(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987608
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】循環冷却装置
(51)【国際特許分類】
F25B 9/00 20060101AFI20211220BHJP
H01L 39/04 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
F25B9/00 ZZAA
H01L39/04
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-211623(P2017-211623)
(22)【出願日】2017年11月1日
(65)【公開番号】特開2019-86159(P2019-86159A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2020年10月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】505427012
【氏名又は名称】株式会社 フジヒラ
(74)【代理人】
【識別番号】100166132
【弁理士】
【氏名又は名称】木船 英雄
(72)【発明者】
【氏名】藤平 潤一
(72)【発明者】
【氏名】藤平 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】藤平 誠一
【審査官】
森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0202174(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0049862(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0094992(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 9/00
H01L 39/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器と、当該真空容器内に収容された内容器と、当該内容器内に冷却ステージを収容した冷凍機と、被冷却体を冷却する冷却部と、当該冷却部と前記真空容器内を連通する真空断熱管と、前記真空断熱管内を通過して前記冷却部に寒剤を循環供給する寒剤循環回路とを備え、
前記寒剤循環回路の往路ラインの上流側を前記内容器の頂面に連通すると共に、前記往路ラインの下流側を前記内容器の底面に連通し、
前記内容器内に熱交換器を収容すると共に、前記熱交換器に前記寒剤循環回路の復路ラインを接続し、
前記熱交換器が、前記冷凍機の蓄冷器または冷却ステージのいずれかあるいは両方をらせん状に囲繞する蛇管構造になっていることを特徴とする循環冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の循環冷却装置において、
前記冷凍機の蓄冷器または冷却ステージのいずれかあるいは両方の表面に伝熱フィンを複数設けたことを特徴とする循環冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体ヘリウム等の寒剤を循環させながら高感度磁気センサーなどの被冷却体を極低温に冷却するための循環冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導量子干渉素子 (superconducting quantum interference device, SQUID)は、超伝導における磁束の量子化を利用した超高感度の磁気センサーの1つであり、低磁場核磁気共鳴画像法 (Low Field MRI) 用の磁気センサーをはじめ、各種分析、検査、環境・資源探査等の分野における先端計測システムに欠かせないデバイスとなっている。そして、この超伝導量子干渉素子は、極低温下で起こる超伝導現象を利用していることから、ヘリウムなどの寒剤を用いた冷却装置が不可欠となっている。
【0003】
この種の冷却装置の1つとして、例えば以下の非特許文献1などに開示されているような循環式の冷却装置がある。
図4はこの循環式の冷却装置の構造を示したものであり、小型冷凍機Kを備えた真空容器Yに、第1熱交換器N1と、第2熱交換器N2とを収容すると共に、その真空容器Yから延びる真空断熱管Hの先端に冷却部Rを備え、その冷却部Rに被冷却体S(超伝導量子干渉素子)を収容した構造となっている。
【0004】
そして、寒剤となるヘリウムを循環ポンプPによって真空容器Y内の第1熱交換器N1と第2熱交換器N2に順に送り、ここでその寒剤を小型冷凍機Kとの熱交換によって、例えば4K程度まで冷却した後、真空断熱管Hを介して遠隔にある冷却部Rに送ることでその被冷却体S(超伝導量子干渉素子)を、その機能を発揮する極低温まで冷却する。その後、冷却によって温度が上昇した寒剤を再び真空断熱管Hを介して真空容器Y内の第2熱交換器N2と第1熱交換器N1とに順に送り、ここで順に送られてくるヘリウムを予冷してから再び循環ポンプPによって循環させる構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】A.P.Rijpma, 他6名、Construction and test of a cryocooled low-Tc SQUID gradiometer system, CRYOGENICS, Vol.48, 2008年, p.61-67(ELSEVIER)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述したような従来の冷却装置は、構造が複雑な熱交換器が必要となる上に、その熱交換器(の伝熱管)が小型冷凍機Kの冷却ステージと密接(ろう付け)するように設けられている。そのため、小型冷凍機Kなどをメンテナンスする際には、真空容器Yを一旦分解してこれらの熱交換器Nをいちいち取り外さなければならず、その作業は極めて面倒であるという欠点がある。
【0007】
そこで、本発明はこれらの課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、優れた冷却能力を発揮しつつメンテナンス性が大幅に向上した新規な循環冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために第1の発明は、真空容器と、当該真空容器内に収容された内容器と、当該内容器内に冷却ステージを収容した冷凍機と、被冷却体を冷却する冷却部と、当該冷却部と前記真空容器内を連通する真空断熱管と、前記真空断熱管内を通過して前記冷却部に寒剤を循環供給する循環回路とを備え、前記寒剤循環回路の往路ラインの上流側を前記内容器の頂面に連通すると共に、前記往路ラインの下流側を前記内容器の底面に連通し、前記寒剤循環回路の復路ラインを前記真空容器内を通過するように配置したことを特徴とする循環冷却装置である。
【0009】
このような構成によれば、寒剤循環回路の往路ラインを流れる寒剤が内容器内に流れ、その内部に設けられた冷凍機の冷却ステージに直接接触するため、この寒剤を効率良く冷却することができる。従って、従来のように往路ラインを流れる寒剤をこの冷却ステージで冷却するための熱交換器が不要となるため、冷凍機などをメンテナンスする際には、真空容器を分解したり、熱交換器を取り外す作業が不要となってメンテナンス性が大幅に向上する。また、寒剤循環回路の復路ラインを前記真空容器内を通過するように配置することで復路ラインを流れる寒剤への外部入熱を抑えることができると共に、その冷熱を真空容器内の予冷に活用できる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、前記冷凍機の蓄冷器または冷却ステージのいずれかあるいは両方の表面に伝熱フィンを複数設けたことを特徴とする循環冷却装置である。このような構成によれば、冷凍機の冷却ステージと寒剤との接触面積が増えるため、より効率良く寒剤を冷却することができる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記内容器内に熱交換器を収容すると共に、前記循環回路の復路ラインを前記熱交換器に接続したことを特徴とする循環冷却装置である。このような構成によれば、冷却部で被冷却体を冷却して復路ラインを戻る寒剤と順次内容器内に新たに供給された寒剤とによって熱交換が可能となるため、復路ラインを戻る寒剤の冷熱によって新たに供給される寒剤を効率良く予冷することができる。
【0012】
第4の発明は、第3の発明において、前記熱交換器が、前記冷凍機の蓄冷器または冷却ステージのいずれかあるいは両方をらせん状に囲繞する蛇管構造となっていることを特徴とする循環冷却装置である。このような構成によれば、内容器20内に専用の取り付けスペースを設ける必要がなくなる上に、寒剤との接触面積が大きくなって効率良く熱交換を行うことができる。また、冷凍機の冷却ステージなどが、熱交換器と接触したり、干渉しないため、この冷凍機を上方に引き抜くように移動させることでメンテナンスの際には簡単に脱着できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、真空容器内に内容器を設け、往路ラインを流れる寒剤をその内容器内へ流し、これをその内部に設けられた冷凍機の冷却ステージなどで直接接触させて冷却するようにしたため、寒剤を効率良く冷却することができる。従って、従来のように往路ラインを流れる寒剤をこの冷却ステージで冷却するための熱交換器が不要となるため、冷凍機などをメンテナンスする際には、真空容器を分解したり、熱交換器を取り外す作業が不要となってメンテナンス性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る循環冷却装置100の実施の一形態を示す全体構成図である。
【
図3】本発明に係る循環冷却装置100の他の実施形態を示す全体構成図である。
【
図4】従来の循環冷却装置の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る循環冷却装置100の実施の一形態を示したものである。図示するようにこの循環冷却装置100は、真空容器10と、この真空容器10内に収容された内容器20と、この内容器20内に取り付けられた冷凍機30と、被冷却体40を冷却する冷却部50と、この冷却部50と真空容器10内を連通する真空断熱管60と、寒剤を内容器20を通過して冷却部50に循環供給する寒剤循環回路70と、内容器20内に設けられた熱交換器80とから主に構成されている。
【0016】
真空容器10は、例えば高さが50〜100cm、径が20〜30cm程度の縦型円筒状の容器から構成されており、真空ポンプP1によって例えば0.1〜0.0001Pa程度の高真空状態に保たれている。なお、材質としては特に限定されないが、例えばステンレススチールの他に軽量なガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などが用いられる。一方、内容器20は、この真空容器10よりも1サイズ小さい大きさの略円筒状となっており、その底面20bは、真空容器10の底面10bよりもやや高い位置に浮くように位置しているのに対し、その頂面20aは、真空容器10の頂面10aと一体または共通となっている。
【0017】
冷凍機30は、例えば2段式ギホードマクマホン(GM)サイクルを採用した小型冷凍機もしくはパルスチューブと呼ばれる低振動の小型冷凍機であり、真空容器10の頂面20aに取り付けられた冷凍機ヘッド31から鉛直下向き(内容器20内)に延びる筒状の第1の蓄冷器32aと、この第1蓄冷器32aの下端に位置する第1の冷却ステージ32bと、この第1冷却ステージ32bからさらに鉛直下向きに延びる筒状の第2の蓄冷器33aと、この第2蓄冷器33aの下端に位置する第2の冷却ステージ33bとから主に構成されている。
【0018】
そして、この冷凍機ヘッド31の下面には、取付用のフランジ36が設けられており、図示しないボルトなどによって真空容器10の頂面20aに形成された取付穴20cに対して、図示しないシールを介して密閉状態かつ挿脱自在に取り付けられている。この冷凍機ヘッド31には、複数のガス配管31aを介して圧縮機34が接続されており、この圧縮機34によって冷凍機用の冷媒を圧縮循環させて冷凍サイクルを構成している。なお、現在市販されている冷凍機はヘリウム温度で1W程度の冷凍能力を有している。
【0019】
また、
図2に示すように、この内容器20内に位置する冷凍機30の第1蓄冷器32a、第1冷却ステージ32b、第2蓄冷器33a、第2冷却ステージ33bの全体またはその一部には、フランジ状の伝熱フィン35が複数、上下多段に設けられており、それらの表面積を増大させる機能を発揮している。さらに、同図に示すように、その伝熱フィン35の周囲には、これをらせん状に延びる蛇管構造のパイプ体80aからなる熱交換器80が、一定の間隔を隔ててそれらを囲繞するように設けられている。なお、この熱交換器80の内径は、少なくとも伝熱フィン35のうちのいずれかの最大径(外径)よりも広くなっている。また、この熱交換器80は、特に上段の第1の蓄冷器32aおよび第1冷却ステージ32b、さらに第2の蓄冷器33aの部分に位置している。
【0020】
図1に戻り、冷却部50は、寒剤循環回路70の一部を構成する伝熱管をらせん状または蛇管状に加工した熱交換器であり、被冷却体40の近傍またはこれを囲繞するように位置している。そして、この冷却部50に収容される被冷却体40は、例えば極低温状態で動作するSQUID(超伝導量子干渉素子)などの超伝導磁気センサーであり、生体などから発生する極めて微弱な地場を計測することができる。また、この被冷却体40の別の例としては、物性値の温度特性を生かすため測定対象物を必要な低温度に維持する試料ホルダーである。
【0021】
真空断熱管60は、この冷却部50と真空容器10内を連通する内部が真空状態の管体であり、その長さは、冷却部50を取り付ける位置と真空容器10の設置位置との距離などによって異なってくるが、例えば、50cm〜数m程度の長さとなる。なお、材質としては、真空容器10と同様にステンレススチールの他に軽量なガラス繊維強化プラスチック(GFRP)などが用いられる。
【0022】
寒剤循環回路70は、この冷却部50に寒剤を循環供給するためのものであり、真空容器10の外部に取り付けられる循環ポンプ71と、この循環ポンプ71と冷却部50間を接続する一対の金属製パイプからなる往路ライン72および復路ライン73と、寒剤を供給する寒剤タンク74とから主に構成されている。さらにこの往路ライン72は、循環ポンプ71から延びる上流往路ライン72aと、冷却部50側に接続される下流往路ライン72bとから構成されている。そして、上流往路ライン72aの他端(下流端)が内容器20内に連通するようにその頂面20a側に接続されていると共に、下流往路ライン72bの他端(上流端)が内容器20内に連通するようにその底面20b側に接続されている。
【0023】
一方、復路ライン73も冷却部50から延びる上流復路ライン73aと、循環ポンプ71側に接続される下流復路ライン73bとから構成されており、上流復路ライン73aの他端(下流端)が内容器20内に設けられた熱交換器80の入口(下端)側に接続されていると共に、下流復路ライン73bの他端(上流端)がその熱交換器80の出口(上端)側にそれぞれ接続された構造となっている。また、この復路ライン73には、寒剤となるヘリウムガスを供給する寒剤タンク74が設けられており、往路ライン72および復路ライン73内にそれを循環するヘリウムガスを供給するようになっている。
【0024】
次に、このような構成をした本発明に係る循環冷却装置100の作用を説明する。先ず、真空ポンプP1を作動させて真空容器10内を真空状態にすると共に、冷凍機30を駆動して内容器20内が十分に冷却されたならば、寒剤循環回路70の循環ポンプ71を作動させて常温の寒剤(ヘリウムガス)を往路ライン72の上流往路ライン72aから内容器20内へ、その頂面20a側から供給する。すると、内容器20内へ流れ込んだ寒剤は、冷凍機30の第1蓄冷器32a、第1冷却ステージ32b、第2蓄冷器33a、第2冷却ステージ33bの表面に順に直接接触することでその温度が急激に低下する。
【0025】
例えば、常温(約20℃)で内容器20へ流れ込んだ寒剤は、内容器20内上層部では順に下方に流れる際に第1蓄冷器32aの周囲を通過し、100K程度に冷却された後、第1冷却ステージ32bに接触して約40〜80Kまで冷却され、さらに第2蓄冷器33a、第2冷却ステージ33bで約4〜10K程度まで冷却されて内容器20の底面20bに達する。
【0026】
内容器20の底面20bに達した寒剤は、その頂面20a側から順次送り込まれてくる寒剤の圧力によって内容器20の底面20bに接続された下流往路ライン72bに流れ出て、真空断熱管60を通過して冷却部50に送られてその被冷却体40を5〜12K程度に冷却する。その後、この冷却部50の寒剤は、復路ライン73の上流復路ライン73aを通過して内容器20内に至ってその熱交換器80に流れ込む。
【0027】
そして、熱交換器80に流れ込んだ寒剤(約20〜30K程度)は、
図2に示すようにそのらせん状のパイプ体80aを上向きに流れる際に、順次内容器20内に流れ込んだ高温の寒剤と熱交換(予冷)して温度が室温まで上昇した後、下流復路ライン73bを通過して、再び循環ポンプ71によって往路ライン72と復路ライン73を循環することになる。
【0028】
このように本発明の循環冷却装置100は、真空容器10内に内容器20を設け、往路ライン72から寒剤をその内容器20内へ流し、これをその内部に設けられた冷凍機30の冷却ステージ32b、33b、蓄冷器32a、33aで直接冷却するようにしたため、効率良く寒剤を冷却することができる。また、復路ライン73に熱交換器80を設けたため、戻る寒剤の冷熱を無駄にすることなく、順次供給される高温の寒剤の予冷に有効利用することができる。
【0029】
しかも、この熱交換器80を、冷却ステージ32b、33b囲繞するようにらせん状の蛇管構造としたため、内容器20内に専用の取り付けスペースを設ける必要がなくなる上に、寒剤との接触面積が大きくなって効率良く熱交換を行うことができる。さらに、冷凍機30の表面すなわち、第1蓄冷器32a、第1冷却ステージ32b、第2蓄冷器33a、第2冷却ステージ33bなどの表面に伝熱フィン35を複数設けたため、内容器20内の寒剤との接触面積が増大するため、より効率良く寒剤を冷却することができる。
【0030】
そして、このような構成をした本発明の循環冷却装置100は、従来のように往路ライン72を流れる寒剤を冷凍機30で冷却するための熱交換器が不要となるため、冷凍機30などをメンテナンスする際には、真空容器10を分解したり、熱交換器を取り外す作業が不要となってメンテナンス性が大幅に向上する。また、復路ライン73に設けられたらせん状の熱交換器80の内径は、少なくとも伝熱フィン35のうちのいずれかの最大径(外径)よりも広くなっているため、この冷凍機30の冷却ステージ32b、33bを上方に引き抜くように移動させることでメンテナンスの際には簡単に冷凍機30に脱着することができ、その作業の邪魔になることはない。
【0031】
なお、
図1に示すようにこの内容器20は、縦型円筒状となっていてその頂面20a付近とその底面20b付近とでは300℃近い大きな温度差がある。そのため、その底面20b付近にこれより5〜10cm程度高い位置に段部20dを設け、この段部20dから上流復路ライン73aを内容器20内へ導入してなるべく低温となった底面20b付近の寒剤と接触しないようにすれば、その底面20bから排出される極低温の寒剤に悪影響を及ぼすことなく、効果的にその復路ライン73を戻る寒剤の冷熱を新たに供給される比較的高温の寒剤の予冷熱として活用できる。
【0032】
また、本実施の形態では、内容器20内にらせん状の熱交換器80を設けた構造としたが、
図3に示すように真空容器10の外側(頂面20a上)に熱交換器90を設け、内容器20内を通過することなく、そのまま真空容器10を出た直後の寒剤の冷熱によって、新たに内容器20内へ供給される直前の寒剤を予冷するようにすれば、冷凍機30の冷却ステージ32b、33bまわりの構造をより簡略化してメンテナンス性をより向上させることができる。また、本実施の形態では、冷凍機30として冷却ステージが2段式のものを用いた例で示したが、被冷却体40に必要な温度が比較的高温、例えば20K以上でよい場合には、
図1または
図3に示す第1ステージ32bのない単段の小型冷凍機を用いることもできる。
【符号の説明】
【0033】
100…循環冷却装置
10…真空容器
20…内容器
20a…頂面
20b…底面
30…冷凍機
32a…第1の蓄冷器
32b…第1の冷却ステージ
33a…第2の蓄冷器
33b…第2の冷却ステージ
35…伝熱フィン
40…被冷却体
50…冷却部
60…真空断熱管
70…寒剤循環回路
71…循環ポンプ
72…往路ライン
72a…上流往路ライン
72b…下流往路ライン
73…復路ライン
73a…上流復路ライン
73b…下流復路ライン
80、90…熱交換器
80a :パイプ体