(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ワーク収容部に収容してあるワークの2つの前記処理予定面が、それぞれ前記第1当接面の反対側と、前記第2当接面の反対側とから露出するように、前記ワークが前記ワーク収容部に収容されることを特徴とする請求項1に記載のワーク保持治具。
前記第1当接面の反対側から突出したワークの処理予定面の突出量と、前記第2当接面の反対側から突出したワークの処理予定面の突出量とが略等しいことを特徴とする請求項3に記載のワーク保持治具。
前記第2当接面には、前記ワーク収容部に収容されるワークとは反対側に向かって凹む凹部が形成してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のワーク保持治具。
前記ワーク収容部に収容してあるワークを、前記第2当接面および前記第3当接面に当接するように引き寄せる引き寄せ手段をさらに有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のワーク保持治具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、ワークの複数の処理予定面に連続した処理を高精度で行うことができるワーク保持治具、電子部品処理装置および電子部品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係るワーク保持治具は、
ワークを保持するワーク保持機構を有するワーク保持治具であって、
前記ワーク保持機構は、前記ワークの3面が当接する第1当接面と、第2当接面と、第3当接面とを持つワーク収容部を有し、
前記ワーク収容部は、前記ワーク収容部に収容されるワークの少なくとも2つの処理予定面が露出するように、少なくとも前記第1当接面の反対側と、前記第2当接面の反対側とが開放していることを特徴とする。
【0008】
本発明に係るワーク保持治具は、ワークを保持するワーク保持機構を有する。そして、ワーク保持機構は、第1当接面と、第2当接面と、第3当接面とを持つワーク収容部を有し、ワーク収容部は、ワーク収容部に収容されるワークの少なくとも2つの処理予定面が露出するように、少なくとも第1当接面の反対側と、第2当接面の反対側とが開放している。そのため、ワーク収容部にワークを収容すると、ワークの少なくとも2つの処理予定面が、少なくともワーク収容部の第1当接面の反対側と、第2当接面の反対側とから露出する。
【0009】
本発明では、このワーク収容部から露出したワークの処理予定面を印刷用スクリーン等に向けることで、当該処理予定面に電極膜を形成することが可能である。そして、ワーク収容部から露出したワークのいずれかの処理予定面(たとえば、第1当接面の反対側から露出した処理予定面)に電極膜を形成した後は、ワーク保持治具を所定角度だけ回転させ、ワーク収容部から露出した他のいずれかの処理予定面(たとえば、第2当接面の反対側から露出した処理予定面)を印刷用スクリーン等に向けることで、当該処理予定面に電極膜を形成することができる。
【0010】
すなわち、本発明では、従来とは異なり、処理予定面に電極膜を形成する都度、ワークをワーク保持治具から取り外し、ワークの向きを変える必要がなく、ワーク収容部から露出した少なくとも2つの処理予定面に、連続的に電極膜を形成することが可能である。したがって、ワークの取り外しに起因して生じ得る電極膜の位置ずれや欠損等の不具合を防止し、ワークの所定位置に電極膜を高精度で形成することができる。
【0011】
また、本発明に係るワーク保持治具を用いることにより、ワークの処理予定面に、電極膜だけではなく、その他の機能被膜(たとえば、絶縁膜)を形成することも可能である。また、処理予定面には、被膜形成処理だけではなく、その他の処理(たとえば、エッチング等の表面処理)を行うことも可能である。いずれの処理についても、上述した要領でワーク保持治具を所定角度だけ回転させ、処理対象の処理予定面を順次シフトしていくことにより、ワークの複数の処理予定面に連続した処理を高精度で行うことができる。
【0012】
また、ワークが第1当接面と、第2当接面と、第3当接面とで位置決めされることにより、ワークの位置ずれを防止し、ワークの複数の処理予定面に連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0013】
また、複数のワーク保持治具(たとえば、2つの第1および第2の保持治具)を配列して、これらに保持されたワークの別々の処理予定面に同時に処理を行ってもよい。たとえば、第1のワーク保持治具のワークの第1当接面とは反対側の処理予定面と、第2のワーク保持治具のワークの第2当接面とは反対側の処理予定面とが略面一になるように配置してもよい。このような構成とすることにより、2つのワークの処理予定面に同時に電極膜形成処理などの処理を行うことができる。
【0014】
好ましくは、前記ワーク収容部に収容してあるワークの2つの前記処理予定面が、それぞれ前記第1当接面の反対側と、前記第2当接面の反対側とから露出するように、前記ワークが前記ワーク収容部に収容される。このような構成とすることにより、第1当接面の反対側から露出した処理予定面と、第2当接面の反対側から露出した処理予定面とに、上述した要領で、連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0015】
好ましくは、2つの前記処理予定面が、前記ワーク収容部の外側に突出するように、前記ワークが前記ワーク収容部に収容される。このような構成とすることにより、ワーク収容部の外側にワークの各処理予定面が突出し、スキージ等によって、各処理予定面に電極膜形成処理などの処理を容易に行うことができる。
【0016】
好ましくは、前記第1当接面の反対側から突出したワークの処理予定面の突出量と、前記第2当接面の反対側から突出したワークの処理予定面の突出量とが略等しい。このような構成とすることにより、ワーク保持治具を所定角度だけ回転させたときに、いずれの処理予定面が印刷用スクリーン等を向いたとしても、印刷用スクリーン等とワークの処理予定面の間の距離が、常に一定となるように調整しやすくなる。したがって、ワーク保持治具を所定角度だけ回転させる都度、上記距離を調整する必要がなく、スキージ等によって、容易にワークの処理予定面に電極膜を形成することができる。
【0017】
好ましくは、前記ワーク保持機構は、複数の前記ワーク収容部を具備する。このような構成とすることにより、複数のワークの各々を各ワーク収容部に配置することが可能となり、一度に複数のワークに端子電極を高精度で形成することができる。
【0018】
好ましくは、前記第2当接面には、前記ワーク収容部に収容されるワークとは反対側に向かって凹む凹部が形成してある。このような構成とすることにより、処理予定面に所定の処理を行った後、凹部にピン等を挿入し、このピン等で掻き出すように、第2当接面に固定してあるワークを押し出すことにより、ワーク収容部からワークを取り出すことができる。
【0019】
好ましくは、前記ワーク保持機構は、第1ワーク保持部と、前記第1ワーク保持部に分離可能に取り付けられる第2ワーク保持部とを有し、前記第1当接面と前記第3当接面とが、前記第1ワーク保持部に形成してあり、前記第2当接面が、前記第2ワーク保持部に形成してある。このような構成とすることにより、下記のような態様で処理を行うことが可能となる。
【0020】
すなわち、予め、ワーク収容部のサイズ(第1当接面および第3当接面の面積)が各々異なる複数の第1ワーク保持部を準備しておき、処理を行うワークのサイズに応じて、所望のサイズのワーク収容部を有する第1ワーク保持部を選択する。この第1ワーク保持部を第2ワーク保持部に装着して処理を行えば、第2ワーク保持部を変えずに済むため、他品種の電子部品の生産性を向上させることができる。
【0021】
好ましくは、前記ワーク収容部に収容してあるワークは、前記第2当接面と、前記第3当接面とがなす角部の内側に配置される。このような構成とすることにより、ワーク収容部の角部の内側にワークが固定され、ワークの位置決めを容易に行うことが可能となる。したがって、ワークの位置ずれを防止し、ワークの複数の処理予定面に連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0022】
また、ワーク保持治具は、長手方向に垂直な断面形状が略正方形状であってもよい。このような構成とすることにより、ワーク保持治具を所定角度回転させたときに、印刷用スクリーン等とワークの処理予定面との間の距離を、常に一定とすることが容易になる。
【0023】
また、複数のワーク保持治具を隣り合うように配列した場合、各ワーク保持治具を所定角度だけ回転させたときに、隣り合うワーク保持治具間で、保持されるワークの処理予定面を略面一にしやすくなり、スクリーン印刷などの処理が行いやすくなる。
【0024】
前記ワーク収容部に収容してあるワークは、前記第2当接面と、前記第3当接面とがなす角部の外側に配置してもよい。このような構成とすることにより、ワーク収容部の角部の外側にワークが固定され、ワークの位置決めを行うことが可能となる。したがって、ワークの位置ずれを防止し、ワークの複数の処理予定面に連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0025】
また、上記のような構成とすることにより、ワーク収容部にワークを配置すると、ワーク収容部からワークの少なくとも3つの処理予定面が、第1当接面の反対側と、2つの第2当接面の反対側とから露出する。したがって、上述した要領でワーク保持治具を所定角度だけ回転させ、処理対象の少なくとも3つの処理予定面を順次シフトしていくことにより、ワークの複数の処理予定面に連続した処理を高精度で行うことができる。
【0026】
また、複数のワーク保持治具(たとえば、3つの第1〜第3の保持治具)を配列して、これらに保持されたワークの別々の処理予定面に同時に処理を行ってもよい。たとえば、第1のワーク保持治具のワークの第1当接面とは反対側の処理予定面と、第2のワーク保持治具のワークの第2当接面とは反対側の処理予定面と、第3のワーク保持治具のワークの第2当接面とは反対側の処理予定面とが略面一になるように配置してもよい。このような構成とすることにより、3つのワークの処理予定面に同時に電極膜形成処理などの処理を行うことができる。
【0027】
好ましくは、前記ワーク収容部に収容してあるワークを、前記第2当接面および前記第3当接面に当接するように引き寄せる引き寄せ手段をさらに有する。このような構成とすることにより、ワーク収容部に収容してあるワークを第2当接面および第3当接面に当接するように引き寄せることが可能となり、ワーク保持治具に対するワークの位置決め精度を向上させることができる。
【0028】
なお、補助部材をワーク保持機構と着脱自在に構成してもよく、この場合、ワーク保持治具の内部等に塵等(フェライトの粉や欠け等)が蓄積した場合であっても、補助部材をワーク保持機構から取り外し、ワーク保持治具の内部等を掃除することができる。
【0029】
電子部品処理装置にワーク保持治具を複数具備させてもよい。電子部品処理装置としては、たとえば印刷装置や捺印装置、あるいは塗布装置等が挙げられる。
【0030】
好ましくは、本発明に係る電子部品の製造方法は、上述したいずれかのワーク保持治具を用いて、少なくとも2つの処理予定面がワーク収容部から露出したワークのいずれかの処理予定面に処理を行う工程と、前記ワーク保持治具を所定角度だけ回転させ、当該ワークの他のいずれかの処理予定面に処理を行う工程とを有する。このような方法で電子部品を製造することにより、ワークの複数の処理予定面に連続した処理を高精度で行うことができる。
【0031】
あるいは、本発明に係る電子部品の製造方法は、上述したいずれかのワーク保持治具を、隣り合う一方のワーク保持治具のワーク収容部の第1当接面と、隣り合う他方のワーク保持治具のワーク収容部の第2当接面とが同一方向を向くように、所定角度だけ回転させて配列する工程と、
前記一方のワーク保持治具の前記第1当接面の反対側から露出したワークの処理予定面と、前記他方のワーク保持治具の前記第2当接面の反対側から露出したワークの処理予定面とに処理を行う工程とを有していてもよい。
【0032】
このような方法で電子部品を製造することにより、スキージ等によって、隣り合う一方のワーク保持治具のワーク収容部の第1当接面の反対側に露出した処理予定面と、隣り合う他方のワーク保持治具のワーク収容部の第2当接面の反対側に露出した処理予定面とに、連続した処理をまとめて高精度で行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0035】
第1実施形態
図1Aに示すように、本発明の第一実施形態に係るワーク保持治具1A,1Bは、ワーク保持機構10と、ワーク保持機構10に着脱自在に構成してある補助部材20とを有する。電子部品処理装置では、複数のワーク保持治具1A,1Bが、
図1Aに示すように、各々配列された状態で備えられる。
図1Aに示す例では、2つのワーク保持治具1A,1Bが、それぞれ略平行に配列されており、一方のワーク保持治具1Aは、他方のワーク保持治具1Bに対して、Y軸を中心軸として時計回りに90°回転させてある。
【0036】
ワーク保持治具1A,1Bは、電子部品の製造時において、端子電極を形成するために、複数の電子部品の素体(以下、ワーク50)を整列保持するための治具である。ワーク保持治具1A,1Bは、電子部品処理装置(図示略)の補助治具として用いられ、電子部品処理装置(図示略)に複数具備される。
【0037】
電子部品処理装置としては、たとえば印刷装置、捺印装置、あるいは塗布装置等が例示される。電子部品の製造時には、たとえば印刷装置に備わるスキージ等によって、ワーク保持治具1A,1Bに保持された複数のワーク50の処理予定面(本実施形態では、
図1Bに示す鍔部52a,52bの表面)に電極膜(端子電極)形成処理が施される。
【0038】
以下において、まず、ワーク50に電極膜形成処理を施してなる電子部品の詳細について説明する。以下の説明において、ワーク保持治具1A,1Bの長手方向と平行な方向をY軸方向、Y軸と垂直な方向をX軸方向、Y軸およびX軸に垂直な方向をZ軸方向とする。
【0039】
図1Bに示すように、一方のワーク保持時具1Aに保持されるワーク50(電子部品の素体)は、ドラムコアからなり、X軸方向に巻軸を持つ巻芯部51と、巻芯部51のX軸方向の両端に備えられる一対の鍔部52aおよび52bとを有する。鍔部52a,52bは、X軸方向に関して所定の間隔を空けて、互いに略平行になるように配置されている。巻芯部51は、一対の鍔部52a,52bにおいて互いに向かい合うそれぞれの面の中央部に接続しており、一対の鍔部52a,52bを接続している。
【0040】
図1Cに示すように、鍔部52a,52bは、略直方形状(略六面体)からなり、上面52a1,52b1と、上面52a1,52b1とはZ軸方向に反対側にある下面52a2,52b2と、端面52a3,52b3と、第1側面52a4,52b4と、第1側面52a4,52b4とはY軸方向に反対側にある第2側面52a5,52b5と、端面52a3,52b3とはX軸方向に反対側にある内側面52a6,52b6とを有する。上面52a1,52b1または下面52a2,52b2は、たとえば回路基板等に接合される部分である。
【0041】
図1Cに示すように、鍔部52a,52bには、所定パターンの電極膜53が形成される。電極部53は、たとえば金属ペースト焼付け膜や金属メッキ膜で構成される。電極膜53は、上面電極部531と、端面電極部532と、下面電極部533とを有し、これらは電気的および物理的に接続される。
【0042】
上面電極部531は、XY平面に平行な面からなり、上面52a1,52b1に形成される。端面電極部532は、YZ平面に平行な面からなり、端面52a3,52b3に形成される。下面電極部533は、XY平面に平行な面からなり、下面52a2,52b2に形成される。
【0043】
次に、ワーク保持治具1A,1Bの詳細について説明する。ワーク保持治具1Aおよび1Bは、それぞれ同様の構成を有するため、以下の説明では、ワーク保持治具1Aを参照しつつ、ワーク保持治具1A,1Bの詳細について説明する。
【0044】
ワーク保持治具1Aにおいて、X軸方向はワーク保持治具1Aの長さ方向に対応し、Y軸方向はワーク保持治具1Aの幅方向に対応し、Z軸方向はワーク保持治具1Aの高さ方向に対応する。また、以下では、Z軸の矢印方向側を上方とし、Z軸の矢印方向とは反対方向側を下方とする。
【0045】
図1Aに示すように、ワーク保持治具1Aは、Y軸方向に細長い形状を有する。ワーク保持機構10と補助部材20との結合時において、ワーク保持治具1Aの結合体の長手方向に垂直な断面形状は略正方形状である。より詳細には、ワーク保持治具1AのY軸方向長さは、たとえば200〜300mmであり、X軸方向幅は10〜30mmであり、Z軸方向幅は10〜30mmである。
【0046】
ワーク保持機構10は、複数のワーク収容部13を有する。ワーク収容部13は、凹部からなり、上方および側方にワークを受け入れ可能な開放部が形成してある。この開放部を通じて、ワーク収容部13には、ワーク50が収容される。
【0047】
図1Bに示すように、ワーク収容部13は、第1当接面131と、第2当接面132と、第3当接面133と、対向面134とを有する。
【0048】
第1当接面131は、ワーク保持治具1の幅方向および長さ方向に平行な面(図示の例では、XY平面)からなる。第2当接面132は、ワーク保持治具1の長さ方向および高さ方向に平行な面(図示の例では、YZ平面)からなる。第3当接面133は、ワーク保持治具1の幅方向および高さ方向に平行な面(図示の例では、XZ平面)からなる。対向面134は、ワーク保持治具1の長さ方向および高さ方向に平行な面(図示の例では、XZ平面)からなり、第3当接面とはY軸方向反対側に配置してある。
【0049】
第2当接面132および第3当接面133は、互いに略直角に交差し、角部を形成している。同様に、第2当接面132および対向面134は、互いに略直角に交差し、角部を形成している。
【0050】
ワーク収容部13にワーク50を収容すると、ワーク収容部13の第1当接面131には、
図1Cに示すワーク50の鍔部52a,52bの下面52a2,52b2が当接する。また、
図1Bに示すワーク収容部13の第2当接面132には、
図1Cに示すワーク50の鍔部52bの端面52b3が当接する。また、
図1Bに示すワーク収容部13の第3当接面133には、
図1Cに示すワーク50の鍔部52a,52bの第2側面52a5,52b5が当接する。すなわち、
図1Bに示す第1当接面131と、第2当接面132と、第3当接面133とには、ワーク50の3面が当接する。
【0051】
本実施形態では、第1当接面131および第3当接面133のX軸方向幅は、
図1Cに示す鍔部52a,52bの端面52a3,52b3間の
X軸方向幅よりも若干短くなるように形成してある。また、
図1Bに示す第2当接面132、第3当接面133および対向面134とのZ軸方向幅は、鍔部52a,52bのZ軸方向高さよりも若干小さくなるように形成してある。
【0052】
そのため、ワーク収容部13にワーク50を収容すると、第1当接面131の反対側と、第2当接面132の反対側とから、ワーク収容部13に収容してあるワーク50の処理予定面(所定パターンの電極膜53が形成される予定面)が、ワーク収容部13の外側に突出する。
【0053】
より詳細には、
図1Cに示す鍔部52a,52bの上面52a1,52b1が、
図1Bに示す第1当接面131の反対側から突出するとともに、ワーク収容部13の外側に露出する。また、
図1Cに示す鍔部52aの端面52a3が、
図1Bに示す第2当接面132の反対側から突出するとともに、ワーク収容部13の外側に露出する。
【0054】
なお、ワーク50を、上下(Z軸方向)および左右(Y軸方向)を反転させた状態でワーク収容部13の内部に収容した場合には、
図1Cに示す鍔部52a,52bの下面52a2,52b2が、
図1Bに示す第1当接面131の反対側から突出するとともに、ワーク収容部13の外側に露出する。また、
図1Cに示す鍔部52bの端面52b3が、
図1Bに示す第2当接面132の反対側から突出するとともに、ワーク収容部13の外側に露出する。
【0055】
本実施形態では、第1当接面131の反対側から突出した鍔部52a,52bの上面52a1,52b1の突出量と、第2当接面132の反対側から突出した鍔部52aの端面52a3の処理予定面の突出量とが、略等しくなっている。
【0056】
本実施形態では、ワーク50をワーク収容部13に収容すると、ワーク収容部13の第2当接面132および第3当接面133に沿うように、ワーク50の鍔部52bの端面52b3(
図1C参照)および鍔部52a,52bの第2側面52a5,52b5(
図1C参照)が配置される。そのため、
図1Bに示すように、ワーク収容部13に収容してあるワーク50は、第2当接面132と、第3当接面133とがなす角部の内側に配置されることになる。
【0057】
ワーク50は、第3当接面133側に偏って配置され、ワーク50の第1側面52a4と対向面134との間には隙間が形成されるようになっている。なお、この隙間の大きさは、ワーク50の大きさ(特に、Y軸方向幅)に応じて適宜設定してもよい。
【0058】
第2当接面132には、ワーク収容部13に収容してあるワーク50とは反対側(当該ワーク50の鍔部52bの端面52b3(
図1C参照)の法線方向)に向かって凹む凹部132aが形成してある。凹部132aは、第2当接面132のうち、第3当接面133側に偏って形成してある。
【0059】
凹部132aは、ワーク保持治具1Aの上方から見て、長孔形状を有するが、凹部132aの形状は特に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。また、凹部132aのZ軸方向深さは、ワーク収容部13のZ軸方向深さと同じであってもよいが、異なっていていてもよい。
【0060】
凹部132aのY軸方向幅は、鍔部52a,52bのY軸方向幅よりも小さい。このような構成とすることにより、ワーク50をワーク収容部13に収容したときに、ワーク50が凹部132aの内部に埋没することが防止される。
【0061】
本実施形態では、ワーク保持機構10は、第1ワーク保持部11と、第2ワーク保持部12と有し、各ワーク保持部11,12に分離可能に取り付けられる。
図2Aに示すように、第1ワーク保持部11および第2ワーク保持部12は、それぞれ断面において段差部を有し、各段差部を着脱自在に係合させることにより、各ワーク保持部11,12を組み合わせることが可能となっている。
【0062】
図1Aに示すように、第2ワーク保持部12には、ねじ穴60が形成してあり、ねじ穴60にねじ70を挿通することにより、第1ワーク保持部11と第2ワーク保持部12とを強固に固定することが可能となっている。
【0063】
本実施形態では、ワーク収容部13は、第1ワーク保持部11と第2ワーク保持部12とを組み合わせることにより形成される。すなわち、ワーク収容部13は、分離可能に構成してある。以下、ワーク収容部13の詳細な構造について説明する。
【0064】
第1ワーク保持部11は、第1仕切端部111と、第2仕切端部112と、複数の仕切部113と、複数の凹部114とを有する。複数の仕切部113は、Y軸方向に沿って所定の厚みを有し、第1ワーク保持部11の長手方向に沿って、所定の間隔を空けつつ配置してある。なお、仕切部113のY軸方向に沿った厚みは、特に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0065】
第1仕切端部111は第1ワーク保持部11の長手方向一端に形成してあり、第2仕切端部112は第1ワーク保持部11の長手方向他端に形成してある。
【0066】
複数の凹部114の各々は、第1仕切端部111とこれに隣り合う仕切部113との間と、第2仕切端部112とこれに隣り合う仕切部113との間と、複数の仕切部113の各々の間とに形成してある。凹部114の上方は、開放してある。また、
第1ワーク保持部11と
第2ワーク保持部12とが分離している状態において、凹部114の側方(幅方向両端)は開放してある。
【0067】
第2ワーク保持部12は、端面部121を有する。端面部121は、第
2ワーク保持部12の幅方向一端を構成し、端面部121には上述したワーク収容部13の凹部132aが形成してある。なお、第2ワーク保持部12の上面と、仕切部113の上面とが面一になっていることが好ましいが、段差が形成されていてもよい。
【0068】
ワーク保持治具1Aにおいて、
第1ワーク保持部11に
第2ワーク保持部12が組み合わされると、凹部114の側方(X軸方向一端)に、
第2ワーク保持部12の端面部121(
図1Bに示すワーク収容部13の第2当接面132に対応する部分)が当接する。これにより、凹部114の幅方向一端が閉塞し、幅方向他端が開放してあるワーク収容部13が形成される。
【0069】
すなわち、
図1Bに示すように、ワーク収容部13に収容されるワーク50の鍔部52a,52bの上面52a1,52b1(
図1C参照)と、鍔部52aの端面52a3(
図1C参照)が露出するように、第1当接面131の反対側と、第2当接面132の反対側とが開放してあるワーク収容部13が形成される。
【0070】
図1Bに示す例では、第1当接面131と第3当接面133とが、第1ワーク保持部11に形成してあり、第2当接面132が、第2ワーク保持部12に形成してある。しかしながら、ワーク収容部13の態様としては、必ずしも、図示の例のように、第1ワーク保持部11と第2ワーク保持部12とを組み合わせて構成する必要はなく、たとえば、ワーク収容部13を第1ワーク保持部11にのみ形成してもよい。
【0071】
図3に示すように、ワーク保持機構10に組み合わされる補助部材20は、本体部21と、複数のマグネット22と、マグネット保持部23と、位置決め突起24とを有する。図示の例では、本体部21は、第1ワーク保持部11と略同一の長さ、幅および高さを有する。図示の例では、2つの位置決め突起24が、本体部21の長手方向両端に形成してある。位置決め突起24は、ワーク保持機構10と補助部材20との装着時に、第1ワーク保持部11が有する位置決め凹部(図示略)に係合する。
【0072】
マグネット保持部23は、本体部21の長手方向に沿って形成してあり、本体部21の幅方向一端に配置してある。マグネット保持部23は、複数(ワーク収容部13の個数と同様)のマグネット22を収容するための複数の収容凹部220を有する。複数の収容凹部220の各々は、マグネット保持部23の長手方向に沿って、所定の間隔を空けつつ配置してある。
【0073】
マグネット22は、略円柱状の形状を有し、収容凹部220の内部に収容してある。マグネット22は、ワーク収容部13に収容してあるワーク50を、第1当接面131、第2当接面132および第3当接面133に当接するように引き寄せる引き寄せ手段としての役割を果たす。マグネット22の一端は、収容凹部220の上端から露出し、第1保持部11のワーク収容部13の第1当接面131を向いている。
【0074】
マグネット22は、
図1Bに示す第1ワーク保持部11の凹部114の下方、すなわちワーク収容部13の下方に配置してある。より詳細には、
図3に示すマグネット22は、
図1Bに示すワーク収容部13のうち、第2当接面132と第3当接面
133とがなす角部に、磁力によって、ワーク50を引き寄せる役割を果たす。
【0075】
電子部品の製造では、まず、
図2Aに示すように複数のワーク保持治具1A,1Bと、たとえばドラム型のワーク50とを準備する(ワーク準備工程)。ワーク50には、
図1Bに示す巻芯部51と鍔部52a,52bとが一体に成形される。本実施形態では、ワーク50の鍔部52a,52bの上面52a1,52b1、下面52a2,52b2および端面52a3,52b3が処理予定面である。
【0076】
次に、
図2A示すように、複数のワーク50の各々をワーク保持治具1A,1Bの各ワーク収容部13の内部に収容する(ワーク収容工程)。ワーク収容工程では、鍔部52bの端面52b3が第2当接面132に当接し、鍔部52bの第2側面52b5が第3当接面133に当接するように、各ワーク50を各ワーク収容部13の内部に配置する。
【0077】
このようにして各ワーク収容部13の内部に収容された各ワーク50は、
図3に示す第2ワーク保持部12の各マグネット22の磁力によって、
図1Bに示す第1当接面131と第2当接面132とがなす角部に引き寄せられ、当該角部の内側に位置決めされる。
【0078】
次に、
図1Bに示すように、ワーク保持治具1A,1Bの各々を、隣り合う一方のワーク保持治具1Aのワーク収容部13の第1当接面131と、隣り合う他方のワーク保持治具1Bのワーク収容部13の第2当接面132とが同一方向(Z軸上方)を向くように、所定角度(90度)だけ回転させて配列する(ワーク配列工程)。
【0079】
この結果、
図2Aに示すように、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50では、鍔部52aの端面52a3が上方を向き、ワーク収容部13の第2当接面132の反対側から露出する。また、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50では、鍔部52a,52bの上面52a1,52b1が上方を向き、ワーク収容部13の第1当接面131の反対側から露出する。
【0080】
次に、ワーク収容部13から露出したワーク50の処理予定面(上面52a1,52b1および端面52a3)に、スクリーン印刷等で電極膜形成処理を行い、所定パターンで
図1Cに示す電極部53を形成する(第1処理工程)。
【0081】
より詳細には、
図2Aに示すように、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52aの端面52a3に電極膜形成処理を行い、電極部53の端面電極部532を形成する。
【0082】
また、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52a,52bの上面52a1,52b1に電極膜形成処理を行い、電極部53の上面電極部531,531を形成する。
【0083】
なお、電極膜形成処理は、スキージ等を用いて、ワーク保持治具1に保持されている各ワーク50の処理予定面に、スクリーンを通じて金属ペースト(たとえば、Agペースト)を塗布することにより行われる。
【0084】
次に、ワーク保持治具1A,1Bを所定角度だけ回転させる。より詳細には、
図2Bに示すように、ワーク保持治具1Bについては、第1当接面131が上方を向くように、Y軸を中心軸として
反時計回りに90度回転させる。また、ワーク保持治具1Aについては、第2当接面132が上方を向くように、Y軸を中心軸として時計回りに90度回転させる。このように、ワーク保持治具1A,1Bを90度だけ回転させ、ワーク保持治具1A,1Bの左右の配置
を入れ替える。
【0085】
そして、引き続き、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52aの端面52a3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0086】
また、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52a,52bの上面52a1,52b1に電極膜形成処理を行い、上面電極部531,531を形成する。
【0087】
なお、ワーク保持治具1A,1Bの回転前後における一連の電極膜形成処理において、回転後の電極膜形成処理は、回転前の電極膜形成処理で形成された電極膜53が乾燥する前に行ってもよい。一連の電極膜形成処理の完了後、電極膜53を乾燥させてもよい(乾燥処理)。
【0088】
次に、
図2Cに示すように、ワーク50をワーク保持治具1A,1Bのワーク収容部13からそれぞれ取り出し、ワーク50の上下左右を反転させ、上述したワーク収容工程を行う。この結果、
図2Cに示すように、
図2Bに示す鍔部52aの端面52a3に形成してある端面電極部532は、ワーク収容部13の第2当接面132に当接する。また、
図1Cに示す鍔部52a,52bの第2側面52a5,52b5は、
図1Bに示す第3当接面133に当接する。また、
図2Cに示すように、
図2Bに示す鍔部52a,52bの上面52a1,52b1に形成してある上面電極部531,531は、第1当接面131に当接する。
【0089】
この結果、
図2Cに示すように、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50では、鍔部52bの端面52b3が上方を向き、ワーク収容部13の第2当接面132の反対側から露出する。また、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50では、鍔部52a,52bの下面52a2,52b2が上方を向き、ワーク収容部13の第1当接面131の反対側から露出する。
【0090】
次に、再び、ワーク収容部13から露出したワーク50の処理予定面(下面52a2,52b2および端面52b3)に電極膜形成処理を行う(第2処理工程)。
【0091】
第2処理工程では、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52a,52bの下面52a2,下面52b2に電極膜形成処理を行い、下面電極部533,533を形成する。
【0092】
また、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52bの端面52b3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0093】
次に、ワーク保持治具1A,1Bを所定角度だけ回転させる。より詳細には、ワーク保持治具1Bについては、第2当接面132が上方を向くように、Y軸を中心軸として時計回りに90度回転させる。また、ワーク保持治具1Aについては、第1当接面131が上方を向くように、Y軸を中心軸として
反時計回りに90度回転させる。このように、ワーク保持治具1A,1Bを90度だけ回転させ、
図2Dに示すように、ワーク保持治具1A,1Bの左右の配置
を入れ替える。
【0094】
そして、引き続き、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52bの端面52b3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0095】
また、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50について、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52a,52bの下面52a2,52b2に電極膜形成処理を行い、下面電極部533,533を形成する。
【0096】
一連の電極膜形成処理の完了後、乾燥処理を行ってもよい。なお、第2処理工程の後に、ワーク50を所定の温度で焼き付けた後、その処理予定面に、必要に応じて、たとえば電
解メッキまたは無電
解メッキを施し、メッキ膜を形成する。
【0097】
本実施形態では、ワーク収容部13にワーク50を収容すると、ワーク50の2つの処理予定面(上面52a1,52b1および端面52a3あるいは下面52a2,52b2および端面52b3)が、ワーク収容部13の第1当接面131の反対側と、第2当接面132の反対側とから露出する。
【0098】
本実施形態では、このワーク収容部13から露出したワーク50の処理予定面を印刷用スクリーン等に向けることで、当該処理予定面に所定パターンの電極膜53を形成することが可能である。そして、ワーク収容部13から露出したワーク50のいずれかの処理予定面(たとえば、上面51a1,51b1)に上面電極部531を形成した後は、ワーク保持治具1を90度だけ回転させ、ワーク収容部13から露出した他のいずれかの処理予定面(たとえば、端面51a3)を印刷用スクリーン等に向けることで、当該処理予定面に端面電極部532を上面電極部531に連続して位置ずれすることなく所定パターンで形成することができる。
【0099】
すなわち、本実施形態では、従来とは異なり、処理予定面に電極膜を形成する都度、ワークをワーク保持治具から取り外し、ワークの向きを変える必要がなく、ワーク収容部13から露出した2つの処理予定面(たとえば、上面52a1,52b1および端面52a3)に、連続的に電極膜53を形成することが可能である。したがって、ワーク50の取り外しに起因して生じ得る電極膜53の位置ずれや欠損等の不具合を防止し、ワーク50の所定位置に電極膜53を高精度で形成することができる。
【0100】
また、本実施形態に係るワーク保持治具1A,1Bを用いることにより、ワーク50の処理予定面に、電極膜53だけではなく、その他の機能被膜(たとえば、絶縁膜)を形成することも可能である。また、処理予定面には、被膜形成処理だけではなく、その他の処理(たとえば、エッチング等の表面処理)を行うことも可能である。いずれの処理についても、上述した要領でワーク保持治具1A,1Bを90度だけ回転させ、処理対象の処理予定面を順次シフトしていくことにより、ワーク50の複数の処理予定面に連続した処理を高精度で行うことができる。
【0101】
また、ワーク50が第1当接面131と、第2当接面132と、第3当接面133とで位置決めされることにより、ワーク50の位置ずれを防止し、ワーク50の複数の処理予定面に連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0102】
また、本実施形態では、複数のワーク保持治具1A,1Bを、ワーク保持治具1Aに保持されたワーク50の第1当接面131とは反対側の処理予定面(鍔部52a,52bの上面52a1,52b1)と、ワーク保持治具1Bに保持されたワーク50の第2当接面132とは反対側の処理予定面(鍔部52aの端面53a3)とが略面一になるように配列する。そして、これらに保持されたワーク50の別々の処理予定面に同時に処理を行う。そのため、2つのワーク50の処理予定面に同時に電極膜形成処理などの処理を行うことができる。
【0103】
また、本実施形態では、ワーク収容部13に収容してあるワーク50の2つの処理予定面(上面52a1,52b1と端面52a3)が、それぞれ第1当接面131の反対側と、前記第2当接面132の反対側とから露出するように、ワーク50がワーク収容部13に収容される。そのため、第1当接面131の反対側から露出した上面52a1,52b1と、第2当接面132の反対側から露出した端面52a3とに、上述した要領で、連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0104】
また、本実施形態では、第1当接面131の反対側と、第2当接面132の反対側とから、2つの処理予定面(たとえば、上面52a1,52b1と端面52a3)が、ワーク収容部13の外側に突出するように、ワーク50がワーク収容部13に収容される。そのため、ワーク収容部13の外側にワーク50の各処理予定面が突出し、スキージ等によって、各処理予定面に電極膜形成処理などの処理を容易に行うことができる。
【0105】
また、本実施形態では、第1当接面131の反対側から突出したワーク50の端面52a3の突出量と、第2当接面の反対側から突出したワーク50の上面52a1,52b1突出量とが略等しい。そのため、ワーク保持治具1A,1Bを90度だけ回転させたときに、印刷用スクリーン等とワーク50の処理予定面の間の距離が、常に一定となるように調整しやすくなる。したがって、ワーク保持治具1を90度だけ回転させる都度、上記距離を調整する必要がなく、スキージ等によって、容易にワーク50の処理予定面に電極膜を形成することができる。
【0106】
また、本実施形態では、ワーク保持機構10は、複数のワーク収容部13を具備する。そのため、複数のワーク50の各々を各ワーク収容部13に配置することが可能となり、一度に複数のワーク50に端子電極を高精度で形成することができる。
【0107】
また、本実施形態では、第2当接面132には、ワーク収容部13に収容されるワーク50とは反対側に向かって凹む凹部132aが形成してある。そのため、処理予定面に所定の処理を行った後、凹部132aにピン等を挿入し、このピン等で掻き出すように、第2当接面132に固定してあるワーク50を押し出すことにより、ワーク収容部13からワーク50を取り出すことができる。
【0108】
また、本実施形態では、ワーク保持機構10は、第1ワーク保持部11と、第1ワーク保持部11に分離可能に取り付けられる第2ワーク保持部12とを有し、第1当接面131と第3当接面
133とが、第1ワーク保持部11に形成してあり、第2当接面132が、第2ワーク保持部12に形成してある。そのため、下記のような態様で処理を行うことが可能となる。
【0109】
すなわち、予め、ワーク収容部13のサイズ(第1当接面131および第3当接面133の面積)が各々異なる複数の第1ワーク保持部11を準備しておき、処理を行うワーク50のサイズに応じて、所望のサイズのワーク収容部13を有する第1ワーク保持部11を選択する。この第1ワーク保持部11を第2ワーク保持部12に装着して処理を行えば、第2ワーク保持部12を変えずに済むため、他品種の電子部品50の生産性を向上させることができる。
【0110】
また、本実施形態では、ワーク収容部13に収容してあるワーク50は、第2当接面132と、第3当接面133とがなす角部の内側に配置される。そのため、ワーク収容部13の角部の内側にワーク50を容易に位置決めすることが可能となる。したがって、ワーク50の位置ずれを防止し、ワーク50の複数の処理予定面に連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0111】
また、本実施形態では、ワーク保持治具1A,1Bの長手方向に垂直な断面形状が略正方形状である。そのため、ワーク保持治具1A,1Bを90度回転させたときに、印刷用スクリーン等とワーク50の処理予定面の間の距離を、常に一定とすることが容易になる。
【0112】
また、複数のワーク保持治具1A,1Bを隣り合うように配列した場合、各ワーク保持治具1A,1Bを所定角度だけ回転させたときに、隣り合うワーク保持治具1A,1B間で、保持されるワーク50の処理予定面を略面一にしやすくなり、スクリーン印刷などの処理が行いやすくなる。
【0113】
また、本実施形態では、ワーク収容部13に収容してあるワーク50を、第1当接面131、第2当接面132および第3当接面133に当接するように引き寄せるマグネット22を有する。そのため、ワーク収容部13に収容してあるワーク50を第2当接面132および第3当接面133に当接するように引き寄せることが可能となり、ワーク保持治具1A,1Bに対するワーク50の位置決め精度を向上させることができる。
【0114】
また、本実施形態では、補助部材12がワーク保持機構11と着脱自在に構成してあるため、ワーク保持治具1A,1Bの内部等に塵等(フェライトの粉や欠け等)が蓄積した場合であっても、補助部材12をワーク保持機構11から取り外し、ワーク保持治具1A,1Bの内部等を掃除することができる。
【0115】
第2実施形態
本実施形態に係るワーク保持治具1A,1Bでは、電極膜形成処理の態様が異なる以外は、第1実施形態に係るワーク保持治具1A,1Bと同様である。以下、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、共通する部分の説明は省略する。また、図面に示す部材において、共通する部材には共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0116】
図1Dに示すように、ワーク50Aに本実施形態における電極膜形成処理を施してなる電子部品は、電極膜53Aが下面電極部に相当する構成を具備していないという点と、端面電極部532AのZ軸方向幅が第1実施形態における端面電極部532のZ軸方向幅よりも短いという点において、第1実施形態における電子部品とは異なる。端面電極部532Aは、ワーク50Aの鍔部52a,52bの端面52a3,52b3の略上半分にのみ形成される。
【0117】
本実施形態では、第1処理工程(ワーク保持治具1A,1Bを回転する前の工程)において、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52aの端面52a3の略上半分にのみ電極膜形成処理を行い、端面電極部532Aを形成する。
【0118】
また、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52aの上面52a1にのみ電極膜形成処理を行い、上面電極部531を形成する。なお、鍔部52bの上面52b1には電極膜形成処理が行われないように、マスクされていることが好ましい。
【0119】
また、
図2Fに示すように、ワーク保持治具1A,1Bを90度だけ回転させた後も、引き続き、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52aの上面52a1にのみ電極膜形成処理を行い、上面電極部531を形成する。鍔部52bの上面52b1には電極膜形成処理が行われないように、マスクされていることが好ましい。
【0120】
また、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52aの端面52a3の略上半分にのみ電極膜形成処理を行い、端面電極部532Aを形成する。
【0121】
本実施形態では、第1処理工程の完了後、ワーク50Aをワーク保持治具1A,1Bのワーク収容部13から取り出し、ワーク50Aの上下は反転させずに、左右のみを反転させ、ワーク収容部13の内部に収容する。
【0122】
第2処理工程(ワーク保持治具1A,1Bを回転した後の工程)においても、上述した要領で電極膜形成処理を行う。すなわち、
図2Gに示すように、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52bの端面52b3の略上半分にのみ電極膜形成処理を行い、端面電極部532Aを形成する。
【0123】
また、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52bの上面52b1にのみ電極膜形成処理を行い、上面電極部531を形成する。鍔部52aの上面52a1には電極膜形成処理が行われないように、マスクされていることが好ましい。
【0124】
また、
図2Hに示すように、ワーク保持治具1A,1Bを90度だけ回転させた後も、引き続き、ワーク保持治具1Bのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第2当接面132の反対側から露出している鍔部52bの端面52b3の略上半分にのみ電極膜形成処理を行い、端面電極部532Aを形成する。
【0125】
また、ワーク保持治具1Aのワーク収容部13に収容してあるワーク50Aについて、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52bの上面52b1にのみ電極膜形成処理を行い、上面電極部531を形成する。鍔部52aの上面52a1には電極膜形成処理が行われないように、マスクされていることが好ましい。
【0126】
本実施形態によれば、第1実施形態に係るワーク保持治具1A,1Bを用いることにより、たとえば下面電極部に相当する構成を具備しない電極部53Aを形成することが可能であり、電子部品の用途等に応じて、種々の電極部を形成することができる。
【0127】
第3実施形態
図5Aおよび
図5Bに示すように、本実施形態に係るワーク保持治具201では、ワーク保持機構210の構成が異なる以外は、第1実施形態に係るワーク保持治具1Aまたは1Bと同様である。以下、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、共通する部分の説明は省略する。また、図面に示す部材において、共通する部材には共通する符号を付し、その説明は一部省略する。
【0128】
図5Aに示すように、本実施形態におけるワーク保持機構210のZ軸方向の上部には、Y軸方向に沿って複数のワーク収容部213を有する。
【0129】
ワーク収容部213は、凹部114によって構成され、第1実施形態におけるワーク収容部13とは異なり、凹部114のX軸方向の両側が外部に開放している。
【0130】
図5Bに示すように、ワーク収容部213は、
図1Bに示す第2当接面132に替えて第2当接面232を有するという点において、第1実施形態におけるワーク収容部13とは異なる。
【0131】
第2当接面232は、ワーク保持治具201の長さ方向および高さ方向に平行な面(図示の例では、YZ平面)からなり、仕切部113の幅方向(X軸方向)の両側面に対応する。本実施形態では、1つのワーク収容部213について、2つの第2当接面232が備わっている。
【0132】
ワーク収容部213において、第2当接面232および第3当接面133は、互いに略直角に交差し、角部を形成している。同様に、対向面134および第2当接面132は、互いに略直角に交差し、角部を形成している。
【0133】
ワーク収容部213にワーク50を収容すると、ワーク収容部213の第1当接面131および第3当接面133には、ワーク50の巻芯部51の外周面が当接する。また、ワーク収容部213のいずれか一方の第2当接面232には、ワーク50の鍔部52a,52bのいずれか一方の内側面52a6,52b6が当接する。
【0134】
すなわち、本実施形態では、ワーク50をワーク収容部213に収容すると、ワーク収容部213の第2当接面232および第3当接面133に沿うように、ワーク50の巻芯部51の外周面および鍔部52a,52bの内側面52a6,52b6が配置される。そのため、ワーク収容部213に収容してあるワーク50は、第2当接面232と、第3当接面133とがなす角部の外側に配置されることになる。
【0135】
ワーク50は、第3当接面133側に偏って配置してあり、詳細な図示は省略するが、ワーク50の巻芯部51の外周面と対向面134との間にはわずかに隙間が形成してある。
【0136】
この隙間は、
図5Aに示す補助部材20が有するマグネット22(
図3参照)にワーク50が引き寄せられることにより形成され、ワーク50の大きさ(特に、Y軸方向幅)に応じて適宜変動する。本実施形態では、マグネット22は、ワーク収容部213に収容してあるワーク50を、第1当接面131および第3当接面133に当接するように引き寄せる。
【0137】
ワーク保持治具201を用いた電子部品の製造では、まず、
図6A〜
図6Cに示すように、複数(図示の例では、3つ)のワーク保持治具201A,201B,201Cを準備する。なお、ワーク保持治具201A,201B,201Cの構成は、
図5Aに示すワーク保持治具201の構成と同様である。
【0138】
そして、
図5Bに示すような態様で、複数のワーク50の各々をワーク保持治具201A〜201Cの各ワーク収容部
213の内部に収容する(ワーク収容工程)。
図5Bに示すように、ワーク収容工程では、巻芯部51の外周面の一部が第3当接面133に当接し、鍔部52a,52bの内側面52a6,52b6が第2当接面232,232に当接するように、各ワーク50を各ワーク収容部213の内部に配置する。
【0139】
次に、
図6Aに示すように、ワーク保持治具201A〜201Cの各々を配列する(ワーク配列工程)。ワーク配列工程では、隣り合う一方のワーク保持治具201A〜201Cと、隣り合う他方のワーク保持治具201A〜201Cとを、Y軸を中心軸として所定角度(90度)だけ回転して配列する。図示の例では、ワーク保持治具201Bが中央に配置してあり、ワーク保持治具201A,201Cが、それぞれY軸を中心軸として90度だけ回転した状態で、ワーク保持治具201Bの左右に配置してある。
【0140】
この結果、ワーク保持治具201Aのワーク収容部213に収容してあるワーク50では、鍔部52aの端面52a3が上方を向き、ワーク収容部213の第2当接面232(図示略)の反対側から露出する。また、ワーク保持治具201Bのワーク収容部213に収容してあるワーク50では、鍔部52a,52bの上面52a1,52b1が上方を向き、ワーク収容部213の第1当接面131の反対側から露出する。また、ワーク保持治具201Cのワーク収容部213に収容してあるワーク50では、鍔部52bの端面52b3が上方を向き、ワーク収容部213の第2当接面232(図示略)の反対側から露出する。
【0141】
次に、ワーク収容部213から露出したワーク50の処理予定面(上面52a1,52b1および端面52a3,52b3)に電極膜形成処理を行う。(第1処理工程)。
【0142】
より詳細には、
図6Aに示すように、ワーク保持治具201Aのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第2当接面232(図示略)の反対側から露出している鍔部52aの端面52a3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0143】
また、ワーク保持治具201Bのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52a,52bの上面52a1,52b1に電極膜形成処理を行い、上面電極部531,531を形成する。
【0144】
また、ワーク保持治具201Cのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第2当接面232(図示略)の反対側から露出している鍔部52bの端面52b3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0145】
次に、
図6Bに示すように、ワーク保持治具201A〜201Cを所定角度だけ回転させる。より詳細には、ワーク保持治具201Aについては、第1当接面131が上方を向くように、Y軸を中心軸として反時計回りに90度回転させる。また、ワーク保持治具201Bについては、第2当接面232(図示略)が上方を向くように、Y軸を中心軸として反時計回りに90度回転させる。また、ワーク保持治具201Cについては、第2当接面232(図示略)が上方を向くように、Y軸を中心軸として反時計回りに180度回転させる。
【0146】
このように、ワーク保持治具201A〜201Cを所定角度だけ回転させると、
図6Aにおいてワーク保持治具201Aが配置されていた位置にワーク保持治具201Cが配置され、ワーク保持治具201Bが配置されていた位置にワーク保持治具201Aが配置され、ワーク保持治具201Cが配置されていた位置にワーク保持治具201Bが配置される。
【0147】
そして、引き続き、ワーク保持治具201Aのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52a,52bの上面52a1,52b1に電極膜形成処理を行い、上面電極部531,531を形成する。
【0148】
また、ワーク保持治具201Bのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第2当接面232(図示略)の反対側から露出している鍔部52bの端面52b3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0149】
また、ワーク保持治具201Cのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第2当接面232(図示略)の反対側から露出している鍔部52aの端面52a3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0150】
次に、
図6Cに示すように、ワーク保持治具201A〜201Cを所定角度だけ回転させる。より詳細には、ワーク保持治具201Cについては、第1当接面131が上方を向くように、Y軸を中心軸として反時計回りに90度回転させる。また、ワーク保持治具201Aについては、第2当接面232が上方を向くように、Y軸を中心軸として反時計回りに90度回転させる。また、ワーク保持治具201Bについては、第2当接面232が上方を向くように、Y軸を中心軸として反時計回りに180度回転させる。
【0151】
このように、ワーク保持治具201A〜201Cを所定角度だけ回転させると、
図6Bにおいてワーク保持治具201Aが配置されていた位置にワーク保持治具201Cが配置され、ワーク保持治具201Bが配置されていた位置にワーク保持治具201Aが配置され、ワーク保持治具201Cが配置されていた位置にワーク保持治具201Bが配置される。
【0152】
そして、引き続き、ワーク保持治具201Aのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第2当接面232の反対側から露出している鍔部52bの端面52b3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0153】
また、ワーク保持治具201Bのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第2当接面232の反対側から露出している鍔部52aの端面52a3に電極膜形成処理を行い、端面電極部532を形成する。
【0154】
また、ワーク保持治具201Cのワーク収容部213に収容してあるワーク50について、第1当接面131の反対側から露出している鍔部52a,52bの上面52a1,52b1に電極膜形成処理を行い、上面電極部531,531を形成する。
【0155】
本実施形態では、ワーク収容部213に収容してあるワーク50は、第2当接面232と、第3当接面133とがなす角部の外側に配置してある。そのため、ワーク収容部213の角部の外側にワーク50が固定され、ワーク50の位置決めを行うことが可能となる。したがって、ワーク50の位置ずれを防止し、ワーク50の複数の処理予定面に連続した処理をより高精度で行うことができる。
【0156】
また、ワーク収容部213にワーク50を配置すると、ワーク収容部213からワーク50の3つの処理予定面(鍔部52a,52bの上面52a1,52b1および端面52a3,52b3)が、第1当接面131の反対側と、2つの第2当接面232の反対側とから露出する。したがって、上述した要領でワーク保持治具201を90度だけ回転させ、処理対象の3つの処理予定面を順次シフトしていくことにより、ワーク50の複数の処理予定面に連続した処理を高精度で行うことができる。
【0157】
また、本実施形態では、複数のワーク保持治具201A,201B,201Cを、ワーク保持治具201Aに保持されたワーク50の第1当接面131とは反対側の処理予定面と、ワーク保持治具201Bに保持されたワーク50の第2当接面132とは反対側の処理予定面と、ワーク保持治具201Cに保持されたワーク50の第2当接面132とは反対側の処理予定面とが略面一になるように配列する。そして、これらに保持されたワーク50の別々の処理予定面に同時に処理を行う。そのため、3つのワークの処理予定面に同時に電極膜形成処理などの処理を行うことができる。
【0158】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば、
図1Aに示す例では、ワーク保持治具1A,1Bを、それぞれ90度反転させた状態で配列していたが、
図4Aおよび
図4Bに示すように反転させずに配列してもよい。
【0159】
また、上記各実施形態では、巻芯部
51の横断面形状は矩形であったが、その横断面形状は特に限定されるものはなく、円形や略八角形、あるいはその他の多角形でもよい。
【0160】
また、上記実施形態では、鍔部52a,52bの横断面形状は、本実施形態では矩形であったが、その横断面形状は特に限定されるものではなく、円形や略八角形、あるいはその他の多角形でもよい。