(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特にこのような交換器がカスケード型で使用されるとき、交換器の設置面積はかなり大きいので、このような交換機は嵩高い。
【0006】
従って、本発明の一目的は、優れた熱効率を有しながら、設置面積の減少を可能にする交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のために、本発明は、実質的に垂直方向に延びるように構成されている管を備えた熱交換器であって、
− 少なくとも1つの液体とミストを含有する第1の蒸気とを含む二相流体のための少なくとも1つの取込入口を有する下側部分、
上側部分、及び
次に前記上側部分に達する前記第1の蒸気が通過して、前記下側部分に向かって戻る液相の形態のミストを回収するのに適した第1の回収部材
を有する第1のチャンバと、
− 前記二相流体より高温の流体が内部を流れる前記管を有する中央チャンバであって、前記第1のチャンバの下側部分に設けられた液体槽から前記液体が供給されて、前記管の外面上を流れて少なくとも部分的に蒸発して第2の蒸気を形成する液膜を形成するのに適した前記中央チャンバと、
− 前記第1のチャンバの上側部分からの前記第1の蒸気及び前記第2の蒸気を覆って第3の蒸気を形成するために設けられた第2のチャンバであって、前記第2の蒸気が通過して前記第2の蒸気に含まれるミストを回収するのに適した第2の回収部材を好ましくは有する前記第2のチャンバであって、蒸発しない液体のための少なくとも1つの出口、及び前記第3の蒸気のための少なくとも1つの出口を有する前記第2のチャンバと
を備えており、
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバは、前記中央チャンバを前記垂直方向に囲む空間を共に形成していることを特徴とする熱交換器に関する。
【0008】
特定の実施形態によれば、熱交換器は、技術的に可能な全ての組み合わせを考慮して以下の特徴の1又は複数を有する。
【0009】
− 水平面の断面で、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバは、円を形成する、好ましくは半円形状の外筐体によって径方向の外側に画定されており、前記第1のチャンバは、円部分、好ましくは半円形を形成する内筐体によって径方向の内側に画定されている。
【0010】
− 前記第1の回収部材は、前記第1のチャンバの前記下側部分及び前記上側部分を分離する実質的に水平な板を形成している、及び/又は、任意の前記第2の回収部材は、水平面の断面に円部分、好ましくは半円形部分を形成し、前記中央チャンバの一部を径方向の外側に画定している。
【0011】
− 前記第1のチャンバは、前記液体槽及び前記中央チャンバの分離に適した密な内筐体によって径方向の内側に画定されており、前記第1のチャンバは、前記液体槽に挿入して前記液体槽を前記中央チャンバの入口に流体連結するのに適した少なくとも1つのチャネルを有している、又は、前記熱交換器は、前記液体槽から前記中央チャンバの入口に向かって液体を上昇させるための圧縮器を備えている。
【0012】
− 前記中央チャンバは、前記液体を前記管間に分配して前記液膜を形成するのに適した一又は複数の実質的に水平な板を有しており、前記板は、前記管が通過する通過オリフィスを画定しており、前記中央チャンバは、好ましくは金属発泡体を含むスリーブを有しており、前記スリーブは、各液膜を均質化するために前記管と一又は複数の前記板との間に径方向に延びている。
【0013】
− 前記中央チャンバは、前記管の少なくとも一部を保持する少なくとも1つの保持格子を有しており、前記熱交換器は、前記保持格子によって分離した液膜を回収するために対応する管に固定されたカップを備えており、各カップは、新たな液膜を形成するために通過オリフィスを画定しており、前記中央チャンバは、好ましくは金属発泡体を含む二次スリーブを有しており、各二次スリーブは、新たな液膜を均質化するために対応する前記管の1つと前記カップの1つとの間に径方向に延びている。
【0014】
− 前記中央チャンバは、前記液体を受けるための液体コレクタと、前記液体コレクタから下方に、好ましくは垂直に延びて、前記液体を内部に受けて前記管に向かって液体噴出物を形成するのに適した追加のホースとを有しており、前記
管は、液体噴出物を回収するのに適したフィンを形成する螺旋状の外部構造体を垂直方向に好ましくは有しており、前記液膜は前記外部構造体上を流れる。
【0015】
本発明は更に、上述したような熱交換器を複数備えた組立体であって、前記熱交換器は垂直方向に重ね合わされており、前記組立体は、前記熱交換器を互いに連結するためにカスケード型チャネルのシステムを好ましくは備えていることを特徴とする組立体に関する。
【0016】
1つの特定の実施形態によれば、前記熱交換器は、前記熱交換器が重ね合わされると、前記熱交換器の固定された相対位置を互いに対して定めるのに適した外筐体を有するように、前記組立体は構成されている。
【0017】
本発明は最後に、実質的に垂直方向に延びている管を用いた熱交換方法であって、
− 前記管を有する中央チャンバと、前記中央チャンバを前記垂直方向に囲む空間を共に形成する第1のチャンバ及び第2のチャンバとを準備する工程、
− 少なくとも1つの液体とミストを含有する第1の蒸気とを含む二相流体を、前記第1のチャンバの下側部分に流す工程、
− 前記ミストに第1の回収部材を横切らせて、前記ミストを次に前記第1のチャンバの上側部分に到達させ、前記下側部分に向かって戻る液相の形態のミストを回収する工程、
− 前記第1のチャンバの下側部分に設けられた液体槽から前記中央チャンバに前記液体を供給する工程、
− 前記二相流体より高温の流体が内部を流れる前記管の外面上を流れて少なくとも部分的に蒸発して第2の蒸気を形成する液膜を形成する工程、
− 前記第1のチャンバの上側部分からの前記第1の蒸気及び前記第2の蒸気を前記第2のチャンバに受けて、第3の蒸気を形成する工程、
− 蒸発しない液体を前記第2のチャンバの少なくとも1つの出口を介して除去し、第3の蒸気を前記第2のチャンバの少なくとも1つの出口を介して除去する工程、及び
− 任意には、前記第2のチャンバに設けられた第2の回収部材を前記第2の蒸気に横切らせて、前記第2の蒸気に含まれるミストを回収する工程
を有することを特徴とする熱交換方法に関する。
【0018】
本発明は、添付図面を参照して、単に一例とする以下の記述によって更に明瞭に理解される。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る組立体1 を説明する。
【0021】
組立体1 は、垂直方向V に重ね合わされた3つの熱交換器5A, 5B, 5C、及び有利にはチャネルのチャネルシステム10を備えている。
【0022】
不図示の代替例によれば、組立体1 は2つの交換器のみ、又は4以上の重ね合わされた交換器を備えている。
【0023】
これらの熱交換器5A, 5B, 5Cの各々は、少なくとも1つの液体及び第1の蒸気を含む二相流体のための取込入口12と、蒸気のための出口14と、蒸発しない液体のための出口16とを有している。
【0024】
組立体1 は、二相流体より高温の流体を組立体1 内に流すための入口18と、前記流体のための出口20とを更に備えている。
【0025】
チャネルシステム10は、熱交換器5Aの出口16を熱交換器5Bの取込入口12に流体連結し、熱交換器5Bの出口16を熱交換器5Cの取込入口12に流体連結する。
【0026】
図示された例では、入口18が組立体1 の最上部に設けられている一方、出口20が組立体1 の底部に設けられている。
【0027】
各熱交換器5A, 5B, 5Cは外筐体22を有しており、外筐体22は、熱交換器5A, 5B, 5Cが重ね合わされると、熱交換器5A, 5B, 5Cの固定された相対位置を互いに対して定めるのに適した相補的な形状を有している。
【0028】
例えば、外筐体22は、各熱交換器5A, 5B, 5Cの下部に容器24を画定しており、熱交換器5A, 5Bの容器は、熱交換器5B, 5Cの外筐体22によって形成されたレセプタクル26内に夫々垂直方向V に受け入れられている。
【0029】
チャネルシステム10による連結を容易にするために、熱交換器5Bの取込入口12は、熱交換器5A, 5Cの取込入口12に対向して垂直方向V に対して径方向に設けられている。同様に、熱交換器5Bの出口14は、熱交換器5A, 5Cの出口14に対向して設けられている。
【0030】
熱交換器5A, 5B, 5Cは更に、実質的に構造上は互いに同様であり、熱交換器5Aのみを、
図2及び
図3を参照して以下に詳細に説明する。
【0032】
最高温度の流体は、例えば混合冷媒又は供給ガスである。
【0033】
図2及び
図3に示されているように、熱交換器5Aは、取込入口12を介して二相流体を受けて容器24の一部に液体槽27を形成する第1のチャンバ25と、複数の実質的に垂直な管32を有し、液体槽27から供給されて液体を少なくとも部分的に蒸発させるのに適した中央チャンバ30と、第1のチャンバ25及び中央チャンバ30からの蒸気を受けるために設けられた第2のチャンバ35とを備えており、第1のチャンバ25及び第2のチャンバ35は、中央チャンバ30を垂直方向V に囲む空間40を共に形成している。
【0034】
第1のチャンバ25は第1の回収部材42を有しており、第1の回収部材42は、第1のチャンバ25を、取込入口12及び液体槽27を含む下側部分44と、自動調節オリフィス48を介して第2のチャンバ35と流体連通する上側部分46とに分離する。
【0035】
第1のチャンバ25は、液体槽27に挿入して液体槽27を中央チャンバ30の入口52に流体連結するのに適したチャネル50を更に有している。
【0036】
第1のチャンバ25は、実質的に水平な面P の断面に半環形状を有している。第1のチャンバ25は、有利には面P の断面で半円形であって垂直な内筐体54によって径方向の内側に画定されている。第1のチャンバ25は、有利には面P の断面で半円形であって、有利には熱交換器5Aの外筐体22に属している外筐体56によって径方向の外側に画定されている。
【0037】
第1の回収部材42は、内筐体54から外筐体56に径方向に延びて、有利には実質的に水平な板を形成している。第1の回収部材42は、第1のチャンバ25及び第2のチャンバ35を分離する2つの隔壁58間に垂直方向V に角度をなして延びている。
【0038】
隔壁58は、有利には垂直面P'に延びて自動調節オリフィス48を有している。
【0039】
チャネル50は、例えば垂直に延びて、有利には内筐体54に接して設けられている。
【0040】
第1の回収部材42は、下側部分44からのミストを含む第1の蒸気の通過、及び下側部分への液相の戻りに適している。第1の回収部材42は、当業者に公知の材料であって、例えば米国特許第3997303 号明細書及び米国特許第7105036 号明細書に記載されている材料を含んでいる。このような材料は、ミストの液滴の合体及び下側部分44への重力による液滴の戻りを可能にする螺旋状の経路を画定している。
【0041】
図示されていない代替例によれば、第1のチャンバ25は半円形ではないが、180 °未満又は180 °を超える角度で垂直方向V に角度をなして延びている。
【0042】
図示されていない他の代替例によれば、第1のチャンバ25は、円形の筐体(円部分)によって径方向に画定されておらず、非円形状である。
【0043】
中央チャンバ30は、図示された例では面P の断面に円形の一般的な形状を有している。管32が中央チャンバ30全体を貫通している。中央チャンバ30は有利には、液体を管32間に分配するのに適した複数の実質的に水平な板60を有している。
【0044】
中央チャンバ30は有利には、管32を保持するための保持格子62と、最も高い板60上で溢れる液体を中央チャンバ30及び第2のチャンバ35の底部に設けられ得る液体槽66に向かって放出するのに適したチャネル64と、板60の1つで溢れる液体を真下に設けられた板に向かって流すのに適した中間溢流チャネル68とを更に有している。
【0045】
板60は、有利には垂直方向V に規則的に間隔を空けて設けられている。
【0046】
図示された例では、熱交換器5Aに4つの板60が設けられており、熱交換器5B, 5Cに3つの板60が設けられている。
【0047】
図示されていない代替例によれば、1つの板、2つの板、3つの板又は5つ以上の板が設けられてもよい。
【0048】
最も高い板60は中央チャンバ30に液体コレクタ70を画定しており、液体コレクタ70は、チャネル50によって液体槽27に流体連結されており、中間溢流チャネル68によって液体槽66に流体連結されている。
【0049】
中央チャンバ30は、一方では第1のチャンバ25の内筐体54によって径方向の外側に画定され、他方では、有利には半円筒形状を有し、例えば垂直に配置された第2の回収部材69によって径方向の外側に画定されている。
【0050】
図4に示されているように、各板60は、管32が貫通する通過オリフィス72を画定している。
【0051】
金属発泡体を含むスリーブ74が有利には、通過オリフィス72内の管32の周りに配置されている。
【0052】
スリーブ74は、管32の外面76から通過オリフィス72の縁部78に径方向に延びている。
【0053】
例えば、各スリーブ74は、板60の1つの上面80から垂直に延びて、有利には前記板60から下方に突出している。
【0054】
金属発泡体は、例えばERG Aerospace Corporationという会社によって販売されているDuocel(登録商標)のようなアルミニウム発泡体である。
【0055】
保持格子62(
図2)は、例えば実質的に水平に配置されている。保持格子62は、有利には規則的に垂直に間隔を空けて設けられている。各保持格子62は例えば、最も低い板60及び外筐体22から等間隔に設けられた最も低い保持格子62を除いて、板60の2つから実質的に等間隔に設けられている。
【0056】
図4に示されているように、保持格子62は管32の少なくとも一部と接する。
【0057】
カップ82が、保持格子62と管32との接触領域より下で管32に固定されていることが有利である。カップ82は、管32の1つから径方向に離れる液体を回収することができるように上方に開いており、管32及び液体のための通過オリフィス84を画定している。
【0058】
金属発泡体を含む二次スリーブ86が、通過オリフィス84の真下の管32の周りに配置されていることが有利である。追加の二次スリーブ86は、例えばスリーブ74と同一の材料から形成されている。
【0059】
第2のチャンバ35は、例えば第2の回収部材69によって径方向の内側に画定されており、有利には面P で実質的に半円形の外筐体88によって径方向の外側に画定されている。
【0060】
外筐体56及び外筐体88は、外筐体56及び外筐体88の高さの少なくとも一部に亘って垂直円筒体を共に形成している。
【0061】
出口14は、有利には第2のチャンバ35に規則的に垂直に分配されている。
【0062】
出口16は、液体槽66に垂直に設けられている。
【0064】
熱交換器5A, 5B, 5Cの各々は、熱交換器5Aが高圧で、例えば3絶対バール〜5絶対バールで作動する一方、熱交換器5Bが中圧で、例えば2絶対バール〜3絶対バールで作動し、熱交換器5Cが低圧で、例えば1絶対バール〜2絶対バールで作動することを除いて同様に作動する。
【0065】
従って、熱交換器5Aの動作のみを以下に詳細に説明する。
【0066】
図2に示されているように、二相流体(矢印F1)は、取込入口12を通って熱交換器5Aの第1のチャンバ25の下側部分44内に流れる。第1の分離が液体と第1の蒸気との間で生じる。液体(矢印F2)は、容器24内に形成された液体槽27に落下する。第1の蒸気(矢印F3)は圧力の影響下で上昇し、第1の回収部材42を通過する。
【0067】
第1の回収部材42は、第1の蒸気に含まれるミストを回収し、ミストを液状で液体槽27に向かって戻す(矢印F4)。
図2では、ミストの回収が、必ずしもチャネルを通して行われる必要がなく下側部分44に雨のように落ちることができる液滴の形態で行われるので、矢印F4は象徴的である。
【0068】
第1の回収部材42は、有利には第1の蒸気に含まれるミストの約99.5重量%を回収する。
【0069】
ミストから除去された第1の蒸気は上側部分46を通る(矢印F6)。その後、第1の蒸気は、有利には中央チャンバ30の両側で自動調節オリフィス48を通って隔壁58を横切る(
図3、矢印F7)。その後、第1の蒸気は第2のチャンバ35に流れて、出口14を通って出る(矢印F8)。
【0070】
図2に示されているように、液体槽27は、熱交換器5Aに入る二相流体の圧力を液体槽27の表面で受けて、チャネル50内を上昇し(矢印F9)、中央チャンバ30の最上部に設けられた液体コレクタ70に達する。
【0071】
より高温の流体が入口18を通って熱交換器5A内に導入され、熱交換器5Aの最上部から底部まで管32内を垂直に流れる(矢印F10 )。より高温の流体は次に熱交換器5Bに入り、熱交換器5Bの管32を流れ、その後、熱交換器5Cに入る。より高温の流体は出口20を通って組立体1 を出る(
図1)。
【0072】
液体コレクタ70内の最も高い板60の上側に液体の液体槽90が形成されている(
図4)。液体槽90の液体は、溢れる場合、任意に中間溢流チャネル68の1つを流れて、真下に設けられた板60上に直接流れる。液体槽90の液体は、より著しく溢れる場合、チャネル64を流れて、中央チャンバ30及び第2のチャンバ35の下方に設けられた液体槽66に達する。
【0073】
液体槽66の液体が、出口16を通って熱交換器5Aの外側に流れる(
図2)。
【0074】
図4に示されているように、液体槽90の液体は各管32の周りに分散し、通過オリフィス72を流れる。液体はスリーブ74を通過し、スリーブ74は各管32の外面76上に均質な液膜92を生成する。液膜92は、加熱されながら垂直に流れ(矢印F11 )、管32の内部は、より高温の流体によって加熱される。液膜92は、少なくとも部分的に蒸発し(矢印F12 )、中央チャンバ30内で第2の蒸気を生じさせる。
【0075】
液膜92が任意に保持格子62の1つを通過する(矢印F13 )と、液膜は分離する。カップ82は、液体が保持格子62によって管32から径方向に離れた場合などに液体を回収する。回収された液体は、カップ82の一又は複数の通過オリフィス84を流れて、追加の二次スリーブ86を通過し(矢印F14 )、管32に沿って流れる均質な液膜94を再度形成する。従って、蒸発しない液体は次の板60に流れる。
【0076】
各板60の動作は同様であり、蒸発しない液体は最後には中央チャンバ30の底部の液体槽66に流れて、第2のチャンバ35を通過して出口16を通って出る(
図2)。
【0077】
圧力の影響で中央チャンバ30に生じた第2の蒸気は第2の回収部材69を通過する(矢印F15 )。第2の蒸気に任意に含まれるミストは、液状で回収されて液体槽66に流れる。その後、第2の蒸気自体は第2のチャンバ35に流れて第1の蒸気と混ざり、出口14を通って熱交換器5Aを出る。
【0078】
図1に示されているように、出口16を通って出た液体は、チャネルのチャネルシステム10によって熱交換器5Bの取込入口12に送られて、熱交換器5Bは、熱交換器5Aでの二相流体と同一の工程を、平均圧力であるより低い圧力で行って新たな二相流体を形成する。
【0079】
従って、液体は、段階及び熱交換器を通じて管32に亘って徐々に蒸発し、熱交換器5Cの出口14で最後に回収される蒸気を形成する。あらゆる蒸発しない液体部分が、熱交換器5Cの出口16で収集される。
【0080】
最高温度の流体は、熱交換器5A〜熱交換器5Cの管32を通過しながら、徐々に冷却される。流体は、熱交換器5Cの底部の出口20を通って冷えたまま出る。
【0081】
図5及び
図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係る熱交換器100 を説明する。熱交換器100 は、
図1〜4に示されている熱交換器5Aと同様である。同様の要素には同一の参照符号が付されており、再び説明しない。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0082】
図示された例では、熱交換器100 は、同様の熱交換器と垂直に積み重ねられていない。図示されていない代替例によれば、熱交換器100 は、同様の熱交換器と積み重ねられている。
【0083】
熱交換器100 は、液体槽27からの液体を放出するために第2のチャンバ35の側ではなく第1のチャンバ25の側に設けられた出口116 (
図5)を備えている。熱交換器100 は、出口116 からの液体を圧縮して、圧縮した液体を入口52を通して液体コレクタ70に注入するために圧縮器110 を更に備えている。
【0084】
中央チャンバ30は、液体コレクタ70からの液体を内部に受けるために液体コレクタ70から下方に垂直に延びている追加のホース132 を有している。
【0085】
追加のホース132 は、管32に向かって外側に噴出する液体噴出物134 の形成に適している。例えば、追加のホース132 は規則的に垂直に間隔を空けて設けられたオリフィス136 を有している。
【0086】
管32は、有利には液体噴出物134 の回収に適したフィン140 を形成する螺旋状の外部構造体138 を垂直方向V に有している。
【0087】
熱交換器100 の動作は熱交換器5Aの動作と同様である。差異のみを以下に詳細に説明する。
【0088】
液体槽27の液体はチャネル50を通って液体コレクタ70に上昇せず、出口116 を通って出て圧縮器110 によって入口52に注入される。
【0089】
液体コレクタ70内の液体は、板上のオリフィスを使用せず、液体噴出物134 を形成すべく追加のホース132 に流れる。
【0090】
液体噴出物134 は、管32の外部構造体138 (
図6)に当たって外部構造体138 によって回収されて、液膜92を形成する。液膜92は、螺旋状の外部構造体138 上を流れ(矢印F11 )、少なくとも部分的に蒸発し(矢印F12 )、第2の蒸気を中央チャンバ30内に形成する。
【0091】
蒸発しない液体は、液体槽27と連通している液体槽66に流れる。同様に、第2の蒸気に存在し得るミストから第2の回収部材69によって回収される液体は液体槽66に流れて、その後、液体槽27に流れる。
【0092】
任意には圧縮器110 は、二相流体を取込入口12に注入する(矢印F1)ために更に使用される。
【0093】
上述した特徴のために、組立体1 及び熱交換器100 は非常にコンパクトで小さな設置面積を有する。更に、組立体1 及び熱交換器100 は製造し易く、高い熱効率を有する。組立体1 及び熱交換器100 は有利には、標準化され得る一又は複数のモジュールの形態を呈する。
【0094】
第1の回収部材42及び任意の第2の回収部材69は、これらの回収部材無しでは推奨されるか又は必要な製造ラインからある数の設備(例えば、冷却サイクルの圧縮器前のバルーン)を除去することを可能にする。
【0095】
任意の保持格子62は管32を効率的に保持し、有利には振動を回避する。
【0096】
任意のカップ82は、保持格子62による分離の影響を減らすことを可能にする。
【0097】
スリーブ74、及び任意でもある追加の二次スリーブ86は、管32の周りに液膜92, 94を均質に分散させる。