(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付記し、適宜その説明を省略する。
【0027】
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施形態1について、
図1〜
図4に基づいて説明する。
図1の(a)は本発明の実施形態1に係る補助デバイス100の概略構成を示す側面図である。
図1の(b)は
図1の(a)の断面図である。
図2は補助デバイス100の実際の使用例を模式的に示した図である。
図3の(a)〜
図3の(g)は補助デバイス100を用いたカテーテル抜去方法を説明する図である。
図4の(a)および
図4の(b)は補助デバイス100の長さ調整部15の概略構成を示す断面図である。
【0028】
(補助デバイス)
補助デバイス100は、
図2に示すように、血管等の生体管腔内を治療する場合に、ガイディングカテーテル200内に挿入されているカテーテル400の抜去もしくは交換時に用いるものである。具体的には、血管500等に配置されたガイディングカテーテル200内にカテーテル400と共に挿入されているガイドワイヤ300を、ガイディングカテーテル200に補助デバイス100で固定する。これにより、カテーテル400のみをガイディングカテーテル200から抜去することが容易となる。
【0029】
図2および
図3の(a)〜
図3の(g)に基づき、血管等の生体管腔内を治療に用いられる補助デバイス100の使用方法の一例を説明する。
【0030】
まず、
図3の(a)に示すように、血管500の管内にガイディングカテーテル200を挿入し、所定位置に配置する。そして、カテーテル400(例えば、OTW(over the wire)型カテーテル)に挿入されているガイドワイヤ300をガイディングカテーテル200の送出口201から送出させる。
【0031】
次に、
図3の(b)に示すように、カテーテル400の遠位側の端部が、ガイディングカテーテル200内の送出口201から所定距離の位置に収まるように、カテーテル400を手元側(近位側)に引き戻す。
図3の(c)に示すように、補助デバイス100をガイディングカテーテル200に挿入し、ガイディングカテーテル200内を送出口201に向けて前進させる。
【0032】
その後、
図2および
図3の(d)に示すように、後述する補助デバイス100のバルーン22を拡張させることでガイドワイヤ300をガイディングカテーテル200の内周面に固定する。ガイドワイヤ300を固定すると、
図3の(e)に示すように、ガイドワイヤ300を固定した状態で、カテーテル400をガイディングカテーテル200から抜去する。
【0033】
カテーテル400の抜去が終了すると、
図3の(f)に示すように、補助デバイス100のバルーン22を収縮させ、
図3の(g)に示すように、補助デバイス100をガイディングカテーテル200から抜去する。
【0034】
なお、
図2および
図3の(a)〜
図3の(g)では、カテーテル400を、OTW型カテーテルとして説明したが、上記に限らない。カテーテル400は、例えば、診断用カテーテル、または、治療用カテーテルであってもよい。
【0035】
次に、補助デバイス100の構成について説明する。補助デバイス100は、
図1の(a)・(b)に示すように、先端部21、バルーン22(固定部)、軸部10、ストレインリリーフ16、および、ハブ部17を備えている。
【0036】
先端部21は、補助デバイス100の遠位側の端部に設けられ、補助デバイス100は、先端部21からガイディングカテーテル200に挿入される。
【0037】
バルーン22は、軸部10の後述する挿入部分11と接続され、ガイディングカテーテル200内に挿入された医療用具をガイディングカテーテル200に対して固定する。医療用具とは、本実施形態では、ガイドワイヤ300を示すが、上記に限らない。医療用具は、治療時にバルーン22によってガイディングカテーテル200に固定される必要があるものであればよく、例えば、マイクロカテーテル、または他のカテーテルであってもよい。バルーン22の遠位側および近位側にはX線不透マーカー23・24が設けられている。これにより、術者は、患者の体に挿入されたガイディングカテーテル200に補助デバイス100を挿入しても、X線画像によりX線不透マーカー23・24の位置を確認することで、バルーン22の位置を把握することができる。
【0038】
軸部10は、可撓性を有し、
図2に示すように、屈曲しているガイディングカテーテル200であっても柔軟に挿入できる。軸部10は、バルーン22の近位側の端部から、補助デバイス100の近位側の端部まで延伸している。軸部10は、筒状になっている。
図1の(a)に示す白抜き矢印方向(近位側)から、軸部10の内部に拡張液が注入されることによりバルーン22が拡張する。
【0039】
軸部10は、挿入部分11を含む。挿入部分11は、軸部10において、ガイディングカテーテル200内に挿入される部分である。より具体的には、挿入部分11は、軸部10において、ガイディングカテーテル200内に挿入可能な部分である。挿入部分11は、中間シャフト13、基端側シャフト14、および長さ調整部15を備えている。
【0040】
長さ調整部15(長さ調整機構)は、補助デバイス100の軸方向の長さL1を調整する。また、長さ調整部15は、軸部10の一部として設けられている。長さ調整部15の好ましい長さの範囲は5〜25cmである。また、長さ調整部15によって調整できる好ましい調整範囲は0〜25cmである。そのような範囲とすることで、例えば術中に補助デバイス100を血管に挿入した後、その挿入位置を変更する場合、または、ガイディングカテーテル200を取り替える場合でも、補助デバイス100を取り替えること必要がなくなる。長さ調整部15について、詳しくは後述する。
【0041】
長さ調整部15の近位側には、ストレインリリーフ16、およびハブ部17が設けられている。ストレインリリーフ16、およびハブ部17は、軸部10の外周に設けられている。
【0042】
ハブ部17は、補助デバイス100と、治療等に必要な器具(例えば、拡張液を補助デバイス100に注入する器具)とを接続する。ストレインリリーフ16は、ハブ部17と基端側シャフト14との間に設けられ、ハブ部17と基端側シャフト14との強度のバランスを取り、軸部10を折れにくくするために設けられている。
【0043】
補助デバイス100において、第1範囲40は、ガイディングカテーテル200内に挿入される範囲である。バルーン22が拡張される前は、第1範囲40の最大外径は、ガイディングカテーテル200内の内径よりも小さい。そのため、第1範囲40は、ガイディングカテーテル200内に挿入することができるようになっている。
【0044】
補助デバイス100において、第2範囲50は、ガイディングカテーテル200内に挿入されない範囲である。第2範囲50は、ストレインリリーフ16、およびハブ部17を含む。第2範囲50の外径はガイディングカテーテル200の内径よりも大きい。そのため、第2範囲50は、ガイディングカテーテル200内に挿入できないようになっている。
【0045】
(長さ調整部)
長さ調整部15は、
図4の(a)に示すように、第1部材151と、第1部材151にその一部が挿入されており、かつ、第1部材151に対して相対移動する第2部材152と、によって構成されている。すなわち、長さ調整部15は、入れ子構造を有しており、第1部材151と第2部材152とは、摺動自在に嵌挿されている。長さ調整部15は、第1部材151に挿入される第2部材152の長さを調整することで、補助デバイス100の軸方向の長さL1を調整する。
【0046】
この入れ子構造としては、例えば、第1部材151の近位側の端部の内周面に、第1部材151の径方向の中心側に向けて凸となる第1凸部153が設けられている。第2部材152の遠位側の端部の外周面には、第2部材152の径方向の外側に向けて凸となる第2凸部154が設けられている。第2凸部154は第1部材151の内周面と接しており、第2凸部154と第1部材151の内周面との摩擦により、第2部材152を第1部材151の所望の位置に留めることができる。具体的には、術者が長さL1を調整するために遠位または近位方向に所定の力をかけた場合には、第2部材152を第1部材151に対して移動させることが可能である。一方、ガイディングカテーテル200内に補助デバイス100を挿入、または抜去するときに遠位または近位方向にある程度の力がかかったとしても、第2凸部154と第1部材151の内周面との間に働く摩擦力によって、第2部材152は第1部材151に対して固定される。すなわち、第2凸部154および第1部材151の内周面は、その間に所定の摩擦力が働くような材質(例えばシリコン、ゴム、ウレタン、ナイロン、または塩化ビニル)で構成されていることが好ましい。また、第1部材151、および第2部材152がバルーンインフレーションルーメンを画定する場合、バルーン22への加圧流体が漏出することを防ぐような形状であることが好ましい。具体的には、例えば、第1凸部153が、第1部材151の内面の全周にわたって配置される形状であること、または、第2凸部154が、第2部材152の外周面の全周にわたって配置される形状であることが好ましい。
【0047】
さらに、第1凸部153により、第2凸部154が第1部材151の端部より近位側に移動することが抑制されるので、第2部材152が第1部材151から抜け落ちることを防ぐことができる。なお、本実施形態では、第1部材151が遠位側に配置され、第2部材152が近位側に配置されている構成について説明したが、これに限らない。第1部材151が近位側に配置され、第2部材152が遠位側に配置されていてもよい。
【0048】
また、第2凸部154は、
図4の(b)に示すように、軸方向に沿って複数設けられていてもよい。その場合、第2部材152の遠位側の端部に設けられる第2凸部154は、硬い材質で形成され、それ以外の第2凸部154は、第2部材152の遠位側の端部に設けられる第2凸部154よりも柔らかい材質で形成される。
【0049】
これにより、第2部材152に第1部材151から抜ける方向に力が加わった場合であっても、第2部材152の遠位側の端部に設けられる硬い第2凸部154が第1凸部153にあたり、第2部材152が止まる。そのため、第2部材152が第1部材151から抜け落ちることを防ぐことができる。
【0050】
また、第2部材152の遠位側の端部以外の第2凸部154は柔らかいため、第2部材152に近位方向に所定の力をかけることで、第2凸部154が変形する。そのため、第1凸部153で第2部材152は止まらず、第2部材152は、第1部材151の端部より近位側に移動可能となる。また、第2部材152に遠位方向に所定の力をかけた場合には、第2部材152の外部にある柔らかい第2凸部154を第1部材151の内部に移動させることができる。これにより、第2部材152の第1部材151に対する位置を微調整することが可能となり、長さL1が所望の長さとなる位置で、第2部材152を第1部材151に対して固定することができる。
【0051】
長さ調整部15において、第2部材152が第1部材151に挿入されるほど、長さL1が短くなり、第2部材152が第1部材151から引き出されるほど、長さL1が長くなる。言い換えると、長さ調整部15において、第2部材152が第1部材151に挿入されるほど、挿入部分11の長さが短くなり、第2部材152が第1部材151から引き出されるほど、挿入部分11の長さが長くなる。
【0052】
補助デバイス100を用いて血管等の生体管腔内を治療する際、術者がX線画像で確認しながら補助デバイス100をガイディングカテーテル200に挿入すると時間がかかる。そのため、術者によっては、X線画像を確認せずガイディングカテーテル200に補助デバイス100を挿入する場合がある。この場合、従来の補助デバイスであれば、勢いよくガイディングカテーテル200に挿入した場合、ガイディングカテーテル200の送出口201から、補助デバイスが飛び出し、血管等を傷付けてしまうというリスクがある。
【0053】
しかしながら、補助デバイス100を用いると、例えば、長さ調整部15により、挿入部分11の長さを調整することで、第1範囲40の長さをガイディングカテーテル200の長さよりも短く調整することができる。これにより、勢いよく補助デバイス100をガイディングカテーテル200に挿入したとしても、ガイディングカテーテル200より短い第1範囲40を過ぎると、第2範囲50によりガイディングカテーテル200への補助デバイス100の挿入が物理的に停止する。その結果、ガイディングカテーテル200の送出口201から、補助デバイス100が飛び出すことを防ぐことができる。また、X線画像を確認しなくても、素早く補助デバイス100をガイディングカテーテル200の目的の位置まで挿入することができるので、手術時間を短縮し、患者の負担を軽減することができる。
【0054】
長さ調整部15は、挿入部分11の長さを長くすることもできる。したがって、ガイディングカテーテル200の長さの実寸法が各メーカーにより異なる場合であっても、補助デバイス100を用いることで、どのメーカーのガイディングカテーテル200の長さにも対応可能となる。
【0055】
また、補助デバイス100は、長さ調整部15により挿入部分11の長さを調整することで、補助デバイス100をガイディングカテーテル200と相対的に位置決めすることができる。
【0056】
さらに、長さ調整部15は補助デバイス100の近位側に配置することで、ガイディングカテーテル200に補助デバイス100を挿入した後であっても挿入部分11の長さの調整がしやすくなる。
【0057】
また、長さ調整部15を軸部10に設けることによって、ガイディングカテーテル200内に挿入される挿入部分11の長さを含む補助デバイス100の軸方向の長さL1を、予め調整することもできる。
【0058】
なお、長さ調整部15は、軸部10のいずれの場所に形成されていてもよい。
【0059】
また、軸部10とストレインリリーフ16とで入れ子構造を構成してもよい。具体的には、ストレインリリーフ16に軸部10の一部が挿入されており、軸部10がストレインリリーフ16に対して相対移動するものであってもよい。
【0060】
(変形例)
補助デバイス100の変形例である補助デバイス100Aについて、
図1の(a)および
図4の(c)に基づき説明する。
図4の(c)は、
図4の(a)の長さ調整部15の変形例である長さ調整部15aを示す断面図である。補助デバイス100Aは、補助デバイス100と比較し、長さ調整部15に代えて長さ調整部15aを備える点が異なり、その他の構成は同様である。
【0061】
長さ調整部15aは、第1部材151aと、第1部材151aにその一部が挿入されており、かつ、第1部材151aに対して相対移動する第2部材152aと、によって構成されている。また、第1部材151aおよび第2部材152aは、第1部材151aに第2部材152aが挿入される部分において相互にねじ係合可能な構造となっている。すなわち、第1部材151aと第2部材152aとは、ねじ構造により摺動自在に嵌挿されている。
【0062】
具体的には、例えば、第1部材151aに第2部材152aが挿入される部分において、第2部材152aの外周面に雄ねじ部154aが形成されており、第1部材151aの内周面に形成された雌ねじ部153aに螺着可能になっている。これにより、長さ調整部15aは、第2部材152aを回転させるだけで、第1部材151aに挿入する第2部材152aの長さを調整し、補助デバイス100Aの軸方向の長さL1を調整することができる。
【0063】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係る補助デバイス100Bについて、
図1の(a)および
図5の(a)に基づき説明する。
図5の(a)は、本発明の実施形態2に係る補助デバイス100Bの長さ調整部15bの概略構成を示す側面図である。補助デバイス100Bは、補助デバイス100と比較し、長さ調整部15に代えて長さ調整部15bを備える点が異なり、その他の構成は同様である。
【0064】
長さ調整部15bは、軸部10の軸方向に伸縮する伸縮部材である。長さ調整部15bは、長さ調整部15bを軸方向に伸縮させることで補助デバイス100Bの軸方向の長さL1を調整する。
【0065】
具体的には、長さ調整部15bは軸部10の軸方向に伸縮するゴム製部材である。長さ調整部15bは、軸部10の軸方向に伸縮させることで、長さ調整部15b自体の長さを、例えば、長さL2から長さL3まで伸ばすことができ、また、長さL3から長さL2まで縮めることができる。ここで、長さL2はゴム製部材の自然長であり、長さL3はゴム製部材の最大延伸時の長さである。つまり、長さ調整部15bは、長さ調整部15bを軸方向に伸縮させるだけで補助デバイス100Bの軸方向の長さL1を調整することができる。
【0066】
また、長さ調整部15bは、長さL2から長さL3の間の所望の位置で、長さ調整部15bを軸部10の軸方向に伸縮させた状態を保つストッパを有していてもよい。
【0067】
ストッパの構造例について、
図6の(a)〜
図6の(e)に基づいて説明する。
図6の(a)および
図6の(b)は、補助デバイス100のストッパの一例であるストッパ60を説明する側面図であり、
図6の(c)〜
図6の(e)は補助デバイス100のストッパの他の例であるストッパ65を説明する側面図である。
【0068】
ストッパ60は、
図6の(a)に示すように、第1固定部61、および第2固定部62を備えている。第1固定部61は長さ調整部15bの一端に固定されており、第2固定部62は、長さ調整部15bの他端に固定されている。また、軸部10の外周面の一部には、軸部10の径方向の外側に向けて凸となる突起部63を有する係止部64が備えられている。係止部64には、軸部10の軸方向に沿って、突起部63が複数設けられている。
【0069】
係止部64は、第2固定部62を固定するものである。係止部64は、長さ調整部15bに沿って設けられており、長さ調整部15bが伸縮してもその位置は固定されている。具体的には、係止部64の一端が、第1固定部61(軸部10)、またはストレインリリーフ16に固定され、他端は固定されていない。係止部64は、一端のみが固定されているので、補助デバイス100Bの全長が調整されることを妨げない。第2固定部62は、軸部10の径方向に伸縮可能であり、係止部64上を軸方向に摺動可能である。
【0070】
図6の(a)に示すように長さ調整部15bが自然長である状態から、
図6の(b)に示すように長さ調整部15bを軸方向に伸ばした際、係止部64の突起部63に第2固定部62を引っ掛ける。これにより、長さ調整部15bの他端が当該係止部64に固定されるので、長さ調整部15bを伸縮させた状態を保つことができる。なお、上記では突起部63が複数ある場合について説明したが、上記に限らない。突起部63は少なくとも1つ備えられていればよい。
【0071】
ストッパ65は、
図6の(e)に示すように筒状部材であり、筒状部材の内径は、長さ調整部15bが自然長である状態の外径よりも小さく、長さ調整部15bを軸方向に伸ばした状態の長さ調整部15bの外径より大きい。さらに、ストッパ65は、筒状部材の長さ方向にスリット66を有する。
図6の(c)の状態から、
図6の(d)に示すように長さ調整部15bを軸方向に伸ばした際、長さ調整部15bの径が少し小さくなる。ストッパ65は、その状態の長さ調整部15bを、スリット66を利用して、ストッパ65の横方向から挟み込む。これにより、長さ調整部15bを伸ばした状態で固定することができるので、長さ調整部15bを伸縮させた状態を保つことができる。また、ストッパ65は、複数種類用意され、それぞれが互いに異なる長さを有していてもよい。この場合、補助デバイス100Bの軸方向の長さL1の調整の幅が広がる。
【0072】
ストッパの構造は特に限定しない。また、ストッパがない場合であっても、術者が長さ調整部15bを手で押さえる等して長さ調整部15bの長さを固定することにより、補助デバイス100Bの軸方向の長さL1を所望の長さにすることができる。
【0073】
(変形例)
補助デバイス100Bの変形例である補助デバイス100C・100D・100Eについて、
図1の(a)および
図5の(b)〜
図5の(d)に基づき説明する。
図5の(b)〜
図5の(d)は、
図5の(a)の長さ調整部15bの変形例である長さ調整部15c・15d・15eを示す断面図である。補助デバイス100C・100D・100Eは、補助デバイス100Bと比較し、長さ調整部15bに代えて長さ調整部15c・15d・15eを備える点が異なり、その他の構成は同様である。
【0074】
長さ調整部15cは、
図5の(b)に示すように、軸部10の軸方向に伸縮する、バネ部材、またはコイル部材である。長さ調整部15cは、軸部10の軸方向に伸縮させることで、長さ調整部15c自体の長さを、例えば、長さL4から長さL5まで伸ばすことができ、また、長さL5から長さL4まで縮めることができる。ここで、長さL4はばね部材またはコイル部材の自然長であり、長さL5はばね部材またはコイル部材の最大延伸時の長さである。また、バネ部材、またはコイル部材として、細い針金等の素材を用いることで、長さ調整部15cの伸縮状態を維持することができる。
【0075】
長さ調整部15dは、
図5の(c)に示すように、軸部10の軸方向に伸縮する、ホイール部材である。長さ調整部15dは、軸部10の軸方向に伸縮させることで、長さ調整部15d自体の長さを、例えば、長さL6から長さL7まで伸ばすことができ、また、長さL7から長さL6まで縮めることができる。ここで、長さL6はホイール部材の自然長であり、長さL7はホイール部材の最大延伸時の長さである。
【0076】
長さ調整部15eは、
図5の(d)に示すように、軸部10の軸方向に伸縮する、蛇腹構造を有する。長さ調整部15eは、軸部10の軸方向に伸ばすことで、長さ調整部15e自体の長さを、例えば、長さL8から長さL9まで伸ばすことができ、また、長さL9から長さL8まで縮めることができる。ここで、長さL8は蛇腹構造部の自然長であり、長さL9は蛇腹構造部の最大延伸時の長さである。
【0077】
長さ調整部15eが縮んだ状態であるとき(長さL8である状態)の長さ調整部15eの最大外径D3は、ガイディングカテーテル200の内径よりも小さい。また、長さ調整部15eが伸びた状態であるとき(長さL9である状態)の長さ調整部15eの最大外径D4も、ガイディングカテーテル200の内径よりも小さい。そのため、長さ調整部15eは伸びた状態であっても縮んだ状態であっても、ガイディングカテーテル200に挿入可能である。
【0078】
長さ調整部15eのストッパの構造例について、
図6の(f)に基づいて説明する。
図6の(f)は、補助デバイス100のストッパの他の例であるストッパ65eを説明する側面図である。ストッパ65eは、
図6の(f)に示すように筒状部材であり、筒状部材の内径は、長さ調整部15eの最大延伸時である状態の最大外径D4(
図5の(d))よりも大きく、長さ調整部15eの自然長の最大外径D3(
図5の(d))より小さい。さらに、ストッパ65eは、筒状部材の長さ方向にスリット66eを有する。
図6の(f)に示すように長さ調整部15eを軸方向に伸ばした際、長さ調整部15eの径が少し小さくなる。ストッパ65eは、その状態の長さ調整部15eを、スリット66eを利用して、ストッパ65eの横方向から挟み込む。これにより、長さ調整部15eを伸ばした状態で固定することができる。
【0079】
なお、長さ調整部15eは、その材質または伸縮の特性によっては長さ調整部15e自体が伸縮状態を維持できる。そのため、ストッパを備えていなくとも、補助デバイス100Eの軸方向の長さL1を所望の長さにすることができる。
【0080】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3に係る補助デバイス100Fについて、
図1の(a)および
図7の(a)に基づき説明する。
図7の(a)は、本発明の実施形態3に係る補助デバイス100Fの長さ調整部15fの概略構成を示す側面図である。補助デバイス100Fは、補助デバイス100と比較し、長さ調整部15に代えて長さ調整部15fを備える点が異なり、その他の構成は同様である。
【0081】
長さ調整部15fは、長さ調整部15fを折って第3部材155fおよび第4部材156fに分けることで、補助デバイス100Fの軸方向の長さL1を調整する。長さ調整部15fは、例えば、その途中の周方向に、少なくとも1つの切り取り線が設けられており、任意の箇所で、容易に折ることができる。第3部材155fおよび第4部材156fに分割された場合、第3部材155fは基端側シャフト14に接続されたままであり、第4部材156fはストレインリリーフ16およびハブ部17と共に、補助デバイス100Fから切り離される。これにより、補助デバイス100Fの軸方向の長さL1は、先端部21から第3部材155fまでに調整される。なお、第4部材156fを切り離したあと、バルーン22の拡張液を補助デバイス100Fに注入する場合は、ストレインリリーフ16、およびハブ部17を第3部材155f取り付けることで対応することができる。
【0082】
また、長さ調整部15fにおいて、その途中の周方向に、複数の切り取り線が設けられていてもよく、その場合、補助デバイス100Fの軸方向の長さL1の微調整が可能となる。
【0083】
(変形例)
補助デバイス100Fの変形例である補助デバイス100Gについて、
図1の(a)および
図7の(b)に基づき説明する。
図7の(b)は、
図7の(a)の長さ調整部15fの変形例である長さ調整部15gを示す断面図である。補助デバイス100Gは、補助デバイス100Fと比較し、長さ調整部15fに代えて長さ調整部15gを備える点が異なり、その他の構成は同様である。
【0084】
長さ調整部15gは、長さ調整部15fと同様に、長さ調整部15gを折って第3部材155gおよび第4部材156g(図示なし)に分け、さらに、第5部材157gを継ぎ足して補助デバイス100Gの軸方向の長さL1を調整することができる。言い換えれば、長さ調整部15gは、第3部材155g、第4部材156gおよび第5部材157gによって構成される。
【0085】
継ぎ足し用の第5部材157gは、その一端が第3部材155gと係合可能なような構造となっている。第5部材157gの一端、および第3部材155gの端部(切り取られた側)は、例えば、入れ子構造、または、ねじ構造となっている。また、第5部材157gの他端側には、ストレインリリーフ16およびハブ部17が設けられている。
【0086】
また、第5部材157gは、少なくとも第4部材156gとは異なる長さを有している。これにより、第4部材156gに代えて第5部材157gが継ぎ足されることで、補助デバイス100Gの軸方向の長さL1を所望の長さに調整することができる。
【0087】
なお、第5部材157gは、複数種類用意され、それぞれが互いに異なる長さを有していてもよい。この場合、補助デバイス100Gの軸方向の長さL1の調整の幅が広がる。
【0088】
また、長さ調整部15gは、取外し可能な複数の部分から構成されていてもよい。これにより、長さ調整部15gの任意の部分を取り外し、取り外した部分に第5部材157gを挿入することができる。この場合、第5部材157gの両端、および、長さ調整部15gの軸部10側に残された部分の端部は、互いに係合可能な構造となっていればよい。
【0089】
なお、長さ調整部15gが取外し可能な複数の部分から構成されている場合、第5部材157gを備える構成でなくてもよい。この場合であっても、任意の部分を取り外すことで、補助デバイス100Gの軸方向の長さL1を短くするように調整することができる。
【0090】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4に係る補助デバイス100Hについて、
図1の(a)および
図8の(a)に基づき説明する。
図8の(a)は、本発明の実施形態4に係る補助デバイス100Hの長さ調整部15hの概略構成を示す側面図である。補助デバイス100Hは、補助デバイス100と比較し、長さ調整部15に代えて長さ調整部15hを備える点が異なり、その他の構成は同様である。
【0091】
長さ調整部15hは、
図8の(a)に示すように、第1部材151hと、第1部材151hにその一部が挿入されており、かつ、第1部材151hに対して相対移動する第2部材152hと、によって構成されている。すなわち、長さ調整部15hは、入れ子構造を有しており、長さ調整部15hは、第1部材151hに挿入される第2部材152hの長さを調整することで、補助デバイス100Hの軸方向の長さL1を調整する。
【0092】
さらに、長さ調整部15hは、挿入部分11の範囲(長さ)を制限する。具体的には、第2部材152hの第1部材151hに挿入される部分の外周面には、第2部材152hの径方向の外側に向けて凸となる第3凸部158h(制限部材)が設けられている。長さ調整部15hは、初期状態では、第2部材152hが挿入されている部分において、第3凸部158hが第1部材151h内に押さえこまれた状態で収容されている。初期状態とは、長さが調整される前のことであり、本実施形態では第1部材151hに第2部材152hが挿入されている状態を示す。第3凸部158hと第1部材151hの内周面との間に働く摩擦力によって、第2部材152hは第1部材151hに対して固定される。
【0093】
初期状態から、第2部材152hを第1部材151hから引き出すと、補助デバイス100Hの軸方向の長さL1が伸びると同時に、第3凸部158hが第1部材151hから解放され、第3凸部158hは、第2部材152hの径方向の外側に向けて伸びる。
【0094】
長さ調整部15hが初期状態であるとき、第3凸部158hは第1部材151hに収容されているため、長さ調整部15hの最大外径D5は、ガイディングカテーテル200の内径よりも小さい。そのため、長さ調整部15hはガイディングカテーテル200に挿入可能である。それに対して、第2部材152hが第1部材151hから抜き出された状態であるときは、第3凸部158hにより、長さ調整部15hの最大外径D6は、ガイディングカテーテル200の内径よりも大きくなる。これにより、補助デバイス100Hは、長さ調整部15hにより補助デバイス100Hの軸方向の長さL1を調整した後は、第3凸部158hにより、ガイディングカテーテル200内に挿入できる第1範囲40(
図1の(a))が制限される。その結果、ガイディングカテーテル200に所望の範囲外の補助デバイス100Hが挿入されることを防ぐことができる。
【0095】
なお、第3凸部158hを、第2部材152hの外周面に軸部10の軸方向に沿って複数設けた場合には、補助デバイス100Hの軸方向の長さL1の微調整が可能となる。
【0096】
(変形例)
補助デバイス100Hの変形例である補助デバイス100Iについて、
図1の(a)および
図8の(b)に基づき説明する。
図8の(b)は、
図8の(a)の長さ調整部15hの変形例である長さ調整部15iを示す断面図である。補助デバイス100Iは、補助デバイス100Hと比較し、長さ調整部15hに代えて長さ調整部15iを備える点が異なり、その他の構成は同様である。
【0097】
長さ調整部15iは、
図8の(b)に示すように、軸部10の軸方向に伸縮する、蛇腹構造を有する。長さ調整部15iは、長さ調整部15iを軸方向に伸縮させることで補助デバイス100Iの軸方向の長さL1を調整する。
【0098】
さらに、長さ調整部15iは、挿入部分11の範囲を制限する制限部材である。具体的には、長さ調整部15iが初期状態であるとき、長さ調整部15iの最大外径D7は、ガイディングカテーテル200の内径よりも小さい。そのため、長さ調整部15iはガイディングカテーテル200に挿入可能である。初期状態とは、長さが調整される前のことであり、本実施形態では長さ調整部15iを伸ばした状態を示す。それに対して、長さ調整部15iが縮められた状態であるときは、長さ調整部15iの最大外径D8は、ガイディングカテーテル200の内径よりも大きくなる。これにより、補助デバイス100Iは、長さ調整部15iにより補助デバイス100Iの軸方向の長さL1を調整した後は、長さ調整部15i自体によりガイディングカテーテル200内に挿入できる第1範囲40(
図1の(a))が制限される。その結果、ガイディングカテーテル200に所望の範囲外の補助デバイス100Iが挿入されることを防ぐことができる。
【0099】
なお、例えば、長さ調整部15iが軸部10の軸方向に沿って複数設けられていてもよい。この場合、長さ調整部15iの長さを個別に調整することができるので、補助デバイス100Iの軸方向の長さL1の微調整が可能となる。
【0100】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。