特許第6987807号(P6987807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987807情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987807
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/525 20140101AFI20211220BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20211220BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20211220BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20211220BHJP
【FI】
   A63F13/525
   A63F13/55
   G06T19/00 300A
   G06F3/0484 150
【請求項の数】7
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2019-97895(P2019-97895)
(22)【出願日】2019年5月24日
(65)【公開番号】特開2020-191969(P2020-191969A)
(43)【公開日】2020年12月3日
【審査請求日】2019年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】副島 保孝
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 和人
【審査官】 前地 純一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−317139(JP,A)
【文献】 特開2012−141820(JP,A)
【文献】 特開2017−119031(JP,A)
【文献】 特許第5359054(JP,B2)
【文献】 潜入作戦を攻略!敵に見つからないよう行動するコツやテクニックまとめ,アプリびと[online],2018年08月13日,https://applibito.com/潜入作戦を攻略!敵に見つからないよう行動する/,[2021年 3月30日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 −13/98
A63F 9/24
G06T 19/00
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、
前記仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、
前記自オブジェクトが、前記他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、前記仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される前記補正範囲以外の空間を含む画像に対して補正処理を行う補正処理部と、
前記補正処理を行った画像に、前記補正処理が行われない所定画像を重畳して画面に表示させる画像表示部と、
してコンピュータが機能し、
前記他オブジェクトには、前記補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、
前記補正処理部は、
前記自オブジェクトが前記ブレンド補正範囲に進入した場合、前記補正範囲と前記自オブジェクトとの距離に応じて前記画像に対して前記補正処理を行う情報処理プログラム。
【請求項2】
仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、
前記仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、
前記自オブジェクトが、前記他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、前記仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される画像に対して補正処理を行う補正処理部と、
してコンピュータが機能し、
複数の前記他オブジェクトには、前記補正範囲優先度、色彩パラメータがそれぞれ設定されており、
前記補正処理部は、
複数の前記他オブジェクトに設定された前記補正範囲が重複する領域に前記自オブジェクトが進入した場合、前記優先度および前記色彩パラメータに基づいて前記画像に対して前記補正処理を行う、情報処理プログラム。
【請求項3】
前記他オブジェクトには、前記補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、
前記補正処理部は、
前記自オブジェクトが前記ブレンド補正範囲に進入した場合、前記補正範囲と前記自オブジェクトとの距離に応じて前記画像に対して前記補正処理を行う請求項に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させ、
前記仮想空間内において他オブジェクトを移動制御し、
前記自オブジェクトが、前記他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、前記仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される前記補正範囲以外の空間を含む画像に対して補正処理を行い、
前記補正処理を行った画像に、前記補正処理が行われない所定画像を重畳して画面に表示させ
前記他オブジェクトには、前記補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、
前記補正処理は、
前記自オブジェクトが前記ブレンド補正範囲に進入した場合、前記補正範囲と前記自オブジェクトとの距離に応じて前記画像に対して前記補正処理を行う情報処理方法。
【請求項5】
仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させ、
前記仮想空間内において他オブジェクトを移動制御し、
前記自オブジェクトが、前記他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、前記仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される画像に対して補正処理を行い、
複数の前記他オブジェクトには、前記補正範囲優先度、色彩パラメータがそれぞれ設定されており、
複数の前記他オブジェクトに設定された前記補正範囲が重複する領域に前記自オブジェクトが進入した場合、前記優先度および前記色彩パラメータに基づいて前記画像に対して前記補正処理を行う、情報処理方法。
【請求項6】
仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、
前記仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、
前記自オブジェクトが、前記他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、前記仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される前記補正範囲以外の空間を含む画像に対して補正処理を行う補正処理部と、
前記補正処理を行った画像に、前記補正処理が行われない所定画像を重畳して画面に表示させる画像表示部と、
を備え
前記他オブジェクトには、前記補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、
前記補正処理部は、
前記自オブジェクトが前記ブレンド補正範囲に進入した場合、前記補正範囲と前記自オブジェクトとの距離に応じて前記画像に対して前記補正処理を行う情報処理装置。
【請求項7】
仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、
前記仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、
前記自オブジェクトが、前記他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、前記仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される画像に対して補正処理を行う補正処理部と、
を備え、
複数の前記他オブジェクトには、前記補正範囲優先度、色彩パラメータがそれぞれ設定されており、
前記補正処理部は、
複数の前記他オブジェクトに設定された前記補正範囲が重複する領域に前記自オブジェクトが進入した場合、前記優先度および前記色彩パラメータに基づいて前記画像に対して前記補正処理を行う、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の情報処理装置(ゲーム装置)には、プレイヤの操作に応じて仮想空間内を移動するオブジェクトが、予め設定された補正値切替ポイントを通過すると、補正値切替ポイントにおける色補正データを取得し、取得した補正値切替ポイントに対応する色補正データの補正値に基づいて画像の色彩データを補正するものが提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5359054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、情報処理装置では、例えば、プレイヤが操作可能な自オブジェクトと、コンピュータにより移動制御される他オブジェクトとが戦う所謂バトルゲームを実行するものもある。このようなバトルゲームでは、自オブジェクトと他オブジェクトとの位置関係が重要な要素であるところ、自オブジェクトが他オブジェクトに接近しているかをプレイヤが把握することが困難な場合もあった。
【0005】
本発明は、自オブジェクトと他オブジェクトとの接近をプレイヤに把握させることが可能な情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、情報処理プログラムは、仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、自オブジェクトが、他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される補正範囲以外の空間を含む画像に対して補正処理を行う補正処理部と、補正処理を行った画像に、補正処理が行われない所定画像を重畳して画面に表示させる画像表示部と、してコンピュータを機能させ、他オブジェクトには、補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、補正処理部は、自オブジェクトがブレンド補正範囲に進入した場合、補正範囲と自オブジェクトとの距離に応じて画像に対して補正処理を行う
【0007】
上記課題を解決するために、情報処理プログラムは、仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、自オブジェクトが、他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される画像に対して補正処理を行う補正処理部と、してコンピュータが機能し、複数の他オブジェクトには、補正範囲優先度、色彩パラメータがそれぞれ設定されており、補正処理部は、複数の他オブジェクトに設定された補正範囲が重複する領域に自オブジェクトが進入した場合、優先度および色彩パラメータに基づいて画像に対して補正処理を行う。
【0008】
また、他オブジェクトには、補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、補正処理部は、自オブジェクトがブレンド補正範囲に進入した場合、補正範囲と自オブジェクトとの距離に応じて画像に対して補正処理を行ってもよい。
【0009】
上記課題を解決するために、情報処理方法は、仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させ、仮想空間内において他オブジェクトを移動制御し、自オブジェクトが、他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される補正範囲以外の空間を含む画像に対して補正処理を行い、補正処理を行った画像に、補正処理が行われない所定画像を重畳して画面に表示させ、他オブジェクトには、補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、補正処理は、自オブジェクトがブレンド補正範囲に進入した場合、補正範囲と自オブジェクトとの距離に応じて画像に対して補正処理を行う
上記課題を解決するために、情報処理方法は、仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させ、仮想空間内において他オブジェクトを移動制御し、自オブジェクトが、他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される画像に対して補正処理を行い、複数の他オブジェクトには、補正範囲優先度、色彩パラメータがそれぞれ設定されており、複数の他オブジェクトに設定された補正範囲が重複する領域に自オブジェクトが進入した場合、優先度および色彩パラメータに基づいて画像に対して前記補正処理を行う。
【0010】
上記課題を解決するために、情報処理装置は、仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、自オブジェクトが、他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される補正範囲以外の空間を含む画像に対して補正処理を行う補正処理部と、補正処理を行った画像に、補正処理が行われない所定画像を重畳して画面に表示させる画像表示部と、を備え、他オブジェクトには、補正範囲よりも外側にブレンド補正範囲が設定されており、補正処理部は、自オブジェクトがブレンド補正範囲に進入した場合、補正範囲と自オブジェクトとの距離に応じて画像に対して補正処理を行う
上記課題を解決するために、情報処理装置は、仮想空間内においてプレイヤの操作に応じて自オブジェクトを移動させる自オブジェクト制御部と、仮想空間内において他オブジェクトを移動制御する他オブジェクト制御部と、自オブジェクトが、他オブジェクトに対して設定された補正範囲内に進入した場合、仮想空間に配置された仮想カメラで撮影されて生成される画像に対して補正処理を行う補正処理部と、を備え、複数の他オブジェクトには、補正範囲優先度、色彩パラメータがそれぞれ設定されており、補正処理部は、複数の他オブジェクトに設定された補正範囲が重複する領域に自オブジェクトが進入した場合、優先度および色彩パラメータに基づいて画像に対して前記補正処理を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自オブジェクトと他オブジェクトとの接近をプレイヤに把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、情報処理システムの概略的な構成を示した説明図である。
図2図2Aは、プレイヤ端末のハードウェアの構成を説明する図である。図2Bは、サーバのハードウェアの構成を説明する図である。
図3図3Aは、パーティを編成するためのパーティ編成画面の一例を示している。図3Bは、バトルゲームの一例を説明する図である。
図4図4Aは、補正範囲およびブレンド補正範囲を説明する図である。図4Bは、補正範囲およびブレンド補正範囲をZ軸方向に見た図である。
図5図5Aは、ブレンド補正範囲にプレイヤキャラPCが進入した場合の補正処理を説明する図である。図5Bは、補正処理が行われた後の画像を示す図である。
図6図6Aは、補正範囲にプレイヤキャラPCが進入した場合の補正処理を説明する図である。図6Bは、補正処理が行われた後の画像を示す図である。
図7図7Aは、複数の敵キャラクタに基づく複数の補正範囲またはブレンド補正範囲が重複する領域にプレイヤキャラPCが進入した場合の補正処理を説明する図である。図7Bは、補正処理の過程を示す図である。
図8図8は、バトルゲーム実行時のプレイヤ端末およびサーバの処理の流れを説明する図である。
図9図9は、プレイヤ端末におけるメモリの構成およびコンピュータの機能を説明する図である。
図10図10は、端末側バトルゲーム制御処理の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、補正処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、サーバにおけるメモリの構成およびコンピュータの機能を説明する図である。
図13図13は、サーバ側バトルゲーム制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施形態の一態様について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
(情報処理システムISの全体の構成)
図1は、情報処理システムISの概略的な構成を示した説明図である。情報処理システムISは、プレイヤ端末1と、サーバ100と、通信基地局200aを有する通信ネットワーク200とを含む、所謂クライアントサーバシステムである。
【0015】
プレイヤ端末1は、通信ネットワーク200を介してサーバ100との通信を確立することができる。プレイヤ端末1は、サーバ100と無線もしくは有線による通信接続が可能な電子機器を広く含む。プレイヤ端末1としては、例えば、スマートフォン等の携帯電話、タブレット装置、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器等が挙げられる。本実施形態では、プレイヤ端末1として、スマートフォンが用いられる場合について説明する。
【0016】
サーバ100は、複数のプレイヤ端末1と通信接続される。サーバ100は、ゲームをプレイするプレイヤごとに各種の情報を蓄積する。また、サーバ100は、プレイヤ端末1から入力される操作に基づき、蓄積された情報の更新と、ゲームの進行制御とを行う。
【0017】
通信基地局200aは、通信ネットワーク200と接続され、プレイヤ端末1と無線による情報の送受信を行う。通信ネットワーク200は、携帯電話網、インターネット網、LAN(Local Area Network)、専用回線等で構成され、プレイヤ端末1とサーバ100との無線もしくは有線による通信接続を実現する。
【0018】
本実施形態の情報処理システムISは、プレイヤ端末1およびサーバ100が情報処理装置Gとして機能する。プレイヤ端末1およびサーバ100には、それぞれゲームの進行制御の役割分担がなされており、プレイヤ端末1とサーバ100との協働によって、ゲームが進行可能となる。
【0019】
(プレイヤ端末1およびサーバ100のハードウェアの構成)
図2Aは、プレイヤ端末1のハードウェアの構成を説明する図である。また、図2Bは、サーバ100のハードウェアの構成を説明する図である。図2Aに示すように、プレイヤ端末1は、CPU(Central Processing Unit)10、メモリ12、バス14、入出力インタフェース16、記憶部18、通信部20、入力部22、出力部24を含んで構成される。
【0020】
また、図2Bに示すように、サーバ100は、CPU110、メモリ112、バス114、入出力インタフェース116、記憶部118、通信部120、入力部122、出力部124を含んで構成される。
【0021】
なお、サーバ100のCPU110、メモリ112、バス114、入出力インタフェース116、記憶部118、通信部120、入力部122、出力部124の構成および機能は、それぞれ、プレイヤ端末1のCPU10、メモリ12、バス14、入出力インタフェース16、記憶部18、通信部20、入力部22、出力部24と実質的に同じである。したがって、以下では、プレイヤ端末1のハードウェアの構成について説明し、サーバ100については説明を省略する。
【0022】
CPU10は、メモリ12に記憶されたプログラムを動作させ、ゲームの進行を制御する。メモリ12は、ROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)で構成され、ゲームの進行制御に必要となるプログラムおよび各種のデータを記憶する。メモリ12は、バス14を介してCPU10に接続されている。本実施形態では、メモリ12がRAMで構成されることとするが、メモリ12は、ROMで構成されてもよいし、RAMおよびROMの双方を含んで構成されてもよい。
【0023】
バス14には、入出力インタフェース16が接続される。入出力インタフェース16には、記憶部18、通信部20、入力部22、出力部24が接続されている。
【0024】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリで構成され、各種プログラムおよびデータを記憶する。プレイヤ端末1においては、記憶部18に記憶されたプログラムおよびデータが、CPU10によってメモリ12(RAM)にロードされる。
【0025】
通信部20は、通信基地局200aと無線により通信接続され、通信ネットワーク200を介して、サーバ100との間で各種データおよびプログラムといった情報の送受信を行う。プレイヤ端末1においては、サーバ100から受信したプログラム等が、メモリ12または記憶部18に格納される。
【0026】
入力部22は、例えば、プレイヤの操作が入力される(操作を受け付ける)タッチパネル、ボタン、キーボード、マウス、十字キー、アナログコントローラ等で構成される。また、入力部22は、プレイヤ端末1に設けられた、あるいは、プレイヤ端末1に接続(外付け)された専用のコントローラであってもよい。さらには、入力部22は、プレイヤ端末1の傾きや移動を検知する加速度センサ、または、プレイヤの音声を検知するマイクで構成されてもよい。すなわち、入力部22は、プレイヤの意思を、識別可能に入力させることができる装置を広く含む。
【0027】
出力部24は、ディスプレイ装置およびスピーカを含んで構成される。なお、出力部24は、プレイヤ端末1に接続(外付け)される機器でもよい。本実施形態では、プレイヤ端末1が、出力部24としてディスプレイ26を備え、入力部22として、ディスプレイ26に重畳して設けられるタッチパネルを備えている。
【0028】
(ゲーム内容)
次に、本実施形態の情報処理システムIS(情報処理装置G)により提供されるゲームの内容について、一例を用いて説明する。本実施形態では、所謂アクションRPG(Roll Playing Game)が提供される。具体的には、本実施形態のゲームでは、複数の味方キャラクタが提供される。プレイヤは、提供される味方キャラクタの中から複数(ここでは4体)を選択してパーティを編成する。また、プレイヤは、パーティに編成された味方キャラクタのいずれか1体を、プレイヤ自身が操作可能な操作対象キャラクタ(自オブジェクト、以下、「プレイヤキャラPC」と呼ぶ)に設定する。
【0029】
図3Aは、パーティを編成するためのパーティ編成画面の一例を示している。各味方キャラクタには、経験値ExおよびレベルLvが対応付けて記憶される。経験値Exは、後述するバトルゲームで勝利した場合、あるいは、所定のアイテムを使用した場合に上昇する。レベルLvは、経験値Exに対応して設定され、経験値Exが所定値に達するたびにレベルLvが上昇する。なお、各味方キャラクタには、レベルLvの上限値が設定されており、上限値の範囲内でのみレベルLvが上昇する。
【0030】
また、味方キャラクタには、レベルLvに応じて、ライフポイントHP、攻撃力AP、防御力DP等の戦闘力のベース値が設定されている。プレイヤは、味方キャラクタの戦闘力が高くなるほど、バトルゲームを有利に進行することができる。また、味方キャラクタに設定される各ベース値は、レベルLvが高くなるほど上昇する。
【0031】
さらに、パーティ編成画面において、プレイヤは、パーティに組み込んだ味方キャラクタに対して、武器や防具の装備品を装備させる(設定する)ことができる。各装備品には、攻撃力APおよび防御力DP等に対する加算値が設定されている。装備品を装備させると、上記のベース値に、各装備品の加算値が加算され、味方キャラクタの戦闘力を高めることができる。
【0032】
なお、味方キャラクタには、予め属性が設定されている。本実施形態では、「火」、「風」、「水」の3種類の属性が設けられており、全ての味方キャラクタに対して、3種類の属性のいずれかが設定されている。
【0033】
プレイヤは、上記のようにして編成したパーティをバトルゲームで利用することができる。バトルゲームの目的は、パーティを編成する味方キャラクタによって、敵キャラクタ(他オブジェクト)を撃退して勝利することである。バトルゲームでは、プレイヤがプレイヤ端末1の入力部22を操作し、プレイヤキャラPCに移動動作あるいは攻撃動作を行わせる。
【0034】
また、プレイヤキャラPC以外の味方キャラクタは、コンピュータ制御、あるいは、他のプレイヤにより、移動動作および攻撃動作が行われる。攻撃動作がなされると、敵キャラクタにダメージポイントが付与され、敵キャラクタのライフポイントHPからダメージポイントが減算される。敵キャラクタは、ライフポイントHPが0になると消滅する。
【0035】
敵キャラクタは、コンピュータ制御により、移動動作および攻撃動作が行われる。攻撃動作がなされると、味方キャラクタにダメージポイントが付与され、味方キャラクタのライフポイントHPからダメージポイントが減算される。そして、すべての味方キャラクタのライフポイントHPが0になると、バトルゲームが敗北となる。
【0036】
図3Bは、バトルゲームの一例を説明する図である。詳しい説明は省略するが、プレイヤは、複数のバトルゲームの中からいずれかを選択してプレイすることができる。プレイヤがバトルゲームを選択すると、図3Aに示すパーティ編成画面が表示される。このパーティ編成画面上でパーティの編成を完了し、所定のバトル開始操作を行うと、バトルゲームが開始される。
【0037】
バトルゲームでは、図3Bに示すように、仮想のゲーム空間(仮想空間)GSが表示される。ゲーム空間GSには、プレイヤキャラPCを含む味方キャラクタと、敵キャラクタとが配される。なお、図3Bでは、味方キャラクタのうち、プレイヤキャラPCのみを示し、プレイヤキャラPC以外の味方キャラクタは省略している。また、バトルゲームは複数設けられており、敵キャラクタとしてボスキャラBCのみが配されるバトルゲームと、ボスキャラBCに加えてザコキャラSFが含まれるバトルゲームとがある。
【0038】
プレイヤ端末1では、詳しくは後述するように、ゲーム空間GS、および、キャラクタ(味方キャラクタおよび敵キャラクタを含む)を生成してディスプレイ26に表示させる画像処理が行われる。例えば、プレイヤ端末1は、各種のデータを読み出して、三次元のゲーム空間GSを生成する。そして、生成されたゲーム空間GSを所定の視点から仮想カメラで撮像し、仮想的に見たときの二次元の画像が生成される。この二次元の画像がディスプレイ26に表示される。
【0039】
ゲーム空間GSには、図3Bに示すx軸、y軸、z軸の3軸の位置情報が規定されており、この位置情報に基づいて、キャラクタの動作が制御される。また、ディスプレイ26には、ゲーム空間GSに重畳して、ボスキャラライフメータ30およびプレイヤキャラライフメータ32が表示される。
【0040】
ボスキャラライフメータ30は、ボスキャラBCのライフポイントHPをメータにより表示する。ボスキャラBCのライフポイントHPは、味方キャラクタの攻撃により減少する。バトルゲームでは、ボスキャラBCのライフポイントHPが0になると、プレイヤの勝利となる。
【0041】
また、プレイヤキャラライフメータ32は、プレイヤキャラPCのライフポイントHPをメータにより表示する。プレイヤキャラPCのライフポイントHPは、敵キャラクタの攻撃により減少する。なお、ディスプレイ26には、パーティを編成するプレイヤキャラPC以外の味方キャラクタのライフポイントHPが表示されてもよい。バトルゲームでは、プレイヤキャラPCのライフポイントHP、もしくは、味方キャラクタの全てのライフポイントHPが0になると、プレイヤの敗北となる。
【0042】
また、バトルゲーム中は、プレイヤ端末1の入力部22として、アングル操作部22a、移動操作部22b、通常攻撃操作部22cおよび特殊攻撃操作部22dが設けられる。すなわち、本実施形態の入力部22は、タッチパネルで構成されており、バトルゲーム中は、タッチパネルの異なる位置に、アングル操作部22a、移動操作部22b、通常攻撃操作部22cおよび特殊攻撃操作部22dが設けられる。
【0043】
アングル操作部22aは、横向きに配置されたディスプレイ26の右上部に設けられる。アングル操作部22aは、ディスプレイ26に表示されるゲーム空間GSのアングルを変更するための操作を受け付ける。例えば、アングル操作部22aにおいて、プレイヤの指が左右方向にスライド操作されると、操作方向に応じて、ディスプレイ26に表示されるゲーム空間GSのアングルが変更される。
【0044】
移動操作部22bは、図3Bに一点鎖線で示すように、横向きに配置されたディスプレイ26のうち、幅方向のほぼ全域に設けられる。移動操作部22bは、プレイヤキャラPCを移動動作させるための操作(以下、「移動操作」と呼ぶ)を受け付けるものであり、例えば、プレイヤの指のスライド操作(スワイプ)を移動操作として検知する。移動操作部22bに移動操作が入力されると、プレイヤキャラPCは、移動操作方向に移動する。
【0045】
通常攻撃操作部22cは、図3Bに二点鎖線で示すように、横向きに配置されたディスプレイ26の右側半分に設けられる。なお、ここでは、通常攻撃操作部22cが移動操作部22b内に設けられている。すなわち、移動操作部22bおよび通常攻撃操作部22cは、一部の範囲が重複している。ただし、移動操作部22bおよび通常攻撃操作部22cは、完全に異なる位置に配されてもよい。例えば、移動操作部22bは、ディスプレイ26の左側半分に設けられてもよい。
【0046】
ここで、本実施形態では、敵キャラクタを攻撃するプレイヤキャラPCの攻撃動作として、通常攻撃動作と特殊攻撃動作とが設けられる。通常攻撃動作とは、プレイヤキャラPCが装備している武器によって敵キャラクタを攻撃する動作である。また、特殊攻撃動作とは、プレイヤキャラPCに予め設定されているスキル(特殊能力)によって敵キャラクタを攻撃する動作である。特殊攻撃動作では、通常攻撃動作よりも大きなダメージポイントを敵キャラクタに付与することができる。
【0047】
通常攻撃操作部22cは、プレイヤキャラPCに通常攻撃動作をさせる操作(以下、「通常攻撃操作」と呼ぶ)を受け付けるものであり、例えば、プレイヤの指の接触もしくは近接(タップ)を通常攻撃操作として検知する。通常攻撃操作部22cに通常攻撃操作が入力されると、プレイヤキャラPCは、敵キャラクタに向けて通常攻撃動作を行う。
【0048】
特殊攻撃操作部22dは、横向きに配置されたディスプレイ26の右下部に設けられる。特殊攻撃操作部22dは、プレイヤキャラPCに特殊攻撃動作をさせる操作(以下、「特殊攻撃操作」と呼ぶ)を受け付けるものであり、例えば、プレイヤの指の接触もしくは近接(タップ)を特殊攻撃操作として検知する。
【0049】
特殊攻撃操作部22dに特殊攻撃操作が入力されると、プレイヤキャラPCは、敵キャラクタに向けて特殊攻撃動作を行う。なお、特殊攻撃操作は、所定時間おきにのみ可能になる等、予め設定された条件を満たした場合に限り有効となる。以下では、通常攻撃動作および特殊攻撃動作を総称して攻撃動作と呼ぶ。また、通常攻撃操作および特殊攻撃操作を総称して攻撃操作と呼ぶ。
【0050】
プレイヤキャラPCの攻撃動作は、ゲーム空間GSに配されるいずれかの敵キャラクタをターゲットとして行われる。すなわち、ゲーム空間GSに複数の敵キャラクタが存在する場合には、いずれかの敵キャラクタがターゲットに設定される。攻撃操作が入力されると、ターゲットに設定された敵キャラクタに対して攻撃動作が行われる。
【0051】
プレイヤキャラPCには、図3Bにクロスハッチングで示すように、ターゲットエリアTAが設定されている。このターゲットエリアTA内に含まれる敵キャラクタがターゲットに設定される。なお、ターゲットエリアTA内に敵キャラクタが含まれていない場合には、ターゲットが非設定となる。
【0052】
ところで、上記したように、敵キャラクタは、コンピュータ制御により移動動作が行われる。例えば、敵キャラクタは、プレイヤキャラPCが予め設定された範囲内に進入すると、プレイヤキャラPCに接近するように移動制御が行われる。このとき、プレイヤ端末1のディスプレイ26には、仮想カメラで撮像された二次元の画像が表示されているため、仮想カメラの位置によっては敵キャラクタが二次元の画像に映っていないこともある。このような場合、敵キャラクタが接近していることをプレイヤは把握することができない。
【0053】
そこで、本実施形態の情報処理システムISでは、敵キャラクタに対して補正範囲およびブレンド補正範囲が設定されている。そして、プレイヤ端末1では、プレイヤキャラPCが敵キャラクタに対して設定された補正範囲またはブレンド補正範囲に進入した場合、仮想カメラによって撮像されて生成される画像に対して色彩(彩度)を変更する補正処理を行う。なお、プレイヤキャラPCが敵キャラクタに対して設定された補正範囲またはブレンド補正範囲に進入した場合とは、プレイヤキャラPCがプレイヤの操作に応じて移動して補正範囲またはブレンド補正範囲に進入した場合と、敵キャラクタがコンピュータ制御により移動してプレイヤキャラPCが補正範囲またはブレンド補正範囲に進入した場合とを含むものである。
【0054】
以下では、補正範囲およびブレンド補正範囲について説明した後、補正処理について説明する。
【0055】
図4Aは、補正範囲33およびブレンド補正範囲34を説明する図である。図4Bは、補正範囲33およびブレンド補正範囲34をZ軸方向に見た図である。図4Aおよび図4Bでは、ボスキャラBCに対して設定された補正範囲33およびブレンド補正範囲34を示している。なお、補正範囲33およびブレンド補正範囲34は、全ての敵キャラクタに設定されていてもよいし、一部の敵キャラクタ(例えば、ボスキャラBC)にのみ設定されていてもよい。
【0056】
図4Aおよび図4Bに示すように、ボスキャラBCには、半球状の補正範囲33およびブレンド補正範囲34が設定されている。補正範囲33は、ボスキャラBCを基準として、基準を中心とした所定半径の半球状の範囲に設定される。ブレンド補正範囲34は、補正範囲33の外側であって、補正範囲33から、補正範囲33と同一位置を基準にして、補正範囲33よりも半径が大きな半球状の外周までに設定される。
【0057】
このように、ボスキャラBCに対して補正範囲33およびブレンド補正範囲34が設定されているため、ボスキャラBCが移動すると、補正範囲33およびブレンド補正範囲34は、ボスキャラBCの移動に応じて移動することになる。
【0058】
なお、基準となる位置(三次元の位置)は、例えばボスキャラBCの重心位置であってもよいし、ボスキャラBCの重心位置の鉛直下方(Z軸方向の負方向)であってZ軸方向に地面と同一の位置であってもよいし、その他の位置であってもよい。また、補正範囲33は、球状に形成されていてもよいし、直方体に形成されていてもよいし、他の形状に形成されていてもよい。
【0059】
また、補正範囲33およびブレンド補正範囲34には、仮想カメラで撮像されて生成される画像を補正するためのパラメータとして、色彩パラメータおよび優先度が設定されている。色彩パラメータは、HSV色空間における彩度(S)が規定されている。また、優先度は、複数段階のいずれかに設定されている。
【0060】
図5Aは、ブレンド補正範囲34にプレイヤキャラPCが進入した場合の補正処理を説明する図である。図5Bは、補正処理が行われた後の画像を示す図である。図6Aは、補正範囲33にプレイヤキャラPCが進入した場合の補正処理を説明する図である。図6Bは、補正処理が行われた後の画像を示す図である。
【0061】
図5Aおよび図6Aに示すように、ボスキャラBCに対して設定された補正範囲33またはブレンド補正範囲34にプレイヤキャラPCが進入した場合、プレイヤ端末1は、補正処理を行う。
【0062】
ここで、仮想カメラがゲーム空間GSを撮像することにより生成される画像は、RGB色空間によって表されている。そこで、プレイヤ端末1は、補正処理を行う場合、RGB色空間で表される画像をHSV色空間で表される画像に変換する。
【0063】
そして、プレイヤ端末1は、補正範囲33からプレイヤキャラPCまでの径方向の最小距離(最短距離)dを導出する。また、プレイヤ端末1は、補正範囲33からブレンド補正範囲34の外周までの最短距離、つまり、補正範囲33とブレンド補正範囲34との半径差を最大距離Dとして導出する。ここでは、プレイヤキャラPCが補正範囲33に進入している場合、最小距離dが0として導出される。
【0064】
そして、プレイヤ端末1は、下記(1)式を用いて、ブレンドパラメータbを導出する。
b=1−{(d/2)/(D/2)} (1)
【0065】
ここで、最小距離dが取り得る範囲は0〜Dであるため、ブレンドパラメータbが取り得る範囲は0〜1となる。また、プレイヤ端末1は、ブレンドパラメータbが1よりも大きい場合にはブレンドパラメータbを1にし、ブレンドパラメータbが0よりも小さい場合にはブレンドパラメータbを0にする。
【0066】
そうすると、プレイヤキャラPCが補正範囲33内にいる場合、ブレンドパラメータbは1となる。一方、プレイヤキャラPCがブレンド補正範囲34内にいる場合、プレイヤキャラPCが補正範囲33に近づくほど、ブレンドパラメータbは値が大きくなる。そして、プレイヤキャラPCがブレンド補正範囲34よりも外側にいる場合、ブレンドパラメータbは0となる。
【0067】
プレイヤ端末1は、ブレンドパラメータbを導出すると、下記(2)式を用いて、補正処理に用いる彩度Sを導出する。
S=SBASE+(S−SBASE)×b (2)
ここで、SBASEは、補正範囲33およびブレンド補正範囲34外の彩度(ベース彩度)であり、Sは、補正範囲33の色彩パラメータである。
【0068】
(2)式によれば、プレイヤキャラPCが補正範囲33内にいる場合、彩度SはS(補正範囲33の色彩パラメータ)となる。一方、プレイヤキャラPCがブレンド補正範囲34内にいる場合、プレイヤキャラPCが補正範囲33に近づくほど、彩度SはSに近づく。そして、プレイヤキャラPCがブレンド補正範囲34よりも外側にいる場合、彩度Sは、SBASEとなる。
【0069】
このように、(1)式および(2)式を用いて補正処理に用いる彩度Sを導出すると、プレイヤ端末1は、HSV色空間で表される画像の各画素の彩度Sを、(2)式を用いて導出された彩度Sに変換する。その後、プレイヤ端末1は、補正処理が行われた画像を、ディスプレイ26に表示可能なRGB色空間で表される画像に再変換し、再変換した画像をディスプレイ26に表示する。
【0070】
ここで、補正範囲33に対して設定される色彩パラメータは、例えば、補正範囲33およびブレンド補正範囲34以外の範囲に対して設定されるSBASEよりも低い値に設定されている。したがって、補正処理が行われた画像は、図5Bおよび図6Bに示すように、全体的に暗い画像となる。
【0071】
このように、敵キャラクタに対して設定された補正範囲33にプレイヤキャラPCが進入した場合、仮想カメラによって撮像されて生成された画像に対して色彩を変更する補正処理を行う。これにより、敵キャラクタがコンピュータ制御に移動されても、敵キャラクタの移動に伴って補正範囲33も移動するため、プレイヤキャラPCと敵キャラクタとの接近をプレイヤに把握させることができる。プレイヤ端末1がスマートフォンのように、表示される画面が限られている場合に特に有用である。
【0072】
なお、敵キャラクタに対して設定された補正範囲33にプレイヤキャラPCが進入した場合、プレイヤキャラPCの位置によらず、補正範囲33に対して設定された色彩パラメータの彩度に変換される。したがって、プレイヤキャラPCが補正範囲33内を移動している場合、同一の補正処理が行われているため、彩度Sが変更されない。そのため、ボスキャラBCとの戦闘中において画像の色彩が変更してプレイに集中できなくなるといった事態を防止することができる。
【0073】
また、ブレンド補正範囲34にプレイヤキャラPCが進入した場合、補正範囲33とプレイヤキャラPCとの距離(最小距離d)に応じて彩度Sが決定されることにより、プレイヤキャラPCが補正範囲33に近づくほど、画像全体が暗くなっていく。これにより、プレイヤキャラPCがボスキャラBCに接近して行く過程をプレイヤにより把握させることができる。
【0074】
図7Aは、複数の補正範囲33またはブレンド補正範囲34が重複する領域にプレイヤキャラPCが進入した場合の補正処理を説明する図である。図7Bは、補正処理の過程を示す図である。
【0075】
図7Aに示すように、複数の敵キャラクタに基づく複数(ここでは、2つ)の補正範囲33またはブレンド補正範囲34が重複する領域にプレイヤキャラPCが進入した場合、プレイヤ端末1では、プレイヤキャラPCが進入した補正範囲33またはブレンド補正範囲34の優先度に基づいて、補正処理を行う。なお、図7Aでは、優先度が低い補正範囲33を補正範囲33Aとし、優先度が低いブレンド補正範囲34をブレンド補正範囲34Aとし、優先度が高い補正範囲33を補正範囲33Bとし、優先度が高いブレンド補正範囲34をブレンド補正範囲34Bとする。また、補正範囲33Aおよびブレンド補正範囲34Aに設定された色彩パラメータをSとし、補正範囲33Bおよびブレンド補正範囲34Bに設定された色彩パラメータをSとする
【0076】
プレイヤ端末1は、優先度が低い補正範囲33Aまたはブレンド補正範囲34Bについて先に上記した補正処理を行い、その後、優先度が高い補正範囲33Bまたはブレンド補正範囲34Bについて上記した補正処理を行う。
【0077】
具体的には、プレイヤ端末1は、仮想カメラがゲーム空間を撮像することにより生成されるRGB色空間で表される画像を、HSV色空間で表される画像に変換する。その後、図7Bに示すように、プレイヤ端末1は、優先度が低い補正範囲33Aまたはブレンド補正範囲34Aについて、上記した(1)式および(2)式を用いて、ブレンドパラメータbAおよび彩度Sを導出する。
【0078】
その後、プレイヤ端末1は、優先度が高い補正範囲33Bまたはブレンド補正範囲34Bについて、上記した(1)式および(2)式を用いて、図7Bに示すように、ブレンドパラメータbおよび彩度Sを導出する。このとき(2)式において、優先度が低い補正範囲33Aまたはブレンド補正範囲34Aについて導出された彩度SをSBASEに代入し、SをSAに代入して、彩度Sを導出する。
【0079】
その後、プレイヤ端末1は、HSV色空間で表される画像の各画素の彩度Sを、優先度が高い補正範囲33Bまたはブレンド補正範囲34Bについて導出された彩度Sに変換する。そして、プレイヤ端末1は、彩度Sが変換された画像を、ディスプレイ26に表示可能なRGB色空間で表される画像に再変換し、再変換した画像をディスプレイ26に表示する。
【0080】
このように、複数の補正範囲33またはブレンド補正範囲34が重複する領域にプレイヤキャラPCが進入した場合、優先度の低い補正範囲33またはブレンド補正範囲34について先に補正処理を行う。これにより、複数の敵キャラクタがプレイヤキャラPCに接近していることをプレイヤに把握させることができる。
【0081】
次に、上記のバトルゲームを実行するための機能的構成および処理について説明する。なお、ここでは、ゲームを進行するための基本的な構成および処理、ならびに、バトルゲームとは関係のない構成および処理については説明を省略する。また、以下では、プレイヤが一人でゲームをプレイするソロプレイについて説明し、複数のプレイヤでゲームをプレイするマルチプレイについては説明を省略する。
【0082】
図8は、バトルゲーム実行時のプレイヤ端末1およびサーバ100の処理の流れを説明する図である。プレイヤ端末1上でゲームアプリケーションを起動すると、ディスプレイ26にメニュー画面が表示される。プレイヤは、メニュー画面上で、複数のバトルゲームの中からいずれかを選択することができる(S1)。バトルゲームを選択すると、パーティ編成画面が表示され、味方キャラクタの各種の設定が可能となる(S2)。パーティの編成が完了した後、プレイヤがバトル開始操作を行うと、サーバ100にプレイ情報が出力される(S3)。
【0083】
ここでは、プレイ情報として、例えば、プレイヤが選択したバトルゲームの種類、パーティを編成する味方キャラクタ、プレイヤキャラPC、装備品等、バトルゲームで必要となる種々の情報が出力される。
【0084】
サーバ100では、プレイ情報の入力により、バトルゲームを開始するために必要となるバトルゲーム開始処理が行われる(S101)。ここでは、例えば、バトルゲームを進行するためのメモリ112の領域を確保し、プレイヤ端末1から入力されたプレイ情報を記憶したり、所定のプログラムを記憶部118からメモリ112に読み出したりする。また、サーバ100は、プレイヤ端末1に対して所定のデータを出力したり、データをダウンロードさせたりする。
【0085】
そして、プレイヤ端末1においても、バトルゲームを開始するために必要となるバトルゲーム開始処理が行われる(S4)。ここでは、例えば、バトルゲームを進行するためのメモリ12の領域を確保し、プレイ情報を記憶したり、サーバ100からダウンロードしたプログラムおよび画像データをメモリ12に記憶したりする。なお、バトルゲームに必要となるプログラム等は、記憶部18からメモリ12に読み出してもよい。
【0086】
上記のようにしてバトルゲームの準備が完了すると、プレイヤ端末1における端末側バトルゲーム制御処理と、サーバ100におけるサーバ側バトルゲーム制御処理とが同時並行して行われる。端末側バトルゲーム制御処理およびサーバ側バトルゲーム制御処理では、各種情報を更新する更新処理が実行される(S5、S102)。この更新処理は、バトルゲームの終了条件が成立するまでの間(S6およびS103のNO)、フレーム単位で繰り返し実行される。
【0087】
なお、フレーム数は特に限定されるものではなく、例えば、1秒間のフレーム数は30〜60である。したがって、バトルゲーム中は、プレイヤ端末1およびサーバ100において、約16ms(ミリ秒)〜33msごとに情報の更新が行われている。また、更新処理では、プレイヤ端末1とサーバ100との間で、更新情報の送受信が行われている。そして、バトルゲームの終了条件が成立すると(S6およびS103のYES)、端末側バトルゲーム制御処理およびサーバ側バトルゲーム制御処理を終了させる終了処理が行われる(S7、S104)。なお、ここでは、更新処理および更新情報の送受信がフレーム単位で実行されることとしたが、更新処理および更新情報の送受信は、フレーム単位よりも短い周期あるいは長い周期で行われてもよい。
【0088】
図9は、プレイヤ端末1におけるメモリ12の構成およびコンピュータの機能を説明する図である。メモリ12には、プログラム記憶領域12a、および、データ記憶領域12bが設けられている。CPU10は、バトルゲームの開始時に、端末側バトルゲーム制御処理用のプログラム(モジュール)をプログラム記憶領域12aに記憶する。
【0089】
端末側バトルゲーム制御処理用のプログラムには、ゲーム空間生成プログラム40、状態情報更新プログラム42、キャラクタ動作制御プログラム44、画像生成プログラム46、補正処理プログラム48、画像表示プログラム50が含まれる。なお、図9に列挙したプログラムは一例であり、端末側バトルゲーム制御処理用のプログラムには、この他にも多数のプログラムが設けられている。
【0090】
データ記憶領域12bには、データを記憶する記憶部として、ゲーム空間情報記憶部60、敵キャラクタ状態情報記憶部62、味方キャラクタ状態情報記憶部64が設けられている。なお、上記の各記憶部は一例であり、データ記憶領域12bには、この他にも多数の記憶部が設けられている。
【0091】
CPU10は、プログラム記憶領域12aに記憶された各プログラムを動作させ、データ記憶領域12bの各記憶部のデータを更新する。そして、CPU10は、プログラム記憶領域12aに記憶された各プログラムを動作させることで、プレイヤ端末1(コンピュータ)を、バトルゲーム制御部として機能させる。
【0092】
具体的には、CPU10は、ゲーム空間生成プログラム40を動作させ、コンピュータをゲーム空間生成部40aとして機能させる。同様に、CPU10は、状態情報更新プログラム42、キャラクタ動作制御プログラム44、画像生成プログラム46、補正処理プログラム48、画像表示プログラム50を動作させ、それぞれ状態情報更新部42a、キャラクタ動作制御部44a、画像生成部46a、補正処理部48a、画像表示部50aとして機能させる。
【0093】
ゲーム空間生成部40aは、ゲーム空間情報記憶部60に記憶されたゲーム空間の情報に基づいて、ゲーム空間GSを生成する。
【0094】
状態情報更新部42aは、敵キャラクタおよび味方キャラクタの状態を示す状態情報を更新する。
【0095】
状態情報更新部42aは、サーバ100から出力される更新情報に基づき、敵キャラクタ状態情報記憶部62の状態情報を更新する。敵キャラクタの状態情報には、敵キャラクタのx、y、z軸方向の位置、姿勢(傾き)、向き、動作、補正範囲33、ブレンド補正範囲34、色彩パラメータ、優先度が含まれる。
【0096】
また、状態情報更新部42aは、味方キャラクタ状態情報記憶部64の状態情報を更新する。味方キャラクタの状態情報には、パーティを編成する味方キャラクタそれぞれのx、y、z軸方向の位置、姿勢(傾き)、向き、動作、装備している武器情報が含まれる。状態情報更新部42aは、主に、入力部22から入力される移動操作および攻撃操作に基づき、プレイヤキャラPCの状態情報を更新する。また、プレイヤキャラPC以外の味方キャラクタの状態情報は、味方キャラクタのオート制御に応じて更新される。
【0097】
キャラクタ動作制御部44aは、状態情報に基づいて、敵キャラクタおよび味方キャラクタを、ゲーム空間GS内で動作させる。つまり、キャラクタ動作制御部44aは、プレイヤの操作に応じて味方キャラクタをゲーム空間GS内で移動させる。
【0098】
画像生成部46aは、仮想カメラによってゲーム空間GSが撮像された、RGB色空間で表される画像を生成する。
【0099】
補正処理部48aは、画像生成部46aによって生成された画像をHSV色空間で表される画像に変換した後、上記した補正処理を行う。また、補正処理部48aは、補正処理が行われた画像をRGB色空間で表される画像に再変換する。
【0100】
画像表示部50aは、RGB色空間で表される画像に再変換された画像をディスプレイ26に表示する。
【0101】
次に、端末側バトルゲーム制御処理について説明する。なお、以下では、主に、画像に関する処理について説明する。
【0102】
図10は、端末側バトルゲーム制御処理の一例を示すフローチャートである。上記したように、プレイヤ端末1における端末側バトルゲーム制御処理と、サーバ100におけるサーバ側バトルゲーム制御処理とは、同時並行して実行される。また、端末側バトルゲーム制御処理およびサーバ側バトルゲーム制御処理はフレーム単位で行われており、更新情報の送受信が毎フレーム行われる。
【0103】
端末側バトルゲーム制御処理では、ゲーム空間生成部40aがゲーム空間GSを生成する(S10)。状態情報更新部42aは、サーバ100から入力される更新情報に基づき、敵キャラクタ状態情報記憶部62の状態情報を更新する(S11)。また、状態情報更新部42aは、サーバ100から入力される更新情報に基づき、味方キャラクタ状態情報記憶部64の状態情報を更新する(S12)。
【0104】
キャラクタ動作制御部44aは、敵キャラクタ状態情報記憶部62の状態情報に基づき、敵キャラクタを動作させ、味方キャラクタ状態情報記憶部64の状態情報に基づき、味方キャラクタを動作させる(S13)。
【0105】
画像生成部46aは、仮想カメラによってゲーム空間GSが撮像された、RGB色空間で表される画像を生成する(S14)。補正処理部48aは、画像生成部46aによって生成された画像をHSV色空間で表される画像に変換した後(S15)、図11に示す補正処理を行う(S16)。
【0106】
図11は、補正処理を示すフローチャートである。補正処理部48aは、プレイヤキャラPCが補正範囲33またはブレンド補正範囲34に進入しているかを判定する(S16−1)。プレイヤキャラPCが補正範囲33またはブレンド補正範囲34に進入していれば(S16−1のYES)、補正処理部48aは、プレイヤキャラPCが進入している補正範囲33またはブレンド補正範囲34のうち、未だ選択されていない最も優先度が低い補正範囲33またはブレンド補正範囲34を選択する(S16−2)。
【0107】
そして、補正処理部48aは、上記した(1)式および(2)式を用いて、彩度Sを導出する(S16−3)。その後、補正処理部48aは、プレイヤキャラPCが進入している全ての補正範囲33またはブレンド補正範囲34について彩度Sを導出したかを判定する(S16−4)。そして、プレイヤキャラPCが進入した全ての補正範囲33またはブレンド補正範囲34について彩度Sを導出していない場合(S16−4のNO)、補正処理部48aは、ステップS16−2に処理を戻す。
【0108】
一方、プレイヤキャラPCが補正範囲33またはブレンド補正範囲34に進入していなければ(S16−1のNO)、補正処理部48aは、ベース彩度を抽出する(S16−5)。
【0109】
その後、補正処理部48aは、HSV色空間で表される画像の各画素の彩度Sを、ステップS16−3またはステップS16−6で導出、抽出した彩度Sに変換する。
【0110】
図10に戻り、補正処理部48aは、補正処理が行われた画像を、ディスプレイ26に表示可能なRGB色空間で表される画像に再変換し(S17)、再変換した画像をディスプレイ26に表示する(S18)。
【0111】
図12は、サーバ100におけるメモリ112の構成およびコンピュータの機能を説明する図である。メモリ112には、プログラム記憶領域112a、および、データ記憶領域112bが設けられている。CPU110は、バトルゲームの開始時に、サーバ側バトルゲーム制御処理用のプログラム(モジュール)をプログラム記憶領域112aに記憶する。
【0112】
サーバ側バトルゲーム制御処理用のプログラムには、状態情報更新プログラム140、ダメージ演算プログラム142、敵キャラクタ動作処理プログラム144が含まれる。なお、図12に列挙したプログラムは一例であり、サーバ側バトルゲーム制御処理用のプログラムには、この他にも多数のプログラムが設けられている。
【0113】
データ記憶領域112bには、データを記憶する記憶部として、敵キャラクタ状態情報記憶部160、味方キャラクタ状態情報記憶部162が設けられている。なお、上記の各記憶部は一例であり、データ記憶領域112bには、この他にも多数の記憶部が設けられている。
【0114】
CPU110は、プログラム記憶領域112aに記憶された各プログラムを動作させ、データ記憶領域112bの各記憶部のデータを更新する。そして、CPU110は、プログラム記憶領域112aに記憶された各プログラムを動作させることで、サーバ100(コンピュータ)を、バトルゲーム制御部として機能させる。
【0115】
具体的には、CPU110は、状態情報更新プログラム140を動作させ、状態情報更新部140aとして機能させる。同様に、CPU110は、ダメージ演算プログラム142および敵キャラクタ動作処理プログラム144を動作させ、それぞれダメージ演算部142aおよび敵キャラクタ動作処理部144aとして機能させる。
【0116】
状態情報更新部140aは、敵キャラクタおよび味方キャラクタの状態を示す状態情報を更新する。
【0117】
状態情報更新部140aは、敵キャラクタ動作処理プログラム144の処理に基づき、敵キャラクタ状態情報記憶部160の状態情報を更新する。サーバ100で管理されるボスキャラBCの状態情報には、x、y、z軸方向の位置、姿勢(傾き)、向き、動作(アクションの種類等)、ライフポイントHP、補正範囲33、ブレンド補正範囲34、彩度、優先度が含まれる。
【0118】
また、状態情報更新部140aは、味方キャラクタ状態情報記憶部162の状態情報を更新する。味方キャラクタの状態情報には、パーティを編成する味方キャラクタそれぞれのx、y、z軸方向の位置、姿勢(傾き)、動作、武器等の装備情報、ライフポイントHP、通常攻撃力、特殊攻撃力が含まれる。状態情報更新部140aは、プレイヤ端末1から入力される状態情報に基づき、位置、姿勢(傾き)、動作といった、味方キャラクタの位置に関する状態情報を更新する。
【0119】
また、状態情報更新部140aは、ダメージ演算処理で算出されたダメージポイントに応じて、ライフポイントHPを更新する。なお、状態情報のうち、装備、通常攻撃力、特殊攻撃力は、メモリ112に蓄積されているプレイヤの情報に基づいて、バトルゲームの開始時に、状態情報更新部140aによってセットされる。
【0120】
敵キャラクタ動作処理部144aは、所定のアルゴリズムにしたがって、敵キャラクタの移動動作や攻撃動作を制御する。
【0121】
次に、サーバ側バトルゲーム制御処理について説明する。
【0122】
図13は、サーバ側バトルゲーム制御処理の一例を示すフローチャートである。状態情報更新部140aは、プレイヤ端末1から入力される味方キャラクタの状態情報に基づいて、味方キャラクタ状態情報記憶部162を更新する(S110)。また、敵キャラクタ動作処理部144aは、所定のアルゴリズムにしたがって、敵キャラクタの移動動作、攻撃動作を行わせる(S111)。そして、ダメージ演算部142aは、味方キャラクタが敵キャラクタを攻撃した場合、および、敵キャラクタが味方キャラクタを攻撃した場合、ダメージ演算処理を行う(S112)。
【0123】
そして、プレイヤキャラPCのライフポイントHPが0になるか、例えばボスキャラBCのライフポイントHPが0になると、バトルゲームの終了条件が成立したと判定され(S113のYES)、バトルゲーム終了処理が行われる(S114)。
【0124】
また、バトルゲームの終了条件が成立していない場合(S113のNO)、および、バトルゲーム終了処理が行われた場合、ボスキャラBCおよびプレイヤキャラPCの状態情報を含む更新情報をプレイヤ端末1に出力し(S115)、サーバ側バトルゲーム制御処理が終了となる。
【0125】
上記したプレイヤ端末1における端末側バトルゲーム制御処理、および、サーバ100におけるサーバ側バトルゲーム制御処理によって、バトルゲームが実現される。
【0126】
なお、上記実施形態では、補正処理においてHSV色空間で表される画像に対して彩度Sを補正するようにした。しかしながら、補正処理はこれに限らない。例えば、HSV色空間で表される画像に対して色相Hまたは明度Vを補正するようにしてもよい。また、RGB色空間で表される画像のR、G、Bを補正するようにしてもよい。この場合、RGB色空間で表される画像をHSV色空間で表される画像に変換しなくてよい。
【0127】
また、上記実施形態では、仮想カメラで撮像され生成された(レンダリングされた)画像に対して補正処理を行うようにした。しかしながら、仮想カメラで撮像され生成される過程(レンダリングの過程)で補正処理を行うようにしてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、敵キャラクタ(他オブジェクト)に対して補正範囲33およびブレンド補正範囲34を設定するようにした。しかしながら、他オブジェクトは敵キャラクタだけに限らず、コンピュータ制御により移動制御されるものであれば、例えば火や水などといったものであってもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、プレイヤの操作に応じて、プレイヤキャラPCが動作する場合について説明した。しかしながら、プレイヤキャラPCは、プログラムによるオート操作によって動作してもよい。
【0130】
また、上記実施形態では、プレイヤ端末1およびサーバ100にプログラム記憶領域、バトルゲーム制御部およびデータ記憶領域が設けられる場合について説明した。しかしながら、プレイヤ端末1およびサーバ100に設けられたプログラム記憶領域、バトルゲーム制御部およびデータ記憶領域が、プレイヤ端末1およびサーバ100のどちらかにのみ設けられていてもよく、また、上記実施形態とは異なる方に設けられていてもよい。
【0131】
また、上記実施形態において、バトルゲームを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。さらには、上記実施形態は、各機能およびフローチャートに示すステップを実現する情報処理方法としてもよい。
【0132】
以上、添付図面を参照しながら実施形態の一態様について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変形例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0134】
G 情報処理装置
1 プレイヤ端末
44a キャラクタ動作制御部(自オブジェクト制御部)
48a 補正処理部
100 サーバ
144a 敵キャラクタ動作処理部(他オブジェクト制御部)
図1
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図13