(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る画像形成装置1の構成例を示す説明図である。
画像形成装置1は、例えば、印刷媒体などの記録媒体を搬送しながら画像形成等の各種処理を行うマルチファンクションプリンタ(MFP)である。画像形成装置1は、感光ドラムを帯電させ、感光ドラムに対して印刷用の画像データ(印刷データ)に応じた光を照射することにより、感光ドラムに潜像(静電潜像)を形成する。画像形成装置1は、感光ドラムに形成された潜像にトナー(現像剤)を付着させ、潜像に付着したトナーを印刷媒体に転写して印刷媒体上にトナー像を形成する。また、画像形成装置1は、トナー像が形成された印刷媒体を、ヒータによって高熱に熱された定着ローラによって挟み、印刷媒体上に形成されたトナー像を定着させる。
【0009】
また、画像形成装置1は、印刷媒体に照射された光の反射光をイメージセンサに結像させ、イメージセンサに蓄積された電荷を読み出しディジタル信号に変換することによって、印刷媒体の画像を取得する。
【0010】
画像形成装置1は、筐体11、原稿台12、スキャナ部13、自動原稿搬送部(ADF)14、給紙カセット15、排紙トレイ16、画像形成部17、搬送部18、主制御部19、及び電力変換装置20を備える。
【0011】
筐体11は、原稿台12、スキャナ部13、ADF14、給紙カセット15、排紙トレイ16、画像形成部17、搬送部18、主制御部19、及び電力変換装置20を保持する本体である。
【0012】
原稿台12は、原稿としての印刷媒体Pが載置される部分である。
【0013】
スキャナ部13は、主制御部19の制御に応じて、印刷媒体Pから画像を取得する。スキャナ部13は、イメージセンサ、光学素子、及び照明などを備える。
【0014】
イメージセンサは、光を電気信号(画像信号)に変換する画素がライン状に配列された撮像素子である。イメージセンサは、例えばCharge Coupled Device(CCD)、Complimentary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)、または他の撮像素子により構成される。
【0015】
光学素子は、所定の読取範囲からの光をイメージセンサの画素に結像させるものである。光学素子の読取範囲は、原稿台12上のライン状の領域である。光学素子は、原稿台12に置かれた印刷媒体Pによって反射した光をイメージセンサの画素に結像させる。
【0016】
照明は、印刷媒体Pに光を照射する。照明は、光源と、光源からの光を印刷媒体Pに照射させる導光体とを備える。照明は、光源から発せられた光を導光体によって光学素子の読取範囲を含む領域に照射する。
【0017】
原稿台12に印刷媒体Pが載置されている場合、スキャナ部13は、イメージセンサの画素の配列方向(主走査方向)と直交し、且つ原稿台12と平行な方向である副走査方向に図示されない駆動機構によって駆動される。スキャナ部13は、副走査方向に駆動されるとともに、イメージセンサにより連続的に1ラインずつ画像を取得することにより、原稿台12に置かれた印刷媒体Pの全体の画像データ(原稿画像データ)を取得する。
【0018】
ADF14は、印刷媒体Pを搬送する機構である。ADF14は、原稿台12上に開閉自在に設けられている。ADF14は、主制御部19の制御に応じて、トレイに配置された印刷媒体Pを取り込み、取り込んだ印刷媒体Pを原稿台12のガラス板に密着させつつ搬送する。
【0019】
ADF14により印刷媒体Pが搬送されている場合、スキャナ部13は、ADF14により印刷媒体Pが密着される位置と対向する位置に駆動される。スキャナ部13は、ADF14により搬送される印刷媒体Pからイメージセンサにより連続的に1ラインずつ画像を取得することにより、ADF14により搬送される印刷媒体Pの全体の画像データ(原稿画像データ)を取得する。
【0020】
給紙カセット15は、印刷媒体Pを収容するカセットである。給紙カセット15は、筐体11の外部から印刷媒体Pを供給可能に構成されている。例えば、給紙カセット15は、筐体11から引き出し可能に構成されている。
【0021】
排紙トレイ16は、画像形成装置1から排出された印刷媒体Pを支持するトレイである。
【0022】
画像形成部17は、主制御部19の制御に基づいて印刷媒体Pに画像を形成する。例えば、画像形成部17は、ドラムを帯電させ、帯電したドラムに印刷用の画像データ(印刷データ)に応じた潜像を形成し、ドラムに形成された潜像にトナーを付着させ、潜像に付着したトナーを印刷媒体Pに転写して印刷媒体P上に画像を形成する。画像形成部17は、例えば
図1に示されるようにドラム21、露光器22、現像器23、転写ベルト24、1対の転写ローラ25、及び1対の定着ローラ26を備える。
【0023】
ドラム21は、円筒状に形成された感光ドラムである。ドラム21は、転写ベルト24と接するように設けられている。ドラム21は、図示されない帯電チャージャによって表面が一様に帯電される。また、ドラム21は、図示しない駆動機構によって一定の速度で回転する。
【0024】
露光器22は、帯電したドラム21に静電潜像を形成する。露光器22は、印刷データに応じて発光素子などによりドラム21の表面にレーザ光を照射することによって、ドラム21の表面に静電潜像を形成する。露光器22は、発光部、及び光学素子を備える。
【0025】
発光部は、電気信号(画像信号)に応じて光を出射する発光素子がライン状に配列された構成を備える。発光部の発光素子は、帯電したドラム21に潜像を形成することが可能な波長の光を出射する。発光部から出射された光は、光学素子によってドラム21の表面に結像される。
【0026】
現像器23は、ドラム21に形成された静電潜像にトナー(現像剤)を付着させる。これにより、現像器23は、ドラム21の表面にトナーの像(トナー像)を形成する。
【0027】
なお、画像形成部17のドラム21、露光器22、及び現像器23は、例えば、シアン、マゼンダ、イエロー、及びブラック等の異なる色毎に設けられる。この場合、複数の現像器23は、それぞれ異なる色のトナーを保持する。
【0028】
転写ベルト24は、ドラム21の表面に形成されたトナー像を受け取り、印刷媒体Pに転写する為の部材である。転写ベルト24は、ローラの回転によって移動される。転写ベルト24は、ドラム21と接する位置において、ドラム21に形成されたトナー像を受け取り、受け取ったトナー像を1対の転写ローラ25に運ぶ。
【0029】
1対の転写ローラ25は、転写ベルト24と印刷媒体Pとを挟むように構成される。1対の転写ローラ25は、転写ベルト24上のトナー像を印刷媒体Pに転写する。
【0030】
1対の定着ローラ26は、印刷媒体Pを挟むように構成される。1対の定着ローラ26は、図示されないヒータにより熱される。1対の定着ローラ26は、熱された状態で、挟み込んだ印刷媒体Pに対して圧力を加えることにより、印刷媒体P上に形成されたトナー像を定着させる。即ち、1対の定着ローラ26は、トナー像を定着させることにより印刷媒体P上に画像を形成する。
【0031】
搬送部18は、印刷媒体Pを搬送する。搬送部18は、複数のガイドおよび複数のローラにより構成される搬送路と、搬送路による印刷媒体Pの搬送位置を検出するセンサとを備える。搬送路は、印刷媒体Pが搬送される経路である。搬送ローラは、主制御部19の制御に基づいて動作するモータによって回転されることで、印刷媒体Pを搬送路に沿って搬送する。また、複数のうちの一部のガイドは、主制御部19の制御に基づいて動作するモータによって回転されることによって、印刷媒体Pを搬送する搬送路を切り替える。
【0032】
搬送部18は、例えば
図1に示されるように取込ローラ31、給紙搬送路32、排紙搬送路33、及び反転搬送路34を備える。
【0033】
取込ローラ31は、給紙カセット15に収容されている印刷媒体Pを給紙搬送路32に取り込む。
【0034】
給紙搬送路32は、取込ローラ31により給紙カセット15から取り込まれた印刷媒体Pを画像形成部17に搬送する為の搬送路である。
【0035】
排紙搬送路33は、画像形成部17により画像が形成された印刷媒体Pを筐体11から排出する為の搬送路である。排紙搬送路33によって排出された印刷媒体Pは、排紙トレイ16に排出される。
【0036】
反転搬送路34は、画像形成部17により画像が形成された印刷媒体Pの表裏及び前後などを反転させた状態で印刷媒体Pを再度画像形成部17に供給する為の搬送路である。
【0037】
主制御部19は、画像形成装置1の制御を行う。主制御部19は、例えば、CPU、ROM、RAM、及び不揮発性メモリを備える。
【0038】
CPUは、演算処理を実行するプロセッサである。CPUは、ROMに記憶されているプログラムなどのデータに基づいて種々の処理を行う。CPUは、ROMに格納されているプログラムを実行することにより、種々の動作を実行可能な制御部として機能する。CPUは、印刷媒体Pに画像を形成させる為の印刷データを画像形成部17に入力する。また、CPUは、印刷媒体Pの搬送を指示する搬送制御信号を搬送部18に入力する。
【0039】
ROMは、読み出し専用の不揮発性メモリである。ROMは、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。
【0040】
RAMは、ワーキングメモリとして機能する揮発性のメモリである。RAMは、CPUの処理中のデータなどを一時的に格納する。また、RAMは、CPUが実行するプログラムを一時的に格納する。
【0041】
不揮発性メモリは、種々の情報を記憶可能な記憶媒体(記憶部)である。不揮発性メモリは、プログラム及びプログラムで用いられるデータなどを記憶する。不揮発性メモリは、例えば、ソリッドステイトドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、または他の記憶装置である。なお、不揮発性メモリの代わりに、メモリカードなどの記憶媒体を挿入可能なカードスロットなどのメモリI/Fが設けられていてもよい。
【0042】
CPUは、画像形成装置1の動作状態を切り替える。動作状態は、例えば、印刷媒体Pに対する画像の形成が可能なレディ状態、および所定の操作の入力を待機するスリープ状態などの状態である。
【0043】
電力変換装置20は、電力が供給される1次側と、電力を出力する2次側とを有する。1次側には、商用電源などの交流電源ACが接続される。2次側には、画像形成装置1の種々の構成である負荷Wが接続される。電力変換装置20は、交流電源ACから1次側に入力される交流電圧を、2次側に接続された負荷Wに供給する為の直流電圧に変換する電源回路である。
【0044】
図2は、電力変換装置20の構成について説明する為の回路図である。電力変換装置20は、直流電圧源41、絶縁トランス42、スイッチ回路43、整流平滑回路44、第1の放電回路45、及び第2の放電回路46を備える。また、電力変換装置20は、力率改善回路をさらに備える構成であってもよい。
【0045】
まず電力変換装置20の1次側の構成について説明する。
直流電圧源41は、交流電源ACから入力される交流電圧を全波整流し、直流電圧を後段の回路に供給する回路である。例えば、直流電圧源41は、整流ブリッジDB1及び第1の平滑用コンデンサC1を備える。
【0046】
整流ブリッジDB1は、複数のダイオードにより構成された全波整流回路(整流器)である。整流ブリッジDB1の入力端子は、交流電源ACに接続される。整流ブリッジDB1は、交流電源ACから供給された交流電圧を脈流化し、脈流化した正電圧を第1の平滑用コンデンサC1に供給する。
【0047】
第1の平滑用コンデンサC1は、整流ブリッジDB1の出力端子に接続される。第1の平滑用コンデンサC1は、整流ブリッジDB1から供給された脈流化された正電圧を平滑化する。第1の平滑用コンデンサC1は、並列に接続された回路に直流電圧を供給する。
【0048】
絶縁トランス42は、磁界を発生させる1次側の巻線(1次巻線)L1と、1次巻線L1と絶縁され且つ1次巻線L1に生じた磁界により励磁される2次側の巻線(2次巻線)L2とを有する。
【0049】
スイッチ回路43は、半導体スイッチである。スイッチ回路43は、例えばn型チャネルFETである。
【0050】
絶縁トランス42の1次巻線L1、スイッチ回路43のドレイン端子、及びスイッチ回路43のソース端子は、直列に接続される。具体的には、1次巻線L1の一方の端子は、第1の平滑用コンデンサC1に接続され、1次巻線L1の他方の端子は、スイッチ回路43のドレイン端子に接続され、スイッチ回路43のソース端子は、コンデンサC1の低電位側に接続され、スイッチ回路43のゲート端子は、図示されない制御回路に接続されている。
【0051】
スイッチ回路43は、ドレイン端子−ソース端子間を導通させる導通状態(オン状態)と、ドレイン端子−ソース端子間を非導通にする非導通状態(オフ状態)とを制御回路からゲート端子に入力される制御信号に基づいて切り替える。
【0052】
制御回路は、制御信号として例えば高周波のパルス信号をスイッチ回路43のゲート端子に入力する。これにより、制御回路は、スイッチ回路43のオン状態とオフ状態とを高速に切り替える。この結果、第1の平滑用コンデンサC1の電位によって、絶縁トランス42の1次巻線L1に高周波パルスが供給され、1次巻線L1により磁界が発生する。
【0053】
上記の様に、スイッチ回路43は、直流電圧を高周波パルスに変換するフライバックコンバータとして機能する。なお、スイッチ回路43は、第1の平滑用コンデンサC1の電位によって、絶縁トランス42の1次巻線L1に高周波パルスを供給するハーフブリッジコンバータ、またはフルブリッジコンバータなどの他のコンバータ回路として構成されていてもよい。
【0054】
次に電力変換装置20の2次側の構成について説明する。
絶縁トランス42の2次巻線L2は、1次巻線L1により発生した磁界に応じて励磁され、電力を生成する。2次巻線L2には、1次巻線L1と2次巻線L2との巻き数の比に応じた電圧が発生する。
【0055】
整流平滑回路44は、2次巻線L2に生じた電力を整流及び平滑化する回路である。整流平滑回路44は、整流ダイオードD4、及び第2の平滑用コンデンサC2を有する。
【0056】
整流ダイオードD4は、アノードが2次巻線L2に接続され、カソードが第2の平滑用コンデンサC2に接続されている。整流ダイオードD4は、2次巻線L2に生じた電流を整流し、第2の平滑用コンデンサC2に供給する。
【0057】
第2の平滑用コンデンサC2は、整流ダイオードD4から供給された正電圧を平滑化する。第2の平滑用コンデンサC2は、並列に接続された回路に直流電圧を供給する。本例では、第2の平滑用コンデンサC2には、負荷Wが接続されている。第2の平滑用コンデンサC2は、平滑化した直流電圧を負荷Wに供給する。
【0058】
第1の放電回路45は、抵抗R1、抵抗R2、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、第1の放電抵抗R6、ダイオードD1、ダイオードD2、ダイオードD3、フォトカプラPC1、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2、及びコンデンサC3を備える。
【0059】
抵抗R1は、一方の端子が交流電源ACに接続され、他方の端子がダイオードD1のアノードに接続されている。抵抗R2は、一方の端子が交流電源ACの抵抗R1が接続されている端子とは別の端子に接続され、他方の端子がダイオードD2のアノードに接続されている。ダイオードD1及びダイオードD2のカソードは、互いに接続点Mで接続されている。また、接続点Mには、抵抗R3の一方の端子が接続されている。
【0060】
フォトカプラPC1は、発光ダイオードLED及びフォトトランジスタPTなどを備える。フォトカプラPC1は、発光ダイオードLEDのアノードからカソードに電流が流れ、発光ダイオードLEDが発光した場合、フォトトランジスタPTに光が入射し、フォトトランジスタPTのコレクタ−エミッタ間が導通する。
【0061】
フォトカプラPC1は、発光ダイオードLEDのアノードが抵抗R3の他方の端子に接続されている。また、フォトカプラPC1の発光ダイオードLEDのカソードには、抵抗R4、コンデンサC3、及びダイオードD3のアノードがそれぞれ並列に接続点Nで接続されている。抵抗R4及びコンデンサC3は、フォトカプラPC1の発光ダイオードLEDのカソードとコンデンサC1の低電位側との間に接続されている。
【0062】
スイッチ素子Q1及びスイッチ素子Q2は、半導体スイッチであり、例えばnpn型トランジスタである。スイッチ素子Q1及びスイッチ素子Q2は、n型MOSFETであってもよい。
【0063】
スイッチ素子Q1のベース端子(制御端子)は、ダイオードD3のカソードに接続されている。スイッチ素子Q1のエミッタは、コンデンサC1の低電位側に接続されている。スイッチ素子Q1のコレクタは、スイッチ素子Q2のベース端子(制御端子)に接続されている。また、スイッチ素子Q1のコレクタは、抵抗R5を介して第1の平滑用コンデンサC1に接続されている。即ち、抵抗R5は、一方の端子が第1の平滑用コンデンサC1と直流電圧源41の出力端子との間に接続され、他方の端子がスイッチ素子Q1のコレクタとスイッチ素子Q2のベース端子との間に接続されている。
【0064】
スイッチ素子Q2のエミッタは、コンデンサC1の低電位側に接続されている。スイッチ素子Q2のコレクタは、第1の放電抵抗R6を介して第1の平滑用コンデンサC1に接続されている。
【0065】
第1の放電抵抗R6は、第1の平滑用コンデンサC1に蓄積された電荷を放電する為の抵抗である。第1の放電抵抗R6は、抵抗R5に比べて抵抗値が低い抵抗である。第1の放電抵抗R6は、一方の端子が第1の平滑用コンデンサC1と直流電圧源41の出力端子との間に接続され、他方の端子がスイッチ素子Q2のコレクタに接続されている。
【0066】
第2の放電回路46は、抵抗R7、抵抗R8、第2の放電抵抗R9、フォトカプラPC1、スイッチ素子Q3、及びコンデンサC4を備える。
【0067】
抵抗R7は、一方の端子が整流平滑回路44の出力端子に接続され、他方の端子が接続点Jに接続されている。接続点Jには、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPTのコレクタ、コンデンサC4、抵抗R8、及びスイッチ素子Q3のゲート端子(制御端子)がそれぞれ並列に接続されている。即ち、抵抗R7の他方の端子には、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPTのコレクタ、コンデンサC4、抵抗R8、及びスイッチ素子Q3のゲート端子が接続点Jでそれぞれ並列に接続されている。なお、抵抗R8及びコンデンサC4は、接続点JとGNDとの間に接続されている。
【0068】
上記したように、フォトカプラPC1は、発光ダイオードLEDが第1の放電回路45に設けられており、フォトトランジスタPTが第2の放電回路46に設けられている。フォトトランジスタPTのエミッタは、GNDに接続されている。フォトトランジスタPTは、発光ダイオードLEDが発光している間、コレクタ−エミッタ間を導通させる。
【0069】
スイッチ素子Q3は、半導体スイッチであり、例えばn型MOSFETである。スイッチ素子Q3は、npn型トランジスタであってもよい。
【0070】
スイッチ素子Q3のゲートは、接続点Jに接続されている。スイッチ素子Q3のソースは、GNDに接続されている。スイッチ素子Q3のドレインは、第2の放電抵抗R9を介して整流平滑回路44の出力端子に接続されている。
【0071】
第2の放電抵抗R9は、第2の平滑用コンデンサC2に蓄積された電荷を放電する為の抵抗である。第2の放電抵抗R9は、抵抗R7に比べて抵抗値が低い抵抗である。第2の放電抵抗R9は、一方の端子が第2の平滑用コンデンサC2と負荷Wが接続される出力端子との間に接続され、他方の端子がスイッチ素子Q3のドレインに接続されている。
【0072】
次に、電力変換装置20の第1の放電回路45、及び第2の放電回路の動作について説明する。
図3は、電力変換装置20の動作について説明する為のタイミングチャートである。第1のグラフ51は、交流電源ACから供給される交流電圧を示す。第2のグラフ52は、直流電圧源41の整流ブリッジDB1により脈流化された脈流電圧を示す。第3のグラフ53は、第1の平滑用コンデンサC1に蓄積された電荷を示す。第4のグラフ54は、スイッチ素子Q1のオンオフのタイミングを示す。第5のグラフ55は、スイッチ素子Q2のオンオフのタイミングを示す。第6のグラフ56は、フォトカプラPC1のオンオフのタイミング(即ち発光ダイオードLEDの発行のタイミング及びフォトトランジスタPTのコレクタ−エミッタ間が導通するタイミング)を示す。第7のグラフ57は、第2の平滑用コンデンサC2に蓄積された電荷を示す。第8のグラフ58は、スイッチ素子Q3のオンオフのタイミングを示す。また、タイミングt1において、交流電源ACからの交流電圧の供給が開始され、タイミングt2において、交流電源ACからの交流電圧の供給が断たれ、タイミングt3において、第1の平滑用コンデンサC1及び第2の平滑用コンデンサC2の電荷が全て放電されると仮定して説明する。
【0073】
まず、タイミングt1において、交流電源ACからの交流電圧の供給が開始されると、逐次直流電圧源41の整流ブリッジDB1によって脈流電圧が生成される。第1の平滑用コンデンサC1は、脈流電圧によって電荷が蓄積された状態になる。
【0074】
第1の放電回路45では、交流電源ACから供給される交流電圧によって、接続点M、抵抗R3、フォトカプラPC1の発光ダイオードLED、ダイオードD3、スイッチ素子Q1のベースの順に電流が流れる。これにより、フォトカプラPC1の発光ダイオードLEDが発光するとともに、スイッチ素子Q1がオン状態になる。
【0075】
スイッチ素子Q1がオン状態になると、直流電圧源41の出力端子から抵抗R5を介して流れる電流が、スイッチ素子Q2のベースではなくスイッチ素子Q1のコレクタに流れる。これにより、スイッチ素子Q2がオフ状態になる。このように、交流電源ACから交流電圧が供給されている間は、スイッチ素子Q2がオフ状態となり、第1の放電抵抗R6に電流が流れない。
【0076】
また、フォトカプラPC1の発光ダイオードLEDが発光を続けている間、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPTのコレクタ−エミッタ間が導通状態になる。この為、第2の放電回路46では、第2の平滑用コンデンサC2の電位によって、第2の平滑用コンデンサC2、抵抗R7、接続点J、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPTのコレクタ、フォトトランジスタPTのエミッタ、GNDの順に電流が流れる。これにより、スイッチ素子Q3がオフ状態になる。このように、交流電源ACから交流電圧が供給されている間は、スイッチ素子Q3がオフ状態となり、第2の放電抵抗R9に電流が流れない。
【0077】
次に、タイミングt2において、交流電源ACからの交流電圧の供給が断たれると、直流電圧源41の出力である脈流電圧が断たれる。交流電源ACからの交流電圧の供給が断たれた直後は、第1の平滑用コンデンサC1に電荷が残った状態となっている。
【0078】
第1の放電回路45では、交流電源ACから交流電圧が供給されない為、フォトカプラPC1及びスイッチ素子Q1のベースに電流が流れない。これにより、フォトカプラPC1の発光ダイオードLEDが消灯し、スイッチ素子Q1がオフ状態になる。
【0079】
スイッチ素子Q1がオフ状態になると、第1の平滑用コンデンサC1から抵抗R5を介して流れる電流が、スイッチ素子Q1のコレクタではなくスイッチ素子Q2のベースに流れる。これにより、スイッチ素子Q2がオン状態になる。スイッチ素子Q2がオン状態になると、第1の平滑用コンデンサC1の電位によって、第1の平滑用コンデンサC1、第1の放電抵抗R6、スイッチ素子Q2のコレクタ、スイッチ素子Q2のエミッタ、コンデンサC1の低電位側の順に電流が流れる。この結果、第1の放電抵抗R6によって第1の平滑用コンデンサC1に残った電荷が放電される。
【0080】
また、フォトカプラPC1の発光ダイオードLEDが消灯した場合、フォトカプラPC1のフォトトランジスタPTのコレクタ−エミッタ間が非導通状態になる。この為、第2の放電回路46では、第2の平滑用コンデンサC2の電位によって、第2の平滑用コンデンサC2、抵抗R7、接続点J、スイッチ素子Q3のゲートの順に電流が流れる。これにより、スイッチ素子Q3がオン状態になる。スイッチ素子Q3がオン状態になると、第2の平滑用コンデンサC2の電位によって、第2の平滑用コンデンサC2、第2の放電抵抗R9、スイッチ素子Q3のドレイン、スイッチ素子Q3のソース、GNDの順に電流が流れる。この結果、第2の放電抵抗R9によって第2の平滑用コンデンサC2に残った電荷が放電される。
【0081】
次に、タイミングt3において、第1の平滑用コンデンサC1の電荷が全て放電されると、第1の平滑用コンデンサC1から抵抗R5を介してスイッチ素子Q2のベースに流れる電流が無くなる。これにより、スイッチ素子Q2がオフ状態になる。この結果、第1の放電抵抗R6が開放される。
【0082】
また、第2の平滑用コンデンサC2の電荷が全て放電されると、第2の平滑用コンデンサC2から抵抗R7を介してスイッチ素子Q3のゲートに流れる電流が無くなる。これにより、スイッチ素子Q3がオフ状態になる。この結果、第2の放電抵抗R9が開放される。
【0083】
上記したように、電力変換装置20は、交流電源ACを脈流化する整流ブリッジDB1と、脈流電圧を平滑化する第1の平滑用コンデンサC1と、第1の平滑用コンデンサC1に接続された一次巻線L1と、第1の平滑用コンデンサC1から1次巻線L1に供給される直流電圧をスイッチングするスイッチ回路43と、第1の平滑用コンデンサC1に蓄積された電荷を放電する第1の放電回路45とを備える。第1の放電回路45は、第1の平滑用コンデンサC1に残った電荷を放電させる第1の放電抵抗R6と、交流電源ACから交流電圧が供給されている場合、第1の平滑用コンデンサC1から第1の放電抵抗R6を開放し、交流電源ACから交流電圧が供給されておらず且つ第1の平滑用コンデンサC1に電荷が残っている場合、第1の平滑用コンデンサC1に第1の放電抵抗R6を接続するスイッチ素子Q2とを備える。
【0084】
このような構成によると、第1の放電回路45は、交流電源ACからの交流電圧の供給が断たれた場合、第1の平滑用コンデンサC1に第1の放電抵抗R6を接続することにより、第1の平滑用コンデンサC1の電荷を放電させる為の電流経路を形成する。これにより、第1の放電回路45は、交流電源ACからの交流電圧の供給が断たれた際に第1の平滑用コンデンサC1に残る電荷を放電させることができる。また、交流電源ACから交流電圧が供給されている場合、第1の平滑用コンデンサC1から第1の放電抵抗R6が開放されている為、電力変換装置20は、電源動作時に第1の放電抵抗R6による損失が発生することを防ぐことができる。
【0085】
また、電力変換装置20は、1次巻線L1に生じた磁界により励磁される2次巻線L2と、2次巻線L2に生じた電圧を平滑化する第2の平滑用コンデンサC2と、第2の放電回路46とを備える。第2の放電回路46は、第2の平滑用コンデンサC2に残った電荷を放電させる第2の放電抵抗R9と、1次側において交流電源ACから交流電圧が供給されている場合、第2の平滑用コンデンサC2から第2の放電抵抗R9を開放し、交流電源ACから交流電圧が供給されておらず且つ第2の平滑用コンデンサC2に電荷が残っている場合、第2の平滑用コンデンサC2に第2の放電抵抗R9を接続するスイッチ素子Q3とを備える。
【0086】
このような構成によると、第2の放電回路46は、交流電源ACからの交流電圧の供給が断たれた場合、第2の平滑用コンデンサC2に第2の放電抵抗R9を接続することにより、第2の平滑用コンデンサC2の電荷を放電させる為の電流経路を形成する。これにより、第2の放電回路46は、交流電源ACからの交流電圧の供給が断たれた際に第2の平滑用コンデンサC2に残る電荷を放電させることができる。また、交流電源ACから交流電圧が供給されている場合、第2の平滑用コンデンサC2から第2の放電抵抗R9が開放されている為、電力変換装置20は、電源動作時にから第2の放電抵抗R9による損失が発生することを防ぐことができる。
【0087】
また、第1の放電回路45及び第2の放電回路46は、発光ダイオードLEDと、発光ダイオードLEDが発光している間導通状態になるフォトトランジスタPTを備えるフォトカプラPC1を備える。発光ダイオードLEDは、第1の放電回路45に設けられ、交流電源ACから交流電圧が供給されている間発光する。フォトトランジスタPTは、第2の放電回路46に設けられ、発光ダイオードLEDから光を受光している間導通する。フォトトランジスタPTは、オン状態である場合、スイッチ素子Q3の制御端子をGNDに接続させ、オフ状態である場合、スイッチ素子Q3の制御端子をGNDから開放する。スイッチ素子Q3の制御端子がGNDから開放されている場合、スイッチ素子Q3は、第2の平滑用コンデンサC2の電位によってオンされ、第2の平滑用コンデンサC2に第2の放電抵抗R9を接続する。
【0088】
このような構成によると、第2の放電回路46は、1次側と絶縁した状態で、1次側における交流電源ACからの交流電圧の供給に応じて第2の平滑用コンデンサC2に第2の放電抵抗R9を接続することができる。
【0089】
また、第1の放電回路45は、第1の平滑用コンデンサC1とスイッチ素子Q2との間に接続され、且つ第1の放電抵抗R6に比べて抵抗値が大きい抵抗R5と、交流電源ACからの交流電圧によってオン状態になった場合にスイッチ素子Q2の制御端子をコンデンサC1の低電位側に接続し、オフ状態である場合にスイッチ素子Q2の制御端子をコンデンサC1の低電位側から開放するスイッチ素子Q1をさらに備える。
【0090】
このように構成によると、放電時に抵抗R5ではなく第1の放電抵抗R6で第1の平滑用コンデンサC1に残った電荷が放電されるよう制御することができる。
【0091】
なお、上記の実施形態では、第1の放電回路45は、抵抗R1、ダイオードD1、抵抗R2、及びダイオードD2により交流電圧を脈流電圧に変換し、フォトカプラPC1及びスイッチ素子Q1の制御端子に供給する構成として説明したが、この構成に限定されない。第1の放電回路45は、
図4に示されるように、抵抗R1、ダイオードD1、抵抗R2、及びダイオードD2の代わりに、整流ブリッジを備える構成であってもよい。
【0092】
図4は、電力変換装置20の変形例である電力変換装置20Aの構成例について説明する為の説明図である。なお、電力変換装置20と同様の構成には、同じ参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0093】
電力変換装置20Aは、直流電圧源41、絶縁トランス42、スイッチ回路43、整流平滑回路44、第1の放電回路45A、及び第2の放電回路46を備える。
【0094】
第1の放電回路45Aは、整流ブリッジDB2、抵抗R3、抵抗R4、抵抗R5、第1の放電抵抗R6、ダイオードD3、フォトカプラPC1、スイッチ素子Q1、スイッチ素子Q2、及びコンデンサC3を備える。
【0095】
整流ブリッジDB2は、複数のダイオードにより構成された全波整流回路(整流器)である。整流ブリッジDB2の入力端子は、交流電源ACに接続される。整流ブリッジDB2は、交流電源ACから供給された交流電圧を脈流化し、脈流化した正電圧を抵抗R3を介してフォトカプラPC1のアノードに供給する。
【0096】
このような構成によると、第1の放電回路45と同様に、交流電源ACから供給される交流電圧によって、整流ブリッジDB2、抵抗R3、フォトカプラPC1の発光ダイオードLED、ダイオードD3、スイッチ素子Q1のベースの順に電流が流れる。これにより、フォトカプラPC1の発光ダイオードLEDが発光するとともに、スイッチ素子Q1がオン状態になる。このように、第1の放電回路45Aは、第1の放電回路45と同様の効果を実現することができる。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
交流電圧を脈流化する整流ブリッジと、
脈流電圧を平滑化する第1の平滑用コンデンサと、
前記第1の平滑用コンデンサに接続された一次巻線と、
前記第1の平滑用コンデンサから前記1次巻線に供給される直流電圧をスイッチングするスイッチ回路と、
前記第1の平滑用コンデンサに残った電荷を放電させる第1の放電抵抗と、前記交流電圧が供給されている場合、前記第1の平滑用コンデンサから前記第1の放電抵抗を開放し、前記交流電圧が供給されておらず且つ前記第1の平滑用コンデンサに電荷が残っている場合、前記第1の平滑用コンデンサに前記第1の放電抵抗を接続する第1のスイッチ素子とを有する第1の放電回路と、
を具備する電力変換装置。
[C2]
前記1次巻線に生じた磁界により励磁される2次巻線と、
前記2次巻線に生じた電圧を平滑化する第2の平滑用コンデンサと、
前記第2の平滑用コンデンサに残った電荷を放電させる第2の放電抵抗と、前記交流電圧が供給されている場合、前記第2の平滑用コンデンサから前記第2の放電抵抗を開放し、前記交流電圧が供給されておらず且つ前記第2の平滑用コンデンサに電荷が残っている場合、前記第2の平滑用コンデンサに前記第2の放電抵抗を接続する第2のスイッチ素子とを有する第2の放電回路と、
をさらに具備する請求項1に記載の電力変換装置。
[C3]
前記第1の放電回路は、前記交流電圧が供給されている間発光する発光ダイオードをさらに有し、
前記第2の放電回路は、前記発光ダイオードが発光している間導通状態になるフォトトランジスタをさらに有し、
第2のスイッチ素子は、制御端子が前記第2の平滑用コンデンサに接続され、
前記フォトトランジスタは、オン状態である場合、前記第2のスイッチ素子の制御端子をGNDに接続させ、オフ状態である場合、前記第2のスイッチ素子の制御端子をGNDから開放する請求項2に記載の電力変換装置。
[C4]
第1のスイッチ素子は、制御端子が前記第1の平滑用コンデンサに接続され、
前記第1の放電回路は、前記交流電圧によってオン状態になり、オン状態である場合、前記第1のスイッチ素子の制御端子を前記第1の平滑用コンデンサの低電位側に接続させ、オフ状態である場合、前記第1のスイッチ素子の制御端子を前記第1の平滑用コンデンサの低電位側から開放する第3のスイッチ素子をさらに具備する請求項1に記載の電力変換装置。
[C5]
印刷媒体に画像を形成する画像形成部と、
交流電圧を脈流化する整流ブリッジと、
脈流電圧を平滑化する第1の平滑用コンデンサと、
前記第1の平滑用コンデンサに接続された一次巻線と、
前記第1の平滑用コンデンサから前記1次巻線に供給される直流電圧をスイッチングするスイッチ回路と、
前記1次巻線に生じた磁界により励磁される2次巻線と、
前記2次巻線に生じた電圧を平滑化し、電力を前記画像形成部に供給する第2の平滑用コンデンサと、
前記第1の平滑用コンデンサに残った電荷を放電させる第1の放電抵抗と、前記交流電圧が供給されている場合、前記第1の平滑用コンデンサから前記第1の放電抵抗を開放し、前記交流電圧が供給されておらず且つ前記第1の平滑用コンデンサに電荷が残っている場合、前記第1の平滑用コンデンサに前記第1の放電抵抗を接続する第1のスイッチ素子とを有する第1の放電回路と、
前記第2の平滑用コンデンサに残った電荷を放電させる第2の放電抵抗と、前記交流電圧が供給されている場合、前記第2の平滑用コンデンサから前記第2の放電抵抗を開放し、前記交流電圧が供給されておらず且つ前記第2の平滑用コンデンサに電荷が残っている場合、前記第2の平滑用コンデンサに前記第2の放電抵抗を接続する第2のスイッチ素子とを有する第2の放電回路と、
を具備する画像形成装置。