(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6987947
(24)【登録日】2021年12月3日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】カートリッジ装置を備えたステレオリソグラフィ装置
(51)【国際特許分類】
B29C 64/259 20170101AFI20211220BHJP
B29C 64/124 20170101ALI20211220BHJP
B29C 64/321 20170101ALI20211220BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20211220BHJP
【FI】
B29C64/259
B29C64/124
B29C64/321
B33Y30/00
【請求項の数】27
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2020-181015(P2020-181015)
(22)【出願日】2020年10月29日
(62)【分割の表示】特願2018-544380(P2018-544380)の分割
【原出願日】2016年11月10日
(65)【公開番号】特開2021-20473(P2021-20473A)
(43)【公開日】2021年2月18日
【審査請求日】2020年11月12日
(31)【優先権主張番号】A50966/2015
(32)【優先日】2015年11月12日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】518166298
【氏名又は名称】シュタットルマン、クラウス
【氏名又は名称原語表記】STADLMANN, Klaus
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】シュタットルマン、クラウス
【審査官】
北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/201486(WO,A1)
【文献】
国際公開第2014/165265(WO,A1)
【文献】
特開2008−155477(JP,A)
【文献】
特表2015−527947(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00−64/40
B33Y 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化を引き起こす特定の光線の作用により感光性物質(3)を層ごとに又は連続的に硬化することで3次元対象物(2)を製造するためのステレオリソグラフィ装置であって、
該ステレオリソグラフィ装置は、
支持装置(7)と、
硬化を引き起こす光線(80)を発生させるための光源(8)と、
前記支持装置上に位置決め可能で取り外し可能な少なくとも1つのカートリッジ装置(5,6)とを含み、前記カートリッジ装置(5,6)は、シェル(14)により包囲された内部空間を有し、前記シェルの少なくとも1つの部分領域が、硬化を引き起こす前記光線に対して透過性に構成され、
前記カートリッジ装置(5,6,10,20,30,40)の前記シェル(14,141,142,143,144,24,34,44)は、変形可能であり、前記シェルにより包囲された前記内部空間(140,240,340,440)は、少なくとも部分的に受容空間(4)により構成される容積部を有し、前記受容空間(4)内には、照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間のために所定量の感光性物質(3)が受容可能であり、前記光線が到達可能であること、
前記シェルは、底部と、上部と、これらの底部と上部をつなぐ外殻部とを有すること、及び、
前記シェルの前記底部、及び/又は前記外殻部は、感光性物質を供給又は排出するための、及び/又は所定の溶剤を前記内部空間へ供給又は前記内部空間から排出するための、少なくとも1つの開口部を形成するために、少なくとも1つの穴開け可能な領域を有すること
を特徴とするステレオリソグラフィ装置。
【請求項2】
前記カートリッジ装置(5,6)は、前記支持装置(7)に取り外し可能に固定可能であること
を特徴とする、請求項1に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項3】
前記シェルの変形可能な領域は、一部材式で構成されていること
を特徴とする、請求項1又は2に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項4】
前記内部空間(140)の前記容積部は、大部分が、又は全部が、前記受容空間(4)により構成されていること
を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項5】
前記シェルにより包囲された前記内部空間(140)は、前記シェルの変形中に一定の容積を有すること
を特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項6】
前記シェルは、前記カートリッジ装置の高さに関して可逆的な圧縮が可能であるように変形可能であること
を特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項7】
前記シェル(14,24,34,141,142,143,144)は、それ自体が折り畳み可能であり且つ少なくとも1つの基準面(41,42)を有する幾何学形状を有すること
を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項8】
前記シェルの前記外殻部は、変形可能であること
を特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの穴開け可能な領域は、弱化された領域であること
を特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項10】
前記外殻部、及び/又は前記底部は、ガス又は混合ガス(19)に対し、或いは酸素又は空気に対し、透過性で構成されていること
を特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項11】
前記シェルは、上面部及び/又は側方において、閉鎖可能な開口部を有し、該開口部を通って感光性物質が前記内部空間内へ供給可能であり前記内部空間から排出可能であること
を特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記シェルは、前記開口部を密封するための密封要素を有すること
を特徴とする、請求項11に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項13】
前記開口部は、閉鎖部材(11,21,200,300,400,500)により閉鎖可能であり、該閉鎖部材は、感光性物質の硬化された層の支持体として構成されていること
を特徴とする、請求項11又は12に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項14】
前記カートリッジ装置は、前記内部空間内で可動なコンポーネントを有し、該コンポーネントは、前記カートリッジ装置内で、幾何学形状的な形式、機械的な形式、及び/又は磁気的な形式の案内部を介して案内されていること
を特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項15】
前記カートリッジ装置は、前記内部空間を上方に向かって境界付けて閉じる閉鎖部材(200,300,400,500,11,21)を有し、該閉鎖部材は、交換可能であること
を特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項16】
前記閉鎖部材は、前記内部空間に指向する面に形成されている幾何学形状的な穴部を有すること
を特徴とする、請求項15に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項17】
前記閉鎖部材は、複数部材式で構成されており、1つの感光性物質又は複数の感光性物質が保管可能である少なくとも1つの領域(101)を有すること
を特徴とする、請求項15又は16に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項18】
感光性物質の容器(101,312,401,404)を受容するための領域が設けられていること
を特徴とする、請求項17に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項19】
前記閉鎖部材は、少なくとも1つの組み込まれたピストン(301)を有し、該ピストンのストローク運動により感光性物質の流出が配量可能であること
を特徴とする、請求項15〜18のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項20】
前記ピストン(301)は、前記閉鎖部材内にある容器(312)の穴開け又は開放のための装置(305)を有すること
を特徴とする、請求項19に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項21】
前記ピストンは、溶剤、及び/又は、ガス又は混合ガス、或いは窒素又は空気を供給するための装置を有すること
を特徴とする、請求項19又は20に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項22】
前記カートリッジ装置は、酸素に対して透過性であり且つ少なくとも一部材式で構成された底部を含むこと
を特徴とする、請求項1〜21のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項23】
製造された3次元対象物の取り外しを容易にする振動を発生させるための装置が設けられていること
を特徴とする、請求項1〜22のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項24】
複数のカートリッジ装置(5,6)が該ステレオリソグラフィ装置へ取り付け可能であること
を特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載のステレオリソグラフィ装置。
【請求項25】
ステレオリソグラフィ装置において使用するためのカートリッジ装置(5,6,10,20,30,40)であって、
該カートリッジ装置は、シェル(14,141,142,143,144,24,34,44)により包囲された内部空間(140,240,340,440)を有し、該カートリッジ装置の前記シェルは、変形可能であり、前記内部空間(140,240,340,440)は、少なくとも部分的に受容空間(4)により構成される容積部を有し、前記受容空間内には、照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間のために所定量の感光性物質(3)が受容可能であり、感光性物質の硬化を引き起こす光線(80)が到達可能であること、
前記シェルは、底部と、上部と、これらの底部と上部をつなぐ外殻部とを有すること、及び、
前記シェルの前記底部、及び/又は前記外殻部は、感光性物質を供給又は排出するための、及び/又は所定の溶剤を前記内部空間へ供給又は前記内部空間から排出するための、少なくとも1つの開口部を形成するために、少なくとも1つの穴開け可能な領域を有すること
を特徴とするカートリッジ装置。
【請求項26】
該カートリッジ装置は、ステレオリソグラフィ装置へ取り外し可能に取り付け可能であること
を特徴とする、請求項25に記載のカートリッジ装置。
【請求項27】
情報支持体(502,503)が設けられており、該情報支持体は、感光性物質に関する情報、及び/又は3次元対象物の製造の過程のプロセスパラメータを保持すること
を特徴とする、請求項25又は26に記載のカートリッジ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化を引き起こす特定の光線の作用により感光性物質を層ごとに又は連続的に硬化することで3次元対象物を製造するためのステレオリソグラフィ装置に関し、当該装置は、支持装置と、硬化を引き起こす光線を発生させるための光線源と、支持装置上に位置決め可能で取り外し可能なカートリッジ装置とを含んでいる。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は、よく知られている。ステレオリソグラフィ装置では、層ないし層情報を層ごとに又は連続的に並べることにより、感光性物質から3次元物体が生成される。本発明は、この種の装置に取り付け可能であり製造すべき対象物を包囲する、改善されたカートリッジシステムの使用に係るものである。
【0003】
ステレオリソグラフィとの概念は、例えばデジタルマスクにより又は移動式のレーザ光線により生成可能である幾何学形状的な層情報を層ごとに生成することで、予め設定可能な所望の形状を有する3次元物体(「対象物」ないし「目標物」)を生成するために、光による照射で硬化可能(固化可能)な感光性物質が使用され、多くの場合、液状のモノマー配合物が使用されるという製造プロセスを表している。ステレオリソグラフィの基本的な原理は、ラピッドプロトタイピング、3Dプリントなどの概念としても知られている。
【0004】
ステレオリソグラフィ過程のためには、幾何学形状的な層情報を感光性物質へ投射し、この感光性物質を層ごとに又は連続的に底部上で又は他の定義された基準面上で硬化(「現像」)するために、制御可能なレーザの他、ピクセルベースの表示ディスプレイや、例えば制御可能なマイクロミラー(いわゆるMEMSチップ又はDLPチップ)と関連して、インコヒーレント光源も利用されることが可能である。層情報は、特にピクセルベースであることが可能である。基準面(基準平面とも称される)は、その上で感光性物質の1つの層の硬化が行われる定義面を意味し、この定義面は、底部内面部又は蓋部内面部の表面、又は他の適切に定義された面としてよく、適用に応じ、適切な硬さの粘稠度、適切な柔らかさの粘稠度、又は適切な液状の粘稠度をもつことが可能である。硬化された層を基準面から分離するために、基準面は、最初に、即ち生成プロセスの最初のステップの前に、支持体上へ(例えば重合プロセスにより付着されて)被覆形成され、該支持体は、基準面の上面部(例えばカートリッジ底部)と一致することのできる焦平面に対して相対運動を行える状態にある。次の方法ステップにおいて、感光性物質の新しい材料が、最後に生成された層と基準面との間に流入可能となり、このことは、例えば簡単なストローク運動により行うことが可能である。それにより後から流入した感光性物質も露光により硬化可能である。これらの方法ステップは、構成すべき対象物が個々の投影された層情報に従って構造化完了となるに至るまで繰り返される。
【0005】
これらの方法において最も大きな問題は、とりわけ、装置自体の内部における感光性物質の効果的で調節可能な貯蔵ないし保管、基準面から個々の層の損傷のない分離、基準面に対する生成された層の支持体ないし生成された対象物の支持体の相対運動の効果的な制御、装置のできるだけ簡単な操作性、並びに装置内への新しい感光性材料の供給である。
【0006】
従来技術から、様々な解決策が知られており、これらの解決策は、多くの場合、開口した桶状の容器を感光性物質のために設けている。カートリッジについても説明されているが、それらのカートリッジは、極めて複雑で、堅固で(剛性が高く)、費用のかかる容器である。
【0007】
例えば下記特許文献1は、底部プレートと結合されており、非透明部分により下方に向かって緊張されたフィルム(フォイル)が設けられている容器を記載している。このフィルムは、層の持ち上げの際に変形されることができ、それにより比較的ソフトで損傷のない引き離しを可能とする。当該容器は、とりわけ、底部プレートと、容器内へ突出する締付部(ないし緊張部)と、支持体自体のような様々な他の部材を含み、複雑な構造体を表わす、組み立て式の複合構成グループである。
【0008】
他の解決策(下記特許文献2、下記特許文献3を参照)は、閉じたカートリッジの代わりに、同様に引き離し力を軽減するための変形可能なフィルムを含んだ、開口した桶状の幾何学形状を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】DE 10 2014 215 213 A1
【特許文献2】DE 101 19 817 A1
【特許文献3】JP H06 246838 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
既知の解決策は、カートリッジシステムと桶部材自体が極めて複雑な構造であるという欠点と、並びに、例えば桶部材の洗浄、機械内への桶部材の挿入、正確な充填量の確定に関する感光性物質の操作性の欠点とを有し、更に桶部材システムにおいてオープンな液体レベル(液面)を有し、補充中ないし入れ替え中の感光性物質の直接的な接触ないし装置自体の汚染という危険性を有する。多大な欠点は、感光性材料で満たされた桶部材を取り付ける際、及び/又は桶部材を取り外す際にも、複雑な締付機構が操作されなくてはならず、又は桶部材が保持装置内へ押し込まれなくてはならないことにより発生する。生成された構成品を取り外す際にも、装置の汚染の問題、及び/又は操作オペレータの汚染の問題、特に他の感光性モノマーに交換する際に洗浄されなくてはならない個々の装置構成部材又は構成グループの汚染の問題があり、そのような洗浄は、困難で時間のかかるものである。更なる欠点は、従来の解決策が、所定の雰囲気下ないし所定の雰囲気条件下で作動することを可能としないことにある。また生成された対象物の洗浄も問題であり、それは、機械から対象物の支持体を取り外す際には、対象物を濡らしている硬化されていないモノマーが、起こり得る利用者の汚染とは別に、機械並びに機械の設置個所を汚染する可能性があるためである。更に感光性物質は、オープンな状態にある液体レベルにより、ある程度の老化作用を被り、この老化作用は、化学的な特性を変化させ、それにより例えば要求される生体適合性(バイオコンパティビリティ)のような、構成される対象物の特性に対して不利に作用する。
【0011】
ここで提示される発明は、上記の欠点を解消するステレオリソグラフィ装置ないしステレオリソグラフィ装置のためのカートリッジ装置を創作すると共に、簡素化され、故障がなく、経済的であり、好ましくは連続的で、容易に記録されるべき、3次元対象物の生成(構造化)を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題は、カートリッジ装置(カートリッジシステム)が、シェルにより包囲された内部空間を有し、この際、シェルの少なくとも1つの部分領域が、硬化を引き起こす光線に対して少なくとも部分的に透過性であり、この際、本発明によりカートリッジ装置のシェルは、変形可能であり、シェルにより包囲された内部空間は、感光性物質のための受容空間により少なくとも部分的に構成される容積部を有する、冒頭に記載した形式のステレオリソグラフィ装置により解決される。この際「受容空間」とは、その中に照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間、所定量の感光性物質が受容可能であり、光線が到達可能(硬化を引き起こす光線により照射可能)であるという空間として理解される。
即ち本発明の第1の視点により、
硬化を引き起こす特定の光線の作用により感光性物質を層ごとに又は連続的に硬化することで3次元対象物を製造するためのステレオリソグラフィ装置であって、
該ステレオリソグラフィ装置は、
支持装置と、
硬化を引き起こす光線を発生させるための光源と、
前記支持装置上に位置決め可能で取り外し可能な少なくとも1つのカートリッジ装置とを含み、前記カートリッジ装置は、シェルにより包囲された内部空間を有し、前記シェルの少なくとも1つの部分領域が、硬化を引き起こす前記光線に対して透過性に構成され、
前記カートリッジ装置の前記シェルは、変形可能であり、前記シェルにより包囲された前記内部空間は、少なくとも部分的に受容空間により構成される容積部を有し、前記受容空間内には、照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間のために所定量の感光性物質が
受容
可能であり、
前記光線が到達可能であること
、
前記シェルは、底部と、上部と、これらの底部と上部をつなぐ外殻部とを有すること、及び、
前記シェルの前記底部、及び/又は前記外殻部は、感光性物質を供給又は排出するための、及び/又は所定の溶剤を前記内部空間へ供給又は前記内部空間から排出するための、少なくとも1つの開口部を形成するために、少なくとも1つの穴開け可能な領域を有すること
を特徴とするステレオリソグラフィ装置が提供される。
【0013】
また上記の課題は、上記の形式のステレオリソグラフィ装置において使用するためのカートリッジ装置(カートリッジシステム)によっても解決され、この際、カートリッジ装置は、シェルにより包囲された内部空間を有し、この際、カートリッジ装置のシェルは、変形可能であり、更に内部空間は、少なくとも部分的に受容空間により構成される容積部を有し、受容空間内には、照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間、所定量の感光性物質が受容可能であり、感光性物質の硬化を引き起こす光線が到達可能(硬化を引き起こす光線により照射可能)である。
即ち本発明の第2の視点により、
ステレオリソグラフィ装置において使用するためのカートリッジ装置であって、
該カートリッジ装置は、シェルにより包囲された内部空間を有し、該カートリッジ装置の前記シェルは、変形可能であり、前記内部空間は、少なくとも部分的に受容空間により構成される容積部を有し、前記受容空間内には、照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間のために所定量の感光性物質が
受容
可能であり、
感光性物質の硬化を引き起こす光線が到達可能であること
、
前記シェルは、底部と、上部と、これらの底部と上部をつなぐ外殻部とを有すること、及び、
前記シェルの前記底部、及び/又は前記外殻部は、感光性物質を供給又は排出するための、及び/又は所定の溶剤を前記内部空間へ供給又は前記内部空間から排出するための、少なくとも1つの開口部を形成するために、少なくとも1つの穴開け可能な領域を有すること
を特徴とするカートリッジ装置が提供される。
なお、特許請求の範囲に付記した図面参照符号は専ら発明の理解を助けるためのものに過ぎず、本発明を図示の態様に限定することは意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明を実施するための形態について説明する。
本発明において少なくとも下記の形態が可能である。
(形態1)
硬化を引き起こす特定の光線の作用により感光性物質を層ごとに又は連続的に硬化することで3次元対象物を製造するためのステレオリソグラフィ装置であって、
該ステレオリソグラフィ装置は、
支持装置と、
硬化を引き起こす光線を発生させるための光源と、
前記支持装置上に位置決め可能で取り外し可能な少なくとも1つのカートリッジ装置とを含み、前記カートリッジ装置は、シェルにより包囲された内部空間を有し、前記シェルの少なくとも1つの部分領域が、硬化を引き起こす前記光線に対して透過性に構成され、
前記カートリッジ装置の前記シェルは、変形可能であり、前記シェルにより包囲された前記内部空間は、少なくとも部分的に受容空間により構成される容積部を有し、前記受容空間内には、照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間、所定量の感光性物質が受容可能であり、前記光線が到達可能であること。
(形態2)
前記カートリッジ装置は、前記支持装置に取り外し可能に固定可能であること
を特徴とする、好ましくは形態1に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態3)
前記シェルの変形可能な領域は、一部材式で構成されており、好ましくは柔軟な材料から構成されていること
を特徴とする、好ましくは形態1又は2に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態4)
前記内部空間の前記容積部は、大部分が、好ましくは全部が、前記受容空間により構成されていること
を特徴とする、好ましくは形態1〜3のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態5)
前記シェルにより包囲された前記内部空間は、前記シェルの変形中に実質的に一定の容積を有すること
を特徴とする、好ましくは形態1〜4のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態6)
前記シェルは、前記カートリッジ装置の高さに関して可逆的な圧縮が可能であるように変形可能であること
を特徴とする、好ましくは形態1〜5のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態7)
前記シェルは、それ自体が折り畳み可能であり且つ少なくとも1つの基準面(41,42)を有する幾何学形状を有すること
を特徴とする、好ましくは形態1〜6のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態8)
前記シェルは、底部と、上部と、これらの底部と上部をつなぐ外殻部とを有し、好ましくは 該外殻部が変形可能であること
を特徴とする、好ましくは形態1〜7のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態9)
前記シェルの前記底部、及び/又は前記外殻部は、感光性物質を供給又は排出するための、及び/又は所定の溶剤を前記内部空間へ供給又は前記内部空間から排出するための、少なくとも1つの開口部を形成するために、少なくとも1つの穴開け可能な領域、好ましくは弱化された領域、を有すること
を特徴とする、好ましくは形態8に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態10)
前記外殻部、及び/又は前記底部は、ガス又は混合ガスに対し、特に酸素又は空気に対し、透過性で構成されていること
を特徴とする、好ましくは形態8又は9に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態11)
前記シェルは、上面部及び/又は側方において、閉鎖可能な開口部を有し、該開口部を通って感光性物質が前記内部空間内へ供給可能であり前記内部空間から排出可能であること
を特徴とする、好ましくは形態1〜10のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態12)
前記シェルは、前記開口部を密封するための密封要素を有すること
を特徴とする、好ましくは形態11に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態13)
前記開口部は、好ましくは一部材式で構成されている閉鎖要素により閉鎖可能であり、該閉鎖要素は、好ましくは、感光性物質の硬化された層の支持体として構成されていること
を特徴とする、好ましくは形態11又は12に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態14)
前記カートリッジ装置は、前記内部空間内で可動なコンポーネントを有し、該コンポーネントは、前記カートリッジ装置内で、幾何学形状的な形式、機械的な形式、又は磁気的な形式の案内部を介して案内されていること
を特徴とする、好ましくは形態1〜13のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態15)
前記カートリッジ装置は、前記内部空間を上方に向かって境界付けて閉じる閉鎖部材を有し、該閉鎖部材は、交換可能であり、好ましくは全体的に堅固であること
を特徴とする、好ましくは形態1〜14のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態16)
前記閉鎖部材は、前記内部空間に指向する面に形成されている幾何学形状的な穴部を有すること
を特徴とする、好ましくは形態15に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態17)
前記閉鎖部材は、複数部材式で構成されており、1つの感光性物質又は複数の感光性物質が保管可能である少なくとも1つの領域を有すること
を特徴とする、好ましくは形態15又は16に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態18)
感光性物質の容器を受容するための領域が設けられており、好ましくは、前記容器の穴開けのための手段(105,305)が設けられていること
を特徴とする、好ましくは形態17に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態19)
前記閉鎖部材は、少なくとも1つの組み込まれたピストンを有し、該ピストンのストローク運動により感光性物質の流出が配量可能であること
を特徴とする、好ましくは形態15〜18のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態20)
前記ピストンは、前記閉鎖部材内にある容器、特に感光性物質の容器の穴開け又は開放のための装置を有すること
を特徴とする、好ましくは形態19に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態21)
前記ピストンは、溶剤、及び/又は、ガス又は混合ガス、特に窒素又は空気を供給するための装置を有すること
を特徴とする、好ましくは形態19又は20に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態22)
前記カートリッジ装置は、酸素に対して透過性であり且つ少なくとも一部材式で構成された底部を含むこと
を特徴とする、好ましくは形態1〜21のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態23)
製造された3次元対象物の取り外しを容易にする振動を発生させるための装置が設けられていること
を特徴とする、好ましくは形態1〜22のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態24)
複数のカートリッジ装置が該ステレオリソグラフィ装置へ取り付け可能であること
を特徴とする、好ましくは形態1〜23のいずれか一に記載のステレオリソグラフィ装置。
(形態25)
ステレオリソグラフィ装置において使用するためのカートリッジ装置であって、
該カートリッジ装置は、シェルにより包囲された内部空間を有し、該カートリッジ装置の前記シェルは、変形可能であり、前記内部空間は、少なくとも部分的に受容空間により構成される容積部を有し、前記受容空間内には、照射及び硬化過程の少なくとも一期間の間、所定量の感光性物質が受容可能であり、感光性物質の硬化を引き起こす光線が到達可能であること
を特徴とするカートリッジ装置。
(形態26)
該カートリッジ装置は、ステレオリソグラフィ装置へ取り外し可能に取り付け可能であること
を特徴とする、好ましくは形態25に記載のカートリッジ装置。
(形態27)
情報支持体が設けられており、該情報支持体は、感光性物質に関する情報、特に感光性物質の量、種類、及び/又は状態、及び/又は3次元対象物の製造の過程のプロセスパラメータを保持すること
を特徴とする、好ましくは形態25又は26に記載のカートリッジ装置。
【0015】
本発明による解決策は、既知の形式の実質的に堅固なカートリッジに代わり、シェル並びに底部が少なくとも部分的に可撓(フレキシブル)に構成されており、少なくとも所定の材料から構成されているカートリッジを提案する。シェルを可撓に構成することにより、カートリッジシェルの変形、並びに必要な場合には全カートリッジボディの変形が、例えばカートリッジの圧縮により可能とされ、それにより基準面から層の後続の分離を伴う、対象物支持体(以下、「支持体」と称する)における層の直接的な生成、並びに層の直接的な付着が容易化され、それに対して感光性物質は、少なくとも部分的に構造化プロセス中にはカートリッジの内部にある。この際、生成された層の数が増加するにつれてカートリッジは伸長され、或いはより少なく圧縮され(変形され)、従ってカートリッジは、所望であるならば、生成すべき対象物の完成後には、機械への挿入により再びその元の形状へ復元されることが可能である。シェルは、内部空間を外方に向かって境界付けるカートリッジの部分として理解され、場合により設けられる、例えば押付具、スクレーパ(ないしヘラ Rakel)、又は弁部材のような、内部空間内で可動である追加的なコンポーネントは、本発明の意味においてシェルには属さない。
【0016】
それにより本発明は、ステレオリソグラフィ装置の内部の感光性物質のより効率的で調節可能な保管を可能とし、並びに生成された層を基準面から損傷なく分離することを可能とする。更なる利点は、基準面に対する生成された層の支持体ないし生成された対象物の支持体の相対運動の制御が改善されて比較的簡単であること、並びにステレオリソグラフィ装置内の感光性材料の提供性と操作性が簡素化されていることである。
【0017】
更にカートリッジは、情報支持体を有するように構成されていることが可能であり、該情報支持体を介し、量、種類、状態、プロセスパラメータを推定することができる。それに応じ、カートリッジ装置は、情報支持体(ないし記憶手段)を含み、該情報支持体は、感光性物質に関する情報、特に感光性物質の量、種類、及び/又は状態、及び/又は3次元対象物の製造の過程のプロセスパラメータを保持し、及び/又はステレオリソグラフィ装置へ、例えばステレオリソグラフィ装置の制御装置へ伝送する。情報支持体は、例えば、マーク、バーコード、RFIDチップ、磁気ストライプなどであり得る。
【0018】
記述したように、カートリッジ装置が、ここで開示された形式のステレオリソグラフィ装置へ取り外し可能に取り付け可能であると有利である。本発明の有利な更なる一構成において、カートリッジ装置は、カートリッジの交換を容易にするために、対象物支持体に取り外し可能に固定可能であり、ないし固定されていることが可能である。
【0019】
シェルの変形可能な領域は、一部材式で構成されていることが可能であり、好ましくは、柔軟(可撓性)な材料(曲げやすい材料)から成るが、要求に応じて複数部材式としてもよい。つまりカートリッジの外殻部は、フィルムチューブ(例えばFEPフィルム又はPTFEフィルム)から構成されることが可能であり、それに対して例えば透明な底部材(最も簡単な場合は少なくとも1つのガラス片)が位置するカートリッジの底部は、適切なプラスチックから成る簡単な射出成形部材であり、カートリッジの閉鎖用の上部も同様である。底部材又は上部は、構成に応じ、基準面を含むことができる。
【0020】
更に内部空間の容積部は、大部分が、好ましくは全部が、受容空間により構成されていることが可能である。基準面は、受容空間の底部(ないし上面)にあるか、又は受容空間内の適切な表面により、例えばメンブレン(膜)、2つの(例えば上下に層を成す)液体の間の境界面、又は受容空間内で異なる状態を有する少なくとも1つの感光性物質の境界面により定義される。シェルは、好ましくは、包囲された内部空間が、シェルの変形過程中に実質的に一定の容積を有するように構成されていることが可能である。多くの実施形態において、シェルの変形可能性は、カートリッジ装置の高さに関して可逆的な圧縮(復元可能な圧縮)が可能であるように設計されている。多くの場合、圧縮変形は、優先的に所望の変形であり、従ってこれらの場合において、変形可能性は、そのような可逆的な圧縮に制限されているとしてよい。圧縮(又は圧縮に対する伸長)は、例えば、支持装置のベースプレートと、該ベースプレートに向かい合うカートリッジ装置の端部を保持する保持装置との間の相対運動により発生可能であり、一般的にカートリッジ装置の2つの端部は、支持装置において、それぞれの保持手段により保持されており、カートリッジ装置の圧縮ないし伸長は、これらの保持手段の互いの相対運動により行われる。
【0021】
多くの実施形態において、シェルは、それ自体が折り畳み可能(ないし蛇腹式しわ寄せ可能)である幾何学形状を有することができる。それに加え又は代替的に、シェルは、少なくとも1つの基準面を有し、該基準面は、堅固に、部分的に可撓に、又は全体的に可撓に構成されていることが可能である。シェル内に構成された基準面は、空間内で任意に移動又は変形可能であると有利である。
【0022】
シェルは、好ましくは、シェルが、底部と、上部と、これらの底部と上部をつなぐ外殻部とを有するように形成されていることが可能であり、この際、好ましくは、外殻部が変形可能である。シェルの底部は、少なくとも一層式で堅固に又は可撓に構成されており、及び/又は複数の材料から構成されていることが可能である。
【0023】
本発明の更なる一構成視点により、シェルの底部、及び/又は外殻部は、感光性物質を供給又は排出するための、及び/又は所定の溶剤を内部空間へ供給又は内部空間から排出するための、少なくとも1つの開口部を形成するために、少なくとも1つの穴開け可能な領域、好ましくは、弱化された領域を有することが可能である。
【0024】
本発明によるカートリッジ装置のシェルは、感光性物質に対して非透過性であり且つ少なくとも一体的に構成されている閉じた底部並びに側壁部を有することが可能である。しかしこれらは、ガス又は混合ガスに対して透過性(浸透性)で構成されていることが可能である。この意味において、既述の外殻部は、ガス又は混合ガスに対し、特に酸素又は空気に対し、透過性(浸透性)に構成されている。またこの種の底部は、ガス透過性としてもよい。
【0025】
更にシェルは、上面部及び/又は側方において、閉鎖可能な開口部を有することが可能であり、該開口部を通って感光性物質が内部空間内へ供給可能であり内部空間から排出可能である。シェルは、特に側方の開口部ないし開口突出部を有することも可能である。この際、シェルは、開口部を密封するための密封要素(シール要素)を有することが可能である。またシェルは、上側の開口部並びに下面部において密封要素を有することが可能である。更に開口部は、好ましくは一部材式で構成されている閉鎖要素により閉鎖可能であり得て、この際、該閉鎖要素は、感光性物質の硬化された層の支持体として構成されていると好ましい。
【0026】
一部材式又は複数部材式に構成されたカートリッジは、幾何学形状的な要素、機械的な要素、又は磁気的な要素を含むことが可能であり、これらの要素は、相対運動を実行することのできる少なくとも1つの要素と、所定の固定部を介して結合可能である。更にカートリッジ装置の有利な更なる一構成は、内部空間内で可動なコンポーネントを有し、該コンポーネントは、カートリッジ装置内で幾何学形状的な形式、機械的な形式、及び/又は磁気的な形式の案内部を介して案内されていることが可能である。シェル内で可動なこの種のコンポーネントは、例えば、スクレーパ(ヘラ Rakel)、押付具、弁として機能するフラップなどであり得る。
【0027】
本発明の一構成は、カートリッジ装置が、内部空間を上方に向かって境界付けて閉じる閉鎖部材を有することが可能であることを提案し、この際、この閉鎖部材は、交換可能であり、好ましくは全体的に堅固(高い剛性)であり得る。この閉鎖部材は、カートリッジの内部空間に指向する面において、適切に形成された幾何学形状的な穴部、即ち切欠部や開口部を有することが可能である。この種の穴部を通し、例えば感光性液体をカプセルからシェルの内部空間内へ入れることができる。穴部の他の有利な使用は、支持体として用いられる面における3次元対象物の付着を改善することである。それに加え、閉鎖部材は、一部材式又は複数部材式で構成されていることが可能である。閉鎖部材(閉鎖要素)の適切な幾何学的な形状構成により、1つの感光性樹脂又は複数の感光性樹脂が直接的に又は間接的に保管可能である少なくとも1つの領域を設けることが可能である。
【0028】
有利には、閉鎖部材(閉鎖要素)は、感光性樹脂で満たされた、好ましくは穴開け可能に構成されている少なくとも1つの物体が格納可能であることを可能とする。それに対応し、感光性物質の容器を受容するための領域が設けられていると有利であり得て、この際、好ましくは、容器の穴開けのための手段が設けられている。
【0029】
それに加え、閉鎖部材は、少なくとも1つの組み込まれたピストンを有することが可能であり、該ピストンのストローク運動により感光性物質の流出が配量可能である。該ピストンは、更に閉鎖部材内にある容器、特に感光性物質を有する容器、の穴開け又は開放のための装置を有することが可能である。従って少なくとも1つのピストンは、感光性材料を放出するために、時間に依存して、少なくとも1つの袋状要素を損傷することのできる状態にあり得る。
【0030】
追加的にピストンは、溶剤、及び/又は、ガス又は混合ガス、特に窒素又は空気を供給するための装置を有することが可能である。
【0031】
それに加え、カートリッジ装置は、有利には、酸素に対して透過性であり且つ一部材式又は複数部材式で構成された底部を含むことが可能である。
【0032】
製造された3次元対象物の取り外しを容易にするために、更に本発明による装置内には、振動を発生させるための装置が設けられていることが可能である。
【0033】
本発明によるステレオリソグラフィ装置は、1つか又は2つ以上のカートリッジを取り付けるために設けられていることが可能である。特に複数のカートリッジ装置をステレオリソグラフィ装置へ取り付けることが可能である。
【0034】
本発明の更なる詳細及び利点は、添付の図面に図示された、本発明に対する限定的ではない複数の実施例の以下の説明から明らかである。図面は、模式的な形式で以下の内容を示している:
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の一実施例によるステレオリソグラフィ装置の斜視図を示す図である。
【
図2】
図1の装置に取り付けることのできる一カートリッジ装置の分解図を示す図である。
【
図2a】
図2のカートリッジ装置を組み立てた状態で示す図である。
【
図3】支持体とその中に取り付けるべきカプセルとを有するカートリッジ閉鎖部材の第1実施形態の斜視図を示す図である。
【
図5】カプセルが取り付けられた
図3の閉鎖部材の斜視図を示す図である。
【
図7】閉鎖部材の第2実施形態の斜視図を示す図である。
【
図9】栓部材の取り外された
図7及び
図8の閉鎖部材を示す図である。
【
図10】複数のコンポーネントから組み立てられた閉鎖部材の一実施形態を斜視図として示す図である。
【
図11】組み立てられた状態の
図10の閉鎖部材の縦断面を示す図である。
【
図12】ピストンが操作された状態の
図10の閉鎖部材を示す図である。
【
図13】ピストンが操作された状態の
図11の閉鎖部材を示す図である。
【
図14a】本発明によるカートリッジ装置のシェルの一実施バリエーションを示す図である。
【
図14b】本発明によるカートリッジ装置のシェルの一実施バリエーションを示す図である。
【
図14c】本発明によるカートリッジ装置のシェルの一実施バリエーションを示す図である。
【
図14d】本発明によるカートリッジ装置のシェルの一実施バリエーションを示す図である。
【
図15】情報支持体が設けられたカートリッジ閉鎖部材を示す図である。
【
図16a】本発明による一カートリッジ装置を使用して感光性物質の硬化層を生成するための4つの段階の順番のうち1番目の段階を図解する図である。
【
図16b】本発明による一カートリッジ装置を使用して感光性物質の硬化層を生成するための4つの段階の順番のうち2番目の段階を図解する図である。
【
図16c】本発明による一カートリッジ装置を使用して感光性物質の硬化層を生成するための4つの段階の順番のうち3番目の段階を図解する図である。
【
図16d】本発明による一カートリッジ装置を使用して感光性物質の硬化層を生成するための4つの段階の順番のうち4番目の段階を図解する図である。
【
図17】一カートリッジシステムの他の一実施形態を示す図である。
【
図18】一カートリッジシステムの更に他の一実施形態を示す図である。
【
図19a-19b】閉鎖部材のカプセルの交換の様子を図解する図である。
【実施例】
【0036】
図1は、本発明によるステレオリソグラフィ装置1の一実施例の例示の外観を示しており、当該装置1は、所定の感光性物質からそれぞれのカートリッジ装置5、6の内部で硬化される個々の層を用いて1つ又は複数の3次元対象物2(
図16a〜
図16d)を生成製造するためのものである。この際、感光性物質は、カートリッジ装置5、6の内部の受容空間4内で放射線(作用光線)により硬化可能である。本開示内容の枠内において「放射線」とは、感光性物質の所望の硬化反応を引き起こすのに適した(通常は電磁気的な)光線、特にUV光のような光線を意味している。感光性物質は、通常は液状であり、この際、本開示内容の枠内において「液状」との概念は、懸濁液や濃い液状の物質を含め、任意の粘性を有する液体に関する。
【0037】
1つ又は複数のカートリッジ装置5、6は、それぞれに割り当てられたサポート装置75、76を用いて保持され、ベースプレート77上に配設されている。ベースプレート77は、付属の駆動部や場合により他の(
図1では非図示の)コンポーネントを含め、サポート装置75、76と共に本発明の支持装置7を構成している。
【0038】
制御可能な光源8は、例えばベースプレート77の下方に配設されており、そこでステップモータ駆動式のリニア駆動部81、82を用い、水平方向において、好ましくは2つの方向(X方向とY方向)において位置決め可能である。光源8は、そのように少なくとも1つのカートリッジ装置5、6に対して相対運動可能に構成されており、このようにして対象物2の構造化プロセスが行われるべきカートリッジ装置5、6の下方において位置決めされる。1つのバリエーションにおいて、ステレオリソグラフィ装置は、回転可能に備えられたミラーを含むことも可能であり、該ミラーを介し、更なる偏向ミラーを用い、光源8から出射された光を、回転可能に備えられたミラーの偏向により複数のカートリッジ装置に導くことも可能である。
【0039】
各サポート装置75、76は、ベースプレート77ないしカートリッジ装置5、6の底部に対し、例えば所定のステップモータ駆動部により高さに関して位置調節可能である。サポート装置75、76は、好ましくは、サポート装置75、76が、その中に保持されたカートリッジ装置を受容し、中心合わせをし、ベースプレート77に対して所定のポジションで固定保持することができるように構成されており、好ましくは、サポート装置75、76は、カートリッジ装置5、6の上部(閉鎖部材)を保持し、そのようにしてベースプレート77に対する運動によりカートリッジ装置5、6の高さを調節し、そのようにしてこれらを圧縮することが可能である。更に支持装置7は、カートリッジ装置5、6のうち1つ又は各々のために固定要素74を有し、例えば形状結合(互いの形状により拘束し合う結合、アリツギ式結合)によるロックを可能とするボディ部材を有することが可能であり、固定要素74を用い、カートリッジ装置5、6の下部が少なくとも(作動)展開過程(構造化過程)の期間の間、固定可能である。制御装置9は、例えば制御コンピュータであるが、サポート装置75、76、リニア駆動部81、82の運動を制御し、光源8の点灯も含め、ステレオリソグラフィ装置1における製造プロセスの経過を制御し、場合により制御装置9は、カートリッジ装置5、6におけるセンサにより記録された測定信号及び/又はセンサ信号も受信して処理する。
【0040】
図2には、本発明の一カートリッジ装置の実施例として一カートリッジシステム10を(z方向で分解された)等角分解図として図示されており、該カートリッジ装置は、
図1のステレオリソグラフィ装置に取り付け可能である。
図2aは、組み立てられたカートリッジシステム10を示している。図示された実施形態のカートリッジシステム10は、例えば、閉鎖部材11(例えば、以下、
図3〜
図6で説明する閉鎖部材と構造的に同じであり得る)と、シェル14(例えば、
図14aのシェル141と構造的に同じである)と、好ましくは少なくとも部分的に放射線(作用光線)に対して光線透過性である追加的な底部15と、ロック部材16と、カートリッジ補強部材17とを含んでいる。勿論、閉鎖部材と、底部と共にシェルと、ロック部材とは、ここで開示された構成とは異なる構成により、又は当業者が本発明の枠内で見出すことのできる更なる実施形態により実現されていることも可能である。
【0041】
ロック部材16は、シェル14を追加的に補強するために用いられ、更にこの構成部材16は、ステレオリソグラフィ装置1(
図16)における、少なくとも部分的に可撓(フレキシブル)なカートリッジシステム10の基準設定、中心合わせ、力結合(摩擦結合)による固定、及び/又は形状結合による固定を可能とする。更にロック部材16は、下側のカートリッジ領域の膨らみ、変形、折れ曲がり、及び/又は、持ち上がりを防止する。
【0042】
少なくとも部分的に可撓なカートリッジシステム10をステレオリソグラフィ装置1の外部と内部で確実に取り扱うことができるようにするために、カートリッジシステム10は、カートリッジ補強部材17を有し、カートリッジ補強部材17は、例えば少なくともハーフシェル状で構成され、カートリッジシステム10の可撓なシェル14の幾何学形状へ適合されている。カートリッジ補強部材17を用いることにより、カートリッジシステム10の所望の高さが固定される。カートリッジ補強部材17は、カートリッジシステム10から引き抜きが簡単に可能であるように構成されていることも可能であり、このことは、例えばグリップ又はウインドウにより達成可能である。好ましくは、カートリッジ補強部材17は、カートリッジ補強部材17が少なくとも1つの端部において、ロック部材16、シェル14、及び/又は閉鎖部材11と、例えばクリップの形式によるカートリッジ補強部材17の締め付けにより、取り外し可能な、形状結合又は力結合(摩擦結合)による結合を成すことができるように構成されている。
【0043】
図3は、閉鎖部材11の第1実施形態を、上方側方からの斜視図として示しており、閉鎖部材11は、生成される層(これらの層は、既述したように支持体の下面部において構造化される)の支持体102を有し、支持体102内には、更に少なくとも1つのカプセル101が挿入可能である。カプセル101は、
図3ではまだ支持体102の上方に図示されており、即ちまだ挿入されてなく穴開けされていない状態にある。カプセル101内には、例えば任意の粘性の又は濃い液状の液体であり得る少なくとも1つの感光性物質が入れられている。カプセル101は、カプセル閉鎖要素107により閉じられる。またこのカプセル閉鎖要素107は、過圧弁として構成されているか又はそのような弁を含むことも可能である。カプセル101の(非図示の)バリエーションでは、カプセル自体が過圧弁を有することも可能である。
【0044】
図4は、カプセル101と支持体102の断面図(中心軸線に沿った縦断面)を示している。(穴開けされていない)カプセル101は、初期充填レベルH0を有する所定量の感光性物質3を含んでいる。支持体102は、少なくとも1つの開口部109を有し、開口部109を通し、カプセル101から流出する感光性物質3が支持体102の下方の領域へ達することができる。カプセル101は、この実施形態では、その下面部110において比較的僅かな壁厚の1つ又は複数の領域(薄壁部)104を有する。これらの弱化された領域104は、支持体102の突出形状部(突出部)105による穴開けのために設けられている。これらの突出部105は、カプセル101のための支持体102の載置面108上にあり、例えば、それぞれ外方へ通じる開口部109を包囲する隆起した突出縁部として形成されている。カプセル101は、支持体102内へ挿入した際に、好ましくは噛み合い式の1つ又は複数の保持手段106により位置固定されることが可能であり、保持手段106は、例えば、弾性的に戻るスナップフック106として構成されていることが可能である。それによりカプセル101は、上方から支持体102内へ挿入可能であり、同時に穴開けが可能である。
【0045】
勿論、カプセル101は、例えばバヨネットロックにより、又はカプセルの挿入後に取り付けられてカプセルを噛み合いにより支持体内へ位置固定する追加的な部材により、他の方式で支持体102内に位置固定されることも可能であり、またカプセル101は、ねじ山を有し、支持体102内へねじ込まれることも可能である。
【0046】
一実施バリエーションにおいて、穴開けは、追加的に載置面108上に設けられた部材、例えば刃部材や針部材により行うことも可能である。他の一実施バリエーションにおいて、カプセルは、複数部材式で構成されており、この際、カプセル101の下面部110は、少なくとも領域ごとに、例えばフィルム(フォイル)のような容易に穴開けされる材料から構成されている。カプセル101は、この際、フィルムの穴開けにより、又はフィルムで覆われた下面部110の領域からフィルムを引きはがすことにより開口されることが可能である。
【0047】
他の非図示の一実施形態において、支持体102は、歯付きリングや、例えば側方の面部に(平歯車状に)形成されている噛合部を有する。これは、数度の角度の小さい角度α(ギリシャ文字のアルファ)でカートリッジシェルの底部に対する回転を可能とする。この回転により、製造された対象物を基準面から引き離すために必要な力を遥かに減少させることができる。
【0048】
図5は、カプセル101が取り付けられた支持体102の斜視図を示しており、それによりカートリッジ閉鎖部材11が構成されている。
【0049】
図6は、カートリッジ閉鎖部材11の断面図(中心軸線に沿った縦断面)を示している。突出部105によるカプセル101の穴開けの結果、感光性物質3は、支持体102に設けられた開口部109を通って流出可能である。この際、充填レベルは、
図6に図示されたように初期充填レベルH0(
図4)からレベルhへ低下する。
【0050】
図7と
図8は、カートリッジ閉鎖部材200の第2実施形態を斜視図と断面図(
図5と
図6の斜視図と断面図に対応)として示しており、カートリッジ閉鎖部材200は、支持体202と、蓋部材201と、栓部材208を有する。支持体202は、感光性物質3を(充填した状態で)含んでいる。支持体202の底面部に形成された開口部209が、栓部材208により閉じられる。栓部材208は、グリップ要素又はラグ(取っ手)を有し、蓋部材201の開口部207を通って上方に向かうように構成されており、栓部材208は、取り付けられた状態で蓋部材201と支持体202を感光性液体3の流出に対して密封し、この際、開口部207、209における密封作用は、材料結合(材料同士の結合)による差込により、ねじ込みにより、又は追加的な幾何学形状部により、並びにOリングや密封要素(シール要素)などのような追加的な構成部材により達成可能である。蓋部材201は、例えば力結合(摩擦結合)及び/又は形状結合による密閉結合部210により支持体202の内部空間を閉鎖する。
【0051】
図9は、どのように感光性物質3が、栓部材208の取り外し後に支持体202から底部側の開口部209を通って流出するかを示している。感光性液体3の流出を容易にするために、開口部209の幾何学形状は、この目的のために適切に形成されていることが可能である。追加的に支持体202と蓋部材201は、内側で感光性物質3と接触する面において、支持体202を空にした後に支持体202の内部空間内に残る感光性物質3ができるだけ少なくなるように所定の材料を用いてコーティングされていることが可能である。このことは、例えば、FEP、PTFE(テフロン)又は表面張力ないし湿潤を減少させる他の材料により達成可能である。このバリエーションは、中空空間の簡単な再充填と簡単な洗浄を可能にする。好ましくは、栓部材208は、開口部207を通した再閉鎖と充填が可能であるように構成されている。
【0052】
更に栓部材208は、栓部材を通って中空空間の充填を可能にする充填路(非図示)を有することも可能であろう。この際、それらの充填路は、栓部材の下側端部の上方で側方の穿孔開口部に当たる上方からの穿孔部(L形状や反対T形状の流路)として構成されていることが可能である。代替的に蓋部材201は、充填に適した閉鎖可能な別個の開口部(非図示)を有することも可能である。
【0053】
図10と
図11は、閉鎖部材300の第3実施形態を示しており、閉鎖部材300には、支持体302の内部で押付具又はピストン301が案内されている。ピストン301の案内は、好ましくは、例えば支持体302の内面部における案内溝313へ係合する突出部又はノーズ311の形式の案内要素311、313(溝)を用いて行われ、つまりこれらの案内要素311、313は、中心合わせ機構、案内機構、回転防止機構として用いることができる。更にピストン301は、ピストン301を支持体302から取り外すこともできるように構成されていることが可能である。この実施形態は、感光性物質3で充填されている袋状の容器312を閉鎖部材300に再装着(交換可能に装着)することを可能とする。容器312は、好ましくは光に対して非透過性でもあり(例えばプラスチックフィルム又はコーティングされたアルミニウムフィルム)少なくとも部分的に、穴開け可能な材料から構成されている。ピストン301は、容器312の方を向いた側で内側表面部に構成され、目標を定めて袋状の容器312の穴開けを可能とする、例えば針部材、歯部材、又は刃部材の形式の穴開け要素305を有する。それに加え又は代替的に、支持体302自体もそのような穴開け手段を有することが可能である。穴開けは、例えば針状の物体により、外部から制御されて行われることも可能である。感光性物質3で充填された容器312は、更なる一実施バリエーションにおいて、それぞれ1つの感光性材料で充填されている複数のセクションを有することが可能である。それにより例えば制御された外部の穴開け物体により、適切な順番で個々のセクションの穴開けが行われることが可能である。
【0054】
同様に
図10と
図11から見てとれるように、更に支持体302は、支持体302が袋状の物体312を自身に受容し、その位置に関しても位置固定可能ないし中心合わせ可能であるように構成されていることができる。この際、袋状部材312を受容するための領域は、縁部又は所定数のラグ(ないしリブ)を用いて包囲されていることが可能である。
図11の断面図は、支持体302内に保持された袋状の物体312を有し、複数部材式で構成された閉鎖部材300を、ピストンポジションh1(支持体302の上縁部からの間隔として測定された)を有する初期位置において示している。
【0055】
図12の斜視図と、それに対応する
図13の断面図は、ピストン301がその(下降した)最終ポジションh2にある状態で閉鎖部材300を示している。初期位置h1から出発し、ピストン301のポジションh1とポジションh2の間の任意の位置と、最終的に最終位置h2は、外部からの力Fの作用により達成可能である。ピストンが支持体302内で回転可能であり、例えば螺旋状の案内カーブ又は所定のピッチをもつねじ山を有する場合の(非図示の)バリエーションとして、ピストンは(回転運動を発生させるための)円周力の使用により運動されることも可能である。
【0056】
初期位置h1から最終位置h2への運動により、袋状部材312は、穴開け要素305により刺され、それにより開放される。
図12に図示されたポジションh2において、穴開けされた袋状部材312’は、感光性物質3を放出し、それにより感光性物質3は、支持体302の内部空間内へ流出し、そこから流出のために設けられている開口部309を通って流出する。有利な一構成では、ピストン301が支持体302と協働し、ピストン301が穴開けの他に容器312の押しつぶしも可能とし、従って容器312をほぼ完全に空にすることを可能とするように構成されていることを提案することもできる。勿論、ピストン301は、必ずしも閉鎖部材300の一部である必要はなく、更にピストンは、一般的に複数部材式で構成されていることが可能であり、つまり複数の部分ピストンに分割されていることも可能であり、それによりこれらの幾つものピストンを互いに依存しないで動かすことも可能である。
【0057】
図14a〜
図14dには、本発明によるカートリッジ装置の、本発明により少なくとも部分的に可撓(フレキシブル)なシェルの幾つかの構成バリエーション141、142、143、144の例が、模式的な斜視図として図示されている。シェルは、例えば一部材式で構成されているが、2つのコンポーネント又は複数のコンポーネントから組み立てられていることも可能である。シェル14、141〜144の基本幾何学形状は、所望の適用分野に応じ、内部空間140を包囲するあらゆる任意の幾何学形状を有することが可能であり、例えば、シェルは、円形、楕円形、正方形、又は矩形の基本面をもつ円筒形状又は柱形状を有することが可能であり、更に基本面で多角形のエッジは、丸められていることが可能である。好ましくは、シェルは、コップ状の基本形状を有し、この際、シェルは、底部と外殻部を含むことが可能である。この際、外殻部は、底部と上部をつなぐ側方壁部を構成し、この際、上部は、シェルの一部であるか、又は、例えば閉鎖部材11、200、300、400のような追加的なコンポーネントにより構成されていることが可能である。特にシェルの好ましい形状構成は、回転対称に構成されているか、又は少なくとも部分的に箱状の基本面をもって構成されている。
【0058】
例えば、シェル141は、
図14aに図示されているように、平滑な外面と内面を有する外殻部を有することが可能である。
図14bと
図14cに図示されているように、比較的複雑なシェル幾何学形状も同様に可能である。
図14bは、例えばシェル142の外殻部の蛇腹状のひだ(しわ)を示しており、このひだは、シェル142の比較的容易な折り畳みを可能とする。シェル142は、セクションごとにベローズの機能をもつ外殻部幾何学形状を有する。他の(非図示の)例においてシェルの外殻部は、シェル幾何学形状での折り畳みを容易にするために、円錐形や台形で(面が)互いに合致(zusammenlaufend)するように構成されていることが可能である。またシェルは、少なくとも1つの開口部を有し、及び/又は、適切に構成された連結管及び/又は開口部を有する。
図14cは、基本ボディにおいて回転対称に一部材式で構成されたシェル143の一例を示しており、シェル143は、1つ又は複数の開口部を備えた底部を有し、該開口部には、追加的な構成部材(例えばパイプ)145、及び/又は、複数層で様々な材料から構成された底部、並びに場合により閉鎖用の透明プレートを取り付けることが可能であり、それにより以下で
図17に基づいて更に説明するように、構成部材145を用いて充填可能である中空空間が得られる。代替的に、例えば流入管及び/又は流出管などのようなシェルに構成されたコンポーネントは、シェルと共に一部材式で構成されていることが可能である。それに加え、シェル幾何学形状は、
図14dとそこで図示されたシェル144に関連し、少なくとも、窪んだ及び/又は隆起した幾何学形状部146(例えば溝又はリブ)をシェル144の下側領域に有することが可能であり、幾何学形状部146を用い、追加的な底部15、25(
図2ないし
図17)が固定可能であり、追加的な底部15、25は、感光性物質を硬化するための放射線に対して少なくとも部分的に透過性であり、例えば、プレキシガラス、アクリルガラス、又はフロートガラスから構成されており、シェル141〜144の底部の下に追加的な中空空間を構成する。更にこの幾何学形状部146は、シェル144の配向可能性及び/又は固定可能性を提供することができる。
【0059】
図15は、カートリッジ閉鎖部材500の一例を示しており、その外面部(ここでは蓋部材501の上面部)には、1つ又は複数の情報支持体(キャリア)502、503が設けられており、これらには、感光性物質に関する情報、特に感光性物質の量、種類、及び/又は状態、及び/又は3次元対象物の製造の過程のプロセスパラメータが記憶されている。情報支持体からデータが適切な送信経路を介してステレオリソグラフィ装置へ、例えば制御装置9へ伝送可能である。情報支持体は、例えばマーク、バーコード503、RFIDチップ502、磁気ストライプなどであり得る。
【0060】
図16a〜
図16dは、個々のステージ又は段階の順序を示しており、これらのステージ又は段階は、本発明によるステレオリソグラフィ装置1の可能な一実施形態における(
図2のカートリッジシステム10の例の)本発明によるカートリッジ装置の機能を図解している。これらの図面では、図面の見やすさのために、ステレオリソグラフィ装置1の光源8とカートリッジシステム10だけが示されており、それに対してカートリッジシステム10の保持、位置決め、並びに可能な変形(圧縮/伸長)のための装置は図示されていない。
図16a〜
図16dは、3次元対象物2の1つの層Bnのための単独の構造サイクルに基づき、3次元対象物2の製造の様子を図解しており、3次元対象物2については、それまでにB1からBn−1までの層が生成されている。本開示の図面において、3次元対象物2は、逆ピラミッド形状を有する構成部材として示されているが、これは、単に例として想定されたものであり、限定とすべきではない。つまり勿論、極めて異なる形状の3次元対象物を生成することが可能である。感光性物質3を使用した層Bnのための構造サイクルは、以下の段階を含んでいる。
【0061】
段階1:高さA1を有する初期位置(
図16a)
段階2:高さA2上への支持体の低下(
図16b)、A2<A1
段階3:層Bnの露光ないし生成(
図16c)
段階4:支持体の上昇(
図16d)と、場合により、(さらに上昇して)硬化された層Bnの離型(分離)
【0062】
これにより初期位置(段階1)に対応する最終位置が達成されるが、この際、A3>A2である。高さA3は、図示された構造サイクル以前の高さA1と一致するか又は異なっていてもよい。しばしば、A3>A1となるが、それは、構成部材(3次元対象物2)の大きさが増加するためである。
【0063】
図16aは、初期状況を図示しており、ここでは、カプセル111は既に穴開けされており、カプセル111から感光性物質3が、本発明の受容空間であるカートリッジシステム10の内部空間140内へ流出し、そこでシェル14の底部を満たし或いは覆っている。高さA1を有する初期位置(段階1)では、既に構成部材(3次元対象物)2のn−1個の構成部材層が生成されており、最後に構成された層Bn−1は、シェル14の底部上の所定の位置にある。
【0064】
それに続き、
図16bに示されているように、閉鎖部材11により構成されたカートリッジシステム10の上部が、カートリッジシステム10を圧縮しながら低下される。閉鎖部材11の低下は、有利には、層Bn−1が感光性物質3と(新たに)接触するに至るまで行われる。層Bn−1は、有利には、層Bn−1が、構成すべき層Bnの所望の層厚分だけ基準面41上にあるように位置決めされる。閉鎖部材11の低下の間、場合により更に感光性物質3がカプセル111から流出可能であり、この際、引き続き層Bn−1の下にある液状の感光性物質3は、層Bnの所望の層厚になるように押しのけられ、換言すると、感光性物質3は、層Bn−1と、シェル14の底部により構成される基準平面41、ないし感光性物質3の非反応相33(
図17を参照)により構成される基準平面41との間のすき間を満たす。変形可能なシェル14は、本発明により、その形状構成に対応し、圧縮された状態、即ち折り畳まれた及び/又は膨らみの付けられた状態をとる。
【0065】
図16cに図解されている段階3において、新しい構成部材層Bnが、放射線(作用光線)80を用い、例えば、光源8から出射されて、基準面41上で発生させるべき層Bnの領域へ集束されるUV光を用いて硬化される。この際、従来のステレオリソグラフィ法と一致し、層Bnの構造は、層Bnの露光領域の選択により生成される。
【0066】
段階4では、そのように段階3で硬化された層Bnが、シェル14の底部から又は非反応相33から、閉鎖部材11の相対運動により持ち上げられ、従って(その後)新たに構成された層Bnが基準面41から分離される。この際、シェル14は、上方への運動のストロークの大きさに応じて弾性的に変形され、つまり通常は部分的に緊張緩和される。
【0067】
図17は、カートリッジシステム20の他の一実施形態を示しており、そこでは、例えば実質的に
図14cのシェル143に従って製造されたシェル24が縦断面図として示されている。シェル24の下には、外側のガラス底部25とシェル24の下面部23の間に構成された中空空間22がある。シェル24の側方の突出管又はそのために設けられた他の開口部(非図示)を通し、中空空間22には、所定の流体19(例えば酸素、又は反応を阻止するガス)又は他のインヒビタ(抑制剤)が流入可能である(容積流量V(ブイドット))。シェル24の透過性底部(浸透性底部)を通ってカートリッジの内部空間240内へ進入するインヒビタにより、感光性物質3の非反応相33が形成され、その表面は、シェル24の(内側の)底部面に代わり、この実施形態の基準面42を構成する。このように構成された基準面42は、構成部材2の生成された層が、シェル24の底部面に付着せず、それにより下側の層の接着と、場合による剥離のリスクが回避されるという利点を提供する。
【0068】
カートリッジシステムの内部空間は、この実施形態、又は図示された他の実施形態においても、周囲圧力p0よりも大きい又は小さい圧力p1が追加的に印加されることが可能である。このことは、閉鎖部材21及び/又はシェル24においてそのために設けられた開口部(非図示)を介して行うことが可能である。この際、カートリッジシステムの内部空間には、例えば、特殊な保護ガス(例えば窒素)を流入させることが可能であり、この保護ガスは、既に構成された層の酸素阻害を防止し、従って層の機械的な強度、並びにその表面品質に対して肯定的に作用する。
【0069】
図18は、シェル34(
図14dのシェル144のバリエーションに対応して構成されている)とカートリッジシステム30の構造の更に可能な一実施形態を図解している。この実施バリエーションにおいて、シェル34は、開口された(即ち完全には閉塞形成されていない)底部344を有し、従って底部344は、1つの開口部18(又は複数のそのような開口部)を有する。この開口部は、取り付けられたプレート状又はシート状の構成部材又は構成部材結合体35を用いて閉鎖される。この構成部材35は、場合により複数部材式で構成されていることが可能であり、カートリッジシステム30の閉じた内部空間340をもたらし、その上面が、基準面を構成している。構成部材35は、例えばサンドイッチ構造により構成されることが可能であり、該サンドイッチ構造は、感光性物質3の硬化のために使用される放射線、並びにガスに対して少なくとも部分的に透過性であり得て、例えば、弾性フィルム31(例えばFEPフィルム、テフロンフィルム)が支持部材32上に形成されていることが可能であり、この際、支持部材32は、非反応相33(
図17に関する上記説明を参照)を構成するために使用されるガス又は混合ガスに対して特に良好な透過性(浸透性)を有する、例えば微孔質ガラスのような材料から成る。
【0070】
更に
図18は、
図14dのシェル144のバリエーションで構成されるシェルの実現化の更なる一視点を示しており、この際、シェル34の外殻部は、複数の区画(セグメント)341、342、343から構成され、個々の区画は、互いに異なる材料特性を有することができる。このことは、例えば異なる可撓性及び/又は異なる光学特性をもった領域を有するカートリッジシェルの構成を可能とする。勿論、外殻部の区画化は、ここで図示された実施形態のうち他の実施形態において設けられていることも可能である。
【0071】
本発明の更なる一視点が、本発明によるカートリッジシステム40の断面図に基づいて
図19aと
図19bに図解されており、つまり様々なプロセス種類の間で交換を行うため、例えば層構造化から洗浄過程に交換するためのカプセルの交換が図解されている。
図19aは、上述の過程により感光性物質3を用いて対象物又は構成部材(3次元対象物)2が構造化されたカートリッジシステム40を示しており、感光性物質3は、カートリッジシステム40の支持体402内に取り付けられたカプセル401からもたらされる。カプセル401を取り外し、この実施例の閉鎖部材400に対し互換性のある新しいカプセル404を取り付けてカプセル401と交換することにより、感光性物質3の代わりに他の物質を提供することが可能である。例えば、カプセル404には、例えばイソプロパノールのような溶剤43が充填されていることが可能である。カプセル404の取り付けと、閉鎖部材400の支持体402の内部空間内への挿入に続くカプセル404の外側シェルの穴開けにより、溶剤43が解放され、閉鎖部材400の開口部を介してカートリッジシステム40の内部空間440内へ達する。
図19bに図示されているように、溶剤43は、カートリッジシステム40の内部空間440を部分的に又は全体的に満たし、それにより構成部材2の洗浄を可能とし、特にまだ構成部材2に付着している感光性物質3の除去、及び/又は、まだ硬化されてない又は部分的にのみ硬化されている、内部空間440内の残りの感光性物質3の溶解を可能とする。溶剤43内での感光性物質3の溶解により、カートリッジシステム40の内部空間440内では溶液又は混合液13が構成される。この溶液又は混合液13は、カートリッジシステム40を傾ける又は反転させることにより、閉鎖部材400における開口部を介して排出可能である。例えば、カプセル閉鎖部材403を取り外すことで支持体402における開口部を通して混合液13をカートリッジシステム40の内部空間440から流出させることができる。所望の場合には、引き続いて液体を新しい溶剤と交換することもできる。この際、カートリッジ装置は、感光性物質3の溶解が、振動、遠心分離、揺動、温度の上昇などの適した措置により促進可能であるように構成されていることができる。
【0072】
図19aと
図19bと同様の方式で、様々な種類の感光性物質の間の交換を行うことも可能であり、例えば、対象物2が様々な材料から構成されるべき場合、及び/又は、対象物2の洗浄及び/又は後硬化のために様々な液体が所望とされる場合が挙げられる。
【0073】
液体の取り換え又は連続的な交換は、支持体402又はシェル44における第1の開口部を介して新しい(通常は液状又は懸濁液状の)物質が供給され、該物質は、内部空間内の物質を押しのけ、そのように押しのけられた物質は、第2の開口部を介して流出可能である。適切なポンプを第1の開口部の供給ダクト内及び/又は第2の開口部の流出ダクト内に設けることが可能である。
【0074】
本発明によるカートリッジ装置ないしステレオリソグラフィ装置の上記の実施形態は、更に適用に応じ、以下の視点と更なる構成を含むことができる。
【0075】
カートリッジ装置は、感光性物質を直接的に又は間接的に含むことが可能であり、一部材式で構成されるか又は複数のコンポーネントから組み立てられている。シェルは、3次元的(立体的)に形成されて、好ましくは一部材式であり得て、この際、シェルの変形可能な部分は、好ましくは側方で周回する外殻部であるが、柔軟な(曲げやすく)又は折り畳み可能(しわ寄せ可能)な材料から構成することが可能である。シェルの底部は、少なくとも部分的に光透過性且つガス透過性であり得て、そのために適切な材料、例えばシリコーンから、又はシリコーン層、ガラス層、及び/又はプラスチック層を含む、例えばサンドイッチ状の構造をもつ複数層の材料結合体から製造されていることが可能である。ステレオリソグラフィ装置には、感光性物質を選択的に露光するために、好ましくは制御可能に可動で移動可能な光源が設けられ、また少なくとも1つの対象物支持体(支持体受容部又は手短に支持体とも称される)が設けられており、対象物支持体は、カートリッジ装置の内部又は外部に配設されており、場合によりカートリッジの底部に対して相対運動可能である。
【0076】
他の一バリエーションにおいて、カートリッジの外殻部は、フィルムチューブ(例えばFEPフィルム又はPTFEフィルム)から構成されていることが可能であり、それに対してカートリッジの底部と、カートリッジの閉鎖上部とは、適切なプラスチック及び/又は適切な複数層の複合材料から成る簡単な射出成形部材である。この実施バリエーションのコストは、シリコーン射出成形の実施形よりも明らかに少なく、更にフィルムは、比較的薄く、比較的簡単に変形可能であろう。
【0077】
感光性物質は、カートリッジ内でその中に構成された1つ(又は複数)の受容空間内にあり、感光性物質は、例えばカートリッジを装置内へ挿入する以前に該受容空間内へ充填されており、又は感光性物質は、カートリッジ内へ挿入される1つ又は複数の容器内に供給され、例えば、カートリッジ本体の内部、支持体(対象物支持体)の内部、ないしシェル自体の内部にそのために設けられた受容空間内に供給されることが可能である。更に同時に閉鎖部材として機能することのできる支持体は、一部材式で又は複数の部材から構成されていることが可能であり、少なくとも1つの幾何学形状的な穴部を有することが可能であり、該穴部へ感光性物質又はそのための容器が受容可能である。この穴部は、特殊に形成された表面又は構造部を有することが可能であり、又はこの穴部内には、特殊に形成された表面又は構造部を有するコンポーネントを挿入することが可能であり、この際、この表面ないし構造部は、他の物体に対して穴開け作用をもたらすことが可能である。従って支持体ないし穴部は、少なくとも1つの感光性物質を受容及び/又は保管し、直接的に又は間接的に所定の容器内に含むことができる。
【0078】
このことは、複雑な補充及び配量装置、並びに支持体の複雑な洗浄装置を不要とする。極めて優れた利点は、本発明によるカートリッジシステム(カートリッジ装置)において、ステレオリソグラフィ装置への簡単で汚染のない取り付けと、ステレオリソグラフィ装置からの簡単で汚染のない取り外しにより得られる。この際、例えば様々な感光性物質を含んだ異なるカートリッジの間で、長い洗浄時間と装備時間を伴うことなく迅速に交換を行うことができる。それにより例えば、装置内で、既に開始された構成化プロセス中に、装置の活用性を向上させるために第2のカートリッジを作動させることも可能である。更にカートリッジの内部の既知の物質量に基づき、要求に応じ、正確に確定された数だけ、ないし正確に確定された対象物容積だけが生成されることが可能である。従って感光性物質の持続性は、本発明によるカートリッジシステムを用いて正確に確定可能であり、それにより例えば所望の生体適合性(バイオコンパティビリティ)のような、硬化された状態における期待すべき対象物特性及び材料特性を規定することもできる。本発明によるカートリッジシステムは、支持体上に構成された対象物を含めて装置から簡単に取り外すことができ、その後、当該カートリッジシステムを受容し、場合により適切な箇所においてカートリッジ自体の開口部を介し又は穴開けにより、洗浄剤、例えばイソプロパノールのような溶剤を流入及び/又は流出するように設計された所定の後処理装置(例えば洗浄及び/又は後露光のため)へ提供されることが可能である。
【0079】
更に、同一の及び/又は異なる、そのために設けられたないし適切な開口部を介し、カートリッジの部材内へ特殊な雰囲気を導入することが可能である。従ってカートリッジ内で支持体上に洗浄された対象物を有する、洗浄された又は部分的に洗浄されたカートリッジを、保護ガスで満たされた鐘状部材として用いることができる。好ましくは、シェルは、少なくとも部分的に光透過性であり、特に好ましくは、カートリッジのシェル並びに底部は、光透過性であり、同じ可撓な材料、例えばシリコーン樹脂から製造されている。多くの有利な実施形態は、カートリッジのシェル並びに底部が、一部材式で、例えばシリコーン樹脂のような、特に好ましくはリキッドシリコーンラバー(LSR)材料のような、光透過性で可撓であり化学的に安定した、酸素透過性の材料から構成されることにより傑出しており、この際、閉鎖部材、並びに、例えば、支持体、及び/又は、1つ又は複数のピストン、及び/又は、感光性物質で満たされた1つ又は複数のカプセルのような可能な他の部材、又はその一部は、光非透過性の材料から構成されることが可能である。支持体は、少なくとも1つの幾何学形状的な穴部を有し、該穴部を介し、感光性物質は、ピストンを通って又はピストンを通り過ぎて、重力に基づき又は支持体により加えられる圧力を用いて、露光のために設けられたカートリッジの領域へ、ないしカートリッジ底部へ進入することができる。
【0080】
本発明は、閉鎖部材内、ないし閉鎖部材内に構造的に形成された中空空間内における感光性物質の別個(単独)の貯蔵可能性を可能とするので、カートリッジの比較的敏感な領域へ物質が流れ出ることないし拡散することを構造的に排除することができる。この際、感光性物質が、追加的に、例えば袋状の容器内、又は、好ましくは支持体内にあり又は支持体内へ取り込むことのできる特殊に構成された容器物体内に閉じ込められていると有利である。閉鎖部材、より正確に述べると、例えば支持体の背面側のような閉鎖部材の部分は、構造的に及び/又は表面の性質に基づき、感光性物質の容器(例えば袋部材)を穴開けし、それにより感光性物質を解放するように構成されている。他の有利な一実施形態では、感光性物質で充填された使い捨てカプセルが、支持体の特殊に形成された部分により刺されることが可能であり、それにより感光性物質が解放(流出)される。
【0081】
カートリッジシステムは、一回だけ使用可能とすることができ、又は複数回使用可能であるように設計されていることも可能である。従ってカートリッジシステムは、使い捨てシステムとして設計されているか又は再充填可能に構成されていることが可能である。
【0082】
設計に応じ、本発明によるカートリッジ装置は、感光性物質の量が例えばカプセルの充填により正確に知られているので、混合ガスのより簡単でより正確な測定、より少ないガス量、ガスの容積流のより正確な設計を可能とし、また感光性物質のより確実でより簡単な取り扱い、より確実でより安定したプロセス、並びに汚染の防止を可能とする。更に本発明は、全体的に又は部分的に気密な装置の構成を不要とし、それは、ガスがカートリッジへと閉じ込められ得るためである。
【0083】
更に有利な一構成において、カートリッジのシェルは、二重の底部を有し、該底部は、一部材式で又は複数部材式で構成されていることが可能である。この際、シェルを(例えば下方に向かって)閉じており、基準面及び最も簡単な場合にはカートリッジシステムの底部も構成する部分は、可撓でない又は部分的にのみ可撓な、複数層で構成された底部から構成されることが可能であり、該底部は、放射線に対して透過性であり、特殊なガスないし混合ガスに対して透過性(浸透性)をもって構成されている。カートリッジシェルの下側には、同様にガスに対して透過性である保護要素を設けることが可能である。
【0084】
記述の底部面とシェルの間の結合は、該結合が気密であるように構成されていることが可能である。この際、シェル自体は、特殊なパッドのような密封要素を有することが可能である。カートリッジのシェルは、他の有利な一実施バリエーションにおいて、本発明による装置へ取り付けることにより初めて、シェルに対して二重の底部が構成されるように構成されていることが可能であり、この際、移行部は、全体的に又は部分的にガスに対して気密に構成されている。カートリッジ装置は、更にそれ自体も、例えばパイプのような、装置内の気密な外殻構造内で保管されることが可能である。それにより幾何学的に任意に形状構成された中空空間が得られ、該中空空間は、適用の要件と可能性に応じ、少なくとも1つの入口開口部、及び/又は少なくとも1つの出口開口部を有することが可能であり、該開口部を介し、特殊なガス又は混合ガスを導入することが可能であり、又は既に導入されている。この際、カートリッジシステムのシェルの第1の底部は、部分的に又は全体的にガス又は混合ガスに対して透過性(浸透性)である少なくとも1つの材料から成り、好ましくは、シリコーン樹脂、又は、シリコーン樹脂及び/又は透過性材料(例えばPTFE又はガラス)を有する組み合わせ材料から構成されている。シェルの閉じる部分は、既述したように同様にガスに対して透過性の微孔質ガラスから構成可能である。従って下方から直接的に又は間接的にガス又は混合ガスをカートリッジの内側の容積部内へ供給する及び/又は該容積部から排出することができる。更なる一構成において、カートリッジシステムは、ガスの容積流又は混合ガスの配分をプロセス時間にわたって制御するために、ガス又は混合ガスの拡散を時間的に分解して測定可能であるセンサ又は測定要素を有する。この際、センサは、既にカートリッジ内に、例えば支持体内に設けられていることが可能である。例えばセンサは、カートリッジシステムの取り付けの際に挿入され、場合によりカートリッジのロックないし中心合わせ手順により、カートリッジにおける予めシールされた特殊な開口部により、又はカートリッジの穴開けにより位置決めされることが可能である。この際、センサが感光性樹脂と接触しないようにセンサのポジションが選択されていると好ましく、又はセンサは、汚染物が測定に狂いを生じさせず、測定の不確実性を高めないように設計されている。この際、カートリッジの内部の雰囲気の測定法は、直接的な又は間接的な方法により行うことができる。センサ又は測定要素がカートリッジないしシェルの外部に配設されており、カートリッジの内部の組成ないしガス濃度の測定を可能とする測定法は、特に有利であり得て、また特別な領域におけるガス濃度の推定を可能とするために、シェル自体の透過性(浸透性)を利用することもできる。
【0085】
本発明の更なる構成において、カートリッジの内部には、様々なガス又は混合ガスを提供することができる。例えば下方からカートリッジの底部を通し、通常の雰囲気よりも高い濃度の酸素を供給し、上方から支持体を通って窒素を供給することが可能であり、それにより目標を定めて感光性樹脂の特性ないしそのプロセス過程、そして最後には構成される物体の最終特性に作用を及ぼすことができる。
【0086】
勿論、当業者は、ここで開示された発明の実施形態(ないし実施例)について、多岐にわたる変形や追加を、これらが添付の請求項の保護範囲内にあるのであれば、問題なく行うことができる。
【符号の説明】
【0087】
(
図1)
1 ステレオリソグラフィ装置
2 3次元対象物
3 感光性物質
4 受容空間
5 カートリッジ装置
6 カートリッジ装置
7 支持装置
74 固定要素
75 サポート装置
76 サポート装置
77 ベースプレート
8 光源
81 リニア駆動部
82 リニア駆動部
9 制御装置
(
図2、
図2a)
10 カートリッジシステム
11 閉鎖部材(カートリッジ閉鎖部材)
14 シェル
15 追加的な底部
16 ロック部材
17 カートリッジ補強部材
(
図3〜
図6)
101 カプセル
102 支持体
104 弱化された領域
105 突出部(突出形状部)
106 保持手段
107 カプセル閉鎖要素
108 載置面
109 開口部
110 下面部
H01 感光性物質の初期充填レベル
h 感光性物質の流出後のレベル
(
図7〜
図9)
200 閉鎖部材(カートリッジ閉鎖部材)
201 蓋部材
202 支持体
203 流出する感光性物質
207 開口部
208 栓部材
209 開口部
210 密閉結合部
(
図10〜
図13)
300 閉鎖部材(カートリッジ閉鎖部材)
301 ピストン
302 支持体
305 穴開け要素
309 開口部
311 ノーズ(突出部)
312 袋状の容器(袋状部材)
312’ 穴開けされた袋状部材
313 案内溝
h1 ピストンポジション(初期位置)
h2 ピストンポジション(最終位置)
F 外部からの力
(
図14a〜
図14d)
140 内部空間
141 シェル
142 シェル
143 シェル
144 シェル
145 追加的な構成部材
146 幾何学形状部
(
図15)
500 閉鎖部材(カートリッジ閉鎖部材)
501 蓋部材
502 情報支持体(RFIDチップ)
503 情報支持体(バーコード)
(
図16a〜
図16d)
1 ステレオリソグラフィ装置
2 3次元対象物
3 感光性物質
4 受容空間
8 光源
10 カートリッジシステム
11 閉鎖部材
111 カプセル
14 シェル
140 内部空間
41 基準面(基準平面)
80 放射線(作用光線)
B1〜Bn 3次元対象物の層
A1 閉鎖部材の高さ(初期位置)
A2 閉鎖部材の高さ(低下位置)
A3 閉鎖部材の高さ(最終位置)
(
図17)
19 流体
20 カートリッジシステム
21 閉鎖部材(カートリッジ閉鎖部材)
22 中空空間
23 下面部
24 シェル
240 内部空間
25 ガラス底部
33 非反応相
42 基準面
p0 周囲圧力
p1 内部空間内の圧力
V 容積流量(Vはブイドット表記)
(
図18)
18 開口部
30 カートリッジシステム
31 弾性フィルム
32 支持部材
34 シェル
340 内部空間
341 区画
342 区画
343 区画
344 底部
35 構成部材結合体
(
図19a、
図19b)
2 3次元対象物
3 感光性物質
13 溶液又は混合液
40 カートリッジシステム
400 閉鎖部材(カートリッジ閉鎖部材)
401 カプセル
402 支持体
403 カプセル閉鎖部材
404 新しいカプセル
43 溶剤
44 シェル
440 内部空間