(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0026】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0027】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0028】
図1は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構成図であり、
図2は
図1の仮想ゴルフ装置のスクリーンに表示されるゴルフクラブの選択画面の一例を示し、
図3は
図1の仮想ゴルフ装置において、ユーザーのゴルフクラブを選択した後スクリーンに表示される画面の一例を示し、
図4は
図1の仮想ゴルフ装置において貯蔵部の概略的な構造を示す。
【0029】
図1を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置は、打撃プレイト(10)、制御部(20)、貯蔵部(30)、感知部(40)、入力部(50)、サウンド部(60)、および表示部(70)を含む。
【0030】
打撃プレイト(10)は、ゴルフボールを打撃するための場所であり、ユーザーは打撃プレイト(10)に位置して、ここに置かれているゴルフボールを打撃する。
【0031】
制御部(20)は、仮想ゴルフ装置の構成要素の全体的な動作を制御する。例えば、図面に図示されていないが、打撃プレイト(10)には、自動的に打撃用ゴルフボールを提供するオートティーが設置され、制御部(20)は、ユーザーが打撃する時に合わせて、前記オートティーでゴルフボールを提供するようにオートティーを制御する。また、制御部(20)は、ゴルフボールの軌跡を算出するための算出過程を行う。算出過程では、ユーザーがゴルフボールを打撃すると、前記ゴルフボールが実際のゴルフ場で飛行すると仮定したときの軌跡および/または飛距離などを算出する。
【0032】
貯蔵部(30)は、仮想ゴルフ装置の動作に必要な各種データを貯蔵し、また、様々なゴルフクラブに関する情報を貯蔵する。前記ゴルフクラブは、現在の市場で使用されている市販のゴルフクラブを含んでいる。
【0033】
感知部(40)は、ユーザーによって打撃されたゴルフボールの速度、移動方向、回転角度などの物理的な状態を感知する。感知部(40)は、ゴルフボールの物理的な状態を感知できるセンシング手段を含み、前記センシング手段としては、各種センサーやカメラなどを使用することができる。前記カメラや感知センサーなどは単独に使用したり、一緒に使用することができ、また、一つのみを使用したり、複数で使用することができる。感知部(40)で感知された情報は制御部(20)に伝達され、制御部(20)は伝達された情報に基づいて算出過程を実行する。
【0034】
入力部(50)は、ユーザーからの各種情報を受けるためのものであり、キーボード/マウス、タッチスクリーンなどを用いることができる。スクリーンゴルフでは、ユーザーがログインをするために、自分のIDやパスワードなどを入力する場合、ユーザーがプレイしようとするゴルフコースや難易度などを選択する場合などのように、ユーザーが情報を入力しなければならない場合があり、この時に入力部(50)が必要である。入力部(50)から入力された情報は、制御部(20)に伝達され、制御部(20)は、伝達された情報に基づいてユーザーの要求を処理する。例えば、ユーザーが特定のゴルフコースを選択した場合、そのゴルフコースでプレイすることができるようにする必要な処理のために、制御部(20)は映像を処理する映像処理手段を備える。ユーザーが特定のゴルフコースを選択した場合に、前記映像処理手段では、選択されたゴルフコースの映像を表示部(70)に伝達して表示されるようにすることができる。また、ユーザーがログインをするためにIDやパスワードなどの個人情報を入力する場合に、制御部(20)は入力された個人情報をチェックして、ログインの承認可否を決定する役割を果たす。
【0035】
サウンド部(60)は、スピーカーなどの音響機器を含み、ユーザーにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する役割を果たす。
【0036】
表示部(70)は、ビームプロジェクター(71)とスクリーン(72)を含む。ビームプロジェクター(71)は、ゴルフコースとゴルフボールがスクリーン(72)に表示されるように関連映像をスクリーン(72)に投射し、スクリーン(72)は、投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザーに提供する。以下で、スクリーン(72)に表示される一部対象に対して「仮想」という用語を付けて表現することができる。これは、現実の世界に存在するのではなくスクリーン(72)に表示されているものという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とは、スクリーン(72)に表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とは、スクリーン(72)に表示されるゴルフボールという意味である。
【0037】
上記のような構成を有する仮想ゴルフ装置でのスクリーンゴルフプレイの過程は、次のとおりである。ユーザーが打撃プレイト(10)上のゴルフボールを打撃すると、制御部(20)が感知部(40)からの感知情報に基づいて打撃されたゴルフボールの飛行軌跡を算出し、スクリーン(72)は、前記算出されたとおりに仮想のゴルフボールが動く映像を表示する。この時にスクリーン(72)の中の仮想のゴルフボールは、算出された軌跡により飛行した後、スクリーン(72)の中の仮想のゴルフコースでの特定地点に着地し、ユーザーはスクリーン(72)の仮想のゴルフボールが着地した地点から打撃を継続しながら、ホールカップにホールインをするときまで上記の過程を繰り返す。
【0038】
図2を参照すると、実際のゴルフボールを打撃する前に、ユーザーはゴルフクラブの選択過程を行うことができる。選択過程において、スクリーン(72)に貯蔵部(30)に貯蔵されているゴルフクラブの情報が表示される。ゴルフクラブは、ドライバー、ウッド、アイアン、ハイブリッド、ウェッジ、パターなどのように機能により種類別に区分されて表示される。このように機能別に区分されている各クラブの項目には、現在に市場で流通されている市販のゴルフクラブが表示されることができる。ユーザーは、ドライバーショットが必要な場合、ドライバクラブの項目から必要なドライバゴルフクラブを選択することができる。また、アイアンショットが必要な場合、ユーザーはアイアンクラブの項目から必要なアイアンゴルフクラブを選択することができ、他のショットが必要な場合にも、その項目から目的のゴルフクラブを選択することができる。
【0039】
図3を参照すると、ユーザーが選択過程でゴルフクラブを選択すると、選択されたゴルフクラブは、スクリーン(72)に表示される。例えば、
図3の(a)に図示されたように、スクリーン(72)には、プレイしているユーザーの情報を表示するウィンドウ(W)が表示され、ここには、ユーザーの簡単な情報(ユーザ名や個人記録など)が表示される。また、ユーザーウィンドウ(W)には、ユーザが選択したゴルフクラブが表示される。ユーザーは、ウィンドウ(W)を参照して、自分が選択したゴルフクラブを確認しながらプレイすることができる。または、
図3の(b)に図示されたように、スクリーン(72)の ユーザーのウィンドウ(W)には、ユーザーの簡単な情報(ユーザ名や個人記録など)だけが表示され、ユーザーが選択したゴルフクラブ(GC)は、スクリーン(72)の主要部(スクリーン(72)の中央または下部など)にさらに詳細に表示されることができる。ただし、スクリーン(72)のメイン用途は、仮想のゴルフボールと仮想のゴルフコースを表示することであるので、選択されたゴルフクラブ(GC)映像が仮想のゴルフコースなどを表示するのを邪魔しないように、スクリーン(72)主要部に表示されるゴルフクラブ(GC)は、一定時間の間だけ表示された後に消えることが好ましい。
【0040】
選択過程のために貯蔵部(30)には、様々なゴルフクラブに関する情報が貯蔵されている。また、貯蔵部(30)は、ユーザー個人に対するユーザー情報を貯蔵することができる。
図4を参照すると、貯蔵部(30)は、ゴルフクラブの情報のためのストレージ領域(I1)とユーザーの情報のためのストレージ領域(I2)を含む。ゴルフクラブの情報のストレージ領域(I1)には、個々のゴルフクラブに対する情報(I11、I12 、... )が区分されて貯蔵されている。個々のゴルフクラブに対する情報(I11、I12 、... )は、イメージ情報、製品情報、スペック情報などを含む。前記イメージ情報は、ゴルフクラブの全体イメージ又はヘッドやシャフトなどのようなゴルフクラブの主要部イメージを含む。前記製品情報は、メーカー、製造日(リリース日)、モデル名、サイズ、重量、材質などの情報を含んでいる。前記スペック情報はロフト角、ライ角、シャフト強度、シャフトトルクなどの情報を含んでいる(このようなゴルフクラブのスペック情報の値を、本明細書では、「クラブ変数」と呼ぶ)。ユーザー情報のためのストレージ領域(I2)には、個人情報、プレイ記録情報、ゴルフクラブ情報などが貯蔵されている。前記個人情報は、ユーザーの性別、年齢、身長、体重、履歴などの個人情報を含んでいる。前記プレイ記録情報は、ユーザーがスクリーンゴルフ場でプレイした累積記録であり、平均打数、平均飛距離、打撃されたボールの平均スピードなどを含んでいる。前記ゴルフクラブの情報は、ユーザーが選択過程で選択したゴルフクラブ、ユーザー自身が個人的に使用するゴルフクラブなどの情報を含んでいる。
【0041】
図5は、本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構成図である。
【0042】
図5を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置には、打撃プレイト(10)、制御部(20)、入力部(30)、感知部(40)、ビームプロジェクター(71)とスクリーン(72)を含む表示部(70)が具備される。制御部(20)としては、所定のソフトウェアを駆動することができるコンピュータ機器が使用され、入力部(30)としては、キーボードやマウスなどの入力機器が使用され、感知部(40)としては、カメラなどの感知手段が使用されることができる。このような構成は、
図1を参照して説明した実施例での構成と大きな違いはないので、これに対する詳細な説明は省略する。図面に図示されていないが、
図1を参照して説明した実施例での貯蔵部は、制御部(20)の内部の記憶装置に具備されることができ、サウンド部も別にスピーカーなどに具備されることができる。
図1を参照して説明した実施例と比較すると、本実施例による仮想ゴルフ装置は補助ディスプレイ(80)をさらに含む。補助ディスプレイ(80)としては、モニターやキオスクなどが使用されることができる。補助ディスプレイ(80)には、ユーザーの便宜のために、様々な情報が表示されることができる。例えば、補助ディスプレイ(80)には、ゴルフクラブを選択する選択過程を行うためのゴルフクラブの情報(
図2参照)が表示されることができる。スクリーン(72)と補助ディスプレイ(80)は、すべてユーザーに各種情報や映像を表示して提供できるが、スクリーン(72)では、スクリーンゴルフに関するメイン映像が提供され、補助ディスプレイ(80)では、ユーザーに必要な補助的な情報が表示されるようにして、スクリーン(72)と補助ディスプレイ(80)は相異なる役割を果たすことができる。本実施例によれば、表示される対象の種類によりスクリーンゴルフにおけるメイン映像を提供するスクリーン(72)と、ユーザーに必要な補助情報を提供する補助ディスプレイ(80)がそれぞれ具備されていて、ユーザーの利便を向上させることができる効果がある。
【0043】
選択過程を行う場合には、ユーザーは実際に自分が選択したゴルフクラブでゴルフボールを打撃したり、または自分が選択したゴルフクラブと異なるゴルフクラブでゴルフボールを打撃することができる。本発明の仮想ゴルフ装置では、選択されたゴルフクラブと同一のゴルフクラブでゴルフボールを打撃するかどうかにより、ユーザーはさまざまな方法でプレイすることができる。具体的に、本発明の仮想ゴルフ装置は、選択されたゴルフクラブと同一のゴルフクラブで打撃する第1のプレイモードと選択されたゴルフクラブと異なるゴルフクラブで打撃する第2のプレイモードを提供する。第1および第2のプレイモードにより、ゴルフボールの軌跡を算出する算出過程に違いが生ずる。以下、第1および第2のプレイモードについて説明する。
【0044】
図6は、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置に第1及び第2のプレイモードが適用される際に、第1のプレイモードにおける算出過程の一例を説明するための図である。
図7は、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置に第1及び第2のプレイモードが適用される際に、第2のプレイモードにおける算出過程の一例を説明するための図である。
図8は、第1および第2のプレイモードが適用される際に、スクリーンに表示される画面の一例を示す。
図9は、第1および第2のプレイモードが適用される際に、ユーザーがプレイモードを選択できるようにするインターフェース装置の一例を示す。
図10は、第1および第2のプレイモードの変形例によるスクリーン画面の一例を示す。
【0045】
図6を参照すると、第1のプレイモードにおける算出過程では、ユーザーが打撃したゴルフボール(B)の物理的な状態に基づいて、ゴルフボール(B)がどのような軌跡で飛行するかを計算する。前記ゴルフボール(B)の物理的な状態は、感知部(40)によって感知される。前記物理的状態は、様々な物理的なパラメータ値によって把握されることができる。前記の物理的なパラメータは、その種類が非常に多様であり、打撃された実際のゴルフボール(B)の動きも時時刻刻変動されるため、これらをすべて考慮して軌跡を算出する場合には、その計算過程は非常に複雑になる。したがって、説明の便宜上、ゴルフボール(B)の様々な物理的パラメータの一部(例えば、ゴルフボールの移動速度と移動方向)のみを用いた非常に単純なモデルを用いてゴルフボール(B)の軌跡算出過程を説明する。
【0046】
図6に図示されたように、ユーザがゴルフボール(B)を打撃すると、ゴルフボール(B)は所定の速度(V1)と方向(θ1)を持って飛行する。ここで速度(V1)は、ゴルフボール(B)が打撃された直後の初速度であり、方向(θ1)は、打撃によって飛行する方向を示す因子として水平面に対して傾いた角度である。算出過程では、ゴルフボール(B)が前記物理的なパラメータ(V1、θ1)を持って運動する際にどのような軌跡(T1)を持つかを算出する。このようにゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを抽出した後、そのパラメータをそのまま利用して軌跡(T1)を算出することが第1のプレイモードにおける算出過程である。要するに、ユーザーによって打撃された実際のゴルフボール(B)の物理的な状態を変更せずにそのまま利用することである。第1のプレイモードでは、ユーザーが選択したゴルフクラブと同一のゴルフクラブでゴルフボールを打撃するので、「ユーザーの選択条件」と「実際の打撃条件」が互いに対応し、第1のプレイモードでの算出過程は、両条件が対応する場合に通常の算出方式をそのまま従うものである。
【0047】
これに比べて、第2のプレイモードでは、ユーザーが選択したゴルフクラブと異なるゴルフクラブでゴルフボールを打撃するものであり、「ユーザーの選択条件」と「実際の打撃条件」が互いに対応しない。第2のプレイモードでの算出過程は、両条件の不一致を補償するために、通常の算出方式と異なる方式を適用する。例えば、算出過程において感知部(40)から把握された、ゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを部分的に変更してゴルフボールの軌跡を算出する。具体的に、
図7の(a)を参照すると、ユーザーが打撃したゴルフボール(B)が所定の速度(V1)と方向(θ1)を有するとする。前記物理的なパラメータ(V1、θ1)から第1軌跡(T1)が算出されるとすれば、本方式では、ゴルフボールの物理的パラメータの速度値を変形して変形値「V2」を次のように計算する。
V2 = f(V1、α)
このように、最初の速度値(V1)から変形値「V2」が計算されると、変形された速度(V2)と方向値(θ1)から軌跡(T2)を算出する。
αは、ユーザーが選択したゴルフクラブのスペックと実際に使用されたゴルフクラブのスペックとの違いによるクラブ変数における差分を表す変数である(α=Δ(選択ゴルフクラブのスペック - 使用ゴルフクラブのスペック))。f(V1、α)は、V1、αを変数とする関数ないし数式である。例えば、選択されたゴルフクラブと使用されたゴルフクラブの間にショット強度における差異があって、同一のスイングに対して一律にαだけの速度差が発生するとすれば、f(V1、α)は、単純な形で
f(V1、α)= V1 + α
になる。このような形態によれば、αの値に応じて打撃したゴルフボール(B)の速度V1が増加したり又は減少して、V1がV2に変更され、変更されたV2に基づいた算出過程によってゴルフボールの軌跡が変わる。ユーザーがゴルフクラブAを選択し、実際にゴルフクラブBを使用して打撃したとき、V1、θ1はゴルフクラブBによる打撃結果を示すが、V1、θ1だけを利用して算出過程を行う場合には、ユーザーがゴルフクラブAを選択した行為は算出過程に反映されることができない。しかし、ゴルフクラブAのクラブ変数を考慮して、f(V1、α)のような関数または数式を導出した後、それにより速度値をV1からV2に変更した後、V2、θ1に基づいて算出過程を行う場合には、ユーザーがゴルフクラブAを選択した行為の結果が、ユーザーが打撃したゴルフボールの軌跡に反映されることができる。
【0048】
例えば、ユーザーが選択したゴルフクラブAが、自分が個人的に有するゴルフクラブであり、ユーザーが実際に打撃するときに使用するゴルフクラブBは、仮想ゴルフ装置が設置されているスクリーンゴルフ場に具備されているゴルフクラブであると仮定する。ユーザーは、実際のゴルフ場では、自分が有するゴルフクラブAを使用してゴルフボールを打撃するため、スクリーンゴルフ場でゴルフボールを打撃する際にも、自分のゴルフクラブAを使用して打撃することを希望する可能性が高い。スクリーンゴルフ場でプレイする時に自分のゴルフクラブを持って行って使用することが可能であるが、常に自分のゴルフクラブを持ってスクリーンゴルフ場を訪問することが容易ではないので、スクリーンゴルフ場に具備されている自分のゴルフクラブと異なるゴルフクラブを使用することもありえる。このような場合には、ユーザーはやむをえずスクリーンゴルフ場に具備されているゴルフクラブを使用するが、自分が有するゴルフクラブを使用して打撃したときの打撃結果を知りだがる。このような点を勘案して、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置では、自分が選択したゴルフクラブを使用すると仮定した状態でのゴルフボールの軌跡を算出する第2のプレイモードを提供する。これにより、ユーザーが選択したゴルフクラブAとユーザーが実際に使用したゴルフクラブBの様々なスペックによるクラブの変数を考慮したときに、ゴルフクラブAを使用する場合が、ゴルフクラブBを使用した場合に比べて打撃したゴルフボールの速度が所定の変動分(α)だけ増加すると判断されると、
f(V1、α)= V1+α
という計算式を用いて、実際の速度値(V1)から変形された速度値(V2)を導出し、これに基づいてゴルフボールの軌跡を算出する。
【0049】
ここで選択されたゴルフクラブAと使用したゴルフクラブBの間のスペックにおける違いにより、f(V1、α)は、所定の変動分(α)を加える単純な形態ではなく、より複雑な形態になる可能性もある。ゴルフクラブ間にスペック差は非常に多様であるため、前記のよう単なる計算式ではなく、より複雑な計算式になる場合も有り得て、様々な実験を通して、実際の状況に附合する複雑な数式を作成して適用することができる。
【0050】
速度のみが変更されることができるのではなく、他の変数を変更してゴルフボールの軌跡を算出することができる。例えば、
図7の(b)に図示されたように、ユーザが打撃したゴルフボール(B)が所定の速度(V1)と方向(θ1)を有するとする。前記物理的なパラメータ(V1、θ1)から第1軌跡(T1)が算出されるとすれば、ゴルフボールの物理的パラメータの方向値を変形して変形値「θ2」を次のように計算する。
θ2 = f(θ1、α)
上記のように、最初の方向値(θ1)から変形値「θ2」が計算されると、速度(V1)と変形値(θ2)から軌跡(T2)を算出する。
f(θ1、α)は、θ1とαを変数とする関数ないし数式である。f(θ1、α)は、単純な形で
f(θ1、α)= θ1 + α
になる。
【0051】
ゴルフクラブ間にスペック差は非常に多様であるため、前記のよう単なる計算式ではなく、より複雑な計算式になる場合も有り得て、実際には様々な実験を通して、実際の状況に附合する複雑な数式を作成して適用することができる。
【0052】
このようにゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを抽出し、そのパラメータの少なくとも一部のパラメータをユーザーが選択したゴルフクラブとユーザーが打撃に使用したゴルフクラブとの間のスペック差に基づいて人為的に変形した後、これに基づいて軌跡(T2)を算出することが第2のプレイモードに適用される算出過程である。ここで速度値と方向値という2つの物理パラメータだけを例として説明したが、これは理解を助けるために簡単に説明したものだけであり、ゴルフボールの軌跡を算出するには、さらに様々な物理パラメータ(ゴルフボールのスピン方向、スピン値など)が使用されることができるので、速度値と方向値以外の他の物理パラメータを変更して変更されたゴルフボールの軌跡を算出することもできる。
【0053】
図8を参照すると、複数のユーザーがスクリーンゴルフをプレイする場合には、各ユーザーはプレイを開始する前に、第1のプレイモードと第2のプレイモードとのうちにいずれかのプレイモードを選択してプレイすることができる。たとえば、ユーザーAとユーザーBが一緒にプレイし、ユーザーAは第1のプレイモードを好み、ユーザーBは第2のプレイモードを好むと仮定する。ユーザーAとユーザーBがそれぞれ第1および第2のプレイモードを選択した場合、
図8に図示されたように、ユーザAがプレイするときには、スクリーン(72)にユーザーAのウィンドウ(W1)が表示され、ユーザーBがプレイするときには、スクリーン(72)にユーザーBのウィンドウ(W2)が表示される。ユーザーウィンドウ(W1、W2)には、ユーザーを識別することができる個人情報(ID、名前、ニックネームなど)、ユーザーの過去記録や現在のプレイ状況などが簡単に表示される。また、ユーザーのウィンドウ(W1、W2)は、ユーザーがどのようなプレイモードでプレイしているかを表示し、ユーザーは自分のウィンドウ(W1、W2)を参照して自分がどのようなモードでプレイしているかを確認することができる。プレイモードの確認後、現在の打撃を開始する前に、ユーザーは設定されたモードをそのまま維持してプレイしたり、または各種の入力手段などを利用して設定されたモードを変更しプレイしたりしながら、自分が好きな方法でスクリーンゴルフを楽しむことができる。
【0054】
図9を参照すると、仮想ゴルフ装置には、第1および第2のプレイモードを選択するための入力手段(11)が使用されることができる。入力手段(11)は、打撃プレイト(10)の近傍に配置されていて、ゴルフボールを打撃するために打撃プレイト(10)に位置するユーザは、近傍の入力手段(11)を利用して、いつでも簡単に第1及び第2のプレイモードのうちのいずれかを選択することができる。例えば、入力手段(11)には、第1プレイモードを選択するための「1番ボタン(11a)」と第2のプレイモードを選択するための「2番ボタン(11b)」があって、ユーザーは、1番ボタン(11a)と2番ボタン(11b)のいずれかを足で踏むことにより、第1及び第2プレイモードのいずれかのモードを容易に選択することができる。入力手段(11)には、第1および第2のプレイモードを選択するためのボタンだけでなく、ユーザーがスクリーンゴルフのプレイ中に頻繁に使用するコマンドを入力するための他のボタン(11c)がありえる。例えば、ボタン(11c)はスクリーンの中の画面が表示される角度や位置を調整する役割を果たすことができる。
【0055】
入力手段(11)は必須的なものではなく、ユーザーは、マウスやキーボードなどのような通常の入力機器を用いて、第1および第2のプレイモードのいずれかのプレイモードを選択することができる。また、ユーザーの選択がない場合には、仮想ゴルフ装置が第1および第2のプレイモードのいずれかを自動的に選択するようにすることができる。例えば、ユーザーが選択過程をスキップしてゴルフクラブを選択しなかった場合、スクリーンゴルフ場に具備されているものと同一のゴルフクラブを選択したとみなして、自動的に第1プレイモードが選択されるように構成することができる。またはカメラなどのゴルフクラブの感知手段を備えて、ユーザーがゴルフボールを打撃する際に使用するゴルフクラブを自動および/または手動で感知し、ユーザーが選択したゴルフクラブと感知手段によって感知されたゴルフクラブとの同一の可否をチェックした後、前記チェックの結果に基づいて、第1および第2のプレイモードのいずれかが自動的に選択されるように構成することができる。
【0056】
以上、ゴルフクラブを選択し、選択されたゴルフクラブと同一のゴルフクラブで打撃するかにより、第1または第2のプレイモードでプレイし、第1および第2のプレイモードにより算出過程で算出されるゴルフボールの軌跡が変更される方式について説明した。この方式によれば、特に第2のプレイモードの下で、ユーザーが自分の個人的に有するゴルフクラブを選択すると、ユーザーはスクリーンゴルフ場で自分の個人物品を使用して打撃するような打撃感を体感することができ、その結果、スクリーンゴルフのリアリティを向上させることができる。または、第2のプレイモードの下で、ユーザーは、自分が実際に使ったことがない未知のゴルフクラブを選択することができ、この場合、ユーザーは未知のゴルフクラブの打撃感に対してあらかじめ体験することができる。
【0057】
第1および第2のプレイモードだけでなく、これを変形したプレイモードも可能である。例えば、ユーザーが選択したゴルフクラブとユーザーが使用したゴルフクラブが異なるときに、第1のプレイモード方式での算出過程(ゴルフボールの物理的パラメータを変更せずに軌跡を算出)で第1軌跡が算出され、第2のプレイモード方式での算出過程(ゴルフボールの物理的パラメータを変更して軌跡を算出)で第2軌跡が算出されると仮定する。
図10の(a)を参照すると、スクリーン(72)(または
図5の補助ディスプレイ(80))には、第1軌跡(T10)と第2軌跡(T20)が共に表示される。その結果、ユーザーは、自分が実際に打撃に使用したゴルフクラブによる打撃結果と自分が選択したゴルフクラブによる打撃結果を直接的に比較することができる。または、ユーザーは選択過程で複数のゴルフクラブを選択することができ、例えば、選択過程でユーザーが自分の個人ゴルフクラブである第1ゴルフクラブと自分が有しない第2ゴルフクラブを選択し、実際の打撃においてスクリーンゴルフ場に具備されている、第1、2ゴルフクラブと異なるゴルフクラブを使用したと仮定すると、第1のプレイモード方式での算出過程(第1軌跡)と、第1および第2のゴルフクラブに対する第2のプレイモード方式での算出過程(第2、3軌跡)を実行した後、
図10の(b)に図示されたように、第1軌跡(T10)、第2軌跡(T21)、第3軌跡(T22)が一緒に表示されるようにすることができる。その結果、ユーザーは、実際に使用したゴルフクラブによる打撃結果(T10)、自分が有するゴルフクラブによる打撃結果(T21)、自分が有しないゴルフクラブによる打撃結果(T22)の違いを直接的に比較することことができ、どのようなゴルフクラブが自分にさらに適合するものであるかを把握することができる。特に、ユーザーが、現在、自分が有しているゴルフクラブが気に入らないので新しいゴルフクラブを購入する意図を持っているときに、前記第2ゴルフクラブとして、様々なゴルフクラブを選択して打撃した後、その結果を比較しながらどのようなゴルフクラブを購入するかを判断することができる。
【0058】
図11は、ユーザーにゴルフクラブを勧めながら、その販売店の情報を提供するスクリーン画面の一例を示す。
【0059】
前に、いろいろなゴルフクラブを選択して打撃結果を比較しながら、ユーザーに適合するゴルフクラブをユーザーが自分で判断することができるとしたが、このような判断は、制御部(20)によって行われることができる。ユーザが打撃する時に、第2のプレイモード下での算出過程を適用して、様々なゴルフクラブを使用する場合における打撃結果を算出することができ、この算出結果を分析して、 制御部(20)はユーザーに適切なゴルフクラブを見つけて推薦することができる。また、制御部(20)は、ゴルフクラブの推薦のために貯蔵部(30)に貯蔵されている情報を活用することができる。
図4を参照して説明したように、貯蔵部(30)には、ユーザーの情報(個人情報、プレイ記録情報など)とゴルフクラブの情報(スペック情報など)が貯蔵されており、これを利用してユーザーに適したゴルフクラブを推薦することができる。前記推薦ステップでは、一つのゴルフクラブを推薦するか、または複数のゴルフクラブを推薦することができる。複数のゴルフクラブを推薦する時に、各ゴルフクラブごとユーザーの適合度が異なる場合には、これを数値で表示することができる。例えば、XXX社のAゴルフクラブのユーザーに対する適合度が95であり、△△△社のBゴルフクラブのユーザーに対する適合度が90であれば、
図11に図示されたように、前記適合度が数値で表示される。また、ゴルフクラブを推薦することだけでなく、推薦されたゴルフクラブの販売店情報まで提供すれば、推薦を受けたユーザーが好むゴルフクラブを即座に購入できる。販売店が複数であり、価格も異なる場合には、複数の販売店と各販売店の価格まで比較できるように該当情報を提供することができる。ゴルフクラブの推薦と販売店の情報は、スクリーンや補助ディスプレイなどに表示されることができる。
【0060】
図12は、本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構成図である。
【0061】
図12を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステムは、複数の仮想ゴルフ装置(VGD)とサーバーユニット(SU)を含む。仮想ゴルフ装置(VGD)はサーバユニット(SU)と有無線通信網などを通じて連結されている。仮想ゴルフ装置(VGD)はログインが行われると、ユーザーにスクリーンゴルフのサービスを提供するサービス提供部の役割をする。仮想ゴルフ装置(VGD)は、
図1〜
図11等を参照して説明した仮想ゴルフ装置と同一または類似の構造を持つことができます。サーバーユニット(SU)は、複数の仮想ゴルフ装置(VGD)を運営するサービス業者が複数の仮想ゴルフ装置(VGD)を管理するために使用する、一種の中央サーバーである。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザーは、前記サービスの提供を受けるためにまずログインを行い、サーバーユニット(SU)は、ログインをする際に、ユーザーの身元を確認してログインの承認可否を決定する。サーバーユニット(SU)には、ユーザーの身元を確認するのに必要な情報を貯蔵しているデータベース(DB)が備わる。
【0062】
前述の仮想ゴルフ装置と同様に、本実施例における仮想ゴルフ装置(VGD)でプレイするユーザーは、ゴルフボールを打撃する前に、ゴルフクラブを選択することができる。また、選択されたゴルフクラブとゴルフボールを打撃するときに使用するゴルフクラブとの同一の可否により、ユーザーは、第1のプレイモードまたは第2のプレイモードでプレイすることができる。前記選択過程のために、データベース(DB)は、前述の仮想ゴルフ装置における貯蔵部の役割を果たす。すなわち、データベース(DB)は、
図4に図示されたような貯蔵部と同様に、様々なゴルフクラブに対するゴルフクラブの情報とユーザー個人に対するユーザーの情報を貯蔵する。ゴルフクラブの情報には、様々なゴルフクラブに対する情報がゴルフクラブごと区分されて貯蔵されている。例えば、様々なゴルフクラブのそれぞれのイメージ情報、製品情報、スペック情報などが貯蔵されていて、このようなゴルフクラブの情報を利用して、ユーザーは選択過程を行うことができる。また、個々のユーザーに対する情報には、ユーザーそれぞれの個人情報、プレイ記録情報、ゴルフクラブ情報がユーザーごとに区分されて貯蔵されている。ゴルフクラブの情報とユーザーの情報を利用すると、ユーザーに適したゴルフクラブを推薦したり、前記推薦されたゴルフクラブを購入できるリンクを提供することができる。このようにデータベース(DB)にゴルフクラブの情報とユーザーの情報が貯蔵されると、サーバーユニット(SU)に連結されている個々の仮想ゴルフ装置(VGD)では、前記ゴルフクラブの情報とユーザーの情報を別に貯蔵する必要がなく、個々の仮想ゴルフ装置(VGD)はサーバーユニット(SU)に有線および/または無線上で接続されている状態で、データベース(DB)に保存されている情報を利用することができる。
【0063】
図13は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構成図であり、
図14乃至
図20は
図13の仮想ゴルフ装置に適用することができる動作過程を示し、
図21は第1および第2のプレイモードが適用される際に、ユーザーがプレイモードを選択できるようにするインターフェース機器の一例を示す。
【0064】
図13を参照すると、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置(100)は、打撃プレイト(110)、制御部(120)、貯蔵部(130)、感知部(140)、入力部(150)、サウンド部(160)、及び表示部(170)を含む。
【0065】
打撃プレイト(110)は、ゴルフボールを打撃するための場所であり、ユーザーは打撃プレイト(110)に位置してここに置かれているゴルフボールを打撃する。
【0066】
制御部(120)は、ゴルフボールの軌跡を算出するための算出過程を行う。算出過程では、ユーザーがゴルフボールを打撃すると、前記ゴルフボールが実際のゴルフ場で飛行すると仮定したときの軌跡および/または飛距離などを算出する。また、制御部(120)は、仮想ゴルフ装置の構成要素の全体的な動作をコントロールしながら、ユーザーに様々なプレイオプションを提供することができる。例えば、制御部(120)は、ユーザーに第1及び第2のプレイモードを提供し、ユーザーは前記の2つのプレイモードのいずれかを選択してプレイすることができる。第1のプレイモードにおいて、ユーザーは自分の個人ゴルフボールを使用することができ、第2のプレイモードにおいて、ユーザーは打撃プレイト(110)に自動的に提供されるゴルフボールを使用することができる。図面に図示されていないが、打撃プレイト(110)には、自動的に打撃用ゴルフボールを提供するゴルフボールの提供手段が具備される。第1のプレイモードにおいて、制御部(120)は前記ゴルフボールの提供手段が動作しないように制御し、ユーザーは打撃の時点に合わせて、自分が準備したゴルフボールを打撃プレイト(110)に置きこれを打撃する。スクリーンゴルフの利用者の中には、スクリーンゴルフ場によって提供されるゴルフボールよりも、自分が平常使用しているゴルフボールを打撃することを希望する利用者があり得、このような利用者は、第1のプレイモードを通じて自分が平常使用している個人ゴルフボールを準備しこれを打撃に利用することができる。第2のプレイモードにおいて、ユーザーは別にゴルフボールを用意する必要がなく、ユーザーが打撃する時点に合わせて、制御部(120)はゴルフボールが打撃プレイト(110)に提供されるように、前記ゴルフボールの提供手段をコントロールする。
【0067】
貯蔵部(130)は、仮想ゴルフ装置の動作に必要な各種データを貯蔵し、また、各種ゴルフボールに関する情報を貯蔵する。前記ゴルフボールの情報は、現在の市場で使用されている市販のゴルフボールの情報を含んでいる。
【0068】
感知部(140)は、ユーザーによって打撃されたゴルフボールの速度、移動方向、回転角度などの物理的な状態を感知する。感知部(140)は、ゴルフボールの物理的な状態を感知できるセンシング手段を含み、前記センシング手段としては、各種感知センサーやカメラなどを使用することができる。前記カメラや感知センサーなどは単独に使用したり、一緒に使用することができ、また、一つのみを使用したり、複数で使用することができる。感知部(140)で感知された情報は制御部(120)に伝達され、制御部(120)は伝達された情報に基づいて算出過程を行う。
【0069】
入力部(150)は、ユーザーから各種情報を受けるためのものであり、キーボード/マウス、タッチスクリーンなどを用いることができる。スクリーンゴルフでは、ユーザーがログインをするために、自分のIDやパスワードなどを入力する場合、ユーザーがプレイしようとするゴルフコースや難易度などを選択する場合などのように、ユーザーが情報を入力しなければならない場合があり、この時に入力部(150)が必要である。入力部(150)で入力された情報は制御部(120)に伝達され、制御部(120)は伝達された情報に基づいてユーザーの要求を処理する。例えば、ユーザーは入力部(150)を通じて、前述の第1および第2のプレイモードのいずれかを選択することができ、制御部(120)は、ユーザーの選択により、打撃プレイト(110)に自動的にゴルフボールを提供するか又は提供しない。また、ユーザーがログインをするためにIDやパスワードなどの個人情報を入力する場合に、制御部(120)は入力された個人情報をチェックして、ログインの承認可否を決定する役割を果たす。
【0070】
サウンド部(160)は、スピーカーなどの音響機器を含み、ユーザーにゲームの進行状況を案内しゲームの進行による各種効果音を再生する役割を果たす。
【0071】
表示部(170)は、ビームプロジェクター(171)とスクリーン(172)を含む。ビームプロジェクター(171)は、ゴルフコースとゴルフボールがスクリーン(172)に表示されるように関連映像をスクリーン(172)に投射し、スクリーン(172)は、投射されたゴルフ関連映像を表示してユーザーに提供する。以下で、スクリーン(172)に表示される一部対象に対して「仮想」という用語を付けて表現することができる。これは、現実の世界に存在するのではなくスクリーン(172)に表示されているものという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とは、スクリーン(172)に表示されるゴルフコースという意味であり、「仮想のゴルフボール」とは、スクリーン(172)に表示されるゴルフボールという意味である。
【0072】
上記のような構成を有する仮想ゴルフ装置(100)でのスクリーンゴルフプレイの過程は、次のとおりである。ユーザーが打撃プレイト(110)上のゴルフボールを打撃すると、感知部(140)が打撃されたゴルフボールの物理的な状態を感知し、制御部(120)が感知部(140)からの感知情報に基づいて打撃されたゴルフボールの飛行軌跡を算出し、スクリーン(172)は、前記算出されたとおりに仮想のゴルフボールが動く映像を表示する。この時にスクリーン(172)の仮想のゴルフボールは、算出された軌跡に飛行した後、スクリーン(172)の仮想のゴルフコースでの特定地点に着地し、ユーザーはスクリーン(172)の仮想のゴルフボールが着地した地点から打撃を継続しながら、ホールカップにホールインをするときまで上記の過程を繰り返す。
【0073】
本実施例によると、仮想ゴルフ装置(100)は、ユーザーが打撃するゴルフボールを識別してこれをスクリーンで表示する。
図14を参照すると、実際のゴルフボールを識別して表示する動作は、複数のステップを含んでいる。第1ステップ(S1)において打撃プレイト(110)に置かれている実際のゴルフボールを感知し、第2ステップ(S2)において感知されたゴルフボールを識別し、第3ステップ(S3)において識別されたゴルフボールに対応する仮想のゴルフボールを表示する。第1乃至第3ステップ(S1、S2、S3)のそれぞれの具体的な内容は、次のとおりである。
【0074】
図15を参照すると、第1ステップ(S1)では、打撃プレイト(110)に打撃用ゴルフボール(1)が置かれている状態で、感知器(2)がゴルフボールのイメージ(GI)を獲得する。ゴルフボールのイメージ(GI)は、必ずゴルフボールが打撃プレイト(110)に置かれているときに獲得されるべきではなく、ゴルフボールが打撃された後に動くゴルフボールを撮影して獲得してもよい。ゴルフボール(1)は、ユーザーが別に用意した個人のゴルフボールであるか、または仮想ゴルフ装置(100)によって提供されたゴルフボールである。感知器(2)として、撮影機能を有するカメラなどを用いることができる。感知器(2)は、打撃されたゴルフボール(1)の物理的な状態を感知するための感知部(140)の役割を果たすことができる。つまり、感知器(2)はゴルフボール(1)の物理的な状態を感知する感知部(140)としての役割とともに、打撃プレイト(110)に置かれているゴルフボール(1)を撮影してゴルフボールのイメージ(GI)を生成する役割を果たすことができる。または、感知器(2)は、感知部(140)とかかわりなく別に具備されて、打撃プレイト(110)に置かれているゴルフボール(1)からゴルフボールのイメージ(GI)を生成する役割だけを果たすことができる。
【0075】
図16を参照すると、第2ステップ(S2)では、ゴルフボールのイメージ(GI)からゴルフボールを識別する。
図16に図示されたように、貯蔵部(130)には、複数のゴルフボールに対するデータが貯蔵されている。具体的に、貯蔵部(130)には、ゴルフボールの情報のための貯蔵領域に個々のゴルフボールに対する情報がゴルフボールごと区分されて貯蔵されている。例えば、ゴルフボールGB1、ゴルフボールGB2などの個々のゴルフボールに対する情報がそれぞれ区分されており、区分されている各ゴルフボールの情報は、イメージ情報、製品情報、スペック情報などを含む。前記イメージ情報は、ゴルフボールの全体輪郭、ゴルフボールの表面に表示された絵、文字、記号など、ディンプル(dimple)を示すための表面の凸凹パターン等のように外部に露出されているゴルフボールに対するすべての外形的特性を含む。前記製品情報は、メーカー、製造日(リリース日)、モデル名、サイズ、重量、材質などの情報を含む。前記スペック情報は、ゴルフボールの特性や性能を示す情報を含む。例えば、ゴルフボールは、材質や形状、ディンプルパターン等により、風に強い中弾道特性、高く及び/又は長く飛行できる特性、柔らかな打球感を示す特性、ストレート飛行特性などの様々なスペックを持つことができる。
【0076】
ゴルフボールを識別するために、制御部(120)は、第1ステップ(S1)で入手されたゴルフボールのイメージ(GI)と貯蔵部(130)に貯蔵されている各ゴルフボールのイメージ情報を比較しながら、貯蔵されているゴルフボールの中でゴルフボールのイメージ(GI)に対応するゴルフボールを探す過程を行う。例えば、第1のストレージからのゴルフボールGB1のイメージ(I1)とゴルフボールのイメージ(GI)を比較する。比較の結果、互いに異なると判断されると、第2のストレージからのゴルフボールGB2のイメージ(I2)とゴルフボールのイメージ(GI)を比較する。比較過程では、比較対象のゴルフボールの全体輪郭、ゴルフボールの表面に表示された絵、文字、記号など、表面の凸凹パターン等を全体的に比較することができる。このような過程を繰り返すと、ゴルフボールのイメージ(GI)と同一のイメージ(I2)を見つけることができ、その結果、ゴルフボールのイメージ(GI)に該当するゴルフボールがGB2ゴルフボールであることを分かる。
【0077】
図17乃至
図20に図示されたように、第3ステップ(S3)では、識別されたゴルフボールに対応する仮想のゴルフボールをさまざまな方法でスクリーンに表示する。
図17を参照すると、スクリーンにはプレイしているユーザーの情報を表示するウィンドウ(W)が表示される。ユーザーのウィンドウ(W)には、ユーザーの簡単な情報(ユーザーIDや個人記録など)が表示される。また、ユーザーのウィンドウ(W)には、識別されたゴルフボールを示す簡略情報(ゴルフボールのメーカー、商品名など)が表示される。
図18を参照すると、スクリーンのユーザのウィンドウ(W)には、ユーザーの簡単な情報(ユーザーIDや個人記録など)だけが表示され、ユーザーが使用するゴルフボールに対応する仮想のゴルフボール(VB)がスクリーンの主要部(スクリーンの中央または下部など)にさらに詳細に表示されることができる。この時に、仮想のゴルフボール(VB)は、識別された実際のゴルフボールの実物に対応するイメージを有するように表示される。スクリーンのメイン用途は、仮想のゴルフボールと仮想のゴルフコースを表示することであるので、識別された実際のゴルフボールに対応する仮想のゴルフボール(VB)の映像は、ユーザーが実際にゴルフボールを打撃する前の状態でのみ表示された後、消えるようにすることが好ましい。
図19を参照すると、仮想のゴルフボール(VB)は制御部(120)によて打撃された実際のゴルフボールの物理的状態に基づいて算出された軌跡(T)に沿って移動し、前記軌跡(T)に沿って移動する仮想のゴルフボール(VB)は、第2ステップ(S2)において識別された実際のゴルフボールの実物に対応するイメージを有するように表示される。
図20を参照すると、仮想のゴルフボールは、制御部(120)によって算出された軌跡(T)に沿って移動するもの(便宜上「第1の仮想のゴルフボール(VB)」と命名)と、別のウィンドウ(W')に拡大されたイメージとして表示されるもの(便宜上「第2の仮想のゴルフボール(VB')」と命名)との2つを含む。ここで、第1および第2の仮想のゴルフボール(VB、VB ')のうちの少なくとも第2の仮想のゴルフボール(VB')は、識別された実際のゴルフボールの実物に対応するイメージを有するように表示される。第1の仮想のゴルフボール(VB)は、全体のスクリーンサイズに比べて非常に小さい面積を占めるので、識別された実際のゴルフボールの実物に対応するイメージを有するように表示されても、ユーザーが肉眼で把握することが容易ではない。これに比べて、別のウィンドウ(W')に表示されている第2の仮想のゴルフボール(VB')は、付加情報を提供するために拡大されたイメージとして表示されることができる。拡大イメージであるので、実際のゴルフボールの実物に対応するイメージを有する場合、ユーザーが肉眼でも容易に把握することができる。ここで、第2の仮想のゴルフボール(VB ')は、ユーザーが打撃したゴルフボールのスピン方向を前記付加情報として提供することができる。スピン方向だけではなく、ユーザーのプレイに役立つ他の付加情報を提供するために、第2の仮想のゴルフボール(VB ')が使用されることもできる。
【0078】
上記のように、仮想ゴルフボール(VB)が、実際のゴルフボールの実物に対応するイメージを有すると、ユーザーは自分がどのようなゴルフボールを使用してプレイしているかを容易に把握することができる。特に、ユーザーが自分の個人ゴルフボールでプレイする場合(第1のプレイモード)には、スクリーンに自分の個人ゴルフボールに対する実物の映像が表示されることで、屋外の実際のゴルフ場において自分の個人ゴルフボールでプレイしているような気分を体感することができ、これにより、スクリーンゴルフのリアリティを大きく向上させることができる。
【0079】
スクリーンゴルフのリアリティーをさらに向上させるために、仮想ゴルフボール(VB)は、実際のゴルフボールの実物に対応するイメージを有するだけでなく、スクリーンゴルフのプレイ中に、仮想ゴルフボール(VB)が変形される状況が発生すると、このような変形状況を反映するイメージをさらに有することができる。例えば、仮想ゴルフボール(VB)が制御部(120)で算出された軌跡(T)に沿って移動しながら、表面に傷が生じる状況が発生した場合(仮想ゴルフボール(VB)が固い物に衝突したり又は引っ掻いたりして表面に傷が生じる場合など)、それ以降の仮想ゴルフボール(VB)は、前記実物に対応するイメージに傷イメージが追加された状態で表示されることができる。その結果、ユーザーは、まるで実際のゴルフプレイでゴルフボールが破損されたような感じを持つようになってスクリーンゴルフのリアリティを大幅に向上させることができる。
【0080】
図21を参照すると、仮想ゴルフ装置(100)には、第1および第2のプレイモードを選択するためのインターフェース機器(111)が使用されることができる。インターフェース機器(111)は、打撃プレイト(110)の近傍に配置されていて、ゴルフボールを打撃するために打撃プレイト(110)に位置するユーザーは、近傍のインターフェース機器(111)を利用して、いつでも簡単に第1及び第2のプレイモードのいずれかを選択することができる。インターフェース機器(111)には、第1のプレイモードを選択するための「1番ボタン(111a)」と第2のプレイモードを選択するための「2番ボタン(111b)」があって、ユーザーは、1番ボタン(111a)と2番ボタン(111b)のいずれかを足で踏むことにより、第1及び第2のプレイモードのいずれかのモードを容易に選択することができる。例えば、ユーザーは、特定のゴルフコースのラウンドで最初の打撃(ティーショット)をする前に、1番ボタン(111a)や2番ボタン(111b)を踏んで第1または第2のプレイモードを選択することができる。また、ユーザーは、ティーショットの後、中間の打撃(例えば、打撃されたゴルフボールがオービーエリアに落下してペナルティを受けて再び打撃する場合など)をする際に、打撃前に1番や2番ボタン(111a、111b)を足で踏むことにより、プレイモードをコース攻略中間にも望み通り変更することができる。
【0081】
インターフェース機器(111)には、第1および第2のプレイモードを選択するためのボタンだけでなく、ユーザーがスクリーンゴルフのプレイ中に頻繁に使用するコマンドを入力するための他のボタン(111c)がありえる。例えば、ボタン(111c)はスクリーンの画面が表示される角度や位置を調整する役割を果たすことができる。
【0082】
インターフェース機器(111)は必須的なものではなく、ユーザーは、マウスやキーボードなどのような通常の入力機器を用いて、第1および第2のプレイモードのいずれかのプレイモードを選択することができる。
【0083】
図22は本発明の他の実施例による仮想ゴルフ装置の概略的な構成図であり、
図23は
図22の仮想ゴルフ装置に適用されることができる動作過程を示すフローチャートであり、
図24は
図22の仮想ゴルフ装置に表示されるゴルフボールの選択画面の一例を示し、
図25は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置において、第1の算出方式を説明するための図であり、
図26は本発明の実施例による仮想ゴルフ装置において、第2の算出方式を説明するための図であり、
図27は第1および第2の算出方式が適用される際に、スクリーンに表示される画面の一例を示す。
【0084】
図22を参照すると、本実施例による仮想ゴルフ装置(200)には、打撃プレイト(210)、制御部(220)、貯蔵部(230)、感知部(240)、入力部(250)、表示部(270)が具備される。打撃プレイト(210)は、ゴルフボールを打撃するための場所であり、図面に図示されていないが、打撃プレイト(210)の下には、ゴルフボールを自動的に提供するゴルフボールの提供手段が設置される。制御部(220)としては、所定のソフトウェアを駆動することができるコンピュータ機器が使用され、貯蔵部(230)としては、前記コンピュータ機器の内部に設置される貯蔵装置または外付け貯蔵装置が使用されることができる。また、感知部(240)としては、カメラなどの感知手段が使用され、入力部(250)としては、キーボードやマウスなどの入力機器が使用されることができる。表示部(270)はビームプロジェクター(271)とスクリーン(272)を含む。これらの構成は、
図13を参照して説明した実施例での構成と動作上大きな違いがないので、これに対する詳細な説明は省略する。図面に図示されていないが、
図13を参照して説明した実施例でのサウンド部も別にスピーカーなどに具備されることができる。
図13を参照して説明した実施例と比較すると、本実施例による仮想ゴルフ装置(200)は、補助ディスプレイ(280)をさらに含む。補助ディスプレイ(280)としては、モニターやキオスクなどが使用されることができる。補助ディスプレイ(280)には、ユーザーの便宜のために、様々な情報が表示されることができる。例えば、補助ディスプレイ(280)には、後述するゴルフボールを選択する選択過程を行うためのゴルフボールの情報が表示されることができる。スクリーン(272)と補助ディスプレイ(280)は、すべてユーザーに各種情報や映像を表示して提供できるが、スクリーン(272)では、スクリーンゴルフに関するメイン映像が提供され、補助ディスプレイ(280)では、ユーザーに必要な補助的な情報が表示されるようして、スクリーン(272)と補助ディスプレイ(280)は相異なる役割を果たすことができる。本実施例によれば、表示される対象の種類によりスクリーンゴルフにおけるメイン映像を提供するスクリーン(272)と、ユーザーに必要な補助情報を提供する補助ディスプレイ(280)がそれぞれ具備されていて、ユーザーの利便を向上させることができる。
【0085】
本実施例による仮想ゴルフ装置(200)は、前述の実施例と同様に、ユーザーに第1および第2のプレイモードを提供することができる。第1のプレイモードでのユーザーは、自分が有する個人ゴルフボールを使用することができ、第2のプレイモードでのユーザーは、個人ゴルフボールの代わりに、仮想ゴルフ装置(200)で提供されるゴルフボールを使用することができる。
【0086】
本実施例の仮想ゴルフ装置(200)によれば、ユーザーはゴルフボールを打撃する前に、ゴルフボールに対する選択過程を行うことができ、前記選択によりゴルフボールの軌跡算出方法が変更されることができる。
図23を参照すると、選択過程を含む動作過程は複数のステップを含んでいる。第1ステップ(S10)においてゴルフボールを選択し、第2ステップ(S20)において打撃プレイト(210)に置かれる実際のゴルフボールを感知し、第3ステップ(S30)において感知されたゴルフボールを識別し、第4ステップ(S40)において選択されたゴルフボールと識別されたゴルフボールとの同一可否をチェックし、第5及び第6ステップ(S50、S60)では、第4ステップ(S40)でのチェック結果に基づいて第1または第2の算出方式によりゴルフボールの軌跡を算出し、第7ステップ(S70)において仮想のゴルフボールをスクリーン(272)に表示する。第1乃至第7ステップ(S10-S70)の具体的な内容は以下の通りである。
【0087】
図24を参照すると、第1ステップ(S10)において、実際のゴルフボールを打撃する前に、ユーザーはゴルフボールに対する選択過程を行い、補助ディスプレイ(280)(及び/又はスクリーン(272))には前記選択過程のためのゴルフボールの情報が表示される。具体的に、補助ディスプレイ(280)には、現在の市場で使用されている市販のゴルフボールの情報が表示される。表示されるゴルフボールの項目は、メーカー別に区分して表示され、また同一のメーカーのゴルフボールもブランドや特性別に区分して表示ことができる。
【0088】
第1ステップ(S10)に続いて打撃に使用される実際のゴルフボールを感知する第2ステップ(S20)と感知されたゴルフボールを識別する第3ステップ(S30)が行われる。第2ステップ(S20)では、実際のゴルフボールのイメージが入手され、第3ステップ(S30)では、入手されたイメージを貯蔵部(230)に貯蔵されている情報と比較することにより、使用されたゴルフボールを識別する。第2、3ステップ(S20、S30)には、
図15及び
図16を参照して説明したステップ(S1、S2)の内容が適用されることができるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0089】
第4ステップ(S40)では、制御部(220)が識別されたゴルフボール(ユーザーが打撃時に使用したゴルフボール)と選択過程で選択されたゴルフボールとの同一可否をチェックし、その結果、同一の場合には、第5ステップ(S50)において第1の算出方式によりゴルフボールの軌跡を算出し、同一でない場合には、第6ステップ(S60)において第2の算出方式によりゴルフボールの軌跡を算出する。選択過程の後、ユーザーは、実際に自分が選択したゴルフボールと同一のゴルフボールを打撃したり、または自分が選択したゴルフボールと異なるゴルフボールを打撃したりすることができ、選択されたゴルフボールと同一のゴルフボールを打撃した場合に、第5ステップ(S50)が行われ、選択されたゴルフボールと異なるゴルフボールを打撃した場合に、第6ステップ(S60)が行われる。
【0090】
図25を参照すると、第1の算出方式による算出過程では、ユーザーが打撃したゴルフボール(B)の物理的な状態に基づいて、ゴルフボール(B)がどのような軌跡で飛行するかを計算する。前記ゴルフボール(B)の物理的な状態は、感知部(240)によって感知される。前記物理的状態は、様々な物理的なパラメータ値によって把握されることができる。前記の物理的なパラメータは、その種類が非常に多様であり、打撃された実際のゴルフボール(B)の動きも時時刻刻変動されるため、これらをすべて考慮して軌跡を算出する場合には、その計算過程は非常に複雑になる。したがって、説明の便宜上、ゴルフボール(B)の様々な物理的パラメータの一部(例えば、ゴルフボールの移動速度と移動方向)のみを用いた単純なモデルを用いてゴルフボール(B)の軌跡算出過程を説明する。
【0091】
図25に図示されたように、ユーザがゴルフボール(B)を打撃すると、ゴルフボール(B)は所定の速度(V1)と方向(θ1)を持って飛行する。ここで速度(V1)は、ゴルフボール(B)が打撃された直後の初速度であり、方向(θ1)は、打撃によって飛行する方向を示す因子として水平面に対して傾いた角度である。算出過程では、ゴルフボール(B)が前記物理的なパラメータ(V1、θ1)を持って運動する際にどのような軌跡(T1)を持つかを算出する。このようにゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを抽出した後、そのパラメータをそのまま利用して軌跡(T1)を算出することが第1の算出方式である。要するに、ユーザーによって打撃された実際のゴルフボール(B)の物理的な状態を変更せずにそのまま利用することである。第1の算出方式は、ユーザーが選択したゴルフボールと同一のゴルフボールを打撃するので、「ユーザーの選択条件」と「実際の打撃条件」が互いに対応し、第1の算出方式での算出過程は、両条件が対応する場合に通常の算出方式をそのまま従うものである。
【0092】
これに比べて、第2の算出方式では、ユーザーが選択したゴルフボールと異なるゴルフボールを打撃するものであり、「ユーザーの選択条件」と「実際の打撃条件」が互いに対応しない。第2の算出方式は、両条件の不一致を補償するために、通常の算出方式と異なる方式を適用する。例えば、算出過程において感知部(240)から把握された、ゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを部分的に又は全体的に変更してゴルフボールの軌跡を算出する。具体的に、
図26の(a)を参照すると、ユーザーが打撃したゴルフボール(B)が所定の速度(V1)と方向(θ1)を有するとする。前記物理的なパラメータ(V1、θ1)から第1軌跡(T1)が算出されるとすれば、本方式では、ゴルフボールの物理的パラメータの速度値を変形して変形値「V2」を次のように計算する。
V2 = f(V1、α)
このように、最初の速度値(V1)から変形値「V2」が計算されると、変形された速度(V2)と方向値(θ1)から軌跡(T2)を算出する。
αは、ユーザーが選択したゴルフボールのスペックと実際に使用されたゴルフボールのスペックとの違いを示す変数である(α=Δ(選択ゴルフボールのスペック-使用ゴルフボールのスペック))。f(V1、α)は、V1、αを変数とする関数ないし数式である。例えば、選択されたゴルフボールと使用されたゴルフボールとの間に飛距離特性における差異があって、同一のスイングに対して一律にαだけの速度差が発生するとすれば、f(V1、α)は、単純な形で
f(V1、α)= V1 + α
になる。このような形態によれば、αの値に応じて打撃したゴルフボール(B)の速度V1が増加したり又は減少して、V1がV2に変更され、変更されたV2に基づいた算出過程によってゴルフボールの軌跡が変わる。ユーザーがゴルフボールAを選択し、実際にゴルフボールBを使用して打撃したとき、V1、θ1はゴルフボールBによる打撃結果を示すが、V1、θ1だけを利用して算出過程を行う場合には、ユーザーがゴルフボールAを選択した行為は算出過程に反映されることができない。しかし、ゴルフクボールAのスペックを考慮して、f(V1、α)のような関数または数式を導出した後、それにより速度値をV1からV2に変更した後、V2、θ1に基づいて算出過程を行う場合には、ユーザーがゴルフボールAを選択した行為の結果が、ユーザーが打撃したゴルフボールの軌跡に反映されることができる。
【0093】
例えば、ユーザーが選択したゴルフボールAが、自分が個人的に有するゴルフボールであり、ユーザーが実際に打撃したゴルフボールBは、仮想ゴルフ装置が設置されているスクリーンゴルフ場で提供されるゴルフボールであると仮定する。ユーザーは、実際のゴルフ場では、自分が有するゴルフボールAを打撃するため、スクリーンゴルフ場でゴルフボールを打撃する際にも、自分のゴルフボールAを打撃することを希望する可能性が高い。しかし、ユーザーがスクリーンゴルフ場に自分の個人ゴルフボールAを持って行かない場合などのように、自分の個人ゴルフボールAと異なるゴルフボールを打撃しなければならないこともありえる。このような場合には、ユーザーはやむをえずスクリーンゴルフ場に具備されているゴルフボールを使用するが、自分が有するゴルフボールを打撃したときの打撃結果を知りだがる。このような点を勘案して、本発明の実施例による仮想ゴルフ装置では、自分が選択したゴルフボールを打撃すると仮定した状態でのゴルフボールの軌跡を算出する第2の算出方式が適用される。これにより、ユーザーが選択したゴルフボールAとユーザーが実際に打撃したゴルフボールBとの様々なスペックの差異を考慮したときに、ゴルフボールAを打撃する場合が、ゴルフボールBを打撃する場合に比べて打撃したゴルフボールの速度が所定の変動分(α)だけ増加すると判断されると、
f(V1、α)= V1+α
という計算式を用いて、実際の速度値(V1)から変形された速度値(V2)を導出し、これに基づいてゴルフボールの軌跡を算出する。
【0094】
ここで選択されたゴルフボールAと使用したゴルフボールBとの間のスペックにおける違いにより、f(V1、α)は、所定の変動分(α)を加える単純な形態ではなく、より複雑な形態になる可能性もある。ゴルフボール間にスペック差は非常に多様であるため、前記のよう単なる計算式ではなく、より複雑な計算式になる場合も有り得て、実際には様々な実験を通して、実際の状況に附合する複雑な数式を作成して適用することができる。
速度のみが変更されることができるのではなく、他の変数を変更してゴルフボールの軌跡を算出することができる。例えば、
図26の(b)に図示されたように、ユーザが打撃したゴルフボール(B)が所定の速度(V1)と方向(θ1)を有するとする。前記物理的なパラメータ(V1、θ1)から第1軌跡(T1)が算出されるとすれば、ゴルフボールの物理的パラメータの方向値を変形して変形値「θ2」を次のように計算する。
θ2 = f(θ1、α)
上記のように、最初の方向値(θ1)から変形値「θ2」が計算されると、速度(V1)と変形値(θ2)から軌跡(T2)を算出する。
f(θ1、α)は、θ1とαを変数とする関数ないし数式である。f(θ1、α)は、単純な形で
f(θ1、α)= θ1 + α
になる。
【0095】
ゴルフボール間にスペック差は非常に多様であるため、前記のよう単なる計算式ではなく、より複雑な計算式になる場合も有り得て、実際には様々な実験を通して、実際の状況に附合する複雑な数式を作成して適用することができる。
【0096】
このようにゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを抽出し、そのパラメータの少なくとも一部のパラメータをユーザーが選択したゴルフボールとユーザーが打撃したゴルフボールとの間のスペック差に基づいて人為的に変形した後、これに基づいて軌跡(T2)を算出することが第2の算出方式による算出過程である。ここで速度値と方向値という2つの物理パラメータだけを例として説明したが、これは理解を助けるために簡単に説明したものだけであり、ゴルフボールの軌跡を算出するのには、さらに様々な物理パラメータ(ゴルフボールのスピン方向、スピン値など)が使用されることができるので、速度値と方向値以外の他の物理パラメータを変更して変更されたゴルフボールの軌跡を算出することもできる。
【0097】
図27を参照すると、スクリーンゴルフをプレイするユーザーが複数である場合には、どのユーザーには第1の算出方式が適用され、どのユーザーには第2の算出方式が適用されることがありえる。たとえば、ユーザーAとユーザーBが一緒にプレイし、ユーザーAは選択過程での選択ゴルフボールと打撃に使用するゴルフボールとが同一であり、ユーザーBは選択過程での選択ゴルフボールと打撃に使用するゴルフボールとが相異すると仮定する。これにより、ユーザーAには第1の出力方式が適用され、ユーザーBには第2の出力方式が適用される。
図27に図示されたように、ユーザAがプレイするときには、スクリーンにユーザーAのウィンドウ(W1)が表示され、ユーザーBがプレイするときには、スクリーンにユーザーBのウィンドウ(W2)が表示される。ユーザーウィンドウ(W1、W2)には、ユーザーを識別することができる個人情報(ID、名前、ニックネームなど)、ユーザーの過去記録や現在のプレイ状況などが簡単に表示される。また、ユーザーのウィンドウ(W1、W2)はユーザーにどのような算出方式が適用されているかを表示し、ユーザーは自分のウィンドウを参照して自分に適用されている算出方式を確認することができる。ユーザーはゴルフボールの選択を変更したり又は使用しているゴルフボールを変更しながら、現在に適用されている算出方式を変更でき、ことにより、自分が好きな方法でスクリーンゴルフを楽しむことができる。
【0098】
以上、ゴルフボールを選択し、選択されたゴルフボールと同一のゴルフボールを打撃するかにより、第1または第2の算出方式が適用されて、算出されるゴルフボールの軌跡が変わる動作過程について説明した。選択過程において、ユーザーは自分が個人的に有するゴルフクボールを選択して、クリーンゴルフ場で自分の個人物品を使用して打撃するような打撃感を体感することができ、その結果として、スクリーンゴルフのリアリティを向上させることができる。または、ユーザーは、自分が実際に使ったことがない未知のゴルフボールを選択することができ、この場合、ユーザーは未知のゴルフボールの打撃感に対してあらかじめ体験することができる。
【0099】
図28は、本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構成図である。
【0100】
図28を参照すると、本実施例による仮想ゴルフシステムは、複数の仮想ゴルフ装置(VGD)とサーバーユニット(SU)を含む。仮想ゴルフ装置(VGD)はサーバユニット(SU)と有無線通信網などを通じて連結されている。仮想ゴルフ装置(VGD)はログインが行われると、ユーザーにスクリーンゴルフのサービスを提供するサービス提供部の役割をする。仮想ゴルフ装置(VGD)は、
図13乃至
図27等を参照して説明した仮想ゴルフ装置と同一または類似の構造を持つことができる。サーバーユニット(SU)は、複数の仮想ゴルフ装置(VGD)を運営するサービス業者が複数の仮想ゴルフ装置(VGD)を管理するために使用する、一種の中央サーバーである。スクリーンゴルフのサービスを利用しようとするユーザーは、前記サービスの提供を受けるためにまずログインを行い、サーバーユニット(SU)は、ログインをする際に、ユーザーの身元を確認してログインの承認可否を決定する。サーバーユニット(SU)には、ユーザーの身元を確認するのに必要な情報を貯蔵しているデータベース(DB)が具備される。
【0101】
前述の仮想ゴルフ装置と同様に、本実施例における仮想ゴルフ装置(VGD)でプレイするユーザーは、第1のプレイモードまたは第2のプレイモードを選択して、自分の個人ゴルフボールを使用するか、または仮想ゴルフ装置(VGD)で提供されるゴルフボールを使用することができる。また、仮想ゴルフ装置(VGD)は、ユーザーが打撃するゴルフボールを識別して、その実物に対応するイメージを有する仮想のゴルフボールをスクリーンに表示することができる。ゴルフボールを識別するために、市場で使用されている様々な市販のゴルフボールに対する情報が必要であり、これはデータベース(DB)に貯蔵されている。例えば、様々なゴルフボールのそれぞれのイメージ情報、製品情報、スペック情報などが貯蔵されることができる。
【0102】
仮想ゴルフ装置(VGD)でプレイするユーザーは、ゴルフボールを打撃する前に、ゴルフボールを選択することができる。また、選択されたゴルフボールと同一のゴルフボールを打撃するかどうかにより、第1算出方式または第2算出方式が適用されてゴルフボールの軌跡が算出される。前記選択過程のために、データベース(DB)は、イメージ情報、製品情報、スペック情報などのような様々なゴルフボールに対する情報を貯蔵する。
このようにデータベース(DB)にゴルフボールの情報が貯蔵されると、サーバーユニット(SU)に連結されている個々の仮想ゴルフ装置(VGD)では、前記ゴルフボールの情報を別に貯蔵する必要がなく、個々の仮想ゴルフ装置(VGD)はサーバーユニット(SU)に有線および/または無線上で接続されている状態で、データベース(DB)に保存されている情報を利用することができる。
【0103】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。