(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987647
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】スイッチアセンブリ及び車両ランプ調整装置
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/072 20060101AFI20211220BHJP
【FI】
B60Q1/072
【請求項の数】15
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-2350(P2018-2350)
(22)【出願日】2018年1月11日
(65)【公開番号】特開2018-138454(P2018-138454A)
(43)【公開日】2018年9月6日
【審査請求日】2020年12月17日
(31)【優先権主張番号】201710019105.5
(32)【優先日】2017年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ハサン コウロウ
(72)【発明者】
【氏名】ジュンソン リ
【審査官】
田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭52−157145(JP,U)
【文献】
特開2010−165566(JP,A)
【文献】
特開昭61−202945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/072
H01H 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ランプ制御アセンブリを調整するためのスイッチアセンブリを備え、
前記スイッチアセンブリは、ハウジングと、互いにねじ付けられる駆動部材及び従動子とを備え、
前記駆動部材は、前記ハウジングに対して相対的に回転可能であり、前記従動子が、前記駆動部材の異なる回転方向によって駆動されると、前記従動子は、前記ハウジングの制約のもとで、異なる方向に移動されて、車両ランプを調整し、
前記スイッチアセンブリは、更に、前記ハウジングと前記駆動部材との間に連結されるエネルギ蓄積部材を備え、前記駆動部材が異なる方向に回転すると、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの蓄積及び放出をそれぞれ行う、
ことを特徴とする車両ランプ調整装置。
【請求項2】
前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの2つの端部は、それぞれ、前記ハウジング及び前記駆動部材に取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項3】
前記従動子は、2つの反対方向に移動し、前記従動子が受ける予備負荷力は、それに応じて増減し、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの放出及び蓄積をそれぞれ行い、前記予備負荷力の変化を相殺して、前記駆動部材の駆動力のバランスをとるようになっていることを特徴とする、請求項1に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項4】
前記駆動部材は、更に、ローラを備え、前記ローラは、内壁を含み、前記ローラの前記内壁は、めねじを有し、前記従動子は、おねじを有し、前記従動子は、前記ローラに収容され、前記おねじを介して、前記めねじと噛合することを特徴とする、請求項1に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項5】
前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ねじりばねは、前記ローラの一端に位置し、前記ねじりばねの2つの端部は、それぞれ、前記ローラ及び前記ハウジングに取り付けられることを特徴とする、請求項4に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項6】
前記駆動部材は、更に、前記ローラと同心に固定される回転軸を備え、前記車両ランプ調整装置は、更に、前記回転軸を駆動するためのつまみを備えることを特徴とする、請求項4に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項7】
前記従動子は、外方に延在する位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記ハウジングと協働して、前記従動子が、前記ハウジングに対して相対的に回転するのを防止することを特徴とする、請求項1に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項8】
前記位置決め部は、スライドスロットを有し、前記ハウジングは、前記スライドスロットと一致するスライドレールを有することを特徴とする、請求項7に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項9】
前記車両ランプ調整装置は、更に、前記従動子に連結されるケーブルを備え、前記従動子は、前記ケーブルを介して、車両ランプを調整することを特徴とする、請求項1に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項10】
前記従動子は、前記ケーブルによって加えられる予備負荷力を受け、前記従動子が、2つの反対方向に移動すると、前記予備負荷力は、それに応じて増減し、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの放出及び蓄積をそれぞれ行うことを特徴とする、請求項9に記載の車両ランプ調整装置。
【請求項11】
ハウジングと、
互いにねじ付けられる駆動部材及び従動子と、
を備えるスイッチアセンブリであって、
前記駆動部材は、前記ハウジングに対して相対的に回転可能であり、前記従動子が、前記駆動部材の異なる回転方向によって駆動されると、前記従動子は、前記ハウジングの制約のもとで、異なる方向に移動されて、車両ランプを調整し、
前記スイッチアセンブリは、更に、前記ハウジングと前記駆動部材との間に連結されるエネルギ蓄積部材を備え、前記駆動部材が異なる方向に回転すると、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの蓄積及び放出をそれぞれ行う、
ことを特徴とするスイッチアセンブリ。
【請求項12】
前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの2つの端部は、それぞれ、前記ハウジング及び前記駆動部材に取り付けられ、前記従動子が、2つの反対方向に移動すると、前記従動子が受ける予備負荷力は、それに応じて増減し、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの放出及び蓄積をそれぞれ行い、前記予備負荷力の変化を相殺して、前記駆動部材の駆動力のバランスをとるようになっていることを特徴とする、請求項11に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項13】
前記駆動部材は、更に、ローラを備え、前記ローラは、内壁を含み、前記ローラの前記内壁は、めねじを有し、前記従動子は、おねじを有し、前記従動子は、前記ローラに収容され、前記おねじを介して、前記めねじと噛合し、前記従動子は、外方に延在する位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記ハウジングと協働して、前記従動子が、前記ハウジングに対して相対的に回転するのを防止することを特徴とする、請求項11に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項14】
前記位置決め部は、スライドスロットを有し、前記ハウジングは、前記スライドスロットと一致するスライドレールを有することを特徴とする、請求項13に記載のスイッチアセンブリ。
【請求項15】
前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ハウジング及び前記駆動部材の一方は、前記ねじりばねを収容するための収容溝を有することを特徴とする、請求項13に記載のスイッチアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本開示は、スイッチアセンブリ及びスイッチアセンブリを用いる車両ランプ調整装置に関する。この車両ランプ調整装置は、特に、輪郭ライト、ハイビームライト、ロービームライトなどの車両ランプの異なるギア位置を調整するのに適している。
【背景技術】
【0002】
[0003] 現在、車両ランプとして、輪郭ライト、ハイビームライト及びロービームライト等がある。ユーザは、車両ランプのつまみを回して、対応するランプを制御することができる。つまみは、通常、いくつかのギアを含み、例えば、ゼロギアから第1のギア、第2のギア、第3のギアの順にシフトし、第3のギアから第2のギア、第1のギア、ゼロギアの順にリセットする。
【0003】
[0004] しかしながら、スイッチアセンブリの使用時に、予備負荷力が、システムのスイッチアセンブリの従動子に加えられ、予備負荷力は、ユーザがつまみを異なる方向に回すにつれて、増減する。その結果、ユーザが必要とする駆動力は、異なる方向に回転するとき、大きく変化し、これにより、ユーザ体験に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0005] したがって、改良されたスイッチアセンブリが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006] 一態様では、本開示は、車両ランプ調整装置を提供するものである。この車両ランプ調整装置は、車両ランプ制御アセンブリを調整するためのスイッチアセンブリを含み、前記スイッチアセンブリは、ハウジングと、互いにねじ付けられる駆動部材及び従動子とを含み、前記駆動部材は、前記ハウジングに対して相対的に回転可能であり、前記従動子が、前記駆動部材の異なる回転方向によって駆動されると、前記従動子は、前記ハウジングの制約のもとで、異なる方向に移動されて、車両ランプを調整し、前記スイッチアセンブリは、更に、前記ハウジングと前記駆動部材との間に連結されるエネルギ蓄積部材を含み、前記駆動部材が異なる方向に回転すると、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの蓄積及び放出をそれぞれ行う。
【0006】
[0007] 前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの2つの端部は、それぞれ、前記ハウジング及び前記駆動部材に取り付けられることが好ましい。
【0007】
[0008] 前記従動子は、2つの反対方向に移動し、前記従動子が受ける予備負荷力は、それに応じて増減し、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの放出及び蓄積をそれぞれ行い、前記予備負荷力の変化を相殺して、前記駆動部材の駆動力のバランスをとるようになっていることが好ましい。
【0008】
[0009] 前記駆動部材は、更に、ローラを含み、前記ローラは、内壁を含み、前記ローラの前記内壁は、めねじを有し、前記従動子は、おねじを有し、前記従動子は、前記ローラに収容され、前記おねじを介して、前記めねじと噛合することが好ましい。
【0009】
[0010] 前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ねじりばねは、前記ローラの一端に位置し、前記ねじりばねの2つの端部は、それぞれ、前記ローラ及び前記ハウジングに取り付けられることが好ましい。
【0010】
[0011] 前記駆動部材は、更に、前記ローラと同心に固定される回転軸を含み、前記車両ランプ調整装置は、更に、前記回転軸を駆動するためのつまみを含むことが好ましい。
【0011】
[0012] 前記従動子は、外方に延在する位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記ハウジングと協働して、前記従動子が、前記ハウジングに対して相対的に回転するのを防止することが好ましい。
【0012】
[0013] 前記位置決め部は、スライドスロットを有し、前記ハウジングは、前記スライドスロットと一致するスライドレールを有することが好ましい。
【0013】
[0014] 前記車両ランプ調整装置は、更に、前記従動子に連結されるケーブルを含み、前記従動子は、前記ケーブルを介して、車両ランプを調整することが好ましい。
【0014】
[0015] 前記従動子は、前記ケーブルによって加えられる予備負荷力を受け、前記従動子が、2つの反対方向に移動すると、前記予備負荷力は、それに応じて増減し、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの放出及び蓄積をそれぞれ行うことが好ましい。
【0015】
[0016] 第2の態様では、本開示は、ハウジングと、駆動部材と、従動子とを含むスイッチアセンブリを提供するものである。前記駆動部材は、前記ハウジングに対して相対的に回転可能であり、前記従動子が、前記駆動部材の異なる回転方向によって駆動されると、前記従動子は、前記ハウジングの制約のもとで、異なる方向に移動されて、車両ランプを調整し、前記スイッチアセンブリは、更に、前記ハウジングと前記駆動部材との間に連結されるエネルギ蓄積部材を含み、前記駆動部材が異なる方向に回転すると、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの蓄積及び放出をそれぞれ行う。
【0016】
[0017] 前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ねじりばねの2つの端部は、それぞれ、前記ハウジング及び前記駆動部材に取り付けられ、前記従動子が、2つの反対方向に移動すると、前記従動子が受ける予備負荷力は、それに応じて増減し、前記エネルギ蓄積部材は、エネルギの放出及び蓄積をそれぞれ行い、前記予備負荷力の変化を相殺して、前記駆動部材の駆動力のバランスをとるようになっていることが好ましい。
【0017】
[0018] 前記駆動部材は、更に、ローラを含み、前記ローラは、内壁を含み、前記ローラの前記内壁は、めねじを有し、前記従動子は、おねじを有し、前記従動子は、前記ローラに収容され、前記おねじを介して、前記めねじと噛合し、前記従動子は、外方に延在する位置決め部を有し、前記位置決め部は、前記ハウジングと協働して、前記従動子が、前記ハウジングに対して相対的に回転するのを防止することが好ましい。
【0018】
[0019] 前記位置決め部は、スライドスロットを有し、前記ハウジングは、前記スライドスロットと一致するスライドレールを有することが好ましい。
【0019】
[0020] 前記エネルギ蓄積部材は、ねじりばねであり、前記ハウジング及び前記駆動部材の一方は、前記ねじりばねを収容するための収容溝を有することが好ましい。
【0020】
[0021] 上記に鑑みて、例えば、車両ランプ調整装置の予備負荷力のシステムにおいて、このスイッチアセンブリを用いると、エネルギ蓄積部材は、予備負荷力の変化をある程度相殺することにより、異なる回転方向の駆動力の大きさのバランスをとり、ユーザ体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の一実施形態によるスイッチアセンブリの概略図である。
【
図3】
図2の駆動部材、従動子及びエネルギ蓄積部材の概略図である。
【
図4】本開示の一実施形態による車両ランプ調整装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[0022] ここで、添付図面の図を参照して、単なる例示として本開示の実施形態を説明する。図において、複数の図に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般に、それらが現れる全ての図において同じ符号で表記される。図内に示される構成部品及び特徴部の寸法は、一般に、便宜のため及び提示の明確さのために選択されたものであり、必ずしも縮尺通りではない。
【0023】
[0027] 以下、図面を参照して、本開示の実施形態について、更に詳細に説明する。各図は、限定的なものではなく、例示的なものであることに留意されたい。各図は、縮尺通りではなく、説明された実施形態の全ての態様を示すわけではなく、本開示の範囲を限定するものではない。
【0024】
[0028] 説明を簡単にするため、ここでは、「内方」や「外方」などの空間的な用語を用いて、各図に示される構成部品又は特徴部と他の要素又は特徴部との間の関係を説明することができる。「駆動部材」や「従動子」などの構成部品は、異なる方向に向けることができ、ここで用いられる空間的な相対関係についての説明は、それに応じて解釈すべきである。
【0025】
[0029]
図1、
図2及び
図3は、本開示の一実施形態のスイッチアセンブリ100を示す。スイッチアセンブリ100は、ハウジング20、駆動部材30及び従動子60を含む。ハウジング20は、円筒状であり、好ましくは近似的にラッパ状である。駆動部材30は、同心に固定される回転軸32及びローラ40を含む。駆動部材30は、ハウジング20に回転可能に取り付けられる。ローラ40は、ハウジング20に収容される。回転軸32は、ハウジング20の一端から突出する。
【0026】
[0030] ローラ40は、内壁を含み、ローラ40の内壁は、めねじ42(
図1に示す)を有し、従動子60は、おねじ62(
図2に示す)を有する。従動子60は、ローラ40に収容され、おねじ62を介して、ローラ40のめねじ42と噛合して、駆動部材30と従動子60とのねじ連結を行う。従動子60は、外方に延在する位置決め部63を有し、位置決め部63は、ハウジング20と協働して、従動子60が、ハウジング20に対して相対的に回転するのを防止して、駆動部材30の回転を従動子60の直線運動に変換するようになっている。
【0027】
[0031] 好ましくは、ハウジング20の内壁は、従動子60の位置決め部63のスライドスロット64(
図3に示す)と一致する突出スライドレール24(
図1に示す)を有する。したがって、従動子60が、駆動部材30の回転によって駆動されると、従動子60は、スライドレール24に沿って滑動する。
【0028】
[0032] いくつかの実施形態では、従動子60が、駆動部材30の異なる回転方向によって駆動されると、従動子60は、ハウジング20の抑制のもとで、異なる方向に移動して、駆動部材30に対して相対的に伸縮する。例えば、駆動部材30が、時計方向に回転すると、従動子60は、駆動部材30に近づき、駆動部材30が、反時計方向に回転すると、従動子60は、駆動部材30から遠ざかる。
【0029】
[0033]
図2及び
図3を参照すると、スイッチアセンブリ100は、更に、ハウジング20と駆動部材30との間に連結されるエネルギ蓄積部材50を含む。エネルギ蓄積部材50は、駆動部材30のローラ40の端部に取り付けられるねじりばねであり、ねじりばねの第1の端部は、ローラ40に取り付けられ、ねじりばねの第2の端部は、ハウジング20の内壁のねじりばね取付穴26に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ローラ40の軸方向端面は、ねじりばねを収容するための収容溝44を形成する。いくつかの実施形態では、収容溝44は、円環形状を有する。収容溝44の半径方向内壁は、軸方向に延在する環状フランジ46を形成し、環状フランジ46は、ねじりばねの第2の端部が貫通するための切欠き47を有し、ねじりばねの第2の端部は、ローラ40の端部のねじりばね取付穴48に取り付けられるようになっている。駆動部材30が、時計方向に回転すると、ねじりばねは、螺旋状に内方に曲げられて、エネルギを蓄積する(エネルギ蓄積)。ねじりばねが充填された後、駆動部材30が、反時計方向に回転すると、ねじりばねは、エネルギを放出する(エネルギ放出)。いくつかの実施形態では、ねじりばねは、収容溝44に設置されて、ねじりばねが過剰な外方回転によって損傷するおそれを減らす。代替的に、収容溝は、ハウジング20に設けることができる。他の実施形態では、ねじりばねのつる巻き方向を設定することによって、駆動部材30が時計方向に回転すると、エネルギを放出し、駆動部材30が反時計方向に回転すると、エネルギを蓄積することができることは理解されるであろう。
【0030】
[0034] いくつかの実施形態では、エネルギ蓄積部材50として、他の種類の弾性部材、例えば、圧縮ばね、弾性的に復元可能なゴム部材等を用いることができる。スイッチアセンブリ100が用いられると、予備負荷力が、システムの従動子60に加えられて、従動子60がリセットしようとする傾向になる。例えば、圧縮ばねによって、予備負荷力が与えられて、従動子60が、2つの反対方向に移動するにつれて、予備負荷力は、それに応じて増減するようになっている。いくつかの実施形態では、エネルギ蓄積部材50は、エネルギを蓄積・放出して、予備負荷力の変化を相殺して、駆動部材30の駆動力のバランスをとるようになっている。
【0031】
[0035]
図4は、本開示の一実施形態の車両ランプ調整装置200を示す。車両ランプ調整装置200は、ケーブル72を含み、ケーブル72の一端は、コネクタ76を有し、コネクタ76は、スイッチアセンブリ100の従動子60のケーブル取付位置66に連結され、ケーブル72の他端は、車両ランプ制御アセンブリ80の制御軸84に連結される。したがって、スイッチアセンブリ100の従動子60は、ケーブル72及び制御軸84を介して、車両ランプのリフレクタを調整して、自動車のロービームとハイビームを切り換えることができる。
【0032】
[0036] 車両ランプ制御アセンブリ80は、圧縮ばね82を含む。圧縮ばね82は、制御軸84によって、長期間圧縮されている状態であり、予備負荷力が、制御軸84及びケーブル72によって、従動子60に加えられるようになっている。
【0033】
[0037] 本実施形態では、従動子60のケーブル取付位置66は、スロットであり、コネクタ76の端部は、大きくなり、コネクタ76は、スロット内に滑り込み、ケーブル72及び従動子60の取り付けが行われる。圧縮ばね82によって加えられる予備負荷力は、ケーブル72を引っ張られた状態に保ち、コネクタ76がスロットから滑り出るのを防止する。好ましくは、ケーブル72は、その外装74に対して相対的に滑動可能であり、外装74は、一定の硬度を有するので、ケーブル72が、ある程度曲げられても、ケーブル72は、外装74の抑制のもとで、引っ張られることができる。
【0034】
[0038] 駆動部材30の回転軸32が、時計方向に回転すると、従動子60は、回転軸32から遠ざかり、圧縮されている圧縮ばね82は、徐々に解放されて、従動子60が受ける予備負荷力が、徐々に減少されるようになっている。この工程中、エネルギ蓄積部材50は、エネルギ蓄積状態であり、反力を発生させることにより、予備負荷力がある程度減少するので、ユーザによって加えられる駆動力の減少を相殺する。その後、回転軸32が、反時計方向にリセットされると、従動子60は、回転軸32に近づき、圧縮ばね82は、更に圧縮され、その結果、従動子60に対する予備負荷力が、徐々に増加する。この工程中、エネルギ蓄積部材50は、解放され、これにより、予備負荷力がある程度増加するので、ユーザによって加えられる駆動力の増加を相殺することにより、異なる回転方向の駆動力の大きさのバランスをとり、ユーザ体験を向上させる。
【0035】
[0039] ゼロギアから第1のギア、第2のギアの順にシフトし、第2のギアから第1のギア、ゼロギアの順にリセットする車両ランプ調整装置200では、エネルギ蓄積部材50は、予備負荷力の変化をある程度相殺することにより、異なる回転方向の駆動力の大きさのバランスをとり、ユーザ体験を著しく向上させる。しかしながら、従来の車両ランプ調整装置では、第2のギアから第1のギア、ゼロギアの順にリセットするのに必要な駆動力は、ゼロギアから第1のギア、第2のギアに切り換えるのに必要な駆動力よりも著しく大きい。
【0036】
[0040] 車両ランプ調整装置200は、更に、回転軸32を駆動するためのつまみ10を含む。つまみ10の裏側は、環状の連結部12を有し、連結部12の環状壁は、締付穴14を有する。駆動部材30の回転軸32の端部は、連結部12に収容され、回転軸32は、締付穴14と係合するための突出部34を有し、回転軸32が、つまみ10と同期回転するようになっている。
【0037】
[0041] したがって、以上、本開示の実施形態の技術的解決手段について、明瞭且つ完全に説明してきた。説明した実施形態は、本開示の実施形態の全てではなく、その一部にすぎないことは明らかである。当業者であれば、種々の実施形態の技術的特徴の様々な組み合わせをして、実際的な必要に応えることができる。説明された本開示の実施形態に基づいて、創作努力を払うことなく当業者によって得られる他のいずれの実施形態も、本開示の範囲に属する。
【符号の説明】
【0038】
10 つまみ
12 連結部
14 締付穴
20 ハウジング
24 スライドレール
26 ねじりばね取付穴
30 駆動部材
32 回転軸
34 突出部
40 ローラ
42 めねじ
44 収容溝
46 環状フランジ
47 切欠き
48 ねじりばね取付穴
50 エネルギ蓄積部材
60 従動子
62 おねじ
63 位置決め部
64 スライドスロット
66 ケーブル取付位置
72 ケーブル
74 外装
76 コネクタ
80 車両ランプ制御アセンブリ
82 圧縮ばね
84 制御軸
100 スイッチアセンブリ
200 車両ランプ調整装置