【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するための手段として、以下の各態様を提示する。第1の態様による情報収集用装置は、1つ以上のセンサからの信号に基づく情報を無線通信を利用して収集するために用いられる情報収集用装置であって、子機として機能する第1の動作モードと中継機として機能する第2の動作モードとを有し、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを選択的に切り替える切り替え部を備え、前記第1の動作モードにおいて、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報を、前記無線通信の親機、又は、前記第2の動作モードと同等に動作する他の装置に送信し、前記第2の動作モードにおいて、前記第1の動作モードと同等に動作する他の装置から受信した情報、又は、前記第2の動作モードと同等に動作する他の装置から受信した情報を、前記無線通信の親機、又は、前記第2の動作モードと同等に動作する他の装置に送信するものである。
【0015】
この第1の態様によれば、子機として機能する第1の動作モードと中継機として機能する第2の動作モードとを有し、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとを選択的に切り替える切り替え部を備えているので、前記切り替え部で切り替えることによって、当該情報収集用装置を子機として用いることも中継機としても用いることができる。したがって、前記第1の態様によれば、無線通信の中継を可能としつつ、子機と中継機とを別々に構成しそれぞれの数を別々に調整・管理する場合に比べて、子機にも中継機にもなり得る当該情報収集用装置の数のみを調整・管理すればよいので、使用者にとっても製造者にとってもその調整・管理が容易となり、その手数やコストを低減することができる。
【0016】
第2の態様による情報収集用装置は、前記第1の態様において、前記第2の動作モードにおいて、送受信が不能であるスリープ状態と送受信が可能である起床状態とを繰り返し、前記第1の動作モードにおいて、前記第2の動作モードと同等に動作する他の装置へ情報を送信するときに、当該他の装置の起床状態時に同期して情報を送信するものである。
【0017】
この第2の態様によれば、前記第2の動作モードにおいて、送受信が不能であるスリープ状態と送受信が可能である起床状態とを繰り返すので、当該情報収集用装置を中継機とした場合、スリープ状態にせずに起床状態が継続される場合に比べて、消費電力を低減することができる。そして、前記第2の態様によれば、前記第1の動作モードにおいて、前記第2の動作モードと同等に動作する他の装置へ情報を送信するときに、当該他の装置の起床状態時に同期して情報を送信するので、当該情報収集用装置を子機とした場合、支障を来すことなく適切に情報を送信することができる。なお、前記第2の動作モードと同等に動作する他の装置は、例えば、子機とした前記第2の態様による他の情報収集用装置でもよいし、前記第2の動作モードと同等に動作する専用の中継機でもよい。
【0018】
第3の態様による情報収集用装置は、前記第1又は第2の態様において、前記第1の動作モードは、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報の少なくとも一部、及び、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報の少なくとも一部の送信タイミングのうちの、少なくとも一部が互いに異なる複数種類の動作モードを含み、前記複数種類の動作モードのうちの1つの種類の動作モードを選択する選択部を備えたものである。
【0019】
この第3の態様によれば、前記第1の動作モードが異なる複数種類の動作モードを含み、前記複数種類の動作モードのうちの1つの種類の動作モードを選択する選択部を備えているので、前記選択部で選択することで、例えば、当該情報収集用装置を互いに用途の異なる複数の装置の一つにすることができる。したがって、前記第3の態様によれば、当該装置の多様な使用が可能となったり、用途の異なる複数種類の動作モード毎に別々の装置を用意する場合に比べて、使用者にとっても製造者にとっても装置の数の調整・管理が容易になったりする。
【0020】
第4の態様による情報収集用装置は、前記第3の態様において、前記複数種類の動作モードは、罠に動物が捕獲されたことを検知した旨を示す捕獲検知情報を送信する動作モードと、当該情報収集用装置の位置情報及び救難情報を送信する動作モードとを含むものである。
【0021】
この第4の態様は、前記複数種類の動作モードの例を挙げたものである。
【0022】
第5の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第4のいずれかの態様において、前記第1及び第2の動作モードにおいて、所定種類の情報を定期的に送信するものである。
【0023】
この第5の態様によれば、所定種類の情報を定期的に送信するので、前記所定種類の情報を受信側で受信することができるか否かによって、当該情報収集用装置がバッテリ切れや故障等により動作不能になっていないかいるかを確認することができる。
【0024】
第6の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第5のいずれかの態様において、前記第1及び第2の動作モードにおいて情報を送信した相手先は、当該情報を受信したことに応答してACKを返信するようになっており、前記第1及び第2の動作モードにおいて、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を同じ送信先に再送信するものである。
【0025】
この第6の態様によれば、当該情報収集用装置は、ACKの返信を受けるので、ACKを受信したか否かによって前記情報を送信先に送信できたか否かを確認することができ、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を同じ送信先に再送信するので、情報の送信回数を極力少なくしつつ当該情報をより確実に送信先に到達させることができる。したがって、前記第6の態様によれば、消費電力を低減しつつ情報をより確実に送信先に到達させることができる。
【0026】
第7の態様による情報収集用装置は、前記第6の態様において、前記第1及び第2の動作モードにおいて情報を送信した相手先は、当該情報を受信したことに応答してACKを返信するようになっており、前記第1及び第2の動作モードにおいて、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で、前記情報を送信する相手先を再決定し、前記情報を前記再決定した相手先に送信し、前記情報を前記再決定した相手先に送信した後に前記再決定した相手先から前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を前記再決定前の相手先に再送信するものである。
【0027】
この第7の態様によれば、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で、前記情報を送信する相手先を再決定し、前記情報を前記再決定した相手先に送信し、前記情報を前記再決定した相手先に送信した後に前記再決定した相手先から前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を前記再決定前の相手先に再送信するので、情報をより確実に送信先に到達させることができる。
【0028】
第8の態様による情報収集用装置は、前記第6又は第7の態様において、同じ前記情報の当初の送信先に対する送信回数に関して、1回目の送信時から1時間経過後の時点までの1回目の送信時からの期間の24時間当たりに換算した送信回数は、1回目の送信時から1時間経過後の時点から1回目の送信時から6時間経過後の時点までの期間の24時間当たりに換算した送信回数よりも多く、かつ、1回目の送信時から1時間経過後の時点から1回目の送信時から6時間経過後の時点までの期間の24時間当たりに換算した送信回数は、1回目の送信時から6時間経過時点以降の24時間当たりに換算した送信回数よりも多くなるように、同じ前記情報の再送信が行われるものである。
【0029】
野外において電波が届くか否かは天候の影響を大きく受け、例えば、雨や霧やもや等により電波の減衰量が大きくなる。一方で、天候の変化には時間を要することが多い。したがって、前記第8の態様によれば、天候の影響を受けて情報が送信先に到達できない状況においていたずらに高頻度で再送信されるようなことがなくなり、いたずらに消費電力が低減するのを避けつつ、より確実に情報を送信先に到達させることができる。
【0030】
第9の態様による情報収集用装置は、1つ以上のセンサからの信号に基づく情報を無線通信を利用して収集するために用いられる情報収集用装置であって、前記無線通信の子機として機能し、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報を、前記無線通信の中継機に送信し、前記中継機は、送受信が不能であるスリープ状態と送受信が可能である起床状態とを繰り返し、前記中継機へ情報を送信するときに、前記中継機の起床状態時に同期して情報を送信するものである。
【0031】
この第9の態様によれば、中継機は送受信が不能であるスリープ状態と送受信が可能である起床状態とを繰り返すので、当該中継機においてスリープ状態にせずに起床状態が継続される場合に比べて、消費電力を低減することができる。そして、前記第9の態様によれば、前記中継機へ情報を送信するときに、当該中継機の起床状態時に同期して情報を送信するので、支障を来すことなく適切に情報を送信することができる。
【0032】
第10の態様による情報収集用装置は、前記第9の態様において、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報の少なくとも一部、及び、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報の少なくとも一部の送信タイミングのうちの、少なくとも一部が互いに異なる複数種類の動作モードを有し、前記複数種類の動作モードのうちの1つの種類の動作モードを選択する選択部を備えたものである。
【0033】
この第10の態様によれば、前記複数種類の動作モードを含み、前記複数種類の動作モードのうちの1つの種類の動作モードを選択する選択部を備えているので、前記選択部で選択することで、例えば、当該情報収集用装置を互いに用途の異なる複数の装置の一つにすることができる。したがって、前記第10の態様によれば、当該装置の多様な使用が可能となったり、用途の異なる複数種類の動作モード毎に別々の装置を用意する場合に比べて、使用者にとっても製造者にとっても装置の数の調整・管理が容易になったりする。
【0034】
第11の態様による情報収集用装置は、1つ以上のセンサからの信号に基づく情報を無線通信を利用して収集するために用いられる情報収集用装置であって、前記無線通信の子機として機能し、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報を、前記無線通信の親機又は前記無線通信の中継機に送信し、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報の少なくとも一部、及び、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報の少なくとも一部の送信タイミングのうちの、少なくとも一部が互いに異なる複数種類の動作モードを有し、前記複数種類の動作モードのうちの1つの種類の動作モードを選択する選択部を備えたものである。
【0035】
この第11の態様によれば、前記複数種類の動作モードを含み、前記複数種類の動作モードのうちの1つの種類の動作モードを選択する選択部を備えているので、前記選択部で選択することで、例えば、当該情報収集用装置を互いに用途の異なる複数の装置の一つにすることができる。したがって、前記第11の態様によれば、当該装置の多様な使用が可能となったり、用途の異なる複数種類の動作モード毎に別々の装置を用意する場合に比べて、使用者にとっても製造者にとっても装置の数の調整・管理が容易になったりする。
【0036】
第12の態様による情報収集用装置は、前記第10又は11の態様において、前記複数種類の動作モードは、罠に動物が捕獲されたことを検知した旨を示す捕獲検知情報を送信する動作モードと、当該情報収集用装置の位置情報及び救難情報を送信する動作モードとを含むものである。
【0037】
この第12の態様は、前記複数種類の動作モードの例を挙げたものである。
【0038】
第13の態様による情報収集用装置は、前記第9乃至第12のいずれかの態様において、所定種類の情報を定期的に送信するものである。
【0039】
この第13の態様によれば、所定種類の情報を定期的に送信するので、前記所定種類の情報を受信側で受信することができるか否かによって、当該情報収集用装置がバッテリ切れや故障等により動作不能になっていないかいるかを確認することができる。
【0040】
第14の態様による情報収集用装置は、前記第9乃至第13のいずれかの態様において、情報を送信した相手先は、当該情報を受信したことに応答してACKを返信するようになっており、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を同じ送信先に再送信するものである。
【0041】
この第14の態様によれば、当該情報収集用装置は、ACKの返信を受けるので、ACKを受信したか否かによって前記情報を送信先に送信できたか否かを確認することができ、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を同じ送信先に再送信するので、同じ情報の送信回数を極力少なくしつつ当該情報をより確実に送信先に到達させることができる。したがって、前記第6の態様によれば、消費電力を低減しつつ情報をより確実に送信先に到達させることができる。
【0042】
第15の態様による情報収集用装置は、前記第14の態様において、情報を送信した相手先は、当該情報を受信したことに応答してACKを返信するようになっており、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で、前記情報を送信する相手先を再決定し、前記情報を前記再決定した相手先に送信し、前記情報を前記再決定した相手先に送信した後に前記再決定した相手先から前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を前記再決定前の相手先に再送信するものである。
【0043】
この第15の態様によれば、前記情報を送信した後に前記情報に対する前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で、前記情報を送信する相手先を再決定し、前記情報を前記再決定した相手先に送信し、前記情報を前記再決定した相手先に送信した後に前記再決定した相手先から前記ACKを受け取らない場合は、所定の条件下で前記情報を前記再決定前の相手先に再送信するので、情報をより確実に送信先に到達させることができる。
【0044】
第16の態様による情報収集用装置は、第14又は第15の態様において、同じ前記情報の当初の送信先に対する送信回数に関して、1回目の送信時から1時間経過後の時点までの1回目の送信時からの期間の24時間当たりに換算した送信回数は、1回目の送信時から1時間経過後の時点から1回目の送信時から6時間経過後の時点までの期間の24時間当たりに換算した送信回数よりも多く、かつ、1回目の送信時から1時間経過後の時点から1回目の送信時から6時間経過後の時点までの期間の24時間当たりに換算した送信回数は、1回目の送信時から6時間経過時点以降の24時間当たりに換算した送信回数よりも多くなるように、同じ前記情報の再送信が行われるものである。
【0045】
野外において電波が届くか否かは天候の影響を大きく受け、例えば、雨や霧やもや等により電波の減衰量が大きくなる。一方で、天候の変化には時間を要することが多い。したがって、前記第16の態様によれば、天候の影響を受けて情報が送信先に到達できない状況においていたずらに高頻度で再送信されるようなことがなくなり、いたずらに消費電力が低減するのを避けつつ、より確実に情報を送信先に到達させることができる。
【0046】
第17の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第16のいずれかの態様において、前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つのセンサを備えたものである。
【0047】
この第17の態様は、前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つのセンサを当該情報収集用装置に設ける例を挙げたものである。もっとも、前記前記第1乃至第16のいずれかの態様では、前記1つ以上のセンサのうちの一部又は全部のセンサを情報収集用装置の外部に設けてもよい。
【0048】
第18の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第17のいずれかの態様において、前記1つ以上のセンサは、罠に捕獲対象の動物が捕獲されたと推認される状態を検知するセンサを含み、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報は、捕獲検知情報を含むものである。
【0049】
第19の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第18のいずれかの態様において、前記1つ以上のセンサは、当該情報収集用装置の位置を検出する位置検出センサを含み、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報は、当該情報収集用装置の位置を示す位置情報を含むものである。
【0050】
第20の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第19のいずれかの態様において、前記1つ以上のセンサは、救難時に行われる使用者の操作を検出するセンサを含み、前記1つ以上のセンサからの信号に基づく前記情報は、救難情報を含むものである。
【0051】
前記第18乃至第20の態様は、前記1つ以上のセンサの例を挙げたものである。
【0052】
第21の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第20のいずれかの態様において、前記1つ以上のセンサは、罠に捕獲対象の動物が捕獲されたと推認される状態を検知するセンサと救難時に行われる使用者の操作を検出するセンサとを兼用する1つのセンサを含むものである。
【0053】
この第21の態様では、2つの機能のセンサが1つのセンサで兼用されているので、小型化及びコストダウンを図ることができる。
【0054】
第22の態様による情報収集用装置は、前記第1乃至第21のいずれかの態様において、前記1つ以上のセンサは温度センサを含み、1つ以上のセンサからの信号に基づく情報は、温度情報、及び、当該温度が上限閾値を超えるかあるいは下限閾値を下回った場合の警報情報を含むものである。
【0055】
この第22の態様は、前記1つ以上のセンサの他の例を挙げたものである。また、この第22の態様によれば、1つ以上のセンサからの信号に基づく情報が前記警報情報を含んでいるので、ビニールハウスの温度管理等を行い易くなる。なお、前記上限閾値及び前記下限閾値は、前記無線通信の親機側から無線通信により当該情報収集用装置に指令して設定したり変更したりしてもよい。