特許第6987755号(P6987755)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987755非回転対称の底面を備えた物品を排出するための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987755
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】非回転対称の底面を備えた物品を排出するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/28 20060101AFI20211220BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20211220BHJP
   B65G 47/28 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   B65B61/28
   B65G47/46 B
   B65G47/28 L
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-521982(P2018-521982)
(86)(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公表番号】特表2018-533529(P2018-533529A)
(43)【公表日】2018年11月15日
(86)【国際出願番号】EP2016076787
(87)【国際公開番号】WO2017077099
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2019年9月12日
(31)【優先権主張番号】102015014275.5
(32)【優先日】2015年11月6日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500083972
【氏名又は名称】ホイフト ジュステームテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホイフト,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ザッパイ,ヴォルフガング
【審査官】 金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−318833(JP,A)
【文献】 特開2003−072941(JP,A)
【文献】 特開2004−035001(JP,A)
【文献】 特開2000−247419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/28
B65G 47/46
B65G 47/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3軸、5軸または7軸の線対称の正多角形状を有する線対称の底面(18)を備えた物品(16)を排出するための装置であって、
整列ユニット(12)と、
排出ユニット(14)と、
前記整列ユニット(12)から前記排出ユニット(14)まで、前記物品(16)が一列かつ相互に離間された状態で搬送される搬送ユニット(10)と、
少なくとも前記整列ユニット(12)の領域において、前記搬送ユニット(10)の一側面に配置された少なくとも1つのレール手段(22)と、
を備え、
前記整列ユニット(12)は、前記物品(16)が前記レール手段(22)に対していずれも前記物品(16)の前記底面の一角である第1接触点(28a)および第2接触点(28b)があてがわれることにより整列し、その結果、前記底面(18)の対称軸が搬送面において前記レール手段(22)に対して垂直に延び、前記物品(16)がこの向きで前記排出ユニット(14)に搬送されるよう構成され、
前記排出ユニット(14)は、前記物品(16)の前記底面の一角が前記物品の排出される方向を向くように、方向付けられている
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記整列ユニット(12)の前記領域における前記物品(16)は、前記搬送ユニット(10)の搬送方向に対して鋭角に前記レール手段(22)を配置することにより、前記レール手段(22)に対してあてがわれる
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記物品(16)は、前記搬送ユニット(10)を傾斜させることにより、前記整列ユニット(12)の前記領域において前記レール手段(22)に対してあてがわれる
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記物品(16)は、押圧ユニットによって、前記整列ユニット(12)の前記領域において前記レール手段(22)に対してあてがわれる
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記レール手段(22)は、レール状の形態で構成されている
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記物品(16)は、前記底面(18)に対応する線対称の断面を有する少なくとも1つの周縁領域を有し、レール状の前記レール手段(22)は、前記物品(16)の前記線対称の周縁領域の高さに固定された少なくとも1つの整列レール(24)を備える
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記物品(16)の前記線対称の周縁領域は、前記物品(16)の下部領域の高さに位置させられ、前記整列レール(24)が専ら前記物品(16)の前記線対称の周縁領域の高さに配置される
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記物品(16)は、本質的には、前記レール手段(22)の前記整列レール(24)に対してのみあてがわれる
ことを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
前記物品(16)は、回転対称の周縁領域を有し、レール状の前記レール手段(22)は、前記物品(16)の前記回転対称の周縁領域の高さに固定された少なくとも1つのガイドレール(26)を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記整列レール(24)および前記ガイドレール(26)は、互いに並行であるが前記搬送ユニット(10)に対して横方向にオフセットして配置されており、その結果、前記物品(16)が、所望の方向をとっている場合に限り前記ガイドレール(26)に沿って案内される
ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
排出される前記物品(16)は、正五角形の形状内に底面を備えており、前記底面は、好ましくは、5つの個々の支持領域からなる
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
排出される前記物品(16)は、プラスチックボトル、好ましくは、使い捨てペットボトルであり、円筒状に線対称である胴体と、底面と、底面から連続する下部領域とを備え、前記底面および前記下部領域は、それぞれ正五角形の形状を有する
ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
3軸、5軸または7軸の線対称の正多角形状を有する線対称の底面を備えた物品(16)を排出する方法であって、
搬送ユニット(10)上で前記物品(16)を搬送する工程と、
整列ユニット(12)を使用して、前記搬送ユニット(10)上で搬送される前記物品(16)を整列させる工程と、
排出ユニット(14)を使用して、整列された前記物品(16)を排出する工程と、
を含み、
前記物品(16)は、前記整列ユニット(12)から前記排出ユニット(14)まで前記搬送ユニット(10)上で一列かつ相互に離間した状態で搬送され、前記搬送ユニット(10)には、少なくとも前記整列ユニット(12)の領域においてサイドレール手段(22)が設けられ、
前記整列ユニット(12)は、前記物品(16)が前記サイドレール手段(22)に対していずれも前記物品(16)の前記底面の一角である第1接触点(28a)および第2接触点(28b)があてがわれて整列し、その結果、前物品(16)の前記線対称の面(18)の対称軸が、搬送面上で前記サイドレール手段(22)に対して垂直に延び、前記物品(16)がこの向きで前記排出ユニット(14)に搬送されるよう構成され、
前記排出ユニット(14)は、前記物品(16)の前記底面の一角が前記物品の排出される方向を向くように方向付けられている
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記排出ユニット(14)は、好ましくは、前記サイドレール手段(22)と同じ側に配置されたプッシャであり、前記プッシャは、前記搬送ユニット(10)のうち前記プッシャの反対側サイドから、前記方向付けられた物品(16)を搬送方向に対して略垂直に押し出す
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、搬送ユニット上で搬送される、線対称の底面を備えた容器、ドラム、包装品などの物品を排出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の排出装置は、例えば、欠陥のある飲料ボトル、ならびに他の空のもしくは既に充填された食品容器またはパッケージングを除去するために使用される。搬送ユニットは、コンベヤベルト、チェーンリンクコンベヤまたは同様の装置でもよい。物品は通常、排出処理中、第1の搬送ユニットから並行に走行する第2の搬送ユニット上に押し出される。典型的な排出装置は、時間当たり最大90,000ボトルのボトル処理量であっても作動することができる。しかしながら、そのような高速度においては、小さな凹凸でさえ物品を傾斜させる可能性があり装置の生産性をかなり抑制する。
【0003】
従来の排出装置では、被排出物品は、可能な限り小さく保たれた横方向の付勢力によって、並行に走行する隣接のトランスポーター上に押し出される。横方向の付勢力は、物品の転倒するリスクが最小限になるよう可能な限り小さく保たれる。
【0004】
排出要素は、横方向の付勢力を可能な限り小さく保つために個別に制御することができ、その結果、横方向の付勢力は、被排出物品の性質に基づいて調整することができる。これを実現するために、例えば、被排出物品の重量または重心など対象パラメータを測定することができる。次いで、排出要素は、これらのパラメータに基づいて、選択的に制御することができる。
【0005】
一般的に使用される円筒状のガラスまたは返却可能な飲料用ペットボトルなど、回転対称の底面を備えた物品の場合、この方法により、当該物品が排出中に傾斜することを大部分回避することができる。
【0006】
しかしながら、一般的に使用される円筒状の使い捨て飲料用ペットボトルの場合、被排出物品の上記物体パラメータに基づいて排出装置が最適に制御されていても、比較的頻繁に被排出物品が傾斜することが分かった。このことは、特に物品が一方の搬送ユニットから他方の搬送ユニット上へ排出する場合に該当し、さらに、このことは、物品が排出処理中に高低差を越えなければならない場合、特に該当する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、特に非回転対称の底面を備えた被排出物品のために、排出処理をよりよく改善し、被排出物品が傾斜するリスクをよりよく引き下げることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、本発明に係る請求項1の特徴を有する装置および請求項13の特徴を有する方法において達成される。
【0009】
線対称の底面を備えた物品を排出するための装置であり、当該線対称の底面は、3軸、5軸または7軸の線対称の正多角形状を有し、整列ユニットと、排出ユニットと、物品が整列ユニットから排出ユニットまで一列かつ相互に離間された状態で搬送される搬送ユニットと、を備える。少なくとも1つのレール手段は、搬送ユニットの一側面、すなわち、少なくとも整列ユニットの領域に設けられる。整列ユニットは、物品がレール手段にあてがわれレール手段をロールオフすることにより整列し、その結果、底面の対称軸が搬送面においてレール手段に対して垂直に延びるよう構成されている。次いで、物品は、この向きで排出ユニットに搬送される。排出ユニットは、物品の底面の一角が物品の排出方向を向くように方向付けられている。
【0010】
一実施形態において、物品の底面は閉支持領域からなる。閉支持領域は、例えば、3つ、5つまたは7つの角頂点を有する正多角形または星の形状でもよい。好ましい実施形態においては、物品の底面は、相互に離間された個々の支持領域からなる。この場合、線対称の底面は、個々の支持領域により形成された領域全体であると解され、支持領域は、正三角形、正五角形または正七角形のそれぞれの頂点に配置される。好ましくは、被排出物品は、正三角形、正五角形または正七角形の形状内に底面を有する。好ましくは、被排出物品は、正五角形の形状内に底面を備える。好ましくは、正五角形の形状内の底面は、5つの個々の支持領域からなる。
【0011】
本発明の意味における物品は、ガラス瓶、プラスチックボトル、缶、ドラムなどの容器、または他の包装品であってもよい。これらの用語は、本明細書において、実質上同義的に用いられる。再使用可能な容器は、一般的に回転対称の底面を備える。対照的に、使い捨て容器は、非回転対称の底面を備えることが多い。特に、使い捨てPET容器は、一般的に5つの個々の支持領域からなる底面を備えるよう製造される。これら支持領域は、通常、正五角形の頂点に線対称に配置される。本発明は、正三角形または正七角形の底面を備えた物品の排出における使用に対しても適している。
【0012】
飲料容器は、底面の形状とは別個に、実質的に円筒状に線対称の形状を有することが特に多い。一般的に、返却可能な飲料容器は、円筒状に線対称の形状を有し、当該形状は通常、それらの全体の高さに沿って延在する。返却可能な飲料容器は、回転対称の底面を有する円筒状に線対称である胴体を備える。対照的に、使い捨て飲料容器は、非回転対称の底面を有する円筒状に線対称である胴体を備えることが多い。それによって、一般的に当該容器の断面は、下部領域内の線対称の底面から実質的に回転対称の断面へと変化する。当該下部領域は、そのほとんどが最大数センチメートルを超えて延在し、底面の幾何学的形状に対応する幾何学的形状を有する。
【0013】
本発明のサイドレール手段は、物品の線対称の下部領域と相互作用するよう構成されている。物品が底面の幾何学的形状に対応する断面を有するさらなる部分を備える場合、上記レール手段は、これらさらなる部分のうちのいずれとも相互作用することができる。概して、物品を整列させるためにレール手段と相互作用する物品の周縁部は、本出願において「線対称の周縁領域」と呼ばれる。
【0014】
本出願において、領域または断面は、ある点を中心に任意の角度回転すると、それ自体の上にその領域をマッピングする場合、「回転対称」と呼ばれる。
【0015】
本出願において、領域または断面は、その対称軸の反転によりそれ自体の上にその領域がマッピングされる場合、「線対称」と呼ばれる。領域または断面は、複数の対称軸を有してもよい。本出願において「線対称」と呼ばれる領域または断面は、ある点のまわりを定義された角度回転することにより、それ自体の上にその領域をマッピングする領域であってもよい。但し、本出願では、用語「線対称」は、回転対称の領域を明示的に含まないものとする。
【0016】
線対称だが非回転対称の底面を備えた物品の排出については、排出の成功は、底面の方向にもかなり依存することが示されている。驚くべきことに、底領域の一角が排出の行われるべき方向を正確に向き、物品がその方向に排出される場合、傾斜が最も起こりにくいことが示されている。したがって、この方向において、排出が底領域の対称軸に沿って行われる。
【0017】
物品は通常、一列かつ相互に離間された状態で、両側に設けられたレール手段を有するトランスポーター上を搬送される。物品は交互に、2つのレール手段のうちの1つと接触する。したがってレール手段との摩擦接触により、物品は、時計回りおよび反時計回りに回転させられ、その結果、向きが絶えず変わる。物品の回転を確実に制御するためには、物品が単一のレール手段でのみロールオフするよう対策が取られなければならない。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、物品が整列ユニットの領域においてロールオフすべきレール手段は、搬送ユニットの本来の搬送方向に対して鋭角に配置される。搬送ユニットによって搬送された物品は、物品の底面と搬送ユニットとの間の静止摩擦により、斜めに配置されたレール手段に緩やかにあてがわれ、ロールオフする。レール手段が配置される角度が大きいほど、物品がレール手段に対してあてがわれる力(pushing force)は、強くなる。基本的に、当該角度は、任意に定めることができ、搬送作業に応じて調整することができる。必要な力を加えるのに5°未満の角度であっても十分であり、さらに好ましくは、1°〜3°の角度であり、これらの角度が特に有利であることが分かった。この角度では、搬送ユニットの幅を長くすることなく整列ユニットを適切な長さで設けることができる。
【0019】
この実施形態は、構成要素の追加および他の構成要素の調整が不要であるので、技術的に特に容易に達成することができる。
【0020】
しかしながら、物品をレール手段にあてがうことは、異なる方法においても達成することができる。例えば、レール手段は、搬送ユニットに並行して配置することができるが、搬送ユニットをわずかに傾斜させることができ、その結果、容器が傾斜下降力によりレール手段にあてがわれる。
【0021】
別の実施形態では、物品をレール手段に緩やかにあてがう押出しユニットを設けることができる。そのような押出しユニットは、例えば、レール手段の反対側に取り付けられ、その剛毛によって単一物品をレール手段に対して緩やかにあてがうブラシユニットでもよい。それによって、物品が依然としてレール手段をロールオフすることができるように、当該ユニットを選ばなければならない。
【0022】
整列ユニットの機能に関しては、レール手段は、搬送ユニットの片側に設けられれば十分である。操作上の安全性を高めるために、搬送ユニットの反対側にレール手段を設けることもできる。
【0023】
整列ユニットの長さは、搬送目的によって調節可能なことが好ましい。物品は通常、それらの円周の一部でのみ回転すればよいので、多くの場合、整列ユニットの長さは、物品の円周に略一致すれば十分である。
【0024】
レール手段は通常、物品の底面の幾何学的形状に対応する断面を有する物品部分と相互作用するように形成される限り、任意の形状でもよい。好ましくは、レール手段は、レール状の形態で構成され、被搬送物品の線対称の周縁部の高さで固定される。下部領域の垂直の範囲は、物品の種類によって異なる可能性がある。そのため、レール手段は、好ましくは、調節可能に構成され、垂直方向にも水平方向にも移動可能であり、被搬送物品の幾何学的形状に合わせて調整される。
【0025】
さらに好ましくは、レール手段は、複数の要素、例えば、少なくとも2つのレールで構成される。整列レールと呼ばれる第1のレールは、物品の線対称の周縁領域の高さで配置される。通常、物品の線対称の周縁領域が物品の下部領域にあることから、整列レールは、搬送ユニットのわずか数ミリメートル上方に配置されることが多い。こうした低いレール手段レールでは、搬送ユニットのレールを越えて物品が転倒するリスクが常に存在する。そういった物品の転倒を回避するために、ガイドレールと呼ばれる追加のレールを設けることは、有利である。ガイドレールは、好ましくは、回転対称の周縁領域のうちの1つの領域の高さに配置される。典型的な被搬送物品の場合、ガイドレールは、物品の中央の高さあたりに固定される。
【0026】
ガイドレールは、好ましくは、整列レールに並行して配置される。好ましくは、ガイドレールは、整列レールに対して横方向にオフセットして配置される。ガイドレールの横方向オフセットは、物品の円周に依存する。好ましくは、横方向オフセットは、物品が所望の排出方向であるときにのみガイドレールと接触するように選択される。また、複数のガイドレールを使用することもできる。
【0027】
当然ながら、搬送ユニットの別側の物品の転倒を回避するために、搬送ユニットの別側に従来のレール手段を設けることもできる。
【0028】
物品は、以下で説明するように、整列ユニットにおいて自律的に整列する。物品は、図1に示されるように、搬送ユニットから整列ユニットに供給される。整列ユニットの領域では、物品は、もとの搬送方向に対して斜めに配置された整列レールと接触する。一般に、物品には向きがあり、物品と整列レール間に第1の接触点が存在する。当該接触点で、物品は、図1に示されるように、第2の接触点が整列レールと接触するまで、ガイドレールをロールオフする。一般的に使用される物品の場合、この配置は、既に所望の排出方向と一致する。この向きでは、底面の対称軸は、整列レールに対して垂直である。さらに、この向きでは、物品の中心と整列レールとの間の距離が最小であり、ガイドレールは、この配置でのみ物品と接触することができる。一旦物品がこの向きになると、物品のさらなる回転が抑えられる。物品がさらに回転するには、物品の中心が再び整列レールから離れるように移動しなければならないことを意味する。この移動は、物品が整列レールに対してあてがわれる力によって妨げられる。したがって、物品は、この向きを維持しつつ排出ユニットに向けて搬送される。
【0029】
排出ユニットは、当業者に知られている任意の排出ユニットでもよい。この目的のためには、一般的に、エジェクタまたはプッシャが使用される。エジェクタまたはプッシャは、搬送ユニットに対して垂直に配置され、被排出物品に横方向の運動量を伝達する。横方向の付勢力により、被排出物品は、搬送ユニットから、例えば、並行に走行する第2搬送ユニット上に押し出される。特に、搬送ユニット間に小さな高低差がある場合、物品が傾斜するリスクが高まる。プッシャの代わりに、欧州特許0003111B1、欧州特許0019117B1または欧州特許1438245B1に開示されているような他の排出ユニットを使用することもできる。
【0030】
本発明はまた、3軸、5軸または7軸の線対称の正多角形状を有する線対称の底面を備えた物品を排出する方法に関する。当該方法は、搬送ユニット上で物品を搬送する工程と、搬送ユニットによって搬送された物品を整列ユニットを使用して整列させる工程と、整列された物品を排出ユニットを使用して排出する工程と、を含む。物品は、整列ユニットから排出ユニットまで一列かつ相互に離間された状態で搬送される。搬送ユニットは、少なくとも整列ユニットの領域に配置されたサイドレール手段を備える。整列ユニットは、物品がサイドレール手段に対してあてがわれることにより整列し、その結果、物品の線対称の底面の対称軸が搬送面においてサイドレール手段に対して垂直に延びるよう構成されている。排出ユニットは、物品の底面の一角が物品の排出される方向を向くように方向付けられている。
【0031】
排出ユニットは、プッシャが好ましく、当該プッシャは、サイドレール手段側に配置され、整列した物品を搬送ユニットのうちプッシャの反対側から搬送方向に対して垂直に押し出す。それによって、物品を、例えば、別の搬送ユニットまたは収集エリアに押し出すことができる。
【0032】
個々の実施形態に関連して開示された特徴は、ほかに何も示されない限り、他の実施形態に関連して実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1】本発明に係る排出ユニットの上面図である。
図2】整列ユニットの始端位置での図1のボトルの搬送方向の側面図である。
図3】整列ユニットの終端位置での図1のボトルの搬送方向の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、搬送ユニット10と、整列ユニット12と、排出ユニット14とを備える排出装置の実施形態を示す。物品16は、搬送ユニット上で搬送される。破線の円によって示されるように、物品16は、実質的に円筒状に形成されており、回転対称である。対照的に、物品16の底面18は、回転対称ではなく5軸の対称軸を有する線対称である。これは、実線による棍棒状の構造によって示される。例えば、物品16は、一般的に使用される使い捨てペットボトルでもよい。この場合、物品16の底面は、5つの対称的に配置された支持領域18a,18b,18c,18d,18eにより形成されている。個々の支持領域18a,18b,18c,18d,18eは、正五角形の形状に並んでいる。図2および図3の断面から分かるように、個々の支持領域18a,18b,18c,18d,18eは、通常、ボトル16の外周まで延びておらず、ボトルの中心に向かってわずかにオフセットして配置されている。底面18の五角形の配置は、ボトル16の下部領域20内では変わらず、この下部領域20内のボトル断面は、底面18の線対称の5角形の形状からボトルの回転対称円形断面に連続的に変化する。
【0035】
驚いたことに、非回転対称の底面18を有するボトル16の場合、排出処理の成功は、排出処理中のボトル16の底面18の向きに大きく依存することが分かった。一般的に使用される、5軸の線対称の底面18を備えた使い捨てPETボトル16の場合、図1に示されるように、排出処置中にボトル16が傾斜する可能性は、底面18が方向付けられ、排出処理中に5つの支持領域18a,18b,18c,18d,18eのうちの1つがボトル16の排出方向を向く場合に最も低くなる。図1に示されている、排出ユニットの領域内のボトル16は、既に排出のための最適の方向を向いている。この配置では、ボトル16の底面18の対称軸のうちの1つは、整列ユニットの領域内に設けられたレール手段22に対して垂直に延びている。
【0036】
所望の向きで排出ユニット14にボトル16を搬送するために、図1に示されるように、整列ユニット12を使用することができる。整列ユニット12は、実質的に2部品からなるレール状のレール手段22からなり、当該レール手段22は、搬送方向において、搬送ユニット10に対してほぼ1°〜2°の鋭角αで、搬送ユニット10の右端部に配置される。搬送ユニット10とボトル16の底面18との間の摩擦接触によって、各ボトル16は、搬送ユニット10に対して斜めに配置されたレール手段22に緩やかにあてがわれる。
【0037】
2部品のレール手段22は、第1のレール(整列レール24)を備える。当該整列レール24は、ボトル16の線対称の下部領域20の高さに配置される。さらに、ボトル16の傾斜を回避するために、第2のレール(ガイドレール26)が設けられる。ガイドレール26は、ボトル16が回転対称の断面を有する領域内において、ボトル16の略中央の高さに設けられる。また、ガイドレール26は、搬送ユニット10の外端に向かってわずかにオフセットして配置され、図2に示される向きにおいて、下部領域20だけがレール手段22の整列レール24と接触する。次いで、図1に示されるように、ボトル16は、第2の支持領域18bも整列レール24に接触するまで、第1の支持領域18aと整列レール24との間の接触点28aで整列レール24をロールオフする。次いで、ボトル16のさらなる回転は、整列レール24と第2の支持領域18bとの間の第2接触点28bにおいてのみ行われる。しかしながら、そのような(さらなる)回転は、レール手段22に対して各ボトル16をあてがう、搬送ユニット10の連続的な摩擦圧力により抑えられる。
【0038】
個々のボトル16の下部領域20の形状が非回転対称であるため、ガイドレール26とボトル16の回転軸30との距離は、ボトル16の向きに依存する。ボトルの回転軸30とガイドレール26との間の距離は、図の上側端部の近くに示されたボトル16の向きのとき最も長い。ボトル16の回転が進むと、この距離は短くなる。ボトル16の回転軸30とガイドレール26との間の距離は、ボトル16の下部領域20内の接触点28aおよび28bの両方が整列レール24に接触するとき、すなわち、ボトルが所望の排出方向を向いているとき最も短い。したがって、ガイドレール26の横方向の距離は、好ましくは、所望の排出方向を向いているときに限り、ボトル16がガイドレールに接触するよう設定される。この方法において、排出処理中のボトル16の傾斜は、効果的に抑えられる。
【0039】
搬送ユニットの側面かつ整列ユニットの向かい側に、別のレール手段32は、設けられる。このレール手段は、ボトルを整列させるのに作用しないが、ボトルが搬送ユニットのこの側から傾斜することを抑制するだけでよい。
【0040】
特に、使い捨てペットボトルは、複数の異なる形状を有することができるので、個々のレール手段レール24、26、32を移動可能に構成することは、有用であり、その結果、それぞれの現在の搬送目的に応じて個々のレール手段レール24、26、32の配置を調整することができる。
【0041】
整列ユニット12のレール手段22は、排出ユニット14に延びている。被排出ボトル16は、所望の排出方向において排出ユニット14に搬送される。図1に示される実施形態において、排出ユニットは、従来のプッシャであり、当該プッシャは、被排出ボトル16に横方向の付勢力を与え、その結果、ボトルが搬送ユニット10から横方向に押し出される。排出ユニット14は、制御ユニットに連結され、あらかじめ測定された物体パラメータに応じて個別に制御されてもよい。例えば、被排出物品は、第2の搬送ユニット(図示せず)に押し出されてもよい。被排出ボトル16の向く方向が、図1に示されるように、排出方向34においてボトルの底面の支持領域18a,18b,18c,18d,18eの向く方向であるので、ボトル16の姿勢は、可能な限り安定しており、ボトル16の傾斜のリスクが低減される。
【0042】
当然ながら、開示された被排出ボトル16を整列させる原理は、5本とは異なる数の対称軸を有する底面18を備えたボトル16に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 搬送ユニット
12 整列ユニット
14 排出ユニット
16 ボトル
18 底面
18a,18b,18c,18d,18e 支持領域
20 ボトルの下部領域
22 レール手段
24 整列レール
26 ガイドレール
28a、28b 接触点
30 ボトルの回転軸
32 ガイドレール
34 排出方向
図1
図2
図3