(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記香味料は、メンソール、ペパーミント及びスペアミント等のミント、チョコレート、リコリス、柑橘類及び他の果実香味、γ-オクタラクトン、バニリン、エチルバニリン、ブレスリフレッシャー香味、シナモン等のスパイス香味、サリチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油、タバコ香味又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
前記香味料は、メンソール、ペパーミント及びスペアミント等のミント、チョコレート、リコリス、柑橘類及び他の果実香味、γ-オクタラクトン、バニリン、エチルバニリン、ブレスリフレッシャー香味、シナモン等のスパイス香味、サリチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油、タバコ香味又はこれらの任意の組み合わせを含む、請求項11に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
紙巻タバコ等のタバコ製品において、香気成分等の少なくとも1つの添加材を含む、香味料粒子の解放可能なマトリックスを有する喫煙物品用フィルタを製造する方法を以下説明する。少なくとも1つの添加材の喫煙物品への放出を制御することを、少なくとも1つの添加材を含む、好ましくは凝固した融解チャンク又はもろい香味粒子である1つ以上の香味料粒子を使用することで改善することができる。例示的実施形態によれば、香味料粒子又はもろい香味粒子が、例えば一対のアセチルセルロースのプラグの間及び/又はアセチルセルロースのプラグ内に形成される、開口部内に軸方向に挿入される。香味料粒子は、主流煙に触れているとき及び/又は喫煙者の機械的干渉による要求に応じて放出されるときに、添加材を放出する。
【0009】
図1に表すように、紙巻タバコ等の喫煙物品10は、時にはタバコ又は紙巻きタバコロッド12と呼ばれるタバコ含有部分と、フィルタ部又はフィルタ14との2つの部分を含む。チップペーパは一般に、紙巻タバコの口端部を形成するフィルタ14を囲む。チップペーパは、フィルタ及びタバコを一緒に保持するように、タバコロッドと重なる。タバコロッド12すなわち紙巻タバコの構成要素を含むタバコは、タバコが包まれる巻取紙と、巻取紙の継ぎ目を一緒に保持するのりとを含む。タバコロッド12は、フィルタに一体的に取付けられる第1端部と、タバコを吸うために点火又は加熱される第2端部と、を有する。タバコを吸うためにタバコロッド12が点火又は加熱されるときに、煙は添加された端部から下流のタバコロッドのフィルタ端部に進み、更にフィルタを通って下流に進む。
【0010】
フィルタ14を、伝統的な紙巻タバコとともに使用することも、非伝統的な紙巻タバコとともに使用することもできる。非伝統的な紙巻タバコは、例えば同一出願人による米国特許番号第6,026,820号明細書、米国特許番号第5,988,176明細書、米国特許番号第5,915,387明細書、米国特許番号第5,692,526明細書、米国特許番号第5,692,525明細書、米国特許番号第5,666,976明細書及び米国特許番号第5,499,636明細書で説明される電気喫煙システム用のタバコを含む。これら文献の開示内容の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。
【0011】
例示的実施形態によれば、例えば香味ビーズ又は香味ビーズのマトリックス及び/又は香味チャンク50である、香味媒体を、フィルタ(
図1)内の単一のプラグ−スペース−プラグ構造に設置することができ(
図2及び5)、若しくは複数のプラグ−スペース−プラグ構造体に設置することができ、又は喫煙物品10のフィルタ(
図4)に均等に分布させることができる。香味媒体を押しつぶし若しくはこすることによって、又は機械的手段によって、香味媒体は香味を放出する。媒体との機械的干渉によって香味を放出するように、香味ビーズ及び/又は香味チャンク50を設計することができる。例示的実施形態によれば、香味ビーズ及び/又は香味チャンク50との干渉に基づいて、消費者は、媒体と相互作用しないことにより付加的香味を追加しないよう選択することができ、又は媒体と相互干渉する量に基づいて付加的香味を追加することができる。
【0012】
例示的実施形態によれば、球形化、スプレーチリング及び/又は押出プロセス等の技術を用いて、(タバコ若しくはタバコ香味/抽出物とともに又はこれら無しに)香味ビーズ又は香味チャンク50を製造することができる。例示的実施形態によれば、香味ビーズ又はチャンク50の香味放出プロファイルを、例えばコアシェル構造体又はマトリックス構造体を有するビーズを積層させて又は積層させずに生み出す流動層コーティング及び/又はパンコーティングを用いることで、変更することができる。例示的実施形態によれば、香味ビーズ及び/又は香味チャンク50の製造方法によって、生み出されるビーズ及び/又はチャンク50は、様々な香味付与プロファイルを表すことができる。
【0013】
例示的実施形態によれば、各ビーズ50は、コア(マトリックス)を有することができ、コアを囲む1つ以上の層を含み得る。層は、コーティング/バインダーを含むことができ、付加的香味、タバコ/タバコ香味及び他の任意の添加物またはこれらの組み合わせを含み得る。例えば、マトリックス及び/又はコアは、炭水化物、水溶性高分子若しくは非水溶性高分子、香味料又はこれらの組み合わせを含み得る。例示的実施形態によれば、香味ビーズ50のコアは好ましくは、約0.5ミリメートルから2.0ミリメートルの直径を有する。例示的実施形態によれば、香味ビード50は好ましくは一般的に相当な外径を有する。
【0014】
例示的実施形態によれば、風味を含む融解食品用蝋を、スプレーチリングプロセスを用いて凝固させることで、香味料粒子又はチャンク50を準備することができる。他の例示的実施形態によれば、本方法は、食品用蝋及び香味料を融解して融解蝋とし、融解蝋を凝固させ、凝固した融解蝋を破砕して複数の香味料粒子にすることを含み得る。例えば例示的実施形態によれば、融解蝋を冷気チャンバ内へ噴霧冷却することで、融解蝋を硬化させ又は冷却して固体粒子にすることができる。
【0015】
例示的実施形態によれば、粒子のスプレーチリングに関して、粒子は好ましくは、約0.2ミリメートルから約1.0ミリメートルの間の一様の直径を有する。例示的実施形態によれば、融解蝋の流速、ノズルのサイズ、圧力及び/又はこれらの組み合わせの1つ以上によって、香味料粒子50のサイズを制御することができる。例えば例示的実施形態によれば、例えばタバコフィルタ又は湿性無煙タバコ製品において、噴霧冷却した粒子50の2つ以上のサイズを組み合わせることができる。
【0016】
例示的実施形態によれば、融解蝋を、約0℃から約15℃の間の温度を有する空気チャンバ内に注入又は噴霧することができる。例えば、紙巻タバコフィルタでの使用に関して、融解蝋は、好ましくは約50℃から約100℃の融解温度、より好ましくは約50℃から約70℃の融解温度を有する。
【0017】
例示的実施形態によれば、例えばタバコ製品の輸送中及び/又は保管中に、蝋が環境温度又は周囲温度から融解しないように、蝋の融解温度は約50℃よりも高いことが好ましく、例えばタバコロッドのフィルタ端部からの加熱によって香味料粒子を溶解させて香味料を放出できるように、蝋の融解温度は約70℃未満であることが好ましい。
【0018】
例示的実施形態によれば、湿性無煙タバコ製品とともに使用することに関して、香味料粒子50が熱への露出よりも機械的干渉によって香味料を放出できるように、融解蝋の融解温度を、例えば約50℃から約70℃までの間とすることができ、例えば約50℃から約60℃までの間とすることがより好ましい。
【0019】
例示的実施形態によれば、食品用蝋及び香味料を溶解させて融解蝋にするステップと、融解蝋を凝固させるステップと、香味料粒子を破砕して複数の香味料粒子にするステップとを含む本方法に関して、凝固させた融解蝋の破砕後に、複数の香味料粒子又はチャンクのそれぞれの直径(又はサイズ)は、約0.1ミリメートルから2.0ミリメートルの間の範囲であり、より好ましくは約0.2ミリメートルから2.0ミリメートルの間の範囲である。例示的実施形態によれば、複数の香味料粒子又はチャンク50は、好ましくは不規則な形状を有し、例えば円形では無い。
【0020】
例示的実施形態によれば、香味料粒子のサイズが、約0.1ミリメートルから2.0ミリメートルまでの範囲、より好ましくは約0.2ミリメートルから2.0ミリメートルまでの範囲となるように、破砕された香味料粒子をふるいにかけることができる。例えば、0.088ミリメートルの開口部を有するNo. 170 (US) 又は 170 Mesh (Tyler) のふるいから、2.0ミリメートルの開口部を有するNo. 10 (US) 又は 9 Mesh (Tyler) のふるいまでを使用できる。
【0021】
例示的実施形態によれば、蝋を例えば蜜蝋とすることができる。また、シェラック、パラフィン、カルナバ、カンデリラ及び/又はポリエチレンワックス等の蝋を使用することができる。例示的実施形態によれば、2つ以上の異なる蝋を組み合わせることができる。例えば例示的実施形態によれば、例えば約50℃から約70℃までの融解温度を有するように、2つ以上の蝋を組み合わせることができる。例示的実施形態によれば、蝋をCompritol(登録商標)888とすることができる。
【0022】
紙巻タバコ等の喫煙物品を製造する方法の例示的実施形態は、タバコ製造機にタバコ部(例えばタバコ柱)を形成するカットフィラーを設けるステップと、タバコ柱の周りに巻取紙を設置してタバコロッド12を形成するステップと、タバコロッドにフィルタ14を取付けて紙巻タバコ10を形成するステップと、を含む。
図1に表すように、フィルタ14は、1つ以上の香味料粒子又は香味チャンク50を含むことができ、より好ましくは複数の香味料粒子又は香味チャンク50を含むことができる。複数の香味料粒子又は香味チャンク50は例えば有利には、単一のビーズよりも大きな表面積をもたらすことができる。
【0023】
用語「主流煙」は、タバコロッド12等の紙巻タバコ10を通り、フィルタ端部等を通って端部から発する気体及び/又はエアロゾールの混合物を含み、例えば紙巻タバコ10の喫煙中にタバコの口端部から発し又は引き出される煙の総計を含む。主流煙は、紙巻タバコ10の加熱される部分及び巻取紙を通って引き出される空気を含む。
【0024】
図1に表されるように、フィルタ14は、第1吸収部材22と、第2吸収部材24と、第1吸収部材22及び第2吸収部材24の間に設けられる空洞26とを有するフィルタサブアセンブリ16を含み得る。例示的実施形態によれば、例えばある量の活性炭の形態である第3吸収部材28をフィルタサブアセンブリ16の第1側に設けることができ、第4吸収部材20をフィルタサブアセンブリ16の第2側に設けることができる。第4吸収部材30も、ある量の活性炭を含むことができ、収着物がフィラメント状トウに分布する。例示的実施形態では、吸収部材22,24,26及び20を、アセチルセルロースプラグを含むフィルタプラグとすることができる。
【0025】
巻紙タバコ10の「喫煙」とは、タバコからのある化学物質を、加熱し、燃焼し又は放出させることを意味する意図である。一般に、紙巻きタバコの喫煙は、紙巻きタバコの一端部に点火し、紙巻きタバコに包含されるタバコが燃焼し、熱分解され又は揮発性物質が蒸留される間に、煙を下流に引き込んで紙巻タバコの口端部を通すことを伴う。しかしながら、紙巻タバコを他の方法によって喫煙することもできる。例えば、同一出願人による米国特許番号第6,053,176号明細書、米国特許番号第5,934,289号明細書、米国特許番号第5,591,368号明細書又は米国特許番号第5,322,075号明細書で説明される、電気ヒータを用いて紙巻タバコを加熱することで、紙巻タバコを喫煙することができる。これら文献の開示内容の全内容を参照により本明細書に援用するものとする。
【0026】
使用できるタバコ材料の適切な種類は、鉄管乾燥タバコ、バーレー種タバコ、メリーランドタバコ、オリエンタルタバコ、珍しいタバコ、特産品タバコ及びこれらのブレンド等を含むが、これらに限定されるものではない。タバコ材料は、タバコのラミナ、体積膨張タバコ又はふかしタバコ(puffed tobacco)等の加工済みタバコ材料、カットロールドステム又はカットパフステム等の加工済みタバコステム、再形成タバコ材料及びこれらのブレンド等を含むがこれらに限定されない、任意の適切な形態で提供される。タバコ代用品も使用できる。
【0027】
伝統的な紙巻タバコ製造では、タバコは普通、カットフィルタの形態、すなわち約1/10インチ(2.54ミリメートル)〜約1/20インチ(1.27ミリメートル)又は更に約1/40インチ(0.635ミリメートル)の範囲の幅に切断される刻みタバコ又はストランドの形態で使用される。ストランドの長さの範囲は、約0.25インチ(6.35ミリメートル)〜約3.0インチ(76.2ミリメートル)の間である。紙巻タバコは、1つ以上の香味又は他の適切な添加剤(例えば燃焼添加剤、酸化変性剤、着色剤、バインダー等)を更に含み得る。
【0028】
フィルタ14のフィルタ材料を、タバコ喫煙フィルタ要素で使用するのに適した種々の任意の繊維状物質とすることができる。典型的な繊維状物質は、アセチルセルロース、ポリプロピレン又は紙を含む。吸収材(又はフィルタ材料)20, 22, 24, 26は好ましくはアセチルセルロースであろう。
【0029】
1つ以上の香味料粒子を組み込み得る、様々な紙巻タバコフィルタ構成を使用することができる。使用できる例示的フィルタ構造体は、モノフィルタ、デュアルフィルタ、トリプルフィルタ、単一又は複数の空洞フィルタ、リセスフィルタ(a recessed filter)、フリーフローフィルタ及びこれらの組み合わせ等を含むがこれらに限定されるものではない。モノフィルタは、典型的にはアセチルセルローストウ又はセルロース紙材を含む。純粋なモノセルロースフィルタ又は紙フィルタはしばしば、タール及びニコチンを良好に保持し、分解性が高い。デュアルフィルタは典型的に、アセチルセルロース口端部と、純粋なセルロース又はアセチルセルロース部分を含む。デュアルフィルタにおける当該部分の長さ及び圧力低下を、許容できる引出抵抗を維持しながら、最適な収着をもたらすように調整できる。トリプルフィルタは、口側部分と、喫煙材又はタバコ側部分と、紙を含む中央部分とを含むことができる。空洞フィルタは、少なくとも1つの空洞で分離される、少なくとも2つの部分、例えばアセテート−アセテート、アセテート−紙、紙−紙を含む。リセスフィルタは、開放した空洞を口側に含む。フィルタに風を通すこと、及び/又は、付加的な収着物、触媒又は紙巻タバコのフィルタに使用するのに適した他の添加剤を含むこともできる。
【0030】
例示的実施形態によれば、紙巻タバコ10の例示的実施形態のフィルタ14を、上流の収着物及び下流の香味料粒子とともに構成することができる。活性炭等の収着物を、空洞に、1つ以上の香味料粒子から離して配置することができる。香味料粒子を、収着物から間をあけたフィルタの第2部又は部分に配置することができる。このような配置により、紙巻タバコの濾過作用が収着物によって達成できるとともに、香味が収着物の吸収に影響されること無しに、又は香味が収着物に吸収されること無しに、香味を紙巻タバコ内に配置することができる。
【0031】
本明細書で使用される用語「収着」は、吸収による濾過作用及び/又は吸収を示す。収着は、収着物の外表面における相互作用を含むとともに、収着物の気孔及びチャネル内の相互作用を含む。言い換えれば、「収着物」は、他の物質の分子をその表面上に凝縮若しくは保持できる物質、及び/又は、例えば収着物の内部構造若しくは収着物の気孔への浸透によって、他の物質を吸収できる物質である。本明細書で使用される用語「収着物」は、吸収物、吸着物又はこれら機能の両方を行うことができる物質を指す。本明細書で使用される用語「除去する」は、タバコの主流煙の成分の少なくとも一部の吸収及び/又は吸着を指す。
【0032】
任意の適切な材料を収着物として使用できる一方で、好ましい実施形態では、活性炭収着物又は細孔物質を含み得る。収着物を、ガス成分をその表面で吸収及び/若しくは吸着する能力、又はこのような成分をその本体内に同化する能力を有する、任意の材料とすることができる。必要に応じて、収着物は触媒材料をその中に組み込むことができる。例として、収着物は、活性炭等の炭素、アルミナ、ケイ酸塩、モレキュラシーブ及びゼオライトを含み得るがこれらに限定されるものではなく、収着物を単独で使用でき又は組み合わせて使用できる。好ましい実施形態では、収着材は活性炭である。
【0033】
活性炭等の細孔物質(例えば細孔収着物)を使用して、タバコ煙からガス成分を濾過して取り除くことができる。細孔収着物は、幅又は直径が約20Å(オングストローム)未満の気孔を持つことができる。細孔物質はタバコ煙を濾過するのに有効となり得る一方で、細孔物質は、例えばメンソールのような揮発性香味成分を追加する紙巻タバコデザイナーの能力を妨げることがある。特に、細孔収着物は、タバコ製造時から消費者が使用するまでの間に、香味成分を吸収及び/又は吸着し、これにより紙巻タバコの香味成分の効力を減少させる傾向がある。
【0034】
細孔収着物による吸収/吸着による香味成分の効力の減少に加えて、香味成分が収着物に移動し、収着物が香味成分を吸収/吸着するときに、更に2つの課題が存在する。例示的実施形態によれば、香味成分は、収着物に活性部位を持たせて、それにより収着物が煙から対象気相成分を除去する能力を減少させることができる。また、収着物はしばしば香味成分を強く吸収/吸着するため、香味成分を十分に開放することができないことがある。かくして、細孔物質及び香味成分又は他の添加剤の間の分離が望まれる。
【0035】
用語「添加剤」は、紙巻タバコの喫煙時に紙巻タバコの特性を変える任意の材料又は成分を意味する。任意の適切な添加材料又は材料の組み合わせを、1つ以上の香味料粒子内に含めて、紙巻タバコ10の特性を変えることができる。このような添加材は、香味、中和剤及び3−アミノプロピルシリル(APS)のような化学試薬等の他の煙変性剤を含むことができる。さらに、添加材は、主流煙の官能特質に影響を及ぼし又は及ぼさず、添加剤の処理及び添加剤のカプセル化及び紙巻タバコの演出に役立つ、希釈剤、溶媒、又は加工助剤も含み得る。
【0036】
例示的実施形態では、添加材は、液体香味又は固体香味及び香味調合物又は香味含有材料等の1つ以上の香味を含むことができる。用語「香味」又は「タバコ香味」は、1つ以上の香味料粒子内に液体状で解放可能に配置されて、例えば紙巻きタバコによって生み出される主流煙の風味を高めるのに適した任意の香味化合物又はタバコ抽出物を含み得る。
【0037】
適切な香味又はフレーバリングは、メンソール、ペパーミント及びスペアミント等のミント、チョコレート、リコリス、柑橘類及び他の果実香味、γ-オクタラクトン、バニリン、エチルバニリン、ブレスリフレッシャー香味、シナモン等のスパイス香味、サリチル酸メチル、リナロール、ベルガモット油、ゼラニウム油、レモン油、ジンジャー油及びタバコ香味を含み得るが、これらに限定されるものではない。他の適切な香味は、酸、アルコール、エステル、アルデヒド、ケトン、ピラジン、及びこれらの組み合わせ又はこれらのブレンド等からなる群から選択される香味化合物を含み得る。
【0038】
例えば例示的実施形態によれば、香味料粒子50は、約1重量%から約10重量%の香味又はフレーバリングと、99重量%から90重量%の蝋とを含むことができ、より好ましくは、約2重量%から約5重量%の香味又はフレーバリングと、98重量%から95重量%の蝋とを含むことができる。例えば例示的実施形態によれば、融解蝋は、5重量%の香味と、95重量%の蝋とを含む。
【0039】
一実施形態では、添加材は、主流煙の1つ以上の成分に関する化学試薬として役立つことができる。このような添加材は例として、主流煙の1つ以上の成分と相互作用する化学添加剤を含み得る。例えば、試薬を説明した、同一出願人による米国特許第6,209,547明細書及び米国特許第6,595,218明細書を参照し、これら両文献の開示内容の全内容を参照により本明細書に明示的に援用するものとする。
【0040】
フィルタ構造体内の香味料粒子は、特に活性炭を含む紙巻きタバコに対して利点をもたらす。フィルタ内に活性炭を含む紙巻タバコにおいて、香味料粒子を活性炭下流のフィルタに設置することで、活性炭が解放された添加剤を吸収し、結果として炭素を不活性化することを実質的に妨げる。したがって、添加材が香味成分である場合、紙巻タバコの保管中及び喫煙時に、活性炭が香味を吸収することを実質的に妨げる。
【0041】
固体、蒸気又は液体等の添加材をフィルタ内の1つ以上の香味料粒子に組み込むことで、香味の副流煙への損失を大きく減少させることができ、紙巻タバコの喫煙時に熱分解される香味料粒子が少なくなり又は無くなる。さらに、フィルタ部分に添加材を含む1つ以上の香味料粒子を位置付けることで、活性炭は、主流煙から、1,3-ブタジエン、アクロレイン及びイソプレン等の揮発性有機成分を除去する能力を含む、紙巻タバコの煙を変えるその能力を維持することができる。
【0042】
本明細書で使用される用語「解放可能に配置する」は、添加材を十分に含み、例えば保管中に不必要な移動を実質的に妨げ又は最小化するように、添加材を香味料粒子に包含し解放することを指す。この用語は、例えば香味料粒子が機械的な力によって破壊され又は開放されるときに、添加材が香味料粒子から解放されるのに十分な流動性の、香味料粒子内の添加材も含むが、これに限定されるものではない。例えば、香味料粒子を含む紙巻タバコフィルタの一部を圧搾する機械的干渉によって、香味料粒子を要求に応じて開放し、ひいては香味料粒子内から添加材を解放することができる。
【0043】
図2は、一実施形態に従う紙巻タバコフィルタ14の一部の斜視図である。
図2に表すように、フィルタ14は、第1吸収材22と、第2吸収材24と、第1吸収材22及び第2吸収材24の間の空洞26とを含む。第1吸収部材22は一般に、円柱形状であり、第1端部表面34を定める。第1吸収部材22の第1端部表面34は、紙巻タバコフィルタ14に関する第1端部38を形成する。第2吸収部材24も一般に、円柱形状であり、第2端部表面36を定める。第2吸収部材24の第2端部表面36は、紙巻タバコフィルタ14の第2端部40を形成する。第1吸収部材22及び第2吸収部材24は、その外表面周りを適切な通常のプラグラップの形態であるカバー30によって囲まれる。
【0044】
例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50を、第1吸収部材22と第2吸収部材24との間に設けることができる。例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50は好ましくは、紙巻タバコ10の喫煙中にタバコ煙の特性を変えるために、固体材料又は液体若しくは蒸気等の流体材料とすることができる解放可能な添加剤を含む。香味料粒子又はチャンク50が喫煙者による圧搾等の機械的力を受けるときに、香味料粒子又はチャンク50は添加材の少なくとも一部を解放する。例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50は好ましくは不規則な形状を有する。
【0045】
例示的実施形態によれば、第1吸収部材22及び第2吸収部材24はアセチルセルロースから成る。好ましい実施形態では、香味料粒子又はチャンク50は、第1吸収部材22と第2吸収部材24との間に設けられる複数の香味料粒子又はチャンク50を含む。
【0046】
例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50を、単数部分又は複数部分の香味料粒子又はチャンク50を含む様々な物理的調合物で形成することができる。小さな香味料粒子を設ける場合に、香味料粒子50を紙巻タバコのフィルタ部分に分散配置して提供することができ、又はフィルタ14内の1つ以上の空洞26,27に提供することができる。
【0047】
紙巻タバコ10の香味料粒子又はチャンク50の添加材を機械的干渉によって要求に応じて解放するときに、添加材は香味料粒子から解放される。主流煙は、タバコロッド12から第2吸収部材24を通り、その後第1吸収部材22を通って流れることができる。希釈空気は、スチームセットアセチルセルロース環状層32又はオーバーラップを通って流れることができる。希釈孔を使用すること等によりアセチルセルロース濾過性能を調節することで、2つの流れを調整することができる。香味料粒子は、フィルタ14内に活性炭を含む紙巻タバコとともに使用するのに適切となり得る。香味料粒子又はチャンク50は、香味成分を含むことができ、主流煙の選択的濾過を促進し紙巻タバコ10の喫煙前にも解放される成分も含むことができる。
【0048】
第1吸収部材22及び第2吸収部材24のサイズ、密度及び組成を調節して、様々な希釈のレベル、流れ及び送り出しに対する様々な抵抗のレベルを達成することができる。
【0049】
香味料粒子又はチャンク50から包含される添加材を解放するために、機械的作用等の外力を加えることができる。外力を加える1つの好適な方法は、紙巻タバコの喫煙前又は喫煙中に、香味料粒子を含むフィルタをユーザが圧搾し又はフィルタに外力を及ぼすことであろう。好ましくは圧搾作用又は外力の使用により、香味料粒子50が破壊され、又は主要リザーバが少なくとも部分的に変形し、次に、決まった場所に機械的にロックされ又は封止された香味料粒子又は内部要素を変位させるであろう。その後、この変位によって、内部要素間に1つ以上のオープンスペースが生み出されるであろう。添加材の少なくとも一部は香味料粒子50から解放されて当該オープンスペースを通ることができ、例えば液体及び/又は蒸気が香味料粒子50から解放されてフィルタを通過するタバコ煙を変えることができる。作用力の方向を、紙巻タバコ軸線に沿う方向、又は紙巻タバコ軸線と交差する方向とすることができる。ねじり力を加えることもできる。挟持装置、チューブ圧搾装置、ピンセット又はねじり力又は圧縮力を加える他の任意の装置等の外部装置を用いて、定められたフィルタ位置に力を繰り返し集中させることもできる。
【0050】
例示的実施形態によれば、本明細書で開示する香味料粒子50を、かぎたばこ及び/又はスヌースといった湿性無煙タバコ製品等の経口で楽しむ植物材料と組み合わせることができる。例えば、かぎたばこ及び/又はスヌースといった湿性無煙タバコ製品のあるユーザは、苦さ、渋み、苦み、えぐい味及び/又は後味と関連する、あるネガティブな香味特性を認めるときがある。したがって、本明細書で開示する香味料粒子又はチャンク50を、湿性無煙タバコ又はスヌース製品に設置することができ、機械的干渉によって香味料を解放できる。
【0051】
紙巻タバコの形態である好ましい喫煙物品10は、フィルタ14に一体的に取付けられるタバコロッド12を含むことができ、ここでフィルタ14は、紙巻タバコの煙の特性を変える添加材を含む少なくとも1つの香味料粒子又はチャンク50を含むことができる。
【0052】
好ましくは、フィルタ14は、例えばフィルタ材を有する収着材の下流に設置される1つ以上の香味料粒子50とともに配置される。フィルタ材は例えば、例えば1つ以上の香味料粒子50と収着材との間の、又は1つ以上の香味料粒子50を有するフィルタの口端部に存在するアセチルセルロースのプラグ22,24である。1つ以上の香味料粒子50は、フィルタの口端部間、又はフィルタとフィルタの口端部との間に設置される。
【0053】
香味料粒子又はチャンク50を、紙巻タバコ等の喫煙物品で又は湿性無煙タバコ製品に対して使用するのに適した任意のサイズとすることができる。香味料粒子又はチャンク50のサイズを、例えば0.1ミリメートルから0.5ミリメートル、0.1ミリメートルから1.0ミリメートル、0.1ミリメートルから2.0ミリメートル及び0.1ミリメートルから2.0ミリメートル超までとすることができる。伝統的な紙巻タバコに関して、複数の香味料粒子50のそれぞれは、好ましくは例えば約0.1ミリメートルから1.0ミリメートルの直径、より好ましくは例えば約0.2ミリメートルから2.0ミリメートルの直径を有する。
【0054】
例示的実施形態によれば、香味料粒子又はチャンク50は、疎水性とすることができる、ハッカ油、メンソール又は上述した他の添加剤等の香味コアを含むことができる。
【0055】
図3は、一実施形態に従う喫煙物品10に関し、香味料粒子50のマトリックスを有するフィルタ14の斜視図である。
図3に表すように、フィルタは、第1吸収材22を含み、複数の香味料粒子又はチャンク50が第1吸収材22に埋め込まれている。
【0056】
図4は、一実施形態に従う喫煙物品10に関するフィルタ14の斜視図である。
図4に表すように、フィルタ14は、第1吸収材22と、第2吸収材24と、第3吸収材23と、第1吸収材22及び第2吸収材24の間の空洞(第1空洞)26と、第2吸収材24及び第3吸収材23の間の第2空洞27とを含む。第3吸収材23は、第1空洞26と第2空洞27との間に存在する。第1吸収部材22、第2吸収部材24及び第3吸収部材23、並びに第1空洞26及び第2空洞27は、その外表面周りを適切な通常のプラグラップの形態であるカバー30によって囲まれ得る。
【0057】
例示的実施形態によれば、第1空洞26及び第2空洞27を、1つ以上の香味料粒子50で少なくとも部分的に充填することができる。第1空洞26及び第2空洞27内の香味料粒子又はチャンク50を、同じ若しくは異なる香味料とすることができ、同じサイズ若しくは異なるサイズの香味料粒子とすることができ、及び/又はこれらの組み合わせとすることができる。
【0058】
例示的実施形態によれば、香味料粒子(又はチャンク)50のそれぞれは、紙巻タバコ10の喫煙中にタバコ煙の特性を変える固体材料、又は液体若しくは蒸気等の流体材料とすることができる、解放可能な添加剤を含む。例えば喫煙者が圧搾することによって香味料粒子又はチャンク50が機械的力を受けるときに、香味料粒子又はチャンク50は、添加材の少なくとも一部を解放する。
【0059】
図5は、例示的実施形態に従う喫煙物品10に関するフィルタ14の斜視図である。
図5に表すように、フィルタ14は、第1吸収材22と、第2吸収材24と、第1吸収材22及び第2吸収材24の間の空洞26とを含む。例示的実施形態によれば、空洞26は複数の香味料粒子(又はチャンク)50で充填される。
【0060】
図6は、例示的実施形態に従う香味料粒子の製造方法を示す。
図6に表されるように、本方法は、食品用蝋100及び香味料110を融解して融解蝋120とするステップを含む。その後、融解蝋120を凝固させ破砕して香味料粒子50にする。あるいは、例示的実施形態では、融解蝋120を噴霧冷却して固体香味料粒子50にすることができる。
【0061】
本開示では特定の実施形態に関して詳細に説明したが、当業者は添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱すること無く、様々な変形及び変更を行うことができ、説明した実施形態の均等物を利用することができることが明らかである。