(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記溶接工程において、前記第1集電体に設けられた突起を前記第2集電体に設けられた開口又は切り欠きの内部に配置し、前記突起と前記開口又は切り欠きの縁部を溶接する請求項1または請求項2に記載の二次電池の製造方法。
前記突起を前記開口又は切り欠きの内部に配置した後、前記第1集電体及び前記第2集電体の少なくとも一方にエネルギー線を照射し前記粗面部を形成する粗面部形成工程を有し、
前記粗面部形成工程の後、前記溶接工程を行う請求項3〜5のいずれかに記載の二次電池の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車載用二次電池、特にEVやPHEV等に用いられる二次電池に関しては、より体積エネルギー密度が高い二次電池の開発が求められる。電極体と端子を電気的に接続する集電部材が複数の集電体からなる構成とすることにより、より体積エネルギー密度が高い角形二次電池を作製し易くなる。このような場合、集電体間の接続部の信頼性の向上が望まれる。
【0008】
本発明は、より信頼性の高い二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一様態の二次電池の製造方法は、
正極板と負極板を含む電極体と、
開口を有し、前記電極体を収容する外装体と、
前記開口を封口する封口板と、
前記封口板に取り付けられた端子と、
前記正極板又は前記負極板に設けられたタブ部と、
前記タブ部と前記端子とを電気的に接続する第1集電体及び第2集電体を備えた二次電池の製造方法であって、
前記第1集電体と前記第2集電体をエネルギー線の照射により溶接する溶接工程を有し
、
前記溶接工程を行う前の状態で、前記第1集電体及び前記第2集電体の少なくとも一方は、他の部分よりも表面粗さが大きい粗面部を有し、
前記溶接工程において、前記粗面部にエネルギー線を照射することにより前記第1集電体と前記第2集電体を溶接接続する。
【0010】
本開示の一様態の二次電池の製造方法では、電極体を構成する正極板又は負極板に設けられたタブ部と端子が、第1集電体及び第2集電体により接続される構成となっている。このため、封口板と電極体の間のスペースを小さくしたよりエネルギー密度の高い二次電池を作製し易い構造となる。
【0011】
更に、第1集電体及び第2集電体の少なくとも一方に粗面部を設け、この粗面部にエネルギー線を照射することにより、第1集電体と第2集電体を溶接接続する。粗面部は、他の部分よりも表面粗さが大きいため、他の部分よりもエネルギー線が反射し難い。このため、粗面部にエネルギー線を照射したとき、第1負極集電体ないし第2負極集電体の温度が上昇し易く、第1負極集電体ないし第2負極集電体が溶融し易くなる。よって、より効率的に第1負極集電体と第2負極集電体を溶接接続することが可能となり、より信頼性の高い溶接接続部が形成される。また、スパッタやバリ等の発生を効果的に抑制できる。
このため、スパッタや脱落したバリにより内部短絡が生じることをより確実に防止された信頼性の高い二次電池となる。
【0012】
前記電極体は、第1の電極体要素と第2の電極体要素を含み、
前記第1の電極体要素は複数の前記タブ部からなる第1タブ群を有し、
前記第2の電極体要素は複数の前記タブ部からなる第2タブ群を有し、
前記第2集電体に前記第1タブ群と前記第2タブ群を接続するタブ部接続工程と、
前記第1の電極体要素と前記第2の電極体要素を一つに纏める纏め工程を有し、
前記タブ部接続工程の後に前記溶接工程を行い、
前記溶接工程の後に前記纏め工程を行うことが好ましい。
このような方法によると、より体積エネルギー密度の高い二次電池を容易に作製できる。
【0013】
前記第1集電体を前記端子と電気的に接続すると共に、前記封口板に固定する固定工程を有し、
前記固定工程の後、前記溶接工程を行うことがより好ましい。
このような方法によると、より体積エネルギー密度の高い二次電池を容易に作製できる。
【0014】
前記溶接工程において、前記第1集電体に設けられた突起を前記第2集電体に設けられた開口又は切り欠きの内部に配置し、前記突起と前記開口又は切り欠きの縁部を溶接することが好ましい。
このような方法によると、第1集電体と第2集電体をより強固に溶接接続でき、より信頼性が向上した二次電池となる。
【0015】
前記第2集電体において、前記開口又は切り欠きの周囲に前記粗面部を設けることができる。
【0016】
前記第1集電体において、前記突起に前記粗面部を設けることができる。
【0017】
前記突起を前記開口又は切り欠きの内部に配置する前の状態において、前記第1集電体及び前記第2集電体の少なくとも一方に前記粗面部を設けることができる。
このような方法によると、粗面部を設ける際に微小な金属粉が生じたとしても、第1集電体ないし第2集電体から容易に金属粉を除去することができる。そして、第1集電体ないし第2集電体から金属粉を除去した後、二次電池を組み立てることができるため、電池ケース内に金属粉が混入することを効果的に抑制できる。
【0018】
前記突起を前記開口又は切り欠きの内部に配置した後、前記第1集電体及び前記第2集電体の少なくとも一方にエネルギー線を照射し前記粗面部を形成する粗面部形成工程を有し、
前記粗面部形成工程の後、前記溶接工程を行うことができる。
このような方法によると、所定の位置に確実に粗面部を形成することができるため、より信頼性の溶接接続部を形成できる。
【0019】
前記第2集電体は、他の部分よりも厚みの薄い薄肉部を有し、
前記薄肉部の表面に前記粗面部が形成されており、
前記粗面部にエネルギー線を照射し、前記薄肉部を前記第1集電体に溶接接続することができる。
このような方法によると、第1集電体と第2集電体をより強固に溶接接続でき、より信頼性が向上した二次電池となる。
【0020】
前記粗面部は、前記第1集電体及び前記第2集電体の少なくとも一方にエネルギー線を照射することにより形成することが好ましい。
このような方法によると、所定の位置に所定の表面粗さを有する粗面部を確実に形成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、より信頼性の高い二次電池を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態1に係る角形二次電池20の構成を以下に説明する。なお、本開示は、以下の実施形態1に限定されない。
【0024】
図1は角形二次電池20の斜視図である。
図2は
図1のII−II線の断面図である。
図1及び
図2に示すように角形二次電池20は、開口を有する有底角筒状の角形外装体1と、角形外装体1の開口を封口する封口板2からなる電池ケース100を備える。角形外装体1及び封口板2は、それぞれ金属製であることが好ましく、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金製とすることが好ましい。角形外装体1内には、正極板と負極板を含む電極体3が電解液と共に収容されている。電極体3と角形外装体1の間には樹脂製の絶縁シート14が配置されている。
【0025】
電極体3の封口板2側の端部には、正極タブ部40及び負極タブ部50が設けられている。正極タブ部40は第1正極集電体6aと第2正極集電体6bを介して正極端子7に電気的に接続されている。負極タブ部50は第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを介して負極端子9に電気的に接続されている。
第2正極集電体6bは封口板2に沿って配置され、第2正極集電体6bにおける電極体3側の面に正極タブ部40が接続されており、正極タブ部40が湾曲した状態となっている。このため、封口板2と電極体3の間のスペースを小さくすることができ、より体積エネルギー密度の高い二次電池となっている。また、第2負極集電体8bは封口板2に沿って配置され、第2負極集電体8bにおける電極体3側の面に負極タブ部50が接続されており、負極タブ部50が湾曲した状態となっている。このため、封口板2と電極体3の間のスペースを小さくすることができ、より体積エネルギー密度の高い二次電池となっている。
【0026】
正極端子7は、樹脂製の外部側絶縁部材11を介して封口板2に固定されている。負極端子9は、樹脂製の外部側絶縁部材13を介して封口板2に固定されている。正極端子7は金属製であることが好ましく、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることがより好ましい。負極端子9は金属製であることが好ましく、銅又は銅合金製であることがより好ましい。また、負極端子9は、電池ケース100の内部側に銅又は銅合金からなる部分を有し、電池ケース100の外部側にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる部分を有することが更に好ましい。なお、負極端子9の表面にニッケルメッキ等が施されていることが好ましい。
【0027】
正極板と正極端子7の間の導電経路には、電池ケース100内の圧力が所定値以上となった際に作動し、正極板と正極端子7の間の導電経路を遮断する電流遮断機構60が設けられることが好ましい。電流遮断機構60と電極体3の間には樹脂製のカバー部80が配置されている。なお、負極板と負極端子9の間の導電経路に電流遮断機構を設けてもよい。
【0028】
封口板2には電池ケース100内の圧力が所定値以上となった際に破断し、電池ケース100内のガスを電池ケース100外に排出するガス排出弁17が設けられている。なお、ガス排出弁17の作動圧は、電流遮断機構60の作動圧よりも大きい値に設定する。
【0029】
封口板2には電解液注液孔15が設けられており、電解液注液孔15から電池ケース1
00内に電解液を注液した後、電解液注液孔15は封止栓16により封止される。
【0030】
次に角形二次電池20の製造方法について説明する。
[正極板の作製]
正極活物質としてのリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)、導電剤としての炭素材料、及び分散媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を含む正極スラリーを作製する。この正極スラリーを、正極芯体としての厚さ15μmの矩形状のアルミニウム箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、正極スラリー中のN−メチル−2−ピロリドンを取り除き、正極芯体上に正極活物質合剤層を形成する。その後、正極活物質合剤層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた正極板を所定の形状に切断する。
【0031】
図3は、上述の方法で作製した正極板4の平面図である。
図3に示すように、正極板4は、矩形状の正極芯体4aの両面に正極活物質合剤層4bが形成された本体部を有する。正極板4には正極タブ部40が設けられている。本体部の端辺から正極芯体4aが突出しており、この突出した正極芯体4aが正極タブ部40を構成する。なお、正極タブ部40は、
図3に示すように正極芯体4aの一部であっても良いし、他の部材を正極芯体4aに接続し、正極タブ部40としてもよい。また、正極タブ部40において正極活物質合剤層4bと隣接する部分には、正極活物質合剤層4bよりも電気抵抗の大きい正極保護層を設けることができる。この正極保護層は、アルミナ、シリカ、ジルコニア等のセラミック粒子、及びバインダーを含むことが好ましい。また、正極保護層は、炭素材料等の導電性粒子を含むことが更に好ましい。
【0032】
[負極板の作製]
負極活物質としての黒鉛、結着剤としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)、及び水を含む負極スラリーを作製する。この負極スラリーを、負極芯体としての厚さ8μmの矩形状の銅箔の両面に塗布する。そして、これを乾燥させることにより、負極スラリー中の水を取り除き、負芯体上に負極活物質合剤層を形成する。その後、負極活物質合剤層を所定厚みになるように圧縮処理を行う。このようにして得られた負極板を所定の形状に切断する。
【0033】
図4は、上述の方法で作製した負極板5の平面図である。
図4に示すように、負極板5は、矩形状の負極芯体5aの両面に負極活物質合剤層5bが形成された本体部を有する。負極板5には負極タブ部50が設けられている。本体部の端辺から負極芯体5aが突出しており、この突出した負極芯体5aが負極タブ部50を構成する。なお、負極タブ部50は、
図4に示すように負極芯体5aの一部であっても良いし、他の部材を負極芯体5aに接続し、負極タブ部50としてもよい。
【0034】
[電極体要素の作製]
50枚の正極板4及び51枚の負極板5を上述の方法で作製し、これらをポリオレフィン製の方形状のセパレータを介して積層し積層型の電極体要素(3a、3b)を作製する。
図5に示すように、電極体要素(第1の電極体要素3a、第2の電極体要素3b)は一方の端部に、複数枚の正極タブ部40が積層された正極タブ群(第1の正極タブ群40a、第2の正極タブ群40b)と、複数枚の負極タブ部50が積層された負極タブ群(第1の負極タブ群50a、第2の負極タブ群50b)を有する。電極体要素(3a、3b)の両外面にはセパレータが配置され、テープ等により各極板及びセパレータが積層された状態に固定することができる。あるいは、セパレータに接着層を設け、セパレータと正極板4、セパレータと負極板5がそれぞれ接着されるようにしてもよい。
【0035】
なお、セパレータの平面視の大きさは負極板5と同じ、あるいは負極板5よりも大きく
することが好ましい。2枚のセパレータの間に正極板4又は負極板5を配置し、セパレータの周縁近傍を部分的に熱溶着した状態とした後、正極板4と負極板5を積層してもよい。なお、電極体要素(3a、3b)を作製するに当たり、長尺状のセパレータを用い、長尺状のセパレータを九十九折状にしながら正極板4及び負極板5を積層することもできる。また、長尺状のセパレータを用い、長尺状のセパレータを巻回しながら正極板4及び負極板5を積層することもできる。また、電極体要素は積層型に限定されない。長尺状の正極板と長尺状の負極板を長尺状のセパレータを介して巻回し、巻回型の電極体要素とすることができる。
【0036】
[封口体の組立て]
図2、
図6及び
図10を用いて、封口板2への正極端子7及び第1正極集電体6aの取り付け方法及び電流遮断機構60の構成を説明する。封口板2に設けられた正極端子取り付け孔2aの外面側に外部側絶縁部材11を配置し、正極端子取り付け孔2aの内面側に内部側絶縁部材10及びカップ状の導電部材61を配置する。次に、正極端子7を、外部側絶縁部材11の貫通孔、封口板2の正極端子取り付け孔2a、内部側絶縁部材10の貫通孔及び導電部材61の貫通孔のそれぞれに挿入する。そして、正極端子7の先端を導電部材61上にカシメる。これにより、正極端子7、外部側絶縁部材11、封口板2、内部側絶縁部材10及び導電部材61が固定される。なお、正極端子7においてカシメられた部分と導電部材61はレーザ溶接等により溶接されることが好ましい。また、内部側絶縁部材10及び外部側絶縁部材11はそれぞれ樹脂製であることが好ましい。
【0037】
導電部材61は電極体3側に開口部を有する。円盤状の変形板62は、導電部材61の開口部を塞ぐように配置され、変形板62の周縁が導電部材61に溶接接続される。これにより、導電部材61の開口部が変形板62により密閉されている。なお、導電部材61及び変形板62はそれぞれ金属製であることが好ましく、アルミニウム又はアルミニウム合金製であることがより好ましい。導電部材61の電極体3側に設けられた開口部の形状は円形に限定されず、角形であってもよい。また、変形板62の形状は、導電部材61の開口部を密閉できる形状であればよい。
【0038】
次に、変形板62の電極体3側に、樹脂製の第1絶縁部材63が配置される。第1絶縁部材63は接続部を有し、この接続部が内部側絶縁部材10に接続されることが好ましい。また、第1絶縁部材63に爪状の引っ掛け固定部を設け、導電部材61にフランジ部、凹部又は凸部を設け、第1絶縁部材63の引っ掛け固定部を、導電部材61にフランジ部、凹部又は凸部に固定することが好ましい。
【0039】
第1絶縁部材63の電極体3側の面には固定用突起が形成されている。また、第1絶縁部材63は、変形板62の下方に配置される絶縁部材第1領域63xと、絶縁部材第1領域63xにおける端部から封口板2に向かって延びる絶縁部材第2領域63yと、絶縁部材第2領域63yの端部から水平方向に延びる絶縁部材第3領域63zを有することが好ましい。絶縁部材第3領域63zにおいて、封口板2の電解液注液孔15と対向する位置には、絶縁部材開口63aが設けられている。また、絶縁部材開口63aの縁部には、電極体3に向かって突出する絶縁部材突起63bが設けられている。
【0040】
次に、第1正極集電体6aを第1絶縁部材63の電極体3側に配置する。第1正極集電体6aは、固定用貫通孔を有する。そして、第1絶縁部材63の固定用突起を第1正極集電体6aの固定用貫通孔に挿入し、固定用突起の先端を拡径し、第1絶縁部材63と第1正極集電体6aを固定する。これにより固定部70が形成される。固定部70は、
図6に示すように、変形板62と第1正極集電体6aの接続部を囲むように設けられることが好ましい。固定部70を2箇所以上設けることが好ましく、3箇所以上設けることが好ましく、4箇所以上設けることがより好ましい。
【0041】
その後、第1絶縁部材63に設けられた貫通孔を通じて、変形板62と第1正極集電体6aが溶接接続される。なお、第1正極集電体6aは、薄肉部6cを有し、この薄肉部6cにおいて変形板62と溶接接続されることが好ましい。薄肉部6cの中央には開口6dが設けられ、この開口6dの縁部を変形板62と溶接接続することが好ましい。また、薄肉部6cには、変形板62と第1正極集電体6aの接続部を囲むように、環状のノッチ部を設けることがより好ましい。なお、予め第1絶縁部材63と第1正極集電体6aを接続し、第1正極集電体6aが接続された第1絶縁部材63を、変形板62の電極体3側に配置することもできる。
【0042】
電池ケース100内の圧力が所定値以上となったとき、変形板62の中央部が上方(正極端子7側)に移動するように変形板62が変形する。この変形板62の変形に伴い、第1正極集電体6aの薄肉部6cが破断する。これにより、正極板4と正極端子7の導電経路が切断される。
【0043】
正極端子7に端子貫通孔7bを設けておき、この端子貫通孔7bを通じて電流遮断機構60内部にガスを流し込み、変形板62を第1正極集電体6aに押し付けた状態で変形板62と第1正極集電体6aを溶接接続することができる。最終的に端子貫通孔7bは、端子封止部材7aにより封止される。端子封止部材7aは、金属板7xとゴム部材7yを有することが好ましい。
【0044】
図2、
図6及び
図11を用いて、封口板2への負極端子9及び第1負極集電体8aの取り付け方法を説明する。封口板2に設けられた負極端子取り付け孔2bの外面側に外部側絶縁部材13を配置し、負極端子取り付け孔2bの内面側に内部側絶縁部材12及び第1負極集電体8aを配置する。次に、負極端子9を、外部側絶縁部材13の貫通孔、封口板2の負極端子取り付け孔2b、内部側絶縁部材12の貫通孔及び第1負極集電体8aの貫通孔のそれぞれに挿入する。そして、負極端子9の先端を第1負極集電体8a上にカシメる。これにより、外部側絶縁部材13、封口板2、内部側絶縁部材12及び第1負極集電体8aが固定される。なお、負極端子9においてカシメられた部分と第1負極集電体8aはレーザ溶接等により溶接されることが好ましい。また、内部側絶縁部材12及び外部側絶縁部材13はそれぞれ樹脂製であることが好ましい。
【0045】
[第2集電体とタブ部の接続]
図7は、第2正極集電体6bへの正極タブ部40の接続方法、第2負極集電体8bへの負極タブ部50の接続方法を示す図である。上述の方法で2つの電極体要素を作製し、それぞれ第1の電極体要素3a、第2の電極体要素3bとする。なお、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bは全く同じ構成であってもよいし、異なる構成であってもよい。第1の電極体要素3aは、複数の正極タブ部40からなる第1の正極タブ群40aと、複数の負極タブ部50からなる第1の負極タブ群50aを有する。第2の電極体要素3bは、複数の正極タブ部40からなる第2の正極タブ群40bと、複数の負極タブ部50からなる第2の負極タブ群50bを有する。
【0046】
第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bの間に、第2正極集電体6bと第2負極集電体8bを配置する。そして、第1の電極体要素3aに設けられた第1の正極タブ群40aを第2正極集電体6b上に配置し、第1の電極体要素3aに設けられた第1の負極タブ群50aを第2負極集電体8b上に配置する。また、第2の電極体要素3bに設けられた第2の正極タブ群40bを第2正極集電体6b上に配置し、第2の電極体要素3bに設けられた第2の負極タブ群50bを第2負極集電体8b上に配置する。第1の正極タブ群40a及び第2の正極タブ群40bはそれぞれ第2正極集電体6bに溶接接続され溶接部90が形成される。第1の負極タブ群50a及び第2の負極タブ群50bはそれぞれ第2
負極集電体8bに溶接接続され溶接部90が形成される。溶接方法は、超音波溶接、抵抗溶接、又はレーザ等のエネルギー線の照射による溶接が好ましい。特に超音波溶接が好ましい。
【0047】
図7に示すように、第2正極集電体6bには開口部6zが設けられている。第2正極集電体6bを第1正極集電体6aに接続した後、開口部6zは封口板2の電解液注液孔15と対応する位置に配置される。
【0048】
なお、封口板2に第1正極集電体6a及び第1負極集電体8aを固定する固定工程と、第2正極集電体6b及び第2負極集電体8bにそれぞれ正極タブ部40及び負極タブ部50を接続するタブ部接続工程は、いずれを先に行ってもよい。固定工程とタブ部接続工程の後、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bの接続及び第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの接続を行うことが好ましい。これにより、より体積エネルギー密度の高い二次電池とすることができる。
【0049】
[第1正極集電体と第2正極集電体の接続]
図6に示すように、第1正極集電体6aには、集電体突起6xが設けられている。そして、
図7に示すように、第2正極集電体6bには集電体開口6yが設けられている。
図10に示すように、第1正極集電体6aの集電体突起6xが、第2正極集電体6bの集電体開口6y内に位置するようにして、第2正極集電体6bを第1絶縁部材63の絶縁部材第3領域63z上に配置する。そして、第1正極集電体6aの集電体突起6xと第2正極集電体6bの集電体開口6yの縁部をレーザ等のエネルギー線の照射により溶接する。これにより、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bが接続される。なお、第2正極集電体6bの集電体開口6yの周囲には集電体第1凹部6fが設けられている。即ち、集電体第1凹部6fの中央に、集電体開口6yが形成されている。集電体第1凹部6fにおいて、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bが溶接接続されている。集電体開口6yの周囲に集電体第1凹部6fが形成されていると、集電体突起6xの高さを大きくすることなく、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bを溶接接続することができる。
【0050】
図10に示すように、第2正極集電体6bは、正極タブ部40が接続されるタブ部接続領域6b1と第1正極集電体6aが接続される集電体接続領域6b2を有する。また、第2正極集電体6bは、タブ部接続領域6b1と集電体接続領域6b2を繋ぐ接続領域6b3を有する。封口板2に対して垂直な方向において、封口板2とタブ部接続領域6b1の距離は、封口板2と集電体接続領域6b2の距離よりも小さい。このような構成であると、集電部が占めるスペースをより小さくでき、より体積エネルギー密度の高い二次電池となる。
【0051】
図7に示すように、第2正極集電体6bにおいて、集電体開口6yの両側にターゲット孔6eが設けられている。第1正極集電体6aと第2正極集電体6bをレーザ等のエネルギー線の照射により溶接する際、ターゲット孔6eを画像補正用のターゲットとすることが好ましい。ターゲット孔6eを画像検出し、位置補正を行い、集電体開口6yの形状に沿ってエネルギー線の照射を行うことが好ましい。
【0052】
図10に示すように、第1正極集電体6aの第1絶縁部材63と対向する面であって、集電体突起6xの裏側には集電体第2凹部6wが形成されている。これにより、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bの間により大きな溶接接続部を形成し易くなるため好ましい。また、集電体第2凹部6wが形成されていることにより、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bを溶接接続する際に、溶接時の熱により第1絶縁部材63が損傷することを防止できる。
【0053】
図10に示すように、第1絶縁部材63の絶縁部材突起63bの下方(電極体3側)の先端が、第2正極集電体6bにおいて、開口部6zの周囲の下面よりも下方(電極体3側)に突出していることが好ましい。これにより、封止栓16と第2正極集電体6bが接触することを確実に防止できる。
【0054】
[第1負極集電体と第2負極集電体の接続]
図11に示すように、第1負極集電体8aには、集電体突起8xが設けられている。そして、
図7に示すように、第2負極集電体8bには集電体開口8yが設けられている。
図11に示すように、第1負極集電体8aの集電体突起8xが、第2負極集電体8bの集電体開口8y内に位置するようにして、第2負極集電体8bを内部側絶縁部材12上に配置する。そして、第1負極集電体8aの集電体突起8xと第2負極集電体8bの集電体開口8yの縁部をレーザ等のエネルギー線の照射により溶接する。これにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bが接続され溶接接続部が形成される。なお、第2負極集電体8bの集電体開口8yの周囲には集電体第1凹部8gが設けられている。即ち、集電体第1凹部8gの中央に、集電体開口8yが形成されている。集電体第1凹部8gにおいて、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bが溶接接続されている。第2負極集電体8bには、第2正極集電体6bと同様にターゲット孔8kが設けられている。
【0055】
第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bは、それぞれ銅又は銅合金製とすることが好ましい。
【0056】
図11に示すように、第1負極集電体8aの内部側絶縁部材12と対向する面であって、集電体突起8xの裏側には集電体第2凹部8wが形成されている。これにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの間により大きな溶接接続部を形成し易くなるため好ましい。また、集電体第2凹部8wが形成されていることにより、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを溶接接続する際に、溶接時の熱により内部側絶縁部材12が損傷することを防止できる。
【0057】
図11に示すように、第2負極集電体8bは、負極タブ部50が接続されるタブ部接続領域8b1と、第1負極集電体8aが接続される集電体接続領域8b2を有する。また、第2負極集電体8bは、タブ部接続領域8b1と集電体接続領域8b2を繋ぐ接続領域8b3を有する。そして、封口板2に対して垂直な方向において、封口板2とタブ部接続領域8b1の距離は、封口板2と集電体接続領域8b2の距離よりも小さい。このような構成であると、集電部が占めるスペースをより小さくでき、より体積エネルギー密度の高い二次電池となる。また、第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bはそれぞれ、内部側絶縁部材12を介して封口板2に沿って配置されることが好ましい。なお、内部側絶縁部材12は複数の部品からなってもよい。
【0058】
なお、内部側絶縁部材12には、第2負極集電体8bに固定される固定部が形成されていることが好ましい。これにより、衝撃や振動等により第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの接続部が損傷や破損することをより確実に防止できる。例えば、内部側絶縁部材12に爪状の固定部が形成され、内部側絶縁部材12の爪状の固定部を第2負極集電体8bに引っ掛け固定することができる。あるいは、内部側絶縁部材12の突起を設け、第2負極集電体8bに固定用の開口や切り欠きを設け、第2負極集電体8bに固定用の開口や切り欠きに内部側絶縁部材12の突起を挿入し、内部側絶縁部材12の突起の先端部を拡径することにより固定してもよい。
【0059】
なお、集電体突起6x及び集電体突起8xの平面視における形状は、それぞれ真円状とすることもできるが、トラック形状、楕円状あるいは方形状(角部がR化されたものも含む)であることが好ましい。
【0060】
<電極体作製>
図7における第1の電極体要素3aの上面と第2の電極体要素3bの上面とが直接又は他の部材を介して接するように第1の正極タブ群40a、第2の正極タブ群40b、第1の負極タブ群50a及び第2の負極タブ群50bを湾曲させる。これにより、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを纏めて、一つの電極体3とする。
【0061】
なお、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bを接続した後であって、第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを一つに纏める前に、カバー部80を第1正極集電体6aと対向する位置に配置することが好ましい。また、カバー部80は、第1正極集電体6aと第2正極集電体6bの溶接接続部を覆うように配置されることが好ましい。カバー部80は、第1絶縁部材63に接続することが好ましい。第1の電極体要素3aと第2の電極体要素3bを一つに纏め電極体3とすることにより、電流遮断機構60を構成する第1正極集電体6aと電極体3の間にカバー部80が配置される。
【0062】
<角形二次電池の組み立て>
封口板2に取り付けられた電極体3を絶縁シート14で覆い、角形外装体1に挿入する。なお、絶縁シート14は平板状のものを箱状ないし袋状に曲げ成形したものであることが好ましい。そして、封口板2と角形外装体1をレーザ溶接等により接合し、角形外装体1の開口を封口する。その後、電解質溶媒及び電解質塩を含有する非水電解液を封口板2に設けられた電解液注液孔15より注液する。そして、電解液注液孔15を封止栓16で封止する。
【0063】
<第1負極集電体と第2負極集電体の接続について>
第1負極集電体8aと第2負極集電体8bのそれぞれの構成の詳細、及び第1負極集電体8aと第2負極集電体8bの接続方法の詳細について以下に説明する。
【0064】
図8(a)〜(d)に示すように、第1負極集電体8aには、端子挿入孔8cが設けられている。端子挿入孔8cに負極端子9が挿入される。端子挿入孔8cの周囲には、集電体第1凹部8dが設けられている。集電体第1凹部8dは、第1水平部8eと第1傾斜部8fを有する。第1負極集電体8aには集電体突起8xが設けられている。第1負極集電体8aにおいて、集電体突起8xの先端面には粗面部170が設けられている。粗面部170は、第1負極集電体8aにおける他の部分よりも表面粗さが大きくなっている。粗面部170の表面粗さは、例えば、表面粗さの算術平均高さSaが0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
【0065】
図9(a)〜(d)に示すように、第2負極集電体8bには、集電体開口8yが設けられている。集電体開口8yの周囲には、集電体第1凹部8gが設けられている。集電体第1凹部8gは、第2水平部8hと第2傾斜部8iを有する。集電体開口8yの周囲に位置する第2水平部8hと第2傾斜部8iにはそれぞれ粗面部171が設けられている。粗面部171は、第2負極集電体8bにおける他の部分よりも表面粗さが大きくなっている。粗面部171の表面粗さは、例えば、表面粗さの算術平均高さSaが0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましい。
【0066】
このような第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを用いて、上述の方法で角形二次電池20を作製する。第1負極集電体8aの集電体突起8xを、第2負極集電体8bの集電体開口8y内に配置し、集電体突起8xと集電体開口8yの嵌合部にレーザ等のエネルギー線を照射し、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを溶接接続する。この際、第1負極集電体8aにおける粗面部170と第2負極集電体8bにおける粗面部171とにエネルギー線が照射される。
【0067】
粗面部170及び粗面部171は、他の部分に比べて表面粗さが大きい部分となっているため、エネルギー線が反射し難い。このため、粗面部170及び粗面部171にエネルギー線を照射したとき、第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの温度が上昇し易く、第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bが溶融し易くなる。よって、より効率的に第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを溶接接続することが可能となり、より信頼性の高い溶接接続部が形成される。また、スパッタやバリ等の発生を効果的に抑制できる。このため、スパッタや脱落したバリにより内部短絡が生じることをより確実に防止された信頼性の高い二次電池となる。なお、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bが、銅又は銅合金製の場合、融点が高くまたエネルギー線を反射し易いため、粗面部を設けて粗面部にエネルギー線を照射して溶接を行うことが特に効果的である。
【0068】
なお、第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの両方に粗面部を設ける必要はない。第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの少なくとも一方に粗面部が設けられていればよい。また、第2負極集電体8bに粗面部を設ける場合は、集電体開口8yの周辺に粗面部を設けることが好ましい。第2負極集電体8bに集電体第1凹部8gを設けなくてもよい。また、集電体第1凹部8gが第2水平部8hと第2傾斜部8iを有する場合、第2水平部8hのみに粗面部を設けてもよい。
【0069】
第1負極集電体8aに粗面部を設ける場合、集電体突起8xの先端面に粗面部を設けることが好ましい。集電体突起8xの側面の表面粗さより、集電体突起8xの先端面の表面粗さを大きくすることが好ましい。集電体突起8xの側面の表面粗さを大きくしないことにより、集電体突起8xを集電体開口8y内に挿入する際に、集電体突起8xが集電体開口8yの内面に接触して金属粉が発生することを抑制できる。
【0070】
なお、第2負極集電体8bに集電体開口8yを設ける例を示したが、集電体開口8yに代えて切り欠きを設けてもよい。この場合、集電体突起8xを切り欠き内に配置し、第1負極集電体8aと第2負極集電体8bを溶接接続する。
【0071】
第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの少なくとも一方に粗面部を形成する方法としては、第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの少なくとも一方にエネルギー線を照射する方法が特に好ましい。これにより、所定の範囲に確実に粗面部を形成することができる。例えば、レーザーマーカーにより粗面部を設けることができる。レーザとしては、波長532nmのグリーンレーザを用いることができる。
なお、エネルギー線の照射以外の方法で粗面部を設ける方法としては、研磨剤、紙やすり、ブラスト処理、若しくは化学エッチングを用いることが考えられる。
【0072】
第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの少なくとも一方に粗面部を設けるタイミングは特に限定されない。
【0073】
[実施形態2]
実施形態2に係る角形二次電池は、第1負極集電体の集電体突起近傍の構成及び第2負極集電体の集電体開口近傍の構成以外は上述の実施形態1に係る角形二次電池20と同様の構成を有する。
図12(a)は、第1負極集電体108aと第2負極集電体108bの接続部近傍の拡大断面図であり、溶接前の状態を示す。
図12(b)は、第1負極集電体108aと第2負極集電体108bの接続部近傍の拡大断面図であり、溶接後の状態を示す。
【0074】
図12(a)に示すように、第1負極集電体108aは集電体突起108xを有する。また、第2負極集電体108bは集電体開口108yを有する。集電体突起108xは、
集電体開口108y内に配置される。第2負極集電体108bにおいて、集電体開口108yの周囲には粗面部173が形成されている。なお、集電体開口108yの周囲には集電体第1凹部108gが設けられており、粗面部173は集電体第1凹部108g内に位置する。
【0075】
第1負極集電体108aの集電体突起108xの高さは、第2負極集電体108bの集電体開口108yの高さ(深さ)よりも小さい。このため、集電体突起108xの先端面が、集電体開口108y内に位置する。このような構成とすることにより、第2負極集電体108bの集電体開口108yの高さ(深さ)、ないし第1負極集電体108aの集電体突起108xの高さにバラツキが生じても、第1負極集電体108aの集電体突起108xの高さと第2負極集電体108bの集電体開口108yの高さ(深さ)の大小関係が入れ替わることを効果的に防止できる。よって、より安定的に溶接接続が行える。そして、溶接接続部の信頼性をより高いものとすることができる。なお、第1負極集電体108aの集電体突起108xの高さと第2負極集電体108bの集電体開口108yの高さ(深さ)の差は、1mm以下とすることが好ましく、0.5mm以下とすることがより好ましく、0.2mm以下とすることが更に好ましい。また、0.05mm以上とすることがより好ましい。但し、これに限定されない。
【0076】
第1負極集電体108aの集電体突起108xと第2負極集電体108bの集電体開口108yの嵌合部にレーザ等のエネルギー線を照射し、
図12(b)に示すように、溶接接続部190を形成する。
【0077】
なお、エネルギー線は、集電体開口108yに設けられた粗面部173により多く照射され、第1負極集電体108aの集電体突起108xよりも第2負極集電体108bの集電体開口108yの縁部がより多く溶融するようにする。これにより、より安定的に溶接接続が行える。なお、集電体突起108xの先端面に粗面部を設けてもよい。
【0078】
[実施形態3]
実施形態3に係る角形二次電池は、第1負極集電体の集電体突起近傍の構成及び第2負極集電体の集電体開口近傍の構成以外は上述の実施形態1に係る角形二次電池20と同様の構成を有する。
図13(a)は、第1負極集電体208aと第2負極集電体208bの接続部近傍の拡大断面図であり、溶接前の状態を示す。
図13(b)は、第1負極集電体208aと第2負極集電体208bの接続部近傍の拡大断面図であり、溶接後の状態を示す。
【0079】
図13(a)に示すように、第1負極集電体208aは集電体突起208xを有する。また、第2負極集電体208bは集電体開口208yを有する。集電体突起208xは、集電体開口208y内に配置される。第1負極集電体208aの集電体突起208xの先端面には粗面部270が形成されている。なお、集電体開口208yの周囲には集電体第1凹部208gが設けられている。
【0080】
第1負極集電体208aの集電体突起208xの高さは、第2負極集電体208bの集電体開口208yの高さ(深さ)よりも大きい。このため、集電体突起208xの先端面が、集電体開口208yの外に位置する。このような構成とすることにより、第2負極集電体208bの集電体開口108yの高さ(深さ)、ないし第1負極集電体208aの集電体突起208xの高さにバラツキが生じても、第1負極集電体208aの集電体突起208xの高さと第2負極集電体208bの集電体開口208yの高さ(深さ)の大小関係が入れ替わることを効果的に防止できる。よって、より安定的に溶接接続が行える。そして、溶接部の信頼性をより高いものとすることができる。なお、第1負極集電体208aの集電体突起208xの高さと第2負極集電体208bの集電体開口208yの高さ(深
さ)の差は、1mm以下とすることが好ましく、0.5mm以下とすることがより好ましく、0.2mm以下とすることが更に好ましい。また、0.05mm以上とすることがより好ましい。但し、これに限定されない。
【0081】
第1負極集電体208aの集電体突起208xと第2負極集電体208bの集電体開口208yの嵌合部にレーザ等のエネルギー線を照射し、
図13(b)に示すように、溶接接続部290を形成する。
【0082】
なお、エネルギー線は、第1負極集電体208aの集電体突起208xに設けられた粗面部270により多く照射され、第2負極集電体108bよりも第1負極集電体208aの集電体突起208xがより多く溶融するようにする。
これにより、より安定的に溶接接続が行える。なお、第2負極集電体208bの集電体開口208yの周囲に粗面部を設けてもよい。
【0083】
[実施形態4]
実施形態4に係る角形二次電池は、第1負極集電体の集電体突起近傍の構成及び第2負極集電体の集電体開口近傍の構成以外は上述の実施形態1に係る角形二次電池20と同様の構成を有する。
図14は、実施形態4に係る角形二次電池の負極端子9の近傍の断面図であり、封口板2の長手方向に沿った断面図である。
【0084】
第2負極集電体308bは、負極タブ部50が接続されるタブ部接続領域308b1と、第1負極集電体308aが接続される集電体接続領域308b2を有する。また、第2負極集電体308bは、タブ部接続領域308b1と集電体接続領域308b2を繋ぐ接続領域308b3を有する。
【0085】
集電体接続領域308b2には、他の部分よりも厚みの薄い薄肉部308xが設けられている。第2負極集電体308bの薄肉部308xが、第1負極集電体308aと溶接接続され、溶接接続部390が形成されている。
【0086】
図15は、実施形態4に係る二次電池の第1負極集電体308aと第2負極集電体308bの溶接接続部390の近傍の拡大断面図である。
図15(a)は溶接前の状態を示す図であり、
図15(b)は溶接後の状態を示す図である。
【0087】
図15(a)に示すように、第2負極集電体308bの薄肉部308xには粗面部370が形成されている。そして、粗面部370にエネルギー線を照射することにより、
図15(b)に示すように溶接接続部390が形成され、第1負極集電体308aと第2負極集電体308bが溶接接続される。
【0088】
<その他>
上述の実施形態1においては、電極体3が二つの電極体要素からなる例を示したが、これに限定されない。電極体3が一つの積層型電極体であってもよい。また、電極体3が、長尺状の正極板と長尺状の負極板をセパレータを介して巻回した一つの巻回型電極体であってもよい。あるいは、電極体3が3つ以上の電極体要素を含んでもよい。また、電極体要素は巻回型であってもよいし、積層型であってもよい。
【0089】
第1正極集電体と第2正極集電体の接続、第1負極集電体と第2負極集電体の接続はそれぞれ、レーザ、電子ビーム、イオンビーム等のエネルギー線の照射による接続が好ましい。エネルギー線の種類は特に限定されず、第1負極集電体及び第2負極集電体を溶融させ溶接できるものであればよい。
【0090】
上述の実施形態1においては、負極端子9のフランジ部を電池ケース100の外部側に配置し、負極端子9を第1負極集電体8aの端子挿入孔8cに挿入し、負極端子9を電池ケース100の内部側でカシメる形態を示した。これに代えて、負極端子9のフランジ部を電池ケース100の内部側に配置し、負極端子9を電池ケース100の外部側に配置し導電性部材に設けた端子挿入孔に挿入し、負極端子9を電池ケース100の外部側でカシメる形態としてもよい。この場合、負極端子9のフランジ部に第1負極集電体8aを溶接接続するようにする。
【0091】
上述の実施形態1においては、第1負極集電体8a及び第2負極集電体8bの少なくとも一方に粗面部を設ける例を示した。第1正極集電体6a及び第2正極集電体6bの少なくとも一方に粗面部を設けることもできる。
【0092】
上述の実施形態1においては、正極板と正極端子7の間の導電経路に電流遮断機構60を設ける例を示したが、電流遮断機構60を省略することもできる。電流遮断機構60を設けない場合は、第1正極集電体及び第2正極集電体を、それぞれ第1負極集電体と第2負極集電体と同様の形状とすることができる。