(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記組成物が、(1)アンホ酢酸塩及びジアンホ酢酸塩、(2)スルタイン、並びに(3)アルキルベタインから選択される1種の両性又は双性イオン性界面活性剤を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
オレオイルメチルタウリン塩(a)に対するアルコキシル化スルホコハク酸塩(c)の重量比が、最終的な組成物中の各界面活性剤の重量パーセントを基準として1以上であり、好ましくは1より大きい、請求項1に記載の組成物。
イセチオン酸塩(b)に対するアルコキシル化スルホコハク酸塩(c)の重量比が、最終的な組成物中の各界面活性剤の重量パーセントを基準として1以上であり、好ましくは1より大きい、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2016年2月16日出願の米国仮特許出願第62/295,767号及び2016年2月16日出願の欧州特許出願第16155940号に基づく優先権を主張するものであり、これらの出願のそれぞれの全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、パーソナルケア組成物及び該組成物の使用方法に関する。
【0003】
現在、ほとんどの市販のパーソナルケア組成物は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリル硫酸アンモニウム(ALS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、又はラウレス硫酸アンモニウム(ALES)などの硫酸塩含有界面活性剤を主体としている。SLS、ALS、SLES、及びALESは、安価であると同時に十分な洗浄特性及び泡立ち特性を有していることから、これらはこの分野において使用される最も広く普及している硫酸塩含有界面活性剤である。もう1つの利点は、塩化ナトリウムなどの一般的な塩を添加することでこれらを容易に増粘できることである。
【0004】
しかしながら、硫酸塩含有界面剤を含有するパーソナルケア組成物には、大きな欠点も存在する。実際、SLSなどの硫酸塩含有界面剤が特に皮膚及び眼に対しての耐性の問題を生じる傾向があることが知られている。硫酸含有界面活性剤のもう1つの欠点は、皮膚、頭皮、又は毛髪から、その表面に含まれる天然の油、脂肪、又はタンパク質を奪う傾向があることである。そのため、硫酸塩含有界面活性剤を含むパーソナルケア組成物を長期間繰り返し使用すると、皮膚や頭皮に炎症を起こす及び/又は毛髪繊維にダメージを与える場合がある。
【0005】
そのため近年、安全で環境に優しい、及び/又はより低刺激性の界面活性剤を含むパーソナルケア組成物、特には硫酸塩含有界面活性剤を含まないパーソナルケア組成物の需要が増大している。
【0006】
硫酸塩を含まないパーソナルケア組成物を配合することの大きな課題の1つは、組成物全体の粘度に悪影響を与えずに、低刺激性、十分な洗浄特性、コンディショニング特性、及び泡立ち特性を維持することの必要性である。
【0007】
例えば、シャンプー、シャワージェル、及び液体ハンドソープ配合物などのパーソナルケア組成物に関する限りでは、利用条件下での使用のために高い粘度が必要とされる。上述したように、SLSやSLESなどの硫酸塩含有界面活性剤が組成物中に存在すると、少量の塩化ナトリウムを添加することによって比較的容易に粘度を上げることができる。しかし、これはココイルメチルタウリン塩などのアセチル化アミノ酸タイプのアニオン性界面活性剤の場合には通常当てはまらない。非常に高い塩濃度であっても、水溶液は流体のままであり、目的とする用途のためには利用できない。他方で、非イオン性界面活性剤は電解質の添加によっては全く増粘することができない。そのため、硫酸塩を含まない界面活性剤の基本構成(chassis)の中では、塩化ナトリウムなどの電解質の使用は、パーソナルケア洗浄組成物としての使用のために十分な粘度を有する組成物を得るためには十分ではない。更に、キサンタンガムなどのガムの増粘剤の使用を含む組成物は、ゲルに弾性特性を付与する構造化作用を有しており、これは瓶から組成物を出す際のどろりとした塊の生成につながることから、必ずしも望ましいとは限らない。
【0008】
そのため、本発明の目的は、粘度、泡立ち特性、及び目的領域のコンディショニングに悪影響を与えずに、硫酸塩含有界面活性剤を含まないパーソナルケア組成物に関しての市場でのこれまでに増大している需要に応えることである。
【0009】
したがって、本発明のねらいの1つは、硫酸塩含有界面活性剤を含まないながらも、良好な泡立ち特性及び目的領域のコンディショニングを示し、十分な粘度が維持される、パーソナルケア組成物を提供することである。
【0010】
硫酸塩含有界面活性剤を含まない公知のパーソナルケア組成物の大部分は、消費者に望まれる泡の体積及び品質を得るために、他の多量の界面活性剤を含むことが通常必要とされている。
【0011】
しかし、多量の界面活性剤を使用することは、明白な理由から望ましくない。他方で、これは組成物の全体のコストを必然的に増加させる。界面活性剤の量の増加は、通常、他方で耐性の問題を生じさせるリスクも増加させる。
【0012】
これが、多量の界面活性剤を使用することなしに良好な泡立ち特性及び目的領域のコンディショニングを示し、十分な粘度を維持する、硫酸塩を含まないパーソナルケア組成物を提供することが真に必要とされている理由である。
【0013】
今回、出願人は、アニオン性界面活性剤の特定の組み合わせを含み、そのうちの1種が特定のタウリン塩であり、そのうちのもう1種が1種の特定のイセチオン酸塩であり、そのうちのもう1種が1種のアルコキシル化スルホコハク酸塩であるパーソナルケア組成物が、上で説明した目的の達成を可能にすることを発見した。
【0014】
従って、本発明の主題は、
i)少なくとも:
a)式R
aCON(CH
3)CH
2CH
2SO
3X
a(式中、R
aはオレイン酸の炭化水素基であり、X
aは対イオンである)の1種のオレオイルメチルタウリン塩と、
b)式R
bCOOCH
2CH
2SO
3X
b(式中、R
bは、6〜30個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル、アルケニル、アリール、又はアルキルアリール基であり、X
bは対イオンである)の1種のイセチオン酸塩と、
c)1種のアルコキシル化スルホコハク酸塩と、
を含む、約2pbw〜約20pbwの界面活性剤系;並びに
ii)約0.2pbw〜約15pbwのコンディショニング剤;
を含有する、硫酸塩を含まない水性パーソナルケア組成物である。
【0015】
驚くべきことには、本発明の組成物中で使用される界面活性剤混合物によって、界面活性剤全体の量が同じか更には少ない量で、かつ適切なコストで、次の特性:組成物の粘度、泡立ち特性、及び目的領域のコンディショニング;の許容できる折り合いを実現できることが見出された。
【0016】
本発明の組成物中の相乗的な界面活性剤混合物の存在は、泡の測定及び専門家パネルを使用する官能試験によって示された。
【0017】
本発明は、ケラチン物質、特には毛髪又は頭皮を洗浄するための、本発明の組成物の使用にも関する。
【0018】
「硫酸塩含有界面活性剤を含まない組成物」又は「硫酸塩を含まない組成物」という表現は、本発明の組成物が、特にはラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸アンモニウム(ALS)、又はラウレス硫酸アンモニウム(ALES)などの硫酸塩の誘導体であるアニオン性界面活性剤を欠いている、すなわち全く含まない(0%)ことを意味する。
【0019】
本発明の目的のためには、用語「硫酸塩誘導体であるアニオン性界面活性剤」は、硫酸塩官能基(−OSO
3H又は−OSO
3−)から選択される、少なくとも1つのアニオン性基又はアニオン性基へとイオン化可能な基を含む界面活性剤を意味する。
【0020】
そのため、次のアニオン性界面活性剤は、好ましくは本発明の組成物中に存在しない:アルキル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩。
【0021】
「十分な粘度を有する組成物」という表現は、本明細書では、1,500〜50,000cpsに含まれる、例えば2,000〜30,000cpsに含まれる、例えば3,000〜25,000cpsに含まれる見かけ粘度を有する組成物を意味する。各組成物の見かけ粘度は、温度が制御された部屋(21±3℃)の中で、RVスピンドル4又は5を備えたブルックフィールド粘度計DV−II+型を使用して、10RPMで24時間後に測定した。粘度の値は、常に1分の安定化時間の後に測定した。
【0022】
ある実施形態によれば、本発明の組成物は、少なくとも1,500cps、例えば少なくとも2,000cpsの見かけ粘度を有する。
【0023】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、50,000cps未満、例えば40,000cps未満の見かけ粘度を有する。
【0024】
「泡立ち特性」という表現は、本明細書では特に瞬時の泡立ち(flash foam)及び泡の体積を意味し、これらは特に泡の品質についての消費者の知覚に影響を及ぼす主要因である。周知の試験、特には実験項に記載されているような試験を、これらの因子を測定するために使用することができる。
【0025】
「目的領域のコンディショニング」という表現は、目的領域に有益な特性を付与することを意味する。目的領域は、特にはケラチン物質であってもよい。本明細書で使用される「ケラチン物質」としては、皮膚、毛髪、頭皮、唇、まつげ、及び爪が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、目的領域は皮膚、毛髪、及び/又は頭皮である。
【0026】
例えば目的領域が毛髪の場合、「改善されたコンディショニング」は、改善されたほぐし易さ及び/又は梳かし易さを包含し得る。
【0027】
ほぐし易さは、毛髪をほぐすために必要とされる時間を測定することによって決定することができる。ほぐす時間が短いほど、毛髪をほぐし易い。
【0028】
梳かし易さは、毛髪を梳かすために必要とされる作業を測定することによって決定することができる。梳かす作業が少ないほど、髪を梳かし易い。
【0029】
目的領域が皮膚の場合、「改善されたコンディショニング」は、改善された保湿の利益及び/又は軟らかさを包含し得る。
【0030】
コンディショニングは、目的領域に付着した油の量の測定によっても決定することができる。目的領域に付着した油の量が多いほど、得られるコンディショニング効果が大きい。
【0031】
有利には、本発明の組成物は低刺激性組成物である。
低刺激性は、例えばZein試験を用いて評価することができ、これは製品の皮膚刺激性を分析するための従来の方法である。
【0032】
本発明の組成物の界面活性剤系に関しての用語「からなる(consist of又はconsisting of)」は、本明細書では、本発明の組成物が明示的に列挙されている界面活性剤の混合物から厳密に形成され、他の界面活性剤を含まない界面活性剤系を含むことを意味するために使用される。
【0033】
本発明の組成物は、パーソナルケア組成物、好ましくはパーソナルケア洗浄組成物、すなわち、限定するものではないが、特にはシャワージェル、洗顔料、ボディーソープ、液体ハンドソープ、シャンプー、又はクレンジングコンディショナーなどのボディケア用途のための、洗浄/クレンジングを目的とした組成物である。
【0034】
全ての量は、組成物の総重量に対する重量部(pbw)である。
【0035】
疑義を回避するために明記すると、界面活性剤の量は、組成物中に存在する活性な界面活性剤化合物の実際の量を意味する。つまり、これには市販の界面活性剤混合物中に不純物として存在し得る残留物は含まれない。
【0036】
参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、及び刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合は、本記載が優先するものとする。
【0037】
本発明の組成物の界面活性剤系の中では、硫酸塩を含まない特定のアニオン性界面活性剤の特定の組み合わせが使用される。
【0038】
本発明の組成物は、式R
aCON(CH
3)CH
2CH
2SO
3X
a(式中、R
aはオレイン酸の炭化水素基であり、X
aは対イオンである)の少なくとも1種のオレオイルメチルタウリン塩を含有する。
【0039】
オレオイルメチルタウリン塩の対イオンX
aは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアンモニウムイオンであってもよい。
【0040】
オレオイルメチルタウリン塩の対イオンX
aは、典型的にはアルカリ金属イオン、特にはナトリウムイオンである。あるいは、これは、カリウムやリチウムなどの別のアルカリ金属イオン、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属イオン、又は最大6個の脂肪族炭素原子を有するアルキルアンモニウムなどの任意選択的に置換されていてもよいアンモニウムイオン(イソプロピルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、及びトリエタノールアンモニウム等)であってもよい。
【0041】
本発明の硫酸塩を含まない他の特定のアニオン性界面活性剤と組み合わされた本発明のオレオイルメチルタウリン塩の特定の使用は、タウリン塩を全く含まない組成物と比較して、あるいはココイルメチルタウリン塩などの別のタウリン塩を含む組成物と比較しても、より優れた粘度を得ることを可能にすることが見出された。
【0042】
本発明の実施形態のいずれかによれば、前記オレオイルメチルタウリン塩は、組成物の総重量に対して0.1〜10pbw、例えば0.5〜5pbw、例えば1〜3pbwの範囲の濃度で存在する。
【0043】
本発明の組成物は、式R
bCOOCH
2CH
2SO
3X
b(式中、R
bは、6〜30個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル、アルケニル、アリール、又はアルキルアリール基であり、X
bは対イオンである)の少なくとも1種のイセチオン酸塩も含有する。
【0044】
本発明の実施形態のいずれかによれば、イセチオン酸塩は、式R
bCOOCH
2CH
2SO
3X
b(R
bは6〜30個の炭素原子、例えば7〜24個の炭素原子、例えば7〜21個の炭素原子を有する無置換のアルキル基である)のものであってもよい。
【0045】
いくつかの実施形態においては、イセチオン酸塩型の界面活性剤成分は、脂肪酸の混合物を含有することで式R
bCOOCH
2CH
2SO
3X
b(式中のR
bは異なっていてもよい)のイセチオン酸塩の混合物を形成していてもよい。
【0046】
ある実施形態によれば、R
bは脂肪酸の残基である。
【0047】
天然油から得られる脂肪酸は、多くの場合脂肪酸の混合物を含む。例えば、ヤシ油から得られる脂肪酸は、C
12ラウリン酸、C
14ミリスチン酸、C
16パルミチン酸、及びC
8カプリル酸などの脂肪酸の混合物を含む。
【0048】
R
bは、1種以上の天然起源の脂肪酸及び/又は1種以上の合成脂肪酸の残基を含んでいてもよい。
【0049】
R
bが由来し得るカルボン酸の残基の例としては、ココ酸、酪酸、ヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタノン酸、ベへン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、天然由来の脂肪酸(ヤシ油、パーム核油、乳脂肪、パーム油、オリーブ油、コーン油、亜麻仁油、落花生油、魚油、及び菜種油から得られるもの等);単一の長さの鎖又は選択された鎖長分布として製造される合成脂肪酸;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0050】
最も好ましくは、R
bはラウリン酸、すなわち12個の炭素原子を有する飽和脂肪酸の残基か、ヤシ油由来の混合脂肪酸の残基を含む。
【0051】
イセチオン酸塩の対イオンX
bは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアンモニウムイオンであってもよい。
【0052】
イセチオン酸塩の対イオンX
bは、典型的にはアルカリ金属イオン、特にはナトリウムイオンである。あるいは、これは、カリウムやリチウムなどの別のアルカリ金属イオン、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属イオン、又は最大6個の脂肪族炭素原子を有するアルキルアンモニウムなどの任意選択的に置換されていてもよいアンモニウムイオン(イソプロピルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、及びトリエタノールアンモニウム等)であってもよい。
【0053】
本発明の実施形態のいずれかによれば、前記イセチオン酸塩は、組成物の総重量に対して0.1〜10pbw、例えば0.5〜5pbw、例えば1〜3pbwの範囲の濃度で存在する。
【0054】
本発明の組成物は、少なくとも1種のアルコキシル化スルホコハク酸塩も含有する。
【0055】
本発明の実施形態のいずれかによれば、アルコキシル化スルホコハク酸塩は、式R
c−O−(CH
2CH
2O)
nC(O)CH
2CH(SO
3X
c)CO
2X
cのアルコキシル化スルホコハク酸塩であってもよく、式中のnは1〜20の範囲であり、R
cは6〜30個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル、アルケニル、アリール、又はアルキルアリール基であり、X
cは対イオンである。
【0056】
本発明の実施形態のいずれかによれば、アルコキシル化スルホコハク酸塩は、式R
c−O−(CH
2CH
2O)
nC(O)CH
2CH(SO
3X
c)CO
2X
c(式中、nは2〜20の範囲であり、R
cは6〜30個の炭素原子、例えば7〜24個の炭素原子、例えば7〜21個の炭素原子を有する無置換のアルキル基であり、X
cは対イオンである)のアルコキシル化スルホコハク酸塩であってもよい。
【0057】
アルコキシル化スルホコハク酸塩の対イオンX
cは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、又はアンモニウムイオンであってもよい。
【0058】
アルコキシル化スルホコハク酸塩の対イオンX
cは、典型的にはアルカリ金属イオン、特にはナトリウムイオン又はアンモニウムイオン、特にはNH
4+である。あるいは、これは、カリウムやリチウムなどの別のアルカリ金属イオン、カルシウムやマグネシウムなどのアルカリ土類金属イオン、又は最大6個の脂肪族炭素原子を有するアルキルアンモニウムなどの任意選択的に置換されていてもよいアンモニウムイオン(イソプロピルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、及びトリエタノールアンモニウム等)であってもよい。
【0059】
本発明の実施形態のいずれかによれば、アルコキシル化スルホコハク酸塩は、ラウリルエーテルスルホコハク酸アンモニウム若しくはナトリウムから選択されるアルコキシル化スルホコハク酸塩である。
【0060】
本発明の実施形態のいずれかによれば、前記アルコキシル化スルホコハク酸塩は、組成物の総重量に対して0.1〜10pbw、例えば1〜8pbw、例えば2〜6pbwの範囲の濃度で存在する。
【0061】
硫酸塩を含まない様々なアニオン性界面活性剤の中でも、本発明のアルコキシル化スルホコハク酸塩は、有利には本発明のオレオイルメチルタウリン塩及びイセチオン酸塩と比較して最も多い相対量で存在していてもよい。
【0062】
つまり、最終的な組成物中に存在する本発明のアルコキシル化スルホコハク酸塩の量は、本発明のオレオイルメチルタウリン塩の量よりも多くてもよく、最終的な組成物中に存在する本発明のアルコキシル化スルホコハク酸塩の量は、同様に本発明のイセチオン酸塩の量よりも多くてもよい。
【0063】
本発明の実施形態のいずれかによれば、オレオイルメチルタウリン塩(a)に対するアルコキシル化スルホコハク酸塩(c)の重量比は、最終的な組成物中の各界面活性剤の重量パーセントを基準として、本発明の組成物中で1以上であり、好ましくは1より大きい。
【0064】
本発明の実施形態のいずれかによれば、イセチオン酸塩(b)に対するアルコキシル化スルホコハク酸塩(c)の重量比は、最終的な組成物中の各界面活性剤の重量パーセントを基準として、本発明の組成物中で1以上であり、好ましくは1より大きい。
【0065】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物中の、オレオイルメチルタウリン塩(a)、イセチオン酸塩(b)、及びアルコキシル化スルホコハク酸塩(c)における濃度は、組成物の総重量に対して1〜20pbw、例えば2〜15pbw、例えば2〜10pbwの範囲であってもよい。
【0066】
本発明の実施形態のいずれかによれば、界面活性剤系は、任意選択的な成分として、硫酸塩を含まない追加的な界面活性剤を含んでいてもよく、これは、式R
cO
2CCH
2CH(SO
3X
c)CO
2X
cのモノアルキルスルホコハク酸塩、式R
cCONHCH
2CH
2O
2CCH
2CH(SO
3X
c)CO
2X
cのアミド−MEAスルホコハク酸塩、又は式R
cCONH(CH
2)CH(CH
3)(SO
3X
c)CO
2X
cのアミド−MIPAスルホコハク酸塩の中から選択することができ、R
c及びX
cは上で定義した通りである。
【0067】
本発明の実施形態のいずれかによれば、界面活性剤系は、任意選択的な成分として、硫酸塩を含まない追加的な界面活性剤を含んでいてもよく、両性、双性イオン性、又は非イオン性の界面活性剤の中から選択することができる。
【0068】
特には、本発明の組成物は、(i)アンホ酢酸塩及びジアンホ酢酸塩、(ii)スルタイン、並びに(iii)アルキルベタインから選択される少なくとも1種の両性又は双性イオン性界面活性剤を更に含有していてもよい。
【0069】
本発明の組成物は、例えば、式:
【化1】
(式中、Rは8〜22個の炭素原子の脂肪族基であり、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムなどのカチオンである)
のアンホ酢酸塩を含有していてもよい。
【0070】
本発明の組成物は、例えば、式:
【化2】
(式中、Rは8〜22個の炭素原子の脂肪族基であり、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は置換アンモニウムなどのカチオンである)
のジアンホ酢酸塩を含有していてもよい。
【0071】
別の実施形態においては、本発明の組成物は、(ii)少なくとも1種のスルタインを含有する。
【0072】
本発明の組成物は、例えば式:
【化3】
(mは2又は3である)
のスルタイン、又は式中の−(CH
2)
3SO
3−が
【化4】
によって置き換えられているこれらの類似化合物を含有していてもよく、式中のR
1は、7〜22個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル又はアルケニル基であり、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、1〜6個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル、又はカルボキシアルキルである。
【0073】
別の実施形態においては、本発明の組成物は、(iii)少なくとも1種のアルキルベタインを含有する。
【0074】
本発明の組成物は、例えば式:
【化5】
(式中、R
1は、7〜22個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル又はアルケニル基であり、R
2及びR
3はそれぞれ独立に、1〜6個の炭素原子のアルキル、ヒドロキシアルキル、又はカルボキシアルキルである)
のアルキルベタインを含有していてもよい。
【0075】
R
1は、特にはR
1基のうちの少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3が10〜14個の炭素原子を有するように、ヤシ油由来のC
12とC
14のアルキル基の混合物であってもよい。R
2及びR
3は好ましくはメチルである。
【0076】
存在する場合、最終的な組成物中に存在する本発明の両性又は双性イオン性界面活性剤の量は、本発明のオレオイルメチルタウリン塩の量よりも多くてもよく、最終的な組成物中に存在する本発明の両性又は双性イオン性界面活性剤の量は、同様に本発明のイセチオン酸塩の量よりも多くてもよい。
【0077】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は少なくとも1種の両性又は双性イオン性界面活性剤を含有し、オレオイルメチルタウリン塩(a)に対する両性又は双性イオン性界面活性剤の重量比は、最終的な組成物中の各界面活性剤の重量パーセントを基準として、本発明の組成物中で1以上であり、好ましくは1より大きい。
【0078】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は少なくとも1種の両性又は双性イオン性界面活性剤を含有し、イセチオン酸塩(b)に対する両性又は双性イオン性界面活性剤の重量比は、最終的な組成物中の各界面活性剤の重量パーセントを基準として、本発明の組成物中で1以上であり、好ましくは1より大きい。
【0079】
ある具体的な実施形態においては、本発明の組成物は、アルカノールアミド界面活性剤及びグリコシド界面活性剤から選択される1種以上の非イオン性界面活性剤を更に含有していてもよい。
【0080】
好適なアルカノールアミド界面活性剤は公知の化合物であり、例えば、アセトアミドMEA、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドメチルMEA、コカミドMIPA、ヒドロキシステアルアミドMEA、PEG−5コカミドMEA、ラクトアミドMEA、ラウラミドMEA、及びラウラミドDEAが挙げられ、好ましくはコカミドMIPA又はコカミドメチルMEAが挙げられる。
【0081】
好適なグリコシド界面活性剤は公知の化合物であり、例えば、(C
4〜C
22)アルキルヘキソシド(ブチルグルコシド、ノニルグルコシド、デシルグルコシド、ドデシルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、ココグルコシド、ラウリルグルコシド、カプロイルエチルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、カプリリルグルコシド等)、(C
4〜C
22)アルキルポリヘキソシド(ブチルポリグルコシド、ノニルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド、エルシルポリグルコシド等)、(C
4〜C
22)アルキルペントシド(ノニルアラビノシド、デシルアラビノシド、ヘキサデシルアラビノシド、オクチルキシロシド、ノニルキシロシド、デシルキシロシド、ヘキサデシルキシロシド、エルシルキシロシド等)、及び(C
4〜C
22)アルキルポリペントシド(ブチルポリアラビノシド、ノニルポリアラビノシド、デシルポリアラビノシド、ヘキサデシルポリアラビノシド、オクタデシルポリアラビノシド、エルシルポリアラビノシド、ブチルポリキシロシド、ノニルポリキシロシド、デシルポリキシロシド、オクタデシルポリキシロシド、及びエルシルポリキシロシド等)、ブチルポリ(アラビノ−co−キシロ)シド、ノニルポリ(アラビノ−co−キシロ)シド、デシルポリ(アラビノ−co−キシロ)シド、ヘキサデシルポリ(アラビノ−co−キシロ)シド、オクタデシルポリ(アラビノ−co−キシロ)シド、エルシルポリ(アラビノ−co−キシロ)シド、並びにそのような化合物のいずれかの混合物が挙げられ、この中の用語「ポリ(アラビノ−co−キシロ)シド」は、アラビノース及びキシロースの単量体残基の共重合鎖を意味する。好ましくは、グリコシド界面活性剤はデシルグルコシドである。
【0082】
本発明の特定の実施形態によれば、両性、双性イオン性、又は非イオン性の界面活性剤の中から選択される前記任意選択的な硫酸塩を含まない追加的な界面活性剤は、組成物の総重量に対して0.5〜5pbwの間の様々な量で組み込まれる。
【0083】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、アンホ酢酸塩及びジアンホ酢酸塩から選択される、好ましくはラウロアンホ酢酸塩である、少なくとも1種の両性又は双性イオン性界面活性剤と、アルカノールアミド界面活性剤及びグリコシド界面活性剤から選択される少なくとも1種の非イオン性界面活性剤とを更に含み、硫酸塩を含まない追加的な界面活性剤を全く含まない。
【0084】
本発明の組成物中の界面活性剤系は、1種の式R
aCON(CH
3)CH
2CH
2SO
3X
a(式中、R
aはオレイン酸の炭化水素基であり、X
aは対イオンである)のオレオイルメチルタウリン塩と、1種の式R
bCOOCH
2CH
2SO
3X
b(式中、R
bは、6〜30個の炭素原子を有する置換又は無置換のアルキル、アルケニル、アリール、又はアルキルアリール基であり、X
bは対イオンである)のイセチオン酸塩と、1種のアルコキシル化スルホコハク酸塩と、アンホ酢酸塩及びジアンホ酢酸塩から選択される1種の両性又は双性イオン性界面活性剤と、アルカノールアミド界面活性剤及びグリコシド界面活性剤から選択される1種の非イオン性界面活性剤と、から構成されていてもよい。
【0085】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物中の界面活性剤の合計量は、組成物の総重量に対して5〜15pbwの範囲である。
【0086】
アニオン性界面活性剤対両性界面活性剤の重量比は、典型的には1:10〜10:1の範囲であってもよい。
【0087】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、アニオンが豊富な界面活性剤の基本構成、すなわち両性界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤の比率が1より大きい、例えば2より大きい界面活性剤の基本構成を含んでいてもよい。
【0088】
本発明の別の実施形態によれば、本発明の組成物は、両性イオンが豊富な界面活性剤の基本構成、すなわちアニオン性界面活性剤に対する両性界面活性剤の比率が1より大きい、例えば2より大きい界面活性剤の基本構成を含んでいてもよい。
【0089】
本発明の組成物は、コンディショニング剤、特にはカチオン性又は両性のコンディショニング剤を更に含有する。そのような薬剤は、オイルの付着を補助することができる。これらはいくつかのコンディショニング作用も付与し得る。これらは、例えば毛髪の外観及び感触の向上、毛髪のボリューム又はしなやかさの増加、梳かし易さ及びスタイリングし易さの向上、艶又は光沢の改善、並びに化学的若しくは物理的作用によってダメージを受けた毛髪の質感の改善を行うことができる。これらは、毛髪の静電気特性を変化させる静電気防止効果を付与することができる。
【0090】
本発明の実施形態のいずれかによれば、コンディショニング剤はカチオン性セルロースであってもよい。
【0091】
カチオン性セルロースは、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩として、Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)からPolymer JR(商標)及びLR(商標)として入手可能であり、業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれている。別のタイプのカチオン性セルロースとしては、業界(CTFA)でポリクオタニウム24と呼ばれている、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの高分子四級アンモニウム塩が挙げられる。これらの物質は、Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)から、Polymer LM−200という商標名で入手可能である。
【0092】
別の実施形態においては、コンディショニング剤は、カチオン性多糖ポリマー、特には、グァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(RhodiaからJAGUARという商標シリーズで市販)などのカチオン性グァーガム誘導体であってもよい。例は、カチオン性基の置換の程度が少なく高粘度であるJAGUAR C13S、JAGUAR C17(高度に置換、高粘度)、及び置換の程度が少なく高透明度で中粘度のグァーであるJAGUAR 162である。JAGUAR C14S、JAGUAR Excel、JAGUAR C500、JAGUAR LS、及びJAGUAR Optimaも挙げることができる。
【0093】
特に好ましいカチオン性ポリマーは、JAGUAR C162、JAGUAR LS、及びJAGUAR Optimaである。
【0094】
本発明の組成物と適合性を有する限り、当該技術分野で公知の他のカチオン性又は両性のコンディショニング剤を使用してもよい。
【0095】
特には、合成カチオンポリマー(例えば四級アンモニウム基又は三級アンモニウム基を有する単位と、任意選択的な中性単位とを含むポリマー)及び合成両性コポリマー(例えば四級アンモニウム基又は三級アンモニウム基を有する単位と、アニオン性(通常は酸性)基を有する単位と、任意選択的な中性単位とを含むポリマー)を挙げることができる。
【0096】
コンディショニング剤は当業者に公知である。
典型的なコンディショニング剤の例(INCI名)としては:
ポリクオタニウム−1;ポリクオタニウム−2;ポリクオタニウム−4;ポリクオタニウム−5;ポリクオタニウム−6;ポリクオタニウム−7;ポリクオタニウム−8;ポリクオタニウム−9;ポリクオタニウム−10;ポリクオタニウム−11;ポリクオタニウム−12;ポリクオタニウム−13;ポリクオタニウム−14;ポリクオタニウム−15;ポリクオタニウム−16;ポリクオタニウム−17;ポリクオタニウム−18;ポリクオタニウム−19;ポリクオタニウム−20;ポリクオタニウム−22;ポリクオタニウム−24;ポリクオタニウム−27;ポリクオタニウム−28;ポリクオタニウム−29;ポリクオタニウム−30;ポリクオタニウム−31;ポリクオタニウム−32;ポリクオタニウム−33;ポリクオタニウム−34;ポリクオタニウム−35;ポリクオタニウム−36;ポリクオタニウム−37;ポリクオタニウム−39;ポリクオタニウム−43;ポリクオタニウム−44;ポリクオタニウム−45;ポリクオタニウム−46;ポリクオタニウム−47;ポリクオタニウム−48;ポリクオタニウム−49;ポリクオタニウム−50;ポリクオタニウム−52;ポリクオタニウム−53;ポリクオタニウム−54;ポリクオタニウム−55;ポリクオタニウム−56;ポリクオタニウム−57;ポリクオタニウム−58;ポリクオタニウム−59;ポリクオタニウム−60;ポリクオタニウム−63;ポリクオタニウム−64;ポリクオタニウム−65;ポリクオタニウム−66;ポリクオタニウム−67;ポリクオタニウム−70;ポリクオタニウム−73;ポリクオタニウム−74;ポリクオタニウム−75;ポリクオタニウム−76;ポリクオタニウム−85;ポリクオタニウム−86;ポリβ−アラニン;ポリε−リシン;ポリリシン;PEG−8/SMDIコポリマー;PPG−12/SMDIコポリマー;PPG−51/SMDIコポリマー;PPG−7/コハク酸コポリマー;IPDI/PEG−15コカミドコポリマー;IPDI/PEG−15コカミドコポリマー二量体ジリノレート;IPDI/PEG−15ソイアミンコポリマー;IPDI/PEG−15ソイアミンオキシドコポリマー;IPDI/PEG−15ソイエトニウムエトサルフェート(Soyethonium Ethosulfate)コポリマー;ポリクオタニウム−4/ヒドロキシプロピルデンプンコポリマー;カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;デキストランヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ガラクトアラビナンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ジンセン(Ginseng)ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;グァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ヒドロキシプロピルグァーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ローカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解小麦デンプン;ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解トウモロコシデンプン;ヒドロキシプロピル酸化デンプンPG−トリモニウムクロリド;タマリンダス インディカ(Tamarindus Indica)ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド;ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド;ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド;ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート;プロピルトリモニウムクロリドメタアクリルアミド/ジメチルアクリルアミドコポリマー;アクリルアミド/エタルコニウム(Ethalkonium)クロリドアクリレートコポリマー;アクリルアミド/エチルトリモニウムクロリドアクリレート/エタルコニウムクロリドアクリレートコポリマー;アクリレート/カルバメートコポリマー;アジピン酸/メチルDEAクロスポリマー;ジエチレングリコール/DMAPアクリルアミド/PEG−180/HDIコポリマー;ジヒドロキシエチル牛脂アミン/IPDIコポリマー;ジメチルアミン/エチレンジアミン/エピクロロヒドリンコポリマー;HEMAグルコシド/エチルメタクリレートトリモニウムクロリドコポリマー;加水分解小麦タンパク質/PEG−20酢酸塩コポリマー;加水分解小麦タンパク質/PVPクロスポリマー;エチルトリモニウムクロリドメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリルアミドコポリマーが挙げられる。
【0097】
組成物中のカチオン性又は両性コンディショニング剤の量は、好ましくは組成物を基準として0.1〜10pbwの範囲、特に好ましくは0.2〜5pbwの範囲、及び特に好ましくは0.5〜2.5pbwの範囲であってもよい。
【0098】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、該組成物100pbwを基準として、0以上2pbw未満の式(I’):
【化6】
(式中、R
1’はC
4〜30の置換又は無置換のヒドロカルビル基を表し;R
2’、R
3’、R
4’、及びR
5’のそれぞれは、独立に水素原子又はC
1〜4アルキル基を表し、R
2’、R
3’、R
4’、及びR
5’のうちの少なくとも1つは水素ではなく、M
+はカチオンを表す)の1種のイセチオン酸塩を含有する。
【0099】
式(I’)の典型的なイセチオン酸塩は、ラウリルメチルイセチオン酸ナトリウム及びココイルメチルイセチオン酸ナトリウムである。
【0100】
式(I’)のイセチオン酸塩は、本発明の組成物の望ましい成分ではない。
【0101】
より典型的には、本発明の組成物は、該組成物100pbwを基準として、0以上1pbw未満の式(I’)のイセチオン酸塩を含有し、更には式(I’)のイセチオン酸を実質的に含有しない、すなわち、組成物100pbw当たり、0.1pbw未満の式(I’)のイセチオン酸塩を含有し、より典型的には式(I’)のイセチオン酸を含有しない、すなわち、組成物100pbw当たり、0pbwの式(I’)のイセチオン酸塩を含有する。
【0102】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、それぞれ、該組成物100pbwを基準として、0以上2pbw未満の1種のアミドベタイン(例えばコカミドプロピルベタイン等)を含有する。
【0103】
より典型的には、本発明の組成物は、それぞれ、該組成物100pbwを基準として、0以上1pbw未満のアミドベタイン(例えばコカミドプロピルベタイン)を含有し、更にはアミドベタインを実質的に含有しない、すなわち、組成物100pbw当たり、0以上0.1pbw未満のアミドベタインを含有し、より典型的にはアミドベタインを含有しない、すなわち、組成物100pbw当たり、0pbwのアミドベタインを含有する。
【0104】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は電解質を更に含有していてもよい。
【0105】
「電解質」という用語は、本明細書では、使用される濃度で組成物に完全に溶解するイオン性の塩を意味する。
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の任意の組成物の電解質は、アルカリ塩及びアンモニウム塩の群から選択することができる。特には、そのような電解質はアルカリ塩であってもよい。非限定的な例として、NaClやKClなどの電解質を挙げることができる。本発明の実施形態のいずれかによれば、電解質は、組成物の重量に対して約0.2〜3pbwの濃度で、例えば2.5pbw未満の濃度で組成物中に存在する。
【0106】
本発明の組成物は、意図される用途のために特定の利益をもたらし得る追加的な任意選択的な成分を更に含有していてもよい。そのような任意選択的な成分としては、着色剤、真珠光沢剤、エモリエント剤、水和剤、乳白剤、防腐剤、及びpH調整剤を挙げることができる。当業者であれば、シャンプー、シャワージェル、及び液体ハンドソープなどのパーソナルケア組成物を配合する技術分野の通常の知識並びにこれらに関連する膨大な文献に従って、適切なそのような任意選択的な成分を利用目的のために選択することができる。
【0107】
ある実施形態においては、本発明の組成物は、シリコーン(揮発性シリコーン、ガム若しくはオイル、又は非アミノシリコーン及びこれらの混合物等)、鉱油、植物油(落花生油、ヒマシ油、ココアバター、ヤシ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パーム核油、菜種油、ベニバナ油、ゴマ油、及び大豆油等)、エステル(ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸デシル、ラウリン酸グリセリル、リシノール酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸グリセリル、ラウリン酸ヘキシル、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラウリン酸イソプロピル、リノール酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、モノラウリン酸プロピレングリコール、リシノール酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、及びイソステアリン酸プロピレングリコール等)、動物性油脂(アセチル化ラノリンアルコール、ラノリン、ラード、ミンクオイル、及び牛脂等)、並びに脂肪酸及びアルコール(ベヘン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べへニルアルコール、セチルアルコール、エイコサニルアルコール、及びイソセチルアルコール等)などの、エモリエント剤、保湿剤、コンディショナー、スキンコンディショナー、又はヘアコンディショナー;ビタミンB複合体(チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、クロリン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール、カルニチン等)、ビタミンA、C、D、E、K及びその誘導体(ビタミンAパルミチン酸エステル等)、及びプロビタミン(例えばパンテノール(プロビタミンB5)、トリ酢酸パンテノール)、並びにこれらの混合物などの、ビタミン又はその誘導体;酸化防止剤;フリーラジカル捕捉剤;天然又は合成の研磨剤;染料;染毛剤;漂白剤;毛髪脱色剤;UV吸収剤(ベンゾフェノン、ボルネロン、PABA(パラアミノ安息香酸)、ブチルPABA、シンナミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジスチリルビフェニルジスルホン酸二ナトリウム、メトキシケイ皮酸カリウム等);抗UV剤(ブチルメトキシジベンゾイルメタン、メトキシケイ皮酸オクチル、オキシベンゾン、オクトクレリン、サリチル酸オクチル、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ヒドロキシプロピルアミノ安息香酸エチル、アントラニル酸メンチル、アミノ安息香酸、シノキサート、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、アミノ安息香酸グリセリル、二酸化チタン、酸化亜鉛、オキシベンゾン、オクチルジメチルPABA(padimate O)、赤色ワセリン等);抗微生物剤;抗菌剤(バシトラシン、エリスロマイシン、トリクロサン、ネオマイシン、テトラサイクリン、クロロテトラサイクリン、ベンゼトニウムクロリド、フェノール、パラクロロメタキシレノール(PCMX)、トリクロカルバン(TCC)、クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)、ジンクピリチオン、硫化セレン等);抗真菌薬;メラニン調整剤;日焼け促進剤;レチノイド(レチノール、コウジ酸、及び例えばコウジ酸ジパルミタートなどのその誘導体等)、ヒドロキノン及びその誘導体(アルブチン、トラネキサム酸(transexamic acid)等)、ビタミン(ナイアシン、ビタミンC、及びその誘導体等)、アゼライン酸、プラセルチア(placertia)、カンゾウ、抽出物(カモミール及び緑茶等)などの脱色剤(この中ではレチノール、コウジ酸、及びヒドロキノンが好ましい);美白剤(ヒドロキノン、カテコール、及びその誘導体、アスコルビン酸及びその誘導体等);皮膚着色剤(ジヒドロキシアセトン等);脂質調整剤;軽量化剤;抗にきび剤;抗ふけ剤;老化防止剤;抗しわ剤;角質溶解薬;抗炎症剤;抗にきび剤(トレチノイン、イソトレチノイン、モトレチニド、アダパレン、タザロテン、アゼライン酸、レチノール、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、レゾルシノール等)、抗生剤(テトラサイクリン及びその異性体、エリスロマイシン等)、抗炎症剤(イブプロフェン、ナプロキセン、ヘトプロフェン(hetprofen)等)、植物抽出物(ハンノキ、アルニカ、カワラヨモギ(artemisia capillaris)、サイシン、キンセンカ(calendula)、カモミール、ハマゼリ(Cnidium)、コンフリー、フェンネル、五倍子(galla rhois)、サンザシ、ドクダミ(houttuynia)、オトギリソウ(hypericum)、ナツメ、キウイ、リコリス、マグノリア、オリーブ、ペパーミント、フィロデンドロン(philodendron)、サルビア、クマザサ(sasa albomarginata)等、イミダゾール(ケトコナゾール及びエルビオール等)、Gollnick,H.et al.196(1)Dermatology Sebaceous Glands,Acne and Related Disorders,119−157(1998)(本出願と矛盾しない範囲内において参照により本明細書に組み込まれる)の中に記載されている抗にきび剤;清涼化剤;瘢痕化剤;血管保護剤;ふけ、脂漏性湿疹、又は乾癬を軽減するための薬剤(ジンクピリチオン、シェール油、及びその誘導体(スルホン化シェール油等)、硫化セレン、硫黄、サリチル酸、コールタール、ポビドンヨード、イミダゾール(ケトコナゾール、ジクロロフェニルイミダゾロジオキサラン、クロトリマゾール、イトラコナゾール、ミノコナゾール、クリンバゾール、チオコナゾール、サルコナゾール、ブトコナゾール、フルコナゾール、亜硝酸ミコナゾール(miconazolenitrite)等)、及び任意の可能な立体異性体及びこれらの誘導体(アントラリン、ピロクトンオラミン(Octopirox)、硫化セレン、シクロピロクスオラミン等)など)、抗乾癬薬(ビタミンD類似体、例えばカルシポトリオール、カルシトリオール、及びタカレイトロール(tacaleitrol)、ビタミンA類似体(パルミチン酸ビタミンAなどのビタミンAのエステル、レチノイド、レチノール、及びレチノール酸等)、コルチコレステロイド(ヒドロコルチゾン、クロベタゾン、酪酸塩、プロピオン酸クロベタゾール等)など);制汗剤又は体臭防止剤(クロロヒドロキシアルミニウム、クロロヒドロキシアルミニウムジルコニウム等);免疫調節薬;養毛剤;除毛剤(チオグリコール酸カルシウム、チオグリコール酸マグネシウム、チオグリコールカリウム、チオグリコール酸ストロンチウム等);脱毛対策剤;パーマ用還元剤;反射剤(マイカ、アルミナ、ケイ酸カルシウム、ジオレイン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール、シリカ、フルオロケイ酸ナトリウムマグネシウム等);精油及び香料などの、1種以上の有益な薬剤を更に含有する。
【0108】
ある実施形態においては、本発明の組成物は、保湿剤若しくはコンディショナー、染毛剤、抗UV剤、抗しわ剤、香料若しくは精油、皮膚着色剤、抗ふけ剤などの、不溶性若しくは部分的に不溶性の成分から選択される有益な薬剤を含有し、例えば毛髪及び/若しくは皮膚、又は繊維製品、又は調理台、又は植物の葉などの基材の上へのそのような有益な薬剤の付着性を向上させる。
【0109】
ある実施形態においては、本発明のパーソナルケア組成物は、約0.1〜約50pbw、より典型的には約0.3〜約25pbw、更に典型的には約0.5〜約10pbwの、1種以上の有益な薬剤を更に含有する。
【0110】
本発明の組成物は、任意選択的には、例えば、防腐剤(ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、メチルクロロイソチアゾリノン、及びメチルイソチアゾリノン等)、増粘剤(高分子量架橋ポリアクリル酸(カルボマー)、ステアリン酸のPEGジエステル等)、及び粘度調整剤(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロックポリマー、電解質(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム等)、及びポリビニルアルコール等)、pH調整剤(クエン酸、コハク酸、リン酸、水酸化ナトリウム、及び炭酸ナトリウム等)、香料、染料、及び金属イオン封鎖剤(エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム等)などの他の成分を更に含有していてもよい。通常、パーソナルケア組成物は、パーソナルケア組成物100pbwを基準として、各そのような成分について独立に、パーソナルケア組成物の望まれる特性に応じて、最大約10pbw、好ましくは0.5pbw〜約5.0pbwのそのような他の成分を任意選択的に含有していてもよい。
【0111】
通常、本発明の組成物は、パーソナルケア組成物100pbwを基準として、各そのような成分について独立に、組成物の望まれる特性に応じて、最大約15pbw、好ましくは0.5pbw〜約10pbwのそのような他の成分を任意選択的に含有していてもよい。
【0112】
本発明の組成物は、例えば洗浄剤又はシャンプーの場合は、皮膚及び/又は毛髪に洗浄剤又はシャンプーを塗布し、任意選択的に皮膚及び/又は毛髪の洗浄剤又はシャンプーを水で洗い流すことによるなどの、当該技術分野で公知の方法で使用される。
【0113】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、4〜11に含まれるpHを有していてもよい。
【0114】
本発明の実施形態のいずれかによれば、本発明の組成物は、濃縮型流動性界面活性剤組成物を使用して調製されてもよい。
【0115】
本発明は、本発明の組成物の調製に適切な濃縮物にも関する。
【0116】
界面活性剤及び/又はコンディショニング剤の混合物を含む濃縮物は、これらを使用すると複数の個々の成分を輸送する必要が減ることから有利である。
【0117】
パーソナルケア組成物は、通常は個々の界面活性剤及びコンディショニング剤を混合することによって調製される。これらの成分は、配合者により適切な比率で希釈及び/又は組み合わされる濃縮液として供給されてもよい。本発明は、本発明の組成物を調製するための構成成分として使用される任意の界面活性剤濃縮液、及び特には限定的な量の水を含む界面活性剤濃縮液も包含する(コスト及び環境保護の観点からより有利である)。