(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1レンズは、前記第1レンズ光軸を基準に、前記第1中央側発光チップ、前記第1左側発光チップ及び前記第1右側発光チップからの光をクロス配光照射するように形成されており、
前記第1左側発光チップ及び前記第1右側発光チップのうち、前記第1レンズを介して前記第1レンズ光軸よりも車両進行方向の左側に向けて照射される光を出射する発光チップが、前記第1右側発光チップであり、
前記第2レンズは、前記第2レンズ光軸を基準に、前記第2中央側発光チップ、前記第2左側発光チップ及び前記第2右側発光チップからの光をクロス配光照射するように形成されており、
前記第2左側発光チップ及び前記第2右側発光チップのうち、前記第2レンズを介して前記第2レンズ光軸よりも車両進行方向の左側に向けて照射される光を出射する発光チップが、前記第2右側発光チップであることを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
前記第1レンズは、前記第1レンズ光軸を基準に、前記第1中央側発光チップ、前記第1左側発光チップ及び前記第1右側発光チップからの光をクロス配光照射するように形成されており、
前記第1左側発光チップ及び前記第1右側発光チップのうち、前記第1レンズを介して前記第1レンズ光軸よりも車両進行方向の右側に向けて照射される光を出射する発光チップが、前記第1左側発光チップであり、
前記第2レンズは、前記第2レンズ光軸を基準に、前記第2中央側発光チップ、前記第2左側発光チップ及び前記第2右側発光チップからの光をクロス配光照射するように形成されており、
前記第2左側発光チップ及び前記第2右側発光チップのうち、前記第2レンズを介して前記第2レンズ光軸よりも車両進行方向の右側に向けて照射される光を出射する発光チップが、前記第2左側発光チップであることを特徴とする請求項3に記載の車両用灯具。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する)について詳細に説明する。
実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0019】
また、実施形態において、特に断りがない場合、「前」、「後」は、各々、車両102の「前進方向」、「後進方向」を示し、「上」、「下」、「左」、「右」は、各々、車両102に乗車する運転者から見た方向を示す。
【0020】
図1は本発明に係る実施形態の車両用灯具を備えた車両102の平面図である。
また、
図2は本発明に係る実施形態の第1灯具ユニット10L及び第2灯具ユニット10Rを説明するための車両102の前方側から見た正面図であり、
図3は本発明に係る実施形態の第1灯具ユニット10L及び第2灯具ユニット10Rを説明するための分解斜視図である。
【0021】
本発明に係る実施形態の車両用灯具は、
図1に示すように、車両102の前方側に設けられる車両用灯具であって、車両左側に設けられる第1灯具101Lと、車両右側に設けられる第2灯具101Rと、を備えている。
【0022】
本実施形態の第1灯具101Lは、車両前方側に開口したハウジング(図示せず)と開口を覆うようにハウジングに取付けられるアウターレンズ(図示せず)を備え、ハウジングとアウターレンズとで形成される灯室内に第1灯具ユニット10L(
図2及び
図3参照)等が配置される。
【0023】
また、本実施形態の第2灯具101Rも、第1灯具101Lと同様に、車両前方側に開口したハウジング(図示せず)と開口を覆うようにハウジングに取り付けられるアウターレンズ(図示せず)を備え、ハウジングとアウターレンズとで形成される灯室内に第2灯具ユニット10R(
図2及び
図3参照)等が配置される。
【0024】
以下、主に
図2及び
図3を参照しながら、第1灯具ユニット10L及び第2灯具ユニット10Rで共通の部分について説明する。
なお、第1灯具ユニット10L及び第2灯具ユニット10Rで共通の部分の説明では、単に、灯具ユニット10と記載する。
【0025】
(灯具ユニット10)
本実施形態の灯具ユニット10は、
図3に示すように、後述するように、複数の発光チップ36が水平方向に横並びに配列された光源部30を有しており、先行車や対向車との位置関係等に応じて、複数の発光チップ36の一部又は全部を点消灯させる、いわゆる、ADB(Adaptive Driving Beam)制御を行うことができる配光可変型のハイビーム配光ユニットである。
【0026】
なお、以下では、第1灯具ユニット10Lの光源部30を個別に説明する場合には、第1光源部30Lと記載し、同様に、第2灯具ユニット10Rの光源部30を個別に説明する場合には、第2光源部30Rと記載する。
【0027】
また、その他の構成においては、第1灯具ユニット10Lの構成を個別に説明する場合、
図2及び
図3に示される番号と同じ番号を使用するものの、はじめに「第1」との記載を加えることとし、第2灯具ユニット10Rの構成を個別に説明する場合、
図2及び
図3に示される番号と同じ番号を使用するものの、はじめに「第2」との記載を加えることとする。
【0028】
具体的には、
図3に示すように、灯具ユニット10は、ヒートシンク20と、光源部30と、反射ボード40と、レンズホルダ50と、レンズ部60と、冷却ファン70と、を備えている。
【0029】
(ヒートシンク20)
ヒートシンク20は、ベース部21と、放熱フィン22と、冷却ファン取付部23と、を備えている。
【0030】
ベース部21の前面21aは、光源部30を配置する光源配置部を構成し、ベース部21の前面21aの反対側に位置する後面21bには、水平方向に並ぶように複数の放熱フィン22が後面21bから後方に伸びるように形成されている。
【0031】
また、後面21bの水平方向の左右外側には、冷却ファン70を取付ける冷却ファン取付部23が、放熱フィン22と同様に、後面21bから後方に伸びるように形成されている。
【0032】
ベース部21の前面21aの鉛直方向の略上下中央には、光源部30及び反射ボード40を取付けるための左右一対の固定構造24が設けられている。
具体的には、固定構造24は、それぞれ光源部30及び反射ボード40の位置合わせ用のボスと固定を行うためのネジ84を螺合させるネジ固定孔を備えている。
【0033】
なお、光源部30の基板31には、鉛直方向の略上下中央より少し下側の水平方向左右外側の位置に、固定構造24に対応した貫通孔34が設けられており、同様に、反射ボード40にも、水平方向左右外側に一対設けられたアーム部に固定構造24に対応した貫通孔44が設けられている。
【0034】
したがって、光源部30及び反射ボード40は、ベース部21にネジ84で共止めされるようにして固定される。
【0035】
また、ベース部21は、鉛直方向の略上下中央の左右外側の位置において、一部が外側に突出する形状部分が形成されており、この突出した部分には、レンズホルダ50を取付けるための左右一対の固定構造25が設けられている。
【0036】
具体的には、固定構造25は、それぞれレンズホルダ50の位置合わせ用のボスと固定を行うためのネジ85を螺合させるネジ固定孔を備えている。
なお、ベース部21は、水平方向の略中央の鉛直方向下側にもネジ85を螺合させるネジ固定孔25aを有しており、レンズホルダ50は3つのネジ85でベース部21に固定される。
【0037】
一方、後述するように、レンズホルダ50は、後側レンズホルダ51と前側レンズホルダ52とで構成されているが、後側レンズホルダ51には、水平方向の左右外側に設けられた固定構造25に対応する貫通孔を有する孔部51aが設けられている。
また、前側レンズホルダ52にも水平方向の左右外側に設けられた固定構造25に対応する貫通孔を有する孔部52aが設けられている。
【0038】
さらに、前側レンズホルダ52は、水平方向の略中央の鉛直方向下側にもベース部21のネジ固定孔25aに対応した貫通孔を有する孔部52b(
図2参照)が設けられており、後側レンズホルダ51も正面視で孔部52bに重なる位置に、ベース部21のネジ固定孔25aに対応した貫通孔を有する孔部を有している。
したがって、後側レンズホルダ51及び前側レンズホルダ52は、ベース部21にネジ85で共止めされるようにして固定される。
【0039】
一方、
図3に示すように、冷却ファン取付部23にも、冷却ファン70を取付けるためのネジ87を螺合させるための、ネジ固定孔(図示せず)が設けられており、ネジ87を冷却ファン70のネジ孔71を通すようにして冷却ファン取付部23のネジ固定孔(図示せず)に螺合させることで、冷却ファン70がヒートシンク20に固定される。
【0040】
(冷却ファン70)
冷却ファン70は、放熱フィン22を強制冷却するための風を発生させる部分であり、必須ではないものの、本実施形態の光源部30は、複数の発光チップ36を有しているため、発熱量が大きいので冷却ファン70を設けるようにするのが好ましい。
【0041】
(反射ボード40)
反射ボード40は、
図3に示すように、水平方向左右一対のアーム部に支えられた反射面41を構成する底部を有する部材である。
【0042】
そして、光源部30の各発光チップ36の真下の近接する位置に反射面41が位置するように配置され、各発光チップ36からの光の像を鉛直方向に拡大する役目を果たす部材である。
【0043】
このように反射ボード40によって光の像を鉛直方向に拡大することで、複数の発光チップ36が水平方向に1列だけ設けられた構成であっても、ハイビーム配光パターンに求められる鉛直方向の範囲に光を照射することができる。
【0044】
(レンズ部60)
レンズ部60は、
図3に示すように、正面視が矩形状のレンズ61と、レンズ61の外周に設けられたレンズホルダ50に保持されるためのフランジ62と、を備えている。
【0045】
そして、レンズ61が、光源部30の各発光チップ36からの光を配光制御して所定の配光パターンを形成するように光を前方に照射する。
【0046】
具体的には、レンズ61は、発光チップ36からの光が入射する入射面及び入射した光が出射する出射面が共に出っ張るように形成された自由曲面からなり、入射面及び出射面が所定の配光制御を行う面形状となるように形成されている。
【0047】
また、レンズ部60は、ポリカーボネート系樹脂やアクリル系樹脂を好適に用いることができるが、発光チップ36からの熱の問題がある場合には、耐熱性に優れるポリカーボネート系樹脂がよく、一方、配光パターンにおける青色分光色の発生を抑制したい場合には、屈折率の波長依存性が少なく分光が抑制しやすいアクリル系樹脂を用いるのが好適である。
【0048】
(レンズホルダ50)
図3に示すように、レンズホルダ50は、ヒートシンク20側に配置される後側レンズホルダ51と後側レンズホルダ51の前方側に配置される前側レンズホルダ52で構成されている。
【0049】
後側レンズホルダ51は、レンズ部60のフランジ62を受ける開口縁部51bと、開口縁部51bからヒートシンク20側に延びる外周部51cと、を有している。
なお、上述した孔部51aは、外周部51cのヒートシンク20側の端部から水平方向左右外側に延在するように設けられている。
【0050】
そして、外周部51cのヒートシンク20側への幅は、後側レンズホルダ51がヒートシンク20に固定されたときに、光源部30からの距離が所定の距離にレンズ61が位置するように設定されている。
【0051】
一方、前側レンズホルダ52は、レンズ部60のレンズ61の外形と略等しい開口内形の開口縁部52cと、開口縁部52cからヒートシンク20側に向かって後側レンズホルダ51の外周部51cを覆う外周部52dと、を有している。
なお、上述した孔部52aは外周部52dのヒートシンク20側の端部から水平方向左右外側に延在するように設けられており、孔部52bは外周部52dのヒートシンク20側の端部から鉛直方向下側に延在するように設けられている。
【0052】
そして、後側レンズホルダ51の開口縁部51bと前側レンズホルダ52の開口縁部52cとの間にレンズ部60のフランジ62が挟持されることでレンズ部60はレンズホルダ50に保持される。
【0053】
(光源部30)
光源部30は、基板31と、水平方向に並ぶように基板31上に設けられた複数の発光チップ36と、基板31上に形成された導電パターンを介して各発光チップ36に電気的に接続された電気コネクタ32と、を備えている。
【0054】
なお、本実施形態では、光源部30は、発光チップ36にLEDチップを用いた半導体型の光源部30としている。
【0055】
次に、
図4を参照しながら、第1光源部30Lについて詳細に説明する。
図4は第1光源部30Lの発光チップ36の配置状態と、各発光チップ36からの光が形成するスクリーン上での配光パターンを示した図である。
【0056】
より具体的には、
図4は、日本のように、車両102(
図1参照)の通行が左側通行である場合の左側走行用の車両102に搭載される車両用灯具の第1灯具ユニット10Lの有する第1光源部30Lを説明するための図になっており、車両102が直進走行する際の第1光源部30L(
図3参照)の第1直進時設定を説明するための図になっている。
【0057】
そして、
図4では、上側にスクリーン上での配光パターンを示しており、スクリーン上での基準鉛直線をVU−VL線として示すとともに、基準水平線をHL−HR線で示したものになっており、VU−VL線は第1レンズ61(
図3参照)の第1レンズ光軸O1上にある。
【0058】
なお、HL−HR線を0度としたときの鉛直方向の角度を右側に示しており、マイナスの符号はHL−HR線よりも下側への角度を意味している。
同様に、VU−VL線を0度としたときの水平方向の角度を上側に示しており、マイナスの符号はVU−VL線よりも左側への角度を意味している。
【0059】
また、
図4では、下側に発光チップ36の配列状態を示すとともに、各発光チップ36に供給される電流のDuty比率(%)の値を示している。
なお、Duty比率は、発光チップ36を連続で発光させるときに許されている定格の電流の最大流量を100(%)としたときの比率(パーセント)である。
【0060】
図4に示すように、第1光源部30L(
図3参照)は、11個の発光チップ36を備えており、具体的には、第1レンズ61(
図3参照)の第1レンズ光軸O1を含む第1中央側領域Mに設けられた1つ以上(本例では4つ)の第1中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2と、第1中央側領域Mよりも左側の第1左側領域Lに設けられた複数(本例では3つ)の第1左側発光チップL1、L2及びL3と、第1中央側領域Mよりも右側の第1右側領域Rに設けられた複数(本例では4つ)の第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4と、を備えている。
【0061】
図4に示すように、第1中央側領域Mには、第1レンズ光軸O1(VU−VL線参照)よりも左側に5度以上となる位置に第1左側境界線FL1を有し、第1レンズ光軸O1(VU−VL線参照)よりも右側に5度以上となる位置に第1右側境界線FR1を有する第1中央側照射領域FMA1に対して第1レンズ61(
図3参照)を介して照射される光を出射する第1中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2が設けられている。
【0062】
なお、第1中央側照射領域FMA1の第1左側境界線FL1は、第1レンズ光軸O1(VU−VL線参照)よりも左側に10度以下となる位置に設けられており、第1右側境界線FR1は、第1レンズ光軸O1(VU−VL線参照)よりも右側に10度以下となる位置に設けられており、具体的には、左右7度程度の位置が、それぞれ第1左側境界線FL1及び第1右側境界線FR1になっている。
【0063】
このため、第1中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2は、車両102(
図1参照)が直進走行する際の第1直進時設定において、運転者の前方側の視認性をよくするために、比較的高い発光光度を有するように設定されている。
【0064】
一方、
図4では第1レンズ61(
図3参照)の図示を省略しているが、第1レンズ61は、第1レンズ61の第1レンズ光軸O1を基準に、発光チップ36からの光をクロス配光照射するように形成されている。
【0065】
このため、第1レンズ光軸O1を基準に左側に設けられる発光チップ36からの光は、第1レンズ61(
図3参照)を介して第1レンズ光軸O1(VU−VL線参照)より右側に照射(例えば、第1中央側発光チップML1及び第1左側発光チップL3からの光の照射方向を示す実線矢印LR1及び点線矢印LR5参照)される。
【0066】
同様に、第1レンズ光軸O1を基準に右側に設けられる発光チップ36からの光は、第1レンズ61(
図3参照)を介して第1レンズ光軸O1(VU−VL線参照)より左側に照射(例えば、第1中央側発光チップMR1及び第1右側発光チップR4からの光の照射方向を示す二点鎖線矢印RL1及び実線矢印RL6参照)される。
【0067】
したがって、本実施形態では、第1左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4のうち、第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4が第1レンズ61を介して第1レンズ光軸O1よりも左側に向けて照射される光を出射する発光チップ36になっている。
【0068】
そして、車両102(
図1参照)の通行が左側通行である場合、左側に道路標識やデリニエータ(視線誘導標)等が設けられているため、それらに強い光が照射され、運転者を幻惑するような強い反射光が発生しないようにするための設定が第1直進時設定では行われている。
【0069】
具体的には、第1直進時設定では、第1左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4のそれぞれに対して、第1中央側領域Mに近い側から離れる側に向かって昇順に正の整数の番号を付与した場合(アルファベットの後の数字参照)、同じ番号が付与される第1左側発光チップL1、L2及びL3と第1右側発光チップR1、R2及びR3を比較すると、第1左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第1右側発光チップR1、R2及びR3のうち、第1レンズ61(
図3参照)を介して第1レンズ光軸O1よりも左側に向けて照射される光を出射する方である第1右側発光チップR1、R2及びR3に供給する電流の供給量(Duty比率参照)を少なくすることで、発光光度を低くする設定が行われている。
【0070】
なお、第1左側発光チップL1、L2及びL3からの光は、第1レンズ61(
図3参照)を介したクロス配光照射により、例えば、第1左側発光チップL3からの光の照射方向を示す点線矢印LR5を見るとわかるように、走行車線及び対向車線を含む走行ゾーンの中央側に向けて照射されることになる。
【0071】
したがって、第1左側発光チップL1、L2及びL3からの光が、左側に設けられる道路標識やデリニエータ(視線誘導標)等に照射されることはないため、第1左側発光チップL1、L2及びL3の電流の供給量(Duty比率参照)を第1中央側発光チップML2及びMR2の電流の供給量(Duty比率参照)である85(%)と同様の電流の供給量(Duty比率参照)としてもよい。
【0072】
しかしながら、本実施形態のように、第1左側発光チップL1、L2及びL3の電流の供給量(Duty比率参照)を第1中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2の電流の供給量(Duty比率参照)よりも少なくし、発光光度を低くしておくと、車両102(
図1参照)を右側にカーブさせるときに、運転者の視点をカーブ方向に誘導するように、第1左側発光チップL1、L2及びL3の電流の供給量(Duty比率参照)を大きくして、第1左側発光チップL1、L2及びL3の発光光度を高くする制御ができるため、第1直進時設定では、第1左側発光チップL1、L2及びL3の電流の供給量(Duty比率参照)を第1中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2の電流の供給量(Duty比率参照)よりも少なくすることが好ましい。
【0073】
以上のように、第1直進時設定では、運転者の前方側の視認性をよくし、左側の道路標識やデリニエータ(視線誘導標)からの反射光を抑制するとともに、右側に車両102(
図1参照)をカーブさせるときに運転者の視点をカーブ方向に誘導することを考慮した設定になっている。
【0074】
つまり、
図4に示すように、第1直進時設定では、第1中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2のいずれの発光チップ36においても、第1左側発光チップL1、L2及びL3及び第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4のいずれの発光チップ36よりも多くの電流が供給され、高い発光光度とする設定とされるとともに、第1左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4のそれぞれに対して、第1中央側領域Mに近い側から離れる側に向かって昇順に正の整数の番号を付与した場合(アルファベットの後の数字参照)、同じ番号が付与される第1左側発光チップL1、L2及びL3と第1右側発光チップR1、R2及びR3の発光光度を比較すると、第1左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第1右側発光チップR1、R2及びR3のうち、第1レンズ61(
図3参照)を介して第1レンズ光軸O1よりも左側に向けて照射される光を出射する方(本例では第1右側発光チップR1、R2及びR3)の発光光度を低くする設定と、が行われている。
【0075】
具体的には、第1左側発光チップL1と第1右側発光チップR1を比較すれば、第1左側発光チップL1の電流の供給量を表すDuty比率が55(%)に設定されているのに対し、第1右側発光チップR1のDuty比率は38(%)と小さく設定され、第1左側発光チップL1と第1右側発光チップR1の発光光度を比較すると、第1レンズ光軸O1よりも左側に向けて照射される光を出射する方である第1右側発光チップR1の発光光度を低くする設定が行われている。
【0076】
同様に、第1左側発光チップL2(Duty比率40(%))と第1右側発光チップR2(Duty比率22(%))を比較しても、第1左側発光チップL3(Duty比率20(%))と第1右側発光チップR3(Duty比率11(%))を比較しても、第1レンズ光軸O1よりも左側に向けて照射される光を出射する方である第1右側発光チップR2及び第1右側発光チップR3の発光光度を低くする設定が行われている。
【0077】
なお、本実施形態では、第1左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4のそれぞれが、番号が大きい発光チップ36ほど電流の供給量(Duty比率参照)を少しずつ小さくして、発光光度が少しずつ低くなる設定としている。
【0078】
このようにすれば、第1左側発光チップL1及び第1右側発光チップR1の発光光度を少し高く設定し、第1中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2からの光が形成する配光パターンとの間に、明暗差が激しい明暗境界線が発生することを防止しつつ、発光光度を低下させていくことができる。
【0079】
また、本実施形態の第1直進時設定では、
図4に示すように、第1レンズ光軸O1よりも左側に配置される第1中央側発光チップML1及びML2、及び、第1レンズ光軸O1よりも右側に配置される第1中央側発光チップMR1及びMR2のそれぞれに対して第1レンズ光軸O1に近い側から離れる側に向かって昇順に正の整数の番号を付与した場合(アルファベットの後の数字参照)、同じ番号が付与される第1中央側発光チップML1、ML2及びMR1、MR2は、同じ電流の供給量(Duty比率参照)として同じ発光光度とする設定とすることで、第1中央側照射領域FMA1を照射する光に偏りが発生しないようにすることができ、均一な配光を得ることができる。
【0080】
その上で、
図4に示すように、第1直進時設定では、番号が大きい第1レンズ光軸O1よりも左側に配置される第1中央側発光チップML2ほど電流の供給量(Duty比率参照)を小さくし、発光光度が低くなるように設定されるとともに、番号が大きい第1レンズ光軸O1よりも右側に配置される第1中央側発光チップMR2ほど電流の供給量(Duty比率参照)を小さくし、発光光度が低くなるように設定されており、第1中央側照射領域FMA1の配光と第1中央側照射領域FMA1より左右外側の配光との間に激しい明暗境界線が発生することを防止するようにしている。
【0081】
そして、上述のように、激しい明暗境界線が発生することを防止することで、運転者が、急激に視認性が低下すると感じる領域が発生しないため、運転者にストレスを与えることが回避でき、また、強い明暗差による視認性の低下を抑制することも可能となる。
【0082】
次に、
図5を参照しながら、第2光源部30Rについて詳細に説明する。
図5は第2光源部30Rの発光チップ36の配置状態と、各発光チップ36からの光が形成するスクリーン上での配光パターンを示した図である。
【0083】
より具体的には、
図5は、日本のように、車両102(
図1参照)の通行が左側通行である場合の左側走行用の車両102に搭載される車両用灯具の第2灯具ユニット10Rの有する第2光源部30Rを説明するための図になっており、車両102が直進走行する際の第2光源部30R(
図3参照)の第2直進時設定を説明するための図になっている。
【0084】
そして、
図5でも
図4と同様に、上側にスクリーン上での配光パターンを示しており、スクリーン上での基準鉛直線をVU−VL線として示すとともに、基準水平線をHL−HR線で示したものになっており、VU−VL線は第2レンズ61(
図3参照)の第2レンズ光軸O2上にある。
【0085】
なお、
図4と同様に、
図5においても、HL−HR線を0度としたときの鉛直方向の角度を右側に示しており、マイナスの符号はHL−HR線よりも下側への角度を意味している。
同様に、VU−VL線を0度としたときの水平方向の角度を上側に示しており、マイナスの符号はVU−VL線よりも左側への角度を意味している。
【0086】
また、
図5でも
図4と同様に、下側に発光チップ36の配列状態を示すとともに、各発光チップ36に供給される電流のDuty比率(%)の値を示している。
なお、Duty比率は、発光チップ36を連続で発光させるときに許されている定格の電流の最大流量を100(%)としたときの比率(パーセント)である。
【0087】
図5に示すように、第2光源部30R(
図3参照)は、11個の発光チップ36を備えており、具体的には、第2レンズ61(
図3参照)の第2レンズ光軸O2を含む第2中央側領域Mに設けられた1つ以上(本例では4つ)の第2中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2と、第2中央側領域Mよりも左側の第2左側領域Lに設けられた複数(本例では4つ)の第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4と、第2中央側領域Mよりも右側の第2右側領域Rに設けられた複数(本例では3つ)の第2右側発光チップR1、R2及びR3と、を備えている。
【0088】
図5に示すように、第2中央側領域Mには、第2レンズ光軸O2(VU−VL線参照)よりも左側に5度以上となる位置に第2左側境界線SL2を有し、第2レンズ光軸O2(VU−VL線参照)よりも右側に5度以上となる位置に第2右側境界線SR2を有する第2中央側照射領域SMA2に対して第2レンズ61(
図3参照)を介して照射される光を出射する第2中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2が設けられている。
【0089】
なお、第2中央側照射領域SMA2の第2左側境界線SL2は、第2レンズ光軸O2(VU−VL線参照)よりも左側に10度以下となる位置に設けられており、第2右側境界線SR2は、第2レンズ光軸O2(VU−VL線参照)よりも右側に10度以下となる位置に設けられており、具体的には、左右7度程度の位置が、それぞれ第2左側境界線SL2及び第2右側境界線SR2になっている。
【0090】
このため、第2中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2は、車両102(
図1参照)が直進走行する際の第2直進時設定において、運転者の前方側の視認性をよくするために、比較的高い発光光度を有するように設定されている。
【0091】
一方、
図5では第2レンズ61(
図3参照)の図示を省略しているが、第2レンズ61は、第2レンズ61の第2レンズ光軸O2を基準に、発光チップ36からの光をクロス配光照射するように形成されている。
【0092】
このため、第2レンズ光軸O2を基準に左側に設けられる発光チップ36からの光は、第2レンズ61(
図3参照)を介して第2レンズ光軸O2(VU−VL線参照)より右側に照射(例えば、第2中央側発光チップML1及び第2左側発光チップL4からの光の照射方向を示す二点鎖線矢印LR1及び点線矢印LR6参照)される。
【0093】
同様に、第2レンズ光軸O2を基準に右側に設けられる発光チップ36からの光は、第2レンズ61(
図3参照)を介して第2レンズ光軸O2(VU−VL線参照)より左側に照射(例えば、第2中央側発光チップMR1及び第2右側発光チップR3からの光の照射方向を示す点線矢印RL1及び実線矢印RL5参照)される。
【0094】
したがって、本実施形態では、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4、及び、第2右側発光チップR1、R2及びR3のうち、第2右側発光チップR1、R2及びR3が第2レンズ61を介して第2レンズ光軸O2よりも左側に向けて照射される光を出射する発光チップ36になっている。
【0095】
そして、先ほど説明したのと同様に、車両102(
図1参照)の通行が左側通行である場合、左側に道路標識やデリニエータ(視線誘導標)等が設けられているため、それらに強い光が照射され、運転者を幻惑するような強い反射光が発生しないようにするための設定が第2直進時設定では行われている。
【0096】
具体的には、第2直進時設定では、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4、及び、第2右側発光チップR1、R2及びR3のそれぞれに対して、第2中央側領域Mに近い側から離れる側に向かって昇順に正の整数の番号を付与した場合(アルファベットの後の数字参照)、同じ番号が付与される第2左側発光チップL1、L2及びL3と第2右側発光チップR1、R2及びR3を比較すると、第2左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第2右側発光チップR1、R2及びR3のうち、第2レンズ61(
図3参照)を介して第2レンズ光軸O2よりも左側に向けて照射される光を出射する方である第2右側発光チップR1、R2及びR3に供給する電流の供給量(Duty比率参照)を少なくすることで、発光光度を低くする設定が行われている。
【0097】
なお、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4からの光は、第2レンズ61(
図3参照)を介したクロス配光照射により、例えば、第2左側発光チップL4からの光の照射方向を示す点線矢印LR6を見るとわかるように、走行車線及び対向車線を含む走行ゾーンの中央側に向けて照射されることになる。
【0098】
したがって、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4からの光が、左側に設けられる道路標識やデリニエータ(視線誘導標)等に照射されることはないため、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4の電流の供給量(Duty比率参照)を第2中央側発光チップML2及びMR2の電流の供給量(Duty比率参照)である85(%)と同様の電流の供給量(Duty比率参照)としてもよい。
【0099】
しかしながら、本実施形態のように、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4の電流の供給量(Duty比率参照)を第2中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2の電流の供給量(Duty比率参照)よりも少なくし、発光光度を低くしておくと、車両102(
図1参照)を右側にカーブさせるときに、運転者の視点をカーブ方向に誘導するように、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4の電流の供給量(Duty比率参照)を大きくして、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4の発光光度を高くする制御ができるため、第2直進時設定では、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4の電流の供給量(Duty比率参照)を第2中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2の電流の供給量(Duty比率参照)よりも少なくすることが好ましい。
【0100】
以上のように、第2直進時設定では、第1直進時設定と同様に、運転者の前方側の視認性をよくし、左側の道路標識やデリニエータ(視線誘導標)からの反射光を抑制するとともに、右側に車両102(
図1参照)をカーブするときに運転者の視点をカーブ方向に誘導することを考慮した設定になっている。
【0101】
つまり、
図5に示すように、第2直進時設定では、第2中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2のいずれの発光チップ36においても、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4及び第2右側発光チップR1、R2及びR3のいずれの発光チップ36よりも多くの電流が供給され、高い発光光度とする設定とされるとともに、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4、及び、第2右側発光チップR1、R2及びR3のそれぞれに対して、第2中央側領域Mに近い側から離れる側に向かって昇順に正の整数の番号を付与した場合(アルファベットの後の数字参照)、同じ番号が付与される第2左側発光チップL1、L2及びL3と第2右側発光チップR1、R2及びR3の発光光度を比較すると、第2左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第2右側発光チップR1、R2及びR3のうち、第2レンズ61(
図3参照)を介して第2レンズ光軸O2よりも左側に向けて照射される光を出射する方(本例では第2右側発光チップR1、R2及びR3)の発光光度を低くする設定と、が行われている。
【0102】
具体的には、第2左側発光チップL1と第2右側発光チップR1を比較すれば、第2左側発光チップL1の電流の供給量を表すDuty比率が50(%)に設定されているのに対し、第2右側発光チップR1のDuty比率は45(%)と小さく設定され、第2左側発光チップL1と第2右側発光チップR1の発光光度を比較すると、第2レンズ光軸O2よりも左側に向けて照射される光を出射する方である第2右側発光チップR1の発光光度を低くする設定が行われている。
【0103】
同様に、第2左側発光チップL2(Duty比率40(%))と第2右側発光チップR2(Duty比率26(%))を比較しても、第2左側発光チップL3(Duty比率20(%))と第2右側発光チップR3(Duty比率11(%))を比較しても、第2レンズ光軸O2よりも左側に向けて照射される光を出射する方である第2右側発光チップR2及び第2右側発光チップR3の発光光度を低くする設定が行われている。
【0104】
なお、本実施形態では、第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4、及び、第2右側発光チップR1、R2及びR3のそれぞれが、番号が大きい発光チップ36ほど電流の供給量(Duty比率参照)を少しずつ小さくして、発光光度が少しずつ低くなる設定としている。
【0105】
このようにすれば、第2左側発光チップL1及び第2右側発光チップR1の発光光度を少し高く設定し、第2中央側発光チップML1、ML2、MR1及びMR2からの光が形成する配光パターンとの間に、明暗差が激しい明暗境界線が発生することを防止しつつ、発光光度を低下させていくことができる。
【0106】
また、
図5に示すように、本実施形態の第2直進時設定でも第1直進時設定と同様に、第2レンズ光軸O2よりも左側に配置される第2中央側発光チップML1及びML2、及び、第2レンズ光軸O2よりも右側に配置される第2中央側発光チップMR1及びMR2のそれぞれに対して第2レンズ光軸O2に近い側から離れる側に向かって昇順に正の整数の番号を付与した場合(アルファベットの後の数字参照)、同じ番号が付与される第2中央側発光チップML1、ML2及びMR1、MR2は、同じ電流の供給量(Duty比率参照)として同じ発光光度とする設定とすることで、第2中央側照射領域SMA2を照射する光に偏りが発生しないようにすることができ、均一な配光を得ることができる。
【0107】
その上で、
図5に示すように、第2直進時設定でも第1直進時設定と同様に、番号が大きい第2レンズ光軸O2よりも左側に配置される第2中央側発光チップML2ほど電流の供給量(Duty比率参照)を小さくし、発光光度が低くなるように設定されるとともに、番号が大きい第2レンズ光軸O2よりも右側に配置される第2中央側発光チップMR2ほど電流の供給量(Duty比率参照)を小さくし、発光光度が低くなるように設定されており、第2中央側照射領域SMA2の配光と第2中央側照射領域SMA2より左右外側の配光との間に激しい明暗境界線が発生することを防止するようにしている。
【0108】
そして、上述のように、激しい明暗境界線が発生することを防止することで、先に説明したのと同様に、運転者が、急激に視認性が低下すると感じる領域が発生しないため、運転者にストレスを与えることが回避でき、また、強い明暗差による視認性の低下を抑制することも可能となる。
【0109】
以上のような実施形態の車両用灯具であれば、車両102(
図1参照)のハンドルの操作状態が直進走行とみなせる範囲の操作角の範囲内である場合に、各発光チップ36を発光させるための制御を、あらかじめ設定されている第1直進時設定及び第2直進時設定に従ったものとするだけでよいため、車両用灯具としての構成を複雑にすることがなく、また、第1直進時設定及び第2直進時設定に従ったものとすることで、反射光により自車の運転者が幻惑されることを低減することができる。
【0110】
以上、具体的な実施形態を基に本発明の説明を行ってきたが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態では、日本のように、車両102(
図1参照)の通行が左側通行である場合の左側走行用の車両102に搭載される車両用灯具である場合を例にとって説明を行ってきた。
【0111】
しかしながら、欧米のように、車両102(
図1参照)の通行が右側通行である場合もある。
このような右側走行用の車両102(
図1参照)に搭載される車両用灯具においても、基本的な構成は同様であり、一部の構成を変更するだけでよい。
【0112】
具体的には、右側走行用の場合、走行している車両102(
図1参照)の右側に道路標識やデリニエータ(視線誘導標)等が位置することになるため、それに合わせるように、第1直進時設定において、上記実施形態で、同じ番号が付与される第1左側発光チップL1、L2及びL3と第1右側発光チップR1、R2及びR3の発光光度を比較すると、第1左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第1右側発光チップR1、R2及びR3のうち、第1レンズ61(
図3参照)を介して第1レンズ光軸O1よりも左側に向けて照射される光を出射する方(本例では第1右側発光チップR1、R2及びR3)の発光光度を低くする設定とされていたところを、第1レンズ61(
図3参照)を介して第1レンズ光軸O1よりも右側に向けて照射される光を出射する方の発光光度を低くする設定にすればよい。
【0113】
なお、
図4を参照して説明したように、上記実施形態では、第1レンズ61(
図3参照)が、第1レンズ光軸O1を基準に、左右の発光チップ36からの光を前方側に向けて、クロス配光照射するように形成されており、右側走行用の場合に上記実施形態の第1レンズ61と同じクロス配光照射を行うレンズを使用する場合には、第1レンズ61(
図3参照)を介して第1レンズ光軸O1よりも右側に向けて照射される光を出射する方は、第1左側発光チップL1、L2及びL3となる。
【0114】
同様に、右側走行用の場合、第2直進時設定において、上記実施形態で、同じ番号が付与される第2左側発光チップL1、L2及びL3と第2右側発光チップR1、R2及びR3の発光光度を比較すると、第2左側発光チップL1、L2及びL3、及び、第2右側発光チップR1、R2及びR3のうち、第2レンズ61(
図3参照)を介して第2レンズ光軸O2よりも左側に向けて照射される光を出射する方(本例では第2右側発光チップR1、R2及びR3)の発光光度を低くする設定とされていたところを、第2レンズ61(
図3参照)を介して第2レンズ光軸O2よりも右側に向けて照射される光を出射する方の発光光度を低くする設定にすればよい。
【0115】
なお、
図5を参照して説明したように、上記実施形態では、第2レンズ61(
図3参照)が、第2レンズ光軸O2を基準に、左右の発光チップ36からの光を前方側に向けて、クロス配光照射するように形成されており、右側走行用の場合に上記実施形態の第2レンズ61と同じクロス配光照射を行うレンズを使用する場合には、第2レンズ61(
図3参照)を介して第2レンズ光軸O2よりも右側に向けて照射される光を出射する方は、第2左側発光チップL1、L2及びL3となる。
【0116】
また、上記実施形態では、
図4に示したように、第1左側領域Lには、3つの発光チップ36(第1左側発光チップL1、L2及びL3)が設けられる一方、第1右側領域Rには、それよりも多い4つの発光チップ36(第1右側発光チップR1、R2、R3及びR4)が設けられていた。
【0117】
同様に、上記実施形態では、
図5に示したように、第2右側領域Rには、3つの発光チップ36(第2右側発光チップR1、R2及びR3)が設けられる一方、第2左側領域Lには、それよりも多い4つの発光チップ36(第2左側発光チップL1、L2、L3及びL4)が設けられていた。
【0118】
しかしながら、このようにすることに限定される必要はなく、例えば、第1左側領域L及び第1右側領域Rで設けられる発光チップ36の数を同数とし、第2左側領域L及び第2右側領域Rで設けられる発光チップ36の数を同数としてもよい。
【0119】
さらに、上記実施形態では、第1光源部30L(
図3参照)は、
図4に示すように、第1中央側領域Mに、第1レンズ光軸O1を挟んで左右で同数の発光チップ36(第1レンズ光軸O1より左側の2つの第1中央側発光チップML1及びML2、及び、第1レンズ光軸O1より右側の2つの第1中央側発光チップMR1及びMR2)が設けられている一方、第1レンズ光軸O1上に位置する発光チップ36(第1中央側発光チップ)は設けられていないが、第1レンズ光軸O1上に位置する発光チップ36(第1中央側発光チップ)を設けるようにしてもよい。
【0120】
同様に、第2光源部30R(
図3参照)においても、
図5に示すように、第2中央側領域Mに、第2レンズ光軸O2を挟んで左右で同数の発光チップ36(第2レンズ光軸O2より左側の2つの第2中央側発光チップML1及びML2、及び、第2レンズ光軸O2より右側の2つの第1中央側発光チップMR1及びMR2)が設けられている一方、第2レンズ光軸O2上に位置する発光チップ36(第2中央側発光チップ)は設けられていないが、第2レンズ光軸O2上に位置する発光チップ36(第2中央側発光チップ)を設けるようにしてもよい。
【0121】
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、技術的思想を逸脱することのない変更や改良を行ったものも発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。