特許第6988029号(P6988029)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6988029
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】伸縮タンク付圧力維持装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 16/20 20060101AFI20211220BHJP
   F04B 49/08 20060101ALI20211220BHJP
   F04B 49/06 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   G05D16/20 Z
   F04B49/08 331
   F04B49/06 341J
   F04B49/06 331Z
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-24446(P2019-24446)
(22)【出願日】2019年2月14日
(65)【公開番号】特開2020-135106(P2020-135106A)
(43)【公開日】2020年8月31日
【審査請求日】2019年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】519051654
【氏名又は名称】株式会社IAS
(74)【代理人】
【識別番号】100085291
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117798
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 慎一
(74)【代理人】
【識別番号】100166899
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥巣 慶太
(72)【発明者】
【氏名】小河 善信
【審査官】 山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−349195(JP,A)
【文献】 米国特許第04795428(US,A)
【文献】 特開2011−068097(JP,A)
【文献】 実開昭48−069428(JP,U)
【文献】 中国実用新案第205844919(CN,U)
【文献】 特開2011−208672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 16/20
F04B 49/06
F04B 49/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスに接続するための接続コネクタを有し、前記接続コネクタを通じて前記デバイスに付与する圧力を、所定の圧力値に維持する伸縮タンク付圧力維持装置であって、
前記接続コネクタが接続される定容量の固定タンクと、
前記固定タンクに連通され伸縮可能で容積変化する伸縮タンクと、
前記伸縮タンクを、前記伸縮タンクが伸長する方向に付勢するバネと、
前記固定タンク内に、負圧である圧力を付与する圧力付与手段と、
前記伸縮タンクの上端部に設けられ前記伸縮タンクの伸縮に応じて移動する可動マグネットと、
前記伸縮タンクの伸縮方向に前記伸縮タンクと並んで配置され前記可動マグネットに係合して、前記伸縮方向の移動を案内するセンサーガイドと、
前記センサーガイドに前記可動マグネットを挟んで上下に設けられ前記可動マグネットとの接触により信号を発する上下側センサースイッチ部と、
前記上下側センサースイッチ部よりの信号を受け、前記上下側センサースイッチ部よりの信号に応じて、前記圧力付与手段による、前記固定タンクへの圧力付与を開始させたり停止させたりして前記所定の圧力値を維持させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記可動マグネットが前記上側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を開始させ、前記可動マグネットが前記下側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を停止させるものである、
ことを特徴とする伸縮タンク付圧力維持装置。
【請求項2】
デバイスに接続するための接続コネクタを有し、前記接続コネクタを通じて前記デバイスに付与する圧力を、所定の圧力値に維持する伸縮タンク付圧力維持装置であって、
前記接続コネクタが接続される定容量の固定タンクと、
前記固定タンクに連通され伸縮可能で容積変化する伸縮タンクと、
前記伸縮タンクを、前記伸縮タンクが収縮する方向に付勢するバネと、
前記固定タンク内に、正圧である圧力を付与する圧力付与手段と、
前記伸縮タンクの上端部に設けられ前記伸縮タンクの伸縮に応じて移動する可動マグネットと、
前記伸縮タンクの伸縮方向に前記伸縮タンクと並んで配置され前記可動マグネットに係合して、前記伸縮方向の移動を案内するセンサーガイドと、
前記センサーガイドに前記可動マグネットを挟んで上下に設けられ前記可動マグネットとの接触により信号を発する上下側センサースイッチ部と、
前記上下側センサースイッチ部よりの信号を受け、前記上下側センサースイッチ部よりの信号に応じて、前記圧力付与手段による、前記固定タンクへの圧力付与を開始させたり停止させたりして前記所定の圧力値を維持させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記可動マグネットが前記上側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を停止させ、前記可動マグネットが前記下側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を開始させるものである、
ことを特徴とする伸縮タンク付圧力維持装置。
【請求項3】
前記圧力付与手段の、圧力を作用させる側に電磁開閉弁が設けられ、
前記制御手段は、前記電磁開閉弁の開閉により前記固定タンクへの圧力付与を行ったり停止したりするものである、
請求項1又は2に記載の伸縮タンク付圧力維持装置。
【請求項4】
前記固定タンクと前記圧力付与手段との間には、前記固定タンク内に付与する圧力を調整可能である調整ダイヤル付圧力計が設けられている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の伸縮タンク付圧力維持装置。
【請求項5】
前記固定タンクの上側に前記伸縮タンクが設置されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の伸縮タンク付圧力維持装置。
【請求項6】
前記固定タンクは、前記伸縮タンクとは離れて設置されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の伸縮タンク付圧力維持装置。
【請求項7】
前記バネの上側に調整板が設けられ、
前記調整板の、前記伸縮方向における位置を調整可能である基本圧力調整手段が設けられている、請求項1〜のいずれか一項に記載の伸縮タンク付圧力維持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮タンク付圧力維持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真空装置として、真空ポンプ、真空容器、圧力計などを組み合わせたものが知られており、真空圧を維持するために、可変オリフィスの開度を調整することで圧力調整を行うようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−349195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記特許文献に記載の技術では、可変オリフィスで調整しているので、真空圧を維持するとしても、圧力変動が生ずる。
【0005】
そこで、発明者は、伸縮タンクを利用すれば、圧力変動を生じることなく、圧力を一定に維持できることに着想し、常に一定の圧力を供給できる本発明をなしたものである。
【0006】
本発明は、デバイスに付与(供給)する圧力を常に一定に維持できる伸縮タンク付圧力維持装置を提供することを目的としています。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、デバイスに接続するための接続コネクタを有し、前記接続コネクタを通じて前記デバイスに付与する圧力を、所定の圧力値に維持する伸縮タンク付圧力維持装置であって、前記接続コネクタが接続される定容量の固定タンクと、前記固定タンクに連通され伸縮可能で容積変化する伸縮タンクと、前記伸縮タンクを、前記伸縮タンクが伸長する方向に付勢するバネと、前記固定タンク内に、負圧である圧力を付与する圧力付与手段と、前記伸縮タンクの上端部に設けられ前記伸縮タンクの伸縮に応じて移動する可動マグネットと、前記伸縮タンクの伸縮方向に前記伸縮タンクと並んで配置され前記可動マグネットに係合して、前記伸縮方向の移動を案内するセンサーガイドと、前記センサーガイドに前記可動マグネットを挟んで上下に設けられ前記可動マグネットとの接触により信号を発する上下側センサースイッチ部と、前記上下側センサースイッチ部よりの信号を受け、前記上下側センサースイッチ部よりの信号に応じて、前記圧力付与手段による、前記固定タンクへの圧力付与を開始させたり停止させたりして前記所定の圧力値を維持させる制御手段とを備え、前記制御手段は、前記可動マグネットが前記上側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を開始させ、前記可動マグネットが前記下側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を停止させるものである、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、デバイスに接続するための接続コネクタを有し、前記接続コネクタを通じて前記デバイスに付与する圧力を、所定の圧力値に維持する伸縮タンク付圧力維持装置であって、前記接続コネクタが接続される定容量の固定タンクと、前記固定タンクに連通され伸縮可能で容積変化する伸縮タンクと、前記伸縮タンクを、前記伸縮タンクが収縮する方向に付勢するバネと、前記固定タンク内に、正圧である圧力を付与する圧力付与手段と、前記伸縮タンクの上端部に設けられ前記伸縮タンクの伸縮に応じて移動する可動マグネットと、前記伸縮タンクの伸縮方向に前記伸縮タンクと並んで配置され前記可動マグネットに係合して、前記伸縮方向の移動を案内するセンサーガイドと、前記センサーガイドに前記可動マグネットを挟んで上下に設けられ前記可動マグネットとの接触により信号を発する上下側センサースイッチ部と、前記上下側センサースイッチ部よりの信号を受け、前記上下側センサースイッチ部よりの信号に応じて、前記圧力付与手段による、前記固定タンクへの圧力付与を開始させたり停止させたりして前記所定の圧力値を維持させる制御手段とを備え、前記制御手段は、前記可動マグネットが前記上側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を停止させ、前記可動マグネットが前記下側センタースイッチ部に接触するときは、前記固定タンクへの圧力付与を開始させるものである、ことを特徴とする。
【0008】
このようにすれば、伸縮タンクの伸縮(容積変化)により、デバイスに付与する圧力(負圧・正圧)の変動が吸収され、デバイスに付与する圧力が常に一定に維持される。圧力を維持するだけでなく、圧力を利用して動力にも応用できる。
【0009】
請求項に記載のように、前記圧力付与手段の、圧力を作用させる側に電磁開閉弁が設けられ、前記制御手段は、前記電磁開閉弁の開閉により前記固定タンクへの圧力付与を行ったり停止したりするものである、ことが望ましい。
【0010】
このようにすれば、電磁開閉弁を開閉するという簡単な制御だけで、デバイスに付与する圧力が常に一定に維持される。
【0011】
請求項に記載のように、前記固定タンクと前記圧力付与手段との間には、前記固定タンク内に付与する圧力を調整可能である調整ダイヤル付圧力計が設けられている、ことが望ましい。
【0012】
このようにすれば、一定に維持する圧力を簡単に調整することができる。
【0013】
請求項に記載のように、前記固定タンクの上側に前記伸縮タンクが設置されている、ことが望ましい。
【0014】
このようにすれば、設置に要するスペースを小さくすることができる。
【0015】
請求項に記載のように、前記固定タンクは、前記伸縮タンクとは離れて設置されている、ようにしてもよい。
【0016】
このようにすれば、高さの制限を受ける場合でも設置できる。
【0017】
請求項に記載のように、前記バネの上側に調整板が設けられ、前記調整板の、前記伸縮方向における位置を調整可能である基本圧力調整手段が設けられている、ことが望ましい。
【0018】
このようにすれば、調整板の位置を調整することで、制御の基本となる圧力を調整できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、伸縮タンクの伸縮により、デバイスに付与する圧力の変動を吸収することができるので、デバイスに付与する圧力を、安定して一定に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る伸縮タンク付圧力維持装置の一実施の形態である真空維持装置の一例を示す図である。
図2】前記真空維持装置の作動説明図である。
図3】前記真空維持装置の変形例についての図1と同様の図である。
図4】本発明に係る伸縮タンク付圧力維持装置の一実施の形態である加圧維持装置の一例を示す図である。
図5】前記加圧維持装置の作動説明図であるである。
図6】前記加圧維持装置の変形例についての図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
(真空維持装置)
真空維持装置1は、支持枠2内において、上下に配置され相互に連通する伸縮タンク3及び固定タンク4を備える。伸縮タンク3は、蛇腹形状で伸縮可能で、容積が変化するものであり、固定タンク4は、箱形状で定容量である。なお、伸縮タンク3の材質は、特に制限されず、金属材料、ゴムなどの弾性材料、プラスチック材料などが用いられる。
【0026】
支持枠2の上部材2aには、基本圧力調整器5が設けられている。基本圧力調整器5は、上部材2aに回転可能に取り付けられるねじ棒5aと、ねじ棒5aの下端に設けられる可動板5bとを有し、可動板5bがねじ棒5aに回転により昇降するようになっている。
【0027】
この可動板3bと伸縮タンク3の上端との間に、引張バネ6とマグネットセンサースイッチ7の可動マグネット7aとが上下に配置されている。マグネットセンサースイッチ7は、可動マグネット7aが、上下方向に延びるセンサーガイド7bに上下方向に移動可能に係合している。センサーガイド5bには、可動マグネット7aを挟んで上下にセンサースイッチ部7c,7dが設けられ、可動マグネット7aがセンサースイッチ部7c,7dと接触することで信号を制御装置8に出力するようになっている。
【0028】
固定タンク4には、電磁開閉弁9及び手動バルブ10Aを順に有する第1通路14Aを通じて、制御装置8によって制御される真空ポンプ11に接続されている。第1通路14Aの電磁開閉弁9のタンク側において、接続コネクタ13に接続される第2の通路14Bが分岐されている。第2通路14Bに、ポンプ側から、調整ダイヤル付圧力計12及び手動バルブ10Bが順に設けられている。手動バルブ10A,10Bは、流量調整バルブで、圧力調整の微調整に用いられる。
【0029】
そして、制御装置8は、センサースイッチ部7c,7dからの信号を受け、電磁開閉弁9の開閉を制御し、真空圧を一定に維持するようになっている。
【0030】
続いて、使用する圧力(真空圧)の設定手順について図2に沿って説明する。
【0031】
まず、希望する真空圧(一定圧)を、調整ダイヤル付圧力計12の調整ダイヤルにてセットする(ステップS1)。
【0032】
接続コネクタ13をデバイス(真空圧にて動作する機器)に接続した状態で、デバイスを動作させることなく、真空ポンプ11を作動させる(ステップS2)。これにより、固定タンク4内の圧力が低下し、伸縮タンク3が収縮を開始する。なお、電磁開閉弁9は開状態である。
【0033】
引張バネ6が伸び、圧力計12が示す数値が、使用する圧力、つまり調整ダイヤルによって設定した圧力になったときに、可動マグネット7aが下側センサースイッチ部7dに接触するように位置合わせを行い、センサーガイド5bのその位置に下側センサースイッチ部7dを固定する(ステップS3)。これにより真空ポンプ11にて付与する圧力の上限が決定される。
【0034】
この下側センサースイッチ部7dからの信号を制御装置8が受けたときに、制御装置8が電磁開閉弁9に閉信号を送り、負圧(真空圧)の作用を停止させるようにする。
【0035】
次いで、接続コネクタ13に接続されたデバイスを作動させる(ステップS4)。伸縮タンク3内の圧力が上昇し、伸縮タンク3が伸びる。
【0036】
伸縮タンク3が伸び、圧力計12が示す数値が、目標とする真空圧(調整ダイヤルによって設定した圧力)になったとき(目標とする真空圧を越えようとしたとき)に、可動マグネット7aが上側センサースイッチ部7cに接触するように位置合わせをして、上側センサースイッチ部7cをセンサーガイド5bのその位置に固定する。圧力の下限が設定される。
【0037】
この上側のセンサースイッチ部7cからの信号を制御装置8が受けたときに、制御装置8が電磁開閉弁9に開信号を送り、真空ポンプ11からの負圧を作用させるようにする。
【0038】
これにより、上下側センサースイッチ部7c,7dの範囲内で可動マグネット7aが上下動し、伸縮タンク3の伸縮範囲(作業範囲)が規制される。それが作動範囲のキャパシティになる。
【0039】
このような伸縮タンク3を設けないと、接続コネクタ13を通じて付与する真空圧が変化することになるが、伸縮タンク3を設けることで、それの伸縮動作により真空圧の変化を吸収し、一定の真空圧を安定して付与することができる。
【0040】
それに加えて、コンパクトなシステムで大きな力を発揮でき、ほとんど音を発生することがなく、動力源については、真空ポンプ11と制御装置8の電源のみのため、小電力で使用ができる。
【0041】
また、設置場所に於いて高さの制限を受ける場合などにおいては、図3に示すように、固定タンク4Aを、支持枠2の外部に設けることも可能である。この場合は、伸縮タンク3及び固定タンク4に対し接続される第1通路14Cは、調整ダイヤル付圧力計12、電磁開閉弁9及び手動バルブ10Aを順に設けられ、最終的に真空ポンプ11に接続される。固定タンク4に接続される第2通路14Dは、手動バルブ10Bが設けられ、接続コネクタ13に接続される。
【0042】
前記実施の形態では、真空圧(負圧)を維持する場合について説明したが、加圧(正圧)を維持する場合にも同様に適用することができる。
(加圧維持装置)
図4に示すように、加圧維持の場合は、真空維持の場合における引張バネ6を普通のバネ21に変え、真空ポンプ11を加圧ポンプ22(コンプレッサー)に変えることにより、加圧を一定圧に維持する制御が可能である加圧維持装置1Aとされる。固定タンク4には、第1及び第2の通路14A’,14B’が直接に接続され、調整ダイヤル付圧力計12が第2の通路14B’ではなく、第1の通路14A’の電磁開閉弁9のタンク側に設けられている。
【0043】
この場合は、加圧ポンプ22から供給される圧力の変化による影響を生じさせず、常に一定の圧力を供給できる。また、このようにして加圧維持することにより、コンパクトな構造で、大きな圧力(一定圧)を安定して付与することができる。
【0044】
続いて、使用する圧力(正圧)の設定手順について図5に沿って説明する。
【0045】
まず、使用する圧力(正圧)を、調整ダイヤル付圧力計12の調整ダイヤルにてセットする(ステップS11)。
【0046】
接続コネクタ13をデバイスに接続した状態で、デバイスを動作させることなく、加圧ポンプ22を作動させる(ステップS12)。固定タンク4内の圧力が上昇し、伸縮タンク3が伸長を開始する。
【0047】
バネ21が収縮し、圧力計12が示す数値が、使用する圧力、つまり調整ダイヤルによって設定した圧力になったときに、可動マグネット7aが上側センサースイッチ部7cに接触するように、センサーガイド5bに対して位置合わせを行い、上側センサースイッチ部7cを固定する(ステップS13)。これにより加圧ポンプ22にて付与する圧力の上限が決定される。
【0048】
この上側センサースイッチ部7cからの信号を制御装置8が受けたときに、制御装置8が電磁開閉弁9に閉信号を送り、圧力(正圧)供給を停止させるようにする。
【0049】
次いで、接続コネクタ13に接続された先のデバイス(動作機器)を作動させる(ステップS14)。伸縮タンク3内の圧力が下がり、伸縮タンク3が収縮する。
【0050】
伸縮タンク3が収縮し、圧力計12が示す数値が、使用する圧力(調整ダイヤルによって設定した圧力)になったとき(使用する圧力を超えようとしたとき)に、可動マグネット7aが下側センサースイッチ部7dに接触するように位置合わせをして、センサーガイド5bに下側センサースイッチ部7dを固定する。圧力の下限が設定される。
【0051】
この下側センサースイッチ部7dからの信号を制御装置8が受けたときに、制御装置8が電磁開閉弁9に開信号を送り、圧力(正圧)供給を開始させる。
【0052】
これにより、上下側センサースイッチ部7c,7dの範囲内で可動マグネット7aが上下動し、前述した実施の形態と同様に、伸縮タンク3の伸縮範囲(作業範囲)が規制される。それが作動範囲のキャパシティになる。
【0053】
このような伸縮タンク3を設けないと、付与する圧力(正圧)が変化することになるが、伸縮タンク3を設けることで、それの伸縮動作により圧力の変化を吸収し、一定の圧力(正圧)を安定して付与することができる。そして、加圧ポンプ22から供給される圧力の変化による影響を生じさせない。
【0054】
また、前述した場合と同様に、図6に示すように、固定タンクAは、支持枠2の外部に設けることも可能である。この場合は、伸縮タンク3及び固定タンク4Aに対し、調整ダイヤル付圧力計12、電磁開閉弁9、手動バルブ10Aを介して、加圧ポンプ21が接続され、そして、固定タンク4Aに対し、手動バルブ10Bを介して接続コネクタ13が接続される。
【符号の説明】
【0055】
1A 真空維持装置
1B 加圧維持装置
2 支持枠
2a 上部材
3 伸縮タンク
4,4A 固定タンク
5 基本圧力調整器
5a ねじ棒
5b 可動板
6 バネ
7 マグネットセンサースイッチ
7a 可動マグネット
7b センサーガイド
7c,7d センサースイッチ部
8 制御装置
9 電磁開閉弁
10A,10B 手動バルブ
11 真空ポンプ
12 調整ダイヤル付圧力計
13 接続コネクタ
14A,14B 第1通路
14C,14D 第2通路
21 普通のバネ
図1
図2
図3
図4
図5
図6