ112は、ステッピングモータ107の回転方向を制御することで正逆回転できるようになっている。
【0038】
さらに、この長ネジ112には容器台113に結合されたメネジ部114が噛み合っているので、長ネジ112が回転すると、メネジ部114は回転せずに容器台113を上下動することができる。結果として容器台113を、容器清掃位置である下位置103aにある状態と、容器移送装置6と受け渡す上位置103bにある状態に移動可能な構造となっている。
【0039】
この移動機構は前記のみに限定されることはなく、直動アクチュエータや、上下ガイド軸を別に立てて、ガイド軸に結合した台をワイヤやベルト、さらにはラックとピニオンで移動させる等、種々の方法がありうる。
【0040】
前記の容器台113の内周には溝113a(
図8参照)が掘られているが、これは容器台113を、薬剤計量容器3を載置して容器清掃位置である下位置103aにした状態で、空気吸入口105から空気を吸引したときに、この溝113aから外気を導入して、空気の流れを作るためである。
【0041】
図10に示すように、叩き機構104はその上端のハンマ104aを取り付けた腕体115を軸116で回動自在に保持した構造である。バネ117でハンマ104aが薬剤計量容器3から離間する方向に付勢されており、図示しないソレノイドを高速駆動することで、薬剤計量容器3の外面をハンマ104aで強く叩くことができるようになっている。
【0042】
以上のごとくの構成した自動計量式の薬剤分包装置1の動作の全体の流れを説明すると、薬剤計量装置7a、7bは、例えば振動による薬剤放出機構500と、ロードセル等の電子はかり600から構成されている。容器移送装置6によって容器棚5a,5bから移送された薬剤収容容器2と薬剤計量容器3を、それぞれ薬剤収容容器2は薬剤放出機構500の上に、薬剤計量容器3は電子はかり600に載置する。その後、薬剤収容容器2から薬剤を下方に放出させ、これを薬剤計量容器3に収容させていくと、その収容薬剤重量が電子はかり600によって計測されるので、電子処方箋システム11から指定される薬剤種の指定重量分になったら、放出を停止するように制御される。
【0043】
再び、容器移送装置6によって薬剤収容容器2は容器棚5a,5bに返却され、計量済みの薬剤の入った薬剤計量容器3は、円盤配分装置8a、8bに移送される。この公知の円盤配分装置8a、8bは、計量済みの薬剤計量容器3から薬剤を円盤811上に、円周状にドーナツ状の積層とする円周蒔きを実行する。その後に、円盤を指定角度ずつ回動しながら、薬剤を上下ホッパ9へ落下させ、さらに上下ホッパ9の出口から個包分ずつの薬剤を受け入れる包装装置10にて包装用紙内に連続して分包する。
【0044】
円盤配分装置8a、8bで薬剤計量容器3から薬剤を円周状にドーナツ状の積層を作る時には、図示しないセンサで薬剤計量容器3からの薬剤の放出が完了したことを検知した後に、例えば振動による薬剤計量容器3からの薬剤放出部500は、その振動を強くして、別に設けた薬剤計量容器3の外面に対する叩き振動付与機構と同時に動作させて、容器内に残っている薬剤を出来るだけ放出するように制御することは、この後容器清掃装置100での清掃動作の負担を低減しうるものである。
【0045】
こうして、出来るだけ残薬がなくなったであろう薬剤計量容器3を、容器移送装置6によって落下薬剤受け皿15の位置に移送し、その状態で、180度回転アクチュエータ6Rを回動して薬剤計量容器3の上側開放面3bを下向きに回転させてから、容器清掃装置100の受け渡し上位置103bにある容器台113に移送する。
【0046】
次に容器台113を下位置103aに下降動作させると、中子形状体102に、薬剤計量容器3が被せられる。この状態で、吸引装置13a、13bとコンプレッサ14を動作させると共に、叩き機構104も動作させて、外部から衝撃振動を与えつつ、薬剤計量容器3の内面側に高圧空気を噴射しながら、空気を吸引することで、容器内面に付着していた薬剤が剥離して空気とともに、吸引装置13側に吸引されて、吸引装置13内に捕集されるものである。
【0047】
この時、コンプレッサ14に図示しない電磁弁を設けて、これを断続的に開閉したり、噴射するノズル106の位置を変えたりすると、空気の流れが、変化したり乱れたりすることで、付着した薬剤の剥離が一層効率的に行いうるものである。また、ノズルからの空気の噴射を断続的に行うのみならず、複数あるノズルの空気の噴射のタイミングを異ならせて、順次噴射すると薬剤の剥離が特に効果的に行われる。
【0048】
なお、薬剤によっては、その都度清掃しなくともよい薬剤と、その都度清掃する必要がある薬剤とが存在する。このため、電子処方箋システム11には、薬剤収容容器2毎に、内蔵薬剤の種別に対応しての、装置内で清掃を行うか否かの事前情報を記憶部11aに記憶している。
【0049】
制御部12は、電子処方箋システム11の記憶部11aから、薬剤の種別毎に清掃が必要か否かの情報を取得し、制御部12内の記憶部12aにこの情報を記憶する。薬剤計量容器3から薬剤の放出が完了したときに、制御部12はこの記憶部12aに記憶されている情報を参照して、当該放出が完了した薬剤計量容器3の清掃が必要か否かを判断する。
【0050】
この判断の結果、清掃が不要であると判断されると、薬剤計量容器3を清掃せずに容器移送装置6によって、薬剤計量容器3を容器棚5a,5bの空きスペースに移送して保管する。また、清掃が必要であると判断されると、容器移送装置6によって薬剤計量容器3を清掃装置100に移送して清掃動作を行うようにする。
【0051】
以上詳述したように本発明によって、散薬等の薬剤を処方箋に従って服用分毎あるいは所定薬剤量毎の個包に分包する薬剤分包装置において使用する薬剤計量容器を清掃する装置およびこの装置を搭載した薬剤分包装置を提供できるもので、特に装置内で、薬剤を自動計量してから、この計量済の容器を、実用的な清掃レベルで清掃できるので、この容器を使い回すことができ、結果として装置内には少数の薬剤計量容器のみを収容しておけば良くなり、装置としてスペース効率の良い自動計量式の薬剤分包装置が提供できるものである。
【解決手段】薬剤計量容器の清掃装置は、少なくとも1つの面が開放された薬剤計量容器と、薬剤計量容器の内面よりも小さいサイズの外形を有する中子形状体と、中子形状体を薬剤計量容器の中に位置させた状態で、中子形状体の外面と薬剤計量容器の内面との間に形成された間隙に空気を吹き付けるノズルと、薬剤計量容器の内面と、中子形状体の外面との間隙から空気を吸引する吸引手段と、を有する。