(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987604
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】ウェザーストリップおよびウェザーストリップの取付構造
(51)【国際特許分類】
B60J 10/246 20160101AFI20211220BHJP
B60J 10/22 20160101ALI20211220BHJP
B60J 10/84 20160101ALI20211220BHJP
【FI】
B60J10/246
B60J10/22
B60J10/84
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-207251(P2017-207251)
(22)【出願日】2017年10月26日
(65)【公開番号】特開2019-77385(P2019-77385A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2020年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196107
【氏名又は名称】西川ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】清水 真由美
【審査官】
森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−290023(JP,A)
【文献】
特表2008−532829(JP,A)
【文献】
特開平11−078538(JP,A)
【文献】
特開2010−058637(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02018988(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/06
B60J 10/00−10/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のドア開口部の周縁に取付けられるウェザーストリップであって、
第1壁、および上記第1壁よりも車外側に配置される第2壁を有し、上記周縁に設けられたフランジに取付けられる取付基部と、
上記第2壁から車外側に向けて膨出しているとともに上記取付基部の延伸方向に沿って形成されたシール壁と、を備え、
上記第2壁と上記シール壁とで取り囲まれるように中空部が形成されており、
上記第2壁における上記シール壁の内面と対向する対向面には、上記延伸方向に沿って延伸する複数列の凸部が形成されており、
上記ウェザーストリップの端部において、上記複数列の凸部が外部に露出しており、
上記凸部の厚さが、根元から先端にかけて均一であることを特徴とするウェザーストリップ。
【請求項2】
上記複数列の凸部のそれぞれの高さが均一になっていることを特徴とする請求項1に記載のウェザーストリップ。
【請求項3】
自動車のドア開口部の周縁に取付けられるウェザーストリップと、内装材であるピラーガーニッシュと、を備え、上記ウェザーストリップが上記ピラーガーニッシュに対して取付けられたウェザーストリップの取付構造であって、
上記ウェザーストリップは、第1壁、および上記第1壁よりも車外側に配置される第2壁を有し、上記周縁に設けられたフランジに取付けられる取付基部と、上記第2壁から車外側に向けて膨出しているとともに上記取付基部の延伸方向に沿って形成されたシール壁と、を備え、
上記第2壁と上記シール壁とで取り囲まれるように中空部が形成されており、
上記第2壁における上記シール壁の内面と対向する対向面には、上記延伸方向に沿って延伸する複数列の凸部が形成されており、
上記ウェザーストリップの端部において、上記複数列の凸部が外部に露出しており、
上記凸部の厚さが、根元から先端にかけて均一であり、
上記ウェザーストリップの端部が上記ピラーガーニッシュの開口部から挿入されていることを特徴とするウェザーストリップの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェザーストリップおよびウェザーストリップの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のベルトライン部等において、従来のウェザーストリップでは、その端部を内装材の一種であるピラーガーニッシュの開口部に挿入する際、内装材であるピラーガーニッシュの開口端部で、ウェザーストリップのシール中空部を急に押さえつけるため、シール中空部にシワやヘコミ凹部等が発生し、外観が悪化する問題があった。
【0003】
このような問題点を解決するため、例えば、特許文献1に開示された自動車用ウェザーストリップでは、車両取付前に、シール中空部の高さが徐々に低くなるように、ウェザーストリップの端部において中空状のシール部(またはシール壁)をつぶし加工することで、ウェザーストリップの端部の外観の向上を図っており、通常の構造として実施されている。
【0004】
なお、ウェザーストリップの端部における外観の向上を意図したものではないが、特許文献2には、取付基部の車外側の側壁におけるシール壁の内面と対向する対向面に複数列の凸部が形成されたウェザーストリップが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−36885号公報(2002年02月06日公開)
【特許文献2】特表2008−532829号公報(2008年08月21日公表)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1に記載の自動車用ウェザーストリップでは、ウェザーストリップの端部付近において、中空状のシール部をつぶし加工しているため、シール中空部にシワやヘコミ凹部が発生しにくいものの、その加工が面倒であり、その分、加工のためのコストが多くかかってしまうという問題点がある。
【0007】
そのため、車両取付後に、内装材であるピラーガーニッシュの開口端部に取付配置する手前の部分から、開口端部の内側に至る部分のシール中空部を、車両取付前に、あらかじめ切除し、端部付近では、取付基部のみを残した状態にした、ウェザーストリップを、取付・配置することで、特許文献1に記載されているような、中空シール部のつぶし加工をすることよりも、加工コストを削減させる構造も考えられる。
【0008】
しかし、この構造では、内装材であるピラーガーニッシュの開口端部に、シール中空部を取付・配置しないため、前述の、シール中空部にシワやへこみ凹部は発生しないものの、ウェザーストリップの端部においてシール壁の一部を切除しているため、シール壁の残り代の凸部の高さが約1mm程度生じ、ウェザーストリップの端部と内装材であるピラーガーニッシュとの隙間の存在やウェザーストリップの端部におけるシール壁の残り代の存在により、外観が悪化してしまうという別の問題点が発生する。
【0009】
さらに、特許文献2に記載のウェザーストリップは、ウェザーストリップの端部を内装材であるピラーガーニッシュの開口部に挿入する際に、ウェザーストリップの端部においてシール壁の一部を切除する点については何も開示されておらず、上記複数列の凸部は、ウェザーストリップの端部における外観の向上を意図したものではない。
【0010】
本発明の一態様は、以上の問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、簡単な手法で、加工のためのコストを抑えつつ、ウェザーストリップの端部における外観を向上させることができるウェザーストリップなどを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るウェザーストリップは、自動車のドア開口部の周縁に取付けられるウェザーストリップであって、第1壁、および上記第1壁よりも車外側に配置される第2壁を有し、上記周縁に設けられたフランジに取付けられる取付基部と、上記第2壁から車外側に向けて膨出しているとともに上記取付基部の延伸方向に沿って形成されたシール壁と、を備え、上記第2壁と上記シール壁とで取り囲まれるように中空部が形成されており、上記第2壁における上記シール壁の内面と対向する対向面には、上記延伸方向に沿って延伸する複数列の凸部が形成されており、上記ウェザーストリップの端部において、上記複数列の凸部が外部に露出している構成である。
【0012】
上記構成によれば、取付基部の第2壁におけるシール壁の内面と対向する対向面には、複数列の凸部が形成されており、ウェザーストリップの端部において、複数列の凸部が外部に露出している。このため、ウェザーストリップの端部における外観を向上させることができる。また、上記構成では、ウェザーストリップの端部において複数列の凸部が露出するようにシール壁の一部を除去するだけで構成できるため、その加工が簡単であり、また、加工のためのコストを抑制することができる。以上により、簡単な手法で、加工のためのコストを抑えつつ、ウェザーストリップの端部における外観を向上させることができる。
【0013】
また、本発明の一態様に係るウェザーストリップは、上記複数列の凸部のそれぞれの高さが均一になっていることが好ましい。上記構成によれば、複数列の凸部のそれぞれの高さにばらつきがある場合と比較して、当該複数列の凸部全体の外観に統一感が生まれることから、ウェザーストリップの端部における外観をより向上させることができる。
【0014】
また、本発明の一態様に係るウェザーストリップは、上記凸部の厚さが、根元から先端にかけて直線的に薄くなっていても良い。上記構成によれば、凸部同士の間隔が詰まって見え、複数列の凸部全体の意匠性が向上するため、ウェザーストリップの端部における外観をより向上させることができる。
【0015】
また、本発明の一態様に係るウェザーストリップは、上記凸部の厚さが、根元から先端にかけて均一であっても良い。上記構成によれば、規則的な凹凸模様が形成され、複数列の凸部全体の意匠性が向上するため、ウェザーストリップの端部における外観をより向上させることができる。
【0016】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るウェザーストリップの取付構造は、自動車のドア開口部の周縁に取付けられるウェザーストリップと、内装材であるピラーガーニッシュと、を備え、上記ウェザーストリップが上記ピラーガーニッシュに対して取付けられたウェザーストリップの取付構造であって、上記ウェザーストリップは、第1壁、および上記第1壁よりも車外側に配置される第2壁を有し、上記周縁に設けられたフランジに取付けられる取付基部と、上記第2壁から車外側に向けて膨出しているとともに上記取付基部の延伸方向に沿って形成されたシール壁と、を備え、上記第2壁と上記シール壁とで取り囲まれるように中空部が形成されており、上記第2壁における上記シール壁の内面と対向する対向面には、上記延伸方向に沿って延伸する複数列の凸部が形成されており、上記ウェザーストリップの端部において、上記複数列の凸部が外部に露出しており、上記ウェザーストリップの端部が上記ピラーガーニッシュの開口部から挿入されている構成である。上記構成によれば、簡単な手法で、加工のためのコストを抑えつつ、ウェザーストリップの端部における外観を向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様に係るウェザーストリップおよびその取付構造によれば、簡単な手法で、加工のためのコストを抑えつつ、ウェザーストリップの端部における外観を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】(a)は、自動車の左側側面図であり、(b)は、(a)に示す破線の丸で囲まれた部分におけるウェザーストリップの取付構造を示す斜視図であり、(c)は、(b)に示すY−Y断面の断面図であり、(d)は、ウェザーストリップの端部をドアトリムのピラーガーニッシュの開口部に挿入した状態を示す斜視図である。
【
図2】(a)は、本発明の実施形態1に係るウェザーストリップの構造を示す断面図であり、(b)は、本発明の実施形態2に係るウェザーストリップの構造を示す断面図であり、(c)は、本発明の実施形態3に係るウェザーストリップの構造を示す断面図である。
【
図3】(a)は、上記実施形態1に係るウェザーストリップの構造を示す断面図であり、(b)は、上記ウェザーストリップの端部をドアトリムのピラーガーニッシュの開口部に挿入した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について
図1〜
図3に基づいて説明すれば、次の通りである。以下、説明の便宜上、ある項目にて説明した構成と同一の機能を有する構成については、他の項目においても同一の符号を付記し、その説明を省略する場合がある。
【0020】
〔ウェザーストリップの取付構造〕
ウェザーストリップは、
図1の(a)に破線で示す自動車100のドア開口部の周縁に取付けられる。同図に示すX−X線は自動車100のベルトライン部を示す。また、Y−Y線は、自動車100のセンターピラー部の切断線を示す。
【0021】
図1の(b)は、
図1の(a)の破線の丸で囲まれた部分Aにおけるウェザーストリップ10aの取付構造を示す図である。
図1の(c)は、
図1の(b)に示すY−Y断面の断面図である。
図1の(c)に示すように、ウェザーストリップ10aは、自動車100のドア開口部の周縁に設けられたフランジFLに対して取付けられる取付基部1と、車外側壁部11から車外側に向けて膨出しているとともに取付基部1の延伸方向に沿って形成されたシール壁2と、を備える。
【0022】
車外側壁部11の車外側面には、ドア開口部を開閉するドアサッシュDSの車内側面と弾接して、ドア開口部の周縁とドアサッシュDSとの間をシールする、シール壁2が形成されている。また、車外側壁部11とシール壁2とで取り囲まれるように中空部3が形成されている。
【0023】
また、ウェザーストリップ10aの取付基部1は、車外側壁部(第2壁)11および車内側壁部(第1壁)12、およびこれらの両側壁部に連結する底壁部13を備えており、略U字形状を為している。取付基部1の内部には断面形状が略U字形状の芯材15が埋め込まれている。
【0024】
略U字形の取付基部1の車内側壁部12の車外側面には、ドア開口部の周縁BDに沿って形成されたフランジFLに対して保持するリップ部7が形成されている。一方、取付基部1の車外側壁部11の車内側面には、同じくフランジFLを保持する、2個の小突起5および6が形成されている。また、取付基部1の車内側壁部12の車内側面からは、ピラー部内装材40やルーフ部内装材50とのスキマを隠すための、カバーリップ部8が伸びている。
【0025】
フランジFLに対して先端を取付基部1のU字形状部分の開口部から挿入することにより、フランジFLの側面に小突起5・6およびリップ部7が弾接し、フランジFLに対して、取付基部1が保持される。
【0026】
取付基部1およびシール壁2は、例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)やTPO(オレフィン系熱可塑性エラストマー)等のように、弾性を有する材料を使用することができる。また、通常、シール壁2に使用する材料は、取付基部1に使用する材料よりも、柔軟なものを使用する。
【0027】
上記EPDMやTPOは、発泡材であってもよいし、非発泡材であってもよい。また、芯材15は、例えば、SPCC鋼板(冷熱圧延鋼板)等の鉄板や、亜鉛メッキ鋼鈑、硬質樹脂等を使用することができる。
【0028】
次に、
図1の(d)は、ベルトライン部におけるウェザーストリップ10aの取付構造を示している。同図に示すようにウェザーストリップ10aの端部を、内装材の一種であるピラーガーニッシュ20の開口部から挿入することにより、ウェザーストリップ10aの端部は、ベルトライン部に取付けられる。
【0029】
〔実施形態1〕
次に、
図2の(a)は、本発明の実施形態1に係るウェザーストリップ10aの構造を示す断面図である。同図に示すように、ウェザーストリップ10aは、自動車100のドア開口部の周縁に設けられたフランジFLに取付けられる取付基部1と、車外側壁部11から車外側に向けて膨出しているとともに取付基部1の延伸方向に沿って形成されたシール壁2と、を備える。また、車外側壁部11とシール壁2とで取り囲まれるように中空部3が形成されている。なお、同図に示す形態では、シール壁2が切除された状態を示している。
【0030】
また、ウェザーストリップ10aは、車内側壁部12、および車内側壁部12よりも車外側に配置される車外側壁部11を有している。また、車内側壁部12および車外側壁部11に連結する底壁部13を有している。車内側壁部12、車外側壁部11および底壁部13により取付基部1は、断面U字形状を為している。車外側壁部11の車内側の壁面には、車内側に突出する小突起5、6が形成されている。また、車内側壁部12の車外側の壁面には、車外側に延びるリップ部7が形成されている。フランジFLの先端に対して、取付基部1のU字形状部分の開口部から挿入することにより、フランジFLの側面に小突起5・6およびリップ部7が弾接し、フランジFLに対して取付基部1が保持される。
【0031】
取付基部1の車外側壁部11におけるシール壁2の内面2aと対向する対向面11aには、複数列の凸部4aが形成されており、シール壁2が切除されることにより、複数列の凸部4aおよびシール壁2の残り代の凸部2b,2cが露出している。
【0032】
すなわち、本実施形態のウェザーストリップ10aでは、車外側壁部11におけるシール壁2の内面2aと対向する対向面11aには、上記延伸方向に沿って延伸する複数列の凸部4aが形成されている。この複数列の凸部4aは、ウェザーストリップ10aの端部において外部に露出している。
【0033】
上記構成によれば、取付基部1の車外側壁部11におけるシール壁2の内面2aと対向する対向面11aには、複数列の凸部4aが形成されており、ウェザーストリップ10aの端部において、複数列の凸部4aが外部に露出している。このため、シール壁2の一部を除去した後の残り代の凸部2bおよび2cが、複数列の凸部4aの存在により目立たなくなるため、ウェザーストリップ10aの端部における外観を向上させることができる。また、上記構成では、ウェザーストリップ10aの端部において複数列の凸部4aが露出するようにシール壁2の一部を除去するだけで構成できるため、その加工が簡単であり、また、加工のためのコストを抑制することができる。以上により、簡単な手法で、加工のためのコストを抑えつつ、ウェザーストリップ10aの端部における外観を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態のウェザーストリップ10aでは、複数列の凸部4aおよびシール壁2の一部を切除した後の残り代の凸部2bおよび2cのそれぞれの高さが均一になっている。これにより、複数列の凸部4aのそれぞれの高さにばらつきがある場合と比較して、当該複数列の凸部4a全体の外観に統一感が生まれ、シール壁除去後の残り代の凸部2bおよび2cが、複数列の凸部4aの存在により目立たなくなるため、ウェザーストリップ10aの端部における外観をより向上させることができる。
【0035】
また、本実施形態のウェザーストリップ10aでは、凸部4aの厚さが、根元から先端にかけて直線的に薄くなっていている。例えば、凸部4aの断面形状は略三角形状を為している。これにより、凸部4a同士の間隔が詰まって見えるため、複数列の凸部4a全体の意匠性が向上し、シール壁除去後の残り代の凸部2bおよび2cが、複数列の凸部4aの存在により目立たなくなるため、ウェザーストリップ10aの端部における外観をより向上させることができる。なお、本実施形態のように凸部4aの断面形状を略三角形状とすることにより、複数の凸部4a同士の詰まり具合を他の形状に比べて高めることができる。このため、シール壁除去後の残り代の凸部2bおよび2cが、複数列の凸部4aの存在により、より目立たなくなる。
【0036】
〔実施形態2〕
次に、
図2の(b)は、本発明の実施形態2に係るウェザーストリップ10bの構造を示す断面図である。本実施形態のウェザーストリップ10bは、車外側壁部11におけるシール壁2の内面2aと対向する対向面11aに形成されている複数列の凸部4bの断面形状のみが、実施形態1の複数列の凸部4aの断面形状と異なっている。
【0037】
また、本実施形態のウェザーストリップ10bでは、凸部4bの厚さが、根元から先端にかけて均一となっており、凸部4bの断面形状が略四角形状を為している。これにより、規則的な凹凸模様が形成され、複数列の凸部4b全体の意匠性が向上し、シール壁2を除去した後の残り代の凸部2bおよび2cが、複数列の凸部4bの存在により目立たなくなるため、ウェザーストリップ10bの端部における外観を向上させることができる。
【0038】
〔実施形態3〕
次に、
図2の(c)は、本発明の実施形態3に係るウェザーストリップ10cの構造を示す断面図である。本実施形態のウェザーストリップ10cは、車外側壁部11におけるシール壁2の内面2aと対向する対向面11aに形成されている複数列の凸部4cの断面形状のみが、実施形態1の複数列の凸部4aおよび実施形態2の複数列の凸部4bの断面形状と異なっている。
【0039】
また、本実施形態のウェザーストリップ10cでは、複数列の凸部4cによって形成される凹凸部の断面形状が波型形状となっている。これにより、シール壁2を除去した後の残り代の凸部2bおよび2cが、複数列の凸部4cの存在により目立たなくなるため、ウェザーストリップ10cの端部における外観を向上させることができる。
【0040】
(複数列の凸部の形状について)
取付基部1の車外側壁部11におけるシール壁2の内面2aと対向する対向面11aに形成される複数列の凸部(または凹凸部)の断面形状としては、上述した略三角形状、矩形形状および波型形状などを例示できるが、これらに限定されない。
【0041】
複数列の凸部(または凹凸部)の断面形状は任意の形状とすることが可能であり、また、その大きさやピッチについても、外観的な装飾効果が最も良く発揮されるよう、適宜設定することができる。
【0042】
(ウェザーストリップの製造方法について)
取付基部1とシール壁2とは、一体化されており、例えば押出成形法によって成形することができる。また、ウェザーストリップ10a〜10cにおける複数列の凸部4a・4b・4cは、それぞれ、押出成形機のダイス形状を所定の凹凸状にすることにより押出成形で得られる。
【0043】
このようにして、ウェザーストリップの車外側壁部11におけるシール壁2の内面2aと対向する対向面11aに複数列の凸部4a・4b・4cを形成した後、ウェザーストリップ10a〜10cの端部においてシール壁2の一部を切除することにより、複数列の凸部4a・4b・4cを外部へ露出させる。
【0044】
(シール壁の切除について)
次に、
図3の(a)は、ウェザーストリップ10aの構造を示す断面図であり、凸部4aの高さh2が、シール壁2を切除した後の残り代の凸部2bおよび2cの高さh1と略同一になっている様子を示している。なお、高さh2が高さh1よりも高くなっている場合が生じ得るが、この場合、凸部2bおよび2cの高さh1と複数列の凸部4aの高さh2とが略同一になるように、複数列の凸部4aの頭頂部を切除しても良い。
【0045】
次に、
図3の(b)は、内装材の一種であるピラーガーニッシュ20に対するウェザーストリップ10aの取付構造を、
図1の(d)に示す方向と別の方向から見た場合の斜視図を示す。同図に示すようにウェザーストリップ10aの端部を、内装材の一種であるピラーガーニッシュ20の開口部から(上側から下側に向けて)挿入することにより、ウェザーストリップ10aの端部は、ベルトライン部に取付けられる。
【0046】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 取付基部 11a 対向面 2 シール壁 2a 内面
2b、2c 凸部 3 中空部 4a、4b、4c 凸部 5、6 小突起
7 リップ部 8 カバーリップ
10a、10b、10c ウェザーストリップ 11 車外側壁部(第2壁)
12 車内側壁部(第1壁) 13 底壁部 15 芯材
20 ピラーガーニッシュ 40 ピラー部内装材 50 ルーフ部内装材
100 自動車 FL フランジ DS ドアサッシュ
h1 シール壁を切除した後の、シール壁残り代の凸部の高さ
h2 車外側壁部(第2壁)に形成した凸部の高さ