特許第6987907号(P6987907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987907装置の、特に光学装置のウェーハレベル方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987907
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】装置の、特に光学装置のウェーハレベル方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20211220BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20211220BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20211220BHJP
   H01L 33/48 20100101ALI20211220BHJP
   B81C 3/00 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   G02B7/00 F
   G02B3/00 A
   H01L31/02 B
   H01L33/48
   B81C3/00
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2020-30681(P2020-30681)
(22)【出願日】2020年2月26日
(62)【分割の表示】特願2017-512630(P2017-512630)の分割
【原出願日】2015年5月14日
(65)【公開番号】特開2020-106856(P2020-106856A)
(43)【公開日】2020年7月9日
【審査請求日】2020年3月17日
(31)【優先権主張番号】61/994,358
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512195902
【氏名又は名称】ヘプタゴン・マイクロ・オプティクス・プライベート・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HEPTAGON MICRO OPTICS PTE. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビーチュ,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】バルジェ,ミシェル
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−102313(JP,A)
【文献】 特開2005−200241(JP,A)
【文献】 特表2009−530136(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0273238(US,A1)
【文献】 国際公開第2014/092148(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/00
G02B 3/00
H01L 31/02
H01L 33/48
B81C 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
N(≧2)個の第1の素子を基板の第1の側に施すためのウェーハレベル方法であって、前記基板は前記第1の側に第1の表面を提供し、前記方法は、
a)前記基板の前記第1の表面上に少なくともN個の障壁部材と最初の第1の素子とをエンボス加工タイプまたは成型タイプのプロセスにより複製するステップを含み、前記最初の第1の素子と前記少なくともN個の障壁部材のうちの少なくとも1つとは同時にかつ一体的に形成され、前記N個の障壁部材の各々は、閉ループ形状を表し、かつ、前記N個の第1の素子のうちの1つに関連付けられ、前記方法はさらに、
b)流動可能状態の硬化可能材料のそれぞれの第1の量を前記第1の表面と接触させるステップを含み、前記硬化可能材料のそれぞれの第1の量は、その後前記N個の第1の素子のうちの1つを各々形成するために使用され、前記方法はさらに、
c)複製ツールを前記硬化可能材料の前記第1の量に押しつけることを含む、エンボス加工タイプの複製手法を実行するステップと、
d)前記最初の第1の素子と一体的に形成されたそれぞれの障壁部材によって、前記エンボス加工タイプの複製手法を実行する間に、前記第1の表面上での関連付けられた前記硬化可能材料のそれぞれの第1の量の流れを制御するステップと、
e)関連付けられた前記硬化可能材料のそれぞれの第1の量を硬化させて前記N個の第1の素子のうちの1つを各々形成するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記障壁部材上の前記硬化可能材料についての接触角は、多くて90°になる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化可能材料は、エネルギーの導入を介して硬化可能である、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記N個の第1の素子の各々は、
− ステップb)、c)、d)およびe)を含む前記第1の表面で複製された複製構造;
− 前記第1の表面に接合されるべきアイテム;
− マイクロ光学部品;
− 受動光学部品;
− 能動光学部品;
− 電子部品;
− 発光素子;
− 光検出素子;
− マイクロ機械部品;
− マイクロ流体部品;
− ウェーハの一部、
のうちの1つ以上であり、または当該1つ以上を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記N個の障壁部材の各々は、前記第1の表面によって表わされる平均レベルを超えて突出する突起を含み、それぞれの前記突起は第1の部分表面を含み、前記第1の部分表面は、
ステップe)の終わりにその位置にあるそれぞれの前記第1の素子に向かって面すること、および、
水平面に対して±35°内に整列されること、
のうちの少なくとも1つであり、それぞれの前記突起はさらに、
ステップe)の終わりにその位置にあるそれぞれの前記第1の素子から遠い方に面する第2の部分表面を含み、前記第1の部分表面は、ステップe)の終わりに、関連付けられた前記硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料によって少なくとも部分的に覆われ、前記第2の部分表面は、ステップe)の終わりに、関連付けられた前記硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料がない、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記N個の障壁部材の各々は、前記第1の表面によって表わされる平均レベルを、少なくとも2μm、または多くて150μm、または少なくとも2μmかつ多くて150μm超えて突出する突起を形成する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記障壁部材上の前記硬化可能材料についての接触角は、多くて45°になる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記硬化可能材料は、それを加熱すること、およびそれに電磁放射を照射することのうちの一方または双方によって硬化可能である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記N個の第1の素子の各々は光学素子である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1および第2の部分表面は縁で隣接しており、前記第1の部分表面は、ステップe)の終わりに、関連付けられた前記硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料によって前記縁まで覆われる、請求項5に記載の方法。
【請求項11】
関連付けられた前記硬化可能材料のそれぞれの第1の量を硬化させて、前記障壁部材のうちの関連付けられた1つによって横方向に包囲された前記第1の素子のうちの1つを各々形成するステップを含む、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は一般にウェーハレベル製造方法の分野に関し、特に、1つ以上の部品が基板に取付けられた装置の製造に関する。ある特定の視点では、それはマイクロ光学の分野に関する。別の特定の視点では、それは複製方法に、特にエンボス加工タイプのプロセスに関する。この発明は、請求項の冒頭部に記載の方法に、およびそのように生成された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
用語の定義
「能動光学部品」:光を感知する、または光を放射する部品。たとえば、フォトダイオード、フォトダイオードアレイ、画像センサ、LED、OLED、レーザーチップ。能動光学部品は、むき出しのダイとして、またはパッケージ化されて、すなわちパッケージ化部品として存在し得る。
【0003】
「受動光学部品」:屈折および/または回折および/または(内部および/または外部)反射によって光の方向を変える光学部品。たとえば、レンズ、プリズム、別の回折または屈折構造、ミラー、または光学系など。光学系は、開口紋り、画像スクリーン、ホルダーなどの機械的要素もおそらく含む、そのような光学部品の集合体である。
【0004】
「光電子モジュール」:少なくとも1つの能動光学部品と少なくとも1つの受動光学部品とを含む部品。
【0005】
「複製」:所与の構造またはその反転物(negative)を再生する手法。たとえば、エッチング、エンボス加工(刻印づけ)、鋳造、成型。
【0006】
「ウェーハ」:実質的に円盤またはプレート状に成形されたアイテムであり、一方向(z方向、すなわち垂直方向、すなわち積層方向)におけるその延長は、他の二方向(x方向およびy方向、すなわち横方向)におけるその延長に対して小さい。通常、(非ブランク)ウェーハ上には、複数の類似構造またはアイテムが、典型的には矩形の格子状にそこに配置され、または設けられる。ウェーハは開口部または穴を有していてもよく、ウェーハはさらに、その横方向区域の主要部分に材料がなくてもよい。ウェーハは任意の横方向形状を有していてもよく、丸い形状および矩形形状が非常に一般的である。多くの文脈では、ウェーハは一般に半導体材料で作られると理解されているが、本特許出願では、これは明らかに限定ではない。したがって、ウェーハは一般に、たとえば半導体材料、ポリマー材料、金属とポリマーとを含む、またはポリマーとガラス材料とを含む複合材料から作られてもよい。特に、熱またはUV硬化性ポリマーなどの硬化可能材料は、提示された発明に関連する興味深いウェーハ材料である。
【0007】
「横方向」:「ウェーハ」参照。
「垂直」:「ウェーハ」参照。
【0008】
「光」:最も一般的には、電磁放射、より特定的には、電磁スペクトルの赤外線部分、可視部分、または紫外線部分の電磁放射。
【0009】
EP1 837 165 A1から、オーバーフロー体積を有するツールが使用される、光学素子を成型するための方法が公知である。複製材料の流れを制御することになっているさまざま種類のそのようなツールが、そこに記載されている。
【0010】
WO2009/076 786には、スペーサを基板に取付ける方法が開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、厳しいスペース制約下で基板上に光学素子を生成できるようにしたいという要望から生じた。小型化、および基板面積当たりますます多くの機能性を提供する必要性は、マイクロ光学だけでなく、マイクロ電子工学、マイクロ機械学およびマイクロ流体工学といった他の分野においても重要な問題である。加えて、素子または部品、たとえば光学素子が大量生産で生成されることになっている場合、好適な歩留り、ひいては効率的な製造プロセスを達成するために、高いプロセス安定性に到達しなければならない。
【0012】
特に、素子または部品、たとえばレンズ素子などの光学素子は、別のアイテムに、たとえば、別の光学素子に、もしくは、2つのウェーハまたは基板を明確に定義された相互距離で保つためのスペーサの一部に接近して位置することになっている、ということが起こり得る。より特定的には、そのような素子または部品は、エンボス加工タイプのプロセスを使用して製造されてもよく、その場合、基板上に素子または部品を製造するために複製ツールが使用される。そして、そのようなエンボス加工タイプのプロセスでは、素子または部品自体に最終的に存在するものよりも多くの複製材料が使用される、ということが提供され得る。特に、そのようなエンボス加工タイプのプロセスでは、素子または部品と、加えて、その素子または部品の周りに存在する包囲部分とを含む、その素子または部品を生成することが可能である。追加量の複製材料(過剰の複製材料)および包囲部分をそれぞれを提供する1つの理由は、複製材料が複製ツールと基板との間に(典型的にはそれらのうちの一方または双方に)施される分注プロセスの精度が限られている、ということである。そしてさらに、包囲部分は、エンボス加工プロセス中の複製材料の流れを制御することに可能にできる。過剰の複製材料の提供は、素子または部品における空隙の形成の防止に寄与できる。
【0013】
エンボス加工タイプのプロセスを使用する基板上への光学素子のウェーハレベル製造に関する上述の状況を考慮して、発明者らは、光学素子のエンボス加工タイプの製造中の複製材料の流れ制御が、その流れを制御するために基板上にすでに存在する1つ以上の光学素子を使用することによって達成できると認識した。特に、基板上にすでに存在する1つ以上の光学素子は、同じくエンボス加工タイプの複製プロセスを使用して製造された光学素子であってもよく、包囲部分を各々有していてもよい。そして、これらの包囲部分のそれぞれは、次のステップで製造された他の光学素子のそれぞれの流れを制御するための流れ制御要素として、または、より特定的には障壁部材として機能することができる。
【0014】
しかしながら、次に発明者らは、障壁部材は必ずしも、他の光学素子の複製前に基板上に存在する光学構造である必要はなく、より一般的には、以前より基板上に存在するあらゆる構造または構造部材であってもよい、ということに気づいた。特に、障壁部材は、基板上に存在する何らかの突起または隆起であってもよく、またはそれを少なくとも含んでいてもよい。しかしながら、発明者らは他方で、流れ制御のための障壁部材として基板のくぼみまたはトレンチを使用することも可能であろう、ということに気づいた。
【0015】
障壁部材による想定された流れ制御の重要な目標は、流動可能材料が、それが存在すべきではない基板上の領域へと拡がることを防止することである。たとえば、流動可能材料は、基板上にすでに存在する別のアイテムを覆うべきではない(または許容できる部分しか覆うべきではない)。これは、たとえば、問題となっているエンボス加工プロセスに先立って、光学素子が基板上にすでに存在し、基板はレンズ素子などの光学素子と(たとえ
ば上述のような)包囲部分とを含み、前記光学素子は、他の光学素子を作り出す際に使用される流動可能材料(複製材料)がないままでなければならないといった場合に当てはまり得る。もしくは、基板と光学素子とを含む装置において、光学素子が基板上に位置付けられるべき場所の近くに光路が規定され、その光路は、他の光学素子を作り出す際に使用される流動可能材料(複製材料)がないままとなるべきである。もしくは、機械的理由により、たとえば、基板表面への他のアイテムの機械的接触または接近または取付けを機械的干渉なく可能にするために、いくつかの区域は複製材料がないままとなるべきである。もしくは、光学的理由により、または表面的外観のために、または審美的理由により、基板の一部は複製材料がないままでなければならない。
【0016】
そしてさらに、発明者らは、障壁部材を流れ制御に使用することは、基板上に素子または部品を複製によって(より特定的にはエンボス加工によって)製造する場合だけでなく、素子(部品であってもよい)が流動可能材料を使用して基板に施されるべき場合はいつでも有用であり得る、ということに気づいた。たとえば、そのような素子は、光学素子、能動光学部品、受動光学部品であってもよく、それはまた、別のウェーハまたはその一部であってもよい。そして、光学またはマイクロ光学の分野を超えて視野を拡大すると、基板に施されるべき素子は、たとえば、マイクロ電子部品、またはマイクロ流体部品、たとえば流体ガイドまたはパイプまたはマイクロバルブなどであってもよい。
【0017】
そしてこのため、素子を基板に施すために使用される流動可能材料は、硬化性エポキシなどの複製材料であってもよいだけではなく、たとえば、のりなどの接合材であってもよい(接合材またはのりも硬化性エポキシであってもよい)。
【0018】
上述の先行技術文献EP1 837 165 A1から、特定の種類の複製ツールを提供することによってある種の流れ制御を複製で提供することが公知であるが、発明者らは、特定の種類の(特に予め調整された)基板が所望の流れ制御の達成を可能にできることに気づいた。より特定的には、障壁部材は、たとえば、予め成形された基板の形状構成によって、または以前に基板に施された部材によって提供されてもよく、その部材は、障壁部材という唯一の機能を有していてもよく、または、追加の機能を有していてもよい。特に障壁部材が追加の機能を果たさない場合、それは表面に複製プロセスで、たとえばエンボス加工タイプのプロセスで、または分注プロセスで施されてもよい。障壁部材が流れの制御に加えて1つ以上の機能を有する場合、障壁部材は、たとえば、光学部品、電気光学部品、電子部品、機械部品、電気機械部品、マイクロ流体部品、またはさらに別の部品であってもよい。
【0019】
そしてさらに、たとえば、上述のように、複製、特にエンボス加工によって素子を生成する場合のように、素子は同時に作り出され、基板に施される、ということが提供されてもよい。このため、素子は流動可能材料自体によって(通常、その硬化後に)構成される、ということが提供され得る。または、それに代えて、素子は予め作製され、たとえば接着剤を使用して単に基板に施されてもよく、たとえば、素子は(予め作製された)バルク光学部品、または能動光学部品、たとえばLEDまたはフォトダイオードなどである。したがって、素子は、流動可能材料とは(同様にその硬化後に)別個のものである。たとえば、後者の場合、または他の態様で素子が基板に電気的に接続されるべき場合、流動可能材料は、たとえばマイクロ電子機器で使用されるもののような、導電性のりなどの導電性材料であってもよい。
【0020】
上述の流動可能材料は通常、硬化可能材料であると意図されている。その材料は固化可能であり、その場合、それは流動可能状態から硬化または固化状態に変換され、何らかの塑性変形能はおそらくその状態のままであるかもしれない。
【0021】
材料からエネルギーを抽出することによって、特に材料を冷却することによって硬化され得る材料は多数あるが、発明者らはむしろ、エネルギーの導入を介して硬化され得る材料の使用を想定している。特に、想定される硬化可能材料は、それを加熱すること、およびそれに電磁放射、特に光、より特定的にはUV光を照射することのうちの一方または双方によって硬化可能であってもよい。そのような材料は、当該技術分野において、たとえばエポキシ樹脂または他のポリマーベースの材料の形で、特に硬化性ポリマーベースの材料の形で公知である。
【0022】
硬化後、素子は通常、硬化可能材料により基板に付着するであろう。そして、これは通常、素子が本質的に(硬化状態の)硬化可能材料から構成されているか、または素子が(硬化状態の)硬化可能材料とは別個のものであるかどうかに関わらず、当てはまる。
【0023】
さらに、障壁部材の材料(より特定的には、その表面での材料)が(流動可能状態の)硬化可能材料によって(かなり十分)濡らされ得る、ということを提供することは、さまざまな用途にとって有利かもしれない。これは、たとえば、(流動可能状態の)対応するはんだ材料によって濡らされないように設計されたはんだマスクとは対照的である。より特定的には、典型的な用途については、(障壁部材および硬化可能材料それぞれの)材料は、硬化可能材料と障壁部材の材料(より特定的には、その表面での材料)との間の接触角が90°未満、またはむしろ45°未満、特に30°未満、より特定的には22°未満であるように選択される。障壁部材が予め成形された基板の形状構成によって提供される場合、引用された接触角は、(流動可能状態の)硬化可能材料と基板の表面との間の界面について当てはまる。
【0024】
加えて、障壁部材の特定の断面形状は、硬化可能材料の(それを硬化させる前の)流れを制御する上で、またはより特定的には、障壁部材の(すぐ)向こう側に位置する基板の表面の一部上への硬化可能材料の流れを阻止するために、特に効率的であり得る。そのような断面形状について、以下にさらに説明する。
【0025】
マイクロ電子機器パッケージングから、マイクロ電子部品を封入するためのある特定の方法が「ダム・アンド・フィル」(dam and fill)として公知である。ダム・アンド・フィル・プロセスでは、封入されるべきマイクロ電子部品は(通常、目標位置で)基板上に搭載され、そうして初めて、流動可能材料が、搭載された部品の周りで基板上に形成された閉ループダム内に施される。流動可能材料(封入材料)によって、部品はこのように封入される。部品はその場合、硬化可能材料(封入材料)によって(あらゆる側から)完全に覆われる。
【0026】
しかしながら、発明者らは主として、硬化可能材料によってそれぞれの部品を完全には覆わないことを想定している。むしろ、基板に施されるべき部品の面積の少なくとも60%、またはむしろ少なくとも80%に、硬化可能材料がないようにすることが想定され、それは、基板の上面図、すなわち、基板の表面に向かって直交する、それぞれの部品の図において見える、それぞれの部品の上面の面積を指す。多くの場合、前記面積の少なくとも90%、または実質的にすべてに、硬化可能材料がない。これらの数字は、予め作製された部品が基板に施されるべき場合に特に当てはまる。
【0027】
しかしながら、発明者らはさらに、基板に施されるべき素子を横方向に完全には包囲せず、特に閉ループ形状を表わさない障壁部材を有することを、さまざまな用途について想定している。たとえば、障壁部材により、硬化可能材料の流れを特定の方向でのみ制限または阻止しなければならない場合、たとえば、(短い)曲線または直線区分の形状を有する障壁部材を提供することが十分であり得る。しかしながら、たとえば、障壁部材が、複製によって(特にエンボス加工によって)作り出される光学構造の包囲部分としてより詳
細に別記されるものである場合、基板に施されるべき素子を横方向に完全に包囲する閉ループ形状も提供されてもよい。
【0028】
いくつかの用途については、基板に施されるべき素子を横方向に完全に包囲する障壁部材を有することが有利かもしれない。このように、基板上に任意の(横)方向に存在するアイテムは、障壁部材により、硬化可能材料によって(完全にまたは部分的に)覆われないように保護され得る。なお、横方向の包囲は、連続的な方法だけでなく、非連続的な方法でも遂行されてもよい。障壁部材は、たとえば、互いに(相互)接近しているいくつかのへこみまたは突起から構成されてもよい。
【0029】
この発明への特定の視点では、この発明は、基板の第1の表面に存在する障壁部材を、素子、特に光学素子を第1の表面上に生成するためのエンボス加工タイプの複製プロセス中に障壁部材に横切る流動可能状態の硬化可能材料(より特定的には、複製材料)の流れに対する障壁として使用することに関与し、特に、障壁部材は、硬化可能材料が第1の表面と接触させられる前にすでに第1の表面に存在している。通常、流れは障壁部材で止められるものとする。
【0030】
この発明の1つの目的は、特にウェーハレベルで、硬化可能材料を使用して素子を基板に施す代替的な方法を作り出すことである。特に、第1の素子を基板の第1の側に施すためのそれぞれの方法が提供されるものとする。そして加えて、特定の第1の素子が存在する基板区分を含む装置を製造するための方法が提供されるものとする。そしてさらに、対応する基板および装置が提供されるものとする。
【0031】
この発明の別の目的は、硬化可能材料を使用して素子を基板に施す場合に、基板上に存在するアイテムが硬化可能材料によって(少なくとも部分的に)覆われないように保護する代替的な方法を作り出すことである。
【0032】
この発明の別の目的は、基板に施された素子でウェーハの特に高い密度を達成する方法を作り出すことである。
【0033】
この発明の別の目的は、基板上に特に密集した素子を達成する方法を作り出すことである。
【0034】
この発明の別の目的は、特に小さい設置面積を有する、基板上に存在する素子または構造を提供する方法を作り出すことである。
【0035】
この発明の別の目的は、特定的に調整され、特に基板上に存在するさらなるアイテムまたは構造に鑑みて調整される設置面積を有する、基板上に存在する素子または構造を提供する方法を作り出すことである。
【0036】
この発明の別の目的は、ウェーハレベル大量生産で上述の目的のうちの1つ以上を達成する方法、より特定的には、製造プロセスの高効率を同時に達成する方法を作り出すことである。
【0037】
この発明の別の目的は、次に異なるまたは類似した素子または構造を基板上に提供する新しい方法を提供することである。
【0038】
さらなる目的は、以下の説明および実施形態から生じる。
これらの目的のうちの少なくとも1つは、特許請求項に記載の装置および方法によって少なくとも部分的に達成される。
【0039】
特に、この発明は、N(≧2)個の第1の素子を基板の第1の側に施すためのウェーハレベル方法であって、基板は第1の側に第1の表面を有する、方法を含んでいてもよい。そして、この方法は、
a)基板を提供するステップを含み、第1の側には少なくともN個の障壁部材が存在し、N個の障壁部材の各々は、N個の第1の素子のうちの1つに関連付けられ、
N個の第1の素子の各々について、この方法はさらに、
b)流動可能状態の硬化可能材料のそれぞれの第1の量を第1の表面と接触させるステップを含み、硬化可能材料のそれぞれの第1の量は、それぞれの第1の素子に関連付けられ、この方法はさらに、
c)関連付けられたそれぞれの障壁部材によって、第1の表面上での関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の流れを制御するステップと、
d)関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量を硬化させるステップと、を含み、
N個の第1の素子の各々について、ステップd)で、第1の表面とそれぞれの第1の素子との間の相互接続が作り出される。
【0040】
このように、硬化可能材料によって覆われる第1の表面の領域を制御することができ、特に、硬化可能材料によって覆われるべきではない第1の表面の領域を、規定された方法で硬化可能材料によって覆われないように保つことができる。
【0041】
この方法はまた、装置を製造するためのウェーハレベル方法と考えられてもよく、その装置では、N(≧2)個の第1の素子が基板の第1の側に施される。そして、基板は第1の側に第1の表面を有する。そして、この方法は上述のステップを含む。
【0042】
Nは正の整数であると意図されており、典型的には少なくとも10、または少なくとも30、またはさらには少なくとも80になる。
【0043】
基板は通常、ウェーハである。
基板は通常、固体であり、および/または寸法安定性がある。
【0044】
基板は、特に予め成形された基板の場合、主として、たとえば複製材料などのポリマーベースの材料で作ることができる。それは、特に第1の素子が光学素子である場合、少なくとも部分的に透明であってもよい。たとえば、基板は、少なくとも1個の不透明部分と、少なくとも1個、典型的に少なくともN個の透明部分とを含んでいてもよく、それらは横方向に規定された部分であり、さらに、1個以上の透明部分は通常、少なくとも1個の不透明部分によって横方向に完全に包囲される。
【0045】
基板は、実質的に、または少なくとも部分的にガラスで作られてもよい。
N個の第1の素子(ならびに関連付けられた障壁部材および硬化可能材料の量)の各々について、ステップa)、b)、c)、d)が、示された順に実行される、ということが特に提供され得る。
【0046】
ステップb)は通常、(各第1の素子について)ほんの一瞬だけ起こる。
ステップb)では、N個の第1の量の各々は通常、第1の表面の異なる区分で第1の表面と接触させられる。
【0047】
ステップb)は、N個の第1の量の硬化可能材料について、異なる時間に、ひいては順次起こってもよい。しかしながら、それはまた、実質的に同時に起こってもよい。
【0048】
この方法は通常、N個の第1の素子の各々について(および典型的にはそれぞれのステップb)で始まって)、流動可能状態の硬化可能材料の第1の量を第1の側に、通常異なる区分に施すステップを含む。
【0049】
ステップc)の間(および通常、ステップb)の間も)、硬化可能材料のそれぞれの第1の量は、流動可能状態で存在する。
【0050】
通常、ステップc)では、硬化可能材料はそれぞれの障壁部材と接触し、それを部分的に覆う。
【0051】
ステップc)は通常、硬化可能材料の第1の量の別々のものについて、重複する時間間隔で起こる。しかしながら、ステップc)は、N個の第1の素子の別々のものについて連続的に実行される、ということも提供され得る。
【0052】
通常、ステップd)では、それぞれの第1の素子と第1の表面との間の耐久性のある(永続的な)相互接続が作り出される。その相互接続は、基板上または基板のある区分上に存在する第1の素子が装置に組込まれ、または装置の一部になった後まで続くように意図されており、特に、装置はハウジングを含み、第1の素子はその場合、ハウジングの内部に存在する。
【0053】
通常、N個の第1の素子の各々について、第1の表面からの(または第1の表面によって表わされる平均レベルからの)それぞれの第1の素子の垂直方向延長は、第1の表面からの(または第1の表面によって表わされる平均レベルからの)関連付けられた障壁部材の垂直方向延長を上回る。
【0054】
N個の第1の素子の別々のものについて別々の時間にステップd)を実行することが可能であったとしても、特に時間節約のために、N個の第1の素子すべてについてステップd)を同時に実行することが好まれる場合がある。
【0055】
典型的には、ステップc)は、N個の第1の素子の各々について、関連付けられたそれぞれの少なくとも1つの障壁部材が、前記少なくとも1つの障壁部材の(すぐ)向こう側に位置する第1の表面の一部上への硬化可能材料の(関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の)流れを阻止することを含む。ここで、「前記少なくとも1つの障壁部材の(すぐ)向こう側に位置する第1の表面の一部」という句は、より特定的には、特定の第1の点および特定の第2の点を通過する線上に位置する第1の表面のある区分を指し、または当該区分を含んでいてもよい。ここで、第1の点は、それぞれの第1の素子の連続的設置面積の中心点(特に前記連続的設置面積の質量中心)であり、第2の点は、関連付けられたそれぞれの障壁部材の(連続的)設置面積の中心点(特に前記障壁部材の前記設置面積の質量中心)である。そして、特定の第2の点は、特定の第1の点と前記区分との間に位置する。
【0056】
通常、N個の障壁部材の各々は、第1の表面上の関連付けられた第1の素子の設置面積と、硬化可能材料がないままとなるべき表面の一部との間に、横方向に存在する。たとえば、別の素子(第2の素子、たとえば光学素子、受動光学部品、能動光学部品)が第1の表面上のそこに存在していてもよく、または、基板の透明部分がそこに存在していてもよい。基板の透明部分は、第1の素子と基板とを含む装置において、および当該装置によって規定された光路のある区分を構成する。
【0057】
本特許出願全体にわたって使用される「第1の素子」という用語は、第2の素子が必ず存在しなければならないということを暗示しないものとする。しかしながら、それは、現
在言及されている素子を、本特許出願で述べられた他の「素子」から区別し、ひいては説明をより明らかにするのに役立つものとする。
【0058】
ステップc)は、少なくとも1つの障壁部材が、硬化可能材料のそのような流れを阻止することを含み、それは、硬化可能材料が障壁部材を横方向に完全に包囲することをもたらすであろう、ということが提供されてもよい。
【0059】
そして特に、N個の第1の素子の各々について、関連付けられた少なくとも1つの障壁部材は、関連付けられた硬化可能材料の第1の量を横方向に完全に包囲する、ということが提供されてもよい。これは、特にそれぞれの第1の素子の周りの多くのまたはあらゆる方向においてスペース制約がある場合、特に好適であり得る。
【0060】
通常、少なくとも1つの障壁部材は、第1の表面上の関連付けられた第1の素子の設置面積の外部に存在する、ということが提供される。言い換えれば、少なくとも1つの障壁部材とその関連付けられた第1の素子とは、(横方向)重複がない。
【0061】
一実施形態では、この方法は、N(≧2)個の第1の素子を、それぞれの目標位置で各々、基板の第1の側に施すことを指し、N個の第1の素子の各々について、
− ステップb)の間、それぞれの第1の素子は、それぞれの目標位置とは異なる位置にあり、
− ステップd)で、それぞれの目標位置で第1の表面とそれぞれの第1の素子との間の相互接続が作り出される、
ということが当てはまる。
【0062】
目標位置は、3次元的に規定された(横方向に、および垂直方向に規定された)位置であると意図されている。
【0063】
これは、最初に、封入されるべきアイテムが(その目標位置で)基板に取付けられ、そうして初めて、流動可能な封入材料が施されるダム・アンド・フィル封入プロセスで行なわれることとは対照的である。
【0064】
おそらく起こる次のダイシング(分離)ステップの間、N個の第1の素子の各々は、そのそれぞれの目標位置で基板と相互接続される(相互接続されたままである)。
【0065】
一実施形態では、障壁部材上の硬化可能材料についての接触角は、多くて90°、特に多くて45°、より特定的には多くて30°になる。そのような場合、障壁部材材料の比較的良好な濡れが起こり、それは、たとえばマイクロ電子機器プリント回路基板アセンブリ製造から公知であるはんだマスクプロセスとは対照的である。後者の場合、はんだマスクの材料は、はんだマスク材料の濡れを回避する目的で選択され、それは、硬化可能材料が障壁部材を部分的に覆ってもよい、またはさらには部分的に覆うようになっている本実施形態とは対照的である。
【0066】
一実施形態では、エネルギーを硬化可能材料に、それを硬化するために、またはそれをその流動可能状態から固化状態に変換するために印加する。そして通常、硬化プロセス、たとえば硬くするステップで化学反応を受ける硬化可能材料を選択する。そしてより特定的には、エネルギーを硬化可能材料に、それが前記化学反応を受けることを達成するために印加しなければならない。
【0067】
ダム・アンド・フィル・プロセスでは通常、第1の素子全体が硬化可能(封入)材料によって覆われるが、この発明ではむしろ、これを避けてむしろその代わりに、N個の第1
の素子の各々について、ステップc)は、ステップd)の終わりに、それぞれの第1の素子の上面面積の少なくとも60%、特に少なくとも80%に、硬化可能材料のそれぞれの第1の量の材料がないように実行される、ということを提供することが想定される。特に、上面面積は、それぞれの第1の素子の上面の面積であり、上面は、基板の第1の表面に直交する方向から第1の素子を見た場合に見える第1の素子の表面によって構成される、ということがこの発明で定義されていてもよい。
【0068】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− ステップb)が実行される前に第1の表面で複製された複製構造であり、特に、複製構造はエンボス加工タイプのプロセスを使用して複製され、より特定的には、複製構造は、光学素子と、加えて、光学素子を少なくとも部分的に包囲する包囲部分とを含む、複製構造
であってもよく、または、当該複製構造によって提供されてもよい。
【0069】
これは、特に複製構造がどのみち基板上に存在すべき場合、特に好適であり得る。さらに、複製は、ウェーハレベルでの大量生産にとって特に好適な方法である。
【0070】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− ステップb)が実行される前に第1の表面において複製された複製構造の包囲部分であり、複製構造は、包囲部分に加えて、素子、特に光学素子を含み、包囲部分は素子を横方向に少なくとも部分的に包囲し、特に、複製構造はエンボス加工タイプのプロセスを使用して複製される、複製構造の包囲部分
であってもよく、または、当該複製構造の包囲部分によって提供されてもよい。
【0071】
これも、特に前記複製構造がどのみち基板上に存在すべき場合、特に好適であり得る。そして、複製は、ウェーハレベルでの大量生産にとって特に好適な方法である。
【0072】
そして、障壁部材として包囲部分を使用することは、多大なスペース節約を可能にすることができる。
【0073】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 第1の表面によって表わされる平均レベルを超えて突出する突起
であってもよく、または、当該突起によって提供されてもよい。
【0074】
たとえば、隆起、突出部、上昇部が障壁部材として提供されてもよい。
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 第1の表面によって表わされる平均レベルよりも下で延在する、基板の第1の側におけるくぼみ
であってもよく、または、当該くぼみによって提供されてもよい。
【0075】
たとえば、トレンチ、溝、ひだ、または下降部が障壁部材として提供されてもよい。
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 複製方法、特にエンボス加工タイプのプロセスを使用して、第1の表面上に形成された構造
であってもよく、または、当該構造によって提供されてもよい。
【0076】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 分注方法を使用して、特にディスペンサーを使用して、第1の表面上に形成された構造
であってもよく、または、当該構造によって提供されてもよい。
【0077】
たとえば、障壁部材を提供するように、隆起および他の突出構造が第1の表面上に分注されてもよい。
【0078】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 第1の表面に接合されたアイテム、特に、第1の表面に接合された、特に接合材を使用して第1の表面に接合された予め作製されたアイテム
であってもよく、または、当該アイテムによって提供されてもよい。
【0079】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 基板から材料を除去すること、特に、基板から材料を除去するためにレーザービームを使用すること、より特定的にはレーザーアブレーションによって、第1の表面に形成された構造
であってもよく、または、当該構造によって提供されてもよい。
【0080】
たとえばトレンチ、溝などが、このように生成されてもよい。
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− エッチングステップまたはリフトオフステップを有するフォトリソグラフィ法を使用して、特にレーザーリソグラフィ法を使用して、第1の表面に形成された構造
であってもよく、または、当該構造によって提供されてもよい。
【0081】
第1の表面に突起および/またはくぼみを、もしくはさらには突起およびくぼみを両方含む構造を生成するために、エッチングステップまたはリフトオフステップを有するリソグラフィ法を使用してもよい。たとえば、基板におけるくぼみは、基板材料の選択的エッチングによって生成されてもよく、基板上の(より特定的には第1の表面上の)突起は、たとえば、第1の表面に存在するフォトレジスト材料を予め規定された領域に残しつつ、それを他の領域で基板から除去することによって生成されてもよい。
【0082】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 機械加工、特にフライス加工を使用して、たとえばフライス盤を使用して、第1の表面に形成された構造
であってもよく、または、当該構造によって提供されてもよい。たとえば、基板から、または基板の材料を選択的に除去するために、フライス盤を使用してもよい。
【0083】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− ソー、特にダイシングソーを使用して、第1の表面に形成された構造
であってもよく、または、当該構造によって提供されてもよい。
【0084】
たとえば、基板を別々のアイテムに分割するためにダイシングソーを使用する代わりに、基板にトレンチまたは溝または突起を作り出すためにそれを使用することもできる。
【0085】
少なくともN個の障壁部材の各々は、
− 基板の残りの少なくとも主要な部分と一体的に形成された、第1の基板での構造的形状構成であり、特に、基板は、複製手法、特にエンボス加工タイプまたは成型タイプの複製手法を使用して製造される、構造的形状構成
であってもよく、または、当該構造的形状構成によって提供されてもよい。
【0086】
このように、好適な基板が予め作製されてもよい。複製手法を使用することによってそうすることは、大量生産にとって特に好適であり得る。
【0087】
N個の第1の素子の各々は、
− ステップb)、c)およびd)を含む第1の表面で複製された複製構造であり、特に、複製構造はエンボス加工タイプのプロセスを使用して複製され、より特定的には、複製構造は、光学素子と、加えて、光学素子を少なくとも部分的に包囲する包囲部分とを含む、複製構造
であってもよく、または、当該複製構造の1つ以上を含んでいてもよい。
【0088】
このように、通常、第1の素子と基板とを互いに相互接続するために、追加の接合ステップを実行する必要はない。
【0089】
より特定的には、この方法は、N個の第1の素子の各々について、
r)エンボス加工タイプの複製方法によって第1の表面で第1の素子を生成するステップ
を含んでいてもよく、ステップr)はさらに、
r1)硬化可能材料の第1の量の少なくとも一部を成形するために複製ツールを使用するステップと、
r2)ステップ)の間または後に、硬化可能材料の第1の量から複製ツールを除去するステップと、
を含んでいてもよい。
【0090】
ステップr)は通常、ステップb)が起こった後に実行される。
第1の素子の各々はこの場合、光学素子などの機能的素子と、加えて、機能的素子を横方向に包囲する包囲部分とを含む、一体的に形成された部品を形成してもよい。第1の素子の機能的素子と包囲部分との双方はこのように、全く同一のプロセスで、少なくとも実質的に同じ材料から生成されてもよい。
【0091】
本特許出願で述べられる他の複製アイテムも、硬化可能材料の第1の量の少なくとも一部を成形するために複製ツールを使用するステップと、硬化中または硬化後に硬化可能材料の第1の量から複製ツールを除去するステップとを含んで、製造されてもよい。
【0092】
N個の第1の素子の各々は、
− 第1の表面に接合されるべきアイテム、特に、第1の表面に接合されるべき、特に接合材を使用して第1の表面に接合されるべき予め作製されたアイテム、たとえば予め作製されたバルク光学部品
であってもよく、または、当該アイテムを含んでいてもよい。
【0093】
硬化可能材料はこのため、前記接合材であってもよい。
N個の第1の素子の各々は、
− マイクロ光学部品、特に透明のマイクロ光学部品
であってもよく、または、当該マイクロ光学部品を含んでいてもよい。
【0094】
N個の第1の素子の各々は、
− 受動光学部品、特にレンズ素子
であってもよく、または、当該受動光学部品を含んでいてもよい。
【0095】
N個の第1の素子の各々は、
− 能動光学部品
であってもよく、または、当該能動光学部品を含んでいてもよい。
【0096】
N個の第1の素子の各々は、
− 電子部品
であってもよく、または、当該電子部品を含んでいてもよい。
【0097】
N個の第1の素子の各々は、
− 発光素子、特にLED、OLED、レーザーダイオード
であってもよく、または、当該発光素子を含んでいてもよい。
【0098】
N個の第1の素子の各々は、
− 光検出素子、特にフォトダイオードまたは光検出器アレイ
であってもよく、または、当該光検出素子を含んでいてもよい。光検出器アレイは、特に、2次元光検出器アレイ、または1次元光検出器アレイであってもよい。
【0099】
N個の第1の素子の各々は、
− マイクロ機械部品
であってもよく、または、当該マイクロ機械部品を含んでいてもよい。
【0100】
N個の第1の素子の各々は、
− マイクロ流体部品
であってもよく、または、当該マイクロ流体部品を含んでいてもよい。
【0101】
N個の第1の素子の各々は、
− ウェーハの一部、特にスペーサウェーハの少なくとも1つの接触支持棒
であってもよく、または、当該ウェーハの一部を含んでいてもよい。
【0102】
たとえば、光電子モジュールなどの装置の製造では、ウェーハ(特に、光学素子が存在するウェーハ)間の明確に定義された垂直距離を確立するために、スペーサがしばしば使用される。硬化可能材料(より特定的には、それは次に接合材になる)の流れを制御するために障壁部材が使用される場合、そのようなスペーサの接触支持棒は、さらなるアイテムに特に接近して位置付けられてもよい。
【0103】
一実施形態では、N個の障壁部材の各々は、第1の表面によって表わされる平均レベルを超えて突出する突起を含み、それぞれの突起は、ステップd)の終わりにその位置にあるそれぞれの第1の素子に向かって面し、もしくは、水平面に対して±35°内、またはむしろ±10°内に整列された第1の部分表面と、ステップd)の終わりにその位置にあるそれぞれの第1の素子から遠い方に面する第2の部分表面とを含む。そして、第1の部分表面は、ステップd)の終わりに、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料によって少なくとも部分的に(またはむしろ面積で50%を超えて)覆われ、第2の部分表面は、ステップd)の終わりに、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料がない。そして特に、第1の部分表面の面積の50%またはむしろ75%を超える部分が、ステップd)の終わりに、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料によって覆われる、ということが提供されてもよい。
【0104】
第2の部分表面は、鉛直面に対して少なくとも±30°内、または±10°内に整列されてもよい。
【0105】
第1および第2の部分表面は通常、互いに隣接している。
さらに、第1および第2の部分表面は縁で隣接しており、第1の部分表面は、ステップd)の終わりに、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料によって縁まで覆われる、ということが提供されてもよい。第1の部分表面はこの場合、前記硬化可能材料によって完全に覆われ得る。
【0106】
第1および第2の部分表面は特に、互いに対して角度をなしていてもよい。そして、この角度は通常、少なくとも230°、むしろ少なくとも275°、またはさらには少なくとも290°である。第1および第2の部分表面の一方または双方が平面ではない場合、平面の平均表面が、角度を求めるための基準として得られ、部分表面間に縁が形成される場合、その縁に近い平均表面が、角度を求めるための基準として得られる。
【0107】
このように、特に縁で、および縁のために、および/または部分表面間の大きい角度のために、硬化可能材料の流れを特に効果的に止めることができる。
【0108】
加えて、第1および第2の部分表面に互いに隣接するように、第1の部分表面に隣接する第3の部分表面が障壁部材に提供されてもよい。典型的には、中間の部分表面と第1の部分表面とが隣接するところに第1の縁が形成され、中間の部分表面と第2の部分表面とが隣接するところに第2の縁が形成される。この第2の縁が、上にさらに述べられた縁に対応する。
【0109】
たとえば、フォトレジスト材料を構造化することによって障壁部材を提供することによって遂行され得るこの場合、第1の部分表面および第3の部分表面は通常、ステップd)の終わりに、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料によって、少なくとも部分的に(通常完全に)、特に第2の縁まで覆われている。
【0110】
第1および第2の部分表面間の典型的な角度はすでに上述されており、そこを参照されたい。
【0111】
そして、第1の部分表面および第3の部分表面は、たとえば、互いに対して角度をなしていてもよく、この角度は通常、少なくとも230°、むしろ少なくとも260°である。第3および第1の部分表面の一方または双方が平面ではない場合、平面の平均表面が、角度を求めるための基準として得られる。
【0112】
一実施形態では、N個の障壁部材の各々は、第1の表面によって表わされる平均レベルを、少なくとも2μmおよび/または多くて150μm、特に4μm〜100μm超えて突出する突起を形成する。
【0113】
別の実施形態では、N個の障壁部材の各々は、第1の表面によって表わされる平均レベルよりも下で延在する、基板の第1の側でのくぼみを含み、それぞれのくぼみは、ステップd)の終わりにその位置にあるそれぞれの第1の素子から遠い方に面する第1の部分表面と、第2の部分表面とを含む。さらに、第1の部分表面は、ステップd)の終わりに、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料がなく、または当該硬化可能材料によってせいぜい部分的に覆われ、第2の部分表面は、ステップd)の終わりに、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料がない。
【0114】
特に、第1の部分表面は、縁が存在し得る境界(通常、基板の第1の表面との境界)を有し、ステップd)の終わりに、硬化可能材料の第1の量の材料が縁まで延在するものの、第1の部分表面は、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の硬化可能材料がない。
【0115】
さらに、第2の部分表面は、ステップd)の終わりにその位置にあるそれぞれの第1の
素子に向かって面していてもよく、または、水平面に対して±30°内に整列されてもよい。
【0116】
特定的には、第1の表面および第1の部分表面は、互いに対して角度をなしている、と
いうことが提供されてもよい。そして、この角度は通常、少なくとも230°、むしろ少なくとも275°、またはさらには少なくとも290°である。第1の部分表面が平面ではない場合、平面の平均表面が、角度を求めるための基準として得られ、第1の表面と第1の部分表面との間に縁が形成される場合、その縁に近い平均表面が、角度を求めるための基準として得られる。
【0117】
このように、たとえば縁で、および/または部分表面間の大きい角度のために、硬化可能材料の流れを特に効果的に止めることができる。
【0118】
一実施形態では、N個の障壁部材の各々は、第1の表面によって表わされる平均レベルよりも、少なくとも2μmおよび/または多くて150μm、特に4μm〜100μm下で延在する、基板の第1の側におけるくぼみを形成する。
【0119】
なお、上述のように、それぞれの障壁部材に縁を提供することが好まれ得る一方、他方では、ステップd)の終わりにそれぞれの第1の素子が(第1の表面上で)占める設置面積によって表わされた、第1の表面の横方向に規定された区分が、滑らかであること、および/または縁がないこと、および/または連続的に区別可能であることを提供することが好まれ得る。これは、ステップd)が始まる前の硬化可能材料の良好な流れを容易にするかもしれず、それはまた、第1の表面へのそれぞれの第1の素子の良好な接着をもたらすかもしれない。これはさらに、上述の第1の表面の横方向に規定された区分に当てはまるだけではなく、前記設置面積とそれぞれの障壁部材(または、より特定的には、それぞれの障壁部材の設置面積;または、さらにより特定的には、それぞれの障壁部材が第1の表面上で占める設置面積によって表わされた、第1の表面の横方向に規定された区分)との間に位置する第1の表面の部分についても当てはまり得る。
【0120】
上述の(滑らかである、または連続的に区別可能である)表面はさらに、(本質的に)平坦または平面であってもよい。
【0121】
この発明はまた、特定の第1の素子が存在する基板区分を含む装置を製造するための方法であって、前記方法は、ここに説明される方法のうちの1つに従って、N(≧2)個の第1の素子を基板の第1の側に施すステップを含み、N(≧2)個の第1の素子は特定の第1の素子を含み、基板は基板区分を含む、方法を含んでいてもよい。
【0122】
この方法はさらに、基板を複数の部品に分離するステップを含み、部品のうちの1つは、基板区分と、基板区分上に存在する特定の第1の素子とを含んでいてもよい。通常、分離するステップは、N個以上の分離された部品をもたらし、特にN個の部品の各々は、
− N個の第1の素子のうちの1つと、
− 関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの第1の量の少なくとも一部と、
− 基板の関連付けられた区分と、
を含み、それぞれの目標位置におけるそれぞれの第1の素子と、基板のそれぞれの関連付けられた区分とは、関連付けられた硬化可能材料のそれぞれの量のそれぞれの部分によって相互接続される。
【0123】
さらに、装置は、1つ以上のさらなる素子または部品、および、さらなる1つ以上のウェーハの1つ以上のウェーハ区分を含んでいてもよい。
【0124】
装置は、たとえば、
− 光電子モジュール;
− カメラモジュール;特に、複数の光学チャネルを有するカメラモジュール、より特定的にはアレイカメラモジュール;
− センサモジュール;
− 近接センサ、
のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0125】
装置はまた、たとえば、
− コンピューティング装置:
− 携帯電話;
− スマートフォン;
− スマートウォッチ;
− 無線通信装置;
− 写真装置;
− 車両、特に自動車;
− 個人用医療装置;
− スマート眼鏡;
のうちの少なくとも1つであってもよく、前述の装置の1つ以上は、これらの装置の一体化されたものである、ということが提供されてもよい。
【0126】
この発明はさらに、この発明に従った方法のためにここに説明される特徴を有する装置を含んでいてもよい。
【0127】
さらなる実施形態および利点は、従属請求項および図面から生じる。
以下に、この発明を、例および含まれる図面によってより詳細に説明する。図面は、非常に概略化された方法で以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0128】
図1】障壁部材を有する基板の断面図である。
図2】素子を基板に施すプロセス中の、図1の基板の断面図である。
図3】素子がその目標位置で取付けられた、図1および図2の基板の断面図である。
図4】ウェーハである素子を施すプロセス中の、図1の基板の断面図である。
図5】ウェーハがその目標位置で取付けられた、図1および図4の基板の断面図である。
図6】複製光学素子である素子を施すプロセス中の、図1の基板の断面図である。
図7】光学素子がその目標位置で基板上に存在する、図6の基板の断面図である。
図8】素子を基板上に複製することによって素子を基板上に施すことを示し、基板上に複製された別の素子によって障壁部材が提供される、断面図である。
図9】光電子モジュールであるウェーハレベル製造された装置を示す断面図である。
図10】基板と一体化された障壁部材上への材料の流れを示す断面図である。
図11】基板上に分注された障壁部材上への材料の流れを示す断面図である。
図12】基板のくぼみである障壁部材に向かう材料の流れを示す断面図である。
図13】基板上の素子および関連付けられた障壁部材ならびにさらなるアイテムの上面図である。
図14】基板上の素子および関連付けられた障壁部材ならびにさらなるアイテムの上面図である。
図15】基板上の素子および関連付けられた非連続的障壁部材ならびにさらなるアイテムの上面図である。
図16】フォトレジスト材料によって形成された障壁部材といった障壁部材上への材料の流れを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0129】
説明される実施形態は、例として意図されており、この発明を限定しないものとする。
提示された図面はすべて、強度に概略化されている。
【0130】
図1は、第1の側に第1の表面1aを有し、第2の側に第2の表面1bを有する基板1を、断面図で示す。基板1はウェーハであり、図1ではウェーハのほんの一部のみが見える。
【0131】
表面1aには障壁部材40があり、それは円または矩形などの閉ループ形状を表わしていてもよい。図13には、円形の閉ループを表わす障壁部材40が、上面図で示されている。
【0132】
基板1は、基板1の第1および第2の側と平行な方向である横方向を規定し、ひいては、横方向に直交する垂直方向も規定する。第1の表面1aの平均レベルを、1mと呼ぶ。
【0133】
障壁部材40は、第1の部分表面41と第2の部分表面42とを有し、それらは、図1の例では約320°になる角度αをなす。部分表面41、42は、図1に示すように、縁45で隣接していてもよい。
【0134】
特に、第2の部分表面42は、一般に突出する障壁部材40については、鉛直面に対して少なくとも±35°内に、またはむしろ±15°内に整列され得る。
【0135】
さらに、障壁部材40は、一般に突出する障壁部材40については、第1の表面によって表わされる平均レベルを、少なくとも2μmまたは少なくとも8μm、および/または多くて150μmまたは多くて80μm超えて突出し得る。
【0136】
図2は、素子10を基板1に施すプロセス中の図1の基板1を同じ断面図で示す。流動可能状態の硬化可能材料5(典型的には液体の硬化可能材料5)が、表面1a上に材料5のある量が存在するように、表面1aと接触させられている。硬化可能材料5は、たとえば熱硬化性および/またはUV硬化性の接着剤、たとえば熱硬化性および/またはUV硬化性のエポキシ樹脂であってもよい。障壁部材40が基板1上に存在する状態で、素子10は、図2の白い矢印によって示されるように材料5と接触させられる。
【0137】
図3には、素子10がその目標位置で基板1に取付けられた、図1および図2の基板が示されている。材料5は、素子10が基板1に永続的に固定されるように硬化される。障壁部材40の存在は、(硬化前の)材料5の流れが制御されることを引き起こす。特に、材料5は、障壁部材40を横切って流れないものとする。このように、障壁部材40の向こう側に存在する形状構成または素子またはあらゆる種類のアイテムは、材料5の一部にさらされず、および/または材料5の一部によって(部分的に)覆われない。したがって、障壁部材の使用は、基板上に特に高密度の素子を達成することを可能にし得る。
【0138】
なお、障壁部材40の部分表面41は、材料5によって少なくとも部分的に覆われる。たとえばはんだマスクなどの他の概念とは対照的に、これは望ましい効果であり、したがって、障壁部材40の材料と硬化可能材料5との間の接触角θはかなり低く、たとえば、図3の例に示すようにθ=14°である。
【0139】
さらに、素子10の上面18には材料5がまったくないということからも分かるように、素子を封入することは通常、意図されていない。
【0140】
なお、素子10が表面1aで存在する表面1aの領域(もちろん、材料5の一部が間に
ある)は滑らかで縁がなく、加えて、それは平面で本質的に平坦でもある。
【0141】
素子10は事実上、基板1に取付けられるべきあらゆる種類のアイテム、特に予め作製されたアイテム、たとえば、能動光学部品または受動光学部品、もしくは電子部品であってもよい。
【0142】
図4および図5は、それぞれ図2および図3と同様に、素子10がウエーハスケール基板などの拡張基板の一部である場合を示し、ウェーハスケール基板上には、素子がおそらく設けられ得る(あらかじめ組み立てられた素子)。素子10は、ウェーハまたはウェーハの一部であってもよい。ここでも、材料5が表面1aに施された後で、素子10はその目標位置にある(図5参照)。
【0143】
しかしながら、素子10を基板1に施すことは、たとえば図6に示すように、素子10が(全く同一のプロセスで)同時に生成され、表面1aに施される(または取付けられる)ような方法でも遂行され得る。
【0144】
図6も、素子10を施すプロセス中の図1の基板を示すものの、素子10は、エンボス加工タイプのプロセスで表面1a上に生成されるべき複製光学素子を含む。素子10の形状を少なくとも部分的に決定する複製ツール50が提供される。硬化可能材料5は、より特定的には複製材料であり、たとえば硬化性エポキシ樹脂である。材料5は、たとえば図6に示すように、複製ツール50に施されて、複製ツール50と基板1との間に施される。次に、複製ツール50は、白い矢印によって示されるように表面1aに近づけられ、またはさらには表面1aと接触させられる。
【0145】
複製ツール50が所定の位置にある状態で、材料5の硬化が開始され、またはさらには完了される。特に光学素子10がレンズなどの透明光学素子である場合、材料5は光学的に透明の材料であり、図6に示すように、基板1も、少なくとも部分的に透明であってもよい。透明性はもちろん、赤外光のみなど、電磁スペクトルの一部のみに対するものをおそらく指していてもよい。
【0146】
硬化可能材料5は、図6の例では素子10を構成する複製材料であるが、図2図3および図4図5の例では、それは単なる接着剤または接合材である。
【0147】
図7は、複製ツール50が除去され、材料5が完全に硬化した、図6の基板1を示す。この時点で素子10が生成され、その目標位置で基板1上に存在する(そして、基板1にしっかりと相互接続される)。
【0148】
エンボス加工タイプの複製プロセスでは、図7に示すように、レンズ素子などの機能的素子を構成する主要部分11と、加えて、主要部分11を横方向に完全に(または少なくとも部分的に)包囲する包囲部分12とを含む、素子が生成され得る。主要部分11と包囲部分12とは、全く同一のプロセスで、同じ材料から生成される。それらは、一体的に形成された部品(すなわち素子10)を構成する。通常、包囲部分12は特定の機能を有さず、たとえば光学的機能を有さず、単に主要部分11を製造する方法の結果に過ぎない。
【0149】
しかしながら、そのような包囲部分は、図8を参照して説明されるように、障壁部材として使用されてもよい。
【0150】
図8は、素子10を基板1上に複製することによって素子10を基板1上に施すことを示し、以前に基板1上に複製された別の素子20によって障壁部材40が提供される、断
面図である。
【0151】
したがって、初めに、エンボス加工タイプのプロセスを使用し、複製ツール(図示せず)と流動可能なおよび/または液体硬化可能な(複製)材料6とを使用して、素子20が基板1上に生成される。その素子20は、主要部分21と包囲部分22とを含む。包囲部分22は、互いに大きい角度をなし、縁45を形成する、2つの部分表面41、42を提供する。包囲部分22の特定の形状は基本的に、複製ツールの好適な設計から生じ、それはたとえば図6の複製ツール50の設計に対応し得る。部分表面4は複製ツールの表面の複製であり、一方、部分表面42はメニスカス形状を有し、それは、複製プロセスで使用される材料6の量によって、および材料特性によって、より特定的には材料6と複製ツールの材料との間の接触角によって、また、材料6と表面1aでの材料との間の接触角によって決定される。
【0152】
素子20、より特定的には包囲部分22、さらにより特定的には部分表面41、42(および縁45)は、次のプロセスのために、障壁部材40として機能してもよい。
【0153】
次のプロセスは、たとえばここでも、図8に示すような複製プロセス、より特定的にはエンボス加工プロセスであってもよい。図8は、複製ツール50によって形成された、表面1aに施された(複製)材料5についての硬化プロセスの初めの状況を示す。材料5(図8の点線を参照)は、黒い矢印によって示されるように、強制的に流される。その流れは、基板1上に前もってすでに存在する構造の包囲部分22によって提供された障壁部材40(上記を参照)によって制御され、止められる。材料5は、主要部分11と包囲部分12とを構成する。
【0154】
材料5を硬化した(特に硬くした)後で、2つの素子10、20が基板1上に存在し、それらは、たとえばレンズ素子を各々含み、互いに非常に接近している。それらのそれぞれの包囲部分12、22は、(横方向に)重複している。
【0155】
図9は、ダイシング前の、光電子モジュール100であるウェーハレベル製造された装置を示す断面図である。図示された事例では、障壁部材を流れ制御に使用して、さまざまな素子が異なる基板に施されている。より特定的には、基板1上で、硬化可能材料5(接合材)が、画像センサなどの素子10を基板1に接続するために、複製レンズ素子などの素子30を基板2に接続するために、ならびに、素子60を表わすスペーサウェーハを介して基板1および2を相互接続するために使用されている。
【0156】
それぞれの素子を施すことは、たとえば、上述の方法のうちの1つで遂行されてもよい。基板2は、光が通過できない不透明部分2bと、光が通過できる透明部分2tとを含む。
【0157】
図9に示すウェーハスタックを複数の個々の光電子モジュール100に分離した後で、後者は、スマートフォン、または写真装置、または別の光感知装置、または照明装置、またはさらに他の光学装置といった装置に組込まれ得る。図9では、分離線(ダイシングトラック)を9で示す。
【0158】
図10は、基板1と一体化された障壁部材40上への材料の流れの断面図である。障壁部材40は、複製構造の包囲部分によって構成された障壁部材について図8に示したものと同様の形状を有し、凹状に湾曲した第1の部分表面41を有する。しかしながら、図10に示すように、障壁部材を組込んだ、予め成形された基板1を提供することも可能である。特に、複製手法によって、たとえば成型またはエンボス加工によって、そのような予め成形された基板を生成することが可能である。
【0159】
図10の点線は、硬化可能材料5の表面を表わす。暗い矢印は、材料5の流れの方向を示す。図10から分かるように、部分表面41は材料5によって覆われる。そして、縁45は(特に、急勾配の、たとえば図示されるように垂直の表面42との組合せで)材料5の流れに対して特に強い障壁となる。かなりの量の材料5が存在し得るものの、材料5は依然として、部分表面42を濡らすこと、および障壁部材40を横切って向こう側に流れることがないように妨げられている。このため、材料5の流れは障壁部材40によって制御され、材料は特に図10に示す状態で硬化され得る。
【0160】
図11は、基板1上に分注された障壁部材40上への硬化可能材料5の流れの図である。この図は図10のものと同様であるが、この場合、基板1は予め成形されておらず(単なる平面である)、障壁部材40は(平面の)基板1の製造後に追加されたものである。基板1上に材料5を堆積させるために、ディスペンサー、たとえば、電子機器パッケージングのアンダーフィルプロセスで使用されるようなディスペンサーを使用することができる。
【0161】
図11に示す事例では、障壁部材40の部分表面41、42間に存在する縁はなく、または少なくとも明らかな縁はない。しかしながら、それらの互いの角度は、材料5が最高点を横切って流れることを難しくする。
【0162】
図16は、障壁部材40上への材料の流れの別の断面図であり、障壁部材40は基板1から突出する構造であり、より特定的には、障壁部材は構造化されたフォトレジスト材料によって提供される。その他の点では、この図は図10のものと同様である。障壁部材40は、第1の部分表面41と、第2の部分表面42と、第3の部分表面43とを有する。部分表面41は、部分表面42および43を相互接続している。
【0163】
そのような障壁部材を得るためのある方法では、フォトレジスト材料が(基板1の第1の側に)たとえばスピニングによって施される。このように、フォトレジスト膜が生成されてもよい。膜は、1つの連続的領域を覆ってもよい。次に、フォトレジスト材料は、それをたとえばUV光で局所的に照明し、次にフォトレジスト材料の照明された部分または照明されていない部分を除去することによって、構造化され、特にフォトリソグラフィにより構造化される。残りのフォトレジスト材料の少なくとも一部が次に障壁部材40を提供する。フォトレジスト障壁部材40は、図16に示すようにアンダーカットを示してもよい。このように、第1の部分表面41と第2の部分表面42との間の縁でのより効率的な流れ停止が達成される。しかしながら、(アンダーカットフランクではない)他のフランク、たとえばまっすぐなフランクが提供されることも可能である。
【0164】
フォトレジスト障壁部材の場合、第1の部分表面41は通常、水平に整列される。硬化可能材料5の流れが第3の部分表面43と第1の部分表面41との間の縁ですでに止まっていても、流れ停止は、中間の部分表面41と第2の部分表面42との間の縁でより効果的に遂行される。このため、通常、最終的には、第3の部分表面43および第1の部分表面41は双方とも硬化可能材料5によって覆われ、一方、第2の部分表面42には硬化可能材料5がない。
【0165】
図12は、図10図11および図16のものと同様のさらに別の図であるが、それは、基板1のくぼみである障壁部材40に向かう材料5の流れの図である。この基板1は、(障壁部材を含む)その形状が、特に障壁部材40を生成するための追加のステップなしで、その製造によって(たとえば複製によって)決定されるという意味で、予め作製されたものであってもよく、または、平面基板などの初期基板を製造することによって得られ(図11も参照)、次に、障壁部材40を形成するために基板の材料が選択的に除去され
た基板1であってもよい。次に続く材料の除去は、たとえば、レーザーアブレーションを使用することによって、(たとえばリソグラフィ法で)選択的エッチングを使用することによって、またはダイシングソーを使用することによって遂行されてもよい。
【0166】
基板1に施されるべき素子の目標位置に最も近い障壁40の端に、すなわち、材料5の流れの起点に最も近い障壁40の端に、縁14を提供することは、流れ制御にとって有利であり得る。前記縁14は、一般にくぼみについては、第1の部分表面が基板1の第1の表面に隣接するところに存在してもよい。しかしながら、そこでも、図10に対する図11の場合と同様に、縁14の代わりに丸みを帯びた移行部を有することが可能である。
【0167】
部分表面41と表面1aとの間(それが部分表面41に隣接するところ)に特に大きい角度を有することは、障壁部材40の流れ制御または流れ停止特性を向上させることができる。図12の例では、角度は270°である。
【0168】
図12に示すようなくぼみの場合、一般に、第1の部分表面41は、鉛直面に対して少なくとも±35°内に、またはむしろ±15°内に整列され得る、ということが当てはまる。
【0169】
さらに、障壁部材は、一般に引っ込んだ障壁部材(くぼみ)については、第1の表面によって表わされる平均レベルよりも、少なくとも2μmまたは少なくとも8μm、および/または多くて150μmまたは多くて80μm下で延在する。
【0170】
図13は、基板1上の素子10および関連付けられた障壁部材40の上面図を示す。図1に関連してすでに述べたように、障壁部材40は、素子10を横方向に完全に囲むループを表わしていてもよい。このように、基板1上に存在するどのアイテム80も材料5によって濡れたりまたは覆われたりしないように防止することができる。および/または、アイテム80が占めると意図された場所が材料5によって覆われたりまたは濡れたりしないように防止することができる。これはたとえば、材料の一部が基板1上の意図された場所に存在すると、基板1にアイテム80を適切に接続できない場合に有用かもしれない。図13では、材料5の外側の横方向境界を点線で示す。
【0171】
図14は、図13と同様の図である。しかしながら、障壁部材40は閉ループ形状を表わしていない。障壁部材40が基板1に施される場合に障壁部材40がアイテム80と素子10との間に横方向に配置されるように、アイテム80は基板1に位置する。太い実線の直線区分は、障壁部材40により、材料5によって覆われないように防止される、基板1の表面での点を示す。この線の延長は2つの点P1、P2を通過する。P1は、表面における素子10の中心点、より特定的には表面での素子10の設置面積の質量中心である。そして、点P2は、表面での障壁部材40の中心点、より特定的には表面での障壁部材40の設置面積の質量中心を示す。
【0172】
図15は、図13および図14と同様の図である。図15には、障壁部材が非連続的であってもよいことが示されている。これに代えて、図15は、素子10に関連付けられたいくつかの障壁部材を示すと解釈されてもよく、これらの障壁部材は材料5からアイテム80を保護する。
【0173】
上に説明してきたように、材料5が基板1の表面1aと接触した後で素子10がその目標位置にある、ということが通常提供される。したがって、材料5が表面1aと接触した後で素子は表面1a上に搭載される。素子10を基板1上に搭載するプロセスは通常、硬化可能材料5が硬化(固化)されて初めて終了する。
【0174】
障壁部材が基板1に存在する横方向区域では、基板1は通常、基板のその平均厚さより
も厚いかまたは薄い。
【0175】
上述の説明から明らかになるように、表面1a上の目標位置での素子10の設置面積の境界は、関連付けられた障壁部材40から(横方向に)離れている、ということが通常提供される。そして特に、材料5の硬化後、表面1aは前記距離に沿って硬化可能材料5によって(典型的には完全に)覆われる。
【0176】
なお、本特許出願では、基板に存在する素子およびアイテムがどのように具体化され得るかに関して、さまざまな可能性が説明されている。
【0177】
説明された方法により、ウェーハレベル製造における基板上の高密度の(機能的)素子を達成することができる。そして、素子のうちの特定のもの同士を、特に材料の望ましくない重複なしで互いに非常に接近して位置付けることができる。
【0178】
なお、本特許出願で説明された接触角は、説明されたプロセスからも明らかであるように、より正確には、「後退接触角」ではなく、「前進接触角」である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16