(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つの物理的特徴の前記経時的な周期的変調は、前記励起波の偏光の経時的な周期的変調であり、前記目標領域の前記物理パラメータは、前記目標領域内に存在する発光体特に蛍光体の向きに関する情報である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
少なくとも1つの物理的特徴の前記経時的な周期的変調は、前記励起波の振幅の経時的な周期的変調であり、前記目標領域の前記物理パラメータは、前記目標領域内に存在する発光体、特に蛍光体の寿命に関する情報又は位置に関する情報である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、この状況を改善することである。本発明は、特に、限られた個数の光子を特に極めて短い時間内に放出する媒体の場合、例えばいわゆる「単一」発光体、すなわち光学的に区別できるように互いに十分に離間されている、制限された寿命を有する発光体の場合に有利である。具体的には、本発明により、媒体から放出された光子のかなりの部分を収集することができ、従って媒体の物理的特徴の正確な情報を得ることができる。しかし、本発明は、超解像光学顕微鏡法の応用分野に限定されず、他の多くの分野、例えば音響又は高周波の分野にも適用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このため、本発明の第1の主題は、媒体の目標領域の物理パラメータを測定する方法であって、
励起波は、媒体の少なくとも1つの目標領域内に放出され、それにより、前記波は、前記目標領域の位置において、所定の時間周期での少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調を有し、
励起波に応答して放出された帰還波は、前記目標領域から受光され、
前記帰還波は、制御可能な偏向素子によって周期的に偏向波に偏向され、それにより、前記偏向波は、周期的変調の各周期でトランスデューサアレイを走査し、トランスデューサアレイの各トランスデューサは、前記周期的変調の所定の位相範囲に関連付けられ、
トランスデューサアレイの各トランスデューサによって生成された信号を含む位相画像は、偏向波に応答して、周期的変調の少なくとも1つの周期中に記録され、
帰還波の少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調と、励起波の少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調との間の位相ずれは、前記位相画像から決定され、
前記目標領域の物理パラメータは、前記位相ずれから決定される、方法である。
【0013】
本発明の複数の好適な実施形態において、以下の特徴の1つ及び/又は複数を任意選択的に更に利用し得る:
− 波は、電磁波、特に光波であり、
− トランスデューサは、光検知器、特にカメラであり、
− 少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調は、励起波の偏光の経時的な周期的変調であり、前記目標領域の物理パラメータは、前記目標領域内に存在する発光体、特に蛍光体の方位に関する情報であり、
− 少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調は、励起波の振幅の経時的な周期的変調であり、前記目標領域の物理パラメータは、前記目標領域内に存在する発光体、特に蛍光体の寿命に関する情報又は位置に関する情報であり、
− 励起波の放出のために、媒体内で空間的に変調される波は、生成され、及び媒体内で空間的に変調される前記波は、特に一定の所定速度で移動され、
特に、媒体内で空間的に変調される電磁波は、媒体内において2つのレーザービーム間で干渉パターンを生成することによって生成され、
− 前記励起波は、放出され、それにより、前記波は、前記目標領域の位置において、少なくとも1つの物理的特徴の複数の経時的な周期的変調を有し、複数の所定の時間周期は、それぞれ複数の周期的変調の各周期的変調に関連付けられ、
帰還波は、周期的に偏向波に偏向され、それにより、トランスデューサアレイの各トランスデューサは、前記複数の周期的変調の各周期的変調の所定の位相範囲に関連付けられ、
媒体の複数の位相ずれは、決定され、複数の位相ずれの各位相ずれは、帰還波の少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調と、励起波の少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調との間でそれぞれ決定され、
前記目標領域の複数の物理パラメータは、前記複数の位相ずれから決定され、
− 前記目標領域の前記複数の物理パラメータは、少なくとも前記目標領域内に存在する発光体、特に蛍光体の位置、及び/又は方位、及び/又は寿命に関する情報を含む。
【0014】
本発明の別の主題は、媒体の目標領域の物理パラメータを測定するシステムであって、
励起波放出源であって、媒体の少なくとも1つの目標領域に励起波を放出することができ、それにより、前記波は、前記目標領域の位置において、所定の時間周期での少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調を有する、励起波放出源、
トランスデューサアレイ、
制御可能な偏向素子であって、励起波に応答して放出された前記目標領域の帰還波を周期的に偏向波に偏向させることができ、それにより、前記偏向波は、周期的変調の各周期でトランスデューサアレイを走査し、トランスデューサアレイの各トランスデューサは、前記周期的変調の所定の位相範囲に関連付けられる、制御可能な偏向素子、
処理モジュールであって、
周期的変調の少なくとも1周期中、偏向波に応答して、トランスデューサアレイの各トランスデューサによって生成された信号を含む位相画像を記録することができるメモリ、
前記位相画像から、励起波の周期的変調の位相に対する、前記目標領域から出力された帰還波出力の位相ずれを決定し、且つ前記位相ずれから前記目標領域の物理パラメータを決定することができるプロセッサ
を含む処理モジュール
を含むシステムである。
【0015】
本発明の複数の好適な実施形態において、以下の特徴の1つ及び/又は複数を任意選択的に更に利用し得る:
− 制御可能な偏向素子は、回転鏡であり、
− 制御可能な偏向素子は、少なくとも1つの偏光制御素子、特に誘起複
屈折光学素子、特に誘起複
屈折光学素子であって、その複
屈折は、電場、磁場又は機械的応力を介して誘起される、誘起複
屈折光学素子を含む固定システムである。
【0016】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面に関する非限定的な例として与えられるその実施形態の1つの以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
様々な図において、同一又は類似の基準素子に同一の参照符号を用いている。
【0019】
図1に、本発明の一実施形態による、媒体の目標領域の物理パラメータを測定するシステム1を示す。
【0020】
本発明の実施形態によれば、以下の記述で言及する波は、場合により光学、音響又は電磁波である。
【0021】
光学波は、例えば、可視、赤外及び/又は紫外領域に属する波である。
【0022】
電磁波は、例えば、中心周波数が例えば数メガヘルツ〜数テラヘルツの範囲にあるテラヘルツ又は高周波である。
【0023】
音波は、例えば、超音波、例えば中心周波数が場合により200kHz〜100MHzの範囲、及び例えば0.5MHz〜10MHzの範囲にある波であり得る。
【0024】
装置1の全ての素子は、当業者により、対象とする波の種類及び周波数に応じて適合及び選択される。
【0025】
従って、例えば、発光及び受光素子、透過ウインドウ、反射キャビティ及び他の反射素子、散乱媒体及び拡散器、レンズ及び集光素子並びにパルス集光装置1及び集光方法で使用される他の任意の素子は、それぞれ当業者によって選択された波及び/又はパルスの種類及び周波数に適合されている。
【0026】
図1に示すシステム1は、励起波放出源2、トランスデューサアレイ3、制御可能な偏向素子4及び処理モジュール5を含む。
【0027】
処理モジュール5は、例えば、プロセッサ及びメモリを含み、放出源2、トランスデューサアレイ3及び制御可能な偏向素子4を制御することができる。
【0028】
システム1は、例えば、媒体Mの目標領域R内に存在する蛍光体Fの超解像度光学結像を実行することを意図されている。
【0029】
「超解像光学結像」とは、例えば、システム1が、回折限度より高い解像度で目標領域Rの蛍光体Fの位置に関する情報を決定できることを意味する。
【0030】
「目標領域の蛍光体の位置に関する情報」とは、例えば、少なくとも一空間方向における蛍光体の相対位置に関する情報を意味し、例えば、量Δxは、空間方向Xにおける基準位置に対する蛍光体の相対位置を示す。
【0031】
励起波放出源2は、目標領域R内に励起波を放出することができる。
【0032】
放出源2は、特に前記波を放出することができ、それにより、前記波は、目標領域Rの位置において、所定の時間周期での少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調を有する。
【0033】
本発明の一実施形態において、波、特に励起波は、従って、電磁波、特に光波である。励起波は、例えば、少なくとも1つのレーザーから出力されたコヒーレント波である。
【0034】
目標領域Rの次元は、可変であり得る。本発明の一実施形態において、目標領域Rは、例えば、1つの蛍光体の次元に近い次元を有し得る。本発明の他の実施形態において、目標領域Rは、より大きい場をカバーすることができる。
【0035】
「前記波は、目標領域の位置において、少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調を有する」とは、目標領域Rの各点Pにおいて、励起波の前記物理的特徴が時間経過に伴って周期的に変調されることを意味する。目標領域Rの各点Pにおける励起波の物理的特徴の変調は、例えば、励起波も空間周期性を有するように同相であるか又は位相がずれていることができる。
【0036】
従って、本発明の一実施形態において、励起波の放出のために、放出源2は、例えば、媒体内で空間的に変調される波を生成し、且つ媒体内で空間的に変調される前記波を所定速度、例えば一定の所定速度で移動させることができる。
【0037】
次いで、運動速度及び空間的に変調された電磁波の空間周期から所定の時間周期を決定することができる。
【0038】
本実施形態の一例において、放出源2は、例えば、媒体内で2つのレーザービーム間の干渉パターンを生成することにより、媒体内で空間的に変調される電磁波を生成することができる。
【0039】
本例示的実施形態において、少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調は、従って、励起波の振幅の経時的な周期的変調である。
【0040】
別の実施形態において、少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調は、励起波の偏光の経時的な周期的変調であり得る。このため、放出源2は、例えば、前記所定の時間周期に対応する回転周波数でピボット回転する回転可能な偏光子を含み得る。
【0041】
従って、放出源2は、例えば、1つ以上のレーザーと、適宜、励起波の形成を可能にし、且つ励起の周期的変調の制御を可能にする制御可能な光学部品及び/又はアクチュエータとを含み得る。光学部品は、特に、2つのレーザービームから干渉パターンを生成する手段、特にレンズ及び/又は鏡等を含み得る。アクチュエータは、特に、そのような干渉パターンを所定速度で媒体内において移動させる手段、例えば並進的及び/若しくは回転的にモーター駆動されるレンズ及び/若しくは鏡、又は変形可能な鏡等を含み得る。
【0042】
トランスデューサアレイ3は、例えば、アレイ軸に沿って又はアレイの方向に整列配置された複数のトランスデューサ6を含む。
【0043】
変形実施形態において、トランスデューサアレイ3は、トランスデューサ6の2次元のマトリクスアレイ列であり得る。
【0044】
波が光波である実施形態において、トランスデューサ6は、例えば、光検知器であり得る。トランスデューサアレイ3は、例えば、カメラ、特にCCD又はCMOSカメラの形態であり得る。
【0045】
更に、システム1は、励起波に応答して放出された目標領域Rの帰還波を周期的に偏向波に
偏向させることができる制御可能な偏向素子4を含む。
【0046】
図1に示す第1実施形態において、制御可能な偏向素子4は、例えば、回転鏡である。ガルボミラーは、回転鏡の一例である。
【0047】
図3に示す1つの変形実施形態において、制御可能な偏向素子4は、固定システム7である。
【0048】
「制御可能な偏向素子は、固定システムである」とは、制御可能な偏向素子が可動部分を含まないことを意味する。
【0049】
このように、回転鏡の場合よりも高い周波数、例えば数MHz程度に達する周期的偏向周波数で帰還波を周期的に偏向させることができる。
【0050】
図3に示す例示的実施形態において、固定システム7は、偏光度合に応じてビームを分割する偏光制御素子8及び素子群9を含む。
【0051】
偏光制御素子8は、誘起複
屈折光学素子である。このような要素において、複
屈折は、外的作用を介して制御され得る。
【0052】
偏光制御素子8は、複
屈折が電場を介して誘起されるカー又はポッケルスセル等の誘起複
屈折素子、複
屈折がファラデー効果、コットンムートン効果又は磁気光学カー効果を用いて磁場を介して誘起される光磁気モジュレータ等の誘起複
屈折素子、又は複
屈折が例えば光弾性結晶を用いて機械的応力を介して誘起される誘起複
屈折素子であり得る。
【0053】
偏光に応じてビームを分割する2つのビームスプリッタキューブを含む素子9の例を
図3に示す。これらのキューブにより、帰還波を最小の光子損失で複数の偏光ビームに分割することができる。
【0054】
従って、偏光制御素子8によって印加された偏光の変調により、結果的に生じたビームをトランスデューサ6上へ偏向させ得ることが理解されるであろう。
【0055】
一般に、本発明による方法及びシステムの1つの利点は、目標領域Rの帰還波の光子のほぼ全部をトランスデューサによって収集できることである。
【0056】
このように、寿命が極めて限られた目標領域R内で1つの蛍光体を観察することができる。
【0057】
上で詳述した制御可能な偏向素子4の各種の実施形態により、帰還波を周期的に偏向波に偏向させる間の光子の損失を最小限にすることができる。
【0058】
ここで、本発明の一実施形態による、目標領域の物理パラメータを測定する方法を示す
図2も参照しながらシステム1の動作を以下により詳細に説明する。
【0059】
本発明による方法の第1のステップにおいて、励起波は、上述のように媒体の少なくとも1つの目標領域内に放出され、それにより、前記波は、前記目標領域の位置において、所定の時間周期での少なくとも1つの物理的特徴の経時的な周期的変調を有する。
【0060】
励起波に応答して前記目標領域Rが帰還波を放出する。
【0061】
有利には、帰還波も、同一の所定時間周期での少なくとも1つの物理的特徴の周期的変調を有する。しかし、帰還波の周期的変調は、以下に詳述するように、励起波の周期的変調に対して位相がずれている場合がある。
【0062】
例えば、目標領域が蛍光体を含み、周期的に変調された励起波の物理的特徴が励起波の偏光である実施形態を考える。蛍光体が静止双極発光体として挙動する場合、強度が受光励起波の偏光及び蛍光体の方位に依存する帰還波を放出する。
【0063】
帰還波は、従って、所定の時間周期での自らの強度の経時的な周期的変調を有する。この周期的変調は、更に、蛍光体の方位に依存する入射波の偏光の変調に対して位相がずれている。
【0064】
本実施形態において、帰還波の周期的変調と励起波の周期的変調との間の位相ずれが測定可能である場合、目標領域R、すなわち蛍光体内に存在する発光体の方位に関する情報を決定することができる。
【0065】
ここで、目標領域が蛍光体も含むが、周期的に変調された励起波の物理的特徴が励起波の強度である別の実施形態を考える。
【0066】
より具体的には、励起波が、媒体内において所定速度、例えば一定の速度で移動する空間的に変調された波である実施形態を考える。
【0067】
目標領域R内での蛍光体Fの位置の励起波の強度が周期的に変調されるため、蛍光体Fは、同じく強度が経時的に変調される帰還波を放出する。励起波は、空間的に更に変調され、帰還波の周期的変調と励起波の周期的変調との間の位相ずれは、励起波の空間周期性を法とする目標領域R内での蛍光体Fの位置に依存する。
【0068】
従って、本実施形態において、帰還波の周期的変調と励起波の周期的変調との間の位相ずれが測定可能である場合、目標領域R、すなわち蛍光体内に存在する発光体の位置に関する情報を決定することができる。
【0069】
本発明による方法は、従って、前記位相ずれを高い精度で決定することができるステップを含む。
【0070】
このため、制御可能な偏向素子4は、目標領域Rの帰還波を周期的に偏向させて偏向波を形成する。
【0071】
この周期的な偏向は、前記偏向波が、周期的変調の各周期、すなわち放出源2によって励起波に適用される所定の時間周期でトランスデューサアレイ3を走査するように行われる。
【0072】
トランスデューサアレイ3の各トランスデューサ6は、従って、励起波の周期的変調の所定の位相範囲に関連付けられる。
【0073】
非限定的な例として、互いに並置され、且つ周期的変調の各周期で偏向波によって走査される4つのトランスデューサ6のアレイを考える。従って、第1のトランスデューサは、例えば、周期的変調の0度〜90度の位相範囲に関連付けられ、第2のトランスデューサは、例えば、周期的変調の90度〜180度の位相範囲に関連付けられ、第3のトランスデューサは、例えば、周期的変調の180度〜270度の位相範囲に関連付けられ、第4のトランスデューサは、例えば、周期的変調の270度〜360度の位相範囲に関連付けられる。4つのトランスデューサは、周期的変調の1つの周期の全てをカバーする。
【0074】
特に、偏向波は、周期的変調の各周期でトランスデューサアレイ3を全体的に走査するか、又は特に以下に詳述するようにアレイ3のサブセットのみ走査することができる。
【0075】
従って、周期的変調の少なくとも1つの周期中、偏向波に応答してトランスデューサアレイの各トランスデューサによって生成された信号を含む位相画像を記録することができる。前記位相画像は、特に処理モジュール5のメモリに記録され得る。
【0076】
有利には、前記位相画像は、特に所定の周期がトランスデューサの積分時間よりも短い場合、周期的変調の複数の周期中に記録され得る。
【0077】
一実施形態において、トランスデューサの積分時間は、例えば、50ミリ秒である。所定の変調周期は、例えば、5ミリ秒よりも短いことができる。従って、位相画像は、励起波の少なくとも約10変調周期に対応する取得期間で記録され得る。
【0078】
従って、本発明の一実施形態において、トランスデューサの積分時間は、所定の時間周期よりも長く、特に所定の時間周期の5倍よりも長く、好適には所定の時間周期の10倍よりも長い。
【0079】
トランスデューサアレイ3の各トランスデューサ6は、励起波の周期的変調の所定の1つの位相範囲に関連付けられるため、従って、帰還波の周期的変調と励起波の周期的変調との間の位相ずれを位相画像から決定することができる。
【0080】
一例を挙げると、アレイ3が、互いに並置され、且つ周期的変調の0〜90度、90〜180度、180〜270度及び270〜360度の位相範囲にそれぞれ関連付けられた4つのトランスデューサ6を含む上述の非限定的な例を再び考えることができる。
【0081】
また、一例として、4つのトランスデューサで測定された最大の信号が第1のトランスデューサ、すなわち励起波の変調の0〜90度の位相範囲に関連付けられたトランスデューサによって出力されることを考える。更に、励起波の変調の0〜90度の位相範囲が前記変調の最小値に対応する場合、帰還波の変調が励起波の変調と反転しており、すなわち、各トランスデューサ6に関連付けられた位相範囲の幅に依存する誤差範囲で帰還波の周期的変調と、励起波の周期的変調との間の位相ずれが180度であると判定することができる。
【0082】
4つのトランスデューサ6について示す上の例は、任意の個数のトランスデューサに極めて明らかに一般化でき、各トランスデューサに関連付けられた位相範囲が狭いほど、位相ずれの測定精度が高いが、各トランスデューサが受光する帰還波の部分(例えば、光子の個数)が少なくなる。従って、トランスデューサから出力される信号の信号対雑音比と、位相ずれの判定精度との間に最適値が存在する。
【0083】
しかし、本発明の利点の1つは、媒体が出力する帰還波の全て(偏向素子による偏向に関する損失を除いて)の測定が保証されることである。従って、光波の場合、媒体から出力される光子のほぼ全て(回転鏡による反射によって損失が生じる)がトランスデューサアレイによって受光される。これにより、自壊する前に少数の光子を放出する蛍光体への適用に際して極めて弱い信号の測定が保証される。
【0084】
最後に、本方法の最後のステップにおいて、従って、上で詳述したように前記位相ずれから目標領域Rの物理パラメータを決定することができる。
【0085】
従って、例えば周期的に変調された励起波の物理的特徴が励起波の偏光である実施形態において、目標領域R内に存在する発光体の方位に関する情報が上で詳述したように決定される。
【0086】
従ってまた、周期的に変調された励起波の物理的特徴が励起波の強度であり、励起波が、媒体内において所定速度で移動する空間的に変調された波である実施形態において、目標領域R内に存在する発光体の位置に関する情報が上で詳述したように決定される。
【0087】
1つの変形実施形態において、励起波は、放出され、それにより、前記波は、前記目標領域の位置において、少なくとも1つの物理的特徴の複数の経時的な周期的変調を有し、複数の所定の時間周期は、それぞれ前記複数の周期的変調の各周期的変調に関連付けられる。
【0088】
従って、本実施形態において、有利には、帰還波を周期的に偏向波に偏向させることができ、それにより、トランスデューサアレイの各トランスデューサは、前記複数の周期的変調の各周期的変調の所定の位相範囲に関連付けられる。
【0089】
再び、各周期的変調の少なくとも1つの周期にわたって持続する期間にわたり、偏向波に応答してトランスデューサアレイの各トランスデューサによって生成された信号を含む位相画像を記録することができる。
【0090】
次いで、媒体の複数の位相ずれが決定され、複数の周期的変調の各周期的変調の位相に対する複数の位相ずれの各位相ずれがそれぞれ決定される。
【0091】
最後に、前記目標領域の複数の物理パラメータが前記複数の位相変動から上述の方法と同様に決定される。
【0092】
このように、例えば、複数の空間方向、例えばX、Y、Z方向の発光体の位置に関する情報を同時に、又は実際に前記発光体の位置に関する情報及び方位に関する情報をここでもまた同時に決定することができる。
【0093】
最後に、複数の蛍光体Fを含む観察視野の観察に超解像度光学顕微鏡法を用いる本発明の一実施形態を考える。
【0094】
本実施形態において、有利には、蛍光体の超解像度局在性を通常の解像度の局在性と組み合わせることにより、ここで後述するように蛍光体の絶対位置に関する情報を取得することができる。
【0095】
このため、本発明の方法は、最初に、励起波によって同時に励起された蛍光体が観察視野内で所定の最短距離だけ互いに離間されるように実行することができる。
【0096】
この実現を可能にする一実施形態は、密度が十分に低い蛍光体を含む媒体を提供することを含み得る。
【0097】
別の実施形態において、励起波は、例えば、確率的効果を介して、目標領域R内に存在する蛍光体の一部のみを励起するように生成することができる。
【0098】
同時に励起された蛍光体が観察視野内で互いに離間されて得られることを可能にする方法、例えば上述のPALM及びSTORM法が公知である。
【0099】
更に、トランスデューサアレイ3は、所定の長さ及び所定の幅にわたって延在するトランスデューサ6の2次元マトリクスアレイであり得る。
【0100】
「長さ」及び「幅」とは、互いに垂直な縦軸X及び横軸Yに沿ったマトリクスアレイの次元を意味する。
【0101】
制御可能な偏向素子は、周期的変調の各周期で横軸Yに沿ってトランスデューサアレイを走査するように制御され得る。
【0102】
特に、偏向波は、各走査において、トランスデューサアレイの幅よりも狭い、特にトランスデューサアレイの幅の5分の1よりも狭い走査距離だけトランスデューサアレイの上を移動することができる。
【0103】
前記走査距離は、特に、観察視野で同時に励起された蛍光体を分離する所定の最短距離よりも短いことができる。
【0104】
このように、トランスデューサアレイ上の各蛍光体によって形成された焦点が互いに離れ得る。
【0105】
従って、トランスデューサアレイ上の各蛍光体によって形成された焦点の一般位置から、通常の解像度の位置情報を決定することができる。
【0106】
更に、上述のように位相差を決定することにより、励起波の空間周期性を法とする超解像度位置情報を決定することができる。
【0107】
通常の解像度の位置情報と超解像位置情報とを組み合わせることにより、観察視野内の蛍光体の絶対位置に関する情報を回折限度よりも高い精度で得ることができる。
【0108】
上で詳述した実施形態により、蛍光体の横方向における絶対位置に関する情報を得ることができる。
【0109】
本実施形態は、上で詳述したように、励起波が複数の変調を含む場合に拡張することができる。従って、蛍光体の横方向、縦方向並びに適宜、横及び縦方向に垂直な厚さ方向における絶対位置又は実際に蛍光体の方位に関する情報を得ることができる。
【0110】
一般に、上述の各種の実施形態は、互いに組み合わされ得る。