【文献】
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【文献】
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【文献】
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【文献】
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【文献】
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(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記予測モデルが、前記高感受性表現型対前記耐性表現型および中間表現型の第1の予測モデルと、前記耐性表現型対前記高感受性表現型および中間表現型の第2の予測モデルとを含み、前記第1および第2の予測モデルが独立して学習され、
前記第1の予測モデルが前記高感受性表現型を予測せず且つ前記第2の予測モデルが前記耐性表現型を予測しないときに、前記中間表現型が予測される、
請求項2に記載の方法。
前記抗菌剤の前記異なる濃度が、それぞれ、前記高感受性ブレークポイント濃度および前記耐性ブレークポイント濃度にある、請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
コンピュータによって実施される方法を実行するための命令を記憶するコンピュータ可読媒体であって、前記方法が、高感受性表現型、中間表現型、および耐性表現型の中からの、抗菌剤に対する試験微生物の感受性表現型の予測を含み、前記予測が、
試験微生物について取得された値のセットに基づいて特徴ベクトルを生成するステップであって、前記セットが、フローサイトメータによって取得された液体試料中の前記試験微生物の集団の蛍光分布および/または前方散乱分布および/または側方散乱分布を含む、ステップと、
予測モデルを前記試験微生物の前記特徴ベクトルに適用することによって前記試験微生物の前記感受性表現型を予測するステップと
を含み、
前記予測モデルが、請求項2から11のいずれか一項に記載の学習段階に従って学習される、コンピュータ可読媒体。
【発明の概要】
【0007】
特に、MFI法は、抗菌剤の微細な影響をロバストに定量化することができない。本発明は、そのような影響のロバストな定量化を提案することを目的とする。
【0008】
この目的のため、本発明の第1の目的は、抗菌剤の濃度に対する試験微生物の感受性を定量化するための方法であって、
− 試験微生物の集団と試験微生物を標的とする生存性蛍光マーカーとを含む2つの液体試料を調製するステップであって、前記液体試料のうちの1つが前記濃度の抗菌剤を含み、前記液体試料のうちの他方が抗菌剤を含まない、ステップと、
− 試験微生物の前記試料の各々について、フローサイトメータによって、前記試料内の微生物の集団の蛍光分布または前方散乱分布または側方散乱分布を含む値のデジタルセットを取得するステップと、
− 前記試料の各々について、
○ 取得された分布の主モードに対応する第1の座標値、および第1の座標値よりも大きい値について取得された分布の第1の面積と、
○ 前記第1の座標値と第2の座標値との間について取得された分布の第2の面積が50%を超える第1の面積の所定の割合に等しい、前記第1の座標値よりも大きい前記第2の座標値と
を計算するステップと、
− 関係、すなわち、
に従って比を計算するステップであって、Mode(ATB)およびQT(ATB)が、それぞれ、前記濃度の抗菌剤ありの場合の第1および第2の座標値であり、Mode(no ATB)およびQT(no ATB)が、それぞれ、前記濃度の抗菌剤なしの場合の第1および第2の座標値である、ステップと
を含む方法である。
【0009】
言い換えれば、液体試料中に含まれる微生物の集団の一部のみに影響を与える特定の抗菌剤について観測することができるので、比Qは、取得された分布の不均一プロファイルを捉えることができる。特に比Qが1から逸脱するほど、微生物は、抗菌剤に対してより感受性になる。MFI法によれば、試験された微生物は、抗菌剤に対して耐性であると決定されるが、本発明によれば、前記微生物は、感受性であると決定される。
【0010】
本発明は、高速かつロバストな、フローサイトメトリによって抗菌剤に対する微生物の感受性、中間、または耐性の表現型を予測するための方法およびシステムを提供することも目的とする。
【0011】
この目的のため、本発明の第2の目的は、高感受性表現型、中間表現型、および耐性表現型の中から、抗菌剤に対する試験微生物の感受性表現型を予測するための方法であって、
A.以下のステップ、すなわち、
a.前記表現型が抗菌剤の高感受性ブレークポイント濃度および耐性ブレークポイント濃度に基づいて決定された、高感受性表現型微生物と、中間表現型微生物と、耐性表現型微生物とを含む微生物のセットを選択し、微生物の前記セットの感受性表現型のデジタルセットを生成するステップと、
b.微生物のセットの各微生物について、前記微生物の集団と、前記微生物を標的とする生存性蛍光マーカーと、抗菌剤とを含む液体試料を調製するステップであって、前記液体試料が少なくとも2つの異なる濃度の抗菌剤を含む、ステップと、
c.各試料について、フローサイトメータによって、前記試料内の微生物の集団の蛍光分布および/または前方散乱分布および/または側方散乱分布を含む値のデジタルセットを取得するステップと、
d.微生物のセットの各微生物について、コンピュータユニットによって、前記微生物について取得された値のセットに基づいて特徴ベクトルを生成するステップであって、特徴ベクトルの生成が、抗菌剤の異なる濃度の各々について、
− 取得された分布の主モードに対応する第1の座標値と、第1の座標値よりも大きい値に関する取得された分布の第1の面積とを計算するステップと、
− 前記第1の座標値と第2の座標値との間の取得された分布の第2の面積が50%を超える第1の面積の所定の割合に等しい、前記第1の座標値よりも大きい前記第2の座標値を計算するステップと、
− 関係、すなわち、
に従って比を計算するステップであって、Mode(ATB)およびQT(ATB)が、それぞれ、前記濃度の抗菌剤ありの場合の第1および第2の座標値であり、Mode(no ATB)およびQT(no ATB)が、それぞれ、前記濃度の抗菌剤なしの場合の第1および第2の座標値である、ステップと
を含む、ステップと、
e.コンピュータユニットによって、生成された特徴ベクトルおよび感受性表現型のデジタルセットに基づいて、抗菌剤に対する感受性表現型の予測モデルを学習するステップと、
を含む学習段階と、
B.以下のステップ、すなわち、
f.試験微生物の集団と、生存性蛍光マーカーと、異なる濃度における抗菌剤とを含む液体試料を調製するステップと、
g.試験微生物の各試料について、フローサイトメータによって、ステップc)において取得された値のセットに対応する値のデジタルセットを取得するステップと、
h.コンピュータユニットによって、試験微生物について取得された値のセットに基づいて特徴ベクトルを生成するステップであって、前記特徴ベクトルがステップd)の特徴ベクトルに対応する、ステップと、
i.予測モデルを記憶するコンピュータユニットによって、前記モデルを試験微生物の特徴ベクトルに適用することによって、試験微生物の感受性表現型を予測するステップと
を含む予測段階と
を含む方法である。
【0012】
言い換えれば、予測モデルは、それらの表現型に関して多様性を有する、有利には、グラム/種/属に関して大きい多様性を有する微生物、抗菌剤の濃度、および抗菌剤に対する応答に由来するデータの学習セットに基づく。高感受性表現型/中間表現型/耐性表現型の中から表現型感受性を直接決定するロバスト予測モデルは、未知の微生物、たとえば、細菌のフローサイトメトリ測定に由来し得る。
【0013】
一実施形態によれば、
− 予測モデルは、高感受性表現型対耐性表現型および中間表現型の第1の予測モデルと、耐性表現型対高感受性表現型および中間表現型の第2のモデルとを含み、第1および第2の表現型モデルは、独立して学習され、
− 中間表現型は、第1の予測モデルが高感受性表現型を予測しないとき、および第2の予測モデルが耐性表現型を予測しないときに予測される。
【0014】
別の実施形態によれば、予測モデルは、高感受性表現型対耐性表現型および中間表現型の第1の予測モデルと、耐性表現型対高感受性表現型および中間表現型の第2のモデルと、中間表現型対高感受性表現型および耐性表現型の第3の予測モデルとを含み、前記第1、第2、および第3の予測モデルは、独立して学習される。
【0015】
一実施形態によれば、抗菌剤の異なる濃度は、高感受性ブレークポイント濃度と耐性ブレークポイント濃度とを含む範囲を規定する。
【0016】
一変形形態によれば、抗菌剤の異なる濃度は、それぞれ、高感受性ブレークポイント濃度および耐性ブレークポイント濃度にある。別の変形形態では、抗菌剤の異なる濃度は、少なくとも3つの濃度、より具体的には、少なくとも4つの濃度を含む。
【0017】
一実施形態によれば、抗菌剤の異なる濃度のうちの少なくとも1つは、高感受性ブレークポイント濃度未満である。
【0018】
一実施形態によれば、方法は、学習段階において、
− 抗菌剤の異なる濃度を含む異なる濃度の第1のセットを選択し、異なる濃度の前記第1のセットのすべての濃度を用いてステップb)からf)を実行するステップと、
− 生成された特徴ベクトルおよび感受性表現型のデジタルセットに基づいて、抗菌剤に対する感受性表現型の予測モデルを学習するステップであって、前記学習することが、予測モデルの精度および予測モデルの複雑さをトレードオフするL1正則化最適化問題を使用して実行され、抗菌剤の異なる濃度が、L1正則化最適化問題によって放棄されない濃度の第1のセットの濃度である、ステップと
による、抗菌剤の異なる濃度の選択を含む。
【0019】
具体的には、L1正則化最適化問題は、L1正則化ロジスティック回帰である。
【0020】
一実施形態によれば、値のデジタルセットは、定義済みの蛍光範囲にわたる蛍光分布を含み、特徴ベクトルは、定義済みの蛍光範囲の一部分にわたる蛍光分布のヒストグラムを含む。
【0021】
一実施形態によれば、値のデジタルセットは、定義済みの側方散乱値範囲にわたる側方散乱分布を含み、特徴ベクトルは、定義済みの側方散乱値範囲の一部分にわたる側方散乱分布のヒストグラムを含む。
【0022】
一実施形態によれば、値のデジタルセットは、定義済みの前方散乱値範囲にわたる前方散乱分布を含み、特徴ベクトルは、定義済みの前方散乱値範囲の一部分にわたる前方散乱分布のヒストグラムを含む。
【0023】
具体的には、定義済みの割合は、70%を超え、好ましくは、75%、90%、95%、または99%に等しい。
【0024】
一実施形態によれば、微生物のセットの微生物は、異なる種および/または属に属する。
【0025】
一実施形態によれば、抗菌剤は、抗生物質であり、微生物は、細菌である。
【0026】
本発明の別の目的は、高感受性表現型、中間表現型、および耐性表現型の中から、抗菌剤に対する試験微生物の感受性表現型を予測するための方法であって、
a.試験微生物の集団と、試験微生物を標的とする生存性蛍光マーカーと、異なる濃度の抗菌剤とを含む液体試料を調製するステップと、
b.試験微生物の各試料について、フローサイトメータによって、前記試料中の試験微生物の集団の蛍光分布および/または前方散乱分布および/または側方散乱分布を含む値のデジタルセットを取得するステップと、
c.コンピュータユニットによって、試験微生物について取得された値のセットに基づいて特徴ベクトルを生成するステップと、
d.予測モデルを記憶するコンピュータユニットによって、前記モデルを試験微生物の特徴ベクトルに適用することによって、試験微生物の感受性表現型を予測するステップであって、予測モデルが上記で説明したように学習段階に従って学習される、ステップと
を含む方法である。
【0027】
本発明の別の目的は、高感受性表現型、中間表現型、および耐性表現型の中から、抗菌剤に対する試験微生物の感受性表現型を予測するためのシステムであって、
− 液体試料中の試験微生物の集団の蛍光分布および/または前方散乱分布および/または側方散乱分布を含む値のデジタルセットを取得するためのフローサイトメータであって、前記試料が試験微生物を標的とする生存性蛍光マーカーと、異なる濃度の抗菌剤とを含む、フローサイトメータと、
● 上記で説明したように学習段階に従って学習された予測モデルを記憶し、
● 試験微生物について取得された値のセットに基づいて特徴ベクトルを生成し、
● 予測モデルを試験微生物の特徴ベクトルに適用することによって試験微生物の感受性表現型を予測する
ように設定されたコンピュータユニットと
を備えるシステムである。
【0028】
本発明の別の目的は、コンピュータによって実行される方法を実行するための命令を記憶するコンピュータ可読媒体であって、方法は、高感受性表現型、中間表現型、および耐性表現型の中からの、抗菌剤に対する試験微生物の感受性表現型の予測を含み、前記予測は、
− 試験微生物について取得された値のセットに基づいて特徴ベクトルを生成するステップであって、前記セットが、フローサイトメータによって取得された液体試料中の試験微生物の集団の蛍光分布および/または前方散乱分布および/または側方散乱分布を含む、ステップと、
− 予測モデルを試験微生物の特徴ベクトルに適用することによって試験微生物の感受性表現型を予測するステップと
を含み、
予測モデルは、上記で説明したように学習段階に従って学習される。
【0029】
本発明は、添付図面に関連して、以下の非限定的な説明からよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0031】
他に明示的に述べられていない限り、より大きいことは、より大きいかまたは等しいことを意味し、より少ないことは、より少ないかまたは等しいことを意味する。
【0032】
図1を参照すると、フローサイトメトリシステム10は、フローサイトメータ12と、予測モデルを学習するためおよび/または抗菌剤に対する微生物の感受性表現型を予測するために、フローサイトメータ12によって出力されたデータを処理するためのコンピュータユニット14とを備える。フローサイトメータ12は、流体システムと、少なくとも1つの光源と、励起光学系と集光光学系とを備える光学システムと、電子システムとを備える。流体システムは、光源のビームが交差するインテロゲーションポイント(interrogation point)に液体試料の微生物を1つずつ輸送するように設計される。この時点で、光は、微生物によって散乱および屈折され、光散乱は、それらが検出器によって収集される2つの角度において光学システムによって収集され、すなわち、光源の方向における回折光の測定値である「前方散乱」(FSC)、および光ビームから約90°で収集される「側方散乱」(SSC)が収集される。さらに、光源は、微生物の蛍光も光学システムを介して検出器によって取得されるように、蛍光色素を励起するように設計される。液体試料中に含まれる微生物の集団について、FSC分布、SSC分布および蛍光分布が取得され、フローサイトメータ動作も駆動する電子システム内に記憶される。フローサイトメトリは、よく知られており、さらには詳述されない。たとえば、フローサイトメータは、Partec GmbHからの「Cyflow(登録商標)Spaceフローサイトメータ」である。FSC、SSC、および蛍光分布は、フローサイトメータ12によって生成された分布のデジタル処理を実施するように設定される、コンピュータユニット14、たとえば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、サーバ、ならびに、より一般的には、1つもしくは複数のマイクロプロセッサおよび/または1つもしくは複数のマイクロコントローラ、たとえば、デジタル信号プロセッサ、および/またはもう1つのプログラマブル論理デバイスを備える任意のシステムに通信される。コンピュータユニット14は、取得された分布と、本発明による方法を実行するための命令と、中間計算および最終計算、特に、微生物の抗生物質感受性とを記憶するためのコンピュータメモリ(RAM、ROM、キャッシュメモリ、大容量メモリ)を備える。コンピュータユニットは、前記感受性をユーザに対して表示するための画面をさらに備える。コンピュータユニットは、フローサイトメータの電子システムとは異なるエンティティとして説明されているが、コンピュータユニットおよび電子システムは、唯一のユニットによって実施され得る。
【0033】
細菌株の抗生物質に対する感受性を予測する方法は、ここで
図2に関連して説明され、方法は、学習段階(
図2A)と予測段階(
図2B)とを含む。
【0034】
学習段階は、異なる既知の株、具体的には、高感受性表現型(S)株、中間表現型(I)株、および耐性表現型(R)株のセットのFSC、SSC、および蛍光分布における抗生物質感受性表現型パターンを決定することを目的とし、各株の抗生物質に対する感受性表現型は、既知であり、たとえば、EUCATまたはCLSI命名法に従って決定される。有利には、パターンは、可能な限り株から独立しているように決定される。この目的のため、株のセットは、異なる種および/または属からの100を超える株を含む。
【0035】
学習段階は、したがって、20において、前記株のセット{S
1,...,S
n}(ここでnは株の数)の選択と、コンピュータユニット14においてそれらの感受性表現型を、たとえば、デジタル表現型ベクトル(P
1...P
N)の形式における表現型を記憶することとによって開始し、ここで、∀i∈[1,n]、P
iは、抗生物質に対する株S
iの感受性表現型であり、すなわち、P
i=R(耐性)、I(中間)、またはS(高感受性)である。抗生物質の抗生物質ブレークポイントBP
S(高感受性ブレークポイント)およびBP
R(耐性ブレークポイント)。
【0036】
次のステップ22において、異なる濃度{C
1,...,C
m}の抗生物質を有する液体試料が、選択された株S
iの各々について調製され、ここで、C
1=0(抗生物質なし)であり、m>2は、抗生物質の非ヌル濃度の数である。前記濃度は、コンピュータユニット14内に記憶される。具体的には、
図3に示すように、株の細菌コロニーが増殖され、接種材料を作製するために使用される。180rpmで振盪しながら35℃において2時間増殖させた後、得られた対数期の細菌培養物は、0.5McFにおいて正規化され、異なる濃度{C
1,...,C
m}における抗菌剤を補充されたマイクロタイタープレートのウェルに接種するために使用される。35℃における1時間のインキュベーション後、膜脱分極蛍光マーカー、たとえば、「DiBAC4(3)」としても知られる(ビス−(1,3−ジブチルバルビツール酸)トリメチンオキソノール)が、0.5μg/mlの最終濃度においてウェルに添加される。次いで、35℃におけるマーカーとの追加の15分のインキュベーションが行われる。濃度{C
1,...,C
m}は、範囲[BP
S,BP
R]が非ヌル濃度の範囲[C
2,C
m]に含まれるか、またはそれに等しくなるように選択される。
【0037】
ステップ24において、フローサイトメータ12によって各試料についてFCM取得が実行され、対応するFSC、SSC、および蛍光分布がコンピュータユニット14内に記憶される。各株S
iについて、および各濃度C
jについて、FSC分布「FSC
i,j」、SSC分布「SSC
i,j」、および蛍光分布「Fl
i,j」が、このようにして、コンピュータユニット14内に、たとえば、デジタルベクトルの形式で記憶される。
【0038】
26において、分布{FSC
i,j,SSC
i,j,Fl
i,j}の各セットについて少なくとも1つの特徴ベクトルX
i,jを生成するために、コンピュータユニット14によって前記分布の処理が実行される。生成された特徴ベクトルX
i,jは、抗生物質とのインキュベーションに続いて細菌集団内に生じる変化を定量化し、後に説明するように表現型パターンを見つけるためにデジタル表現型ベクトル(P
1...P
N)と組み合わされる。具体的には、3つの方法、すなわち、平均蛍光強度(MFI)法、ビニング法、およびクオンタイル(QT)法に基づく特徴ベクトル。
図4は、集団分布プロファイル、および特徴ベクトルを生成するために使用される方法の概略図である。
図4において、「ATB」は、非ヌル濃度の抗生物質(C
j>i)を有する試料を指し、「noATB」は、抗生物質のない(C
1)試料を指す。
【0039】
平均蛍光強度法では、
図4Eに示すように、特徴ベクトルX
i,jは、関係、すなわち、
に従って、各非ヌル濃度C
j>iについて計算され、ここで、
および
は、それぞれ、分布Fl
i,j>1およびFl
i,1の平均値である。
【0040】
図4A、
図4B、および
図4Cにおいて、モノパラメトリックヒストグラムは、抗生物質で処理された細菌集団および未処理の細菌集団について観察された3つの主な蛍光分布を示す。未処理の集団の分布と比較したとき、抗生物質で処理された細菌は、まったくないもしくはわずかな蛍光シフト(A)、集団全体の蛍光シフト(B)、または集団の1つの小さい部分のみの蛍光シフト(C)のいずれかを示す。特徴ベクトルX
i,jが1と異なるほど、株は、抗生物質に対してより感受性である。SSCおよびFSCについても同様の分布プロファイルが観察され得る(図示せず)。
【0041】
ビニング法は、バイパラメトリックFSC−SSC分布、および蛍光、FSC、およびSSCのモノパラメトリック(「1D」)分布に対して実行される。具体的には、分布(たとえば、蛍光)の範囲は、間隔、または「ビン」に分割され、各ビンにおける分布の強度は、合計、または「ビニング」される。たとえば、
図4Dを参照すると、バイパラメトリック(「2D」)ドットプロットは、処理された細菌集団と未処理の細菌集団との間の散乱プロファイルの差を示す。この図では、5×5(25ビン)のグリッドが2Dプロットに適用される。各ビンにおけるイベントの数は、特徴ベクトルとして規定される値のセットを生成するために記録される。ビニングは、この例において示すようにバイパラメトリックFSC−SSC分布に対して、ならびに、蛍光、FSC、およびSSCのモノパラメトリック分布に対して実行される。より正確には、これらのベクトルは、以下のようにして得られ、すなわち、
− 1DのSSCまたはFSC分布のビニング:信号のダイナミックレンジ(たとえば、[1,10000])は、対数目盛において5、10、20、または40のビンにカットされる。各ビンに入るイベントの割合は、次いで、分布全体を表すために使用された。
− 2DのSSC/FSC分布のビニング:同じ手順が2つの散乱信号によって規定される二次元空間に適用され、したがって、二次元空間は、5×5=25、10×10=100、20×20=400、または40×40=1600ビンに離散化される。
− 1D蛍光信号のビニング:そのモードよりも上(すなわち、非ヌル強度における主なpicよりも上)である分布の一部のみが考慮されるということを注目すべき例外として、1D散乱信号に関するものと同じ手順が適用される。蛍光分布が、その振幅が大きく変動する可能性があるヌル強度においてピークを示し、したがって、ビニング表現に有害である可能性があるので、分布の残りの部分は、考慮されない。
【0042】
クオンタイル法では、
図4Fに示すように、クオンタイルのセットの各クオンタイルにおける蛍光値の比が、以下、すなわち、
のように計算され、ここで、Mode(Fl
i,j>1)は、蛍光分布Fl
i,j>1の主な非ヌルpicの蛍光値、すなわち、最大数のイベントに対応する蛍光強度であり、QT(Fl
i,j>1,q)は、前記2つの値の間の蛍光分布の面積がモードよりも上の蛍光値に関する蛍光分布の全面積のq%に等しいような蛍光値であり、Mode(noATB)およびQT(noATB)は、それぞれ、ヌル濃度C
1ありの蛍光分布に関するアナログ値である。クオンタイルqは、左から右への曲線の下の面積の70%よりも上、具体的には、75%、90%、95%、および99%に等しい。
【0043】
クオンタイル法は、抗生物質との接触時の集団の蛍光分布における微細な変化のより効率的な検出を可能にするように設計される。実際に、抗生物質で処理された所与の株について、観察され得る3つの主な分布プロファイルが
図4において表されている。集団の小さい部分のみが強い蛍光を示す異種蛍光分布(
図4Cおよび
図4F)では、信号が非蛍光集団によって支配されるので、MFI法は、適切ではない場合がある。この場合、クオンタイル法は、小さい集団から生じる信号を捕捉することを可能にし得る。
【0044】
したがって、1つの濃度の抗生物質で処理された所与の株について、以下の特徴ベクトル、すなわち、
− 1D蛍光分布(ビニングデータ)から得られる4セットの値、
− 1DのSSC分布(ビニングデータ)から得られる4セットの値、
− 1DのFSC分布(ビニングデータ)から得られる4セットの値、
− 2DのFSC−SSC分布(ビニングデータ)に対応する4セットの値、
− MFIの1つの比、
− クオンタイルQの4つの比、ならびに、
− 2DのFSC−SSC分布および1D蛍光分布の組合せ(3Dモデル、ビニングデータ)から得られる16セットの値
がコンピュータユニット14によって生成される。
【0045】
学習段階の次のステップ28において、コンピュータユニットは、濃度セット{C
1,...,C
m}の中から、表現型予測に最も関連性のある濃度を選択する。この目的のため、ユニット14は、具体的には、後に説明するように、L1正則化最適化問題に基づく教師あり学習を使用して、生成された特徴ベクトルX
i,jおよび表現型のベクトル(P
1...P
N)に基づいて、感受性表現型の少なくとも1つの適応予測モデルを学習する。具体的には、L1正則化問題は、予測モデルの精度とモデルの複雑さとの間でトレードオフする。濃度の数を減らすことは、未知の株の表現型予測の間の試料調製、フローサイトメトリ取得、およびデータ処理を短縮する。
【0046】
選択された濃度または全体のセット{C
1,...,C
m}に基づいて、コンピュータユニット14は、ステップ30において、具体的には、教師あり学習、たとえば、サポートベクターマシン(SVM:support vector machine)学習を使用して、生成された特徴ベクトルX
i,jおよび表現型のベクトル(P
1...P
N)に基づいて、感受性表現型の予測モデルを学習する。具体的には、生成された1D、2D、および3D特徴ベクトルのすべては、
図5に詳述する3つの異なる表現型識別戦略、すなわち、
− ブレークポイントベースの戦略(BPS:breakpoint−based strategy)。BPS戦略は、それぞれS表現型およびR表現型を予測する2つの行列に基づく。中間表現型は、それらが2つの行列のいずれにも入らないとき、除去によって予測される。
− グローバル戦略(GS:global strategy)。GS戦略も、SおよびRについての2つの行列に基づき、中間表現型も、除去によって予測される。BPS戦略とは対照的に、GSは、各行列中の2つ以上の抗生物質濃度からのデータを処理することによって予測モデルを構築することができる。
− グローバルマルチクラス戦略(GMS:global multiclass strategy)。GMS戦略は、それぞれS表現型、I表現型、およびR表現型を予測する3つの行列に基づく。GSと同様に、GMS戦略も、各行列内の2つ以上の抗生物質濃度からのデータを処理することができる。
を使用して処理される。
【0047】
4つの濃度C
1、C
2、C
3、およびC
4が例示されている
図5で説明しているように、(A)ブレークポイントベースの戦略(BPS)では、株のFCM分析に続いて生成された特徴ベクトルは、2つの行列において処理される。第1の行列は、高感受性参照ブレークポイントに対応する濃度の抗生物質との株のインキュベーション後に生成される特徴ベクトル(BP
Sに関する特徴ベクトル)を処理する。この行列において、S表現型をI表現型またはR表現型と区別するために、カットオフが計算される。第2の行列は、耐性参照ブレークポイントに対応する濃度の抗生物質との株のインキュベーションに続いて生成された特徴ベクトル(BP
Rに関する特徴ベクトル)を処理する。この行列において、R表現型をS表現型またはI表現型と区別するために、別のカットオフが計算される。第1の行列においてSとして予測されず、第2の行列においてRとして予測されない株は、Iとして分類される。(B)グローバル戦略(GS)も、S表現型およびR表現型をそれぞれ予測する2つの行列に基づく。両方の行列は、調査したすべての濃度(たとえば、C1からC4)の抗生物質との株のインキュベーションに続いて生成された特徴ベクトルを処理する。(C)グローバルマルチクラス戦略(GMS)は、3つの行列に基づく。各表現型は、別個の行列において2つの他の表現型から区別される。この戦略も、調査したすべての抗生物質濃度について生成された特徴ベクトルを処理する。
【0048】
参照微量希釈法によって決定されたMIC濃度は、特定のプロトコルを使用するFCMによる最も有意な初期変化を誘発する濃度と必ずしも相関しない。これに関して、他のFCMベースの研究は、むしろ、亜阻止濃度[6]またはMIC値を超える濃度[18、19]を使用して抗生物質の効果を調査した。したがって、高感受性ブレークポイント濃度および耐性ブレークポイント濃度を用いてBPS戦略のみを使用することによって、隣接した抗生物質濃度から生じる重要な情報が見逃される可能性がある。本発明によるグローバル戦略(GSおよびGMS)において、予測モデルは、もしあれば、表現型間をよりよく区別するのに役立ち得る追加の抗生物質誘発性変化を統合するために、追加の濃度に対して構築される。
【0049】
予測モデルを構築するために、データ表現の性質に応じて2つの異なる戦略が設定され、すなわち、
− MFIまたはクオンタイルベースの指標Qによって表される蛍光信号に作用するBPS戦略について、各微生物は、単一の値によって表され、この値は、それらが異なる抗生物質濃度から計算されたので、S表現型およびR表現型を予測することを担当するモデルを構築するために同じではない。この場合、分類規則は、単純な形式を有し、単にMFIまたはQに閾値を設定するようになる。この閾値を最適化するために、後に詳述するように、ROC曲線分析が使用される。
− すべての他の場合には、各微生物は、いくつかの値(たとえば、GS戦略およびGMC戦略に関するいくつかのMFIもしくはQ値、または、BPS戦略、GS戦略、およびGMC戦略に関する1つもしくは複数のビニング分布を含むベクトル)によって表された。これらの場合、サポートベクターマシン(SVM)アルゴリズムは、後に詳述するように、そのような多次元特徴ベクトルを分類規則に変換する分類規則を学習するためにコンピュータユニットによって実施される。
【0050】
BPSモデル、GSモデル、およびGMSモデルを構築する手順は、両方の場合で同じであり、すなわち、
− BPS戦略およびGS戦略について、S株およびR株を識別することを担当する2つのモデルが独立して構築される。両方のモデルは、二項分類モデルであり、第1のモデルは、{IおよびR}株からS株を分離しようとするものであり、第2のモデルは、{SおよびI}からR株を分離しようとするものである。BPS戦略とGS戦略との間の違いは、学習アルゴリズムに提供される情報の量にのみ存在していた。BPS戦略に関して、{R対S−I}モデルおよび{S対R−I}モデルの各々を学習すると考えられる唯一の抗生物質濃度は、関連するブレークポイントに対応したものであった。したがって、これは、各モデルを学習するためにアルゴリズムに提供されたデータが同じではなかったことを意味する。逆に、GS戦略において、利用可能なすべての抗生物質濃度が各モデルを学習するために考慮される。したがって、これは、各モデルを学習するためにアルゴリズムに提供されたデータが同じであり、BPS戦略に提供されたものよりも典型的にはm−1倍長く、有利には、m−1=4(4つの濃度が所与の抗生物質に対して株を特徴付けると考えられる)であることを意味する。
− GMS戦略について、R株、S株、およびI株を直接識別するために、「1対すべて」のSVMマルチクラスモデルが構築される。その目的のため、各々が1つのカテゴリの株を2つの他のカテゴリの株から分離することを担当する3つのモデルが構築される。これは、I株が除去(RにもSにも分類されなかった株)によって識別される上記の手法とは対照的であった。
【0051】
より効率的な分類規則を構築するために、学習アルゴリズム内に関与するパラメータ、たとえば、多次元信号表現のためのSVMの正則化パラメータ(ときには「C」と呼ばれる)、受診者動作特性(ROC:receiver operating characteristic)曲線におけるMFIまたはQ値(単次元表現)において考慮する閾値が最適化される。具体的には、それらのパラメータは、交差検証によって最適化され、その一般的な原理は、以下のように描かれる。
− データセットを所定の数Kの偶数のサブセット、または「折りたたみ」に分割し、Kは、典型的には5または10に設定される。
− 反復手順を実行し、
○ データのKのサブセットのうちの1つを残しておき、
○ 最適化するモデルパラメータの異なる値について、(K−1の)残りのサブセットから分類モデルを学習し、
○ モデルパラメータの異なる値に対応して、異なる候補モデルについて、提出されたサブセットにおける予測を評価する。
− モデルパラメータの異なる候補値についてデータセット全体に対して測定された分類性能を評価し、
− 分類性能を最大化する値を選択する。
【0052】
最終モデルは、次いで、最適なパラメータ値を使用してデータセット全体から構築され、新しい試料に対する予測を行うために使用される。
【0053】
BPS、GS、およびGMCの多次元表現に関与するSVMの正則化パラメータを学習するために、{10
−4,10
−3.5,10
−3,....,10
3,10
3.5,10
4}として規定される候補値のグリッドを使用してこの方法を進めた。MFIおよびRベースのBPS戦略の一次元表現の場合、以下のプロセスが実施され、
− 候補閾値を規定するために、R株およびS株を残りのものから識別することを担当する2つのモデルの各々についてROC曲線が最初に構築され、
− 次いで、{0.7,0.75,0.8,0.85,0.9,0.95}の真陽性率(または感受性)に対応する6つの候補閾値が抽出され、陽性クラスは、各モデルによって対象とされるクラス(すなわち、R株を識別することを担当するモデルにとってR、他の1つにとってS)に対応する。
【0054】
次のステップ32において、予測モデルの各々の性能は、その後、ユニット14によって計算される。具体的には、生成された予測モデルは、交差検証によって評価され、記録された表現型予測誤差の数は、以下、すなわち、
− 軽微な誤差(mE:minor error)=IがSもしくはRを予測した、SがIを予測した、またはRがIを予測した、
− 大きい誤差(ME:major error)=SがRを予測した、
− 非常に大きい誤差(VME:very major error)=RがSを予測した
のように分類される。
【0055】
検討した様々なモデルの分類性能を評価するために、データセットがKのサブセットに分割され、反復手順が実行される入れ子式の交差検証方式が実施され、
− データセットの(K−1)のサブセットを使用するモデルに関与するパラメータが最適化される。この目的のために、前述の交差検証手順に頼る。
− 残りのサブセットに対する予測が評価される。
【0056】
この手順は、分類モデルにおける性能を評価するための標準であり、モデル性能の推定においてパラメータ最適化のステップを統合することに関心を有する。実際には、この手順は、データセットのサブセットへのランダムな分割に対してロバストにするため、および、繰り返しにわたって得られる平均性能を考慮するために、数回、たとえば、10回繰り返される。予測誤差の数に基づくスコアが、コンピュータユニット14によって、以下の式、すなわち、
Score=Number(mE)×p1+Number(ME)×p2+Number(VME)×p3
を使用して各予測モデルについて計算され、ここで、p1>p2>p3は、正数であり、たとえば、それぞれ、1、2、および4に等しい。
【0057】
したがって、予測誤差は、たとえば、米国連邦医薬品局の承認基準において規定されるように、それらの相対的な臨床的重要性に従って評価される。最も低いスコアを示すモデルは、最良予測モデルとして規定される。最良予測モデルは、次いで、ステップ34において、コンピュータメモリ内に記憶される。
【0058】
濃度選択ステップ28に戻ると、グローバル戦略(GSおよびGSM)は、予測モデルの区別能力を改善するために追加の情報を統合することを目的とする。しかしながら、調査されたバグ/薬物の組合せに応じて、追加の濃度は、予測モデルの識別能力を改善、減少、または影響を及ぼさない可能性がある。たとえば、高濃度の抗生物質は、FCM分析における情報の損失につながる高感受性細胞の急速な溶解を誘発する可能性がある。耐性ブレークポイント濃度よりも高い濃度は、低いレベルの耐性を示す細胞を損傷し、それらのFCM耐性プロファイルを高感受性のものに変える可能性がある。本発明のグローバル戦略がBPSよりも優れた予測モデルを提供する場合には、使用されるべき最も関連性のある濃度はなにかという問題が残る。たとえば、4つの濃度(C1、C2、C3、およびC4)が調査される場合、関連性のある濃度の15の理論的な組合せが所与の抗生物質について可能である。この組合せのうちのどれが最も関連性があるかを評価するために、最も関連性のある濃度のみを考慮する予測モデルを構築するために、L1正則化ロジスティック回帰、またはLassoロジスティック回帰が実施される。この方法の主な利点は、
− (たとえば、試験された4つの濃度のうちの1つのみが最適な識別に関連する場合)試薬の量を減らすこと、
− FCM取得の時間を短縮すること(たとえば、ちょうど1つの濃度が関連する場合、より少ないチューブまたはウェルが分析される必要がある)、
− (たとえば、最も関連する濃度が必ずしもブレークポイント濃度ではない場合)最も適切な濃度を選択すること
を可能にし得る。
【0059】
したがって、このツールは、所与のバグ/薬物の組合せおよび所与の生存性マーカーに対するFCMプロトコルの開発を最適化するのを助けることができる。よく知られているように、L1正則化ロジスティック回帰は、SVMとよく似ている。主な違いは、異なる正則化関数にある。標準的なSVMは、その重みベクトルのユークリッドまたはL2ノルムに関して定義された正則化項を含む(たとえば、||w||
2=(Σ(w
i)
2)
1/2、ここで、wは、SVM学習における決定変数のベクトルである)。ユークリッドノルムの代わりにL1ノルムを考慮することは、量||w||
1=Σ|w
i|を正則化項として考慮することに等しい。両方の定義は、重みの大きさを制限する効果を有し、これは、高次元で学習するのに重要であるが、L1ペナルティは、小さいだけでなく、正確にゼロに等しくなり得る重みにつながるよく知られている「スパース性」効果を有し、これは、L2ペナルティでは決して起こらない。結果として、SVM(またはロジスティック回帰)においてこのペナルティを使用することは、モデルに関連する変数を自動的に選択することを可能にする。この文脈において、これは、有益ではない可能性がある濃度を自動的に破棄することを可能にする。L1ペナルティを多変量MFIおよびR表現に適用することは、簡単である。いくつかの抗生物質濃度を収集するビニングデータにL1ペナルティを適用するために、「グループラッソ」ペナルティと呼ばれるより高度な分析ツールが実行される。実際、そのビニング表現に対応するすべての特徴が共同でゼロに設定されている場合、濃度が破棄されてもよい。これを達成するために、同じグループ内の所与の濃度から来るすべての特徴を再グループ化するグループ化構造が使用される。グループラッソペナルティは、次いで、グループレベルにおける、したがって、濃度レベルにおけるスパース性を達成する。このアルゴリズムは、たとえば、[22、23]において説明されている。
【0060】
ここで、本発明による予測段階について、
図2Bを参照しながら説明する。この予測段階は、特定の株、たとえば、未知の株、またはその種が知られているが、その感受性表現型が未知である株の感受性表現型を決定することを目的とする。予測段階は、たとえば、臨床検査室に設置された、
図1に記載のシステムと類似のシステム、すなわち、フローサイトメータと、学習段階中に選択された予測モデルをメモリ内に記憶する、フローサイトメータに接続されたコンピュータユニットとを備えるシステムを使用して具体化される。フローサイトメータは、有利には、学習段階において使用されるフローサイトメータと同じモデルであり、同じ制御パラメータを用いて動作される。コンピュータユニットは、たとえば、フローサイトメータと同じ場所に配置されたコンピュータ、または、通信ネットワーク、たとえば、インターネットを介してフローサイトメータによって通信されるデータに基づいてクラウドコンピューティングを実行する遠隔地に配置されたサーバであってもよい。
【0061】
予測段階は、ステップ36において、コンピュータユニット内に記憶された予測モデルに対応する濃度、たとえば、濃度のセット全体、または選択された濃度を用いた、上記で説明したような株の液体試料の調製によって開始する。次に続くステップ38において、FFC分布、SSC分布、および蛍光分布が取得され、コンピュータユニット内に記憶される。後者は、次いで、40において、予測モデルを学習するために使用されたものと同じフォーマットを有する特徴ベクトルを生成し、42において、コンピュータユニットは、生成された特徴ベクトルに予測モデルを適用し、それによって、試験された株に関する感受性表現型S、I、またはRを出力する。予測の結果は、次いで、ステップ44において、コンピュータメモリ内に記憶され、および/または画面上に表示される。
【0062】
多種多様な予測モデルの中で最良のモデルを学習するための体系的な手法について説明してきたが、たとえば、どのタイプのモデルが特定の抗生物質に対して最良であるかを事前に知っている場合、学習段階は、単一の予測モデルの学習を実行してもよい。たとえば、
図4Cに示すように、クオンタイル比は、抗生物質誘発性異種蛍光プロファイルに対して非常に良好な性能を有する。そのような場合、特徴ベクトル生成に必要な分布のみが取得されてもよく、予測モデルの学習および実装に使用される特徴ベクトルのみが生成され(たとえば、クオンタイル比の少なくとも1つ、またはすべてのクオンタイル比)、選択された予測モデルのみが学習され、実装される。
【0063】
さらに、クオンタイル比Qは、細菌に対する抗生物質の影響を定量化するために単独で使用され得る。具体的には、この影響を定量化するための方法は、ある濃度の抗生物質を有する第1の試料、および抗生物質を持たない第2の試料の調製を含み、この2つの試料に関する比Qのコンピューティングユニットによる計算は、上記で説明されている。比Qは、たとえば、記憶し、および/またはユーザに注目させるために画面上に表示してもよい。
【0064】
さらに、クオンタイル法は、FSC分布またはSSC分布に対して実施されてもよい。そのような場合、オプションで、有利には、蛍光マーカーが使用されない。
【0065】
本発明は、以下、すなわち、
− 生物学的試料または微生物抽出物からのFCM−AST、
− 他の生存性マーカーまたはマルチラベリングが使用され得る、
− すべての種および抗生物質/抗真菌薬に適用され得る、
− 誤差の評価は、特定の表現型の予測を強化するために調整され得る、
− クオンタイル法は、FSCモノパラメトリック分布およびSSCモノパラメトリック分布にも適用され得る、
− クオンタイル法は、異種集団(たとえば、hVISA)を検出するためにも使用され得る、
− ビニング法およびクオンタイル法のために5つ以上の構成が調査され得る、
− 3Dモデルは、ビニング法から得られた1D特徴ベクトルを組み合わせることによっても構築され得る、
− 3Dモデルは、クオンタイル法またはMFI法から得られた1D特徴ベクトルを組み合わせることによっても構築され得る、
− 散乱および蛍光を含む2Dモデルも調査され得る、
− 細胞の自己蛍光も、分析のための追加のパラメータとして追加され得る
にも適用される。
【0066】
抗生物質に対する細菌の感受性表現型予測について説明してきたが、本発明は、酵母および真菌にも適用される。
【0067】
表現型予測アルゴリズムの性能評価
A.実験1:異種蛍光分布に対するクオンタイルベースの予測モデルの評価
A.i.ゲンタマイシンで処理された株の蛍光分布プロファイル
実験は、以下の行に記載されているように実行された。
− 107の腸内細菌株のパネル(
図6:ゲンタマイシンに対するそれらのMICに従った株のパネルの分布)が、
図3に記載のプロトコルに従って0、2、4、および8mg/Lのゲンタマイシンで処理され、FCMによって分析された。すべての株の参照表現型は、CLSIブレークポイントに従って、微量液体希釈法によって決定された。
− 蛍光分布は、すべての株について観察され、それらのプロファイルに基づいて分類された。
− 予測モデルは、FCMデータから生成され、性能は、上記で説明したように評価された。
【0068】
ゲンタマイシンで処理された試料から得られたFCM蛍光分布は、未処理の試料と比較したとき、3つの主なプロファイルを示した(
図7:3つの主なプロファイルA、B、およびCを表す3つの高感受性株からのスペクトルが示される。107の株のパネル内で、3つのプロファイルのうちの1つを示す株の数は、調査された各ゲンタマイシン濃度において、各表現型について示される(表)。灰色で塗りつぶされたセルは、所与の抗生物質濃度についての特定のプロファイルを示す株の最大数を表す)。
− プロファイルA:蛍光分布のまったくないかまたはわずかなシフト。
− プロファイルB:1つの非蛍光集団と小さい蛍光集団とを有する異種分布。
− プロファイルC:蛍光分布の著しいシフト。
【0069】
107の株のパネル内で、プロファイルの分布は、以下のように概ね評価された(
図7、表)。
− 高感受性表現型について、最も低いゲンタマイシン濃度(2mg/L)で処理されたとき、等しい数の株が、非シフト(プロファイルA)または異種蛍光分布(プロファイルB)のいずれかを示した。4mg/Lおよび8mg/Lのゲンタマイシンで処理されたとき、株の大部分は、異種蛍光分布(プロファイルB)を示した。
− ほとんどすべて(37のうち36)の耐性株は、試験されたすべての濃度においていかなる蛍光シフトも示さなかった(プロファイルA)。
− 中間表現型について、最も低い濃度(2mg/L)で処理されたとき、より多くの株が蛍光のシフトを示さなかった(プロファイルA)。4mg/Lおよび8mg/Lのゲンタマイシンで処理されたとき、等しい数の株が、非シフト(プロファイルA)または異種蛍光分布(プロファイルB)のいずれかを示した。
【0070】
これらの観察は、ゲンタマイシンで処理されたとき、高感受性株に関する異種蛍光分布の優勢を示唆する。耐性株の分布プロファイルは、すべての濃度において非常に一貫している。中間株のプロファイルは、使用される濃度に応じてより変化しやすい。
【0071】
A.ii.クオンタイルベースの予測モデル対MFIベースの予測モデルの性能
上記で仮定したように、MFI法の使用は、異種蛍光分布が見出されるとき、適切ではない可能性がある。我々の株のパネル(
図7)内の我々の観察と関連して、我々は、クオンタイル法およびMFI法から生成された特徴ベクトルを使用して構築されたBPS予測モデルの性能を比較した。
【0072】
交差検証に続いて、我々の結果は、予測モデルの性能が、MFIと比較したとき、クオンタイル法について有意に高いことを示している。クオンタイルベースの特徴ベクトルを用いて生成された4つの予測モデルのすべては、MFIデータを用いて構築されたものよりも低いスコア値を示した(
図8:クオンタイル特徴ベクトルを用いて生成された4つの予測モデル(q=0.75、q=0.9、q=0.95、q=0.99)と、MFI特徴ベクトルを用いて構築された1つの予測ベクトルとについての誤差の数に対するスコアが示されている。各ヒストグラムについて、平均スコア値および最大スコア値が示されている。スコア値に対応するスケールが左側に示されている。下部における表は、平均スコア値と、予測誤差の平均数(mE、ME、およびVME)とを示す。株の総数(総数)、高感受性株の総数(総数S)、および耐性株の総数(総数R)も示されている)。
【0073】
最良のクオンタイルベースのモデル(q=0.95)は、より低いスコアと、3つのタイプの予測誤差のうちのより少ないものとのカテゴリ一致のより高いパーセンテージとを有するMFIベースのモデルよりも著しく優れていた(
図8、表)。クオンタイルデータを用いて構築された4つの予測モデルのスコア値はまた、
図7に示す小さい蛍光集団と相関され得る双曲線状の曲線として表され得る(プロファイルB)。これは、表現型間を識別することにおけるこの小さい集団の高い可能性を裏付ける。我々の結果は、q=0.9とq=0.95との間、またはq=0.95とq=0.99との間のより詳細な調査が、よりよい性能を有する予測モデルを構築するのに役立つ可能性があることも示唆する。
【0074】
B.実験2:詳細なFCM分析、および予測モデルの選択
B.i.識別戦略の性能評価
この実験では、我々は、セフタジジムに対する広い範囲の予測モデルの評価を行った。
− 128の腸内細菌株(
図9:セフタジジムに対するそれらのMICに従った株のパネルの分布)が、
図3に記載のFCMプロトコルを使用して4つの異なる濃度のセフタジジム(1、2、4、および8mg/L)を用いて処理されるか、または処理されなかった。
− 上記で説明したように特徴ベクトルを生成するために、FCMデータが使用された。
− 各戦略(BPS、GS、およびGSM)について、生成された特徴ベクトルに基づいて7タイプの予測モデルが構築された(
図10:生成された予測モデルの数。「FL1」は、蛍光を意味する)。
− すべてのモデルの性能は、上記で説明したように交差検証に続いて評価された。
【0075】
図10に示すように、合計111の予測モデルを作る各識別戦略について、37の予測モデルが生成された。7タイプの予測モデルの各々において最も低いスコアを示す予測モデルが考慮され、それによって、21のモデルの凝縮された選択を導いた。GS戦略およびGMS戦略は、生成された7タイプの予測モデルのすべてについて、BPS戦略よりも優れた識別性能(より低い誤差スコア)を示した(
図11:セフタジジムに対する識別戦略の比較。各グラフは、生成された7タイプの予測モデルの各々について得られた最も低いスコアを表す。3つの戦略(BPS、GS、およびGSM)が比較されている)。
− GS戦略は、4タイプの予測モデル(1D FL1 QT、1D SSCビニング、2D FSC−SSCビニング、および3D FSC−SSC−FL1ビニング)について最も低いスコアを示した。
− GSM戦略は、3タイプの予測モデル(1D FL1 MFI、1D FL1ビニング、および1D FCSビニング)について最も低いスコアを示した。
【0076】
B.ii.セフタジジムに対する最良の予測モデルの選択
21の予測モデルの凝縮された選択は、それらの誤差スコアに従って分類された(
図12:セフタジジムに対する予測モデルの分類。BP=BPS。G=GS。GMC=GMS)。我々の分類によれば、セフタジジムに対する最良の予測モデルは、GS戦略を用いて構築された3D FSC−SSC−FL1モデルである。我々は、以下のことを観察する。
− 1D SSCビニング(GS)予測アルゴリズムも比較的良好な性能を示したことに注目することは、興味深い(
図12)。これは、FL1およびFSCパラメータが、選択された3Dモデルアルゴリズムの識別能力にわずかしか寄与しないことを示唆する。したがって、予測モデルの我々の分析方法および分類は、FCM−ASTプロトコル(1D SSCビニング(GS)モデルには生存性マーカーは必要ない)ならびにFCM取得パラメータ(SSCのみ)を大幅に簡略化するのに役立つ可能性がある。一方、我々は、異なる生存性マーカーの使用がさらに優れた予測性能のために3Dモデルの識別能力を大幅に改善することができると仮定することができる。
− クオンタイルデータに対して構築された予測モデルは、劣った性能のものである。これは、セフタジジムで処理された株の大部分が均一な蛍光分布を示すことを示唆する。
【0077】
C.実験3:関連する抗生物質濃度の選択
図12に示すように、セフタジジムに対する最良の予測モデルは、GS戦略を使用して構築された3Dモデルである。このモデルは、4つの濃度のセフタジジム(1、2、4、および8mg/L)を処理する。3Dモデルの識別能力におけるこれらの濃度の関連性を調べるための努力において、我々は、上記で説明したようにGS戦略に基づいて3Dモデルを構築するためにLasso分析ツールを使用した。
【0078】
Lassoツールを使用して得られた3D予測モデルは、SVM分析を用いて得られた3Dモデルのスコアよりもわずかに高い誤差スコアで比較的良好な性能を示した(
図13:3D予測モデル(GS)およびVITEK2の性能比較。混同行列は、参照表現型と、3DモデルおよびbioMerieuxからのVITEK(登録商標)2によって予測された表現型との間の相関性および不一致を示す。下部における表は、平均スコア値と、予測誤差の平均数と(mE、ME、およびVME)を示す。株の総数(総数)、高感受性株の総数(総数S)、および耐性株の総数(総数R)も示されている。Lasso分析におけるセフタジジムの無関係の濃度が示されている。)。
【0079】
我々の株のパネルはまた、我々の市販のVITEK2システムを使用して調査された。比較のため、我々は、他の抗生物質からの結果のより包括的な解釈を通して潜在的な予測誤差を修正するVITE(登録商標)K2 Advanced Expert Systemを使用しなかった。代わりに、VITEK2について示された予測表現型は、セフタジジムについて得られたMIC値からのみ解釈された。全体として、我々の3Dモデルの性能は、VITEK(登録商標)2システムの性能と同等であった(
図13)。これは、我々の予測モデルの高い表現型識別力を裏付ける。
【0080】
以下を観察する。
− Lassoを用いて構築された3Dモデルは、2つの濃度(2mg/Lおよび8mg/L)のみを使用し、これは、我々がセフタジジムのためのFCM−AST用途の開発に使用されるべき濃度の数を減らすことができることを示唆する。
− 我々のBPS戦略では、使用される濃度は、高感受性表現型行列において4mg/L、耐性表現型行列において8mg/Lである。我々のLasso分析では、4mg/Lの濃度は、無関係であり、2mg/Lが優先的に使用される。これは、FCM調査において最も識別力のある濃度が必ずしもブレークポイント濃度ではないことを裏付ける。これは、なぜBP戦略を使用して構築された3Dモデルが3Dモデルの最下位の実施であるかを説明する可能性がある(
図13)。
【0081】
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