(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザーによっては、スライドドアの開閉作動中にスライドドアを即時に反転作動させたい場合もある。一例としては、スライドドアが全閉状態にあるときに開作動させた後、スライドドアを即時に反転作動させることにより、できる限り迅速にスライドドアを全閉状態にしたい場合が挙げられる。このような場合、従来であれば、スライドドアの開閉作動中にハンドルが操作されることにより、スライドドアを所定の位置で停止させた後、さらにハンドル操作が行われることによりスライドドアが反転作動することとなり、ユーザーにとっては手間である。また、ユーザーによっては、スライドドアの停止状態からハンドルを操作することにより開閉作動を開始させる時点で、既にスライドドアを反転させたいと考えている場合もあるが、この場合であっても前述の工程を経なければならないので、手間である。
【0005】
また、ユーザーは、スライドドアを即時反転作動させたい場合に限らず、スライドドアをさらに高速で開閉作動させたい場合や、逆にスライドドアをさらに低速で開閉作動させたい場合など、様々な意図を持っている。それにも関わらず、ハンドル操作(スイッチ操作)が行われたか否かを検出するだけでは、スライドドアを開閉作動させたいか否か、あるいはスライドドアの開閉作動中であればスライドドアを所定の位置で停止させたいか否かを判定できるのみである。このため、さらにユーザーの意図を的確に検出することにより、より的確にスライドドアを開閉作動することが求められていた。
【0006】
本発明の目的は、より的確に開閉体を開閉作動できる車両用開閉体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成しうる車両用開閉体装置は、車両に設けられた開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体を開閉作動させる開閉体駆動装置と、車両に設けられて、前記開閉体を開閉作動させるための操作入力を検出する操作入力部と、前記操作入力部への操作入力に基づいて、前記開閉体駆動装置を制御することにより、前記開閉体を開閉作動させる開閉体制御装置と、を備え、前記開閉体制御装置は、前記操作入力部により検出される操作入力の態様に基づいて、前記開閉体の作動状態を変更する
車両用開閉体装置であって、前記開閉体制御装置は、前記開閉体が停止状態にある場合、前記操作入力部に第1の操作入力が入力されるとき、前記開閉体を開閉作動させ、前記開閉体が開閉作動状態にある場合、前記操作入力部に前記第1の操作入力が入力されるとき、前記開閉体の開閉作動を停止させ、前記開閉体が開閉作動状態にある場合、前記操作入力部により第1の操作入力と異なる態様である第2の操作入力が入力されるとき、前記開閉体の開閉作動を反転作動させる。
【0008】
この構成によれば、開閉体制御装置は、操作入力部により検出される操作入力の態様に基づいて、開閉体の作動状態を変更する。このため、当該開閉作動をよりユーザーの意図に応じた作動状態に変更することが可能である。
【0010】
この構成によれば、開閉体制御装置は、開閉体が停止状態にある場合に、ユーザーによって操作入力部に第1の操作入力が入力されるとき、開閉体を開閉作動させる。たとえば、開閉体が開方向に開作動している場合に、ユーザーによって操作入力部に第2の操作入力が入力されるとき、開閉体制御装置は、開閉体の開作動を反転作動させることにより、開閉体を閉方向に閉作動させる。また、開閉体が閉方向に閉作動している場合に、開閉体制御装置に第2の操作入力が入力されるとき、開閉体制御装置は、開閉体の閉作動を反転作動させることにより、開閉体を開方向に開作動させる。これらに対し、開閉体が開閉方向に作動している場合に、ユーザーによって操作入力部に第1の操作入力が入力されるとき、開閉体制御装置は、開閉体の開閉作動を停止する。すなわち、開閉体の開閉作動中においては、第1の操作入力は開閉体の開閉作動の停止に、第2の操作入力は開閉体の開閉作動の反転作動に紐付けされている。
【0011】
このため、開閉体制御装置は、ユーザーによる操作入力部の操作入力の態様(第1の操作入力および第2の操作入力)を判別することにより、より的確にユーザーの意図を検出することができるので、より的確に開閉体を開閉作動できる。
【0012】
上記
目的を達成しうる車両用開閉体装置
は、
車両に設けられた開口部を開閉する開閉体と、前記開閉体を開閉作動させる開閉体駆動装置と、車両に設けられて、前記開閉体を開閉作動させるための操作入力を検出する操作入力部と、前記操作入力部への操作入力に基づいて、前記開閉体駆動装置を制御することにより、前記開閉体を開閉作動させる開閉体制御装置と、を備え、前記開閉体制御装置は、前記操作入力部により検出される操作入力の態様に基づいて、前記開閉体の作動状態を変更する車両用開閉体装置であって、前記開閉体制御装置は、前記開閉体が停止状態にある場合、前記操作入力部に第1の操作入力が入力されるとき、前記開閉体を開閉作動させ、前記開閉体が開閉作動状態にある場合、前記操作入力部に前記
第1の操作入力が入力されるとき、前記開閉体の開閉作動を停止させるのに対し、前記開閉体が停止状態にある場合、前記操作入力部に第2の操作入力が入力されるとき、前記開閉体を開閉作動させ、前記開閉体が開閉作動状態にある場合、前記操作入力部に前記
第1の操作入力が入力されるとき、前記開閉体の開閉作動を反転作動させる。
この構成によれば、開閉体制御装置は、操作入力部により検出される操作入力の態様に基づいて、開閉体の作動状態を変更する。このため、当該開閉作動をよりユーザーの意図に応じた作動状態に変更することが可能である。
【0013】
この構成によれば、開閉体制御装置は、開閉体が停止状態にある場合に、ユーザーによる操作入力部の操作入力の態様を判別することにより、以後行われる開閉体の開閉作動の制御を切り分けることが可能である。
【0014】
上記の車両用開閉体装置において、前記第1の操作入力は、前記操作入力部が単に1度操作されたことであり、前記第2の操作入力は、前記操作入力部を操作した時間が定められた時間閾値を超える長時間操作されたこと、あるいは複数回操作されたことであることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、第2の操作入力を、第1の操作入力よりも煩雑な操作にしている。それでもなおユーザーが第2の操作入力を行うのであれば、ユーザーの開閉体を反転作動させる意図は強いものと考えられる。このため、より確実にユーザーの意図を把握することができる。また、第2の操作入力が、操作入力部が長時間操作されたことを示す操作入力である場合には、ユーザーが操作入力部を長時間操作している間、開閉体を反転操作してもよいことを改めて確認することができるので、より確実にユーザーの意図を検出することができる。
【0016】
上記の車両用開閉体装置において、前記第1の操作入力は、前記開閉体の開閉が周囲へ報知される所定の状況でないときにおいて、前記操作入力部により操作入力が検出されたことを示す操作入力であり、前記第2の操作入力は、前記所定の状況であるときにおいて、前記操作入力部により操作入力が検出されたことを示す操作入力であってもよい。
【0017】
この構成によれば、所定の状況下において、ユーザーが操作入力部に入力した操作入力に基づいて、反転作動および作動の停止を切り分けることが可能である。ユーザーは所定の状況下にあるにも関わらず、操作入力部を操作するかどうかを選択できるので、より確実にユーザーの意図を検出できる。
【0018】
上記の車両用開閉体装置において、前記開閉体制御装置は、前記操作入力部への操作入力時間に応じて前記開閉体の開閉速度を変更することが好ましい。
ユーザーが急いでいるときには、操作入力部の操作入力時間は変化すると考えられる。このため、操作入力部への操作入力時間に応じて、開閉体の開閉作動の速度を変更することにより、よりユーザーの意図に即した開閉体の開閉作動を実行できる。たとえば、ユーザーが急いでいるときには、より迅速に開閉体を開閉作動させることが好ましいので、開閉速度を速くする。
【0019】
上記の車両用開閉体装置において、前記開閉体制御装置は、前記開閉体が開閉作動中である場合、前記操作入力部への操作入力時間に応じて、前記開閉体の開閉作動の途中停止を許容するか否かを決定することが好ましい。
【0020】
ユーザーが急いでいるときには、操作入力部の操作入力時間は変化すると考えられる。このため、開閉体制御装置は、操作入力部への操作入力時間に応じて、開閉体の開閉作動中の途中停止を許容するか否かを決定する。たとえば、開閉体制御装置は、操作入力部への操作入力時間が短時間である場合、ユーザーは急いで開閉体を開閉作動させる意図を持っていると考えられるので、開閉体の開閉作動の途中停止を許容しない。
【発明の効果】
【0021】
本発明の車両用開閉体装置によれば、より的確に開閉体を開閉作動できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
以下、車両用開閉体装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、車両用開閉体装置としてのパワースライドドア装置1は、開閉体としてのスライドドア2と、スライドドア2を駆動するドアアクチュエータ10と、このドアアクチュエータ10の作動を制御する開閉体制御装置としてのドアECU20(電子制御装置)と、を備えている。
【0024】
スライドドア2は、図示しない車両の側面に支持されている。スライドドア2が車両の前後方向に移動されることにより、車体の側面に設けられたドア開口部が開閉する。具体的には、スライドドア2は、車両前方側(
図1中の左側)に移動することにより、そのドア開口部を閉塞する全閉状態となり、車両後方側(
図1中の右側)に移動することにより、そのドア開口部を介して乗員が乗降可能な全開状態となる。また、スライドドア2には、当該スライドドア2を手動で開閉するためのドアハンドル3が設けられている。ドアハンドル3は、車室内に設けられたインナーハンドルであってもよいし、車室外に設けられたアウターハンドルであってもよい。
【0025】
スライドドア2には、複数のロック装置5が設けられている。これらロック装置5は、スライドドア2の移動位置に応じて車体側に設けられたストライカ(図示略)に係合するラッチ機構4を有している。具体的には、3つのロック装置5として、フロントロック5a、リアロック5b、および全開ロック5cが設けられている。フロントロック5aおよびリアロック5bは、当該スライドドア2を全閉位置で保持する全閉ロックとして機能する。全開ロック5cは、スライドドア2を全開位置で保持する。ドアハンドル3には、リモコン6が設けられている。これらのロック装置5(5a〜5c)は、リモコン6から延びるワイヤなどの伝達部材を介してドアハンドル3に連結されており、リモコン6を介してユーザーがドアハンドル3を操作したときの操作力が入力される。
【0026】
ドアハンドル3が操作されることにより、各ロック装置5を構成するラッチ機構4の車体(ストライカ)に対する係合状態が解除される。これにより、ユーザー(乗員)がドアハンドル3を把持してスライドドア2を手動で開閉動作させることができるようになる。たとえば、ラッチ機構4が係合状態にあるとき、スライドドア2は所定の位置で保持されることとなるが、ラッチ機構4の車体に対する係合状態が解除されたときには、全閉位置にあるスライドドア2の開方向への移動が許容されるほか、全開位置にあるスライドドア2の閉方向への移動が許容される。
【0027】
また、パワースライドドア装置1は、操作入力部7が操作されることによって、スライドドア2を自動で開閉作動させることができる。本実施形態の操作入力部7は、ドアハンドル3に設けられている。ユーザーがドアハンドル3を一度引く(操作する)ことにより、操作入力部7が一度操作される。
【0028】
スライドドア2が停止状態にある場合、たとえばユーザーによって操作入力部7が一度操作される(ドアハンドルを引く)ことにより、スライドドア2が開閉作動される。
詳しくは、ドアアクチュエータ10は、スライドドア2を開閉する駆動力の駆動源となるモータ11を有している。ドアECU20は、モータ11に対する駆動電力の供給を通じてドアアクチュエータ10の作動を制御する。また、ドアアクチュエータ10は、図示しない駆動ケーブルを介してスライドドア2を開閉駆動する開閉駆動部12を備えている。
【0029】
ドアECU20は、操作入力部7から入力される操作入力信号Scrに基づいて、そのユーザーによるスライドドア2の作動要求を検出する。すなわち、ドアECU20は、操作入力信号Scrに基づいて、ユーザーによる操作入力部7の操作入力状態を検出することにより、ユーザーが操作入力部7に対して行った操作入力を検出する。ドアECU20は、当該操作入力に基づいて、ユーザーの意図を把握する。
【0030】
また、ドアアクチュエータ10には、モータ11の回転に同期したパルス信号Spを生成するパルスセンサ13が設けられている。ドアECU20は、パルス信号Spをカウントすることにより、スライドドア2の移動位置X、およびスライドドア2の移動速度Vを検出する。ドアECU20は、操作入力信号Scr(操作入力)、移動位置X、および移動速度Vに基づいて、ドアアクチュエータ10の作動を制御する。
【0031】
つぎに、
図2に示すように、ドアECU20は、モータ11の作動を制御するためのモータ制御信号Smを生成するモータ制御部21と、モータ制御信号Smに基づいてモータ11に駆動電力を出力する駆動回路22と、を備えている。
【0032】
駆動回路22には、モータ制御信号Smに基づいてオン/オフ動作する複数のスイッチング素子(FET:Field effect transistor)をブリッジ状に接続してなる周知のPWMインバータが用いられている。駆動回路22は、バッテリからの直流電力を三相(U,V,W)の駆動電力に変換する。
【0033】
詳しくは、駆動回路22は、モータ11の各相に対応する三列のスイッチングアーム30u,30v,30wを備えている。これらの各スイッチングアーム30u,30v,30wは、それぞれ直列に接続された上下一組のFET31u,32u、FET31v,32v、およびFET31w,32wを有している。駆動回路22は、これらの各スイッチングアーム30u,30v,30wが並列に接続されてなる。駆動回路22は、FET31uとFET32uとの間、FET31vとFET32vとの間、およびFET31wとFET32wとの間の各接続点33u,33v,33wが、それぞれ対応する各相のモータコイル34u,34v,34wに接続されている。
【0034】
モータ制御部21は、回転角センサ35の出力信号に基づいて、モータ11の回転角θを検出する。モータ制御部21は、モータ11の回転角θに応じたモータ制御信号Smを生成する。ドアECU20は、モータ制御信号Smに基づいて、順次モータ11の通電相を切り替えることにより、モータ11を回転させる。このように、モータ11が回転することにより、スライドドア2が開閉作動する。なお、ある方向にモータ11を回転させた状態から、モータ11を反対方向に回転させることにより、スライドドア2が反転作動する。また、たとえばスライドドア2が移動中である場合、駆動回路22における各相下段のFET32u,32v,32wを全て「オン」、すなわちモータ11の各相端子を短絡させる回生ブレーキ制御を実行することにより、スライドドア2に制動力を付与できる。このように、スライドドア2が移動中である場合、その移動中のスライドドア2を減速させて、スライドドア2を所定の位置に停止させることが可能である。
【0035】
(操作入力)
つぎに、操作入力について説明する。
ユーザーが操作入力部7に対して行う操作入力は、操作入力部7を単に一度操作(押下)した場合と、操作入力部7に対して一定の操作を行った場合の2つに分けることができる。一定の操作は、操作入力部7を単に一度操作するのではなく、一手間かかるような操作である。一定の操作の一例としては、操作入力部7を長押し操作することである。
【0036】
具体的には、スライドドア2が全閉状態にある場合に、操作入力部7が単に一度操作されると、ドアECU20はスライドドア2の開作動を実行する。また、スライドドア2が全開状態にある場合に、操作入力部7が単に一度操作されると、ドアECU20はスライドドア2の閉作動を実行する。
【0037】
スライドドア2が全閉状態から開作動している場合に、操作入力部7が単に一度操作されると、ドアECU20はスライドドア2の開作動を停止し、スライドドア2を所定の位置(半開位置)で停止させる。また、スライドドア2が全開状態から閉方向に閉作動している場合に、操作入力部7が単に一度操作されると、ドアECU20はスライドドア2の閉作動を停止し、スライドドア2を所定の位置で停止させる。
【0038】
また、スライドドア2が開作動している場合に、操作入力部7が長押し操作されるとき、ドアECU20はスライドドア2の反転作動を実行する。ドアECU20は、操作入力部7が長押し操作された旨判定すると、即時にスライドドア2を閉作動させる。
【0039】
このように、ドアECU20は、操作入力部7から入力される操作入力信号Scrに基づいて、ユーザーが操作入力部7に対して行った操作入力を検出し、ひいてはユーザーによるスライドドア2の作動要求に基づいたスライドドア2の作動制御を行う。
【0040】
(スライドドア開作動中の反転作動あるいは作動停止させる際の処理手順)
つぎに、ドアECU20により行われる、開作動中のスライドドア2を反転作動あるいは作動停止させる際の操作入力状態の判定処理の手順を説明する。ここでは、一例として、スライドドア2が開作動している場合について説明する。
【0041】
まず、
図3のフローチャートに示すように、ドアECU20は、スライドドア2が停止状態にあるか否かを判定する(ステップS1)。
ドアECU20は、スライドドア2が停止状態にある旨判定される場合(ステップS1のYES)、操作入力があるか否かを判定する(ステップS2)。なお、スライドドア2が停止状態にあるときの一例が全閉状態である。
【0042】
ドアECU20は、操作入力がある旨判定される場合(ステップS2のYES)、スライドドア2を開作動させる(ステップS3)。このような場合、ドアECU20は、モータ11に対して駆動電力を供給することにより、スライドドア2を開作動させる。
【0043】
つぎに、ドアECU20は、スライドドア2が開作動している期間中(開閉作動状態にある場合)において、一定の操作入力があるか否かを判定する(ステップS4)。一定の操作入力としては、たとえば操作入力部7の長押し操作が挙げられる。長押し操作は、たとえばユーザーが操作入力部7を操作する時間が、予め定められた時間閾値を超えるほど長時間の操作である。
【0044】
ドアECU20は、一定の操作入力がある旨判定される場合(ステップS4のYES)、スライドドア2の反転作動を実行する(ステップS5)。この場合、ドアECU20は、ユーザーが反転作動させる意図で長押し操作していると考えられるので、即時にスライドドア2を反転作動させる。
【0045】
これに対し、ドアECU20は、一定の操作入力がない旨判定した場合(ステップS4のNO)、操作入力があるか否かを判定し(ステップS6)、操作入力がある旨判定される場合(ステップS6のYES)、スライドドア2の作動停止を実行する(ステップS7)。ステップS6における操作入力は、一定の操作入力はなかったものの、何らかの操作入力があった場合である。何らかの操作入力としては、具体的には単に一度操作入力部7が操作されたことである。この場合、ドアECU20は、ユーザーが反転作動させる意図で一定の操作入力がなされていないので、スライドドア2の反転作動を実行せず、スライドドア2の作動を停止させる。
【0046】
また、ドアECU20は、操作入力がない旨判定される場合(ステップS6のNO)、処理を終了する。この場合、ドアECU20は、スライドドア2の開閉作動中に、何ら操作入力がないので、スライドドア2の作動を停止させることも、スライドドア2を反転作動させることも実行しない。これにより、スライドドア2の開閉作動は、途中で中断されることなく、開閉作動が完了する。
【0047】
また、ドアECU20は、スライドドア2が停止状態にある旨判定されない場合(ステップS1のNO)、処理を終了する。この場合、ユーザーによってスライドドア2が手動で開閉されているものと考えられるためである。
【0048】
また、ドアECU20は、操作入力がある旨判定されない場合(ステップS2のNO)、処理を終了する。この場合、ユーザーによって操作入力部7が操作されていないので、ユーザーはスライドドア2の開作動を行う意図を有していないと考えられるためである。
【0049】
本実施形態の作用および効果を説明する。
(1)比較例として、スライドドア2の開作動中に、操作入力部7が操作されたか否かに基づいて、スライドドア2の開作動を停止させる場合、すなわち操作入力部7の操作入力の態様に応じて制御を変化させない場合には、ユーザーの意図に応じて的確にスライドドア2を開閉作動させることは困難であった。たとえば、スライドドア2の開作動中にユーザーが反転作動させたいと考えたとき、操作入力部7を操作することによりスライドドア2を所定の位置で停止させた後、再度操作入力部7を操作することによりスライドドア2を閉作動させる必要があり、手間であった。
【0050】
この点、本実施形態では、スライドドア2の開作動中に、操作入力部7の操作入力の態様に応じて、実行する制御を変化させている。ユーザーは、スライドドア2が開作動しているとき、一定の操作入力(具体的には、操作入力部7の長押し操作)を行うことにより、追加で操作を行うことなしに、スライドドア2の反転作動を実行できる。このため、スライドドア2の開作動中に、ユーザーがスライドドア2を反転して閉作動したいと思えば、ユーザーは操作入力部7を長押し操作することにより、スライドドア2を即時に反転作動させることができる。このように、ドアECU20は、スライドドア2を反転作動させる際の操作(操作入力部7の長押し操作)と、スライドドア2の開閉作動を開始する際の操作(操作入力部7を単に一度操作)と、を判別することにより、より的確にユーザーの意図を検出することができる。これにより、より的確にスライドドア2を開閉作動させることが可能となる。
【0051】
(2)雨天時にスライドドア2の開作動させる場合には、雨水が車室内に浸入することを抑制するべく、直ちにスライドドア2を反転作動させたいときがある。ユーザーは、操作入力部7を長押し操作すれば、スライドドア2を即時に(より迅速に)反転作動させることが可能である。
【0052】
(3)スライドドア2が開作動しているときに、反転作動させるための一定の操作入力として、長押し操作が採用されている。このため、ユーザーは、長押し操作している間、スライドドア2を反転操作してもよいことを改めて確認することができる。これにより、ドアECU20はより確実にユーザーの意図を検出することができるとともに、ユーザーにとっても反転操作することを選択できる時間となる。
【0053】
(4)操作入力部7の操作入力の態様に応じて、スライドドア2の作動状態を変更していることにより、操作入力部7に加えて他の操作入力部を新たに設けることなしに、ユーザーの意図を把握できる。
【0054】
<第2実施形態>
つぎに、車両用開閉体装置の第2実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。
【0055】
第1実施形態では、スライドドア2の開作動中に、操作入力部7の長押し操作があったか否かに基づいて、反転作動させるか否かを切り分けていたのに対し、第2実施形態では、スライドドア2が停止状態にあるときに操作入力部7の長押し操作があったか否かに基づいて、その後に実行される制御を切り分けている。これは、スライドドア2が停止状態にあるときに、ユーザーはスライドドア2の開作動の途中で反転作動あるいは作動を停止することを既に決めている場合もあるためである。
【0056】
スライドドア2が停止状態にある場合に、操作入力部7の長押し操作があったときには、スライドドア2の開作動を実行するとともに、スライドドア2の開作動中に操作入力部7の操作が行われた場合には、スライドドア2の反転作動を行う。また、スライドドア2が停止状態にある場合に、操作入力部7が単に一度操作されたときには、スライドドア2の開作動を実行するとともに、スライドドア2の開作動中に操作入力部7の操作が行われた場合には、スライドドア2の作動を停止する。すなわち、スライドドア2が停止状態にある場合に行われた、操作入力部7の操作入力の態様に応じて、スライドドア2の作動中に操作入力部7を操作することによって実行される制御を切り分けている。
【0057】
(スライドドア開閉作動中の反転作動あるいは作動停止させる際の処理手順)
つぎに、ドアECU20により行われる、開作動中のスライドドア2の反転作動あるいは作動停止させる際の判定処理の手順を説明する。
【0058】
図4のフローチャートに示すように、ドアECU20は、スライドドア2が停止状態にあるか否かを判定する(ステップS11)。
ドアECU20は、スライドドア2が停止状態にある旨判定される場合(ステップS11のYES)、一定の操作入力が行われたか否かを判定する(ステップS12)。
【0059】
ドアECU20は、一定の操作入力が行われた旨判定する場合(ステップS12のYES)、スライドドア2を開作動させるとともに(ステップS13)、スライドドア2の開作動中に操作入力が行われたかどうかを判定する(ステップS14)。この場合、ユーザーは、スライドドア2が開作動する前(スライドドア2が停止状態にあるとき)から、スライドドア2が開作動している途中で、スライドドア2を反転作動させたいと考えており、スライドドア2が実際に開作動したときにも、スライドドア2を反転作動させる意図を持っていたものと考えられる。
【0060】
ドアECU20は、スライドドア2の開作動中に操作入力が行われた旨判定される場合(ステップS14のYES)、スライドドア2の反転作動を実行する(ステップS15)。なお、ここでの操作入力は、操作入力部7で行われた操作入力であれば、どのような操作入力であってもよく、たとえば操作入力部7が単に一度操作されたときの操作入力であってもよい。
【0061】
これに対し、ドアECU20は、スライドドア2の開作動中に操作入力が行われた旨判定できない場合(ステップS14のNO)、処理を終了する。この場合、ユーザーは、当初はスライドドア2が開作動している途中で、スライドドア2を反転作動させたいと考えていたものの、スライドドア2が実際に開作動したときには、スライドドア2を反転作動させる意図を失っていたものと考えられる。
【0062】
また、ドアECU20は、一定の操作入力が行われた旨判定できない場合(ステップS12のNO)、操作入力が行われたか否かを判定し(ステップS16)、操作入力が行われた旨判定できない場合(ステップS16のNO)、処理を終了する。
【0063】
これに対し、ドアECU20は、操作入力が行われた旨判定される場合(ステップS16のYES)、スライドドア2を開作動させるとともに(ステップS17)、スライドドア2の開作動中に操作入力が行われたかどうかを判定する(ステップS18)。この場合、ユーザーは、スライドドア2が開閉作動する前(スライドドア2が停止状態にあるとき)から、スライドドア2が開作動している途中で、スライドドア2を反転作動させる意図は持っていなかったと考えられる。
【0064】
ドアECU20は、スライドドア2の開作動中に操作入力が行われた旨判定される場合(ステップS18のYES)、スライドドア2の作動を停止する(ステップS19)。
これに対し、ドアECU20は、スライドドア2の開作動中に操作入力が行われた旨判定できない場合(ステップS18のNO)、処理を終了する。
【0065】
また、ドアECU20は、スライドドア2が停止状態にない場合(ステップS11のNO)、処理を終了する。この場合、ユーザーによりスライドドア2が手動で開閉されているものと考えられる。
【0066】
本実施形態の作用および効果を説明する。
(5)ユーザーは、スライドドア2の開作動を開始する時点で、スライドドア2の開作動中に作動を停止させるのか、あるいは反転作動させるのかを、既に決めていることもある。本実施形態では、ドアECU20は、スライドドア2が停止状態にある場合に、一定の操作入力(操作入力部7の長押し操作)があったか否かに基づいて、以後行われるスライドドア2の制御を切り分けている。
【0067】
これにより、スライドドア2が停止状態にある場合に、ユーザーによって操作入力部7の長押し操作が行われたときには、ドアECU20は、スライドドア2を反転作動させるための判定へと移行し、以後スライドドア2の開作動中に何らかの操作入力が行われた場合には即時にスライドドア2の反転作動を実行できる。これに対し、スライドドア2が停止状態にある場合に、ユーザーによって操作入力部7の長押し操作が行われていないときには、ドアECU20は、スライドドア2を反転作動させるための判定へは移行せず、以後スライドドア2の開作動中に何らかの操作入力が行われた場合には、スライドドア2の作動を停止する。
【0068】
(6)スライドドア2が開作動する前に、ユーザーはスライドドア2を反転作動させる意図を持っていることをドアECU20に予め認識させることができるので、スライドドア2が開作動しているときには、どのような操作入力であっても、スライドドア2を開作動させることができる。このため、ユーザーは、時間的に余裕があると考えられるスライドドア2の停止状態のときに、操作入力部7の長押し操作をすればよく、スライドドア2が開作動しているときには、自らが行う操作入力の態様を悩む必要がない。
【0069】
<第3実施形態>
つぎに、車両用開閉体装置の第3実施形態について説明する。ここでは、第1実施形態との違いを中心に説明する。
【0070】
第1実施形態では、スライドドア2の開作動中に、操作入力部7の長押し操作があったか否かという操作入力の態様に基づいて、反転作動させるか否かを切り分けていたが、第3実施形態では、操作入力部7の操作入力の態様に応じて、スライドドア2の作動速度の変更、および開閉作動の途中での停止制御の実行の可否を変更するものである。
【0071】
スライドドア2が開閉作動中でない場合には、操作入力部7の操作入力の態様(具体的には操作入力部7の操作入力時間)に応じて、スライドドア2の開閉作動の作動速度を変更している。また、スライドドア2が開閉作動中である場合には、操作入力部7の操作入力の態様に応じて、スライドドア2の開閉作動の途中でのスライドドア2の停止を許容するか否かを変更している。
【0072】
(操作入力の態様に応じたスライドドアの作動制御)
つぎに、ドアECU20により行われる、操作入力部7の操作入力の態様に応じたスライドドア2の作動制御の変更について
図5〜
図7を用いて説明する。
【0073】
図5のフローチャートに示すように、ドアECU20は、スライドドア2が開閉作動中か否かを判定する(ステップS21)。
ドアECU20は、スライドドア2が開閉作動中でない場合(ステップS21のNO)、操作入力があるか否かを判定し(ステップS22)、操作入力がある旨判定される場合(ステップS22のYES)、スライドドア作動速度可変制御を実行する(ステップS30)。
【0074】
また、ドアECU20は、スライドドア2が開閉作動中である場合(ステップS21のYES)、操作入力があるか否かを判定し(ステップS23)、操作入力がある旨判定される場合(ステップS23のYES)、途中停止可変制御を実行する(ステップS40)。途中停止可変制御は、スライドドア2の開閉作動中に、スライドドア2の開閉作動の停止を許容するか否かを変更する制御である。
【0075】
なお、ドアECU20は、操作入力がある旨判定できない場合(ステップS22のNO,ステップS23のNO)、処理を終了する。
(スライドドア作動速度可変制御)
つぎに、スライドドア作動速度可変制御について、
図6を用いて説明する。
【0076】
ドアECU20は、操作入力部7の操作が、短時間の操作か否かを判定する(ステップS31)。なお、短時間よりも中時間の方が操作時間は長く、中時間よりも長時間の方が操作時間は長い。
【0077】
ドアECU20は、操作入力部7の操作が短時間の操作である旨判定する場合(ステップS31のYES)、スライドドア2の開閉作動を高速作動させる(ステップS32)。これは、ユーザーが操作入力部7を短時間で操作するのであれば、急いでいると考えられるため、スライドドア2をより高速で開閉作動させる方が、ユーザーの意図に沿っていると考えられるためである。
【0078】
つぎに、ドアECU20は、操作入力部7の操作が短時間の操作でない場合(ステップS31のNO)、操作入力部7の操作が中時間の操作であるか否かを判定する(ステップS33)。
【0079】
ドアECU20は、操作入力部7の操作が中時間の操作である旨判定する場合(ステップS33のYES)、スライドドア2の開閉作動を中速作動させる(ステップS34)。
ドアECU20は、操作入力部7の操作が中時間の操作でない旨判定する場合(ステップS33のNO)、すなわち操作入力部7の操作が長時間の操作である旨判定される場合、スライドドア2の開閉作動を低速作動させる(ステップS35)。
【0080】
以上のように、ドアECU20は、スライドドア作動速度可変制御において、操作入力部7の操作入力の態様(操作時間)に応じて、スライドドア2の開閉作動の作動速度を変更している。
【0081】
(途中停止可変制御)
つぎに、途中停止可変制御について、
図7を用いて説明する。
ドアECU20は、操作入力部7の操作が短時間の操作か否かを判定する(ステップS41)。
【0082】
ドアECU20は、操作入力部7の操作が短時間の操作である旨判定する場合(ステップS41のYES)、途中停止制御を不実行とする(ステップS42)。これは、ユーザーが操作入力部7を短時間で操作するのであれば、ユーザーが急いでいると考えられるため、たとえスライドドア2の開閉作動中に操作入力部7が操作されたとしても、スライドドア2の開閉作動の停止を許容しない。これにより、迅速にスライドドア2の開閉作動を完了することができる。
【0083】
また、ドアECU20は、操作入力部7の操作が短時間の操作である旨判定できない場合(ステップS41のNO)、途中停止制御を実行可能とする(ステップS43)。これは、ユーザーによる操作入力部7の操作が短時間でないのであれば、開閉作動の完了よりも操作入力部7への操作入力を優先して、スライドドア2の開閉作動の停止を許容する。
【0084】
以上のように、ドアECU20は、途中停止可変制御において、操作入力部7の操作入力の態様(操作時間)に応じて、スライドドア2の開閉作動の停止の可否を変更している。
【0085】
本実施形態の作用および効果を説明する。
(7)ドアECU20は、ユーザーの操作入力部7の操作入力の態様に応じて、スライドドア2の開閉作動の作動状態を変更している。すなわち、ドアECU20は、スライドドア2が開閉作動していない(スライドドア2が停止状態にある)ときには、操作入力部7の操作入力時間に応じて、スライドドア2の開閉作動の作動速度を変更した状態で、スライドドア2を開閉作動させることができる。また、ドアECU20は、スライドドア2が開閉作動しているときには、操作入力部7の操作入力時間に応じて、スライドドア2の開閉作動中の作動停止の可否を変更できる。これらにより、ユーザーの意図に応じて、より的確にスライドドア2を開閉作動できる。
【0086】
なお、これに対し、比較例として、ユーザーの操作入力部7の操作入力の態様に応じて、スライドドア2の開閉作動の作動状態を変更できないとすれば、ユーザーの意図に応じて、的確にスライドドア2を開閉作動できない。たとえば、ユーザーは急いでスライドドア2を開閉したいと考えているにも関わらず、スライドドア2の開閉作動の作動状態が固定であれば、ユーザーはスライドドア2の開閉作動が完了するのを、急いでいないときと同様の時間だけ待つこととなり、不都合であった。
【0087】
なお、各実施形態は、次のように変更してもよい。また、以下の他の実施形態は、技術的に矛盾しない範囲において、互いに組み合わせることができる。
・第1および第2実施形態では、
図3および
図4のフローチャートにおいて、スライドドア2の開作動中にスライドドア2を反転作動あるいは作動停止させる際の判定処理の手順を説明したが、スライドドア2の閉作動中にスライドドア2を反転作動あるいは作動停止させるものであってもよい。たとえば、ドアECU20は、スライドドア2の閉作動中に、操作入力部7が長押し操作された場合、即時にスライドドア2を反転作動させるものであってもよい。すなわち、ドアECU20は、スライドドア2の開閉作動中に、操作入力部7に一定の操作が行われた場合に、即時にスライドドア2を反転作動させるものであってもよい。このため、たとえば
図3のステップS3および
図4のステップS13,S16は、「スライドドア2の開閉作動」に変更される。
【0088】
・第1および第2実施形態では、一定の操作の一例として、操作入力部7の長押し操作することが挙げられたが、これに限らない。たとえば、一定の操作は、操作入力部7を2回連続操作することであってもよい。ドアECU20は、ユーザーにより短時間に操作入力部7が2回連続で操作されたことを検出した場合、一定の操作があったものと認識する。また、一定の操作は、警告ブザー吹鳴中に操作入力部7が改めて操作されることであってもよい。この場合、スライドドア2が開閉作動する際の警告ブザーが鳴っている状況(周囲への開閉の報知が行われている期間)において、操作入力部7が操作されるのであれば反転作動させ、警告ブザーが鳴っていない状況において、操作入力部7が操作されるのであれば作動停止させる。すなわち、ドアECU20は、ブザー吹鳴中などの所定の状況下において、操作入力部7が操作されたか否かに基づいて、スライドドア2の反転作動とスライドドア2の作動停止とを切り分けてもよい。
【0089】
また、一定の操作は、操作入力部7を単に一度操作するだけの場合よりも煩雑にしている。それでもなおユーザーが一定の操作を行うのであれば、ユーザーのスライドドア2を反転作動させる意図が強いと考えられるので、より確実にユーザーの意図を把握することができる。
【0090】
・第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。この場合、たとえば
図4のステップS12のNOの場合において、ステップS16〜ステップS18を、
図3のステップS3〜ステップS6に置き換えてもよい。これにより、スライドドア2が停止状態にあるときには、ユーザーはまだスライドドア2を反転作動させる意図を持っていなかったものの、スライドドア2を開閉作動させている途中でスライドドア2を反転作動させる意図を持ったときであっても、操作入力部7を長押し操作すれば、スライドドア2を反転作動させることができる。
【0091】
・第3実施形態では、操作入力部7の操作時間に応じて、スライドドア2の開閉作動の作動速度を高速、中速、低速作動の3つの作動速度から選択したが、これに限らない。たとえば、
図8に示すように、操作入力部7の操作時間に応じてスライドドア2の開閉作動の作動速度を演算し、当該作動速度に基づいて、ドアECU20はスライドドア2の開閉作動を制御するようにしてもよい。
図8における操作入力部7の操作時間とスライドドア2の開閉作動の作動速度との関係は、操作入力部7の操作時間が長くなるにつれて、スライドドア2の作動速度がより低速になる関係を有している。
【0092】
・第3実施形態では、ドアECU20は、スライドドア作動速度可変制御および途中停止可変制御の少なくとも一方を実行すればよい。
・第3実施形態では、ドアECU20は、操作入力部7の操作が短時間の操作である場合には、たとえスライドドア2の開閉作動中に操作入力部7が操作されたとしてもスライドドア2の開閉作動の停止を許容しないこととしたが、この場合にはスライドドア2の反転作動が実行されるものとしてもよい。
【0093】
・各実施形態では、スライドドア2の停止状態は、スライドドア2の全閉状態であってもよいし、スライドドア2の全開状態であってもよいし、スライドドア2が半開位置(所定の位置)において停止した状態であってもよい。
【0094】
・各実施形態では、操作入力部7は、ドアハンドル3に設けられたが、これに限らない。たとえば、操作入力部7は、スライドドア2を開閉作動させるための携帯機(たとえばリモコンキー)に設けられてもよい。また、運転席にスライドドア2を開閉作動させるためのスイッチを設けてもよい。
【0095】
・各実施形態では、車両用開閉体装置を、スライドドア2を開閉作動させるパワースライドドア装置に具体化したが、これに限らない。たとえば、スイングドア、サンルーフ装置、およびパワーウィンドウ装置などのスライドドア以外の開閉体を開閉作動させる車両用開閉体装置に具体化してもよい。また、車両後部に設けられたバックドア、ラゲッジドア、あるいはトランクなどの開閉体を開閉作動させる他の車両用開閉体装置に具体化してもよい。