特許第6987942号(P6987942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6987942ユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体を含む対象領域の照明を管理するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987942
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】ユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体を含む対象領域の照明を管理するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20211220BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20211220BHJP
   H05B 45/20 20200101ALI20211220BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20211220BHJP
   H05B 47/175 20200101ALI20211220BHJP
【FI】
   H05B47/125
   H05B45/10
   H05B45/20
   H05B47/11
   H05B47/175
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-156007(P2020-156007)
(22)【出願日】2020年9月17日
(65)【公開番号】特開2021-52000(P2021-52000A)
(43)【公開日】2021年4月1日
【審査請求日】2020年9月17日
(31)【優先権主張番号】19199642.0
(32)【優先日】2019年9月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク・デュビュニョン
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ブラッテル
【審査官】 安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2018/0221521(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2018/0195972(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0170924(US,A1)
【文献】 国際公開第2016/055843(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2019/0056584(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0091593(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/125
H05B 45/10
H05B 45/20
H05B 47/11
H05B 47/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体(3)を含む対象領域(2)の照明を管理する方法であって、前記照明は、両方ともエレクトロルミネセンス要素を備える主照明デバイス(5a、5b、5c)及び副照明デバイス(6)によって実行し、前記方法は、
−前記ユーザ及び/又は前記物体(3)を識別するステップ(20)と、
−識別した前記ユーザの視力に関係するプロファイル及び/又は識別した前記物体(3)の少なくとも1つの特性に従って、前記対象領域(2)の前記照明を構成するステップ(21)と
を含み、前記構成ステップは、
・前記ユーザによる前記物体(3)の視覚基準に従って、前記主照明デバイス(5a、5b、5c)及び/又は前記副照明デバイス(6)の照明特性を制御する命令を生成するサブステップ(22)と、
・前記照明特性を制御する前記命令に従って、前記主照明デバイス(5a、5b、5c)及び/又は前記副照明デバイス(6)を制御するサブステップ(25)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記生成サブステップ(22)は、識別した前記ユーザに関する視力プロファイル・データ及び/又は識別した前記物体(3)に関連する特性に関するデータを基準として、前記視覚基準を評価する段階(23)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生成サブステップ(22)は、前記視覚基準に従って、前記主照明デバイス(5a、5b、5c)及び/又は前記副照明デバイス(6)の前記照明特性の構成を決定する段階(24)を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記制御サブステップ(25)は、前記制御命令に従って、前記主照明デバイス及び前記副照明デバイスの前記照明特性を修正する段階(26)を含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、前記ユーザによる前記物体(3)の前記視覚基準を再評価するステップ(27)を含み、前記ステップ(27)は、前記ユーザの疲労状態及び/又は視覚障害を識別するサブステップ(28)を含み、前記ユーザは、前記物体(3)に対する視覚基準を変更し得ることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記再評価ステップ(27)は、前記ユーザの疲労状態及び/又は視覚障害を識別した場合、前記視覚基準を修正するサブステップ(29)を含むことを特徴とする、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記主照明デバイス及び前記副照明デバイスの前記照明特性は、
−前記照明デバイスのそれぞれを形成する各エレクトロルミネセンス要素の光スペクトルと、
−前記照明デバイスのそれぞれを形成する各エレクトロルミネセンス要素の光放射の強度/大きさと、
−前記照明デバイスのそれぞれを形成するエレクトロルミネセンス要素の全てによって生成される光放射の向き及び/又は拡散と
を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実施する、ユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体(3)を含む対象領域(2)の照明を管理するシステム(1)であって、前記システム(1)は、
−前記照明を実行することができ、両方がエレクトロルミネセンス要素を備える主照明デバイス(5a、5b、5c)及び副照明デバイス(6)と、
−前記ユーザ及び前記物体を識別するデバイス(9、11)並びにデータベース(8)に接続した処理ユニット(7)と
を備え、前記データベース(8)は、前記ユーザの視力プロファイルに関するデータと、前記物体の特性に関するデータと、前記ユーザ及び前記物体の識別データとを含む、システム(1)。
【請求項9】
前記主照明デバイス(5a、5b、5c)は、第1の照明モジュール(14)及び/又は第2の照明モジュール(15)を備え、前記第1の照明モジュール(14)及び前記第2の照明モジュール(15)の両方は、
・複数のエレクトロルミネセンス要素、又は
・変調器に結合した単一エレクトロルミネセンス要素
を備えることを特徴とする、請求項8に記載のシステム(1)。
【請求項10】
前記第1の照明モジュール(14)は、前記対象領域(2)の上、特に、前記対象領域(2)の可能な限り近くに配置し、前記第2の照明モジュール(15)は、前記対象領域(2)の周囲に完全に又は部分的に画定することを特徴とする、請求項9に記載のシステム(1)。
【請求項11】
前記主照明デバイス(5b)は、パネル(16)を備え、前記パネル(16)は、前記第1の照明モジュール(14)から到来した光放射を前記対象領域(2)の方に反射させる特性を有することを特徴とする、請求項9又は10に記載のシステム(1)。
【請求項12】
前記主照明デバイス(5c)は、パネル(17)を備え、前記パネル(17)は、前記第2の照明モジュール(15)から到来した光放射が前記パネル(17)を透過するように拡散させる特性を有することを特徴とする、請求項9又は11に記載のシステム(1)。
【請求項13】
前記パネルは、前記対象領域(2)の周囲、特に、前記対象領域(2)と前記第2の照明モジュール(15)との間を完全に又は部分的に画定することを特徴とする、請求項11又は12に記載のシステム(1)。
【請求項14】
前記システム(1)は、ユーザ頭部監視デバイス(12)と、前記ユーザの目が知覚可能な輝度を測定するデバイス(13)とを備えることを特徴とする、請求項8から13のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの物体(3)は、測時器構成要素であることを特徴とする、請求項8から14のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項16】
前記副照明デバイス(6)は、前記主照明デバイスの上に配置することを特徴とする、請求項8から15のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項17】
請求項8から16のいずれか一項に記載のシステム(1)を備える建造物の部屋(10)。
【請求項18】
プログラム・コード命令を備えるコンピュータ・プログラムであって、前記プログラムを処理ユニット(7)によって実行すると、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法のステップ(20から27)を実行する、コンピュータ・プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの作業環境内に含まれる対象領域の照明を管理する方法、及びこの方法を実施するシステムに関し、対象領域は、このユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体を含む。
【0002】
本発明は、そのようなシステムを備える建造物の部屋に関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術において、照明を管理するのそのような方法は、特に、部品の欠陥の可能性を識別する、部品の目視検査工程の背景で実施される。そのような方法は、従来、検査すべき部品を含む対象領域に適合する照明を保証することを目的として、照明デバイスの制御をもたらす。この制御の間、対象領域に適合する照明は、蛍光を生成する不可視光照明デバイスによる生成から構成することができ、この蛍光は、可視蛍光灯の発光によって、浸透組成物である着色剤により示される欠陥の存在を明らかにすることができ、着色剤は、前記部品に対し前もって塗布してあり、部品の亀裂又は割れ目内に保持される。
【0004】
しかし、そのような方法は、そのような目視検査工程の関与に適合するものではない。というのは、こうした方法は、これらの部品の確認を担当するユーザの一部に対して多大な疲労を生じさせることが多く、したがって、前記ユーザの集中を低下させ、したがって、過誤の危険性を生じさせるためである。
【0005】
したがって、そのような対象領域に対して最適化した照明をもたらすことに寄与する解決策を提案する必要性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の1つの目標は、対象領域の照明を使用して、この領域の照明の改善を可能にする方法を提案することであり、対象領域は、動的、自動的に制御される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体を含む対象領域の照明を管理する方法に関し、前記照明は、両方ともエレクトロルミネセンス要素を備える主照明デバイス及び副照明デバイスによって実行され、方法は、
−前記ユーザ及び/又は前記物体を識別するステップと、
−識別したユーザの視力に関するプロファイル及び/又は識別した物体の少なくとも1つの特性に従って、対象領域の照明を構成するステップと
を含み、前記構成ステップは、
・前記ユーザによる物体の視覚基準に従って、主照明デバイス及び/又は副照明デバイスの照明特性を制御する命令を生成するサブステップと、
・照明特性を制御する前記命令に従って、主照明デバイス及び/又は前記副照明デバイスを制御するサブステップと
を含む。
【0008】
したがって、本発明のそのような特徴は、ユーザに特定の視覚、及び例えば、可能性のある欠陥を識別するための物体の目視検査工程に関連する任務等、物体に対してユーザが実施すべき任務に従って、この物体に対する照明を正確に適合させることを可能にする。
【0009】
他の実施形態では、
−生成サブステップは、識別したユーザに関する視力プロファイル・データ及び/又は識別した物体に関する特性に関するデータを基準として、視覚基準を評価する段階を含み、
−生成サブステップは、これらの視覚基準に従って、主照明デバイス及び/又は副照明デバイスの照明特性の構成を決定する段階を含み、
−制御サブステップは、前記制御命令に従って、主照明デバイス及び/又は副照明デバイスの照明特性を修正する段階を含み、
−方法は、ユーザによる物体の視覚基準を再評価するステップを含み、再評価ステップは、ユーザの疲労状態及び/又は視覚障害を識別するサブステップを含み、ユーザは、物体の視覚を変更することができ、
−再評価ステップは、ユーザの疲労状態及び/又は視覚障害を識別した場合、視覚基準を修正するサブステップを含み、
−主照明デバイス及び副照明デバイスの照明特性は、
・これら照明デバイスのそれぞれを形成する各エレクトロルミネセンス要素の光スペクトルと、
・これら照明デバイスのそれぞれを形成する各エレクトロルミネセンス要素の光放射の強度/大きさと、
・これら照明デバイスのそれぞれを形成するエレクトロルミネセンス要素の全てによって生成される光放射の向き及び/又は拡散と
を含む。
【0010】
本発明は、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法を実施する、ユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体を含む対象領域の照明を管理するシステムにも関し、システムは、
−照明を実行することができ、両方がエレクトロルミネセンス要素を備える主照明デバイス及び副照明デバイスと、
−ユーザ及び物体を識別するデバイス並びにデータベースに接続した処理ユニットと
を備え、データベースは、ユーザの視力プロファイルに関するデータと、物体の特性に関するデータと、ユーザ及び物体の識別に関するデータとを含む。
【0011】
他の実施形態では、
−主照明デバイスは、第1の照明モジュール及び/又は第2の照明モジュールを備え、第1の照明モジュール及び第2の照明モジュールは両方とも、
・複数のエレクトロルミネセンス要素、又は
・変調器に結合した単一エレクトロルミネセンス要素
を備え、
−第1の照明モジュールは、対象領域の上、特に、対象領域の可能な限り近くに配置され、第2の照明モジュールは、対象領域の周囲に完全に又は部分的に画定され、
−主照明デバイスは、パネルを備え、パネルは、第1の照明モジュールから到来した光放射を対象領域に向けて反射させる特性を有し、
−主照明デバイスは、パネルを備え、パネルは、第2の照明モジュールから到来した光放射がパネルを透過するように拡散させる特性を有し、
−パネルは、対象領域の周囲、特に、対象領域と第2の照明モジュールとの間に完全に又は部分的に画定され、
−システムは、ユーザの頭部を監視するデバイスと、ユーザの目が知覚可能な輝度を測定するデバイスとを備え、
−前記少なくとも1つの物体は、測時器構成要素であり、
−副照明デバイスは、主デバイスの上に配置される。
【0012】
本発明は、このシステムを備える建造物の部屋にも関する。
【0013】
本発明は、プログラム・コード命令を備えるコンピュータ・プログラムにも関し、プログラム・コード命令は、前記プログラムを処理ユニットによって実行すると、本方法のステップを実行する。
【0014】
決して限定するものではない例として示す添付の図面を使用して、本発明を以下でより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による、ユーザの作業環境内に含まれる対象領域の照明を管理するシステムを備える建造物の部屋の図であり、対象領域は、このユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体を含む。
図2】本発明の実施形態による、主照明デバイスの第1の代替形態を備えるシステムを形成する要素の図であり、主照明デバイスは、唯一の第1の照明モジュールを備える。
図3】本発明の実施形態による、主照明デバイスの第2の代替形態を備えるシステムを形成する要素の図であり、主照明デバイスは、唯一の第1の照明モジュールと、反射特性を有するパネルとを備える。
図4】本発明の一実施形態による、主照明デバイスの第3の代替形態を備えるシステムを形成する要素の図であり、主照明デバイスは、唯一の第1の照明モジュールと、第2の照明モジュールと、反射特性及び拡散特性を有するパネルとを備える。
図5】本発明の一実施形態による、ユーザの作業環境の対象領域の照明を管理する方法に関係するフローチャートであり、対象領域は、このユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、ユーザの作業環境内に含まれる、対象領域2の照明を管理するシステム1を示す。システム1を備えるこの作業環境は、好ましくは、建造物の部屋10内に画定される。言い換えれば、この部屋には、光源のみが本発明のシステム1内に含まれるか、又は多かれ少なかれ拡散する昼光等の光源がこの室内にあってよい。そのような作業環境は、特に長方形の表面によって形成される机又は作業台等の支持要素4を含み、この作業環境の対象領域2内に含まれる少なくとも1つの物体3を支持するように設けられる。そのような物体3は、非限定的、非網羅的に、
−地板、受け、車、ばね、質量体等の測時器ムーブメントの構成要素、又は裏蓋、中留、ベゼル、文字板、開口部の文字板インデックス等の測時器外部部品の構成要素
−時計等の計時器、
−宝飾品
である。
【0017】
そのようなシステム1は、ユーザが、作業環境の対象領域2内に含まれる物体3の機能的、構造的又は外観的な欠陥の検出を裸眼で実行するのに寄与する。言い換えれば、このユーザは、この物体3に対してユーザが有する視覚を使用して、そのような欠陥の検出又は識別を実行する。この視覚とは、このユーザの脳が行う、この物体3に関する情報に対する解釈の結果として定義することができ、視覚は、光受容体によって感知され、ユーザの瞳に入る光放射内に含まれ、目の網膜内に位置する受容体細胞を活性化する。次に、これらの細胞によって生成された信号は、視神経によって脳に伝達される。
【0018】
前述のように、この対象領域2は、ユーザが取り扱うべき少なくとも1つの物体3を含むことができる。このシステム1において、そのような対象領域2は、
−物体3を支持要素4の上部に置いた際、したがって、物体3がこの上部表面部分を占める際、この上部に画定される空間、又は
−この物体3をユーザが取り扱う際、この上部の上に画定され、この物体3が中に含まれる体積部
とすることができる。
【0019】
そのような対象領域2は、ユーザの視覚プロファイル及び/又は物体3の少なくとも1つの特性に従って実行される特定の照明を利用することができる。
【0020】
対象領域2の照明を管理するそのようなシステム1は、主照明デバイス5a、5b、5cと副照明デバイス6とを備え、それぞれ、複数のエレクトロルミネセンス要素を備える。一代替形態では、各照明デバイス5a、5b、5c、6は、変調器に結合される単一エレクトロルミネセンス要素を備えることができる。この背景において、この変調器は、このダイオードの光スペクトル、並びにこのダイオードの光放射の強度/大きさ、指向性の向き及び/又は度合い及び/又は拡散を修正することができる。エレクトロルミネセンス要素は、発光ダイオードを備え、一代替形態では、マイクロレンズ又は他の光学手段も備える。一代替形態では、エレクトロルミネセンス要素は、そのようなダイオードがなくてもよいことに留意されたい。
【0021】
図2から図4は、この主照明デバイス5a、5b、5cの3つの代替形態を表す。図2に示す第1の代替形態では、主照明デバイス5aは、単一照明モジュール14を備え、以下、「第1の照明モジュール」と呼ぶ。この第1の照明モジュール14は、支持要素4の上部の上、特に、対象領域2の上、したがって、この領域2内に含まれる物体3の上に配置される。
【0022】
図3に示す第2の代替形態では、主照明デバイス5bは、支持要素4の上部の上に配置される第1の照明モジュール14と、第1の照明モジュール14から到来する光放射を対象領域2の方に反射させる特性を有するパネル16とを備える。この構成では、パネル16は、第1の照明モジュール14、及び支持要素4の上部の両方の周囲に完全に又は部分的に画定される。このパネル16は、支持要素4の水平上部から、第1の照明モジュール14の周辺壁の外縁部まで、高さの点で垂直に延在する。ユーザが、上部に置くべき物体3に視覚的又は物理的にアクセスでき、任意で、物体3を取り扱うことができるように、このパネル16内に通路が配置されることは理解されよう。物理的アクセスの背景において、この通路を可能にする開口は、永続的であるか又は時間的に制限することができ、時間的に制限される開口のケースでは、パネル16は、このシステム内で摺動又は回転するように取り付けられ、そのような開口を一時的にもたらすようにする。視覚的アクセスに関して、任意でフィルタを備える開口を、物体の観察を可能にするように配置することができ、フィルタは、偏光され、更にはスペクトル的、空間的及び時間的に変調可能とすることができる。
【0023】
図4に示す第3の代替形態では、主照明デバイス5cは、支持要素4の上部の上に配置される第1の照明モジュール14と、第2の照明モジュール15と、パネル17とを備える。このパネル17は、第1の照明モジュール14、及び支持要素4の上部の両方の周囲に完全に又は部分的に画定される。そのようなパネル17は、支持要素4の水平上部から、第1の照明モジュール14の周辺壁の外縁部まで、高さの点で垂直に延在する。第2の照明モジュール15に関し、第2の照明モジュール15は、このパネル17の周囲に全体に又は部分的に画定され、垂直に延在する一方で、水平上部の下地に対して測定した高さと、第1の照明モジュール14の周辺壁の高さとの間に含まれる。この構成では、パネル17は、
−第1の照明モジュール14から到来した光放射を対象領域2に向けて反射させる特性と、
−第2の照明モジュール15から到来した光放射がパネルを透過するように拡散させる特性と
を有する。
【0024】
主照明デバイス5cのこの第3の代替形態において、ユーザが、上部に置くべき物体3に視覚的又は物理的にアクセスでき、任意で物体3を取り扱うことができるように、このパネル17及び第2の照明モジュール15内に通路が配置されることは理解されよう。物理的アクセスの背景において、この通路を可能にする開口は、永続的であるか又は時間的に制限されたものとすることができ、時間的に制限された開口のケースでは、パネル17及び第2の照明モジュール15は、このシステム内で摺動又は回転するように取り付けられ、そのような開口を一時的にもたらすようにする。視覚的アクセスに対しては、任意でフィルタを備える開口を、物体の観察を可能にするように配置することができ、フィルタは、偏光され、更にはスペクトル的、空間的及び時間的に変調可能とすることができる。
【0025】
副照明デバイス6について、副照明デバイス6は、照明モジュール18を備え、照明モジュール18は、主照明デバイス5a、5b、5cの第1の照明モジュール14のレベルよりも高い下地のレベルから開始される測定高さで配置される。副照明デバイス6のこの照明モジュール18は、支持要素4の上部の周辺領域、したがって、物体3を含む対象領域2の上に位置する。この照明モジュール18は、上部の環境内に均質な照明を生成する。
【0026】
これら2つの照明デバイスは、システム1の処理ユニット7によって制御される。コンピュータであってもよいこの制御ユニット7は、ハードウェア・リソース及びソフトウェア・リソース、特に、メモリ要素と協働する少なくとも1つのプロセッサを備える。この処理ユニット7は、対象領域2の照明の管理を保証するようにコンピュータ・プログラムを実施する命令を実行することができる。
【0027】
システム1は、処理ユニット7が接続されるデータベース8も備える。このデータベース8は、特に、
−視覚の役割を有するユーザの生理的及び生物学的データを含むユーザの視力プロファイルに関するデータと、
−物体3の物理的、化学的、外観的、機能的及び構造的特性に関する、物体の特性に関するデータと、
−ユーザを識別するデータと、
−物体を識別するデータと
を含む。
【0028】
生理学的及び生物学的データは、
−年齢、
−ユーザの性別、
−眼科系の特性(まぶしさに対する感度)、及び
−ユーザの神経系の特性、
−抵抗力及び/又は視覚的耐久性の特性
に関係し得ることに留意されたい。
【0029】
ユーザのこの生理的及び生物学的データは、以下:
−例えば、ユーザに対する概日リズムを考慮する、1日のうちの周期、
−ユーザがシステムを使用する日付及び年、
−システム、したがって、システムを備える部屋の地理位置、
−システムが位置する部屋が昼光を浴びる場合、そのような昼光のスペクトル及び強度、並びに
−例えば、目の光波長関連露出時間に関係する規格/安全対策を含む視覚の光生物学的安全性に関する特性
を考慮する。
【0030】
更に、物体を識別するデータに関し、データは、特に、各物体3の形状、寸法及び/又は外観の態様を記述するこれらの物体の2次元又は3次元表現データ、並びにこの物体3を形成する材料の性質に関するデータを含み得ることに留意されたい。このデータは、物体3上に提示し得る2次元又は3次元バーコード型情報データも含み得る。
【0031】
そのようなシステム1は、以下も備える:
−生体認証又は無線認証に関連する従来技術から周知の技術、及びデータベース8内にアーカイブしたユーザの識別データに基づき、ユーザの識別又は認証の実施に関与するように実現される、システム1のユーザを識別するデバイス9、
−画像デジタル処理アルゴリズムに関連する、少なくとも1つの画像を捕捉するシステムを実施する物体識別デバイス11。そのようなデバイスは、データベース8内にアーカイブした物体の識別データに基づく物体3の識別に関与する、
−画像デジタル処理アルゴリズム及び眼球運動計又は瞳孔計に関連する、少なくとも1つの画像を捕捉するシステムを備える、ユーザの頭部を監視するデバイス12。このデバイスは、
・個人の頭部の動き及び位置を決定することができ、
・ユーザの顔の特定の表現を解釈することができ、
・ユーザの顔の表現の変化を識別することができ、
・例えば、物体3に対するユーザの目線の方向又は向きを決定することによって、ユーザの眼球運動を測定、記録することができる。
−ユーザの目が知覚可能な物体3の輝度を測定するデバイス13。したがって、このデバイスは、輝度計と、瞳孔計と、眼球運動計とを備える。
【0032】
そのようなシステムは、ユーザの生理的及び/又は生物学的パラメータを測定するデバイスも備えることができる。これを行うため、デバイスは、例えば、ユーザが装着するバンドを含むことができ、バンドは、心拍センサ、運動検出器又は地理位置センサ等の活動センサを備える。そのようなデバイスは、処理ユニットに送信することができるデータを生成する。
【0033】
このシステム1において、処理ユニット7は、ユーザ識別デバイス9及び物体識別デバイス11、ユーザ頭部監視デバイス12、輝度測定デバイス13、並びに生理的及び/又は生物学的パラメータを測定するデバイスに接続される。
【0034】
図5を参照すると、そのようなシステム1は、ユーザが取り扱うべき前記少なくとも1つの物体3を含む対象領域2の照明を管理する方法を実施するように設けられ、前記照明は、主照明デバイス5a、5b、5c及び副照明デバイス6によって実行される。
【0035】
この方法は、ユーザ及び/又は物体3を識別するステップ20を含む。そのようなステップ20は、この方法の動作のために選択した構成によれば、ユーザのみ若しくは物体3のみを識別するか、又はユーザ及び物体3を識別することを目的とする。したがって、この背景において、ユーザの識別は、処理ユニット7及び認証デバイスによって、システム1のデータベース8内にアーカイブしたユーザ認証データに基づき実行される。同様に、物体3の識別は、このサーバ内にアーカイブした物体を識別するこのデータを使用することによって、物体識別デバイス11と協働する処理ユニット7を使用して実行される。
【0036】
ユーザ及び/又は物体3を識別した後、方法は、識別したユーザの視力に関連するプロファイル及び/又は識別した物体3の少なくとも1つ特性に従って対象領域2の照明を構成するステップ21を含む。この構成ステップ21は、ユーザによる物体3の視覚基準に従って、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6の照明特性を制御する命令を生成するサブステップ22を含む。主照明デバイス及び副照明デバイスの照明特性は、
−これらの照明デバイスを形成する各発光ダイオードの光スペクトルと、
−これらの照明デバイスのそれぞれを形成する各発光ダイオードの光放射の強度/大きさと、
−例えば、積分球等のこれらの照明デバイスのそれぞれが形成する発光ダイオードの全てが生成する光放射の指向性の向き及び/又は度合い及び/又は光放射の拡散
を含む。
【0037】
本方法では、生成サブステップ22は、識別したユーザに関する視力プロファイル・データ及び/又は識別した物体3に関する特性に関するデータを基準として視覚基準を評価する段階23を含む。したがって、そのような視覚基準は、識別したユーザの視力プロファイルに関するデータのみを基準とするか、又は識別した物体3に関する特性に関するデータを基準とするか、又はユーザ及び物体3の両方を識別している場合、視力プロファイルに関するデータ及び特性に関するデータを基準として評価することができる。これらの視覚基準は、生理学的及び生物学的データ等のプロファイル・データが識別されている場合、生理学的及び生物学的データ等のプロファイル・データに従って、物体3が識別されている場合、物体3の特性に関するデータに従って、ユーザの最適な視覚を特性決定/定量化することを目的とする。
【0038】
次に、生成サブステップ22は、視覚基準に従って、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6の照明特性の構成を決定する段階24を含む。次に、処理ユニット7は、こうして決定した構成を基準として、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6の照明特性を制御する命令を生成する。
【0039】
次に、この構成ステップ21は、照明特性を制御する命令に従って、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6を制御するサブステップ25をもたらす。このサブステップ25を実行する間、処理ユニット7は、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6の照明特性を制御する、既に生成してある命令を実行する。そのような制御サブステップ25は、前記制御命令に従って、主照明デバイス5a、5b、5c及び副照明デバイス6の以下の照明特性:
−主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6の発光ダイオードの全て又は一部の光放射の光スペクトル及び/又は強度/大きさ、
−例えば、
・主照明デバイス5a、5b、5c及び/若しくは副照明デバイス6の発光ダイオードの選択的なオフ若しくは選択的なオン、又は
・ダイオードが、それぞれ、例えば、微小レンズ若しくは他の光学手段を備える主照明デバイス5a、5b、5c及び/若しくは副照明デバイス6の光放射の向き
を基準とする、主照明デバイス5a、5b、5c及び/若しくは副照明デバイス6から発せられる光放射の指向性の向き及び/若しくは度合い及び/若しくは拡散
を修正する段階26を含む。
【0040】
方法は、ユーザによる物体3の視覚基準を再評価するステップ27も含む。そのようなステップ27は、このユーザによる物体3に対する視覚を変更し得る疲労状態及び/又は視覚障害を識別するサブステップ28を含む。そのような疲労状態及び/又は視覚障害は、例えば、このユーザの注意の低下又は集中の欠如若しくは低下を生じさせる又はその原因となることがある。この背景において、ユーザの疲労状態又は視覚障害は、対象領域2の照明、より詳細には、適合しない物体3によって生じることがある。このサブステップ28を実施する背景において、処理ユニット7は、データの処理を実行し、これに応じて、以下のデバイス:
・ユーザ頭部監視デバイス12、
・ユーザの目線が注がれるか又は固定される物体3の表面の一部から得られる輝度を測定するデバイス13、
・ユーザの生理的及び/又は生物学的パラメータを測定するデバイス
からデータを受信する。
【0041】
この背景において、監視デバイスは、処理ユニット7がデジタル処理を実行するデータを基準として、ユーザの顔の1枚の画像若しくは一連の画像、又は映像等のデータを送信し、例えば、疲労状態を示すまぶたのまばたき又は眉にしわを寄せることによる視覚障害等、この顔に対する特定の表現の検出を可能にする。輝度測定デバイス13に関し、このデバイスは、処理ユニット7に、ユーザの視線が注がれるか又は固定される物体3の表面の一部に関する輝度測定に関するデータを送信し、例えば、輝度基準値に従って、実行した測定(複数可)が、対象領域2の照明、より詳細には、適合していない物体3の表面の部分が生じさせるユーザの視覚障害を明らかにしているかどうかを決定する。ユーザの生理学的及び/又は生物学的パラメータを測定するデバイスに関して、このデバイスは、処理ユニットに、ユーザの生理学的及び/又は生物学的状態の測定に関するデータを送信する。
【0042】
この再評価ステップ27は、ユーザの疲労状態及び/又は視覚障害を識別した場合、視覚基準を修正するサブステップ29も含む。そのようなサブステップ29は、処理ユニット7が、識別サブステップ28の間に検出したユーザの疲労状態及び/又は視覚障害のレベルを特徴付ける修正指数を基準として、これらの視覚基準の値を修正することを目的として、計算動作を実行する段階を含む。
【0043】
そのような再評価ステップ27は、以下:
−構成し得る予め定義した時間間隔、
−物体3に対するユーザの視線の方向/向きの変化の検出
−物体3の取り扱いに対する検出、
−物体3の移動に対する検出、
−物体3に対する少なくとも1つの光学特性の変化の検出、
−ユーザによる物体3の表面の新たな部分の観察の検出、
−ユーザの少なくとも1つの生理学的及び生物学的パラメータの変動の検出
に従って、周期的に実行される。
【0044】
方法は、この再評価ステップ27の後、再評価した視覚基準に従って、対象領域2の照明を構成するステップ30を含む。この構成ステップ30は、これら再評価したユーザの視覚基準に従って、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6の照明特性を制御する新たな命令を生成するサブステップ31を含む。次に、このステップ30は、照明特性を制御する新たな命令に従って、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6を制御するサブステップ32を含む。このステップ30を実行する間、処理ユニット7は、主照明デバイス5a、5b、5c及び/又は副照明デバイス6の照明特性を制御する、この既に生成してある新たな命令を実行する。
【0045】
更に、本発明は、プログラム・コード命令を含むコンピュータ・プログラムにも関し、システム1の処理ユニット7によって前記プログラムを実行すると、本方法のステップ20から27を実行する。
【0046】
本発明は、そのようなシステム1を備える建造物の部屋10に関する。
【符号の説明】
【0047】
1 システム
2 対象領域
3 物体
5a 主照明デバイス
5b 主照明デバイス
5c 主照明デバイス
6 副照明デバイス
7 処理ユニット
8 データベース
図1
図2
図3
図4
図5