特許第6988465号(P6988465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6988465-燃焼システム 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6988465
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】燃焼システム
(51)【国際特許分類】
   F23C 1/00 20060101AFI20211220BHJP
【FI】
   F23C1/00 301
【請求項の数】3
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-250723(P2017-250723)
(22)【出願日】2017年12月27日
(65)【公開番号】特開2019-116995(P2019-116995A)
(43)【公開日】2019年7月18日
【審査請求日】2020年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】檜垣 龍太郎
【審査官】 岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−18146(JP,U)
【文献】 特開平2−115614(JP,A)
【文献】 特開平3−51614(JP,A)
【文献】 実開昭59−52163(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1燃料又は前記第1燃料よりも粘度が高い第2燃料が燃焼する燃焼室と、前記燃焼室に前記第1燃料又は前記第2燃料を噴射するノズルを有すると共に前記燃焼室において前記第1燃料又は前記第2燃料を燃焼させるバーナと、を備える燃焼装置と、
前記第1燃料又は前記第2燃料を供給する燃料供給ラインと、
前記燃料供給ラインに配置され前記第1燃料又は前記第2燃料を前記ノズルに向けて吐出するポンプと、
前記ノズルに供給された前記第1燃料又は前記第2燃料の一部を前記ポンプの上流側に戻す戻しラインと、
前記戻しラインに配置され戻しラインを流通する前記第1燃料又は前記第2燃料の流量を調整する流量調整弁と、
前記第1燃料が前記ノズルに供給される場合の前記燃焼装置の燃焼状態に応じた前記流量調整弁の開度情報が記憶された第1記憶テーブルと、前記第2燃料が前記ノズルに供給される場合の前記燃焼装置の燃焼状態に応じた前記流量調整弁の開度情報が記憶された第2記憶テーブルと、を有する記憶部と、
前記第1燃料が前記ノズルに供給された場合に前記第1記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整し、前記第2燃料が前記ノズルに供給された場合に前記第2記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御する制御部と、を備える燃焼システム。
【請求項2】
前記第2燃料を加温する加温部を備え、
前記制御部は、前記加温部のON・OFF動作に応じて、前記加温部がOFFの場合に前記第1燃料が前記ノズルに供給されたものとして前記第1記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整し、前記加温部がONの場合に前記第2燃料が前記ノズルに供給されたものとして前記第2記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御する請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
前記燃料供給ラインを流通する前記第1燃料又は前記第2燃料の温度を検知する温度検知部を備え、
前記制御部は、前記加温部がOFFからONに切り替えられた場合に、前記温度検知部により検知された前記第2燃料の温度が所定の第1閾値を上回った場合に前記第2記憶テーブルに基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御を行い、前記加温部がONからOFFに切り替えられた場合に、前記温度検知部により検知された前記第1燃料の温度が所定の第2閾値を下回った場合に前記第1記憶テーブルに基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御を行う請求項2に記載の燃焼システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼装置を備える燃焼システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動粘度の異なる二種の燃料油(第1燃料、第2燃料)を切り替えて使用するボイラなどの燃焼装置を備える燃焼システムが知られている。燃焼装置は、一般的に、燃焼室に第1燃料又は第2燃料を噴射するノズルを有するバーナを備える。バーナは、燃焼装置の燃焼室において第1燃料又は第2燃料を燃焼させる。
例えば、船舶の燃料供給装置は、A重油系統とC重油系統の2系統を備え、主機関等に供給する燃料の種類の切り替えが行われ(特許文献1参照)、粘度の高い第2燃料(C重油)は加熱により適正な粘度と性状に調整される(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−331670号公報
【特許文献2】特開2015−10600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動粘度の異なる二種の燃料油(第1燃料、第2燃料)を切り替えて使用し、加熱によって第2燃料の粘度を低く制御する場合、第1燃料と第2燃料の燃焼量を一定にすることは難しかった。例えば、旋回型のノズルでは、使用する燃料を第2燃料から第1燃料に変更した場合に、第1燃料の噴射量は、第2燃料の噴射量よりも少なくなる傾向にあった。
【0005】
第1燃料の噴射量が第2燃料の噴射量よりも少ない場合には、第1燃料で燃焼させたときの排ガスO濃度は、第2燃料で燃焼させたときの排ガスO濃度に比べて高くなる。特に、燃料供給の負荷が低い低負荷領域において、第1燃料で燃焼させたときの排ガスO濃度は、第2燃料で燃焼させたときの排ガスO濃度に比べて高くなる傾向がある。また、燃料供給の低負荷領域において、第1燃料での着火が不安定になり、安定した燃焼を行うことができない可能性がある。
従って、第1燃料と第2燃料とを切り替えて使用する場合において、ノズルから噴射される燃料の噴射量の変化を低減させることで、排ガスO濃度の濃度変化を低減すると共に、安定した燃焼を行うことが望まれる。
【0006】
本発明は、第1燃料と第2燃料とを切り替えて使用する場合に、ノズルから噴射される燃料の噴射量の変化を低減させることで、排ガスO濃度の濃度変化を低減すると共に、安定した燃焼を行うことができる燃焼システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1燃料又は前記第1燃料よりも粘度が高い第2燃料が燃焼する燃焼室と、前記燃焼室に前記第1燃料又は前記第2燃料を噴射するノズルを有すると共に前記燃焼室において前記第1燃料又は前記第2燃料を燃焼させるバーナと、を備える燃焼装置と、前記第1燃料又は前記第2燃料を供給する燃料供給ラインと、前記燃料供給ラインに配置され前記第1燃料又は前記第2燃料を前記ノズルに向けて吐出するポンプと、前記ノズルに供給された前記第1燃料又は前記第2燃料の一部を前記ポンプの上流側に戻す戻しラインと、前記戻しラインに配置され戻しラインを流通する前記第1燃料又は前記第2燃料の流量を調整する流量調整弁と、前記第1燃料が前記ノズルに供給される場合の前記燃焼装置の燃焼状態に応じた前記流量調整弁の開度情報が記憶された第1記憶テーブルと、前記第2燃料が前記ノズルに供給される場合の前記燃焼装置の燃焼状態に応じた前記流量調整弁の開度情報が記憶された第2記憶テーブルと、を有する記憶部と、前記第1燃料が前記ノズルに供給された場合に前記第1記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整し、前記第2燃料が前記ノズルに供給された場合に前記第2記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御する制御部と、を備える燃焼システムに関する。
【0008】
また、前記第2燃料を加温する加温部を備え、前記制御部は、前記加温部のON・OFF動作に応じて、前記加温部がOFFの場合に前記第1記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整し、前記加温部がONの場合に前記第2記憶テーブルに記憶された前記流量調整弁の開度情報に基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御することが好ましい。
【0009】
また、前記燃料供給ラインを流通する前記第1燃料又は前記第2燃料の温度を検知する温度検知部を備え、前記制御部は、前記加温部がOFFからONに切り替えられた場合に、前記温度検知部により検知された前記第1燃料又は前記第2燃料の温度が所定の第1閾値を上回った場合に前記第2記憶テーブルに基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御を行い、前記加温部がONからOFFに切り替えられた場合に、前記温度検知部により検知された前記第1燃料又は前記第2燃料の温度が所定の第2閾値を下回った場合に前記第1記憶テーブルに基づいて前記流量調整弁の開度を調整するように制御を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1燃料と第2燃料とを切り替えて使用する場合に、ノズルから噴射される燃料の噴射量の変化を低減させることで、排ガスO濃度の濃度変化を低減すると共に、安定した燃焼を行うことができる燃焼システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態としての燃焼システム1の全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の燃焼システム1について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態としての燃焼システム1の全体構成図である。
【0013】
本実施形態の燃焼システム1は、燃料供給装置10により、燃焼装置としてのボイラ20(缶体等図示せず)に、A重油(第1燃料)又はC重油(第2燃料)を供給するシステムである。ここで、重油の種類は、JIS規格において、動粘度により分類され、動粘度が低い方から高い方に順に、1種(A重油)、2種(B重油)及び3種(C重油)の3種類に分類される。本実施形態においては、ボイラ2に供給する燃料について、例えば、A重油又はC重油に切り替えて使用する。C重油の粘度は、A重油の粘度よりも高い。
【0014】
図1に示すように、本実施形態の燃焼システム1は、ボイラ20と、燃料供給装置10と、制御装置30と、燃料導入設備40と、を備える。ボイラ20は、A重油又はC重油を燃焼させるバーナ21と、バーナ21に燃焼用空気を供給する送風機23と、を有する。バーナ21は、A重油又はC重油を噴射するノズル22を有し、燃料供給装置10により供給されたA重油又はC重油は、バーナ21により燃焼室24において燃焼される。
【0015】
燃料供給装置10は、A重油又はC重油をボイラ20に供給する。燃料供給装置10は、主として、第1エアセパレータ13と、加温部としてのヒータ15と、ポンプとしての第2ポンプ17と、A重油又はC重油を供給する燃料供給ラインL2と、戻しラインL3と、流量調整弁V31と、各種の弁(開閉弁V21,開閉弁V22,逆止弁V32,開閉弁V33,開閉弁V5)と、温度検知部としての温度センサTEと、を備えて構成される。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0016】
燃料導入設備40は、燃料供給装置10にA重油又はC重油を導入する。燃料導入設備40は、主として、A重油が貯留されるA重油タンク11と、C重油が貯留されるC重油タンク12と、A重油とC重油の供給を切り替える三方弁V1と各種の弁(開閉弁V61,開閉弁V62,開閉弁V7)と、第1ポンプ16と、流量センサFMと、A重油又はC重油を供給する燃料供給ラインL11、L12と、戻しラインL5、L6、L7と、第2エアセパレータ14と、を備えて構成される。
【0017】
制御装置30は、三方弁V1、流量調整弁V31、各種の弁、ヒータ15、第1ポンプ16、第2ポンプ17、送風機23、流量センサFM及び温度センサTEと電気的に接続されている。なお、本明細書において、制御装置30から各弁及び各センサへの制御線の図示は省略している。
【0018】
A重油を供給する燃料供給ラインL11は、A重油タンク11から三方弁V1までのラインであり、ボイラ20の燃料であるA重油を三方弁V1に向けて供給するラインである。
C重油を供給する燃料供給ラインL12は、C重油タンク12から三方弁V1までのラインであり、ボイラ20の燃料であるC重油を三方弁V1に向けて供給するラインである。
【0019】
三方弁V1には、燃料供給ラインL11の下流側の端部、燃料供給ラインL12の下流側の端部、及び、燃料供給ラインL2の上流側の端部が接続されている。三方弁V1は、燃料供給ラインL11を流通するA重油又は燃料供給ラインL12を流通するC重油のいずれか一方を選択的に、ボイラ20のバーナ21へ向けて流通させることが可能な弁である。三方弁V1は、制御装置30(後述)に電気的に接続される。三方弁V1の切り替え動作は、制御装置30により制御される。
【0020】
燃料供給ラインL2の上流側の端部は、三方弁V1を介して、燃料供給ラインL11及び燃料供給ラインL12の下流側の端部に接続される。燃料供給ラインL2は、燃料供給ラインL11を流通するA重油又は燃料供給ラインL12を流通するC重油のいずれかをボイラ20に向けて供給する。燃料供給ラインL2は、その上流側の端部において、三方弁V1に接続されると共に、その下流側の端部において、ボイラ20のバーナ21のノズル22に接続される。
【0021】
燃料供給ラインL2は、三方弁V1から第1エアセパレータ13までの第1燃料供給ラインL21と、第1エアセパレータ13からバーナ21までの第2燃料供給ラインL22と、を有する。
【0022】
第1燃料供給ラインL21には、上流側から下流側に向けて順に、流量センサFM、第1ポンプ16、第1燃料供給ラインL21を開閉する開閉弁V21、第1エアセパレータ13が設けられる。
【0023】
第1ポンプ16は、第1燃料供給ラインL21を流通するA重油又はC重油を第1エアセパレータ13に向けて吐出する。
【0024】
第1エアセパレータ13は、第1燃料供給ラインL21により供給されたA重油又はC重油からエアを分離して、エアが分離されたA重油又はC重油を、第2燃料供給ラインL22に向けて排出し、又は、エア分離戻しラインL5を介して第2エアセパレータ14に向けて排出する。
【0025】
第1エアセパレータ13には、第1燃料供給ラインL21、第2燃料供給ラインL22及びエア分離戻しラインL5が接続される。エア分離戻しラインL5は、その上流側の端部が、第1エアセパレータ13に接続され、その下流側の端部が、第2エアセパレータ14に接続される。エア分離戻しラインL5には、エア分離戻しラインL5を開閉する開閉弁V5が設けられる。開閉弁V5は、第2燃料供給ラインL22にA重油又はC重油が供給される場合には閉鎖され、エア分離戻しラインL5にA重油又はC重油が供給される場合には開放される。
【0026】
第2燃料供給ラインL22には、上流側から下流側に向けて順に、第2ポンプ17、ヒータ15が設けられ、ヒータ15の下流側の接続部J1において、主供給ラインL23と、副供給ラインL24と、に分岐している。主供給ラインL23及び副供給ラインL24の下流側の端部は、ノズル22に接続される。
【0027】
第2ポンプ17は、第2燃料供給ラインL22を流通するA重油又はC重油をバーナ21のノズル22に向けて吐出する。
ヒータ15は、C重油が第2燃料供給ラインL22を流通された場合に、C重油を加温する。本実施形態においては、ヒータ15のON・OFF動作は、手動により行われる。
【0028】
副供給ラインL24には、副供給ラインL24を開閉する開閉弁V22が設けられる。開閉弁V22は、主供給ラインL23によりノズル22にA重油又はC重油を供給する場合には、閉鎖される。
【0029】
第2燃料供給ラインL22におけるヒータ15と接続部J1の間には、温度センサTEが設けられる。温度センサTEは、ヒータ15の下流側において、第2燃料供給ラインL22を流通するA重油又はC重油の温度を検知する。温度センサTEにより検知されたA重油又はC重油の温度情報は、制御装置30(後述)に送信される。
【0030】
戻しラインL3は、ノズル22に供給されたA重油又はC重油の一部を第2ポンプ17の上流側に戻すラインである。戻しラインL3は、その上流側が、主戻しラインL31と、副戻しラインL32と、により構成され、その下流側の端部が、合流部J2に接続されている。合流部J2は、第1燃料供給ラインL21における第2ポンプ17の上流側であって、開閉弁V21と第1エアセパレータ13との間に配置される。
【0031】
主戻しラインL31及び副戻しラインL32は、その上流側の端部が、バーナ21のノズル22に接続され、その下流側の端部が、互いに接続部J3に接続される。
【0032】
主戻しラインL31には、上流側から下流側に向けて順に、流量調整弁V31、逆止弁V32、接続部J3が設けられる。流量調整弁V31は、主戻しラインL31を流通するA重油又はC重油の流量を調整する。流量調整弁V31は、制御装置30(後述)に電気的に接続される。流量調整弁V31の開度の調整は、制御装置30により制御される。
【0033】
副戻しラインL32には、副戻しラインL32を開閉する開閉弁V33が設けられる。開閉弁V33は、主戻しラインL31によりノズル22に供給されたA重油又はC重油の一部を第2ポンプ17の上流側へ戻す場合には、閉鎖される。
【0034】
第2エアセパレータ14は、エア分離戻しラインL5の下流側の端部に接続される。第2エアセパレータ14は、エア分離戻しラインL5を介して導入されたA重油又はC重油からエアを分離する。第2エアセパレータ14には、エア分離戻しラインL5、エア回収戻しラインL6及び重油回収戻しラインL7が接続される。
【0035】
重油回収戻しラインL7は、第2エアセパレータ14によりエアを分離したA重油又はC重油を、第1燃料供給ラインL21における流量センサFMと第1ポンプ16との間の接続部J4において回収させる。重油回収戻しラインL7は、その上流側の端部が、第2エアセパレータ14に接続され、その下流側の端部が、第1燃料供給ラインL21における流量センサFMと第1ポンプ16との間の接続部J4に接続される。重油回収戻しラインL7には、重油回収戻しラインL7を開閉する開閉弁V7が設けられる。
【0036】
エア回収戻しラインL6は、第2エアセパレータ14によりA重油又はC重油から分離したエアを、A重油タンク11又はC重油タンク12に回収させる。エア回収戻しラインL6は、その上流側の端部が、第2エアセパレータに接続され、その下流側の分岐部J5において、A重油タンク側エア回収戻しラインL61と、C重油タンク側エア回収戻しラインL62とに分岐する。
【0037】
A重油タンク側エア回収戻しラインL61は、その上流側の端部が分岐部J5に接続され、その下流側の端部が、A重油タンク11の気相部分に接続される。A重油タンク側エア回収戻しラインL61には、開閉弁V61が設けられる。
C重油タンク側エア回収戻しラインL62は、その上流側の端部が分岐部J5に接続され、その下流側の端部が、C重油タンク12の気相部分に接続される。C重油タンク側エア回収戻しラインL62には、開閉弁V62が設けられる。
【0038】
制御装置30は、制御部31と、記憶部32と、を備える。制御部31には、三方弁V1、流量調整弁V31、ヒータ15、第1ポンプ16、第2ポンプ17、送風機23、流量センサFM及び温度センサTEが電気的に接続される。
【0039】
記憶部32には、本実施形態の燃焼システム1の運転を実施するための制御プログラムが予め記憶されている。また、記憶部32は、第1記憶テーブルと、第2記憶テーブルと、を有する。第1記憶テーブルには、A重油がバーナ21のノズル22に供給される場合のボイラ20の燃焼状態に応じた流量調整弁V31の開度情報が記憶されている。第2記憶テーブルには、C重油がバーナ21のノズル22に供給される場合のボイラ20の燃焼状態に応じた流量調整弁V31の開度情報が記憶されている。
【0040】
制御部31は、使用者による操作部(図示せず)の操作などにより、ボイラ20へ供給する燃料(A重油、C重油)の種類が選択された場合に、選択された燃料(A重油、C重油)をバーナ21のノズル22に供給するように、三方弁V1の切り替え動作を制御する。制御部31は、第1ポンプ16及び第2ポンプ17の動作を制御する。
【0041】
また、制御部31は、以下のように、戻しラインL3に設けられた流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。
【0042】
制御部31は、A重油がバーナ21のノズル22に供給された場合に、第1記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。制御部31は、C重油がバーナ21のノズル22に供給された場合に、第2記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。
【0043】
また、制御部31は、ヒータ15のON・OFF動作に応じて、ヒータ15がOFFの場合に、第1記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報(A重油がバーナ21のノズル22に供給される場合の開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。制御部31は、ヒータ15がONの場合に、第2記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報(C重油がバーナ21のノズル22に供給される場合の開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。
【0044】
また、制御部31は、ヒータ15がOFFからONに切り替えられた場合に、温度センサTEにより検知されたA重油又はC重油の温度が所定の第1閾値(例えば、120〜130℃)を上回った場合に第2記憶テーブル(C重油がバーナ21のノズル22に供給される場合のボイラ20の燃焼状態に応じた流量調整弁V31の開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御を行う。制御部31は、ヒータ15がONからOFFに切り替えられた場合に、温度センサTEにより検知されたA重油又はC重油の温度が所定の第2閾値(例えば、70℃)を下回った場合に第1記憶テーブル(A重油がバーナ21のノズル22に供給される場合のボイラ20の燃焼状態に応じた流量調整弁V31の開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御を行う。
【0045】
以上のように構成される燃焼システム1の動作について説明する。ここでは、C重油をバーナ21のノズル22に供給した後に、ノズル22に供給する燃料を、C重油からA重油に切り替える場合の動作について説明する。
本実施形態においては、燃料供給ラインL2を介してA重油又はC重油をボイラ20に供給するため、開閉弁V21を開放すると共に、開閉弁V22、開閉弁V33,開閉弁V5、開閉弁V61、開閉弁V62及び開閉弁V7を閉鎖している。流量調整弁V31及び三方弁V1は、制御部31により制御される。
【0046】
ボイラ20の運転を開始する場合には、ボイラ20の運転スイッチを使用者が手動でONに操作する。これにより、ボイラ20の運転が開始される。
【0047】
まず、ボイラ20にC重油を供給する。具体的には、制御部31は、流量調整弁V31、三方弁V1、第1ポンプ16及び第2ポンプ17を制御する。制御部31は、C重油をボイラ20へ向けて流通させるように三方弁V1を切り替えるように制御し、流量調整弁V31を初期値の開度になるように調整すると共に、第1ポンプ16及び第2ポンプ17を動作させる。これにより、ノズル22に供給されたC重油の一部を戻しラインL3により第2ポンプ17の上流側に戻しながら、バーナ21のノズル22にはC重油が供給される。
【0048】
ここで、C重油の粘度がA重油の粘度よりも高いため、C重油を供給する場合に、ヒータ15を使用者が手動でOFFからONに切り替える。これにより、C重油がヒータ15により加温されて、C重油の温度は上昇する。
【0049】
そして、制御部31は、ヒータ15がOFFからONに切り替えられた場合において、温度センサTEにより検知されたC重油の温度が所定の第1閾値(例えば、120〜130℃)を上回った場合に、第2記憶テーブルに基づいて、流量調整弁V31の開度を調整する。第2記憶テーブルには、C重油がバーナ21のノズル22に供給される場合のボイラ20の燃焼状態に応じた流量調整弁V31の開度情報が記憶されている。そのため、C重油に応じた適切な記憶テーブルに切り替えることができる。これにより、C重油を使用する際に、C重油に応じて、バーナ21のノズル22から噴射される燃料の噴射量を適切な量に調整できる。
【0050】
次に、ボイラ20に供給する燃料を、C重油からA重油へ切り替える。具体的には、制御部31は、C重油をボイラ20へ向けて供給している状態から、A重油をボイラ20へ向けて流通させるように三方弁V1を切り替えるように制御する。これにより、ノズル22に供給されたA重油の一部を戻しラインL3により第2ポンプ17の上流側に戻しながら、バーナ21のノズル22にはA重油が供給される。
【0051】
ここで、A重油の粘度がC重油の粘度よりも低いため、A重油を供給する場合に、ヒータ15を使用者が手動でONからOFFに切り替える。これにより、A重油の温度は低下する。
【0052】
そして、制御部31は、ヒータ15がONからOFFに切り替えられた場合において、温度センサTEにより検知されたA重油の温度が所定の第2閾値(例えば、70℃)を下回った場合に、第1記憶テーブルに基づいて、流量調整弁V31の開度を調整するように制御を行う。第1記憶テーブルには、A重油がバーナ21のノズル22に供給される場合のボイラ20の燃焼状態に応じた流量調整弁V31の開度情報が記憶されている。そのため、A重油が所定の温度に達した場合に、A重油に応じた適切な記憶テーブルに切り替えることができる。これにより、使用する燃料をC重油からA重油に切り替えて使用しても、A重油に応じて、バーナ21のノズル22から噴射される燃料の噴射量の変化をより低減できる。
【0053】
従来、動粘度の異なるA重油(第1燃料)とC重油(第2燃料)を切り替えて使用し、加熱によってC重油の粘度を低く制御する場合、A重油とC重油の燃焼量を一定にすることは難しかった。例えば、旋回型のノズルでは、使用する燃料をC重油からA重油に変更した場合に、A重油の噴射量は、C重油の噴射量よりも少なくなる傾向にあった。
A重油の噴射量がC重油の噴射量よりも少ない場合には、A重油で燃焼させたときの排ガスO濃度は、C重油で燃焼させたときの排ガスO濃度に比べて高くなる。特に、燃料供給の負荷が低い低負荷領域において、A重油で燃焼させたときの排ガスO濃度は、C重油で燃焼させたときの排ガスO濃度に比べて高くなる傾向がある。また、燃料供給の低負荷領域において、A重油での着火が不安定になり、安定した燃焼を行うことができない可能性があった。
【0054】
これに対して、本発明は、A重油がバーナ21のノズル22に供給された場合に第1記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報(A重油がバーナ21のノズル22に供給される場合の開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整し、C重油がノズルに供給された場合に第2記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報(C重油がバーナ21のノズル22に供給される場合の開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。よって、A重油とC重油とを切り替えて使用しても、ノズル22から噴射される燃料の噴射量の変化を低減できる。これにより、A重油又はC重油を切り替えて使用する際に、排ガスO濃度の濃度変化を低減でき、安定した燃焼を実現できる。また、C重油は粘度を低くするために加熱されることから、A重油とC重油の温度の違いを検出することで燃料種に応じた適切な記憶テーブルに切り替えることができ、排ガスO濃度を燃料に応じた適切な濃度に調整でき、安定した燃焼を実現できる。
【0055】
本実施形態の燃焼システム1によれば、例えば、次の効果が奏される。
本実施形態においては、燃焼室24にA重油又はC重油を噴射するノズル22を有するバーナ21と、を備えるボイラ20と、燃料供給ラインL2と、燃料供給ラインL2に配置される第2ポンプ17と、ノズル22に供給されたA重油又はC重油の一部を第2ポンプ17の上流側に戻す戻しラインL3と、戻しラインL3に配置される流量調整弁V31と、記憶部32と、制御部31と、を備え、制御部31は、A重油がバーナ21のノズル22に供給された場合に第1記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報に基づいて流量調整弁V31の開度を調整し、C重油がバーナ21のノズル22に供給された場合に第2記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。これにより、A重油がノズル22に供給される場合には第1記憶テーブルに記憶された情報に基づいて流量調整弁V31の開度を調整し、C重油がノズル22に供給される場合には第2記憶テーブルに記憶された情報に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御されるため、A重油とC重油とを切り替えて使用しても、ノズル22から噴射される燃料の噴射量の変化を低減できる。よって、A重油又はC重油を切り替えて使用する際に、排ガスO濃度の濃度変化を低減でき、安定した燃焼を実現できる。
【0056】
また、本実施形態においては、制御部31は、ヒータ15のON・OFF動作に応じて、ヒータ15がOFFの場合に第1記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報(A重油に関する開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整し、ヒータ15がONの場合に第2記憶テーブルに記憶された流量調整弁V31の開度情報(C重油に関する開度情報)に基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御する。これにより、ヒータ15のON・OFF動作に応じて、A重油又はC重油を使用する記憶テーブルに容易に切り替えることができる。よって、A重油又はC重油を切り替える制御を容易に行うことができ、排ガスO濃度の濃度変化を低減する制御を容易に行うことができる。
【0057】
また、本実施形態においては、制御部31は、ヒータ15がOFFからONに切り替えられた場合に、温度センサTEにより検知されたA重油又はC重油の温度が所定の第1閾値を上回った場合に第2記憶テーブルに基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御を行い、ヒータ15がONからOFFに切り替えられた場合に、温度センサTEにより検知されたA重油又はC重油の温度が所定の第2閾値を下回った場合に第1記憶テーブルに基づいて流量調整弁V31の開度を調整するように制御を行う。これにより、A重油又はC重油に応じた適切な記憶テーブルに切り替えることができる。そのため、A重油又はC重油を切り替えて使用する際に、ノズル22から噴射される燃料の噴射量の変化をより低減できる。
【0058】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態においては、ボイラ20のON動作及びヒータ15のON・OFF動作を、人手(手動)により動作させたが、これに限定されず、制御部31により制御するように構成してもよい。
【0059】
また、前記実施形態においては、ヒータ15のON・OFFと燃料の温度閾値により記憶テーブルを切り替えたが、これに限定されず、温度変化に要する時間に基づいて、ヒータ15のON・OFFから一定時間後に記憶テーブルを切り替えてもよい。
【0060】
また、前記実施形態においては、ノズル22に供給する燃料を、C重油からA重油に切り替える場合について説明したが、これに限定されず、A重油からC重油に切り替えてもよい。C重油からA重油に切り替えて使用する場合においても、前記実施形態と同様に、排ガスO濃度の濃度変化を低減でき、安定した燃焼を実現できる。
【符号の説明】
【0061】
1 燃焼システム
10 燃料供給装置
15 ヒータ(加温部)
17 第2ポンプ(ポンプ)
20 ボイラ(燃焼装置)
21 バーナ
22 ノズル
24 燃焼室
31 制御部
32 記憶部
L2 燃料供給ライン
L3 戻しライン
TE 温度センサ(温度検知部)
V31 流量調整弁
図1