(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御手段は、前記注文情報処理手段から送信された前記注文情報、または前記表示手段から送信された前記作製寿司情報に基づいて前記シャリ玉供給部および前記切替手段を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載のシャリ玉処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述したシャリ玉処理装置では、最下流に設置された皿検知センサが皿を検知すると、たとえ盛付作業コンベアの途中で皿が抜かれてコンベア上には皿が満杯になっていなくてもシャリ玉供給が行われない。そのため、シャリ玉の供給が停止して寿司ネタを盛り付ける作業効率が悪化していた。
【0009】
また、盛付作業コンベアの途中で皿が抜かれた状態から最下流の皿検知センサが検知している皿を除去してシャリ玉の供給を再開しても、シャリ玉が最下流まで供給されるのには時間がかかり、寿司ネタの盛付作業者に無駄な時間が発生することになる。よって、大規模店舗では、盛付作業コンベアの総延長が長大になってこのような無駄な時間が発生するのを防止するためには、盛付作業コンベアを複数台設置するしかなかった。
【0010】
さらに、シャリ玉供給部は、最下流の皿検知センサが皿を検知するまでシャリ玉を供給し続けるので、閑散時間帯には盛付作業コンベア上にシャリ玉が過剰に滞留する可能性があった。
【0011】
そして、シャリ玉供給部は、予め設定した個数でのみシャリ玉を皿に積載して盛付作業コンベアに供給するため、設定個数以外での注文には作業者が個別に対応するしかなく、来店客への寿司の提供までに時間がかかっていた。
【0012】
本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、シャリ玉供給部から盛付作業部にシャリ玉を効率よく供給することのできるシャリ玉処理装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、本発明は、上述の技術的背景からなされたものであって、注文個数に応じたシャリ玉をシャリ玉供給部から盛付作業部に供給することのできるシャリ玉処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明のシャリ玉処理装置は、複数の注文入力手段から入力された注文情報を処理する注文情報処理手段と、1個または複数個のシャリ玉を皿に載せて供給するシャリ玉供給部と、前記シャリ玉供給部から供給されたシャリ玉を搬送するシャリ玉搬送路と、前記シャリ玉搬送路から分岐して複数設置され、前記シャリ玉供給部から供給されたシャリ玉に所定の寿司ネタを盛り付けて前記注文情報に沿った寿司を作製する作業が実行可能な盛付作業部と、前記シャリ玉搬送路を搬送されるシャリ玉を前記シャリ玉搬送路から前記盛付作業部に引き込む第1の位置と引き込まない第2の位置とに切替可能な切替手段と、
複数の前記盛付作業部にそれぞれ設けられ、対応付けされた前記注文入力手段に入力されて前記注文情報処理手段から送信された前記注文情報に基づ
いて前記盛付作業部で作製する寿司の情報である作製寿司情報を表示する
複数の表示手段と、前記注文情報に応じた数量のシャリ玉が注文順に供給されるように前記シャリ玉供給部を制御し、前記シャリ玉供給部から供給されたシャリ玉が
前記注文入力手段から入力された注文情報の寿司を作製する前記盛付作業部に引き込まれるように前記切替手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の本発明のシャリ玉処理装置は、上記請求項1記載の発明において、前記表示手段に表示された前記作製寿司情報を入力可能な情報入力手段をさらに有し、前記制御手段は、前記情報入力手段から送信された前記作製寿司情報に基づいて前記シャリ玉供給部および前記切替手段を制御する、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の本発明のシャリ玉処理装置は、上記請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記注文情報処理手段から送信された前記注文情報、または前記表示手段から送信された前記作製寿司情報に基づいて前記シャリ玉供給部および前記切替手段を制御する、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4に記載の本発明のシャリ玉処理装置は、上記請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、前記表示手段には、前記注文入力手段に対応付けされた前記盛付作業部での前記作製寿司情報が表示され、前記制御手段は、前記注文情報に基づいて前記シャリ玉供給部から供給されたシャリ玉が、前記注文入力手段に対応付けされた前記盛付作業部に引き込まれるように前記切替手段を制御する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5に記載の本発明のシャリ玉処理装置は、上記請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、前記表示手段には、グループ分けされた寿司の種別に対応付けされた前記盛付作業部での前記作製寿司情報が表示され、前記制御手段は、前記注文情報に基づいて前記シャリ玉供給部から供給されたシャリ玉が、グループ分けされた寿司の種別に対応付けされた前記盛付作業部に引き込まれるように前記切替手段を制御する、ことを特徴とする。
【0019】
請求項6に記載の本発明のシャリ玉処理装置は、上記請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、複数の前記盛付作業部にそれぞれ設けられ、当該盛付作業部がシャリ玉で満杯になったことを検知するセンサをさらに有し、前記制御手段は、前記センサにより前記盛付作業部がシャリ玉で満杯になったことが検知されたならば、前記シャリ玉搬送路における搬送動作を停止させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、注文入力手段に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部からシャリ玉を供給し、シャリ玉供給部から供給されたシャリ玉を複数設置された何れかの盛付作業部に引き込んで寿司を作製しているので、シャリ玉供給部から盛付作業部にシャリ玉を効率よく供給することが可能になる。
【0021】
また、注文入力手段に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部からシャリ玉を供給し、シャリ玉供給部から供給されたシャリ玉をシャリ玉搬送路から複数設置された何れかの盛付作業部に引き込んでいるので、注文個数に応じたシャリ玉をシャリ玉供給部から盛付作業部に供給することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
図1は本発明の実施の形態1におけるシャリ玉処理装置を示す概念図、
図2は
図1のシャリ玉処理装置の制御系を示すブロック図、
図3はシャリ玉搬送コンベアから盛付作業部への分岐点に設けられた引き込みレバーが第1の位置となったときを示す斜視図、
図4はシャリ玉搬送コンベアから盛付作業部への分岐点に設けられた引き込みレバーが第2の位置となったときを示す斜視図、
図5は盛付作業部が引き込まれたシャリ玉の皿で満杯になった状態を示す斜視図である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態に係るシャリ玉処理装置は寿司店に設置されるもので、客席エリアの各客席毎に設置された注文端末(注文入力手段)10と、厨房エリアに設置された注文情報処理部(注文情報処理手段)S、シャリ玉供給部20、シャリ玉搬送コンベア(シャリ玉搬送路)30、盛付作業部40、表示画面(表示手段)50およびシャリ玉供給指令端末(情報入力手段)60とを備えている。また、厨房エリアと客席エリアとに跨がるようにして寿司搬送コンベア(寿司搬送路)70が設置されている。さらに、
図2に示すように、これらの装置構成要素および後述する装置構成要素の動作を制御する制御部(制御手段)Cが設けられている。
【0027】
ここで、注文端末10は来店客が注文情報を入力するものであり、寿司搬送コンベア70aに沿って配置された客席に対応してA席注文端末10A、B席注文端末10B、C席注文端末10Cが、寿司搬送コンベア70bに沿って配置された客席に対応してD席注文端末10D、E席注文端末10E、F席注文端末10Fが、寿司搬送コンベア70cに沿って配置された客席に対応してG席注文端末10G、H席注文端末10H、I席注文端末10Iがそれぞれ設置されている。本実施の形態において、注文端末10は例えばタッチパネル式となっているが、注文情報を入力することができる他の方式でもよい。
【0028】
注文情報処理部Sは、これらの注文端末10から入力された来店客の注文情報を処理するもので、全ての注文端末10からの注文情報が送信される。そして、この注文情報を、それぞれの注文端末10に対応付けされたそれぞれの盛付作業部40に設けられた表示画面50に対して、当該盛付作業部40で作製する寿司の情報(以下、「作製寿司情報」)として送信する。
【0029】
シャリ玉供給部20は1個または複数個のシャリ玉を皿に載せて供給する装置であり、本実施の形態では、例えば酢飯を小塊にしたシャリ玉、および酢飯を小塊にしてその外周側面に海苔を巻いたシャリ玉である軍艦巻きの2種類のシャリ玉が供給可能になっている。また、ワサビを入れたシャリ玉およびワサビを抜いたシャリ玉の何れかのシャリ玉が供給可能になっている。但し、供給可能なシャリ玉の種類はこれに限定されるものではなく、例えば酢飯を小塊にしたシャリ玉のみ、あるいはワサビを抜いたシャリ玉のみであってもよい。
【0030】
シャリ玉搬送コンベア30はシャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉(より詳しくは、皿に載せられたシャリ玉)を搬送する。
【0031】
盛付作業部40はシャリ玉搬送コンベア30から分岐して設置されている。盛付作業部40は、シャリ玉供給部20からシャリ玉搬送コンベア30を介して供給されたシャリ玉に、例えばサーモン、マグロ(赤身)、マグロ(中トロ)といった所定の寿司ネタを盛り付け、来店客の注文情報に沿った寿司を作製する作業が実行可能な場所であり、本実施の形態では、分岐点が3箇所設けられて、盛付作業部40a、盛付作業部40bおよび盛付作業部40cの3箇所の盛付作業部40が設置されている。なお、盛付作業部40の位置は店舗の形態に合わせて自由に設定することができる。
【0032】
ここで、シャリ玉搬送コンベア30の3箇所の分岐点には、当該シャリ玉搬送コンベア30を搬送される皿に載ったシャリ玉をシャリ玉搬送コンベア30から何れかの盛付作業部40に引き込むための引き込みレバー(切替手段)80が設けられている。
【0033】
図3〜
図5に詳しく示すように、この引き込みレバー80は一方端を支点にして揺動可能になっており、シャリ玉搬送コンベア30を搬送されているシャリ玉を盛付作業部40に引き込む第1の位置(
図3)と、シャリ玉搬送コンベア30を搬送されているシャリ玉を盛付作業部40に引き込まない第2の位置(
図4)とに切り替えられるようになっている。例えば、
図1においては、左側の引き込みレバー80aは第1の位置になっており、中央の引き込みレバー80bは第2の位置になっており、右側の引き込みレバー80cは第1の位置になっている。
【0034】
なお、切替手段は、図示するように一方端を支点にして揺動する構造の引き込みレバー80に限定されるものではなく、シャリ玉を盛付作業部40に引き込む第1の位置と、シャリ玉搬送コンベア30を搬送されているシャリ玉を盛付作業部40に引き込まない第2の位置とに切り替えが可能であれば、様々な構造を採用することができる。
【0035】
例えば、三角形の板や円弧状の板がシャリ玉搬送コンベア30の側方からコンベア内に迫り出す構造の切替手段とし、当該板がコンベア内に迫り出すことでシャリ玉を盛付作業部40へと案内する(つまり、シャリ玉を盛付作業部40に引き込む)第1の位置と、シャリ玉搬送コンベア30の搬送路から退避することでシャリ玉を盛付作業部40に引き込まない第2の位置とに切り替えるようにしてもよい。
【0036】
盛付作業部40には、当該盛付作業部40がシャリ玉で満杯になったことを検知する満杯センサ(センサ)90(90a,90b,90c)が備えられている。ここで、満杯センサ90は盛付作業部40の分岐点付近に設置されている。そして、
図5に示すように、引き込まれたシャリ玉の皿が盛付作業部40のレーンの奥から順次詰まっていって分岐点付近にまでなったならば、つまり盛付作業部40がシャリ玉で満杯になったならば、満杯センサ90に検知されることになる。
【0037】
なお、前述の制御部Cは、満杯センサ90により盛付作業部40がシャリ玉で満杯になったことが検知されたならば、シャリ玉搬送コンベア30における搬送動作を停止させるようになっている。但し、このような満杯センサ90は設けられていなくてもよい。
【0038】
表示画面50は盛付作業部40に対応して設けられており、注文情報処理部Sから送信された注文情報に基づいて、それぞれの盛付作業部40で作製する作製寿司情報を表示する。本実施の形態での表示画面50は、例えば作製寿司情報を画面に表示するディスプレイ装置であるが、作製寿司情報を用紙に印刷して表示するプリンタなど、表示手段としては作製寿司情報が視覚的に確認できるものであればよい。
【0039】
本実施の形態において、表示画面50には注文端末10に対応付けされた盛付作業部40の作製寿司情報が表示される。すなわち、複数の注文端末10に入力された注文情報は注文情報処理部Sに集められ、各注文端末10に対応付けされた盛付作業部40に設けられた表示画面50に作製寿司情報として表示される。
【0040】
具体的には、盛付作業部40aにはA席注文端末10A、B席注文端末10BおよびC席注文端末10Cが対応付けされており、これらの注文端末10A,10B,10Cに入力された注文情報が、注文情報処理部Sを介して表示画面50aに作製寿司情報として表示される。同様に、盛付作業部40bにはD席注文端末10D、E席注文端末10EおよびF席注文端末10Fが対応付けされており、これらの注文端末10D,10E,10Fに入力された注文情報が、注文情報処理部Sを介して表示画面50bに作製寿司情報として表示される。さらに、盛付作業部40cにはG席注文端末10G、H席注文端末10HおよびI席注文端末10Iが対応付けされており、これらの注文端末10G,10H,10Iに入力された注文情報が、注文情報処理部Sを介して表示画面50cに作製寿司情報として表示される。
【0041】
シャリ玉供給指令端末60は表示画面50に対応して設けられており、作業者が表示画面50に表示された作製寿司情報を入力することができるようになっている。すなわち、シャリ玉供給指令端末60aには表示画面50aに表示された作製寿司情報が、シャリ玉供給指令端末60bには表示画面50bに表示された作製寿司情報が、シャリ玉供給指令端末60cには表示画面50cに表示された作製寿司情報が、それぞれ入力されるようになっている。
【0042】
シャリ玉供給指令端末60は例えばタッチパネル式になっており、本実施の形態では、「シャリ玉1個」、「シャリ玉2個」、「シャリ玉3個」、「軍艦1個」、「軍艦2個」が選択可能になっており、さらにワサビの有無を指定する「ワサビ」が選択可能になっている。よって、作業者は、表示画面50を見ながら該当箇所をタッチすることにより入力が行われる。なお、シャリ玉供給指令端末60はタッチパネル式以外であってもよく、選択可能項目は本実施の形態に示すものに限定されるものではない。
【0043】
なお、表示画面50は盛付作業部40に対応して複数設置され、シャリ玉供給指令端末60は表示画面50に対応して複数設置されているが、以下の実施の形態を含め、これらはそれぞれ1台のみ設置することにして、表示画面50では複数の盛付作業部40での作製寿司情報をまとめて表示するようにし、シャリ玉供給指令端末60では複数の表示画面50に表示された作製寿司情報をまとめて入力するようにしてもよい。
【0044】
制御部Cは、注文端末10に入力された注文情報に基づいたシャリ玉が供給されるようにシャリ玉供給部20を制御し、さらに、シャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉が何れかの盛付作業部40に引き込まれるように引き込みレバー80を制御している。
【0045】
具体的には、本実施の形態では、注文端末10の注文情報を表示した表示画面50シャリ玉供給指令端末60から送信された作製寿司情報に基づいてシャリ玉供給部20および引き込みレバー80を制御することによって、注文端末10に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉が、注文端末10に対応付けされた盛付作業部40に引き込まれる。
【0046】
寿司搬送コンベア70は前述した盛付作業部40にて作製された寿司を注文した来店客の客席(換言すれば、注文端末10が設置された客席)へと搬送するもので、作製した寿司を作業者が寿司搬送コンベア70に設けられたトレイ71に載せることにより、当該寿司が来店客へと届けられるようになっている。
【0047】
次に、以上の構成を有するシャリ玉処理装置の動作について説明する。
【0048】
図1において、A席〜I席の来店客が、注文端末10で次の順番で注文情報を入力したものとする。なお、以下に記載の「ワサビあり」および「ワサビなし」については、寿司ネタは任意のものとする。
【0049】
1番=A席:軍艦2個/2番=A席:ワサビなし2個/3番=F席:ワサビあり2個/4番=G席:ワサビなし1個/5番=G席:ワサビなし1個/6番=C席:ワサビあり1個/7番=C席:ワサビなし3個/8番=H席:ワサビなし3個/9番=H席:ワサビなし2個/10番=F席:軍艦2個/11番=I席:ワサビなし3個/12番=E席:ワサビなし2個/13番=B席:軍艦1個
【0050】
すると、これらの注文情報が注文情報処理部Sに送信され、注文端末10に対応付けされた盛付作業部40に設けられた表示画面50に対して、次のような作製寿司情報として表示される。なお、以下において、括弧内の数字は注文の順番を、「サビ」はワサビありを、「ナシ」はワサビなしを、それぞれ意味している。
【0051】
すなわち、A席注文端末10A、B席注文端末10BおよびC席注文端末10Cに対応付けされた盛付作業部40aに設けられた表示画面50aには、「A席(1)軍艦2・(2)ナシ2/C席(6)サビ1・(7)ナシ3/B席(13)軍艦1」と表示される。また、D席注文端末10D、E席注文端末10EおよびF席注文端末10Fに対応付けされた盛付作業部40bに設けられた表示画面50bには、「F席(3)サビ2・(10)軍艦2/E席(12)ナシ2」と表示される。そして、G席注文端末10G、H席注文端末10HおよびI席注文端末10Iに対応付けされた盛付作業部40cに設けられた表示画面50cには、「G席(4)ナシ1・(5)ナシ1/H席(8)ナシ3・(9)ナシ2/I席(11)ナシ3」と表示される。
【0052】
次に、作業者は表示画面50に表示されたこれらの作製寿司情報をシャリ玉供給指令端末60に入力する。
【0053】
入力された作製寿司情報は制御部Cに送信される。これにより、制御部Cは、シャリ玉供給部20に対して、注文した種類の寿司のシャリ玉を、注文順に、注文数量だけ、成形して皿に載せ、シャリ玉搬送コンベア30に送り出すように指示を出す。つまり、軍艦巻きのシャリ玉を2個、ワサビなしのシャリ玉を2個、ワサビありのシャリ玉を2個、ワサビなしのシャリ玉を1個、ワサビなしのシャリ玉を1個、ワサビありのシャリ玉を1個、ワサビなしのシャリ玉を3個、ワサビなしのシャリ玉を3個、ワサビなしのシャリ玉を2個、軍艦巻きのシャリ玉を2個、ワサビなしのシャリ玉を3個、ワサビなしのシャリ玉を2個、軍艦巻きのシャリ玉を1個の順で、それぞれ皿に載せてシャリ玉搬送コンベア30に送り出すように指示を出す。
【0054】
さらに制御部Cは、引き込みレバー80に対して、シャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉が注文端末10に対応付けされた盛付作業部40に引き込まれるように制御する。つまり、引き込みレバー80aを制御して、1番目の軍艦巻きのシャリ玉2個、2番目のワサビなしのシャリ玉2個、6番目のワサビありのシャリ玉1個、7番目のワサビなしのシャリ玉3個、13番目の軍艦巻きのシャリ玉1個が盛付作業部40aに引き込まれるようにする。また、引き込みレバー80bを制御して、3番目のワサビありのシャリ玉2個、10番目の軍艦巻きのシャリ玉2個、12番目のワサビなしのシャリ玉2個が盛付作業部40bに引き込まれるようにする。さらに、引き込みレバー80cを制御して、4番目のワサビなしのシャリ玉1個、5番目のワサビなしのシャリ玉1個、8番目のワサビなしのシャリ玉3個、9番目のワサビなしのシャリ玉2個、11番目のワサビなしのシャリ玉3個が盛付作業部40cに引き込まれるようにする。
【0055】
このときの様子を
図1に示している。なお、
図1において、シャリ玉の載った皿に付された(1)〜(13)の番号は注文の順番に生産されたシャリ玉である。また、
図1において、一部のシャリ玉(1番目、2番目、4番目のシャリ玉)は、寿司ネタが載せられて寿司となり、寿司搬送コンベア70のトレイ71に載せられている。
【0056】
さて、制御部Cに動作制御された引き込みレバー80によって各盛付作業部40にシャリ玉が引き込まれたならば、作業者は、所定の寿司ネタを盛り付けて注文情報に沿った寿司を作製する作業を実行する。すなわち、盛付作業部40aでは、当該盛付作業部40aに対応した表示画面50aに「A席(1)軍艦2・(2)ナシ2/C席(6)サビ1・(7)ナシ3/B席(13)軍艦1」と表示されているので、順次引き込まれるシャリ玉に対して、軍艦巻きを2個、ワサビなしの寿司を2個、ワサビありの寿司を1個、ワサビなしの寿司を3個、軍艦巻きを1個作製する。同様にして、盛付作業部40bでは、表示画面50bの表示に基づいて、順次引き込まれるシャリ玉に対して、ワサビありの寿司を2個、軍艦巻きを2個、ワサビなしの寿司を2個作製する。また、盛付作業部40cでは、表示画面50cの表示に基づいて、順次引き込まれるシャリ玉に対して、ワサビなしの寿司を1個、ワサビなしの寿司を1個、ワサビなしの寿司を3個、ワサビなしの寿司を2個、ワサビなしの寿司を3個作製する。
【0057】
なお、寿司を作製したならばトレイ71に載せ、表示画面50に表示されている来店客、つまり該当する寿司を注文した来店客の客席へ、寿司搬送コンベア70によって届ける。
【0058】
このように、本実施の形態のシャリ玉処理装置によれば、注文端末10に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部20からシャリ玉を供給し、シャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉をシャリ玉搬送コンベア30から分岐して複数設置された何れかの盛付作業部40に引き込み、引き込んだ盛付作業部40で所定の寿司ネタを盛り付けて寿司を作製するようにしているので、シャリ玉供給部20から盛付作業部40にシャリ玉を効率よく供給することが可能になる。
【0059】
これにより、最上流のシャリ玉供給部から搬送方向下流に向かって盛付作業コンベアを設置した構成のシャリ玉処理装置のように、盛付作業コンベアの途中で皿が抜かれても最下流に設置された皿検知センサが皿を検知するとシャリ玉の供給が停止することがなくなるので、寿司ネタを盛り付ける作業効率が向上する。
【0060】
また、複数の盛付作業部40がシャリ玉搬送コンベア30から分岐して設置されているので、シャリ玉搬送コンベア30上の搬送渋滞がなくなってシャリ玉の高速搬送が可能になる。よって、シャリ玉搬送コンベア30の総延長が長大になってもシャリ玉の供給がスムーズに行われるので、大規模店舗でもシャリ玉処理装置を複数台設置する必要がなくなる。
【0061】
さらに、複数の盛付作業部40がシャリ玉搬送コンベア30から分岐して設置されているので、各盛付作業部40へ供給されるシャリ玉の種類が混在していてもシャリ玉の搬送が妨げられないので、下流域の盛付作業部40へのシャリ玉の供給不足が発生することもない。
【0062】
そして、注文端末10に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部20からシャリ玉を供給しているので、様々な個数の注文に対応することができき、来店客への寿司の提供を短時間で行うことが可能になる。
【0063】
また、本実施の形態のシャリ玉処理装置によれば、注文端末10に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部20からシャリ玉を供給し、シャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉をシャリ玉搬送コンベア30から複数設置された何れかの盛付作業部40に引き込んでいるので、注文個数に応じたシャリ玉をシャリ玉供給部20から盛付作業部40に供給することが可能になる。
【0064】
これにより、シャリ玉が過剰に生産されてシャリ玉搬送コンベア30上に滞留することがなくなる。
【0066】
図6は本発明の実施の形態2におけるシャリ玉処理装置を示す概念図、
図7は
図6のシャリ玉処理装置の制御系を示すブロック図である。
【0067】
前述の実施の形態1におけるシャリ玉処理装置では、注文端末10で入力された注文情報が注文情報処理部Sに送信され、注文端末10に対応付けされた盛付作業部40に設けられた表示画面50に作製寿司情報として表示される。そして、作業者が表示画面50に表示された作製寿司情報をシャリ玉供給指令端末60に入力しており、制御部Cは、シャリ玉供給指令端末60から送信された作製寿司情報に基づいてシャリ玉供給部20や引き込みレバー80などを制御している。
【0068】
これに対して、本実施の形態のシャリ玉処理装置では、注文情報処理部Sで受信した注文端末10の注文情報が、当該注文情報処理部Sから直接制御部Cへと送信されるようになっている。そして、制御部Cでは、注文情報処理部Sから送信された注文情報に基づいてシャリ玉供給部20や引き込みレバー80などを制御するようになっている。なお、制御部Cには、注文端末10の注文情報ではなく、表示画面50の作製寿司情報が送信されるようになっていてもよい。
【0069】
したがって、本実施の形態のシャリ玉処理装置は、実施の形態1のシャリ玉処理装置と異なり、作業者が表示画面50に表示された作製寿司情報を入力するためのシャリ玉供給指令端末60は備えられていない。
【0070】
なお、これ以外の装置の構成要素や動作については、実施の形態1のシャリ玉処理装置と同じになっているので、装置構成や動作の重複した説明は省略する。
【0071】
このように、本実施の形態のシャリ玉処理装置によれば、前述した実施の形態1のシャリ玉処理装置が有する作用効果に加えて、注文端末10で注文情報が入力されたならば速やかにシャリ玉供給部20からシャリ玉の供給が行われるので、来店客の注文から来店客への寿司提供までの時間を短縮することができる。
【0073】
図8は本発明の実施の形態3におけるシャリ玉処理装置を示す概念図である。なお、制御系のブロック図については、実施の形態1における
図2と同様になっている。
【0074】
前述の実施の形態1におけるシャリ玉処理装置では、表示画面50には注文端末10に対応付けされた盛付作業部40の作製寿司情報が表示されるようになっている。また、制御部Cは、注文端末10に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉が、注文端末10に対応付けされた盛付作業部40に引き込まれるように引き込みレバー80を制御している。
【0075】
これに対して、本実施の形態のシャリ玉処理装置では、
図8に示すように、表示画面50には、グループ分けされた寿司の種別に対応付けされた盛付作業部40での作製寿司情報が表示されるようになっている。
【0076】
つまり、本実施の形態では寿司の種別が、炙っていない寿司ネタをシャリ玉に盛り付けた寿司、炙った寿司ネタをシャリ玉に盛り付けた寿司(炙り寿司)、および軍艦巻きの3つにグループ分けされており、盛付作業部40aでは炙っていない寿司が、盛付作業部40bでは炙り寿司が、盛付作業部40cでは軍艦巻きが作製されるようになっている。
【0077】
よって、注文情報処理部Sでは、注文端末10からの注文情報をこれら3つのグループに分類して、それぞれの盛付作業部40に対応する表示画面50に表示している。
【0078】
なお、このようなグループ分けに対応して、作業者が表示画面50に表示された作製寿司情報を入力するシャリ玉供給指令端末60については、シャリ玉供給指令端末60aでは、「シャリ玉1個」、「シャリ玉2個」、「シャリ玉3個」、「ワサビ」が選択可能になっている。また、シャリ玉供給指令端末60bでは、「炙り1個」、「炙り2個」、「炙り3個」、「ワサビ」が選択可能になっている。さらに、シャリ玉供給指令端末60cでは、「軍艦1個」、「軍艦2個」、「軍艦3個」が選択可能になっている。
【0079】
また、制御部Cでは、注文端末10に入力された注文情報に基づいてシャリ玉供給部20から供給されたシャリ玉が、このようにグループ分けされた寿司の種別に対応付けされた盛付作業部40に引き込まれるように引き込みレバー80を制御している。
【0080】
但し、グループ分けの態様やシャリ玉供給指令端末60の選択可能項目は本実施の形態に示すものに限定されるものではない。
【0081】
なお、これ以外の装置の構成要素や動作については、実施の形態1のシャリ玉処理装置と同じになっているので、装置構成や動作の重複した説明は省略する。
【0082】
このように、本実施の形態のシャリ玉処理装置によれば、前述した実施の形態1のシャリ玉処理装置が有する作用効果に加えて、盛付作業部40ではグループ分けされた寿司の種別に対応付けされた寿司が作製されるので、盛付作業部40に寿司ネタを効率的に配置することができるとともに、寿司作製の効率化を図ることができる。
【0084】
図9は本発明の実施の形態4におけるシャリ玉処理装置を示す概念図である。なお、制御系のブロック図については、実施の形態2における
図7と同様になっている。
【0085】
本実施の形態のシャリ玉処理装置は、実施の形態3にて示したように、グループ分けされた寿司の種別に対応付けされた寿司を盛付作業部40で作製するようにしたシャリ玉処理装置について、実施の形態2にて示したように、注文情報処理部Sで受信した注文端末10の注文情報が直接制御部Cへと送信され、制御部Cでは、注文情報処理部Sから送信された作製寿司情報に基づいてシャリ玉供給部20や引き込みレバー80などを制御するようになっているものである。
【0086】
これ以外の装置の構成要素や動作については、実施の形態2,3のシャリ玉処理装置と同じになっているので、装置構成や動作の重複した説明は省略する。
【0087】
このように、本実施の形態のシャリ玉処理装置によれば、前述した実施の形態2,3のシャリ玉処理装置の作用効果を併せ持つことができる。
【0088】
以上本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本明細書で開示された実施の形態はすべての点で例示であって、開示された技術に限定されるものではない。すなわち、本発明の技術的な範囲は、前記の実施の形態における説明に基づいて制限的に解釈されるものでなく、あくまでも特許請求の範囲の記載に従って解釈されるべきであり、特許請求の範囲の記載技術と均等な技術および特許請求の範囲の要旨を逸脱しない限りにおけるすべての変更が含まれる。
【0089】
たとえば、本実施の形態では、寿司搬送コンベア70は3台設置され、客席数は9席となっているが、設置台数や客席数などについては、特に限定がない限りは自由な数に設定が可能である。
【0090】
また、厨房エリアと客席エリアとに跨がるように設置されている寿司搬送コンベア70は必須のものではなく、作製された寿司を来店客に手渡しするようにしてもよい。