(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜
図16は本実施形態の実施例に係る図である。なお、以下の<>にて分類された項目は、独立又は関連して利用されうる。
【0009】
<概要(
図1参照)>
眼科画像処理装置は、眼科検査装置によって取得された画像を処理できる。画像の処理は、画像処理部(例えば、プロセッサ20)によって行われてもよい。プロセッサ20としては、例えば、パーソナルコンピュータのCPUの他、眼科検査装置に設けられたCPUであってもよい。
【0010】
指示受付部(例えば、プロセッサ20)は、検者からの指示を受け付ける機能を有する。指示受付部は、例えば、タッチパネル、マウス、キーボードなどのユーザインターフェース(例えば、操作部4)からの操作信号を受け付けることができる。
【0011】
画像処理部(例えば、プロセッサ20)は、画像を出力する。出力先としては、例えば、表示部(例えば、表示部1)/プリンタ等の出力部(出力デバイス)、並びにハードディスク/USBメモリなどの記憶部(記憶デバイス)等がありうる。
【0012】
記憶部(例えば、記憶部30)としては、例えば、眼科検査装置の装置本体に設けられた記憶部、外部のサーバーに設けられた記憶部、パーソナルコンピュータに設けられた記憶部などであってもよい。眼科画像処理装置としては、パーソナルコンピュータが用いられてもよいし、専用の装置であってもよい。なお、眼科検査装置が、眼科画像処理装置を兼用してもよい。
【0013】
眼科画像処理装置と眼科検査装置とは、信号のやりとりが可能な状態で接続されており、例えば、第1の眼科検査装置(例えば、眼科用OCTデバイス10)で取得された画像、第2の眼科検査装置(例えば、視野検査装置15)で取得された画像は、記憶部に記憶される。
【0014】
<プログラム>
本装置は、各種制御処理を司る制御部(例えば、プロセッサ20)と、眼科画像処理プログラムを記憶する記憶部とを、備えてもよい。プロセッサ20は、プログラムに従って、処理を実行できる。制御部は、画像処理部を兼用してもよい。
【0015】
<レジストレーション処理(
図2参照)>
眼科画像処理装置は、複数の画像データを重畳させる機能を備えてもよく、複数の画像データを重畳させた重畳画像であるレジストレーション画像を取得してもよい。以下説明では、複数の画像データを重畳させる機能を、複数の画像データを重ね合わせる機能、複数の画像データを重畳させた重畳画像であるレジストレーション画像を、複数の画像データを重ね合わせた画像であるレジストレーション画像として表現されうる。
【0016】
この場合、本装置は、複数の眼科検査装置で取得された画像を重ねて表示(重畳表示)する画像処理部(レジストレーション機能)を備えてもよい。画像処理部は、第1の画像データと、第2の画像データとを重ね合わせた画像であるレジストレーション画像を作成し、作成されたレジストレーション画像を出力してもよい。
【0017】
第1の画像データは、第1の眼科検査装置によって取得された画像データであってもよい。第2の画像データは、第2の眼科検査装置によって取得された画像データであってもよい。第2の眼科検査装置は、第1の眼科検査装置とは異なる眼科検査装置であってもよい。
【0018】
眼科画像処理装置は、レジストレーション画像を構成する第1の画像データ及び第2の画像データにおける画像種別を設定する設定部を備えてもよい。画像処理部は、設定された画像種別に対応する第1の画像データ及び前記第2の画像データを重ね合わせたレジストレーション画像を作成し、出力してもよい。画像処理部は、設定部によって設定された各設定条件に基づいてレジストレーション画像を作成してもよい。
【0019】
設定部は、検者からの指示を受け付ける指示受付部を備えてもよく、指示受付部からの指示信号に基づいて設定処理を行ってもよい。また、設定部は、予め設定された設定条件に応じて画像種別を設定してもよい。この場合、例えば、各レポートの仕様に応じて設定条件が設定されており、選択されたレポートの仕様に応じて画像種別が設定されてもよい。なお、レジストレーション画像を構成する画像データとして設定可能な画像種別としては、種々の画像種別があってもよく、画像種別の設定によれば、例えば、検者が所望するレジストレーション画像を得ることができると共に、多面的な確認が可能である。
【0020】
<レジストレーション画像の設定変更(
図3参照)>
レジストレーション画像が表示部に表示された状態において、レジストレーション画像の設定を変更するための操作部からの指示が受け付けられ、レジストレーション画像の設定が変更可能であってもよい。画像処理部は、設定変更に基づくレジストレーション画像を作成してもよい。
【0021】
<レイヤー順の設定>
本装置において、第1の画像データと第2の画像データとを重ね合わせる順序が設定変更可能であってもよい。例えば、設定変更可能な順序としては、第1の画像データの上に第2の画像データが重ね合わせされる第1レジストレーション画像、第2の画像データの上に第1の画像データが重ね合わせされる第2レジストレーション画像のいずれかが設定変更可能であっても良い。これによれば、検者は、視認性又は診断目的等を考慮して、重ね合わせ順序を選択できる。
【0022】
指示受付部は、レジストレーション画像を作成する際、第1の画像データと第2の画像データを重ね合わせるレイヤーの順番を設定するための操作部からの指示信号を受け付けてもよい。画像処理部は、選択されたレイヤーの順番に基づいてレジストレーション画像を作成してもよい。これによれば、検者は、視認性又は診断目的を考慮して、所望の重ね合わせ順序を選択できる。なお、第1の画像データと第2の画像データのいずれかが複数の画像データを含む場合、3つ以上の画像データの重ね合わせ順序を設定できるようにしてもよい。
【0023】
<透過率の設定>
本装置において、レジストレーション画像を作成する際、第1の画像データと第2の画像データの少なくともいずれかの透過率を設定変更可能であってもよい。透過率は、0〜100%で変更可能であってもよい。これによれば、レジストレーション画像において、他の画像データの裏に形成された画像を容易に確認できる。
【0024】
指示受付部は、第1の画像データと第2の画像データの少なくともいずれかの透過率を設定するための操作部からの指示信号を受け付けてもよい。画像処理部は、選択された透過率に基づいてレジストレーション画像を作成してもよい。これによれば、検者が所望する透過率に設定されたレジストレーション画像が得られる。なお、指示受付部は、各画像データの透過率をそれぞれ選択するための選択指示を受け付けてもよい。
【0025】
<明度又はコントラストの設定>
本装置において、レジストレーション画像を作成する際、第1の画像データと第2の画像データの少なくともいずれかの明度又はコントラストを設定変更可能であってもよい。これによれば、レジストレーション画像の視認性を調整できる。
【0026】
指示受付部は、第1の画像データと第2の画像データの少なくともいずれかの明度又はコントラストを設定するための操作部からの指示信号を受け付けてもよい。画像処理部は、選択された明度又はコントラストに基づいてレジストレーション画像を作成してもよい。これによれば、検者にとって見やすいレジストレーション画像に設定できる。
【0027】
<画像データの取捨選択>
本装置において、レジストレーション画像が表示部に表示された状態において、レジストレーション画像を構成する画像データを取捨選択するための操作部からの指示が受け付けられ、レジストレーション画像を構成する画像データが取捨選択可能であってもよい。画像処理部は、取捨選択によって設定された設定条件に基づいてレジストレーション画像を作成してもよい。
【0028】
<重ね合わせる領域の設定(
図14参照)>
本装置において、レジストレーション画像を作成する際、第1の画像データと第2の画像データとを重ね合わせる重合領域を設定可能であってもよい。これによれば、検者の注目領域に関する視認性が向上される等、検者が所望するレジストレーション画像を取得できる。
【0029】
指示受付部は、第1の画像データと第2の画像データとを重ね合わせる重合領域を設定するための操作部からの指示信号を受け付けてもよい。画像処理部は、設定された重合領域に基づいてレジストレーション画像を作成してもよい。これによれば、検者が所望する重合領域に設定されたレジストレーション画像が得られる。
【0030】
より詳細には、レジストレーション画像上で、任意の領域を設定可能であり、設定された領域内で出力する画像種別は、レジストレーション画像を構成する各画像種別から任意に選択可能である。なお、設定された領域に関して出力される画像種別は、1つに限定されず、複数であってもよい。この場合、検者が領域を設定してもよいし、予め設定された設定条件に基づいて重合領域を自動的に設定してもよい。この場合、重合領域が設定変更可能であってもよい。
【0031】
上記手法において、
図14に示されるように、画像データにおける欠落箇所の補完に用いられてもよいし、複数の画像によるコラージュが行われてもよい。
図14のコラージュにおいては、第1の眼底正面像(例えば、自発蛍光画像)及び第2の眼底正面像(例えば、カラー眼底画像)の少なくともいずれかと、マップ画像(例えば、OCTのマップ画像)とを重ね合わせたレジストレーション画像が表示されると共に、レジストレーション画像とは異なる第1の表示領域に第1の眼底正面像が単体で表示され、レジストレーション画像とは異なる第2の表示領域に第2の眼底正面像が単体で表示されている。
【0032】
<特徴画像の作成(
図15参照)>
画像処理部は、第1の画像データと第2の画像データとを重ね合わせた状態で、第1の画像データと第2の画像データとの間での差分処理(例えば、輝度値の差分又は比を得る処理)を行ってもよい。画像処理部は、差分処理に基づく差分画像を作成し、差分画像を出力してもよい。これによれば、他の部分が差し引かれた特徴的画像が得られる。
【0033】
例えば、画像処理部は、新生血管を含む第1の眼底正面画像(例えば、OCTモーションコントラストエンフェイス画像、造影剤を用いた蛍光造影画像等)と、第1の眼底正面画像よりも新生血管が画像化されていない第2の眼底正面画像(例えば、OCTエンフェイス画像、自発蛍光画像等)との間で画像差分を行うことによって、新生血管に対して他の眼底血管が差し引かれた特徴的画像を得ることができる。
【0034】
さらに、画像処理部は、得られた差分画像と他の画像とを重ね合わせたレジストレーション画像を作成するようにしてもよい。これによって、検者が所望する新たなレジストレーション画像を得ることができる。例えば、画像処理部は、前述の新生血管に対して他の眼底血管が差し引かれた特徴的画像と、カラー眼底正面像とを重ね合わせたレジストレーション画像を作成するようにしてもよい。
【0035】
<レポート(
図4参照)>
本装置において、レジストレーション画像を含むレポート(例えば、カスタムレポート)が作成可能であってもよい。レジストレーション画像を含むレポートは、一つ又は複数のレジストレーション画像のみによるレポートであってもよいし、一つ又は複数のレジストレーション画像に加え、眼科検査装置によって取得された他の画像を含むレポートであってもよい。レジストレーション画像と眼科検査装置によって取得された他の画像が統合的に表示されることで、統合的なレポートが作成され、検者は、レジストレーション画像を活用した効果的な診断を行うことが可能となる。この場合、他の画像の種別を設定可能であってもよい。
【0036】
<マップ画像の重ね合わせ(
図5参照)>
画像処理部は、第1の画像データとして、第1の眼科検査装置によって取得された被検眼のマップ画像である第1のマップ画像データと、第1の眼科検査装置によって取得された被検眼の正面像である第1の正面画像データであって第1のマップ画像データと対応付けされた第1の正面画像データと、を記憶部から取得してもよい。
【0037】
画像処理部は、第2の画像データとして、第2の眼科検査装置によって取得された被検眼のマップ画像である第2のマップ画像データと、第2の眼科検査装置によって取得された被検眼の正面画像である第2の正面画像データとを記憶部から取得してもよい。
【0038】
画像処理部は、第1のマップ画像データと、第1の正面画像データと、第2のマップ画像データと、第2の正面画像データとを重ね合わせたレジストレーション画像を作成してもよい(
図5参照)。
【0039】
この場合、第1のマップ画像データ及び第2のマップ画像データの少なくともいずれかにおける画像種別は、設定変更可能であってもよい。また、画像処理部は、第1の正面画像データと第2の正面画像データとの間で位置合わせ処理を行うことによって、第1のマップ画像データと第2のマップ画像データとの間の位置合わせ処理を行ってもよい。
【0040】
<OCTのマップ画像(又はエンフェイス画像)と視野のマップ画像(
図5、
図10、
図11参照)>
本実施形態に係るレジストレーションは、OCTを少なくとも備える第1の眼科検査装置によって得られた第1の画像データと、視野測定機能を少なくとも備える第2の眼科検査装置によって得られた第2の画像データとを重ね合わせる際に有利である。
【0041】
画像処理部は、第1の眼科検査装置によって取得されたOCT二次元画像(例えば、眼底を解析した解析マップ画像、OCTエンフェイス画像)と、第2の眼科検査装置によって取得された被検眼のマップ画像を重ね合わせたレジストレーション画像を作成してもよい。
【0042】
例えば、第1の眼科検査装置は、眼底断層像を撮像するためのOCT光学系と、眼底正面像を撮像するための第1の撮像光学系と、を備える眼科用OCTデバイスであってもよい。第1の撮像光学系としては、SLOであってもよいし、眼底カメラであってもよい。また、OCT光学系が、第1の撮像光学系を兼用する構成であってもよい。
【0043】
第1の画像データは、OCT二次元画像(例えば、眼底を解析した解析マップ画像、OCTエンフェイス画像)と、第1の撮像光学系によって取得された第1の眼底正面像であってOCT二次元画像に対応付けされた正面像であってもよい。
【0044】
例えば、第2の眼科検査装置は、視野を測定するための視野測定光学系と、眼底正面像を撮像するための第2の撮像光学系と、を備える眼科検査装置であってもよい。第2の画像データは、視野測定光学系によって得られた視野マップ画像と、第2の撮像光学系によって取得された第2の眼底正面像であってマップ画像に対応づけされた眼底正面像であってもよい。
【0045】
この場合、第1の撮像光学系によって取得された第1の眼底正面像と、第2の撮像光学系によって取得された第2の眼底正面像とをマッチングさせることによって、OCT二次元画像と、視野マップ画像との間の位置合わせを行うようにしてもよい。この場合、第1の眼底正面像と第2の眼底正面像との間の倍率を調整することによって、OCT二次元画像と、視野マップ画像との間との間の倍率のずれを補正してもよい。
【0046】
また、撮像光学系の違い等に起因する画像間の不整合を、眼底正面像の少なくともいずれかを変形させることによって補正してもよい。この場合、画像処理部は、第2の眼底正面像に対して第1の眼底正面像を変形させると共に、視野マップ画像に対してOCT二次元画像を変形させてもよい。この場合、OCT二次元画像は連続的に形成されいるので、画像を変形しても視認性が確保されるのに対し、視野マップ画像(例えば、視感度マップ)は、離散的に一定の間隔で表示されるのが一般的であり、変形によって見づらくなる可能性がある。そこで、視野マップ画像に対してOCT二次元画像を変形させることで、視野マップ画像の視認性が維持され、結果として、両マップ画像の視認性が確保される。
【0047】
ここで、視野マップ画像に対して重ね合わせるOCT二次元画像(解析マップ画像、OCTエンフェイス画像等)が複数種別で切換可能であることによって、被検眼のOCT情報と視野情報との関係性を多面的に確認することが可能である。
【0048】
<眼底正面像と視野のマップ画像(
図6参照)>
本実施形態に係るレジストレーションは、眼底正面像を撮像するための第1の撮像光学系を備える第1の眼科検査装置によって得られた第1の画像データと、視野測定機能を少なくとも備える第2の眼科検査装置によって得られた第2の画像データとを重ね合わせる際に有利である。
【0049】
第1の画像データは、第1の撮像光学系によって取得された第1の眼底正面像であってもよい。第1の眼科検査装置は、複数用意されてもよく、異なる第1の眼科検査装置によって取得された眼底正面像が選択可能であってもよい。
【0050】
例えば、第2の眼科検査装置は、視野を測定するための視野測定光学系と、眼底正面像を撮像するための第2の撮像光学系と、を備える眼科検査装置であってもよい。第2の画像データは、視野測定光学系によって得られた視野マップ画像と、第2の撮像光学系によって取得された第2の眼底正面像であってマップ画像に対応づけされた眼底正面像であってもよい。
【0051】
この場合、眼底正面撮像光学系によって取得された第1の眼底正面像と、第2の撮像光学系によって取得された第2の眼底正面像とをマッチングさせることによって、眼底正面像間の位置合わせを行うようにしてもよい。この場合、第1の眼底正面像と第2の眼底正面像との間の倍率を調整してもよい。
【0052】
ここで、視野マップ画像に対して重ね合わせる第1の眼底正面像(例えば、眼底カメラによって取得された眼底正面像、SLOによって取得された眼底正面像、OCTによって取得された眼底正面像)が複数種別で切換可能であることによって、被検眼の眼底正面像と視野情報との関係性を多面的に確認することが可能である。
【0053】
<第3の画像データとのレジストレーション画像(
図6参照)>
画像処理部は、第1の眼科検査装置及び第2の眼科検査装置とは異なる第3の眼科検査装置(例えば、眼底撮影装置17)によって取得された被検眼の画像データである第3の画像データと、第1の眼科検査装置によって取得された被検眼の画像データである第1の画像データとを重ね合わせたレジストレーション画像を作成してもよい。
【0054】
この場合、第1の画像データに重ね合わせる画像の画像種別を、第2の画像データ及び第3の画像データとの間で設定変更可能であってもよい。なお、第1の眼科検査装置は、眼科用OCTデバイスであって、第2の眼科検査装置は、視野検査装置であって、第3の眼科検査装置は、眼底正面像を撮影するための眼底撮影装置であってもよい。第3の眼科検査装置は、眼底カメラ、SLOのいずれかであってもよい。
【0055】
<検査日ベースでのデータ出力(
図7、
図13参照)>
画像処理部は、眼科検査装置によって取得された被検眼の画像データを処理して画像データを含むレポートを作成してもよい。なお、画像処理部は、複数の眼科検査装置によって取得された被検眼の画像データを処理して、複数の眼科検査装置による画像データを含むカスタムレポートを作成してもよい。
【0056】
眼科画像処理装置は、設定された検査日を基準として、画像データを出力する機能を有してもよい。当該機能によって、検者が見たい検査日に関する複数の画像データを容易に確認できる。
【0057】
例えば、本装置は、レポートとして出力する画像データの検査日を設定する設定部を備えてもよい。設定部は、レポートとして出力する画像データの検査日を手動にて設定可能であってもよく、検査日を設定するための操作部からの指示信号を受け付ける指示受付部を備え、指示信号に基づいて設定を行うようにしてもよい。また、設定部は、予め設定された設定条件に応じて検査日を設定してもよい。検査日の設定手法としては、一定期間(例えば、週単位、月単位、年単位等)を設定する手法も含まれる。
【0058】
画像処理部は、設定された検査日又は検査日を基準とする一定期間内の画像データを記憶部から取得してもよい。この場合、検査日の設定手法として一定期間が設定される場合、画像処理部は、設定された一定期間に含まれる画像データを記憶部から取得してもよい。画像処理部は、取得された画像データに基づくレポートを作成してもよい。
【0059】
レポートとして出力する画像データの検査日は、設定変更可能であってもよい。画像処理部は、設定変更された検査日又は検査日を基準とする一定期間内の画像データを記憶部から取得してもよい。
【0060】
画像処理部は、設定部によって設定可能な検査日リストを、記憶部に記憶された被検眼の画像データに付帯された検査日データに基づいて作成してもよい。画像処理部は、作成された検査日データを、表示部上において選択可能に表示してもよい。これによって、検査日の設定をスムーズに行うことができる。
【0061】
なお、レポートとして出力する画像データの画像種別を設定可能であってもよい。画像処理部は、設定された検査日及び画像種別に基づいて、設定された検査日又は検査日を基準とする一定期間内の画像データであって設定された画像種別に対応する画像データを記憶部から取得してもよい。画像処理部は、取得された画像データに基づくレポートを作成してもよい。
【0062】
<実施例>
本実施例に係る眼科画像処理装置の記憶部30には、本装置に接続された複数の眼科検査装置(例えば、眼科用OCTデバイス10、視野検査装置15、眼底撮影装置17)によって取得された画像データが記憶されている。なお、画像データは、患者毎に分類されており、患者毎に識別可能に保存されている。記憶された画像データは、画像閲覧用のソフトウェアを用いて閲覧可能であり、さらに、記憶された画像データに対する解析結果等を含めたレポートが作成可能である。記憶部30に記憶された画像データとしては、眼科検査装置によって取得される撮影画像データ、眼科検査装置によって取得されるマップ画像データであってもよい。マップ画像データは、例えば、撮影画像、又は測定結果を解析することによって得られる。
【0063】
撮影画像と、撮影画像に基づいて得られるマップ画像は、対応付けて記憶部30に記憶されてもよい。この場合、プロセッサ20は、撮影画像とマップ画像とを分離して、2つの画像として記憶部30に記憶してもよい。これによって、撮影画像とマップ画像は、それぞれ独立した画像として用いることができ、レジストレーション画像を作成する際に有利である。例えば、撮影画像とマップ画像とを重ね合わせた状態で記憶した場合、これらは一体化しているので、独立して透過率を調整したり、一方の重ね合わせを一旦取り消すような処理が困難である。これに対し、分離して記憶しておくことで、独立した透過率の調整、レジストレーション画像を構成する一部の画像種別の一旦取消等において有利である。
【0064】
<テンプレート作成画面>
レジストレーション画像の基礎となる画像(レジストレーション画像を構成する画像)の種別は、テンプレートとして予め設定されてもよい。テンプレートデータは、例えば、記憶部30に記憶される。テンプレートは、ソフトウェア上で検者によって作成されてもよいし、デフォルト設定として予め用意されてもよい。さらに、新たなテンプレートデータが、通信手段を介して登録されてもよい。
【0065】
図8は、レポートのテンプレートをソフトウェア上で作成するための画面の一例を示す図である。プロセッサ20は、レジストレーション画像を含むレポートのテンプレートを作成できる。レジストレーション画像を含むレポートは、一つ又は複数のレジストレーション画像のみによるレポートであってもよいし、一つ又は複数のレジストレーション画像に加え、眼科検査装置によって取得された他の画像を含むレポート(
図4参照)であってもよい。他の画像の例としては、眼科用OCTデバイスによって取得された二次元画像(例えば、マップ画像、OCTエンフェイス画像、解析チャート画像、正面像等)、視野検査装置によって取得された二次元画像(例えば、マップ画像、正面像)、眼撮影装置によって取得された正面像等が考えられる。
【0066】
テンプレート作成画面において、プロセッサ20は、複数の画像種別を選択可能に表示部に表示すると共に、画像種別を選択するための操作部4からの選択指示を受け付けてもよい。複数の画像種別は、例えば、リスト100として表示されてもよい。
【0067】
選択可能な画像種別として、レジストレーション画像が選択可能であってもよい。レジストレーション画像の画像種別が複数設けられ、複数の種別から一つの種別が選択可能であってもよい。レジストレーション画像の画像種別のパターンとしては、種々のパターンが考えられる(詳しくは、後述する)。この場合、選択方式は、複数種のレジストレーション画像に関する画像種別の一つを選択する方式であってもよいし、レジストレーション画像の基礎となる各画像の種別を複数選択することでレジストレーション画像の画像種別を選択する方式であってもよい。
【0068】
レジストレーション画像は、異なる眼科検査装置によって取得された画像同士が重ね合わせされた画像であってもよく、異なる眼科検査装置によって取得された画像としては、例えば、眼科用OCTデバイスと他の眼科検査装置によって取得された画像、視野検査装置と他の眼科検査装置によって取得された画像がありうる。なお、レジストレーションの基礎となる画像は、撮影画像、マップ画像等であってもよい。
【0069】
テンプレート作成画面において、プロセッサ20は、画像種別を選択するための指示信号を受け付け、選択された画像種別に対応する画像を、レポート表示領域200上に表示するようにしてもよい。この場合、レジストレーション画像及び他の画像の少なくともいずれかが、選択された画像種別に応じてレポート表示領域200に表示されてもよい。
【0070】
プロセッサ20は、操作部4からの操作信号に基づいて、画像種別の追加又は削除を行ってもよい(例えば、クリック、ドラッグ操作等)。プロセッサ20は、画像種別の追加又は削除に応じて、レポート表示領域200に表示される画像を変更してもよい。プロセッサ20は、レポート表示領域200に表示される各画像のレイアウト(例えば、表示位置又は表示倍率等)を操作部4からの操作信号に基づいて変更してもよい。また、テンプレートが作成される場合、少なくとも一つの画像種別を予め含んだテンプレートに対して画像種別の追加又は削除が行われてもよいし、新規のテンプレートに対して画像種別の追加又は削除が行われてもよい。
【0071】
レジストレーション画像に対応する画像種別が選択された場合、プロセッサ20は、レジストレーション画像の種類を示す文字及びグラフィックの少なくともいずれかを含む画像210を、レポート表示領域200に表示するようにしてもよい。これによって、検者は、レジストレーション画像の種類を容易に確認できる。なお、レジストレーション画像の基礎となる各画像の種別を示す文字が表示されることによって、検者は、レジストレーション画像の種類を確実かつスムーズに確認できる。レジストレーション画像の種類を示すグラフィックが表示される場合、グラフィックは、実際の撮影画像であってもよいし、実際の画像を模したグラフィック画像であってもよい。
【0072】
レポート表示領域200に表示された画像種別をベースとしてレポートのテンプレートが作成されると、作成されたテンプレートが記憶部30に記憶される。作成されたテンプレートは、レポートとして出力可能となる。
【0073】
<テンプレート選択画面>
テンプレート選択画面(
図4参照)において、複数のテンプレートから一つのテンプレートを選択するための操作部4からの選択指示を受け付けてもよい。プロセッサ20は、複数のテンプレート220をグラフィックとして表示部1に表示する共に、操作部4からの選択指示を受け付けてもよい。この場合、複数のテンプレート220としては、デフォルトのテンプレートの他、新たに作成されたテンプレートが表示されてもよい。
【0074】
この場合、プロセッサ20は、記憶部30に記憶された複数の被検者情報から一つの被検者を選択するための操作部4からの選択指示を受け付けてもよい。テンプレートが選択されると、プロセッサ20は、選択された被検者の画像であって選択されたテンプレート上での画像種別に対応する画像を記憶部30から取得し、取得された画像に基づいてレポートを作成してもよい。
【0075】
<レジストレーション画面>
選択されたテンプレートにおいてレジストレーション画像が含まれる場合、プロセッサ20は、レジストレーションを実行するためのレジストレーション画面(
図2参照)を表示部1に表示してもよい。なお、レジストレーション画像が含まれない場合、プロセッサ20は、レポートの作成に移行してもよい。
【0076】
レジストレーション画面において、プロセッサ20は、異なる眼科検査装置によって取得された画像同士の位置合わせ処理、又は重ね合わせ処理(重畳処理)を行うようにしてもよい。プロセッサ20は、第1の眼科検査装置によって取得される画像である第1の画像(例えば、撮影画像A)と、第2の眼科検査装置によって取得される画像である第2の画像(例えば、撮影画像B)とを位置合わせし、重ね合わせ処理を行ってもよい。ここで、第1の画像の画像種別である第1の画像種別と、第2の画像の画像種別である第2の画像種別は、テンプレート上のレジストレーション画像において設定された種別が適用される。
【0077】
<位置合わせ処理>
位置合わせ処理において、第1の画像と第2の画像の少なくとも一方が、正面像ではない他の画像(例えば、OCT又は視野検査装置によって得られたマップ画像)である場合、プロセッサ20は、他の画像に対して予め設定された正面像を用いて位置合わせを行ってもよい。例えば、眼科検査装置によって得られたマップ画像の場合、予め対応づけされた正面像が用いられてもよい。眼科検査装置は、マップ画像と正面像とを対応づけて記憶部30に記憶する機能を備えてもよい。なお、レジストレーション画像を構成する画像として、他の画像と共に正面像が含まれる場合でも適用可能である。
【0078】
なお、第1の画像と第2の画像の両方が正面像の場合(例えば、眼底カメラによって取得されたカラー眼底正面像と、SLOによって取得された蛍光眼底正面像)、正面像同士で直接的に位置合わせを行ってもよい。
【0079】
位置合わせ処理において、プロセッサ20は、位置合わせに用いる正面像(撮影画像A、撮影画像B参照)をそれぞれ表示部1に表示してもよいし、さらに/又は、位置合わせに用いる正面像同士によるレジストレーション画像(
図2の結果画像参照)を表示部1に表示してもよい。位置合わせに用いる正面像は、位置合わせ用画像の確認の他、位置合わせ用の特徴点の設定に用いられてもよい。レジストレーション画像は、位置合わせの確認として用いられてもよい。
【0080】
プロセッサ20は、正面像同士を画像処理によって位置合わせ(マッチング処理)を行ってもよい。画像処理による位置合わせの具体的手法としては、種々の画像処理手法(各種相関関数を用いる方法、フーリエ変換を利用する方法、特徴点のマッチングに基づく方法)を用いることが可能である。なお、位置合わせ処理においては、平行移動、回転移動、拡大・縮小の少なくともいずれかを行ってもよい。また、撮影光学系の違い等に起因する画像間の不整合を、正面像の少なくともいずれかを変形させることによって補正してもよい。
【0081】
位置合わせは、自動的に実行されてもよいし、手動を含むセミオートにて実行されてもよいし、手動で行われてもよい。セミオートの場合、各正面像において共通する特徴点(例えば、血管分岐点、病変部等)が画面上で検者によって指定され、プロセッサ20は、指定された特徴点を用いて位置合わせ処理を行ってもよい。手動の場合、プロセッサ20は、検者の操作に応じて、正面像の一方に対して他の正面像を画面上で動作させて位置合わせを行うようにしてもよい。なお、位置合わせの結果を経て、セミオート又は手動によって位置合わせの再調整が行われてもよい。
【0082】
<重ね合わせる処理>
位置合わせ処理が完了されると、プロセッサ20は、位置合わせの結果を利用して第1の画像と第2の画像とを少なくとも重ね合わせたレジストレーション画像(
図2の結果画像参照)を表示部1に表示してもよい。位置合わせ処理の完了は、自動又は手動にて実行されてもよい。
【0083】
正面像ではない他の画像に加え、レジストレーション画像を構成する画像として、位置合わせ用の正面像の少なくともいずれかが含まれる場合、プロセッサ20は、他の画像と、正面像とを重ね合わせたレジストレーション画像を表示してもよい。
【0084】
例えば、第1の画像種別は、第1の眼科検査装置(例えば、眼科OCTデバイス10)によって得られたマップ画像である第1のマップ画像300であり、第2の画像種別は、第2の眼科検査装置(例えば、視野検査装置15)によって得られたマップ画像である第2のマップ画像310の場合、プロセッサ20は、第1のマップ画像に対応付けられた正面像である第1の正面像320と、第2のマップ画像に対応付けられた正面像である第2の正面像330との間で位置合わせを行うと共に、第1のマップ画像300と第2のマップ画像310との重ね合わせ表示に加え、第1の正面像320及び第2の正面像330の少なくともいずれかを重ね合わせたレジストレーション画像を表示部1に表示してもよい(
図5参照)。なお、プロセッサ20は、第1の正面像320及び第2の正面像330に位置合わせに用い、第1のマップ画像300と第2のマップ画像310のみを重ね合わせた画像を表示してもよい。
【0085】
プロセッサ20は、位置合わせ用の各正面像を重ね合わせたレジストレーション画像を表示してもよい。この場合、位置合わせ用の重ね合わせ画像が、レジストレーション画像を兼用してもよい。
【0086】
なお、第1の画像種別は、第1の眼科検査装置(例えば、眼底カメラ)によって得られた正面像である第1の正面像であり、第2の画像種別は、第2の眼科検査装置(例えば、SLO)によって得られた正面像である第2の正面像の場合、プロセッサ20は、第1の正面像と第2の正面像との間で位置合わせを行うと共に、第1の正面像及び第2の正面像を重ね合わせたレジストレーション画像を表示部1に表示してもよい。
【0087】
<重ね合わせる順序>
レジストレーション画面において、プロセッサ20は、予め設定された重ね合わせる順序に基づいてレジストレーション画像を作成し、作成されたレジストレーション画像を表示部1に表示するようにしてもよい。
【0088】
予め設定された重ね合わせ順序に関して、正面像よりも上に解析関連の画像(例えば、マップ画像)が重ね合わせることによって、解析結果が優先されたレジストレーション画像が得られる。これによって正面像上での解析結果の対応関係を容易に確認できる。
【0089】
例えば、第1の画像種別は、第1のマップ画像であり、第2の画像種別は、第2のマップ画像の場合、プロセッサ20は、第1の正面像及び第2の正面像よりも上に第1のマップ画像と第2のマップ画像を重ね合わせたレジストレーション画像を表示部1に表示してもよい。
【0090】
さらに、第1の正面像及び第2の正面像とを重ね合わせる順序については、撮影画角の大きい方の正面像よりも上に撮影画角の小さい方の正面像を重ね合わせることで、検者は、撮影画角の大きい方の正面像によって撮影部位を広範囲で確認できると共に、撮影部位全体での撮影画角の小さい方の正面像及びマップ画像との対応関係を容易に確認できる。
【0091】
また、第1のマップ画像及び第2のマップ画像の重ね合わせる順序については、二次元的に網羅的に表示されたマップ画像(例えば、OCTのマップ画像)よりも上に、離散的に表示されたマップ画像(例えば、視野検査装置のマップ画像)を重ね合わせることで、検者は、網羅的マップ画像による解析結果を広範囲で確認できると共に、網羅的マップ画像及び正面像に対する離散的マップ画像による解析結果の対応関係を容易に確認できる。例えば、網羅的に表示されるOCTのマップ画像よりも上に、離散的に表示される視野検査装置のマップ画像が重ね合わせされることによって、検者は、OCTの解析結果を広範囲で確認できると共に、OCTの解析結果及び正面画像に対する視野検査装置の解析結果の対応関係を容易に確認できる。なぜなら、OCTのマップ画像は、矩形領域内において二次元的に色づけされたカラーマップであるのが一般的であるのに対し、視野検査装置のマップ画像は、視野測定点、固視点等に限定されていることが一般的であるからである。
【0092】
<レジストレーション画像の設定変更>
レジストレーション画面においては、プロセッサ20は、レジストレーション画像の設定を変更するための操作部4からの指示信号を受け付け、変更された設定に応じたレジストレーション画像を作成して表示部1に表示してもよい(
図3参照)。
【0093】
レジストレーション画像の設定に関して変更が行われた場合、プロセッサ20は、テンプレート上に設定されたレジストレーション画像の設定を変更し、記憶部30に記憶してもよい。レジストレーション画像の設定を変更できることで、検者は、所望するレジストレーション画像に変更できる。また、検者は、レジストレーション画像の設定を適宜変更することで、異なる設定のレジストレーション画像から複合的に各画像間の対応関係を確認できるので、診断においても有利である。
【0094】
設定変更に関して、例えば、プロセッサ20は、重ね合わせる順序を変更するための操作部4からの指示信号を受け付け、変更された順序に応じたレジストレーション画像を作成して表示部1に表示してもよい。検者は、レジストレーション画像を見ながら順序を変更できるので、検者が所望するレジストレーション画像に容易に変更可能である。例えば、第1の正面像及び第2の正面像の一方がカラー正面像であり、他方が蛍光正面像の場合、上に表示された正面像の方が視認性が向上するので、カラー正面像と蛍光正面像との間で順序を切り換えることで、上側画像で病変等の確認を行った後、病変等に対する下側画像との対応関係を確認するような場合、双方の画像での確認を容易に行うことができる。
【0095】
設定変更に関して、例えば、プロセッサ20は、レジストレーション画像に適用される画像種別の有無を選択するための操作部4からの指示信号を受け付け、変更された画像種別に応じたレジストレーション画像を作成して表示部1に表示してもよい。
【0096】
この場合、例えば、レジストレーション画像に適用されている各画像種別が表示部1に表示され、プロセッサ20は、各画像種別に対する切換信号を操作部4から受け付け、表示部1上のレジストレーション画像に適用させる画像種別を切り換えてもよい(
図3のチェックボックス参照)。レジストレーション画像に適用されている画像種別の一つに関して、適用無と設定された場合、プロセッサ20は、適用無と設定された画像種別に関する画像を表示部1上のレジストレーション画像から削除してもよい。一方、プロセッサ20は、適用有として設定された画像種別に基づくレジストレーション画像を表示部1に表示してもよい。
【0097】
各画像種別に関してレジストレーション画像への適用を切り換えることができることによって、検者が所望するレジストレーション画像を得ることができると共に、画像間での対応関係をより確実に確認できる。例えば、第1の眼科検査装置におけるマップ画像が削除された場合、第2の眼科検査装置におけるマップ画像と正面像との対応関係をより直接的に確認できる。
【0098】
設定変更に関して、例えば、プロセッサ20は、レジストレーション画像に適用されている画像の透過率を変更するための操作部4からの指示信号を受け付け、変更された透過率に応じたレジストレーション画像を作成して表示部1に表示してもよい。
【0099】
この場合、例えば、レジストレーション画像に適用されている各画像種別の透過率が変更可能に表示部1に表示され、プロセッサ20は、透過率を変更するための信号を操作部4から受け付け、表示部1上のレジストレーション画像に適用されている画像の透過率を変更してもよい(
図3のスライダ参照)。
【0100】
各画像種別に関してレジストレーション画像への透過率を変更できることによって、検者が所望するレジストレーション画像を得ることができると共に、画像間での対応関係をより確実に確認できる。例えば、ある画像の透過率が変更された場合、レジストレーション画像に適用されている画像間での表示状況が変更され、各画像間の関連性が変更される。検者は、透過率の変更によって、検者が所望する各画像間の関連性に設定された画像を取得できる。例えば、第2のマップ画像(例えば、OCTのマップ画像)の上に第1のマップ画像(例えば、視野検査装置のマップ画像)が表示され、マップ画像より下に正面画像が表示される場合、第2のマップ画像の透過率が大きくなることで、検者は、第1のマップ画像の正面像との対応関係を確認しやすくなる。
【0101】
<レポート表示>
レジストレーション画面において、レジストレーション画像の設定が完了されると、プロセッサ20は、設定されたレジストレーション画像を含むレポートを作成してもよい。なお、テンプレートがレジストレーション画像を含まない場合には、プロセッサ20は、レジストレーション画面を省略してもよい。
【0102】
プロセッサ20は、作成されたレポートを、表示部1に表示してもよいし、記憶部30に記憶してもよいし、外部に出力してもよいし、又は印刷してもよい(
図4参照)。ここで、レポートに含まれるレジストレーション画像は、複数種のレジストレーション画像から検者によって選択されたレジストレーション画像であるので、検者は、当該レジストレーション画像、他の画像を利用して、検者が所望する診断を行うことができる。
【0103】
<検査日ベースでのレポート作成・出力>
レポートの作成・出力において、プロセッサ20は、検査日を選択するための指示を操作部4から受け付け、選択された検査日又は検査日を基準とする一定期間内での画像に基づいてレポートを作成してもよい(
図7参照)。なお、一定期間の範囲については、検者によって設定可能であってもよい。また、検査日は、検査月として表現されるような表示形態を含むものとする。
【0104】
ここで、検査日にて画像を管理することによって、検者が所望する検査日のデータを容易に表示することができる。また、検査日を変更することによって、経過観察を行うことも可能である。なお、複数の検査日が同時に指定された場合、プロセッサ20は、経過観察用レポートとして、検査日が異なる画像が経時的に出力されたレポートを出力するようにしてもよい。
【0105】
また、レポート出力画面と同一画面上において、検査日を選択できることによって、検者が所望する検査日のレポートを容易に出力できると共に、レポート内容の確認が容易である。検査日の変更による経過観察をスムーズに行うことができる。この場合、プロセッサ20は、選択された検査日に応じてレポートの出力内容を更新してもよい。
【0106】
なお、検査日の選択は、検者によって実施される他、検査日が自動で選択されてもよい。例えば、解析結果において異常が発見された検査日が自動的に選択され、レポートとして出力されてもよい。
【0107】
図7、
図13は、検査日に応じたレポートを出力する際の具体例を示す図である。プロセッサ20は、複数表示されたレポートのテンプレートから一つのテンプレートを選択するための指示を受け付け、テンプレートを選択してもよい。なお、テンプレートは、検者によって予め作成されてもよい。例えば、特定の撮影部位を測定した際の走査パターン(例えば、「黄斑クロス」と「黄斑マップ」)で構成したテンプレートが作成されてもよい。作成されたテンプレートは、表示部1上の画像一覧画面に表示されてもよい。
【0108】
テンプレートが選択されると、プロセッサ20は、テンプレートとして設定された画像種別に対応する画像を、記憶部30に記憶された被検者の画像から取得してもよい。プロセッサ20は、取得された検査データから検査日一覧500を作成してもよい(
図7参照)。作成された検査日一覧は、表示部1に表示される。より詳細には、テンプレートに含まれている走査パターンと、記憶部30に記憶されている走査パターンに対応する撮影画像から、テンプレートに適合する検査日の一覧が作成されてもよい。
【0109】
検査日一覧から検査日が選択されると、プロセッサ20は、選択された検査日(例えば、日付、時間)に対応する画像を記憶部30から取得し、取得された画像を用いてレポート600を作成してもよい。レポート表示後、作成された検査日一覧から検査日が変更された場合、プロセッサ20は、変更された検査日に対応する画像を取得し、レポート内容を更新してもよい。
この場合、選択された検査日に応じた画像がレポートとして表示される。なお、初期起動時においては、最後に撮影した日付のデータ(直近のデータ)が表示されてもよい。これらの処理は、操作部4からの操作信号に基づいて、プロセッサ20によって行われる。
【0110】
<レジストレーション画像の画像種別のパターン>
以下、レジストレーション画像における各種パターンについて具体例を説明する。以下の説明される各パターン例は、レジストレーション画像における複数の画像種別として選択可能であってもよい。以下の例は一例であり、もちろんこれらに限定されない。
【0111】
レジストレーション画像の第1の例としては、例えば、眼科用OCTデバイスによって取得されるOCT二次元画像(例えば、OCTのマップ画像、エンフェイスOCT画像等)と、視野検査装置によって取得されたマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像であってもよい(
図5参照)。
【0112】
レジストレーション画像の第2の例としては、例えば、眼科用OCTデバイスによって取得された二次元画像(例えば、マップ画像、OCTエンフェイス画像等)と、視野検査装置とは異なる他の眼科検査装置によって取得された撮影画像又はマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像であってもよい。
【0113】
レジストレーション画像の第3の例としては、例えば、視野検査装置によって取得されたマップ画像と、視野検査装置とは異なる他の眼科検査装置によって取得された撮影画像又はマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像であってもよい(
図6参照)。
【0114】
なお、眼科用OCTデバイスは、眼底の二次元画像を取得可能な眼底OCTであってもよい。また、眼撮影装置は、眼底撮影装置であってもよい。これによって、眼底の画像に関するレジストレーション画像を取得可能である。また、眼底OCTによる眼底の二次元画像、又は眼底撮影装置による眼底画像を用いて、視野検査装置によって得られるマップ画像とのレジストレーション画像が作成されてもよい。なお、本実施形態は、眼底に限定されず、前眼部に関連する画像、又は前眼部及び眼底を含む眼球に関連する画像においても、適用可能である。
【0115】
<OCTのマップ画像>
レジストレーション画像を構成するOCTのマップ画像は、いわゆる解析マップの画像データであってもよく、例えば、眼科用OCTデバイスに設けられたOCT光学系によって得られるOCTデータを解析することによって得られる画像データであり、解析マップ画像として表示部1に表示されてもよい。
【0116】
OCTのマップ画像は、例えば、被検眼(例えば、眼底)に関する計測結果の二次元分布を示す解析マップ画像であってもよい。この場合、例えば、計測値に応じて色分けされたカラーマップであってもよい。解析マップとしては、例えば、層厚を示す厚みマップ、被検眼の層厚と正常眼データベースに記憶された正常眼の層厚との比較結果を示す比較マップ(正常眼DBマップ)、被検眼の層厚と正常眼データベースに記憶された正常眼の層厚とのずれを標準偏差にて示すデビエーションマップであってもよい。なお、層厚を求める場合、例えば、OCTデータに対する画像処理(例えば、セグメンテーション処理)によってOCTデータが層毎に分割処理され、層境界の間隔に基づいて各層の厚みが計測される。
【0117】
解析マップとしては、層厚に限定されず、例えば、曲率分布を示すマップであってよいし、血管密度分布を示すマップであってもよい。血管密度分布を示すマップは、例えば、OCTモーションコントラストデータを解析することによって取得されてもよい。また、解析マップは、偏光感受OCT(PS―OCT)によって得られた偏光特性分布を示すマップであってもよい。解析マップは、ドップラ―OCTによって得られた血流速度分布を示すマップであってもよい。
【0118】
プロセッサ20は、レジストレーション画像を構成する画像種別として、OCTのマップ画像に関する複数の画像種別を選択可能に表示してもよい(
図12参照)。例えば、プロセッサ20は、厚みマップ、正常眼DBマップ、デビエーションマップを選択可能に表示してもよい。この場合、各マップに関して、異なる層領域に関するマップを選択可能であってもよい。また、厚みマップ、正常眼DBマップ、デビエーションマップが記憶部30から取得され、マップ毎にレジストレーション画像が作成され、各レジストレーション画像が表示部1に表示されてもよい。これにより、各マップ画像に関する各レジストレーション画像を同時に確認できる。
【0119】
プロセッサ20は、例えば、特定の層領域に関するOCTのマップ画像と、視野検査装置によって取得されたマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像を作成することによって、検者は、特定の網膜層の解析結果と視野との対応関係を確認できる。
【0120】
<OCTエンフェイス画像>
レジストレーション画像の基礎となるOCTエンファイス画像は、OCT光学系によって得られるOCT信号から生成されるOCT信号正面像であってもよく、3次元OCTデータから生成される正面像であってもよいし、OCTデータの基礎となる干渉信号から生成された正面像であってもよい。なお、3次元OCTデータは、ラスタースキャンによって取得されてもよい。
【0121】
また、レジストレーション画像の基礎となるOCTエンファイス画像は、OCT光学系によって得られるOCTモーションコントラスト信号から生成されるOCTモーションコントラスト正面像(OCTモーションコントラストエンフェイス画像。以下、モーションコントラストをMCと省略する)であってもよく、3次元OCTMCデータから生成されるOCTMC正面像であってもよい。MCデータは、同一位置に関して時間的に異なる複数のOCTデータに基づいて取得される。MCデータを取得するためのOCTデータの演算方法としては、例えば、複素OCTデータの強度差もしくは振幅差を算出する方法、複素OCTデータの強度もしくは振幅の分散もしくは標準偏差を算出する方法(Speckle variance)、複素OCTデータの位相差もしくは分散を算出する方法、複素OCTデータのベクトル差分を算出する方法、複素OCT信号の位相差及びベクトル差分を掛け合わせる方法が挙げられる。なお、演算手法の一つとして、例えば、特開2015−131107号公報を参照されたい。3次元OCTMCデータは、異なる走査ラインでのモーションコントラストデータが並べられることによって取得されてもよい。なお、前述のように、モーションコントラストデータとしては、位相差に限らず、強度差、ベクトル差分等が取得されてもよい。
【0122】
上記3次元OCTデータ(又は3次元OCTMCデータ)から生成される正面像は、例えば、深さ方向の少なくとも一部の領域に関して3次元OCTデータを画像化することによって取得されてもよい。より詳細には、OCTエンファイス画像は、深さ方向の全体領域に関して3次元OCTデータ(又は3次元OCTMCデータ)を演算することによって取得されてもよい。OCTエンファイス画像は、3次元OCTデータ(又は3次元OCTMCデータ)を深さ方向の一部の領域(例えば、特定の層領域、特定の深さ領域)に関して3次元OCTデータ(又は3次元OCTMCデータ)を演算することによって取得されてもよい。演算手法としては、積算処理であってもよいし、他の手法(例えば、ヒストグラム演算)であってもよい。
【0123】
プロセッサ20は、レジストレーション画像を構成する画像種別として、OCTのエンフェイス画像に関する複数の画像種別を選択可能に表示してもよい。例えば、エンフェイス画像は、異なる深さ領域(例えば、深さ方向に関して異なる層領域)に応じて分類されてもよく、深さ領域に応じて分類されたエンフェイス画像を選択可能に表示してもよい。また、深さ領域が異なるエンフェイス画像が記憶部30から取得され、エンフェイス画像毎にレジストレーション画像が作成され、各レジストレーション画像が表示部1に表示されてもよい。これにより、深さ領域が異なるエンフェイス画像に関する各レジストレーションを同時に確認できる。また、OCT信号正面像、OCTモーションコントラスト正面像との間で選択可能であってもよい。
【0124】
プロセッサ20は、例えば、特定の層領域に関するOCTエンフェイス画像と、視野検査装置によって取得されたマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像を作成することによって、検者は、特定の網膜層構造と視野との対応関係を確認できる。この場合、特定の層領域におけるOCT正面像と視野検査装置のマップ画像とのレジストレーション画像に設定することで、特定の層における形態情報と視野との対応関係を確認できる。
【0125】
この場合、特定の層領域に関するOCTエンフェイス画像(
図10では、OCT信号正面像)400と、視野検査装置によって取得されたマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像(
図10参照)を作成することによって、検者は、特定の網膜層構造と視野との対応関係を確認できる。例えば、検者は、RPE層に関する正面画像から欠損領域を確認すると共に、欠損領域と視野計測結果を照合させることによって、これらの関連性を容易に確認できる。
【0126】
また、OCTMC正面像410と、視野検査装置によって取得されたマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像(
図11参照)を作成することによって、検者は、血管情報と視野との対応関係を確認できる。例えば、検者は、FAZ領域に対する血管の走行状態と、FAZ領域での視野計測結果を対応付けて容易に確認できる。
【0127】
<OCTの二次元画像の分類手法>
レジストレーション画像を構成するOCT二次元画像(例えば、OCTのマップ画像、OCTエンフェイス画像等)は、撮影部位に応じて分類されてもよく、撮影部位に応じて分類された複数のOCT二次元画像の一つが、レジストレーション画像を構成する画像種別として選択可能であってもよい。例えば、黄斑のOCT二次元画像、乳頭のOCT二次元画像が、画像種別として選択可能であってもよい。
【0128】
OCT二次元画像は、横軸をX軸、縦軸をY軸としたX−Y画像、横軸をY軸、縦軸をX軸とするY−X画像であってもよく、画像の縦横軸関係が選択可能であってもよい。ここで、X軸方向は、深さ方向に直交する横方向であって、Y軸方向は、深さ方向に直交する縦方向として規定される。
【0129】
なお、OCT二次元画像がマップ画像の場合、マップ画像は、走査パターンに応じて分類されてもよく、走査パターンに応じて分類された複数のマップ画像の一つが選択可能であってもよい。例えば、マップ画像は、ラスタースキャンによって取得されたOCTデータ、ラジアルスキャンによって取得されたOCTデータに基づいて取得される。そこで、ラスタースキャンによるマップ画像、ラジアルスキャンによるマップ画像が、レジストレーション画像を構成する画像種別として選択可能であってもよい。
【0130】
また、OCT二次元画像は、眼科用OCTデバイスの機種に応じて分類されてもよく、レジストレーション画像を構成する画像種別として、機種に応じて分類された複数のOCT二次元画像の一つが選択可能であってもよい。
【0131】
例えば、眼科用OCTデバイスとしては、OCTとSLOとの複合機、OCTと眼底カメラの複合機、OCT単体機、が存在するので、これらの少なくとも2つのデバイスが画像種別として選択可能であってもよい(正面撮像系による分類)。また、例えば、眼科用OCTデバイスとしては、SD−OCT,SS−OCT、TD−OCTが存在するので、これらの少なくとも2つのデバイスが画像種別として選択可能であってもよい(OCT原理による分類)。なお、機種に応じた分類の場合、正面撮像系とOCT原理による分類がセットになってもよい。
【0132】
なお、前述のように、OCT二次元画像が、撮影部位、縦横軸関係、走査パターン、撮影装置に応じて分類されることによって、検者が所望するレジストレーション画像を作成する際に便利である。
【0133】
なお、
図8の例においては、レジストレーション画像を構成するOCTの二次元画像の種別が、少なくとも撮影部位単位で分類されており(リスト100参照)、撮影部位が選択されると、さらに、マップ画像の種類、又はOCTエンファイス画像を選択可能である(
図12参照)。
【0134】
<OCT二次元画像に対応付けされた正面像>
OCT二次元画像に対応付けされた正面像は、眼科用OCTデバイスに設けられたOCT光学系又は眼科用OCTデバイスに設けられた別の正面撮像光学系、によって得られる画像であってもよく、他の眼科検査装置によって取得された正面像との間での位置合わせに用いられてもよい。また、OCT二次元画像に対応付けされた正面像は、OCT二次元画像と共に、レジストレーション画像を構成してもよい。
【0135】
なお、OCT光学系によって得られた画像と、正面撮像光学系によって得られた画像との間において、対応付けされる正面像が選択可能であってもよい。OCT光学系によって得られた画像は、上記エンフェイス画像のいずれかであってもよい。つまり、OCT二次元画像がエンフェイス画像の場合、他の眼科検査装置によって取得された正面像との間での位置合わせに用いられてもよい。
【0136】
正面撮像光学系としては、例えば、SLO光学系、又は眼底カメラ光学系であってもよい。正面撮像光学系によって得られる正面像としては、可視光によって撮影された可視正面像、赤外光によって撮影された赤外正面像、又は、蛍光撮影によって取得された蛍光正面像であってもよい。正面像は、撮影波長に応じて分類されてもよく、撮影波長に応じて分類された複数の正面像の一つが選択可能であってもよい。
【0137】
<視野検査装置のマップ画像>
レジストレーション画像を構成する視野検査装置のマップ画像(以下、視野のマップ画像)は、視野検査によって得られた解析結果を示す画像データであってもよく、視野解析マップ画像として表示部1に表示されてもよい。
【0138】
視野のマップ画像は、被検眼に関する視野計測結果の二次元分布を示す視野解析マップ画像であってもよい。視野解析マップとしては、複数の視野測定点での計測値(例えば、視感度)が二次元的に表示された視感度マップであってもよいし、複数の視野測定点での計測値(例えば、視感度)に応じて色分けされたカラーマップであってもよい。この場合、カラーマップとしては、視標間を補完した視感度(感度スケールの色に対応)カラーマップであってもよい。その他、視野解析マップとしては、固視検査に関するマップであってもよく、例えば、中心窩での固視点分布から求められた固視安定度を示すマップ、固視点の位置を示すマップ、であってもよい。なお、視野検査装置は、マイクロペリメータであってもよいし、ハンフリー視野計であってもよい。
【0139】
プロセッサ20は、レジストレーション画像を構成する画像種別として、視野のマップ画像に関する複数の画像種別を選択可能に表示してもよい(
図16参照)。例えば、プロセッサ20は、視感度マップ、カラーマップ、固視検査に関するマップ等を選択可能に表示してもよい。視野のマップ画像の種類が選択できることで、検者は、OCTの解析結果と視野の解析結果とを多面的に確認できる。
【0140】
なお、視野のマップ画像に対応付けされた正面像は、視野検査装置に設けられた眼底正面撮像光学系によって得られる画像であってもよい。正面撮像光学系としては、例えば、眼底カメラ光学系、SLO光学系が考えられる。正面撮像光学系によって得られる正面像としては、可視光によって撮影された可視正面像、赤外光によって撮影された赤外正面像、又は、蛍光撮影によって取得された蛍光正面像であってもよい。正面像は、撮影波長に応じて分類されてもよく、撮影波長に応じて分類された複数の正面像の一つが選択可能であってもよい。
【0141】
なお、OCT二次元画像と視野検査装置のマップ画像とを重ね合わせたレジストレーション画像と、他の画像を含むレポートを作成する場合、プロセッサ20は、レジストレーション画像として出力された撮影部位に対応する他の画像を含むレポートを作成してもよい。この場合、このようなレポートが、デフォルトのテンプレートとして予め作成されてもよい。
【0142】
他の画像としては、例えば、BスキャンOCT画像、3次元OCT画像、解析チャート、解析グラフの他、レジストレーションを構成するOCT二次元画像とは異なるマップ画像、エンフェイス画像であってもよい。プロセッサ20は、他の画像として、レジストレーション画像を構成するOCT二次元画像、OCT二次元画像に対応付けされた正面像の少なくともいずれかの元画像を含むレポートを作成してもよい。
【0143】
<眼科用OCTデバイス、視野検査装置とは異なる第3の眼科検査装置>
第3の眼科検査装置(他の眼科検査装置)としては、例えば、被検眼(例えば、眼底)を撮影するための眼科撮影装置(例えば、眼底撮影装置17)であってもよく、レジストレーション画像を構成する画像種別として、眼科撮影装置によって取得される撮影画像が選択可能であってもよい。眼底撮影装置としては、例えば、眼底カメラ、SLO等の正面像を撮影するための単体の眼底撮影装置であってもよい。眼科撮影装置は、据置型であってもよいし、手持ち型であってもよい。
【0144】
プロセッサ20は、眼底撮影装置17によって取得された第3の眼底正面像350と、視野検査装置15によって取得されたマップ画像310と、マップ画像310に対応付けられた第2の正面像330と、を重ね合わせたレジストレーション画像を作成してもよい(
図6参照)。
【0145】
眼撮影装置によって得られる正面像としては、可視光によって撮影された可視正面像、赤外光によって撮影された赤外正面像、又は、蛍光撮影によって取得された蛍光正面像であってもよい。正面像は、撮影波長に応じて分類されてもよく、撮影波長に応じて分類された複数の正面像の一つが選択可能であってもよい。
【0146】
他の眼科検査装置としては、例えば、被検眼の血流速度を計測するための眼科血流速度測定装置(例えば、眼底血流測定装置)であってもよく、レジストレーション画像を構成する画像種別として、眼科血流速度測定装置によって取得される血流マップ画像が選択可能であってもよい。血流マップ画像は、例えば、眼の血流速度に関する計測結果の二次元分布を示す血流マップ画像であってもよく、計測値に応じて色分けられたカラーマップであってもよい。なお、眼科血流速度測定装置としては、例えば、眼の血球から反射されたスペックル信号に基づき血流速度を測定するための血流速度測定装置(LSFG:レーザー・スペックル・フロー・グラフィー)であってもよい(例えば、特開2003−180641号公報)。
【0147】
この場合、血流マップ画像とOCT二次元画像とのレジストレーション画像を設定することで、検者は、OCTと血流速度との対応関係を確認できる。また、血流マップ画像と視野のマップ画像とのレジストレーション画像を設定することで、視野測定結果と血流速度との対応関係を確認できる。
【0148】
<変容例>
なお、上記説明においては、レポートのテンプレートにレジストレーション画像を設ける構成としたが、これに限定されず、互いに異なる複数の眼科検査装置によって得られた画像に基づいてレジストレーション画像を作成する場合において、本実施形態の適用は可能である。
【0149】
なお、上記説明においては、互いに異なる複数の眼科検査装置によって得られた画像に基づいてレジストレーション画像を作成する例を示したが、複数の機能を備える複合装置(例えば、OCTと視野検査装置の複合機)によって得られた画像間でレジストレーション画像を作成する場合において、本実施形態が適用されてもよい。