特許第6987899号(P6987899)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6987899-円筒対称性容積形機械 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987899
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】円筒対称性容積形機械
(51)【国際特許分類】
   F04C 2/107 20060101AFI20211220BHJP
   F04C 18/107 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   F04C2/107
   F04C18/107
【請求項の数】13
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-571546(P2019-571546)
(86)(22)【出願日】2018年6月5日
(65)【公表番号】特表2020-525699(P2020-525699A)
(43)【公表日】2020年8月27日
(86)【国際出願番号】IB2018054004
(87)【国際公開番号】WO2019002994
(87)【国際公開日】20190103
【審査請求日】2020年1月7日
(31)【優先権主張番号】2017/5459
(32)【優先日】2017年6月28日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ファブリ エリック ポール
(72)【発明者】
【氏名】ゴーサルズ アントン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ラエ バール マリア エム
【審査官】 松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】 特表2017−506308(JP,A)
【文献】 特開2013−234597(JP,A)
【文献】 特開2011−058441(JP,A)
【文献】 特開2008−175199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 2/10 − 2/113
F04C 18/10 −18/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(1)が、2つの協調する回転子(6a、6b)、すなわち、機械(1)に回転可能に装着された外側回転子(6a)と該外側回転子(6a)に回転可能に装着された内側回転子(6b)とを含む円筒容積形機械(1)であって、前記外側回転子(6a)及び前記内側回転子(6b)は、ローブ(7)が設けられ、前記ローブ(7)の間に圧縮チャンバ(8)が現れ、該圧縮チャンバ(8)の容積は、前記外側回転子(6a)及び前記内側回転子(6b)の回転によって、低減又は増加され、これにより、圧縮チャンバ(8)に捕捉された気体が圧縮又は膨張され、該外側及び内側回転子(6a、6b)を駆動するモータ回転子(16)とモータ固定子(17)とを有する電気モータ(15)が機械(1)に設けられ、
前記電気モータ(15)は、前記外側回転子(6a)の周りに装着され、
前記モータ固定子(17)は、前記外側回転子(6a)を直接に駆動しており、
前記電気モータ(15)は、前記外側回転子(6a)及び前記内側回転子(6b)の長さ(L)の一部だけに沿って延び、該モータ(15)は、最小直径(D)を有する該内側回転子(6b)の端部(9b)に位置付けられ、
前記外側回転子(6a)及び前記内側回転子(6b)は、円錐形状を有する、
ことを特徴とする機械(1)。
【請求項2】
前記モータ回転子(16)及び前記外側回転子(6a)は、圧入手段により又は溶接により、互いに直接に接合することにより、まとめて配置されることを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記外側回転子(6a)は、前記モータ回転子(16)として機能することを特徴とする請求項1に記載の機械。
【請求項4】
前記電気モータ(15)には、前記外側回転子(6a)に埋め込まれた永久磁石(18)が設けられることを特徴とする請求項3に記載の機械。
【請求項5】
前記内側回転子(6b)及び前記外側回転子(6a)は、互いに対して角度(α)の下で位置決めされた軸線(13、14)を有し、これらの軸線(13、14)は、互いに交差していることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の機械。
【請求項6】
前記内側回転子(6b)及び前記外側回転子(6a)の前記軸線(13、14)は、固定された非周回軸線であることを特徴とする請求項5に記載の機械。
【請求項7】
前記内側回転子(6b)は、ベアリングによって機械(1)の中に一端(9a)で装着されることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の機械。
【請求項8】
前記外側回転子(6a)は、少なくとも1つの軸方向ベアリング(11)によって機械(1)の中に装着されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の機械。
【請求項9】
機械(1)が、拡張機、圧縮機、又はポンプデバイスであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の機械。
【請求項10】
前記外側回転子(6a)は、射出成形技術によって作られることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の機械。
【請求項11】
磁石(18)が、射出成形工程中に前記外側回転子(6a)内に同時成形されることを特徴とする請求項4及び請求項10に記載の機械。
【請求項12】
機械(1)には、ハウジング(2)が設けられ、前記モータ(15)は、該ハウジング(2)の中に装着され、又は該ハウジング(2)は、該モータ(15)のハウジング(2)としても機能することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の機械。
【請求項13】
前記モータ(15)の最大直径(E)が、前記外側回転子(6a)の最大直径(D’)の最大で2倍であることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒対称性容積形機械に関する。
【背景技術】
【0002】
容積形機械は、(英語)名称:「移送式機械」(positive displacement machine)としても公知である。
【0003】
より具体的には、本発明は、2つの回転子、すなわち、外側回転子の中に回転可能に装着された内側回転子を含む円筒対称性を有する拡張機、圧縮機、及びポンプのような機械に関する。
【0004】
そのような機械は、公知であり、例えば、US 1,892,217に説明される。回転子は、円筒又は円錐形状を有する場合があることも公知である。
【0005】
そのような機械は、電気モータによって駆動される場合があることは公知である。
【0006】
これにより、モータ回転子の回転子シャフトは、内側又は外側回転子の回転子シャフトを駆動することになり、両方の回転子シャフト間の伝達を実現するためにギア、カプリング、又はベルトドライブなどが使用される。
【0007】
そのような機械は、非常にかさばり、かつモータの多くの部品、圧縮機、又は拡張機回転子、及び関連のハウジングから構成される。
【0008】
結果として、機械の「フットプリント」又は空間占有率は比較的大きい。
【0009】
機械は、多くの部品に起因して及び結果的により高価な組立てに起因して比較的高価であることにもなる。
【0010】
別の欠点は、全ての部品を密封してこれらの部品をハウジングの中に回転可能に装着するための多くのシャフトシール及びベアリングに対する必要性である。
【0011】
シールは、それらが故障した場合のリスクを呈し、一方でベアリングは損失を伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】US 1,892,217
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、上述の及び/又は他の欠点のうちの1又は2以上に対するソリューションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、円筒対称性容積形機械に関連し、この機械は、2つの協調する回転子、すなわち、機械に回転可能に装着された外側回転子と外側回転子に回転可能に装着された内側回転子とを含み、機械には、外側及び内側回転子を駆動するためのモータ回転子及びモータ固定子を有する電気モータが設けられ、電気モータが、外側回転子の周りに装着され、モータ固定子が、外側回転子を直接に駆動し、電気モータが、外側回転子及び内側回転子の長さの一部だけに沿って延び、モータが、最小直径を有する内側回転子の端部に位置付けられるという特徴を有する。
【0015】
利点は、必要な部品が少ないようにモータ固定子が外側回転子を直接に駆動しているので、外側回転子及びモータ固定子又はモータ回転子の間の伝達に対する必要性がないことである。
【0016】
別の利点は、外側回転子の周りへの電気モータの装着に起因して、機械のフットプリントを縮小することができ、機械がより小さくかつよりコンパクトにされることである。
【0017】
更に、必要なシャフトシールが少なくなり、これは、機械の信頼性を高める。
【0018】
これに加えて、必要なベアリングが少なくなり、これは、より少ない損失、及びその結果としてより効率的な機械をもたらす。
【0019】
実際的な実施形態では、モータ回転子及び外側回転子は、まとめて配置されるか又は全体を形成する。
【0020】
モータ回転子及び外側回転子は、例えば、圧入手段により又は溶接によるなどで互いに直接に接合することができる。
【0021】
この実施形態は、標準的な外側回転子を使用することができるという利点を有する。
【0022】
別の実際的な実施形態では、外側回転子は、モータ回転子として使用される。
【0023】
これは、部品又は構成要素の機能が組み合わされ、すなわち、ある一定の部品が共有されるので、いくつかの部品がもはや存在しないことになるかのように機械を更によりコンパクトにすることができることを保証することになる。
【0024】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明による円筒対称性容積形機械の一部の好ましい実施形態を添付の図面を参照していかなる限定的性質もなしに一例として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による機械の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に概略的に示す機械1は、この場合は圧縮機デバイスである。
【0027】
本発明により、機械1が拡張機デバイスであることも可能である。本発明は、同じくポンプデバイスにも関連する場合がある。
【0028】
機械1は、「円筒対称性移送式機械」とも呼ばれる円筒対称性容積形機械1である。これは、機械1が円筒対称性、すなわち、円錐と同じ対称特性を示すことを意味する。
【0029】
機械1は、圧縮される気体を吸引するための入口3と圧縮された気体のための出口4とが設けられたハウジング2を含む。ハウジング2は、チャンバ5を形成する。
【0030】
機械1のハウジング2には、2つの協調する回転子6a、6b、すなわち、ハウジング2の中に回転可能に装着された外側回転子6aと、外側回転子6aに回転可能に装着された内側回転子6bとが、このチャンバ5に位置付けられる。
【0031】
両方の回転子6a、6bは、ローブ7が設けられ、かつ協調的に互いの上に回転することができ、それによってローブ7の間に圧縮チャンバ8が現れ、その容積は、この圧縮チャンバ8に捕捉された気体が圧縮されるように回転子6a、6bの回転によって低減される。この原理は、公知のタンジェント協調式スクリュー回転子に非常に似ている。
【0032】
回転子6a、6bは、ベアリングによって機械1の中に装着され、それによって内側回転子6bは、一端9aで機械1の中に装着される。この場合に、内側回転子6bを機械1のハウジング2の中に装着するのに単に1つのベアリング10が適用される。このベアリング10は、内側回転子6に加わる軸力を担持するための軸方向ベアリングである。この軸力は、左を向けられることになる。
【0033】
内側回転子6bの他端9bは、言わば、外側回転子6aによって支持又は担持される。
【0034】
外側回転子6aは、図示の例では両端9a、9bでベアリングによって機械1に装着される。これにより、少なくとも1つの軸方向ベアリング12が使用される。これは、外側回転子6aが受ける軸力を担持することができることになる。外側回転子6aがハウジング2の中にそれによって装着される他方のベアリング11は、軸方向ベアリングとは別のタイプのベアリングである場合がある。
【0035】
この単純なベアリング配置に起因して、ベアリング10、11、12に関する損失は、可能な限り小さく保つことができる。
【0036】
図示の例では、回転子6a、6bは、円錐形状を有し、それによって回転子6a、6bの直径D、D’は、軸方向X−X’に減少する。これは、本発明にとって必要条件ではなく、回転子6a、6bの直径D、D’は、一定である場合もあり、又は軸方向X−X’に別の方法で変化する場合もある。
【0037】
回転子6a、6bのそのような形状は、圧縮機及び拡張機デバイスの両方に適している。回転子6a、6bは、これに代えて、一定直径D、D’を有する円筒形状を有する場合もある。これらは、次に、圧縮機又は拡張機デバイスの場合に組み込まれた容積比が存在するように可変ピッチ、又は機械1がポンプデバイスの場合に一定ピッチのいずれかを有することができる。
【0038】
外側回転子6aの軸線13と内側回転子6bの軸線14は平行ではなく、角度αの下で位置決めされ、それによってこれらの軸線13、14は、点Pで互いに交差する。これは、本発明にとって必要条件ではない。例えば、回転子6a、6bの直径D、D’が一定である場合に、軸線13、14は、実際に平行であると考えられる。
【0039】
軸線13、14は、角度αの下で位置決めされるが、これらは、固定された軸線13、14である。これは、回転子6a、6bの回転中に軸線13、14が機械1のハウジング2に対して変位されない又は移動しないことになることを意味する。軸線13、14は、言い換えれば、周回移動を行わないことになる。
【0040】
これは、両方の回転子3a、3b間の正しい相対移動を保証するための特別なギアのような追加の規定を行う必要がないという利点を有する。
【0041】
更に、機械1には、回転子6a、6bを駆動することになる電動モータ15も設けられる。このモータ15には、モータ回転子16及びモータ固定子17が設けられる。
【0042】
本発明により、電気モータ15は、外側回転子6aの周りに装着され、それによってモータ固定子17は、外側回転子6aを直接に駆動している。
【0043】
図示の例では、これは、外側回転子6aがモータ回転子16としても同様に機能するので実現される。
【0044】
言い換えると、機械1の1つの部品は、2つの機能、すなわち、外側回転子6aの機能及びモータ回転子16の機能を実行することになる。
【0045】
このようにして、モータ固定子17は、外側回転子6aを直接に駆動することになる。
【0046】
これは、機械1がよりコンパクトで複雑さが減るように、機械1がより少ない部品を含むことになるという結果を有する。
【0047】
電気モータ15のモータ固定子17は、モータ回転子16を駆動するのに典型的に円筒対称性回転場を発生しているので、このモータ回転子16及び従ってこの場合は外側回転子6aも、円筒対称性を示すことが必要である。
【0048】
外側回転子6aがモータ回転子16の機能を引き受けているので、モータ15は、機械1にいずれの追加回転部品も追加しない。この理由により、追加のベアリングも従って存在せず、関連の損失も同様である。
【0049】
電気モータ15の磁石18は、この場合は外側回転子6aに好ましくは埋め込まれる。これらの磁石18は、永久磁石である場合がある。これらの磁石18が外側回転子に埋め込まれず、むしろ例えばその外側の上に装着されることも勿論可能である。
【0050】
永久磁石を有する電気モータ15(すなわち、同期永久磁石モータ)の代わりに、非同期誘導モータを適用することもでき、それによって磁石18は、かご形電機子によって置換される。モータ固定子17からの誘導により、かご形電機子内に電流が誘導される。
【0051】
他方で、モータ15はまた、リラクタンスタイプ又は誘導タイプ、又はタイプの組合せのものである場合がある。
【0052】
図に見ることができるように、電気モータ15は、回転子6a、6bの長さLの一部だけに沿って延び、それによって電気モータ15は、最小直径Dを有する端部9bに位置付けられる。
【0053】
これは、磁石18が、より小さい直径Dを有する回転子6a、6bの端部9bに位置付けられることを意味する。磁石18及びモータ15が、直径D’を有する他方のより大きい端部に位置付けられることも勿論可能である。
【0054】
これは、機械1が更によりコンパクトになるように追加の空間節約さえも伴うことになる。
【0055】
機械1を可能な限りコンパクトにするために、モータ15の最大直径Eは、外側回転子6aの最大直径D’の好ましくは最大で2倍、好ましくは最大で1.7倍、より好ましくは最大で1.5倍である。
【0056】
しかし、本発明は、これらの上述の寸法に限定されない。これに代えて、外側回転子6aの最大直径D’は、例えば、モータ固定子17の内径Fよりも大きい場合がある。機械1を更によりコンパクトにするために、外側回転子6aの最大直径D’は、モータ15の最大直径E、すなわち、モータ固定子17の外径よりも大きい場合がある。外側回転子6aが射出成形によって作られる場合に、磁石18は、射出成形工程中に外側回転子6a内に好ましくは同時成形される。
【0057】
それは、最小直径Dを有する回転子6a、6bの端部9bにモータ15が位置付けられるという事実と組み合わせて、取りわけ、モータ15の最大直径Eをそのように小さく保つことができるという特徴に起因する。モータ15の最大直径Eが小さいほど、最終的な機械1がよりコンパクトになり、機械1のフットプリントがより小さくなる。
【0058】
勿論、例えば内側回転子6bのような機械1の他の部品が同様に射出成形によって作られることは除外されない。
【0059】
モータ固定子17は、外側回転子6aの周りに包み込み方式で装着され、それによって前者は、この場合は機械1のハウジング2に位置付けられる。
【0060】
モータ15を機械1のハウジング2の中に装着することにより、特別なモータハウジングを設ける必要がなく、機械1をよりコンパクトに配置することができる。更に、モータ15と回転子6a、6bの間のシールの必要性もない。
【0061】
更に、このようにして、モータ15及び回転子8a、6bの潤滑は、それらが同じハウジング2に位置付けられ、その結果、互いから隔離されないので一緒に制御することができる。
【0062】
ハウジング2がそれをモータ15のハウジング2としても使用することができるように配置されること、又は回転子6a、6bのハウジング2に取り付けることができる個別のハウジング2がモータ15のために設けられることも勿論可能である。
【0063】
図示の例では、機械1の外側回転子6aは、モータ回転子16として使用されるが、モータ回転子16及び外側回転子6aがまとめて配置されること、又は例えばそれらは圧入の手段により又は溶接などによって直接に互いに接合されるので、それらが全体を形成することが勿論可能である。
【0064】
機械1の作動は非常に単純であり、以下の通りである。
【0065】
機械1の作動中に、モータ固定子17は、公知の方法でモータ回転子16を駆動することになる。
【0066】
この場合に外側回転子6aはモータ回転子16として機能するので、それは、従って、駆動されることになる。
【0067】
雄及び雌スクリュー回転子を有して例えば雄スクリュー回転子がモータ15によって駆動される公知のオイル注入式スクリュー圧縮機と同じ方法で、外側回転子6aは、それと共に内側回転子6bを駆動することになる。
【0068】
回転子6a、6bの回転に起因して、気体は、入口3から吸い込まれることになり、それは、回転子6a、6b間の圧縮チャンバ8に至ることになる。気体が吸気口3から吸い込まれると、それは、図1の矢印に従ってモータ回転子16及びモータ固定子17に沿って流れることになり、このようにしてモータ16の冷却を保証する。
【0069】
回転により、圧縮チャンバ8は、出口4に向けて変位し、このようにして気体の圧縮を保証するように同時に容積が減少することになる。
【0070】
圧縮された気体は、次に、出口1を通って機械1を離れることができる。
【0071】
作動中に、液体が、部品を冷却及び/又は潤滑にするために機械1に注入されることになる。これらの部品は、取りわけ、ベアリング10、11、12、内側及び外側回転子6a、6b、モータ固定子17の巻線等である。
【0072】
これに関して、機械1には、図示しない液体注入回路が設けられる。この液体は、例えば、合成オイルであるか否かに関わらず、オイルである場合がある。
【0073】
これにより、液体は、チャンバ5にも注入されることになり、これは、内側及び外側回転子6a、6b間の潤滑及び密封を保証することになる。
【0074】
出口を通って、この液体は、圧縮された気体と共に機械1を離れることになる。液体は、分離器によって気体から分離されて回収することができる。
【0075】
機械1が液体を含まないこと、及び潤滑がオイルの代わりに油脂によって行われることも勿論可能である。
【0076】
本発明は、例として説明して図に示した実施形態に決して限定されず、むしろ本発明による円筒対称性容積形機械は、本発明の範囲から逸脱することなく全ての種類の形態及び寸法に実現することができる。
【符号の説明】
【0077】
1 円筒対称性容積形機械
6a 外側回転子
6b 内側回転子
8 圧縮チャンバ
15 電気モータ
図1