(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
利用者が電子決済を利用すると、電子決済事業者が電子決済導入者から徴収する手数料の一部を還元金または還元ポイントとして前記電子決済導入者が属する管理組織へ還元する場合に、前記管理組織から前記電子決済導入者へ前記還元金または前記還元ポイントを分配するための情報処理システムであって、
前記還元金または前記還元ポイントの各電子決済導入者への配分方法の設定を受け付ける配分方法設定受付手段と、
前記配分方法設定受付手段によって設定を受け付けた配分方法を示す情報を記憶媒体に記録する情報記録手段と、
前記情報記録手段によって記録された情報に基づいて、あらかじめ設定された配分方法に応じて前記還元金または前記還元ポイントを各電子決済導入者へ分配するための処理を実行する分配手段と、
前記還元金または前記還元ポイントの一部を前記管理組織のために蓄積するように設定を受け付ける蓄積設定受付手段とを備え、
前記分配手段は、前記還元金または前記還元ポイントの蓄積が設定された場合には、前記還元金または前記還元ポイントを各電子決済導入者へ分配するときに、前記蓄積設定受付手段によって受け付けた設定内容に基づいて前記還元金または前記還元ポイントの一部を前記管理組織のために蓄積するための処理も実行することを特徴とする情報処理システム。
利用者が電子決済を利用すると、電子決済事業者が電子決済導入者から徴収する手数料の一部を還元金または還元ポイントとして前記電子決済導入者が属する管理組織へ還元する場合に、前記管理組織から前記電子決済導入者へ前記還元金または前記還元ポイントを分配するための情報処理装置であって、
前記還元金または前記還元ポイントの各電子決済導入者への配分方法の設定を受け付ける配分方法設定受付手段と、
前記配分方法設定受付手段によって設定を受け付けた配分方法を示す情報を記憶媒体に記録する情報記録手段と、
前記情報記録手段によって記録された情報に基づいて、あらかじめ設定された配分方法に応じて前記還元金または前記還元ポイントを各電子決済導入者へ分配するための処理を実行する分配手段と、
前記還元金または前記還元ポイントの一部を前記管理組織のために蓄積するように設定を受け付ける蓄積設定受付手段とを備え、
前記分配手段は、前記還元金または前記還元ポイントの蓄積が設定された場合には、前記還元金または前記還元ポイントを各電子決済導入者へ分配するときに、前記蓄積設定受付手段によって受け付けた設定内容に基づいて前記還元金または前記還元ポイントの一部を前記管理組織のために蓄積するための処理も実行することを特徴とする情報処理装置。
利用者が電子決済を利用すると、電子決済事業者が電子決済導入者から徴収する手数料の一部を還元金または還元ポイントとして前記電子決済導入者が属する管理組織へ還元する場合に、前記管理組織から前記電子決済導入者へ前記還元金または前記還元ポイントを分配するための情報処理プログラムであって、
前記還元金または前記還元ポイントの各電子決済導入者への配分方法の設定を受け付ける配分方法設定受付手順と、
前記配分方法設定受付手順で設定を受け付けた配分方法を示す情報を記憶媒体に記録する情報記録手順と、
前記情報記録手順で記録した情報に基づいて、あらかじめ設定された配分方法に応じて前記還元金または前記還元ポイントを各電子決済導入者へ分配するための処理を実行する分配手順と、
前記還元金または前記還元ポイントの一部を前記管理組織のために蓄積するように設定を受け付ける蓄積設定受付手順とをコンピュータに実行させ、
前記分配手順は、前記還元金または前記還元ポイントの蓄積が設定された場合には、前記還元金または前記還元ポイントを各電子決済導入者へ分配するときに、前記蓄積設定受付手順で受け付けた設定内容に基づいて前記還元金または前記還元ポイントの一部を前記管理組織のために蓄積するための処理も実行することを特徴とする情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本実施の形態では、利用者が電子決済を利用すると、電子決済事業者が電子決済導入者から徴収する手数料の一部を還元金として電子決済導入者が属する管理組織へ還元する場合に、管理組織から電子決済導入者へ還元金を分配するための情報処理システムについて説明する。
【0009】
本実施の形態では、協会、商店街、または自治体などの組合や団体などの組織が電子決済サービスを提供する電子決済事業者と契約すると、電子決済事業者と契約した組織が管理組織となり、該管理組織に加盟する加盟店は、管理組織が契約した電子決済事業者によって提供されている電子決済サービスを導入することができる。電子決済サービスを導入した加盟店は電子決済導入者となって電子決済に対応することができる。電子決済導入者である加盟店では、利用者は商品やサービスの対価の支払いに電子決済を選択することができる。加盟店では、電子決済を行った利用者に対して電子決済に対するポイントを付与することができる。また、電子決済サービスの契約者である管理組織には、電子決済事業者から還元金が還付され、電子決済が行われた加盟店は、加盟する管理組織から還元金の分配を受けることができる。
【0010】
図1は、本実施の形態における情報処理システム10の一実施の形態の構成を示したブロック図である。情報処理システム10は、支払い時に電子決済を利用する利用者が操作する利用者端末100と、電子決済導入者である加盟店に設置される加盟店端末200と、後述する種々の処理を実行する情報処理装置300とが通信回線、例えばインターネットを介して接続されている。
【0011】
利用者端末100は、電子決済を利用する購入者が所持する情報端末であって、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パソコンなどが用いられる。
図2は、本実施の形態における利用者端末100として、スマートフォンを用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。利用者端末100は、タッチパネル101と、通信モジュール102と、制御装置103とを備えている。
【0012】
タッチパネル101は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、利用者端末100の操作者は、液晶パネル上に表示されたボタンやアイコンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、利用者端末100を操作することができる。タッチパネル101は、操作者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置103へ出力する。
【0013】
通信モジュール102は、無線または有線により、LANや携帯電話通信網を介してインターネットに接続するためのモジュールが用いられる。
【0014】
制御装置103は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、利用者端末100の全体を制御する。なお、制御装置103を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、利用者端末100を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。
【0015】
加盟店端末200は、情報処理システム10を導入する加盟店に設置される情報端末であって、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パソコンなどが用いられる。
図3は、加盟店端末200としてパソコンを用いた場合の一実施の形態の構成を示している。加盟店端末200は、操作部材201と、通信インターフェース202と、制御装置203と、記憶媒体204と、表示装置205と、決済用情報読み取り装置206とを備えている。
【0016】
操作部材201は、加盟店端末200の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
【0017】
通信インターフェース202は、加盟店端末200をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどを含んでいる。
【0018】
制御装置203は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、加盟店端末200の全体を制御する。なお、制御装置203を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
【0019】
記憶媒体204は、加盟店端末200が蓄える種々のデータや、制御装置203が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体204に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体204にインストールすることによって、制御装置203がプログラムを実行できるようになる。
【0020】
表示装置205は、例えば液晶ディスプレイなどであって、制御装置303によって出力された表示用データを表示するための装置である。
【0021】
決済用情報読み取り装置206は、加盟店が対応する電子決済の方法に応じた決済用情報を読み取るための装置である。本実施の形態では、電子決済の方法として、例えばICカードなどの電子マネーを利用した決済、二次元コードを利用した決済、クレジットカードを利用した決済などの公知の電子決済方法を想定する。このため、決済用情報読み取り装置206としては、例えば、加盟店が対応する電子決済の方法がクレジットカードである場合にはクレジットカードを読み取るための装置が用いられ、加盟店が対応する電子決済の方法が電子マネーである場合には電子マネーのICカードを読み取るための装置が用いられ、加盟店が対応する電子決済の方法が二次元コードを利用したものである場合には二次元コードを読み取るための装置が用いられる。本実施の形態では、加盟店はこれらの電子決済の少なくとも一つには対応しているものとする。
【0022】
情報処理装置300は、加盟店が属する管理組織、例えば加盟する協会、商店街、または自治体などの組合や団体の責任者や担当者によって操作される情報端末であって、例えば、スマートフォン、携帯電話機、タブレット端末、パソコンなどが用いられる。
図4は、情報処理装置300としてパソコンを用いた場合の一実施の形態の構成を示している。情報処理装置300は、操作部材301と、通信インターフェース302と、制御装置303と、記憶媒体304と、表示装置305とを備えている。
【0023】
操作部材301は、情報処理装置300の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
【0024】
通信インターフェース302は、情報処理装置300をインターネット等の通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどを含んでいる。
【0025】
制御装置303は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、情報処理装置300の全体を制御する。なお、制御装置303を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。
【0026】
記憶媒体304は、情報処理装置300が蓄える種々のデータや、制御装置303が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記憶媒体であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記憶媒体304に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、操作者が取得したプログラムのデータを記憶媒体304にインストールすることによって、制御装置303がプログラムを実行できるようになる。
【0027】
表示装置305は、例えば液晶ディスプレイなどであって、制御装置303によって出力された表示用データを表示するための装置である。
【0028】
本実施の形態における情報処理システム10の想定される利用方法について、
図5を用いて説明する。なお、
図5は、本実施の形態における情報処理システム10の想定される利用シーンを説明するために情報や手続の流れの一例を模式的に示した図である。なお、
図5においては、利用者端末100で実行される処理は制御装置103によって実行され、加盟店端末200で実行される処理は制御装置203によって実行される。
【0029】
加盟店を利用する利用者は、利用者端末100上で電子決済事業者が提供する決済サービスを利用するための設定を行った後に、クレジットカードなどを用いて決済用のチャージ5aを行う。チャージ5aは金額を設定して行うことができ、チャージ5aに利用したクレジットカードから後日チャージ金額が引き落とされることになる。利用者がチャージ5aを行うと、チャージされた額が利用者端末100を利用した電子決済の利用可能額として電子決済事業者のサーバに登録される。
【0030】
利用者は電子決済事業者が提供する決済サービスに対応した加盟店で商品を購入したりサービスを受けたりした場合に、その対価の決済を電子決済5bにより行うことができる。例えば、決済方法が二次元コードを利用するものである場合には、利用者は利用者端末100のタッチパネル101上に自身の決済用コードを表示させ、これを加盟店端末200の決済用情報読み取り装置206に読み取らせることによって電子決済5bを行うことができる。なお、加盟店端末200に自店の決済用コードを表示させて利用者端末100でこれを読み取ることによって決済を行う方式を採用してもよい。電子決済5bが完了すると、電子決済された額に対する所定割合、例えば1%分のポイント5cが加盟店から利用者に対して付与される。利用者は、付与されたポイントを所定のレート、例えば1ポイント当たり1円として、次回以降の決済時に利用することができる。
【0031】
決済額や決済した利用者を特定するための情報を含んだ決済のデータは、決済に利用された利用者端末100または加盟店端末200から電子決済事業者のサーバへ送信され、電子決済事業者のサーバでは、利用者の利用可能額から今回の決済額を引いて利用者の利用可能額を更新する。また、決済完了後には、支払い額5dが電子決済事業者から事前登録された加盟店の金融機関口座へ振り込まれる。振り込まれる金額は、決済された金額から加盟店が電子決済事業者に支払う手数料5eを引いた金額となる。なお、電子決済事業者から加盟店の金融機関口座への支払い額5dの振り込みは、設定された条件を満たしたタイミングで自動的に行われてもよいし、加盟店から振込み申請があったタイミングで行うようにしてもよい。
【0032】
電子決済事業者は、加盟店から支払われた手数料5eのうち、一部を電子決済事業者が提供するポイントサービスのポイント5fとして利用者に還元し、一部を還元金5gとして契約者に還元し、残りを自社の取り分とする。本実施の形態では、加盟店から電子決済事業者へ支払われる手数料を決済額の3%とし、そのうち1%をポイント5fとして利用者に還元し、1%を還元金5gとして電子決済の契約組織、すなわち管理組織に還元し、残りの1%を自社の取り分とすることにする。なお、管理組織への還元金5gは、あらかじめ還元先として登録された金融機関口座へ振り込まれるようにすればよい。
【0033】
電子決済サービスを契約した管理組織、例えば協会、商店街、または自治体などの組合や団体は、電子決済事業者からの還元金5gを還元先の口座にプールしておき、あらかじめ設定されたタイミングでプールした還元金5gを加盟店へ分配金5hとして分配する。これによって、加盟店には電子決済の利用に対する還元金の一部が分配されるため、加盟店が電子決済事業者に支払う手数料負担や購入者に付与するポイントの負担を軽減することができる。以下、本実施の形態における情報処理システム10を利用して、管理組織から加盟店へ還元金を分配するための処理の詳細について説明する。
【0034】
本実施の形態では、電子決済サービスの契約組織が還元金を管理する管理組織となり、該管理組織の担当者が管理者として情報処理装置300を操作して加盟店へ還元金を分配するための設定を行う。管理者は、操作部材301を操作して加盟店へ還元金を分配するための設定や加盟店へ分配金を支払うための操作を行うことができる。なお、管理者は、あらかじめ加盟店への還元金の分配を管理するための管理画面を表示装置305に表示させてシステムにログインしておく。ログインのための方法は特に限定されないが、例えば事前に設定されたIDとパスワードを入力することにより行えばよい。
【0035】
情報処理装置300では、制御装置303は、管理者に管理画面上でログインが行われると、表示装置305に
図6に示すような配分方法の設定画面を表示する。
図6に示す設定画面では、管理者は、リストボックス6aに表示される配分方法の中から、「均等振り分け」、「個別振り分け」、「売上実績分け」、「グループ分け」、および「蓄積」のいずれかを加盟店への還元金の配分方法として選択し、後述するようにそれぞれの配分方法に応じた設定を行う。
【0036】
均等振り分けは、プールされている還元金を各加盟店に均等に振り分けて分配する場合に選択される。制御装置303は、管理者によって
図6のリストボックス6aで均等振り分けが選択されると、
図7に示す均等振り分け用の配分管理画面を表示装置305に表示する。均等振り分け用の配分管理画面では、管理者は、対象選択欄7aで還元金の配分を行う加盟店を選択して指定する。選択対象となる加盟店はあらかじめ登録されており、管理者は対象選択欄7aのリストボックスを操作して配分対象とする加盟店を選択する。なお、
図7では対象選択欄7aに4つのリストボックスが表示されているが、配分対象とする加盟店が5つ以上ある場合は、管理者は対象を追加するためのボタン7bを押下することにより、配分対象とする加盟店を追加することができる。
【0037】
管理者は、均等振り分け用の配分管理画面でさらに均等振分率7cと全体蓄積率7dを指定する。均等振分率7cでは、対象選択欄7aで選択した各加盟店への還元金の振り分け率が設定される。また、全体蓄積率7dでは、管理組織にプールされている還元金全体のうち、加盟店へ分配せずに管理組織の蓄積金とする割合が設定される。
図7では、均等振分率7cとして12.5%が設定され、全体蓄積率7dとして50%が設定された例が示されている。この
図7に示す設定例によると、対象選択欄7aで選択した4つの加盟店へ還元金を12.5%ずつ分配し、残りの50%が蓄積金となる。
【0038】
なお、管理者は、還元金を蓄積する必要がない場合は、均等振分率7cだけ設定すればよい。例えば、
図8に示すように、対象選択欄7aで6つの加盟店が指定され、均等振分率7cで16.6%が設定された場合には、対象選択欄7aで選択した6つの加盟店へ還元金を16.6%ずつ分配することになる。なお、
図7や
図8において、各加盟店への振り分け率と全体蓄積率との合計が100%に満たない場合、端数は自動的に次回の分配に繰り越しされる。制御装置303は、均等振り分け用の配分管理画面で設定された内容を、加盟店への還元金の配分方法を示す情報として記憶媒体304に記録する。
【0039】
個別振り分けは、プールされている還元金の各加盟店への振り分け率を管理者が個別に設定する場合に選択される。制御装置303は、管理者によって
図6のリストボックス6aで個別振り分けが選択されると、
図9に示す個別振り分け用の配分管理画面を表示装置305に表示する。個別振り分け用の配分管理画面では、管理者は、対象選択欄9aで還元金を配分する加盟店を選択して指定する。対象選択欄9aにおける対象加盟店の選択は
図7や
図8に示した画面と同様である。また、個別振り分け用の配分管理画面においても、管理者は対象加盟店を追加するためのボタン9bを押下することにより、配分対象とする加盟店を追加することができる。
【0040】
管理者は、個別振り分け用の配分管理画面では、対象選択欄9aに表示された対象加盟店のそれぞれに対応する個別入力欄9cが表示されており、管理者は、個別入力欄9cに各対象加盟店への還元金の振り分け率を入力する。
図9に示す例では、1つ目の加盟店には10%の振り分け率が設定され、2つ目の加盟店には15%の振り分け率が設定されている。また、管理者は、個別蓄積の入力欄9dと9eを利用して加盟店へ分配せずに管理組織の蓄積金とする金額を設定することができる。
図9に示す例では、入力欄9dには金額や振り分け率とする数値を入力し、入力欄9eには「円」または「率」の単位を指定するものとする。
【0041】
図9に示す例では蓄積金として15000円が設定されている。なお、入力欄9dに「10」を入力し、入力欄9eで「率」を指定すれば、蓄積金として10%が設定されることになる。例えば、管理組織が各加盟店から15000円の組合費を徴収する場合などは、
図9に示したように蓄積金として15000円を設定すれば、管理組織は還元金の分配時に自動的に加盟店から組合費を徴収することができる。なお、
図9においても各加盟店への振り分け率と個別蓄積額または個別蓄積率が100%に満たない場合、端数は自動的に次回の分配に繰り越しされる。制御装置303は、個別振り分け用の配分管理画面で設定された内容を、加盟店への還元金の配分方法を示す情報として記憶媒体304に記録する。
【0042】
売上実績分けは、プールされている還元金の各加盟店への振り分け率を加盟店の売り上げ実績に応じて決定する場合に選択される。制御装置303は、管理者によって
図6のリストボックス6aで売上実績分けが選択されると、
図10に示す売上実績分け用の配分管理画面を表示装置305に表示する。売上実績分け用の配分管理画面では、管理者は、「売上実績分けを適用する」と表示されたチェック欄10aにチェックを入れて「反映する」ボタン10bを押下することにより、還元金の各加盟店への振り分けとして売上実績分けを設定することができる。
【0043】
また、管理者は、売上実績分けを適用した場合でも管理組織の蓄積金を設定することができ、蓄積金を設定する場合には、その蓄積率を蓄積率入力欄10cに入力するか、または蓄積額を個別蓄積入力欄10dに入力する。
図10は、蓄積金の蓄積率として10%が設定された例を示しており、
図11は蓄積金の個別蓄積額として5000円が設定された例を示している。例えば、管理組織が各加盟店から5000円の組合費を徴収する場合などは、
図11に示したように個別蓄積額として5000円を設定すれば、管理組織は還元金の分配時に自動的に各加盟店から組合費を徴収することができる。なお、
図10や
図11においても各加盟店への振り分け率と蓄積額または蓄積率が100%に満たない場合、端数は自動的に次回の分配に繰り越しされる。制御装置303は、売上実績分け用の配分管理画面で設定された内容を、加盟店への還元金の配分方法を示す情報として記憶媒体304に記録する。
【0044】
グループ分けは、加盟店を複数のグループにグループ分けし、グループごとに還元金の振り分け率を設定する場合に選択される。制御装置303は、管理者によって
図6のリストボックス6aでグループ分けが選択されると、
図12に示すグループ分け用の配分管理画面を表示装置305に表示する。グループ分け用の配分管理画面には、グループごとの振り分け率入力欄12aがあらかじめ登録されているグループの数だけ表示される。
図12に示す例では、グループ1、グループ2、グループ3、およびグループ4の4つのグループが設定されており、各グループに対応して振り分け率入力欄12aが表示されている。
【0045】
本実施の形態では、管理組織の加盟店はあらかじめ複数のグループにグループ分けされているものとし、グループ分けの状況は、例えば
図13に示す画面で確認することができる。
図13に示す例では、管理NOが00001、00002、および00004の加盟店はグループ1に属し、管理NOが00003の加盟店はグループ2に属し、管理NOが00005および00006の加盟店はグループ3に属していることがわかる。なお、管理者は、グループを新規に追加する場合には、
図12に示した画面でグループの追加を指示するためボタン12cを押下することにより、不図示のグループ追加画面を呼び出して新規にグループを追加することができる。制御装置303は、管理者によってグループが追加されると
図13に示すように加盟店とその所属グループとを関連付けた情報を記憶媒体304に記録するとともに、
図12に示したグループ分け用の配分管理画面上に、追加されたグループ名とともに該グループの振り分け率入力欄12aが追加表示される。
【0046】
管理者は、グループ分け用の配分管理画面で振り分け率入力欄12aに各グループへの還元金の振り分け率を入力する。また、管理者は、蓄積率入力欄12bに管理組織の蓄積金とする蓄積率を設定する。これにより、振り分け率入力欄12aに入力された振り分け率を、振り分け率入力欄12aに対応するグループに属する各加盟店への還元金の振り分け率として設定される。例えば、
図13に示したグループ分け例の場合、グループ分け用の配分管理画面上でグループ1に対応する振り分け率入力欄12aで10%が設定された場合には、グループ1に属する管理NOが00001、00002、および00004の加盟店への還元金の振り分け率は10%となる。また、グループ分け用の配分管理画面上でグループ2に対応する振り分け率入力欄12aで3%が設定された場合には、グループ2に属する管理NOが00003の加盟店への還元金の振り分け率は3%となる。制御装置303は、グループ分け用の配分管理画面で設定された内容を、加盟店への還元金の配分方法を示す情報として記憶媒体304に記録する。
【0047】
次に、
図6のリストボックス6aに表示されている「蓄積」が選択された場合について説明する。上記の各画面で蓄積率や蓄積率を設定した場合には、プールされている還元金を各加盟店へ分配する際に、設定された蓄積率や蓄積額に応じた金額が管理組織に振り分けられた蓄積金として蓄積されていく。蓄積された金額は制御装置303によってその都度加算されて記憶媒体304に記録されており、管理者は、
図6のリストボックス6aで「蓄積」を選択することによって蓄積金の額を確認したり、蓄積金を指定した金融機関口座へ振り込むように指示したり、蓄積金を加盟店に分配するように指示したりすることができる。
【0048】
制御装置303は、管理者によって
図6のリストボックス6aで「蓄積」が選択されると
図14に示す蓄積用画面を表示装置305に表示する。制御装置303は、記憶媒体304から蓄積された蓄積額の情報を読み出して蓄積用画面の蓄積金額表示欄14aに表示する。これによって管理者は現在までに蓄積された蓄積金の額を確認することができる。管理者は、蓄積用画面上で蓄積金の蓄積金受け取り用口座への振り込みに関する設定を行うことができる。本実施の形態では、上限金額設定欄14bに蓄積金の上限金額を入力する方法と、「振込みを依頼する」ボタン14cを押下して振り込み指示を行う方法が用意されている。
【0049】
上限金額設定欄14bに蓄積金の上限金額を入力する方法では、管理者は、蓄積金の額が上限金額設定欄14bで指定した額に達したときに蓄積金をあらかじめ指定した金融機関口座へ振り込むように設定することができる。例えば、上限金額設定欄14bで10万円と設定した場合は、制御装置103は、上限金額設定欄14bで指定された金額を上限金額として記憶媒体304に記録しておく。そして、制御装置303は、記憶媒体304に記録して管理されている蓄積金の額が上限金額に達したときに、蓄積金の振込みタイミングと判断してあらかじめ登録されている金融機関口座へ上記の上限金額を振り込むための処理を行う。このとき、管理組織は、決済事業者から還元される還元金の振込先とは別に蓄積金を受け取るための金融機関口座を用意して、これを蓄積金の受け取り用口座として設定しておけば、蓄積金を組合費等として受け取ることができる。
【0050】
「振込みを依頼する」ボタン14cを押下して振り込み指示を行う方法では、制御装置303は、管理者によって「振込みを依頼する」ボタン14cが押下されると、表示装置305に
図15に示す振り込み指示画面を表示する。管理者は、振り込み指示画面上でチェックボタン15aまたは15bを選択して蓄積金の全額を振り込むか、あるいは一部を振り込むかを指定する。このとき、一部を振り込む場合は金額入力欄15cに振込額を入力する。
【0051】
また、管理者は、チェックボタン15dまたは15eを選択して蓄積金の振込先を指定する。管理者は、振込先を指定口座へ振り込むように指示する場合は、チェックボタン15dを選択して蓄積金の振込み先とする金融機関口座を指定する。一方、管理者は、蓄積金を加盟店へ均等して還元するように指示する場合は、チェックボタン15eを選択する。管理者は、振り込み指示画面で上記の設定が完了した場合には、「振込みを依頼する」ボタン15fを押下する。
【0052】
制御装置303は、「振込みを依頼する」ボタン15fが押下されたことを検出した場合には、振り込み指示画面で指定された内容に基づいて蓄積金の振込みを行うための蓄積金振込み処理を実行する。蓄積金振込み処理では、制御装置303は、チェックボタン15aまたは15bの選択状況に応じて蓄積金の振込額を決定し、決定した振込額をチェックボタン15dまたは15eで指定された振込先に振り込むための処理を行う。このとき、制御装置303は、チェックボタン15dが選択されている場合には、
図15に示す画面内で指定された金融機関口座へ振込額を振り込むための処理を行う。また、制御装置303は、チェックボタン15eが選択されていた場合には、振込額を均等に割り振って加盟店へ還元するための処理を行う。この場合、制御装置303は、あらかじめ登録されている各加盟店の金融機関口座へ振込額を均等に割った金額を振込むようにすればよい。
【0053】
情報処理装置300では、各加盟店へ分配された還元金の額は記憶媒体304に記録して管理されている。制御装置303は、上述したいずれかの方法で設定された加盟店への還元金の配分方法に応じて各加盟店へ還元金を分配する場合には、記憶媒体304に記録されている加盟店ごとの還元金データに対して、新たに分配された還元金の額を加算して更新する。このとき、制御装置303は、上述した処理で記憶媒体304に記録した加盟店への還元金の配分方法を示す情報に基づいて、各加盟店への還元金の配分方法を特定すればよい。これによって、各加盟店の分配された最新の還元金額が記憶媒体304に記録されて管理されることになる。
【0054】
加盟店である加盟店では、担当者は加盟店端末200を操作して管理組織から分配された還元金の額を確認したり、還元金を受け取るために振込みを指示したりすることができる。加盟店端末200の制御装置203は、操作者によって還元金額の確認が指示されると、表示装置205に
図16に示す還元金の確認画面を表示する。なお、加盟店端末200の操作者、すなわち加盟店の担当者は、表示期間を指定して、指定した期間における還元金の確認画面を表示するように指示することができる。
図16に示す例は、ある年、例えば2020年の9月が表示期間として指定された場合の表示例を示している。ここで、
図16に示す画面上に表示される情報はあらかじめ情報処理装置300の記憶媒体304に記録されており、制御装置203は報処理装置300にアクセスして表示用の情報を取得して画面上に表示するものとする。
【0055】
図16に示す還元金の確認画面では、表示期間における電子決済の決済金額、表示期間における決済手数料の金額、表示期間における還元金の額、表示期間における振込予定額、および表示期間における繰越金の金額が表示されている。なお、表示期間における振込予定額は、決済金額から決済手数料の金額を引いた額に還元金の額が加算された金額となる。
【0056】
加盟店端末200の操作者は、還元金を受け取る場合には「振込依頼をする」ボタン16aを押下することにより、管理者へ還元金の振り込み申請を行うことができる。この場合、制御装置203は情報処理装置300へ還元金の振込み申請のためのデータを送信する。情報処理装置300では、制御装置303は、加盟店端末200から還元金の振込み申請のためのデータを受信すると、あらかじめ登録されている加盟店の金融機関口座へ該加盟店に分配された還元金を振り込むための処理を実行する。
【0057】
なお、振込先とする加盟店の金融機関口座の情報は、例えば、
図17に示す登録情報画面で登録や変更することができる。各加盟店の登録情報としては、
図17に示すような情報があらかじめ登録されて情報処理装置300の記憶媒体304に記録されており、加盟店端末200の操作者は、
図17に示す画面を表示装置205に表示させて初回の新規登録や登録済みデータの修正を行うことができる。
【0058】
また、各加盟店では、自店に分配された還元金を管理元、すなわち還元金の管理者である自店の加盟先へ寄付することもでき、加盟店端末200の操作者は、還元金を加盟先の管理組織へ寄付する場合には「還元金を管理元へ寄付する」ボタン16bを押下することにより、管理組織へ還元金の寄付を指示することができる。この場合、制御装置203は情報処理装置300へ還元金の寄付を指示するためのデータを送信する。情報処理装置300では、制御装置303は、加盟店端末200から還元金の寄付を指示するためのデータを受信すると、その加盟店に分配された還元金を管理組織へ寄付するための処理を実行する。加盟店に分配された還元金を管理組織へ寄付するための処理としては、例えばその加盟店に分配された還元金を管理組織の蓄積金に振り替える方法などが考えられる。
【0059】
図16に示した還元金の確認画面は、年月を範囲指定することにより複数月分をまとめて表示させることもできる。例えば、
図18は、加盟店端末200の操作者によってある年、例えば2020年の1月から4月が表示期間として指定された例を示している。操作者は、複数月を表示した還元金の確認画面上でも「振込依頼をする」ボタン16aまたは「還元金を管理元へ寄付する」ボタン16bを押下することによって、自店に分配された還元金の振込みまたは寄付を指示することができる。
【0060】
図19は、本実施の形態における情報処理装置300で実行される配分方法設定処理の流れを示すフローチャートである。
図19に示す処理は、
図6に示した配分方法の設定画面のリストボックス6aでいずれかの配分方法が選択されると起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。
【0061】
ステップS10において、制御装置303は、リストボックス6aで選択された内容に応じて、
図7〜
図14に示した配分管理画面のいずれかを表示装置305に表示する。その後、ステップS20へ進む。
【0062】
ステップS20では、制御装置303は、表示装置305に表示した配分管理画面上で上述したように各加盟店への配分率と管理者用の蓄積率または蓄積額が入力されて配分内容が設定されたか否かを判断する。ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0063】
ステップS30では、制御装置303は、配分管理画面上で設定された配分方法や配分内容を含んだ情報を加盟店への還元金の配分方法を示す情報として記憶媒体304に記録する。その後、処理を終了する。
【0064】
図20は、本実施の形態における情報処理装置300で実行される還元金分配処理の流れを示すフローチャートである。
図20に示す処理は、上述したように各加盟店への還元金の分配タイミングにおいて起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。
【0065】
ステップS110において、制御装置303は、管理者にプールされている還元金と、上述したように加盟店ごとに設定された振分率とに基づいて、各加盟店に分配する還元金の額を算出する。その後、ステップS120へ進む。
【0066】
ステップS120では、制御装置303は、上述したように、記憶媒体304に記録されている加盟店ごとの還元金データに対して、ステップS110で算出した新たな配分額を加算して還元金データを更新する。その後、処理を終了する。
【0067】
図21は、本実施の形態における情報処理装置300で実行される還元金振込み処理の流れを示すフローチャートである。
図21に示す処理は、上述したように加盟店端末200から還元金の振込み申請のためのデータまたは還元金の寄付を指示するためのデータを受信すると起動するプログラムとして、制御装置303によって実行される。
【0068】
ステップS210において、制御装置303は、加盟店端末200から受信したデータに基づいて、加盟店から指示内容が振込みと寄付のどちらが指示されたかを判断する。
【0069】
ステップS210で振り込みが指示されたと判断した場合にはステップS220へ進む。ステップS220では、制御装置303は、上述したように、あらかじめ登録されている加盟店の金融機関口座へ該加盟店に分配された還元金を振り込むための処理を実行する。その後、処理を終了する。
【0070】
これに対して、ステップS210で寄付が指示されたと判断した場合にはステップS230へ進む。ステップS230では、制御装置303は、上述したように、指示を受けた加盟店に分配された還元金を管理組織に寄付するための処理を実行する。その後、処理を終了する。
【0071】
以上説明した実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)情報処理システム10は、利用者が電子決済導入者である加盟店で電子決済を利用すると、電子決済事業者が加盟店から徴収する手数料の一部を還元金として加盟店が属する管理組織へ還元する場合に、管理組織から加盟店へ還元金を分配するために利用され、情報処理装置300の制御装置303は、還元金の各加盟店への配分方法の設定を受け付け、設定を受け付けた配分方法を示す情報を記憶媒体304に記録し、記録した情報に基づいて、あらかじめ設定された配分方法に応じて還元金を各加盟店へ分配するための処理を実行するようにした。これによって、電子決済事業者が加盟店から徴収する手数料の一部を還元金として加盟店が属する管理組織を通して加盟店へ還元することができるため、電子決済の導入や購入者へのポイント付与のための加盟店の負担を軽減するための仕組みを提供することができる。また、電子決済を導入するための加盟店負担が軽減されるため、電子決済の普及を促進することができる。
【0072】
(2)制御装置303は、還元金を各加盟店に均等に振り分けて分配する均等振り分け、還元金の各加盟店への振り分け率を個別に設定する個別振り分け、還元金の各加盟店への振り分け率を加盟店の売り上げ実績に応じて決定する売上実績分け、および管理組織に加盟する加盟店を複数のグループにグループ分けしてグループごとに還元金の振り分け率を設定するグループ分けの各方法の中からいずれか一つの方法を配分方法として選択を受け付けるようにした。これによって、管理組織から加盟店へ還元金を分配する方法として様々な方法を提供することができる。また、管理組織の担当者は、あらかじめ用意された配分方法の中から組織に合った配分方法を選択することができる。
【0073】
(3)制御装置303は、還元金の一部を管理組織のための蓄積金として蓄積するように設定を受け付け、蓄積金が設定された場合には、還元金を各加盟店へ分配するときに、設定内容に基づいて還元金の一部を管理組織のための蓄積金として蓄積するための処理も実行するようにした。これによって、管理組織が加盟店から会費や組合費などを徴収する場合に、これらの費用を還元金の中から自動的に徴収することができる。
【0074】
(4)制御装置303は、蓄積金の管理組織への振り込みが指示された場合には、管理組織の金融機関口座へ蓄積金を振り込むための処理を実行するようにした。これによって、管理組織は蓄積金を受け取ることができる。
【0075】
(5)制御装置303は、蓄積金を管理組織に加盟する加盟店へ還元するように指示された場合には、蓄積金を各加盟店へ均等に還元するための処理を実行するようにした。これによって、管理組織は蓄積金を各加盟店に均等に分配することができる。
【0076】
(6)制御装置303は、加盟店から分配された還元金の振り込みが指示された場合には、加盟店の金融機関口座へ加盟店に分配された還元金を振り込むための処理を実行するようにした。これによって、加盟店は還元金を受け取ることができる。
【0077】
(7)制御装置303は、加盟店から分配された還元金の管理組織への寄付が指示された場合には、加盟店に分配されている還元金を管理組織へ寄付するための処理を実行するようにした。これによって、加盟店は還元金を管理組織に寄付することができる。
【0078】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の情報処理システムは、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、情報処理装置300は、加盟店が属する管理組織、例えば加盟店が加盟する協会、商店街、または自治体などの組合や団体の責任者や担当者によって操作される情報端末である例について説明した。しかしながら、情報処理装置300はインターネットに配置されたサーバ装置として、管理者が操作する管理組織用端末を別に設けてもよい。この場合、管理者は管理組織用端末を操作して上述した各種の設定や入力を行い、管理組織用端末で入力された情報は情報処理装置300に送信されて記憶媒体304に記録されるようにすればよい。
【0079】
(2)上述した実施の形態における加盟店は、利用者が訪れる店舗、すなわち実店舗であってもよいし、インターネット上のショッピングサイトのような仮想的な店舗であってもよい。なお、加盟店がインターネット上のショッピングサイトの場合には、電子決済はWEB上で行う決済、すなわちWEB決済となる。また、電子決済導入者は店舗に限定されず、商品の販売やサービスの提供に対して利用者から電子決済による支払いを受ける様々な法人や個人が電子決済導入者である場合にも本発明は適用可能である。例えば、交通費の決済、家賃の決済、または電気料金の決済などを行う際にも、支払い者が電子決済を行う場合に本発明を適用することができる。
【0080】
(3)上述した実施の形態では、情報処理システム10の想定される利用方法は
図5に示した方法である例について説明した。しかしながら、本発明を適用することができる方法であれば、情報処理システム10の利用方法は
図5に示した内容に限定されない。例えば、
図5では、電子決済事業者は、電子決済導入者である加盟店から支払われた手数料5dのうち、一部を電子決済事業者が提供するポイントサービスのポイント5fとして利用者に還元し、一部を還元金5gとして管理組織に還元し、残りを自社の取り分とする例について説明した。しかしながら、電子決済事業者は、利用者にはポイント5fに代えて還元金を還元してもよい。また、管理組織には還元金5gに代えてポイントを還元してもよい。すなわち、加盟店から電子決済事業者へ支払われる手数料を決済額の3%とする場合には、そのうち1%をポイント5fまたは還元金として利用者に還元し、1%を還元金5gまたは還元ポイントとして管理組織に還元し、残りの1%を自社の取り分とすればよい。なお、電子決済事業者から電子決済サービスの管理組織へ還元金5gに代えてポイントを還元する場合には、管理者は、
図7〜
図12に示した管理画面上で各加盟店への還元ポイントの配分方法を設定すればよい。そして、管理組織は、電子決済事業者から還元されたポイントをプールしておき、プールしておいた還元ポイントをあらかじめ設定された配分方法に基づいて各加盟店へ分配ポイントとして分配すればよい。すなわち、
図5では、電子決済サービスの管理組織は加盟店へ分配金5hに代えて分配ポイントを分配すればよい。なお、電子決済事業者から電子決済サービスの管理組織へ還元金5gに代えてポイントを還元するようにした場合には、管理組織は、上述した蓄積金に代えて蓄積ポイントを設定できるようにして、管理組織は蓄積ポイントを自身が受け取ったり、加盟店に分配したりできるようにすればよい。
【0081】
(4)上述した実施の形態では、電子決済サービスの契約組織、すなわち上述した管理組織は、例えば協会、商店街、または自治体などの組合や団体などであって、該管理組織から加盟店へ還元金を分配する例について説明した。しかしながら、対象となるのは上述した実施の形態における管理組織と加盟店には限定されず、情報処理システム10を導入した全ての電子決済サービスの管理組織に対して本発明は適用である。例えば、地域、会社、または仲間内という単位で団体を構成する場合に、これらの団体が電子決済サービスの管理組織として情報処理システム10を導入すれば、電子決済事業者から電子決済サービスの管理組織へ還元された還元金を、管理組織内の電子決済導入者へ分配することができる。例えば、ボランティア、寄付、会社の様々な支払い、社食や積立、仲間内の会食、株主などへの分配なども考えられる。
【0082】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
情報処理システム10は、利用者が電子決済を利用すると、電子決済事業者が電子決済導入者から徴収する手数料の一部を還元金または還元ポイントとして電子決済導入者が属する管理組織へ還元する場合に、管理組織から電子決済導入者へ還元金または還元ポイントを分配するための情報処理システムであって、還元金または還元ポイントの各電子決済導入者への配分方法の設定を受け付ける配分方法設定受付手段と、配分方法設定受付手段によって設定を受け付けた配分方法を示す情報を記憶媒体に記録する情報記録手段と、情報記録手段によって記録された情報に基づいて、あらかじめ設定された配分方法に応じて還元金または還元ポイントを各電子決済導入者へ分配するための処理を実行する分配手段とを備える。