(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6988224
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】建築物の基礎構造施工方法、および、基礎構造施工用の治具
(51)【国際特許分類】
E02D 27/01 20060101AFI20211220BHJP
【FI】
E02D27/01 A
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-142756(P2017-142756)
(22)【出願日】2017年7月24日
(65)【公開番号】特開2019-23396(P2019-23396A)
(43)【公開日】2019年2月14日
【審査請求日】2020年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山口 岳大
【審査官】
柿原 巧弥
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−163270(JP,A)
【文献】
特開昭63−047443(JP,A)
【文献】
特開2016−037847(JP,A)
【文献】
特開2014−062435(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0239782(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/01
E02D 3/02
E01C 23/02
E04B 1/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物の基礎の立ち上がりに囲まれた内側領域に、凹部が設けられた基礎地盤を形成するための建築物の基礎構造施工方法であって、
前記基礎地盤に凹部を形成する治具を配置するための治具用凹部が形成された仮地盤を前記内側領域に形成する仮地盤形成工程と、
前記治具に設けられた突出部が前記仮地盤から突出した状態で前記治具用凹部に前記治具を配置する治具配置工程と、
前記治具用凹部に前記治具が配置された状態で前記治具が配置された箇所を除いて前記仮地盤を転圧することにより前記基礎地盤を形成する転圧工程とを含む
建築物の基礎構造施工方法。
【請求項2】
前記治具配置工程では、前記治具に設けられた凹部形成部が前記基礎のフーチングに接触するように前記治具を前記治具用凹部に配置する
請求項1に記載の建築物の基礎構造施工方法。
【請求項3】
前記仮地盤形成工程では、前記仮地盤の外周部に前記治具用凹部である溝を形成する
請求項1または2に記載の建築物の基礎構造施工方法。
【請求項4】
建築物の基礎の立ち上がりに囲まれた内側領域に、凹部が設けられた基礎地盤を形成するための建築物の基礎構造施工方法に用いられる基礎構造施工用の治具であって、
前記基礎地盤に前記凹部が形成されるように、前記内側領域に形成された仮地盤に設けられた治具用凹部に配置される凹部形成部と、
前記凹部形成部が前記治具用凹部に配置された状態で前記仮地盤から突出する突出部と、を含み、
前記治具は、前記治具の長手方向に延びる側方接触面、斜面、および、内面を有し、
前記側方接触面は、前記凹部形成部および前記突出部に亘って設けられ、前記基礎地盤に設けられる前記基礎の立ち上がりに接触するように構成され、
前記斜面は、前記凹部形成部に設けられて、前記側方接触面に対して傾斜するように構成され、
前記内面は、前記突出部に設けられて、前記側方接触面に沿うように前記斜面の上端縁から延び、
前記突出部には、指が挿入され得る凹部、または、片手で掴めるグリップが設けられる
基礎構造施工用の治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物の基礎構造施工方法、および、これに用いる基礎構造施工用の治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の建築物の基礎構造施工方法の一例では、基礎の立ち上がりに囲まれた領域である内側領域に基礎地盤が形成される。基礎地盤には、所定の用途のために溝が形成されることがある。所定の用途の一例は、土間コンクリートを支持する支持部材の配置、および、基礎と基礎地盤との境界からのシロアリの侵入を妨げる防蟻剤の配置である。特許文献1は防蟻剤を配置するための溝を基礎地盤に形成する基礎構造施工方法の一例を開示している。同文献の
図2に示されるように、この基礎構造施工方法では、防蟻剤を配置する溝部(30)を地盤(20)に形成するため、溝形成治具(1)を用いる。溝形成治具(1)は溝部(30)に対応する形状を有する治具本体(2)、および、治具本体(2)から突出する突出部(3)により構成されている。地盤(20)の形成は次の順で実施される。最初に、転圧前の地盤(20)上に溝形成治具(1)が配置される。次に、転圧機(T)により地盤(20)が転圧される。このとき、治具本体(2)が地盤(20)に埋め込まれるように転圧機(T)が突出部(3)上を走行する。治具本体(2)が埋め込まれた地盤(20)には、治具本体(2)の形状に対応した溝部(30)が形成される。次に、地盤(20)から治具本体(2)が抜き取られ、溝部(30)に防蟻剤が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−163270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記基礎構造施工方法によれば、作業者は転圧機(T)を用いて地盤を転圧する場合に溝形成治具(1)が適切に地盤に埋め込まれるように転圧機(T)を操作することが求められる。このため、転圧作業に手間がかかるおそれがある。作業者の負担および工期等の点から、基礎地盤に形成される溝の用途にかかわらず転圧作業を容易に実施できることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関する建築物の基礎構造施工方法は建築物の基礎の立ち上がりに囲まれた内側領域に、凹部が設けられた基礎地盤を形成するための建築物の基礎構造施工方法であって、前記基礎地盤に凹部を形成する治具を配置するための治具用凹部が形成された仮地盤を前記内側領域に形成する仮地盤形成工程と、前記治具に設けられた突出部が前記仮地盤から突出した状態で前記治具用凹部に前記治具を配置する治具配置工程と、前記治具用凹部に前記治具が配置された状態で前記治具が配置された箇所を除いて前記仮地盤を転圧することにより前記基礎地盤を形成する転圧工程とを含む。
上記基礎構造施工方法によれば、仮地盤を転圧する場合に治具を転圧機により仮地盤に埋め込む必要がないため、転圧作業を容易に実施できる。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載の建築物の基礎構造施工方法において、前記治具配置工程では、前記治具に設けられた凹部形成部が前記基礎のフーチングに接触するように前記治具を前記治具用凹部に配置する。
上記基礎構造施工方法によれば、フーチングの表面が基礎地盤の凹部に表れるため、土間コンクリートの支持部材および防蟻剤をはじめとする基礎構造に関する物体をフーチング上に配置できる。
【0007】
(3)好ましい例では(1)または(2)に記載の建築物の基礎構造施工方法において、前記仮地盤形成工程では、前記仮地盤の外周部に前記治具用凹部である溝を形成する。
仮地盤が転圧されることにより、治具用凹部に配置された治具により基礎地盤の凹部が形成される。このため、土間コンクリートの支持部材および防蟻剤をはじめとする、基礎構造に関連する物体を基礎地盤の外周部に配置できる。
【0008】
(4)本発明に関する基礎構造施工用の治具は建築物の基礎の立ち上がりに囲まれた内側領域に、凹部が設けられた基礎地盤を形成するための建築物の基礎構造施工方法に用いられる基礎構造施工用の治具であって、前記基礎地盤に前記凹部が形成されるように、前記内側領域に形成された仮地盤に設けられた治具用凹部に配置される凹部形成部と、前記凹部形成部が前記治具用凹部に配置された状態で前記仮地盤から突出する突出部とを含む。
上記治具によれば、上記(1)の基礎構造施工方法により得られる効果と同様の効果が得られる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に関する建築物の基礎構造施工方法、および、基礎構造施工用の治具によれば、凹部が設けられる基礎地盤の転圧作業を容易に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】基礎構造施工方法の第1工程に関する断面図。
【
図3】基礎構造施工方法の第5工程に関する斜視図。
【
図5】基礎構造施工方法の第6工程に関する断面図。
【
図8】基礎構造施工方法の第7工程に関する断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
図1は建築物を支持する建築物の基礎構造1の一部の断面を示している。基礎構造1を構成する主な要素は地盤100、地盤100に埋められた基礎10、地盤100上に形成された土間コンクリート層130、および、土間コンクリート層130を支持する杭400である。基礎10、土間コンクリート層130、および、杭400を構成する材料はコンクリートである。
図1では、基礎10の一例として布基礎を示している。基礎10はフーチング11および立ち上がり12により構成されている。フーチング11は砕石層20上に設置されている。立ち上がり12の下部12Aは地盤100に埋設されている。立ち上がり12の上部12Bは地盤100の表面100Aから突出している。フーチング11には、立ち上がり12の下部12Aと繋がる平坦部11A、および、フーチング11の側面を構成する湾曲部11Bが設けられている。
図3に示されるように、立ち上がり12は枠13を構成している。基礎10には立ち上がり12の枠13に囲まれた領域である内側領域14が形成されている。地盤100は内側領域14に形成されている基礎地盤110を含む。
【0012】
図1に示されるように、基礎地盤110の表面100Aには基礎地盤110の内部から建築物への水蒸気の侵入が抑制されるように土間コンクリート層130が形成されている。基礎地盤110には所定の用途のために凹部112が形成されている。凹部112の形状、および、基礎地盤110における凹部112の形成位置等は凹部112の用途に応じて任意に選択できる。第1例では、凹部112は土間コンクリート層130を支持する支持部材30を配置できるように基礎地盤110の外周部111の全体に形成された溝である。支持部材30を構成する材料の一例はコンクリートである。支持部材30は土間コンクリート層130を形成する工程において凹部112にコンクリートが流し込まれることにより構成される。支持部材30が凹部112に設けられる場合、土間コンクリート層130が基礎地盤110、支持部材30、および、杭400により支持されるため、地盤100が軟弱な場合でも土間コンクリート層130の沈下が抑制される。第2例では、凹部112は防蟻剤(図示略)を配置できるように基礎地盤110の外周部111の全体に形成された溝である。防蟻剤が凹部112内に配置される場合、内側領域14に形成された基礎地盤110と立ち上がり12との境界部分からのシロアリの侵入が妨げられる。防蟻剤は例えば、鉄鋼の製造工程において副産物として生成される鉄鋼スラグのうちの自然放冷によって徐冷処理された粒状の徐冷スラグであり、アルカリ性を有し、水分の存在下で硬化する。防蟻剤を硬化させる水分は、土間コンクリート層130および基礎地盤110に含まれる水分、および、土間コンクリート層130の形成前に作業者により噴射される水分の一方または両方である。凹部112は、基礎地盤110に形成された斜面112A、立ち上がり12の下部12Aの表面、および、フーチング11の平坦部11Aの表面により構成されている。斜面112Aは凹部112の一方の側面を構成している。下部12Aの表面は凹部112の他方の側面を構成している。フーチング11の平坦部11Aの表面は凹部112の底面を構成している。一例では、斜面112Aは基礎地盤110の表面100A側から立ち上がり12に向かうにつれて下方に傾斜している。基礎構造1が完成した状態では、
図1に示されるように凹部112が支持部材30で埋められている。支持部材30の底部はフーチング11の平坦部11Aの表面と接触している。フーチング11は支持部材30を下方側から支持している。
【0013】
図2〜
図8を参照して、建築物の基礎構造施工方法について説明する。建築物の基礎構造施工方法は第1工程〜第9工程を含む。第5工程は仮地盤形成工程の一例である。第6工程は治具配置工程の一例である。第7工程は転圧工程の一例である。第1工程では、地盤100に基礎10を配置するための掘削溝100B(
図2参照)が形成され、掘削溝100Bの底に砕石層20が設けられる。掘削溝100Bを形成するために掘り起こされた土壌40は地盤100の表面100Aに仮置きされる。第2工程では、基礎10を形成するための型枠(図示略)が砕石層20上に設置される。第3工程では、型枠にコンクリートが流し込まれる。コンクリートが硬化することにより型枠の形状に応じた基礎10が形成される。第4工程では、基礎10から型枠が外される。第5工程では、フーチング11および立ち上がり12の下部12Aが埋設されるように地盤100の掘削溝100Bが埋め戻される。
【0014】
図3に示されるように第5工程が終了した状態では、基礎地盤110の基礎となる仮地盤120が内側領域14に形成される。第5工程では、
図4に示されるように基礎地盤110に凹部112を形成するための治具200(
図5参照)が配置される治具用凹部122が仮地盤120の外周部121に形成される。治具用凹部122には、仮地盤120の表面100A側から立ち上がり12に向かうにつれて下方に傾斜した斜面122Aが形成されている。
【0015】
第6工程では、
図5に示されるように仮地盤120の治具用凹部122に治具200が配置される。一例では、治具200は
図6に示されるような構造を有する。治具200を構成する材料は任意に選択できる。好ましい例では、治具200を容易に運搬できるように軽量な材料で治具200が構成される。その材料の一例は発泡スチロールである。
【0016】
治具200の形状は凹部112(
図1参照)の形状、治具200の運搬、および、治具200の保管等を考慮して任意に選択できる。治具200は凹部形成部210および突出部220により構成される。治具200の全体的な形状は凹部112の形状に対応した柱状である。
【0017】
凹部形成部210は治具用凹部122内に配置される部分であり、基礎地盤110に凹部112を形成できるように構成されている。突出部220は凹部形成部210が治具用凹部122内に配置された状態において仮地盤120から突出する部分である。突出部220が仮地盤120から突出した状態では、転圧機300を突出部220に接触させながら仮地盤120における突出部220付近の部分を転圧できる。突出部220の高さHは任意に設定できる。第1例では、突出部220の高さHは作業者が掴むことができる高さである。第1例の場合、仮地盤120の転圧が終了したときに作業者が突出部220を掴んで治具200を基礎地盤110から抜くことができるため、作業性が向上する。第2例では、突出部220の高さHは土間コンクリート層130の厚みと同じである。土間コンクリート層130の厚みが標準的な厚みである場合、第2例の突出部220の高さHは作業者が掴むことができる高さである。第2例によれば、治具200が治具用凹部122に設置された状態において仮地盤120から突出した突出部220の高さHを認識することにより、その後の工程で形成される土間コンクリート層130の厚みを認識できる。
【0018】
治具200には複数の面230が形成されている。複数の面230は側方接触面231、斜面232、上面233、内面234、突き合わせ面235、および、下方接触面236を含む。側方接触面231、斜面232、上面233、内面234、および、下方接触面236は治具200の長手方向に延びる面である。側方接触面231は治具200が治具用凹部122(
図5参照)に配置された状態において立ち上がり12と接触する平面である。斜面232は治具200が治具用凹部122に配置された状態において斜面122Aと接触し、仮地盤120が転圧された場合に基礎地盤110の凹部112の斜面112A(
図1参照)を形成する面である。上面233は治具200が治具用凹部122に配置された状態において上側に位置する平面である。内面234は治具200が治具用凹部122に配置された状態において内側領域14側に位置する平面である。突き合わせ面235は治具200の長手方向の端部に形成された端面である。複数の治具200が治具200の長手方向に沿って並べられた場合、隣り合う治具200の突き合わせ面235同士が接触し、複数の治具200が整列する。下方接触面236は治具200が治具用凹部122に配置された状態においてフーチング11の平坦部11Aと接触する平面である。
【0019】
第6工程の一例では、仮地盤120の外周部121の形状に対応した2種類の治具200が用いられる。2種類の治具200は、
図6に示される治具200、および、
図7に示される治具200である。これらの治具200の基本的な構造は共通し、一部の構造が相違している。以下では、各治具200の区別のため、
図6に示される治具200を第1治具200Aと称し、
図7に示される治具200を第2治具200Bと称する。
【0020】
第1治具200Aは仮地盤120の外周部121の直線部123(
図3参照)に配置される。治具用凹部122の長手方向における直線部123の長さが第1治具200Aの長手方向の長さよりも長い場合、複数の第1治具200Aが長手方向に整列して配置される。
【0021】
第2治具200Bは仮地盤120の外周部121の入隅部124(
図3参照)に配置される。第2治具200Bの長手方向の一方の端部には、第1治具200Aの長手方向の端部と構造が異なる入隅側端部240が設けられている。第2治具200Bは入隅側端部240が設けられる位置に応じて2種類に分類される。1種類目の第2治具200Bは長手方向の一方の端部に入隅側端部240が設けられ、他方の端部の構造が第1治具200Aと同様である。2種類目の第2治具200Bは1種類目の第2治具200Bにおける入隅側端部240とは反対側の端部に入隅側端部240が設けられ、他方の端部の構造が第1治具200Aと同様である。入隅側端部240は側方接触面231が内面234よりも長手方向の外側に位置するように尖った形状を有する。入隅側端部240には第2治具200Bの長手方向に対して傾斜した端面である突き合わせ面241が形成されている。仮地盤120の外周部121の入隅部124には、1種類目の第2治具200Bの突き合わせ面241と2種類目の第2治具200Bの突き合わせ面241とが接触するように各第2治具200Bが配置される。このように、第6工程では、外周部121の直線部123および入隅部124のそれぞれに対応した各治具200が用いられるため、各治具200を容易に配置できる。
【0022】
第7工程では、
図5に示されるように各治具200が配置された箇所を除いて仮地盤120が転圧機300により転圧される。
図8に示されるように、仮地盤120が転圧されることにより仮地盤120が基礎地盤110となり、治具用凹部122が凹部112となる。第8工程では、各治具200が凹部112から抜き取られる。第9工程では、基礎地盤110上に補強筋(図示略)が配置され、凹部112を埋めるように、かつ、補強筋および基礎地盤110を覆うように内側領域14の全体に土間コンクリート層130(
図1参照)が形成される。
【0023】
建築物の基礎構造施工方法、および、治具200によれば、次のような作用および効果が得られる。第7工程において仮地盤120を転圧する場合に治具200を転圧機300により仮地盤120に埋める必要がないため、転圧作業を容易に実施できる。
【0024】
(変形例)
上記実施形態は本発明に関する基礎構造施工方法、および、基礎構造施工用の治具の施工方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関する基礎構造施工方法、および、基礎構造施工用の治具は実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0025】
・治具200の形状は任意に変更可能である。第1例では、治具200の突出部220には、指を挿入できる1または複数の凹部が形成される。第1例の治具200を用いた基礎構造施工方法の第8工程では、作業者が突出部220の凹部に指を挿入し、各治具200を凹部112から抜き取ることができる。第2例では、治具200の突出部220には、片手で掴めるグリップが設けられる。グリップは例えば、突出部220に設けられた突起または凹部である。第2例の治具200を用いた基礎構造施工方法の第8工程では、作業者が突出部220のグリップを掴み、各治具200を凹部112から抜き取ることができる。
【符号の説明】
【0026】
1 :建築物の基礎構造
10 :基礎
11 :フーチング
12 :立ち上がり
14 :内側領域
110 :基礎地盤
111 :外周部
112 :凹部
120 :仮地盤
121 :外周部
122 :治具用凹部
200 :治具
210 :凹部形成部
220 :突出部