(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明における好ましい実施の形態を説明する。
(1)本発明のコネクタは、前記変位規制部材は、前記端子保持部材において前記コネクタハウジングから突出する部分に取り付けられる基部と、前記基部に設けられ前記端子ユニットの変位規制を行う位置決め部とを備えて構成され、前記端子ユニットが前記変位規制部材を取り付けた状態で前記収容凹部内に収容されたときには前記位置決め部が前記コネクタハウジングに設けられた受け部内に位置決めされた状態で嵌め入れられる構成とすることが好ましい。
上記の構成によれば、変位規制部材は端子保持部材に装着可能であり、端子ユニットは変位規制部材を装着した状態で収容凹部内へ嵌め入れることができる。したがって、変位規制部材を新設すれば、既存の端子ユニットをそのまま利用することができる効果がある。
(2)また、本発明のコネクタは、前記コネクタハウジングに撓み可能なロックアームが形成される一方、前記収容凹部は前記ロックアームの撓み空間に対して開放状態で連通する構成であってもよい。
上記の構成によれば、収容凹部はロックアームの撓み空間に開放されている。つまり、収容凹部はロックアームの撓み空間に対する仕切り壁を設けなくとも、端子ユニットが撓み空間側へ変位しないよう位置決めされている。したがって、仕切り壁の厚み分だけコネクタの寸法を小さくすることができる。このことは、ロックアームの撓み方向に関してコネクタの設置スペースが制約を受ける場合に特に有効なものとなる。
(3)さらに、本発明のコネクタは、前記基部は拡開方向へ撓み可能な一対の側面壁を有し、前記端子保持部材に対し前記側面壁を撓み変形させた後、復帰変形して前記端子保持部材を跨ぐようにして装着可能であるとともに、前記側面壁の内面には前記端子保持部材に係止して前記変位規制部材が前記端子保持部材から抜けるのを規制する係止突起が形成される一方、前記端子ユニットが前記収容凹部に嵌め入れられたときには、前記側面壁の少なくとも一部が前記収容凹部の内壁に当接することで前記側面壁の開き止めがなされる構成としてもよい。
上記の構成によれば、端子ユニットが収容凹部に嵌め入れられると、側面壁の少なくとも一部が収容凹部の内壁に当接状態で対向するため、つまり側面壁が開き止めされた状態に保持されるため、係止突起は端子保持部材に対する係止状態がそのまま維持される。したがって、変位規制部材を端子保持部材に対し確実に抜け止めすることができる。
(4)さらにまた、本発明のコネクタは、前記変位規制部材に、前記端子ユニットが前記収容凹部内に取り付けられたときに前記コネクタハウジングに係止して前記端子ユニットの抜け止めを行うロック部が設けられる構成でもよい。
上記の構成によれば、端子ユニットが収容凹部内に取付けられると、変位規制部材のロック部がコネクタハウジングに係止するため、変位規制部材の外れ止めに寄与する。
(5)さらに、本発明のコネクタは、前記ロック部は先端に爪部を有して前記変位規制部材において一体かつ撓み可能に形成されており、前記端子ユニットが前記収容凹部内へ取り付けられることに伴って前記コネクタハウジングに設けられたロック受け部に前記爪部が弾性係止する構成であってもよい。
上記の構成によれば、端子ユニットが収容凹部に取り付けられると、
爪部がロック受け部に弾性係止するため、ロックが掛かったことの節度感が得られ、作業の完了を知ることができる。
(6)さらにまた、本発明のコネクタは、前記変位規制部材に、前記コネクタハウジングに向けて延出する振れ止め部が設けられるとともに、前記振れ止め部における取付け方向前端部は、前記端子ユニットが前記収容凹部に取り付けられたときに前記コネクタハウジングにおいて前記振れ止め部と前記取付け方向に関して対向して設けられた振れ止め受け部に対し凹凸嵌合可能に形成されている構成としてもよい。
上記の構成によれば、端子ユニットが収容凹部に取り付けられると、振れ止め部と振れ止め受け部とが凹凸嵌合する。これにより、端子ユニットは取付け方向と交差する方向に振れ規制がされるため、電線の振れに伴って端子保持部材が変形する事態をより確実に規制することができる。
【0011】
次に、本発明のコネクタを具体化した実施例1乃至7について、図面を参照しつつ説明する。
【0012】
<実施例1>
図1乃至
図13は本発明の実施例1を示している。
図1に示すように、本実施例1のコネクタは、コネクタハウジング1、端子ユニットU及び変位規制部材2を備えて構成されている。なお、以下の説明において「上下」及び「前後」の定義は、
図1に基づいて行うものとし、
図1における上方を「上」、下方を「下」とし、同図における斜め左上方向を「前」、斜め右下方向を「後」とする。
【0013】
<コネクタハウジング:主として
図1乃至
図4参照>
コネクタハウジング1は合成樹脂製であり、全体として高さ寸法に比べて幅寸法の大きい扁平な形状をなしている。コネクタハウジング1の後端面にはコネクタハウジング1の上下両面から上方あるいは下方へ張り出す張り出し壁17が形成されている。この張り出し壁17はコネクタハウジング1の後端面と面一に形成されている。
【0014】
コネクタハウジング1の内部には複数の端子収容室3が形成されている。
図1等に示すように、端子収容室3は幅方向の両側に分かれて配置されている。各端子収容室3の内部には、コネクタハウジング1の後方から第1端子金具4が挿入されている。各第1端子金具4は、ノイズ対策がされていない第1電線5の端部に接続されている。挿入された第1端子金具4は、各端子収容室3内に形成されているランス54(
図13参照)の係止によって抜け止めされている。
【0015】
コネクタハウジング1の上面側であって幅方向中央部には、撓み可能なロックアーム6が形成されている。ロックアーム6は板厚方向を上下方向に向けた板状をなしている。ロックアーム6は前端部が撓み支点となり、そこから後方へ片持ち状に延出している。ロックアーム6の下方の空間はコネクタ同士のロック解除の際の撓み空間7となる。
【0016】
コネクタハウジング1の幅方向中央部であって、ロックアーム6の下方には端子ユニットUの前部側を収容するための収容凹部8が配されている。
図3、
図11に示すように、収容凹部8は前後方向(第1端子金具4の挿入方向)に細長く延びていて、コネクタハウジング1の前後両面に開放されている。収容凹部8の後端側の開口は、端子ユニットUの前部側及び変位規制部材2の前端側の下部を挿入するための挿入口9である。
図3に示すように、収容凹部8の前端部はコネクタハウジング1の前端面において嵌合口10として開口している。端子ユニットUが収容凹部8内に取り付けられると、
図11に示すように、端子保持部材Hの前端面が嵌合口10内に臨む。
【0017】
図3、
図11に示すように、収容凹部8の上面のうち前部側の領域は、コネクタハウジング1の上面を構成する上壁11で覆われている。上壁11における前後方向の形成範囲は、ロックアーム6が撓み変形してもロックアーム6と干渉しない領域である。一方、収容凹部8の上面のうち後部側の領域は全幅に亘って上方へ開放されて開口部12となっており、ロックアーム6の撓み空間7に連通している。この開口部12の前後方向の形成領域は、上壁11の後端から収容凹部8の後端(コネクタハウジング1の後端)に至る範囲となっている。この開口部12が形成されている領域は、ロックアーム6が撓み変形したときにロックアーム6の後端側が最も接近する領域を含んでいる。
図2に示すように、収容凹部8の左右両内側面には、後方及び幅方向内方へ開口するガイド溝13が左右一対、形成されている。ガイド溝13は端子保持部材Hのガイドリブ14の案内用であり、前後方向(コネクタハウジング1に対する端子ユニットUの組付け方向に沿う方向)に沿って延びている。
【0018】
図2に示すように、コネクタハウジング1の後端面であって収容凹部8の挿入口9の下位には、左右一対の受け部15が左右方向外方へ張り出すようにして形成されている。両受け部15は変位規制部材2の位置決め部16が差し込まれて端子ユニットUの位置決めを行う役割を果たす。
【0019】
コネクタハウジング1の下面における幅方向の中央部であって張り出し壁17の前面側に接続されるようにしてセンター凸部18が突出形成されている。センター凸部18内には、フランジ縁19を含む、変位規制部材2における前端部の下部が収容される。センター凸部18内における幅方向の中央部にはセンターリブ20が縦向きに設けられている。センターリブ20は、
図1に示すように、センター凸部18内の前壁に接続された平板状をなし、後方へ行くにつれて徐々に高さを減じるように形成されている。
【0020】
コネクタハウジング1の下面には、上記したセンター凸部18を幅方向から挟むようにして左右一対のサイド凸部21が突出形成されている(
図4、
図13等参照)。
図13に示すように、両サイド凸部21はセンター凸部18より低い突出高さをもって形成されている。サイド凸部21とセンター凸部18の内部はそれぞれ連通している。
【0021】
両受け部15は両サイド凸部21内にそれぞれ形成されている。受け部15は、
図2に示すように、上下方向より左右方向に長い矩形断面をもった溝状に形成されている。
受け部15はコネクタハウジング1の後端面に開口している。受け部は、
図4、
図13に示すように、前端は行き止まりとなっている。受け部は幅方向内方と後方に開口し、他の面、つまり前端面、上下面及び幅方向外方がセンター凸部18とサイド凸部21の各壁面にて囲まれた形態となっている。
図1等に示すように、センター凸部18内の幅方向中央部にはセンターリブ20が設けられている。センターリブ20は、収容凹部8の下面後端とセンター凸部18内の下面との間に接続され、センター凸部18内の空間を左右に区画している。センターリブ20の後端縁は下端部を除いて下向き勾配の傾斜縁となっている。
図3、
図4に示すように、コネクタハウジング1の下面で、かつ前後方向のほぼ中央部にはリテーナ挿入孔22が幅方向に沿って開口している。リテーナ挿入孔22はコネクタハウジング1のほぼ全幅範囲に亘って形成されている。
【0022】
リテーナ挿入孔22は、各端子収容室3及び収容凹部8に連通している。リテーナ挿入孔22に挿入されるリテーナ23は、本係止位置とこれより挿入深さの浅い仮係止位置とに組み付けられるようになっている。リテーナ23が仮係止位置にあるときには、リテーナ23に形成された
図11に示す係止機能部が各端子収容室3及び収容凹部8から退避した位置に待機しているため、第1端子金具4及び端子ユニットUは各端子収容室3および収容凹部8に対して抜き差し自在である。しかし、リテーナ23が仮係止位置からさらに押し込まれて本係止位置に至ったときには、係止機能部24が各端子収容室3及び収容凹部8内に進入して各第1端子金具4及び端子ユニットUの端子保持部材Hにそれぞれ係止しこれらを抜け止め状態に保持する。
【0023】
<端子ユニットU:主として
図5参照>
次に、端子ユニットUについて説明する。端子ユニットUは第2電線25、第2電線25の端部に接続された第2端子金具26及び第2端子金具26を収容する端子保持部材Hとからなっている。端子ユニットUはコネクタハウジング1の後方から収容凹部8内に挿入される。
第2電線25は2本の電線(ツイストペア線)をシース27によって一括して包囲した構成である。第2電線25は通信用電線(信号線)として使用されるものであり、2本の電線を螺旋状に捻られることにより、ノイズ低減機能を有するツイストペア線を構成している。
第2端子金具26は全体として前後方向に細長い形状となっており、第1端子金具4より長尺に形成されている。第2端子金具26の前部側は角筒状の端子本体部26Aとなっており、後端部にはバレル部26Bが形成されている。各第2電線
25はシース27の端末から所定長さだけ露出し、さらにこの露出した部分の被覆を剥ぎ取って露出された芯線部に、第2端子金具のバレル部26Bを圧着させることによって端子本体部26Aとの接続がなされている。
端子保持部材Hは、共に合成樹脂製であるロアケース28とアッパケース29とを上下に合体させるように組み付けることで構成されている。
ロアケース28は、底面及び両側面を備え、上方及び後方へ開口した構成となっている。ロアケース28の前部側は第2端子金具26を収容する端子収容部30となり、それより後部側は第2電線25のシース27に対する圧着部31を収容するシース収容部32となっている。
図11に示すように、シース収容部32は、端子収容部30より高めの寸法をもって形成されていて、端子収容部30の下面とは傾斜面33を介して連続している。
【0024】
端子収容部30内の底面において、幅方向中央部には中間壁34が長さ方向に沿って起立している。中間壁34は端子収容部30内を左右に区画しており、それぞれは端子収容溝35となっている。各端子収容溝35内には、それぞれ第2端子金具26が上方から収容されるようになっている。収容された各第2端子金具26は、詳細には図示しないが、ロアケース28の底面側と係止しロアケース28内において後方への抜け止めがされた状態で収容されている。
ロアケース28における左右両側面には計3対のロック突部36が設けられている。ロック突部36は、端子収容部30の左右両外側面において前後に離間して2対が設けられ、シース収容部32の左右両外側面には1対が設けられている。
端子収容部30における底面の外面側であって前後の両ロック突部36の間には凹溝37が全幅に亘って凹み形成されている。この凹溝37は、端子ユニットUがコネクタハウジング1の収容凹部8に取り付けられたときに、リテーナ挿入孔22の開口面に沿って対向して位置する(
図11参照)。これにより、リテーナ23が本係止位置に至ると、リテーナ23が凹溝37に係止して端子ユニットUの抜け止めを可能にする。端子収容部30の左右両外側面において凹溝37の左右両端に位置する部位には、下方及び幅方向両方向に開口するフロントアーチ部38が左右一対、張り出し形成されている。フロントアーチ部38の内側は凹溝37と幅方向に関して整合するように形成されている。
フロントアーチ部38は端子保持部材Hが合体したときに、アッパケース29の対応位置にそれぞれ設けられた切欠き窓39の内側に嵌り込んでアッパケース29を前後方向にずれ止めする。
ロアケース28における両側面の外面であって、中央のロック突部36と後部のロック突部36との間には、左右一対のリアアーチ部45が幅方向外方へ張り出している。リアアーチ部45は下方へ開口しかつ幅方向外方へ凹む掛け止め溝53が形成されている。
【0025】
アッパケース29は、ロアケース28の端子収容部30を覆うための端子覆い部40とシース収容部32を覆うシース覆い部41とからなっている。端子覆い部40とシース覆い部41は共に上壁部を有し、シース覆い部41側の上壁部と端子覆い部40側の上壁部とは後方へ行くにつれて上向き勾配となる傾斜面42を介して連続している。端子覆い部40とシース覆い部41の上壁部の左右両側縁からは共に下方へ向けて側壁部が延出して設けられている。これにより、アッパケース29全体は前後両方向及び下方へ開放された構成となっている。
【0026】
端子覆い部40の側壁部40Aは、前後に分かれて計2対が設けられ、シース覆い部41においては、
側壁部41Aは一対が設けられている。詳細には図示されないが、各側壁部40A、41Aの内面にはロアケース28の各ロック突部36と係止可能な計3対のロック凹部(図示しない)が凹み形成されている。これらロック突部36と図示しないロック凹部とが係止することによって、アッパ・ロアの両ケース28、29を合体させることができる。
【0027】
端子覆い部40における前後の側壁部40Aは、後側の側壁部40Aの方が前側のものより前後方向の幅が広く形成されている。前後の各側壁部40Aの下縁にはガイドリブ43が外向きに張り出し形成されている。前述したように、端子ユニットUをコネクタハウジング1に組み込む際において、各ガイドリブ43はコネクタハウジング1のガイド溝13に沿って挿入されることにより、端子ユニットUに対する挿入ガイドの機能を発揮する。なお、後側のガイドリブ43は後側の側壁部40Aの下縁の全縁に亘って設けられている。しかし、前側のガイドリブ43は前側の側壁部の下縁の前端部から形成されるが切欠き窓の開口縁には至らない範囲で形成されている。
【0028】
端子覆い部40の後側の側壁部40Aとシース覆い部41の側壁部41Aとの間には左右一対のアーチ受け部44が下向きに開口して形成されている。このアーチ受け部44は、端子保持部材Hが合体したときに、ロアケース28の対応位置、つまり端子収容部30とシース収容部32との間の外側面に張り出し形成されたリアアーチ部45に嵌り合う。これによって、フロントアーチ部38と切欠き窓39との嵌り合いと協働して端子保持部材Hの合体状態を前後方向に位置決めした状態に保持する。また、リアアーチ部45に形成された掛け止め溝53は、後述する変位規制部材2が端子ユニットUに取り付けられたときに変位規制部材2の掛け止め突起46と係止し、端子保持部材Hに対する変位規制部材2の前後方向に関する位置決めを行う。
【0029】
端子ユニットUがコネクタハウジング1の収容凹部8内に組み付けられたときには、端子ユニットUの後端部が所定範囲に亘ってコネクタハウジング1の後端面から後方へ突出した状態となる。具体的には、
図11乃至
図13に示すように、端子保持部材H自体としては、シース収容部32及びシース覆い部41が突出した状態となる。
【0030】
<変位規制部材2、端子モジュール:主として
図1、
図6乃至
図8参照>
変位規制部材2は合成樹脂製であり、端子ユニットUが収容凹部8内に取り付けられたときに、端子保持部材のうちコネクタハウジング1から後方へ突出する部分(シース収容部32とシース覆い部41)に装着される。変位規制部材2は端子ユニットUに装着された状態で、端子ユニットUと共に端子モジュールMを構成する。
変位規制部材2は端子保持部材Hへの装着のための基部47を有している。基部47は、上面壁48と、上面壁48の左右両側縁から下方へ延出する一対の側面壁49と、背面壁50とを備えて構成されている。基部47は前後両方及び下方にそれぞれ開放している。両側面壁49は幅方向外方へ拡開するような弾性変形が許容されている。
【0031】
背面壁50には第2電線25のシース部分を挿通させるための電線挿通溝51が開口している。電線挿通溝51の上端部は略円形に形成され、第2電線25を圧入気味に嵌め入れて保持する電線保持部51Aとなっている。電線保持部51の下部側には電線導入部51Bが連通して形成されている。電線導入部51Bは下方へ向けて徐々に拡開し、下端は下方へ開放されている。左右両側面壁49における前端縁の下部は前方へ段差状に突出して段差部49Aが形成されている。この段差部49Aは、変位規制部材2が端子保持部材Hに取り付けられた状態で、端子保持部材Hの前後のガイドリブ14と前後方向に関してほぼ同一線上に位置するとともに、その上面は、高さ方向に関して前後のガイドリブ14とほぼ同一のレベルとなるように設定されている。端子保持部材Hが収容凹部8内に取り付けられると、段差部49Aの上端面はガイド溝13の入口部分の天井面に当接し、これによってコネクタハウジング1に対する変位規制部材2の上方への引っ掛かりとして寄与する。
【0032】
変位規制部材2は次のようにして端子ユニットUに装着される。変位規制部材2は、まず端子ユニットUの後方において第2電線を上方から跨ぐようにして位置される。この場合、第2電線25は電線挿通溝51における電線導入部51Bの下端の開口から差し込まれ、そのまま電線保持部51A内に圧入して保持させる。この後、変位規制部材2を第2電線25に沿って前方へ変位させれば端子保持部材Hへの装着がなされる。
【0033】
基部47において両側面壁49の内面側の下縁には左右一対のフランジ縁52が幅方向内向きに張り出し形成されている。
図8に示すように、両フランジ縁52は両側面壁49の後縁から前縁にかけての全範囲に加え、両側面壁49の前端からさらに前方へと延出している。
【0034】
両側面壁49の内面側の前端であって、両フランジ縁より僅かに上方の位置には左右一対の掛け止め突起46が内向きに突出している。掛け止め突起46の前端面は幅方向内方へ向けて徐々に幅方向への突出量を増すようにした、側面壁49に対する拡開誘導傾斜面46Aが形成され、後端面は後方に向けて切り立つようにして掛かり面46Bが形成されている。
【0035】
変位規制部材2を端子保持部材Hに装着する際には、変位規制部材2は両側面壁49を幅方向外方へ拡開させつつ前方へ変位させる。この際には、両掛け止め突起46はシース覆い部41の外側面に摺接しつつ前方へ変位する。そして、掛け止め突起46がシース覆い部41を通過すると両側面壁49は弾性復帰する。これに伴って、両掛け止め突起46が掛け止め溝53内に嵌り込んで掛かり面46Bが係止し、併せて段差部49Aの前端面がアッパケース29の後側のガイドリブ43の後端面に当接する結果、変位規制部材2は端子保持部材Hに対して前後方向へ位置決めされた状態で装着がなされる。
【0036】
両側面壁49の外面の下縁部寄りの前部には位置決め部16が左右一対、設けられている。位置決め部16は第2電線25が振られても端子ユニットUが変形しないよう規制する役割を果たす。
【0037】
位置決め部16は、両側面壁49から幅方向外方へ水平に張り出すようにして形成されている。位置決め部16は平板状に形成されている。
図7、
図8に示すように、位置決め部16は、フランジ縁52より上位であり、掛け止め突起に対してほぼ半ばに掛かる高さ位置に設けられている。位置決め部16の後端は、両側面壁49の前後方向中間部に位置し、そこから前方に向けて水平に延出している。位置決め部16の前端は、両側面壁49より前方に突出して位置し、フランジ縁の前端よりさらに前方に位置している。位置決め部16の後端部は、上方から見た場合に後方へ行くにつれて徐々に幅を減じるような傾斜面をもった面取り16Aが施されている。位置決め部16の前端部は両側面壁49の前端面側に回り込んで段差部49Aの前面と連続するように形成され、フランジ縁52の前端部の上面の一部にも接続している。
端子ユニットUが収容凹部8内に取り付けられるときには、これに伴って変位規制部材2の位置決め部16は受け部15内に圧入状態で挿入されるようになっている。このときには、変位規制部材2のうちコネクタハウジング1内に挿入される領域は、
図12に示すように、面取り16Aが施された部分のほぼ前部側の領域であり、これより後部側はコネクタハウジング1の後方から突出して外部に露出された状態となる。
変位規制部材2が受け部15内に挿入された状態では、
図12に示すように、両位置決め部16の幅方向外側縁(面取り16Aを除く)は受け部15内の両側面に沿って密着状態となる。これにより、端子モジュールMは幅方向(左右方向)に関して位置決めされた状態となる。つまり、位置決め部16の厚み寸法は、コネクタハウジング1における受け部15内の高さ寸法より僅かに大き目に形成されている。したがって、
図13に示すように、位置決め部16の上下両面は受け部15内の上下両面に沿って圧接状態となる。これにより、端子モジュールは上下方向に関して位置決めされた状態となる。かくして、位置決め部16が受け部15内に圧入状態で挿入されることにより、
位置決め部16には受け部15内で生じる摩擦力が抜け止め力として作用する。
【0038】
次に、第1実施例のコネクタの組付け手順を簡単に説明する。コネクタハウジング1においては、リテーナ23を仮係止位置に保持しておく。その状態で、第1電線5に接続された各第1
端子金具4を端子収容室3に後方から挿入し、ランス54との係止により仮の抜け止め状態に保持しておく。この作業の後、あるいはこれに先立って、端子モジュールMが収容凹部8及び受け部15内への取り付けがなされる。
【0039】
端子モジュール
M自体の組付けでは、まず、第2電線25に接続された第2端子金具26を、端子保持部材Hにおけるロアケース28の端子収容溝35に上方から収容する。その後、ロアケース28に対してアッパケース29を上方から被せ付け、各ロック突部36と対応する図示しないロック凹部とを係止させれば、アッパ・ロアの両ケース28、29が合体状態に保持される。こうして、第2端子金具26が抜け止め状態で収容された端子ユニットUの組み立てが完了する。
【0040】
続いて、端子ユニットUに対して変位規制部材2の組付けがなされる。この組付け手順は前述した要領でなされる。説明は簡単に留めると、変位規制部材2は端子ユニットUの後方において、第2電線25を跨いだ状態で待機させる。このとき、第2電線25は変位規制部材2の電線挿通溝51の電線保持部51A内に保持されている。上記状態のまま、変位規制部材2を第2電線25に沿わせながら前進させ、変位規制部材2の基部47を端子保持部材Hのシース覆い部41の外側に嵌め付ける。この際において、変位規制部材2の両側面壁49は幅方向外方へ拡開変形し両掛け止め突起46がシース覆い部
41の外面上に摺接しつつ前進する。掛け止め突起46がシース覆い部41を通過するまで変位規制部材2が前進すると、両側面壁49は弾性復帰するため、掛け止め突起46が掛け止め溝53に嵌り込んで係止する。これにより、変位規制部材2は端子保持部材Hに対して前後方向に位置決めされた状態に保持されている。また、このときには、変位規制部材2内の天井面はシース覆い部41の上面壁48と密着し、両側面壁49の内面はシース覆い部41の
外面と密着した状態となっている。つまり、変位規制部材2は端子保持部材Hの後部(シース覆い部41)において跨いだ状態で装着される。かくして端子ユニットUに変位規制部材2が装着された端子モジュールMの組み立て作業が完了する。
【0041】
次に、コネクタハウジング1に対する端子モジュールMの組付け作業がなされる。端子保持部材Hの前端部を収容凹部の入口に適合させて挿入する。この間、端子保持部材Hの各ガイドリブ14がコネクタハウジング1のガイド溝13に沿って案内されながら差し込まれるため、コネクタハウジング1に対する端子モジュールMの挿入作業が円滑になされる。
端子モジュールMが正規の挿入位置に至る少し前の時点で、変位規制部材2の両位置決め部16の前端部がコネクタハウジング1の対応する受け部15の入口に達する。さらに端子モジュールMがより深く挿入され、端子ユニットUが正規の挿入位置に至るまでの間では、両位置決め部16の略前半部が受け部15による案内作用を受けつつ受け部15内へ圧入状態で差し込まれてゆく。
【0042】
端子モジュールMが正規の挿入位置に達すると、位置決め部16の前端部が受け部15内の前壁面に当接してこれ以上の挿入動作が規制されるため、端子モジュールMは正規の取付け位置に位置決めされる。この状態で、リテーナ23を仮係止位置から本係止位置へと変位させれば、リテーナ23の係止機能部24が各第1端子金具4と係止するため、各第1端子金具4はランス54と協働して二重に抜け止めされる。また、本係止位置に至ったリテーナ23は、
図11に示すように、端子保持部材Hの凹溝37に係止するため、コネクタハウジング1から端子モジュールが後方へ抜ける事態も規制している。
【0043】
ところで、端子モジュールMがコネクタハウジング1の収容凹部8及び受け部15内に取り付けられると、端子保持部材Hのうちほぼシース収容部32及びシース覆い部41がコネクタハウジング1から後方へ突出した状態となっている。このため従来であれば、端子保持部材Hは、第2電線25がその配索方向と交差する方向に強く振れ操作(引っ張り操作)された場合に、アッパケース29の外れや端子保持部材Hの突出部分での変形等が懸念されることは既述した通りである。
第1実施例では、その対策として、端子保持部材Hのうちコネクタハウジング1から突出した部分に、基部47を装着させるとともに、基部47から位置決め部16を前方に延出させてコネクタハウジング1の受け部15内に挿入させるようにした。この際において、
図12に示すように、両位置決め部16の幅方向外側縁が受け部15内の側壁面に圧接状態で当接するため、端子モジュールMは幅方向への変位が規制されている。また、
図13に示すように、両位置決め部16の上下両面は受け部15内の天井面と下面との間で挟まれつつ圧接状態で両面に当接するため、端子モジュールMは上下方向への変位も規制されている。加えて、基部47の段差部49Aの上面もガイド溝13の入口部分の天井面に当接していることも第2電線25の振れ止めに作用し、端子保持部材Hの変形等を規制することに寄与する。
これらのことによって、第2電線25が上方へ強く引き上げられたとしても、変位規制部材2の位置決め部16が引き上げ力に抗することができるため、アッパケース29が外れてしまう事態及び端子保持部材の上方への変形の事態を確実に回避することができる。また第2電線が他の全方向に振られた場合にも、同様に抗することができるため、端子保持部材は全方向への変形が回避される。
【0044】
実施例1は次の作用効果も発揮することができる。
変位規制部材2は端子保持部材Hに対して嵌め付けることで、簡単に装着することができるため、組み付け性に優れる。また、端子保持部材の既存構造を利用してそのまま端子モジュールMを構成することができる。
【0045】
実施例1では、ロックアーム6の後端の解除操作部6Aの下方空間(撓み空間7)は収容凹部8の上面側と連通するような開口となっている(
図3、
図11参照)。すなわち、変位規制部材2を新設することに代えて、この開口部分を廃して同部分にコネクタハウジング1の天井壁を形成するようにしておけば、端子保持部材Hの変形等の回避に有効と考えられる。しかし、実施例1ではコネクタハウジング1に上記のような天井壁を設けず、収容凹部8と撓み空間7とを連通させるようにすることで、天井壁の厚み分だけコネクタハウジング1、ひいてはコネクタの低背化を図ることができる、という効果を発揮することができる。
【0046】
また、前記したように、両位置決め部16が受け部15内において幅方向の変位が規制されていることから、変位規制部材2における基部47の両側面壁49は開き止めされた状態にある。このことにより、掛け止め突起46と掛け止め溝53との係止状態が不用意に解除されてしまうことがない。
<実施例2>
図14乃至
図25は本発明の実施例2を示している。実施例2では、変位規制部材にロック部を形成し、このロック部がコネクタハウジングに係止するようにすることで、変位規制部材ひいては端子ユニットUがコネクタハウジングから抜けないようにしたものである。なお、実施例1と共通する構成、部材については図面に同一符合を付すことで説明は省略する。
【0047】
<コネクタハウジング62:主として
図15乃至
図17参照>
まず、コネクタハウジング62から説明するが、基本的構造は実施例1と同様であるため、主として相違する構成を詳述する。
図17、
図23、
図25に示すように、コネクタハウジング62における下面の後端部であって、幅方向の中央部には凸部63が突出形成されている。この凸部63に関し、実施例1では、下方への突出高さを異にしたセンター凸部18とこれを挟んだ一対のサイド凸部21によって構成されていたが、実施例2の凸部63は全面に亘って下方への突出高さが揃えられた構成である。
図15に示すように、凸部63の内部には受け部64とロック受け部65とが共に左右一対ずつ設けられ、これらは収容凹部8の挿入口9の下位に位置している。受け部64とロック受け部65とは、幅方向において相互に連通しつついずれも後方へ開口している。凸部63内は、幅方向中央部に形成された区画壁66(後方へ開口する中空壁となっている)によって左右二室に仕切られ、各室は受け部64とロック受け部65の片側ずつを左右に分かれて構成している。
【0048】
図15に示すように、受け部64はロック受け部65の幅方向内側に位置している。受け部64内と底面とロック受け部65内の底面とは高さが揃えられている。しかし、受け部64内の天井高さはロック受け部65内の天井高さよりも低く形成されている。
図23に示すように、受け部内の前端は行き止まりとなっている。一方、
図16、
図17、
図25に示すように、ロック受け部65内の前端は前方に開口して解除操作口67となっている。
図17に示すように、ロック受け部65内の底面の前端部は一段低い段差となって係止段縁68が形成されている。
【0049】
<端子モジュールM:主として
図14、
図18及び
図19参照>
端子ユニットUについては、実施例1と同一の構成であるため、説明は省略する。変位規制部材60についても実施例1と同一構成を含んでいるため、主として相違点のみ説明する。
【0050】
実施例2の変位規制部材60は、実施例1においてフランジ縁19を形成していた部位がそれぞれ位置決め部69として機能する構成である。すなわち、位置決め部69は基部47の内側面において下端縁に沿って幅方向内向きに、かつ板状に左右一対が張り出しており、それぞれの前端部は基部47から前方へ延出している。
【0051】
一方、実施例1において位置決め部16として形成されていた部分は、実施例2においてはロック部61として機能する構成となっている。すなわち、ロック部61は基部47の外側面の下端縁において左右一対が幅方向外方へ張り出した構成である。ロック部61の前端部は基部47の前端からさらに前方へ向けて延出している。ロック部61の下面(爪部70を除く)は位置決め部69の下面とほぼ面一に形成されている。位置決め部69の厚み寸法は受け部64内の高さ寸法より僅かに大きい設定となっており、端子ユニットUが収容凹部8内に取り付けられると、位置決め部69の上下両面が受け部64内の天井面及び底面に対してほぼ密着状態で挟み付けられる。同時に、
図24に示すように、位置決め部69の幅方向内側縁は区画壁66の外側面とほぼ密着した状態となる。
ロック部61において基部47から前方へ延出した部分の厚み寸法は、これより後部側の部分の厚み寸法より薄く形成されている。ロック部61と位置決め部69とが基部47から前方へ延出した部分において、ロック部61と位置決め部69との間には前端側から後方へ向けてスリット71が切り込まれている(
図18参照)。このことにより、ロック部61において基部47から前方へ延出した部分は、片持ち梁を構成して上下方向に撓み可能となる。この片持ち梁を構成する部分の前端には爪部70が形成されている。なお、爪部70はロック部61の下面及び位置決め部69の下面からさらに下方へ突出するように形成されている。
ロック部61の厚み寸法はコネクタハウジング62のロック受け部65内の高さ寸法より小さく形成されている。端子ユニットUが収容凹部8内に取り付けられる際には、ロック受け部65内の空間のうちロック部より上位の空間はロック部61の撓み空間72となる。したがって、この端子ユニットUの取付けの際には、ロック部61は撓み空間72に向けて撓み変形し、爪部70はロック受け部65内の底面上を前方へ向けて摺接する。そして、端子ユニットUが正規の取付け位置に至ると、ロック部61は弾性復帰して爪部70がロック受け部65の係止段縁68に係止する。
【0052】
変位規制部材60は端子ユニットUに対し実施例1とほぼ同じ手順にて取り付けられて端子モジュールMとして組み立てられる。端子モジュールMをコネクタハウジング62に組み付ける作業においても、実施例1と同様、端子保持部材Hはコネクタハウジング62の収容凹部8へ後方から挿入される。端子モジュールMが正規位置に到達するまでの間には、両位置決め部69が受け部64内を前進し、同時に両ロック部61がロック受け部65内を前進する。この間、両ロック部61のロック部61はロック受け部65内を上方へ撓み変形しつつ爪部70がロック受け部65内の底面上を前方へ向けて摺接する。そして、端子モジュールMがコネクタハウジング62内の正規位置に達すると、
図25に示すように、ロック部61は弾性復帰し爪部70がロック受け部65の係止段縁68に係止する。これと同時に、位置決め部69の前端は受け部64内の前端面にほぼ突き当てられるため(
図23、
図24参照)、実施例1と同様、変位規制部材60はこれ以上に挿入されることが規制される。
【0053】
実施例2においても、変位規制部材60の位置決め部69が受け部64内の上下両面にて挟まれた状態で両面に密着するため、第2電線25が上下方向に強く振られても、このときの外力に抗してアッパケース29が外れてしまう事態を回避することができる。また、位置決め部69の幅方向内側縁が区画壁66の両外側面に密着し、またロック部61の幅方向外側縁がロック受け部65内の側面に密着するため、第2電線が左右方向に強く振られても、端子保持部材Hのうちコネクタハウジングから突出する部分で変形してしまう事態を有効に回避することができる。
【0054】
さらに、実施例2においては、端子モジュールMがコネクタハウジング62に正規位置で組み付けられた状態では、ロック部61の爪部70がロック受け部65内の係止段縁68に係止している。これにより、変位規制部材60自体、ひいては端子モジュールMが確実にコネクタハウジング62から抜け止めされる。実施例1では、コネクタハウジング1に対する変位規制部材2の抜け止めを、受け部15に対して位置決め部16を圧入することによって行ってきた。したがって、抜け止め力を強化しようとすると、コネクタハウジング1に対して変位規制部材2の挿入作業が困難となる虞があった。
その点、実施例2ではロック部61の弾性係止によってコネクタハウジング62に対する変位規制部材60の抜け止めを実現している。したがって、受け部64に対する位置決め部69の圧入力を、それ程にまで高めなくとも変位規制部材60の高い抜け止めを実現することができる。このため、コネクタハウジング62に対する変位規制部材60ひいては端子モジュールMの挿入力が低減されて作業を円滑に行うことができる。
【0055】
端子モジュールMをコネクタハウジング62から抜き取る場合には、本係止位置にあるリテーナ23を仮係止位置に戻して端子保持部材Hの凹溝37との係止を解除しておく。その状態で、ロック受け部65の前端の開口である解除操作口67から図示しない適当な治具を差し込み、ロック部61の爪部70の係止を強制的に解除すれば、端子モジュールMをコネクタハウジング62から容易に抜き取ることができる。
【0056】
なお、説明を省略した他の構成については実施例1と同様であり、もって実施例1と同様の作用効果を発揮することができる。
<実施例3>
図26乃至
図33は本発明の実施例3を示している。実施例2では、ロック部61の撓み方向が上下方向に設定されていたが、実施例3のロック部80では幅方向内方へ撓み変形するようにしている。
【0057】
<コネクタハウジング81:主として
図27乃至
図29参照>
実施例3のコネクタハウジング81も基本的構造は実施例1及び実施例2と同様である。本実施例のコネクタハウジング81の下面の後端部における幅方向中央部には、実施例2と同様の形態の凸部82が突出形成されている。
この凸部82内には受け部83とロック受け部84とが形成されている。
図28に示すように、コネクタハウジング81の後面であって収容凹部8の挿入口9の下方に受け部83とロック受け部84の後端開口が開口している。同図に示すように、幅方向の外側にロック受け部84としての2つの空間領域が、これより内側に受け部83としての空間領域が配されている。これらの空間領域同士は相互に連通し、全体として均一な高さ寸法をもち、かつ内部が仕切られていない幅方向に連続した連続空間となっている。
【0058】
図29に示すように、凸部82内の両側面、つまり両ロック受け部84としての領域に対応する両側面には左右一対の係止段縁85が形成されている。また、凸部82内の前面のうち係止段縁85と対向する部位には左右一対の解除装置口86として開口している。端子モジュールMがコネクタハウジング81の収容凹部8内において正規位置に取り付けられると、変位規制部材87のロック部80が係止段縁85に係止する(
図33参照)。
【0059】
<端子モジュール:主として
図26、
図30参照>
端子ユニットUは実施例1,2と同一構成であるため、説明は省略する。変位規制部材87についても両実施例と相違する構成のみ説明する。
【0060】
変位規制部材87において、基部47の前端縁の下端部(段差部49Aの下位)には左右一対の位置決め部89が前方へ向けて延出している。両位置決め部89は側面壁49の前側縁と同一幅をもって形成され、その幅方向内側面はフランジ縁19の幅方向外側面の前端部と接続されている。両位置決め部89の前端はフランジ縁19の前端よりも前方に位置している。両位置決め部89の下面はフランジ縁19の下面と面一状態となっている。両位置決め部89の高さ寸法はロック部80の高さ寸法とほぼ同じであるが、フランジ縁19の高さ寸法よりは高く設定されている。つまり、位置決め部89の上面の高さ位置は、フランジ縁19の上面よりも高い位置となっている。位置決め部89の高さ寸法はコネクタハウジング81の凸部82内の高さと略等しい寸法に設定されている。したがって、端子モジュールMが収容凹部8内に取り付けられた状態では、位置決め部89は凸部82内における受け部83としての領域内へ差し込まれて、凸部82内の上下両面に略密着した状態で挟み付けられる。したがって、端子モジュールMが取り付けられた状態で、フランジ縁19の上面と凸部82内の天井面との間には隙間が保有された状態で挿入されている。
【0061】
基部47の両外側面であって前端部寄りの位置には左右一対のロック部80が設けられている。ロック部80は、その後端部が基部47に対する連結端部となっており、そこから前方へ水平に延出し前端部を自由端とする片持ち梁状に形成されている。ロック部80の前端の位置は位置決め部89の前端の位置に揃えられている。
【0062】
ロック部80の先端には幅方向外側に張り出すようにして爪部88が形成されている。両ロック部80と隣接する位置決め部89との間には隙間90が保有されていて、これにより両ロック部80は幅方向内側が撓み空間となってこの撓み空間へ向けて撓み変位が許容されている。端子モジュールMがコネクタハウジング81に正規に取り付けられるまでの間、ロック部80は幅方向内方へ撓み変形しつつ爪部88は凸部82内の両側面に摺接する。そして、端子モジュールMが正規位置に到達すると、ロック部80は弾性復帰して爪部88が係止段縁85に係止する。
【0063】
ロック部80の下面はフランジ縁19及び位置決め部89の下面と面一状態をなしている。本実施例においては、ロック部80の厚み寸法は位置決め部89の厚み寸法と同一、つまり凸部82内の高さと略等しい設定となっているが、ロック部80の厚み寸法は凸部82内の高さよりも小さい設定としても良い。そのように設定することで、ロック部80が撓み変形するときに凸部82内の上面との間にクリアランスが保有され撓み変形の円滑化が期待できるからである。
【0064】
上記のように構成された実施例3のコネクタにおいても。端子モジュール自体の組付け手順は実施例1,2と同様である。
実施例3においては、実施例1、2の作用効果に加えて、次のような作用効果を発揮する。端子モジュールMをコネクタハウジング81に組み付ける際において、端子モジュールMが収容凹部8内へ挿入が開始されて正規位置に達するまでの間には、位置決め部89は、その上下両面が凸部82内における受け部83としての領域を通過しかつ同領域内の上下両面に摺接しながら前進する。そして、端子モジュールが正規位置に達すると、
図33に示すように、位置決め部89の前端が凸部82内の前面に近接した状態で対向する。
【0065】
また、端子モジュールMが正規位置に達するまでの間には、ロック部80の爪部88が凸部82内におけるロック受け部84としての領域を前進する。その間、爪部88は凸部82内の両側面に摺接しつつロック部80が幅方向内方である撓み空間へ撓み変形する。そして、端子モジュールMが正規位置に達すると、
図33に示すように、ロック部80は弾性復帰し爪部88が係止段縁85に係止する。
実施例3においても、変位規制部材87の位置決め部89が受け部83内の上下両面にて挟まれているため、第2電線25が上下方向に強く振られても、このときの外力に抗してアッパケース29が外れたり、端子保持部材Hが変形してしまう事態を有効に回避することができる。
【0066】
さらに、実施例3においても、端子モジュールMがコネクタハウジング81に正規位置で組み付けられた状態では、ロック部80の爪部88がロック受け部84内の係止段縁85に係止する。このことにより、変位規制部材87自体、ひいては端子モジュールMが確実にコネクタハウジング81から抜け止めされる等、実施例2と同様の作用効果を発揮することができる。
端子モジュールMをコネクタハウジング81から抜き取る場合においても、実施例2と同様の手順にて行うことができる。
<実施例4>
図34乃至
図39は本発明の実施例4を示している。実施例3では、変位規制部材87のロック部80が幅方向外方へ弾性復帰して係止段縁に係止する形式を示したが、実施例4ではロック部101が幅方向内方へ弾性復帰して係止する形式が採用されている。
【0067】
<コネクタハウジング102:主として
図35及び
図36参照>
実施例4のコネクタハウジング102も、基本的構造は実施例1乃至実施例3と同様である。本実施例のコネクタハウジング102の下面の後端部における幅方向中央部には、実施例2,3と同様の形態の凸部103が突出形成されている。
【0068】
この凸部103内には受け部104とロック受け部105とが相互に連通した状態で形成されている。これらは共に後方へ開放して形成され、かつ内部は上下方向の両面及び幅方向の両面がそれぞれ壁面にて囲まれている。また、凸部103の内部において幅方向の中央部には係止区画壁106が、底面と天井面との間を縦向きにして形成され、凸部103の内部を左右に区画している。
図36に示すように、係止区画壁106の幅方向両側面は奥方に向けて徐々に幅寸法が増すようにしてあり、その外面は誘導傾斜面106Aとなっている。誘導傾斜面106Aの終端部は幅方向内方へ向けて切り落とされて左右一対の係止段縁106Bとなっている。
【0069】
ロック受け部105は、係止区画壁106を幅方向に挟んで受け部104の下位に一対設けられている。凸部103の前端面の下部であって係止区画壁106を挟んだ部位には解除操作口107が左右一対開口している。
【0070】
図35に示すように、受け部104はロック受け部105の上位において幅方向外方へ張り出すようにして一対が配されている。受け部104内は上下両面と幅方向外側面によって3方向から囲まれた空間である。
【0071】
<端子モジュールM:主として
図34及び
図37参照>
端子ユニットUは他の実施例と同一構成である。変位規制部材100について説明すると、基部47を構成する左右の両側面壁49の内側には下縁に沿ってフランジ縁19が幅方向内方へ張り出し形成されている。
【0072】
両ロック部101はフランジ縁19が基部47から前方へ突出した部分によって構成されている。両ロック部101と位置決め部109(正確には立壁112)との間にはロック部101の撓み空間となる隙間110が保有され、これによりロック部101は前端側が自由端となった片持ち梁状の形態となる。
図34に示すように、両ロック部における幅方向内側面は、所定長さ範囲に亘って切り欠かれて除肉部111が形成されている。これによって、両ロック部101の先端部には爪部108が形成され、ロック部は全体として撓み空間である隙間110へ向けて、つまり幅方向外方へ撓み変位が可能となっている。爪部108の前端面は弧面となってロック部101の撓み動作を案内する案内面101Aが形成されている。
【0073】
端子モジュールMが収容凹部8内に正規位置に取り付けられるまでの間、爪部108の案内面101Aは係止区画壁106の誘導傾斜面106Aの傾斜に沿って摺接し、これによって両ロック部101は幅方向外方、つまり互いに拡開する方向へ撓み変形する。そして、端子モジュールMが正規位置に達すると、
図38に示すように、弾性復帰して爪部108が係止段縁106Bに係止するとともに、
図39に示すように、爪部108の前端部は解除操作口107内に差し込まれた状態となる。
【0074】
両位置決め部109は、その全体形状に関しては実施例1とほぼ同様である。両位置決め部109は基部47の両外側面において張り出し形成され、段差部49Aの下部において両側面壁49の前端面に回り込むようにして形成されている。そして、この回り込んだ部分の下面には両側面壁49より薄肉の立壁112(位置決め部109としての機能を発揮する)が形成されている。
【0075】
図37に示すように、高さ方向に関する形成位置は、掛け止め突起46とロック部101(フランジ縁19)との間の高さ位置に設けられている。位置決め部109の前端位置はロック部101の前端位置よりも後方に引っ込んだ位置となるよう設定されている。位置決め部109の厚み寸法は受け部104内の高さ寸法とほぼ等しい設定となっている。
端子モジュールMが収容凹部8内の正規位置に取り付けられることに伴い、位置決め部109は受け部104内に挿入される。この状態では、詳しくは図示されないが、受け部104内の上下両面にほぼ密着するとともに、
図38に示すように、位置決め部109に連続して形成された立壁112の幅方向外側面はロック受け部105の幅方向外側面にほぼ密着するようになっている。
【0076】
上記のように構成された実施例4は、実施例3とほぼ同様の手順にて端子モジュールM自体の組付け、及びコネクタハウジング102に対する端子モジュールMの組付けをなしうる。
但し、実施例4においては端子モジュールMの組付けの際に、爪部108がコネクタハウジング102側における係止区画壁106の誘導傾斜面106Aの拡開案内作用によって幅方向外方への撓み変形が案内される。そして、端子モジュールMが正規に取り付けられると、爪部復帰して係止段縁106Bに係止する。これにより、変位規制部材100自体の抜け止め、ひいては端子モジュールM自体の抜け止めが強化される。なお、端子モジュールMの抜き取りは実施例3等と同様の手順にて行うことができる。
【0077】
また、位置決め部109が受け部104内に挿入された状態では、他の実施例と同様、その上下両面及び幅方向外側面が受け部104内の対向面とほぼ密着状態となっている。また、この状態のときには、両立壁112の幅方向両側面がロック受け部105内の幅方向両側面に沿って密着している。これらのことにより、第2電線25が上下および左右に強く振られても、アッパケース29の外れ、あるいは端子保持部材Hの変形等を有効に回避することができる。このことも、他の実施例と同様である。
【0078】
<実施例5>
図40乃至
図44は本発明の実施例5を示している。実施例5は実施例1と基本構造はほぼ同じであるが、実施例1の構成に振れ止め機能を追加して振れ止めに関して一層の強化を図ったものである。以下、実施例1と相違する点を説明する。
【0079】
図6に示された実施例1の変位規制部材2との比較によって本実施例の変位規制部材120を説明すると、
図40に示される実施例5の変位規制部材120は、実施例1のものに比べて両位置決め部121の厚みが増している。そのうえで、位置決め部121の前端面には振れ止め部としての振れ止め孔122が設けられている。この振れ止め孔122は丸孔であり、前端側が開口し後方へ向けて所定の奥行きをもって穿孔されている。
【0080】
コネクタハウジング123に関しても、基本的構成は実施例1とほぼ同様である。
図2、
図12に示された実施例1のコネクタハウジング1との比較によって本実施例のコネクタハウジング123を説明すると、
図41に示される本実施例のコネクタハウジング123では、位置決め部121の厚みが増したことに伴って受け部124内の高さ寸法が増している。そのうえで、受け部124内の前端面の中央部には振れ止め受け部としての突軸125が後方へ向けて水平に突出している。端子モジュールMがコネクタハウジング123に対して正規位置に取り付けられると、
図44に示すように、突軸125が振れ止め孔122に対してほぼ密着状態で凹凸嵌合する。
【0081】
上記のように構成された実施例5においても、実施例1と同様、両位置決め部121が受け部124内の上下両面および幅方向外側面に圧接状態で当接しているため、端子保持部材Hに対する十分な振れ止め力を発揮している。本実施例はさらに突軸125と振れ止め孔122との凹凸嵌合の構成が追加されているため、上記した振れ止め力が一層強化され、アッパケース29の外れ、端子保持部材Hの変形等の事態をより確実に回避することができる。
他の構成は実施例1と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することができる。
【0082】
<実施例6>
図45乃至
図48は本発明の実施例6を示している。本実施例は実施例5における振れ止め部及び振れ止め受け部の変形例である。
【0083】
変位規制部材130の基本的構成は実施例1の変位規制部材2と同様であり、振れ止め部としての振れ止めアーム131は左右一対が設けられ、基部における左右両側面の前端部であって上部に接続されている。振れ止めアームは、基部から一旦、上方へ起立した後、幅方向外方へ張り出すようにして屈曲し、その屈曲端部から前方へ水平に延出する形態である。振れ止めアームの先端部(前方への延出部)は断面略正方形の角柱状をなしている。
【0084】
コネクタハウジング132においても、実施例1と基本的構成は同様である。実施例6では次の点のみが追加されている。コネクタハウジング132の上面の後端部には、ロックアーム6の解除操作部を跨ぐようにして不用意なロック解除操作を規制するための規制壁133が形成されている。規制壁133はブリッジ状をなし、その幅方向両端部には左右一対の振れ止め受け部134が形成されている。振れ止め受け部134の後端はコネクタハウジング132の上面の後端縁に沿って延出された一対の抜き取り操作壁135に連続している。振れ止め受け部134の内部にはそれぞれ振れ規制孔136が設けられている。振れ規制孔136は前方へ向けて開口する角孔であり、端子モジュールMがコネクタハウジング132に取り付けられると、振れ止めアーム131の先端部が振れ規制孔136に凹凸嵌合される。このときには、振れ止めアーム131の先端部の全周面が振れ規制孔136の孔壁にほぼ密着した状態となっている。
【0085】
本実施例6では、実施例1と同様、位置決め部16が受け部15内で位置決め状態で挿入されていることに加え、振れ止めアーム131が振れ規制孔136に対して全周がほぼ密着した状態で凹凸嵌合されている。このため、端子モジュールMに対する振れ止め機能がより強化され、第2電線25の振れに起因した端子保持部材Hの変形等を、より確実に回避することができる。
実施例6において上記で説明した以外の他の構成は、実施例1と共通であるため、共通構造による作用効果は実施例1と同様である。
【0086】
<実施例7>
図49乃至
図52は本発明の実施例7を示している。実施例7は実施例6の変形例であり、第2の振れ止め機構及び第1の振れ止め部である振れ止めアームの補強構造を追加したものとなっている。
【0087】
変位規制部材140の基本的構成は実施例6と同様である。変更点の一つは、第1の振れ止め部である振れ止めアーム141の先端部の前端面に、第2の振れ止め部である振れ止め孔142を形成した点である。振れ止め孔142は前方へ開口する丸穴であり、所定深さまで穿孔されている。
【0088】
振れ止めアーム141における付け根部分の前面には左右一対の補強アーム143が設けられている。補強アーム143の付け根部分は振れ止めアーム141の前面の外端寄りの部分に接続され、さらに基部47の両側面壁にまで回り込んで接続されている。補強アーム143は前方へ向けて振れ止めアームの141先端部と平行に突出している。補強アーム143は角柱状であり、振れ止めアーム141よりも細めに形成されている。補強アーム143の前端位置は、振れ止めアーム141の前端位置及び位置決め部16の前端位置より僅かに前方となるように設定されている。
【0089】
図50、
図51に示すように、コネクタハウジング144側において第1の振れ止め受け部である振れ規制孔145内の前面中央部には、第2の振れ止め受け部である突軸146が設けられている。突軸146は後方へ向けて水平に突出し、全体として円柱状をなしている。端子モジュールMがコネクタハウジング144に対して正規に取り付けられると、振れ止めアーム141の先端部が振れ規制孔145内に位置決めされた状態、つまり振れ止めアーム141の先端部の全周面が振れ規制孔145の内周面にほぼ密着した状態で挿入されるとともに、振れ止め孔142内に突軸146の全周がほぼ密着した状態で差し込まれる。
【0090】
図51乃至
図52に示すように、コネクタハウジング144においてロックアーム6の下方に位置する撓み空間7の幅方向両側は、補強アーム143が挿入される差し込み空間147として撓み空間7と連通している。差し込み空間147の幅方向両側には、上段側の端子収容室3を形成するための側壁が位置し、左右一対の振れ防止壁148となっている。端子モジュールMがコネクタハウジング144に正規に取り付けられると、補強アーム143は、差し込み空間147内にほぼ根元付近まで挿入されるとともに、幅方向の両外側面が振れ防止壁148に沿ってほぼ当接した状態となる。
【0091】
上記のように構成された実施例7によれば、端子モジュールMがコネクタハウジング144に正規に取り付けられると、第1の振れ止め部である振れ止めアーム141の先端部が第1の振れ止め受け部である振れ規制孔145内に位置決め状態で凹凸嵌合し、加えて第2の振れ止め部である
振れ止め孔142内に第2の振れ止め受け部である突軸146が位置決め状態で凹凸嵌合する。このように、第2の振れ止め機構が追加されたことにより、実施例6よりもさらに第2電線25に対する振れ規制がなされ、端子保持部材Hの変形等をさらに確実に回避することができる。
【0092】
実施例6においては、第2電線25が振られると片持ち状に延びる振れ止めアーム131が変形・破損等してしまうことが懸念される。その点、実施例7においては、振れ止めアーム141の根元部分に接続した両補強アーム143が差し込み空間147へ差し込まれて、幅方向外側面が振れ防止壁148に当接するようにしている。このため、第2電線
25が幅方向へ振られたとしても、補強アーム143と振れ防止壁148との当接によって左右方向への振れ力に抗することができるから、振れの影響が振れ止めアーム141に作用しにくく、もって振れ止めアーム141が変形・破損等する事態を有効に回避することができる。
他の構成は、実施例6と同様であり、もって同様の作用効果を発揮することができる。
【0093】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では変位規制部材をいずれも端子ユニットUに装着した場合を説明した。しかし、これに代えて変位規制部材をコネクタハウジングに設けて
端子保持部材に係止するようにし、これによって端子保持部材の変形等を規制するようにしてもよい。
(2)上記実施例では、収容凹部をコネクタハウジングの幅方向中央部である
ロックアームの撓み空間の下方に配置したが、幅方向の片側に偏位した位置に配置してもよい。
(3)上記実施例では、変位規制部材の基部が端子保持部材のうちコネクタハウジングの後方から突出する部分に装着されるようにしたが、さらに前方に延出してコネクタハウジングの内部に収容される部分にも装着されるようにしてもよい。