特許第6987894号(P6987894)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987894設置工具、設置工具システム用セット及び設置工具システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987894
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】設置工具、設置工具システム用セット及び設置工具システム
(51)【国際特許分類】
   B25B 13/48 20060101AFI20211220BHJP
   B25B 13/54 20060101ALI20211220BHJP
   B25B 21/00 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   B25B13/48 Z
   B25B13/54 B
   B25B13/54 A
   B25B21/00 H
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-570096(P2019-570096)
(86)(22)【出願日】2018年6月22日
(65)【公表番号】特表2020-524088(P2020-524088A)
(43)【公表日】2020年8月13日
(86)【国際出願番号】EP2018066760
(87)【国際公開番号】WO2019007708
(87)【国際公開日】20190110
【審査請求日】2019年12月18日
(31)【優先権主張番号】17179761.6
(32)【優先日】2017年7月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ドンナー, トビアス
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−161285(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0011218(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0259158(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0161038(US,A1)
【文献】 実開昭55−151470(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0135910(US,A1)
【文献】 実開平02−039874(JP,U)
【文献】 特開2012−115948(JP,A)
【文献】 特開2004−034177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 13/00 − 13/54
B25B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセルアンカー(58)を設置する設置工具システム(56)用の設置工具(10)であって、
シャフト(12)と、シャフト(12)の一端に配置され、カプセルアンカーの駆動ヘッド(62)を保持する凹部(18)を有する頭部(14)と、を備え、
前記凹部(18)の底面の形状は、本質的に、互いに重ね合わされ、共通の平面上で互いにオフセットして配置される2つの六角形(26、28)によって形成され、
前記六角形(26、28)は、大きさの異なる円周半径を有し、
前記凹部(18)の底部(30)に円周面取り部(36)が配置される、設置工具(10)。
【請求項2】
重ね合わされた前記2つの六角形(26、28)の中心点(32、34)は、一方が他方の直上にある、請求項1に記載の設置工具(10)。
【請求項3】
前記六角形(26、28)は、5°から15°の間の角度だけ相対的に回転して配置される、請求項1又は2に記載の設置工具(10)。
【請求項4】
前記六角形(26、28)は、それぞれが等辺になるように構成される、請求項1から3までのいずれか1項に記載の設置工具(10)。
【請求項5】
前記六角形(26、28)は、それぞれが正六角形である、請求項1から4までのいずれか1項に記載の設置工具(10)。
【請求項6】
前記六角形(26,28)は、それぞれ六角形の穴として構成された凹部を形成する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の設置工具(10)。
【請求項7】
前記面取り部(36)は、前記凹部(18)の底部(30)に対して40°から50°の間の角度をなす、請求項1から6までのいずれか1項に記載の設置工具(10)。
【請求項8】
前記カプセルアンカー(58)を設置する前記設置工具システム(56)用のセット(40)であって、駆動機械と連結され得るアダプタ(42)を備え、請求項1からまでのいずれか1項に記載の設置工具(10)を少なくとも1つ備えるセット(40)。
【請求項9】
前記セット(40)は、請求項1からまでのいずれか1項に記載の設置工具(10)を複数有する、請求項に記載のセット(40)。
【請求項10】
前記設置工具(10)の凹部(18)の大きさが異なるように構成される、請求項に記載のセット(40)。
【請求項11】
前記アダプタ(42)がSDS挿入端(48)を有する、請求項から10までのいずれか1項に記載のセット(40)。
【請求項12】
前記アダプタ(42)は、前記設置工具(10)を保持する保持部(44)を前記挿入端(48)とは反対側の端部に有する、請求項11に記載のセット(40)。
【請求項13】
請求項1からまでのいずれか1項に記載の設置工具(10)、又は請求項から12までのいずれか1項に記載のセット(40)と、カプセルアンカー(58)及び/又は駆動機械と、を備える設置工具システム(56)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置工具及び設置工具システム用セット、並びにカプセルアンカーを設置するための設置工具システムに関する。
【背景技術】
【0002】
カプセルアンカーは、主にコンクリートで構成された基礎に重い荷重を固定するために使用される化学アンカーである。カプセルアンカーの設置は、まず、洗浄されたボーリング孔にカプセルを挿入する。続いて、カプセルアンカーのアンカーロッドが、アンカーロッドを回転させることによって、ボーリング孔の内部のカプセルに導入され、そこで、カプセルは破壊され、アンカーロッドの回転によって混合される少なくとも2つの成分を放出し、次いで、互いに化学的に反応する。その結果、カプセルアンカーと基礎、特にボーリング孔の周囲、との間に圧入嵌合接続及び形状適合接続が形成される。
【0003】
カプセルアンカーを設置するには、設置工具及び駆動機械、と共にボーリング孔、カプセル、アンカーロッドが必要である。設置工具は、駆動機械の動作をカプセルアンカーに伝達する構成を有する。
【0004】
カプセルアンカーを設置するときに、軸方向の衝撃によって生じる力のような、大きな力がしばしば作用し、それによってカプセルアンカーの頭部形状が塑性的に変形し、カプセルアンカーが設置工具内で楔状になることがある。この場合、混合成分が完全に硬化して初めて、カプセルアンカーから設置工具を取り外すことが可能となる。そうしないと、基礎内でのカプセルアンカーの固定が弱くなる虞がある。この間、設置工具は使用できない。そのため、シリーズ用途の場合、プロセスの大幅な遅延を誘発します。このため、シリーズ用途では複数の設置工具を用意するために、取得コストが高くなる。
【0005】
更に、シリーズ用途の場合には、異なるサイズのアンカーロッドに対して異なる設置工具が必要とされ、これも又、取得コストを増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、設置手順後にカプセルアンカーから迅速に取り外すことができる最適化された設置工具、セット、及び対応する設置工具システムを利用可能にすることである。これにより、対応する設置工具システムにおけるカプセルアンカーの接続の強度を損なうことなく、異なるサイズのカプセルアンカーを迅速に設置することが可能となる。更に、本発明の目的は、打撃ドリル又はコードレスドリル/ドライバとの使用に適した設置工具を柔軟に利用し得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、本発明によれば、シャフトと、シャフトの一端に配置され、カプセルアンカーの駆動ヘッドを保持する凹部を有する頭部と、を備えるカプセルアンカーを設置する設置工具システム(56)用の設置工具によって達成され、凹部の形状は、本質的に、互いに重ね合わされ、互いにオフセットして配置される2つの六角形によって形成される。
【0008】
トルクの伝達は、設置工具の凹部のこのような幾何学的形状によって好影響を受ける。又、簡単に取り付け及び取り外しが可能です。特に、カプセルアンカーの凹部又は駆動ヘッドの外形の塑性変形が防止される、すなわち、流動挙動に影響を及ぼすので、設置工具とカプセルアンカーが互いに楔状にならない。そのため、設置工具は、設置手順後に容易にカプセルアンカーから外すことができる。これは、設置工具を外すときにカプセルアンカーに加わる力が比較的小さいので、設置工具を外すことによって硬化反応が中断されないことが保証される。このことを、高設置性能と称する。高設置性能として、カプセルアンカーを効率的に保持し、設置し、再度取り外すシステムの性能が参照される。これは、硬化反応を中断させるような、より強い若しくは繰り返される設置工具のローリング又はピッチング運動を懸念して取り外すが必要ないので、一旦設置深さに到達すると、すぐに設置工具をカプセルアンカーから再度持ち上げ可能であることを意味する。その結果、特にシリーズ用途の場合には、生産性が明らかに向上する。
【0009】
凹部の形状を本質的に画定する2つの重ね合わされた六角形は、共通の平面上で互いにオフセットして配置される。特に、凹部は、六角形の底面を有する2つの部分凹部によって形成され、これらの部分凹部は、互いに合体して凹部全体を画定し、2つの六角形又は部分凹部の底面は、平面上に位置する。この平面は、特に、設置工具の中心軸に対して垂直である。このようにして、設置工具及びカプセルアンカーを設置している間に、相互に横方向に傾くことが防止される。この相互の傾きは、力の伝達を著しく損ない、楔形の形成につながる虞がある。
【0010】
好ましい実施形態によれば、2つの重ね合わされた六角形の中心点は、一方が他方の直上にある。この構成は、トルクを低摩耗伝達する場合に特に有利であることが証明されている。特に、六角形の中心点は、設置工具の中心軸上に位置し、その結果、凹部は設置工具の頭部の中心に配置され、それにより、カプセルアンカーを設置する際にトルクが偏心して伝達されることが回避される。
【0011】
六角形は、5°〜15°、特に8°〜13°の角度で相対的に回転させることができる。回転軸は、設置工具の中心軸と一致します。好ましくは、六角形は、相互に10°だけ回転して配置される。このような六角形の配置の場合、設置工具の設置性能は特に高い。2つの六角形が互いに相対的に回転して配置されているため、一方の六角形の頂点が他方の六角形の側面を越えて突出している。その結果、設置工具の良好な設置性能に合致した形状の凹部が発生する。
【0012】
更に、2つの六角形の直接隣接する頂点の間の領域は、相対的にオフセット、特に回転、され、凹部の一部となるように切り欠くことも可能である。その結果、凹部の端部形状における鋭い端部又は突起は、これらに対応して平坦化されるので、回避される。
【0013】
既に説明したように、凹部は、各々が六角形の底面を有する2つの部分凹部によって形成され、ここで、2つの部分凹部は、相互にオフセット、特に相対的に回転、され、ここで、それらは、対称の共通軸を有する。2つの六角形の直接隣接する2つの頂点の間に結果として生じるピークは、同様に平坦化され、その結果、それら関連する領域は凹部の一部となる。
【0014】
例えば、各事例において、六角形は等辺形であるように構成される。その結果、設置している間に、対応する六角形の各側壁に作用する力は、ほぼ同じとすることができる。このようにして、カプセルアンカーの駆動ヘッドが不均一な応力を受けることが更に抑制される。その際、駆動ヘッドの塑性変形は効果的に極小化される。
【0015】
好ましくは、六角形は、各事例において規則的である。これは、設置工具の設置性能に好影響を与えます。
【0016】
特に、六角形は、各事例において、六角形穴として構成された凹部を形成する。これにより、設置工具は、カプセルアンカーに合致する六角形の外形と相互に作用することができる。
【0017】
一実施形態によれば、六角形は、異なるサイズの円周半径を有する。六角形は、対応する円によって定義し得る。円周の半径が異なると、例えば、正六角形の場合には、六角形の底面が相応に異なる。ここで、六角形は、異なる大きさの底面を有することができる。その際、より小さな六角形は、トルクをカプセルアンカーに効果的かつ均一に伝達するように、形状適合するカプセルアンカーの駆動ヘッドを保持するように構成し得る。カプセルアンカーが設置工具と係合するときは、より大きな長方形によって、カプセルアンカーの駆動ヘッドと凹部の内壁との間に空隙が生じる。これらの空隙は、カプセルアンカーから設置工具をより容易に取り外すために役立ち得る。そこで、第1の(より小さな)六角形によって形成される凹部の一部分は、特に対応する部分凹部の外形は、トルクの伝達に役立ち、一方、第2の(より大きな)六角形によって形成される凹部の部分は、カプセルアンカーが設置された後、カプセルアンカーから設置工具をより容易に取り外すために役立つ。更に、空隙は、塑性変形により流動した材料を保持する役割を果たすことができ、空隙は、容易な取り外しを保証する。
【0018】
あるいは、2つの六角形は、それぞれが同じ大きさの底面を有するように、同じ円周半径とすることもできる。その際、2つの等しい部分凹部が存在し、それぞれがトルクの伝達及び容易な取り外しに役立つ。その結果、オペレータは、カプセルアンカーを複数の位置、特に2倍の多数の位置で設置工具と結合することができるので、取扱いが単純になる。
【0019】
好ましくは、円周面取り部が凹部の底部に配置される。衝撃の伝達中の設置工具の挙動には、面取りによって好影響がある。カプセルアンカーの駆動ヘッドを設置工具に挿入すると、打撃操作中に頭部が凹部の面取り部にぶつかります。そして、面取りの形状及びタイプは、駆動ヘッドの塑性変形の挙動を画定する。設置工具は、変形を防止するために、より硬い構造を有する。衝撃を伝達するとき、カプセルアンカーの材料は、凹部の底部とカプセルアンカーの駆動ヘッドとの間の空隙に流れ込むことができる。このようにして、カプセルアンカーの駆動ヘッドと設置工具が互いに塑性変形して楔状になることを防止する。このとき、駆動ヘッドが凹部の底部に静止するわけではないが、駆動ヘッドの周縁が凹部の外形に対して均一に位置するようになるので、カプセルアンカーの横方向の傾きは回避される。
【0020】
例えば、面取り部は、凹部の底部に対して40°から50°までの間の角度を有する。特に好ましくは、面取り部は、凹部の底部に対して45°の角度をなす。その結果、凹部に対して90°の円錐角が生じる。このような円錐角は、特に打撃動作中に、システムの設置性能に特段の好影響を及ぼす。打撃動作中に発生する力は均一に分散されるので、設置工具も駆動ヘッドも応力ピークに曝されることなく、対応する材料の塑性流動を促進する。
【0021】
この目的は、本発明によれば、更に、駆動機械に接続することが可能なアダプタと、上述したタイプの少なくとも1つの設置工具と、を有するカプセルアンカーを設置する設置工具システム用のセットにより達成される。
【0022】
このようなセットは、設置工具の幾何学的形状を駆動機械の対応するホルダの幾何学的形状に合致させる必要がなく、むしろ、アダプタを介して設置工具を駆動機械に接続することが可能になるという利点を有する。この目的のために、設置工具とアダプタは、例えば、圧入嵌合接続又は形状適合接続によって、相互接続が可能である。
【0023】
好ましい実施形態によれば、セットは、複数の設置工具、例えば少なくとも2つ、特に少なくとも4つの設置工具を有する。このように、セットは、異なる構成を有するカプセルアンカーと接続するために、特にカプセルアンカーのアンカーロッドの大きさによって、又は駆動ヘッドによって、複数の設置工具を有することができる。
【0024】
複数の設置工具の接続部の大きさは、異なる構成とし得る。このように、設置工具は、異なる大きさを有するカプセルアンカーと接続され得る。好ましい実施形態によれば、セットは、複数の設置工具を保有可能で、これらの設置工具は、各事例において、サイズM8、M10、M12、及びM16を有するカプセルアンカーと接続することが可能であるる。又、設置工具には、これに合致する接続部がある。
【0025】
例えば、アダプタにはSDS挿入端、特にSDS−Plus又はSDS−Max挿入端がある。SDS挿入端により、アダプタは、SDSホルダを有し、対応する構成の駆動機械に接続することが可能である。「SDS」という用語は、ドリル及びハンマードリルのような打撃及び回転工作機械、特にコードレスドリルのためのドリルシャフトシステムを意味する。この挿入システムの場合、シャフトには、より良い力の伝達と同時に打撃を保証する特殊な溝が設けられている。他の挿入システムとは対照的に、SDSシャフトは、ドリルビット及びチゼルの工具フリーかつ迅速な交換を可能にする。SDS−Plus又はSDS−Maxの代わりに、TE−C又はTE−Yの略語もよく使われる。
【0026】
好ましい実施形態によれば、アダプタは、その挿入端とは反対側の端部に設置工具を保持する保持部を有する。これにより、アダプタを介して設置工具が駆動機械に接続することが可能となる。
【0027】
保持部は、例えば、ねじ山、特に、雌ねじを有する。雌ねじは、ねじ領域の設置工具のねじ山と合致しており、設置工具をアダプタと一緒にねじ込んで、形状適合又は圧入嵌合により接続することができます。これにより、設置工具をアダプタに確実に接続し、且つ取り外し可能な方法で接続することができます。設置工具は、アダプタにねじ止めしたり、アダプタからねじを外したりすることで、簡単に交換することができます。この点に関し、セットの全ての設置工具は、保持領域のねじ山に合致するねじ領域を有する。設置工具及びアダプタは、保持部に合致するねじ領域をねじ込むように誘導するように構成され、その結果、ねじ山が傾くことが防止される。
【0028】
更に、上述された設置工具、又は上述されたように構成された対応する設置工具及びアダプタを有するセット、並びにカプセルアンカー及び/又は駆動機械を備える設置工具システムが示される。この設置工具システムによって、1つ又は複数のカプセルアンカーを設置するために必要なすべての構成要素が、ユーザに利用可能となる。駆動機械は、ハンマードリル、コードレスドリル、又は一般的にはドリル/ドライバであってよい。
【0029】
本発明の更なる特徴及び利点は、以下の説明及び引用文献がなされる以下の図面から明らかである。図面は下記のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による設置工具である。
図2図1の設置工具の頭部の上面図である。
図3図1の設置工具の頭部の凹部の形状を示す図である。
図4図1の設置工具の頭部の側面図である。
図5】複数の設置工具を有する本発明によるセットである
図6】本発明による設置工具システムである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、カプセルアンカーを設置するための設置工具10を示す。設置工具10は、シャフト12と、シャフト12の一端に配置された頭部14とを有する。
【0032】
接続部16は、頭部14に配置され、凹部18を備える。接続部16は、特に凹部18によって形成されている。凹部18は、六角形状を有する凹部であり、特に、凹部18は、六角穴形状を有する。
【0033】
一般に、接続部16又は凹部18は、シャフト12に面していない頭部14の端面に配置される。
【0034】
カプセルアンカーの端部は、特に、形状適合により、凹部18内に挿入することができ、この端部は、駆動ヘッドとも呼ばれる。その結果、設置工具10からカプセルアンカーに駆動トルクを伝達可能となる。この目的のために、カプセルアンカーは、アンカーロッド上に合致する六角形状の外形を有し、アンカーロッドは、以下に更に説明されるように、カプセルと接続される。
【0035】
シャフト12は、ねじ山22を有するねじ領域20とねじ無し領域24とを有する。この点に関し、ねじ無し領域24は、図示しない駆動機械と設置工具10とを直接接続する役割を果たすことができる。この目的のために、ねじ無し領域24は、六角形の外形、特に正六角形の外形を有し、これにより、例えば、設置工具10を駆動機械のスリージョーチャックに接続することができる。あるいは、ねじ無し領域24は、四角形の外形、特に正方形の外形を有することもできる。
【0036】
ねじ領域20によって、設置工具10は、図2に示すアダプタ、特にそれにねじ込まれたアダプタに接続することができる。アダプタは、とりわけ、ねじ無し領域24の幾何学的形状が駆動機械のホルダの幾何学的形状と一致しない場合に使用される。更に、以下で説明するように、アダプタを介して更なる機能を利用可能にすることができる。
【0037】
従って、設置工具10は、本質的に3つの領域、すなわち、第1の端部における接続部16、それに続くねじ領域20、及び他端部におけるねじ無し領域24を有し、これらの領域を介して設置工具10を駆動機械に直接接続することができる。これらの3つの領域16、20、24は、互いに移行する。
【0038】
図2は、図1の設置工具10の頭部14の上面図を示す。
【0039】
上面図では、接続部16の凹部18の形状が示される。凹部18の形状は、本質的に、2つの部分凹部26、28によって形成され、これらの凹部は、それぞれ、六角形の形状の底面を有し、これらの六角形は、重ね合わされ、互いにオフセットしている。
【0040】
より良く理解するために、凹部18の形状を共に画定する2つの六角形からなる部分凹部26、28は、図3において異なるように示され、ここで、第1の六角形部分凹部26は実線で示され、第2の六角形部分凹部28は破線で示される。このように、凹部18は、2つの部分凹部26、28の六角形の底面の重ね合わせによって形成される。
【0041】
部分凹部26、28は、共通平面で互いにオフセットして配置され、これは、2つの部分凹部26、28の底部30が、設置工具10の中心軸に対して垂直に延在する共通平面に配置されることを意味する。
【0042】
部分凹部26、28の中心点32、34、すなわち、それぞれの六角形の中心点は、一方が他方の直上にある。更に、中心点32、34は、設置工具10の中心軸に位置する。従って、中心点32、34は、設置工具10の頭部14の中心に配置される。
【0043】
図示の実施形態では、部分凹部26、28は、10°の角度αだけ相対的に回転して配置されている。その際、部分凹部26、28の六角形の底面は、角度αだけ相対的に回転される。
【0044】
一般に、角度αは5°から15°の間、特に8°から13°の間になり得る。このように、設置工具10の中心軸は、2つの部分凹部26、28、換言すれば、それらの六角形の底面が相対的に回転する回転軸を形成する。図2及び図3において、設置工具10の中心軸は、図面の平面に垂直に、具体的には、部分凹部26、28の六角形の中心点32、34を通って延びる。
【0045】
図示の実施形態では、部分凹部26、28は、それぞれ等辺且つ規則的な六角形の底面を有する。特に、部分凹部26、28は、各事例において六角形穴として構成される。
【0046】
相対的に回転する部分凹部26、28、特にそれらの底面を重ね合わせたとき、それらの底面の頂点の間に内方を向く凸部が生じるが、この凸部は設置工具10内でカプセルアンカーの楔化を促進するから、これらは平坦化される。
【0047】
その際、領域35は除去され、これらの領域は、各事例において、部分凹部26、28の2つの六角形底面の直接隣接する頂点と、2つの六角形の側面が交差する点まで互いに対向して延びる2つの六角形の側面との接続によって画定される。これは、図3に明示するとおり、該当する領域35を識別するために、拡大詳細図で斜交ハッチングされている。すでに説明したように、これらの領域35、すなわち平坦化されて取り除かれた内方に突出する凸部、も凹部18の一部である。
【0048】
部分凹部26、28の六角形の底面の六角形のすべての頂点が存在するそれぞれの円周の半径は、異なる大きさとすることができる。その結果、設置工具10とカプセルアンカーの駆動ヘッドとの間の形状適合接続が生成され、これは形状適合の品質を向上させる。同時に、カプセルアンカーの駆動ヘッドが、硬化反応の間に塑性変形された可能性がある場合であっても、硬化反応の後に、設置工具10をカプセルアンカーから容易に取り外し得る。部分凹部26、28の大きさが異なることは、一方の部分凹部26、28の外形はカプセルアンカーを保持する役割を果たし、他方の部分凹部26、28はカプセルアンカーが設置された後の取り外しを容易にする役割を果たす。
【0049】
あるいは、2つの部分凹部26、28の表面積は同じであってもよく、換言すれば、それらの六角形の底面は、同じ円周半径とすることができる。従って、両方の部分凹部26、28の外形は、カプセルアンカーを保持することと、カプセルアンカーの取り外しを容易にすることと、の両方に役立つ。
【0050】
図4は、図1の設置工具の頭部14の側面図である。
【0051】
図2及び図3からすでに明らかなように、円周面取り部36が凹部18の底部30から連続して配置されている。面取り部36は、凹部18の底部30に対して45°の角度をなし、これは、凹部18の円錐角βを90°にする。このような円錐角βの場合には、設置処理の設置性能が特に高くなる。
【0052】
特に、凹部18の面取り部36又は円錐角βは、以下に説明するように、打撃動作中の設置挙動を改善する役割を果たす。
【0053】
図5は、アダプタ42及び4つの異なる設置工具10からなるカプセルアンカーを設置するためのセット40を示す。各設置工具10の凹部18は、異なる大きさで構成されている。その結果、各設置工具10は、凹部18に合致する大きさを有する特定のカプセルアンカーと接続され得る。例えば、図2に示される設置工具10は、ねじサイズがM8、M10、M12、及びM16を有するカプセルアンカーと接続され得る。
【0054】
シャフト12、特にねじ領域20及びねじ無し領域24は、各設置工具10の場合と同様に構成することができる。これにより、全ての設置工具10を1つのアダプタ42に接続することができる。
【0055】
設置工具10をアダプタ42に接続するために、設置工具10は、ねじ領域20によってアダプタ42にねじ止めすることができる。この目的のために、アダプタ42は、保持部44上のねじ領域20に合致するねじ山を有する。このねじ山は、それぞれの設置工具10のねじ領域20の雄ねじ山に合致する雌ねじ山として構成される。アダプタ42のねじ山は、設置工具10がアダプタ42に関連してすでに示されているため、図5には示されていない。
【0056】
その際、使用されている設置工具10とアダプタ42とは、形状適合又は圧入嵌合で接続される。
【0057】
設置工具10は、合致するねじ領域20を介してアダプタ42と結合されるので、各事例において、異なる設置工具10のねじ領域20が、同じになるように構成されていれば十分である。設置工具10のねじ無し領域24に関しては、これらがアダプタ42に保持されることを保証しなければならない。
【0058】
ねじ山が配置されているアダプタ42の一方の端部において、アダプタ42は、アダプタ42の外側の平らな部分として構成される少なくとも1つのキー表面46を有する。このキー表面46は、例えば、対応する工具を用いて簡単な方法で設置工具10を解放することができるように機能する。
【0059】
アダプタ42は更に、保持部44の反対側の端部に設けられた挿入端48を有する。アダプタ42は、挿入端48を用いて駆動機械と接続することができる。ここで、挿入端48は、SDS−Plus挿入端として構成される。特に、M20以上のサイズのアンカーロッドを設置できる設置工具を保持できるようにするために、SDS−Max挿入端として構成することもできる。この点に関し、SDSは、挿入端48に特殊な溝が設けられ、力のより良い伝達と同時に打撃を保証する挿入システムを提供している。特に、挿入端48は、挿入端48が形成されるアダプタ42の端部までアダプタ42の長手方向に延びる2つの長手方向溝50を有する。図5では、2つ目の長手方向溝50がアダプタ42の反対側に位置しているので、長手方向溝50のうちの1つのみが見える。アダプタ42は、キー/ホールの原理に従って、長手方向溝50によって適合する形状を有する駆動機械に挿入可能であり、それによって、トルクを駆動機械からアダプタ42に伝達することができる。
【0060】
更に、アダプタ42は、対向する表面に設けられた2つの更なる溝52を有し、これらの溝は、挿入端48においてアダプタ42の端面54から距離を有する。溝52は、駆動機械内に取り付けられたローラ又はボールが溝52内に係合するという点で、特に打撃中に、駆動機械内のアダプタ42の軸方向の移動を制限する役割を果たす。更に、溝52はトルクの伝達に寄与し得る。
【0061】
図6は、カプセルアンカー58と同様に、図5に記載のセット40又は図1に記載の少なくとも1つの設置工具10を有する設置工具システム56を示す。カプセルアンカー58は、少なくとも2つの構成要素が収容されるカプセル68及びアンカーロッド60を有する。アンカーロッド60は、外形が六角形で構成される駆動ヘッド62を有する。
【0062】
従って、アンカーロッド60は、駆動ヘッド62を介して、対応して構成された設置工具10、言い換えれば、駆動ヘッド62の幾何学的形状に適合する凹部18を有する設置工具10と接続され得る。
【0063】
加えて、設置工具システム56は、例えばドリル/ドライバ又はハンマードリルのような、概略的に示された駆動機械64を有することができる。駆動機械64は、アダプタ42のためのホルダ66を有する。あるいは、又は補足的に、設置工具10は、それぞれのねじ無し領域24を介してホルダ66に直接挿入することができる。
【0064】
一般に、最初に、カプセルアンカー58が導入されるべき基礎に穴、例えばボーリング孔が導入される。このボーリング孔は、開孔後に洗浄可能である。
【0065】
次に、カプセル68を穴に挿入してカプセルアンカー58を所定の位置に固定する。カプセル内には少なくとも2つの成分が含まれ、これらの成分が互いに混合されると互いに反応する。これは、カプセルアンカー58、特にそのアンカーロッド60が、回転されながら、カプセル68が設けられたボアホール内に導入され、カプセル68が破壊又は破断し、少なくとも2つの構成要素を解放することによって実行される。カプセルアンカー58又はアンカーロッド60の回転により、2つの成分は混合され、互いに化学的に反応する。その混合物が硬化した後、カプセルアンカー58は、圧入嵌合によりボアホール内に保持される。
【0066】
ボーリング孔及び/又はカプセルアンカー58の機能として、対応する設置工具10が使用されるので、カプセルアンカー58の駆動ヘッド62に適合する凹部18が、選択された設置工具10に設けられる。
【0067】
あるいは、アンカーロッド60とカプセル68とを別々に構成するために、カプセル68をアンカーロッド60上に一体的に配置して、一体的なカプセルアンカー58を形成することもできる。
【0068】
すでに説明したように、凹部18の面取り部36又はコーン角度βは、打撃動作中の設置挙動を改善する役割を果たす。その際、凹部18は、特にその面取り部36を介して、駆動ヘッド60と互いに接触し、それによって、それらの材料の塑性変形が生じ得る。
【0069】
しかし、設置された円錐角β=90°であることから、これは可能な限り低減されて、カプセルアンカー58が設置工具10の凹部18において楔状にならないことも保証される。このことにより、設置工具及びカプセルアンカー58は、互いに容易に取り外し可能となり、その結果、次のカプセルアンカー58は、迅速に設置され得る。
【0070】
凹部18の底部30に円周方向の面取り部36があるため、カプセルアンカー58は、面取り部36の上縁38まで、特に面取り部36の開始位置までしか導入されず、凹部18の内部に完全に導入されることはない。従って、カプセルアンカー58が設置工具10の凹部18内に挿入されるとき、カプセルアンカー58の頭部と凹部18の底部30との間に空洞が生じる。カプセルアンカー58上へ衝撃を伝達する際に、それらの材料が塑性変形した場合は、この空洞内に流れ込むことができる。これにより、余剰な材料はカプセルアンカー58の駆動ヘッド62と凹部18の側壁との間の小さな隙間に押し込まれ、その結果、カプセルアンカー58が凹部18の内部において楔状になることが防止される。
【0071】
セット40又は設置工具システム56により、対応して割り当てられた設置工具10を迅速に変更可能であるから、更に、異なるサイズを有するカプセルアンカー58を、相応に迅速に設置することも可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6