(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6988576
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】線状部材連結ユニット
(51)【国際特許分類】
H02G 9/12 20060101AFI20211220BHJP
B66B 7/06 20060101ALI20211220BHJP
F16B 45/04 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
H02G9/12
B66B7/06 N
F16B45/04 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-37196(P2018-37196)
(22)【出願日】2018年3月2日
(65)【公開番号】特開2019-154136(P2019-154136A)
(43)【公開日】2019年9月12日
【審査請求日】2020年11月6日
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度から平成29年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「海洋エネルギー技術研究開発/海洋エネルギー発電システム実証研究/水中浮遊式海流発電」共同研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176245
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 亮輔
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】上野 智裕
【審査官】
木村 励
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭60−79218(JP,U)
【文献】
特開2014−145346(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/12
H02G 7/12
H02G 1/10
B66B 7/06
F16B 45/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1線状部材と、前記第1線状部材の長手方向と交差する方向に離間する第2線状部材とを連結する線状部材連結ユニットであって、
前記第1線状部材の長手方向に離間して、前記第1線状部材を保持する一対の第1線状部材保持部と、
前記一対の第1線状部材保持部にそれぞれ連結された一対の第1係合部と、
前記第2線状部材の長手方向に離間して、前記第2線状部材を保持する一対の第2線状部材保持部と、
前記一対の第2線状部材保持部にそれぞれ連結された一対の第2係合部と、
前記一対の第1係合部及び前記一対の第2係合部を連結する連結部と、を備える線状部材連結ユニット。
【請求項2】
前記第1線状部材は、浮体に接続された係留索であり、
前記第2線状部材は、前記浮体に接続された送電ケーブルである請求項1に記載の線状部材連結ユニット。
【請求項3】
前記第1線状部材保持部は、前記第1線状部材の周方向に延在すると共に、前記第1線状部材の長手方向に対して傾斜して配置され、前記第1線状部材の外周面に巻き付けられる第1らせん部を含む、請求項1又は2に記載の線状部材連結ユニット。
【請求項4】
前記第1線状部材保持部は、互いに異なる方向に配置された複数の前記第1らせん部を含み、
複数の前記第1らせん部が網目を成すように配置されている請求項3に記載の線状部材連結ユニット。
【請求項5】
前記第1らせん部は、帯状を成している請求項3又は4に記載の線状部材連結ユニット。
【請求項6】
前記第2線状部材保持部は、前記第2線状部材の周方向に延在すると共に、前記第2線状部材の長手方向に対して傾斜して配置され、前記第2線状部材の外周面に巻き付けられる第2らせん部を含む、請求項1〜5の何れか一項に記載の線状部材連結ユニット。
【請求項7】
前記第2線状部材保持部は、互いに異なる方向に配置された複数の前記第2らせん部を含み、
複数の前記第2らせん部が網目を成すように配置されている請求項6に記載の線状部材連結ユニット。
【請求項8】
前記第2らせん部は、帯状を成している請求項6又は7に記載の線状部材連結ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、線状部材連結ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば水中浮遊体は、水底に配置されたシンカー(又はアンカー)に対して、係留索(線状部材)を介して繋がれている(例えば特許文献1参照)。水中浮遊体には、送電用のケーブル及び送電用のケーブルなど、その他のケーブル(線状部材)が接続されている。これらのケーブルは、例えば水底まで延びている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017−13721号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
対象物に対して連結された線状部材が、自由に移動すると、近くに存在する対象物又は他の物体に絡まるおそれがある。線状部材が絡まることで線状部材に力がかかると、線状部材が損傷するおそれがある。本開示は、線状部材を拘束する際の信頼性の向上を図ることが可能な線状部材連結ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る線状部材連結ユニットは、線状部材の周方向に延在すると共に、線状部材の長手方向に対して傾斜して配置され、線状部材の外周面に巻き付けられるらせん部を含む線状部材保持部と、線状部材保持部に連結された係合部と、を備える。
【0006】
この線状部材連結ユニットでは、らせん部が線状部材の外周面に巻き付けられるので、線状部材の長手方向において力を分散させて、線状部材を保持することができる。これにより、線状部材に対して局所的に力がかかることが抑制されるので、線状部材の損傷を抑制して、信頼性を向上することができる。この線状部材連結ユニットでは、線状部材が長手方向に延びた場合に、らせん部が追従して延びることで、線状部材の外径の収縮に対応させて、らせん部を変形させることができる。これにより、線状部材を安定して保持することができる。その結果、線状部材の移動範囲を抑制することができる。
【0007】
いくつかの態様において、らせん部は、帯状を成していてもよい。これにより、らせん部と線状部材との接触面積を増やすことができるので、局所的な応力集中を抑制することができる。
【0008】
いくつかの態様において、線状部材保持部は、互いに異なる方向に配置された複数のらせん部を含み、複数のらせん部が網目を成すように配置されていてもよい。これにより、線状部材に作用する力を複数の方向に分散させることができる。
【0009】
いくつかの態様において、線状部材の長手方向に離間して一対の線状部材保持部が配置され、一対の線状部材保持部に連結された係合部同士が連結されていてもよい。これにより、線状部材に対して、異なる方向から力が作用しても、何れかの線状部材保持部によって力を受けることができる。安定して線状部材を保持することができる。
【0010】
本開示の一態様に係る線状部材連結ユニットは、第1線状部材と、第1線状部材の長手方向と交差する方向に離間する第2線状部材とを連結する線状部材連結ユニットであって、第1線状部材の周方向に延在すると共に、第1線状部材の長手方向に対して傾斜して配置され、第1線状部材の外周面に巻き付けられるらせん部を含む第1線状部材保持部と、第1線状部材保持部に連結された第1係合部と、第2線状部材を保持する第2線状部材保持部と、第2線状部材保持部に連結されると共に、第1係合部に連結される第2係合部と、を備える。
【0011】
この線状部材連結ユニットでは、第1らせん部が第1線状部材の外周面に巻き付けられるので、第1線状部材の長手方向において力を分散させて、第1線状部材を保持することができる。これにより、第1線状部材に対して局所的に力がかかることが抑制されるので、第1線状部材の損傷を抑制して、信頼性を向上することができる。この線状部材連結ユニットでは、第1線状部材が長手方向に延びた場合に、第1らせん部が追従して延びることで、第1線状部材の外径の収縮に対応させて、第1らせん部を変形させることができる。これにより、第1線状部材を安定して保持することができる。その結果、第1線状部材の移動範囲を抑制することができる。
【0012】
この線状部材連結ユニットでは、第2線状部材保持部によって第2線状部材が保持され、第1係合部及び第2係合部を介して、第1線状部材保持部と第2線状部材保持部とが連結される。そのため、第1線状部材に対する第2線状部材の相対的な位置を拘束できるので、第1線状部材及び第2線状部材が絡まることが抑制される。
【0013】
本開示の一態様に係る線状部材連結ユニットは、第1線状部材と、第1線状部材の長手方向と交差する方向に離間する第2線状部材とを連結する線状部材連結ユニットであって、第1線状部材の長手方向に離間して、第1線状部材を保持する一対の第1線状部材保持部と、一対の第1線状部材保持部にそれぞれ連結された一対の第1係合部と、第2線状部材の長手方向に離間して、第2線状部材を保持する一対の第2線状部材保持部と、一対の第2線状部材保持部にそれぞれ連結された一対の第2係合部と、一対の第1係合部及び一対の第2係合部を連結する連結部と、を備える。
【0014】
この線状部材連結ユニットでは、第1線状部材の長手方向に離間して配置された一対の第1線状部材保持部によって、第1線状部材が保持される。第1線状部材の長手方向に力を分散させて、第1線状部材を保持することができる。そのため、第1線状部材に対して局所的に力がかかることが抑制されるので、第1線状部材の損傷を抑制して、信頼性を向上することができる。
【0015】
この線状部材連結ユニットでは、第2線状部材の長手方向に離間して配置された一対の第2線状部材保持部によって、第2線状部材が保持される。第2線状部材の長手方向に力を分散させて、第2線状部材を保持することができる。そのため、第2線状部材に対して局所的に力がかかることが抑制されるので、第2線状部材の損傷を抑制して、信頼性を向上することができる。
【0016】
この線状部材連結ユニットでは、第1係合部及び第2係合部を介して、第1線状部材保持部と第2線状部材保持部とが連結される。そのため、第1線状部材に対する第2線状部材の相対的な位置を拘束できるので、第1線状部材及び第2線状部材が絡まることが抑制される。
【0017】
いくつかの態様において、第1線状部材は、浮体に接続された係留索であり、第2線状部材は、浮体に接続された送電ケーブルでもよい。これにより、浮体に接続された係留索に対して、送電ケーブルを繋ぎ留めることができる。水中において、異なる方向から作用する力を受けて、安定して第1線状部材及び第2線状部材を保持することができる。例えば、水平方向に対して傾斜するように延在する係留索に対して、送電ケーブルを繋ぎ留めることができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、線状部材を拘束する際の信頼性の向上を図ることが可能な線状部材連結ユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態の水中浮遊式発電装置を示す概略構成図である。
【
図2】
図1に示す水中浮遊式発電装置の正面図である。
【
図3】係留索及び送電ケーブルを連結する連結ユニットを示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本開示の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0021】
本実施形態では、係留ユニットを備える水中浮遊式発電装置(水流発電装置)1について説明する。
図1及び
図2に示されるように、水中浮遊式発電装置1は、例えば海水中に設置され、海流FWを利用して発電を行う。以下、水中浮遊式発電装置1を「発電装置1」と記す。海流FWの上流側を前側、海流FWの下流側を後側として説明する。発電装置1は、例えば左右に離間して配置された一対の発電用ポッド2を備える。発電用ポッド2は、水中を浮遊可能な浮体である。発電装置1は、一対の発電用ポッド2間に配置された中央ポッドを備える構成でもよい。一対の発電用ポッド2は、例えばクロスビーム3によって連結されている。
【0022】
発電用ポッド2の前部2aは海流FWの上流側に配置され、後部2bは海流FWの下流側に配置されている。発電用ポッド2の後部2bには、発電用タービン4が設けられている。以下、発電用タービン4を「タービン」4と記す。発電用ポッド2は、例えば円筒状を成し、タービン4を回転可能に支持している。タービン4として、いわゆるダウンウィンド型のタービンが採用されている。なお、タービン4は、アップウィンド型のタービンであってもよい。発電用ポッド2には、タービン4の回転駆動力によって発電する発電機5が搭載されている。
【0023】
タービン4は、ハブ6と、ハブ6に設けられた複数枚(例えば2枚)のブレード7と、を含んでいる。ハブ6は、発電用ポッド2の後部2bに配置されている。ダウンウィンド型のタービンを採用した発電装置1においては、海流FWの向きを基準として、発電用ポッド2の下流側にブレード7が配置されている。
【0024】
ハブ6には、回転軸8が連結されている。回転軸8は、発電用ポッド2に収容され、軸回りに回転可能である。ハブ6及びブレード7は一体として回転する。ブレード7の回転は、回転軸8を介して発電機5に伝達される。回転軸8は、例えば発電用ポッド2の中心軸線に沿って設けられている。
【0025】
発電用ポッド2は、海底(水底)に設置されたシンカー9に対して接続されて水中を浮遊する。発電用ポッド2は係留索(線状部材、第1線状部材)10を介してシンカー9に接続されている。なお、シンカー9に代えて、海底に固定されたアンカーに、係留索10を接続してもよい。係留索10の一端はクロスビーム3に接続され、係留索10の他端はシンカー9に接続されている。例えば、クロスビーム3の長手方向の両端部に対して、それぞれ1本ずつ(合計2本)の係留索10が接続されている。係留索10の一端は、発電用ポッド2に接続されていてもよい。なお、発電装置1の浮体に対しては、例えば長さを調整することで、浮体の深度を変えることが可能な深度調整用のロープ等は接続されていない。
【0026】
発電用ポッド2には送電ケーブル(第2線状部材)11が接続されている。送電ケーブル11は、係留索10に沿うように配置されている。送電ケーブル11の一端は、発電用ポッド2の内部で発電機5に接続されている。送電ケーブル11は、例えば発電用ポッド2からクロスビーム3内を通り、外部に導出されている。送電ケーブル11は、発電用ポッド2から外部に導出されていてもよい。送電ケーブル11の他端は、海底付近で、海底送電ケーブル12に電気的に接続されている。送電ケーブル11は、シンカー9に配置された中継器を介して、海底送電ケーブル12に接続されている。中継器には、送電される電力の電圧を変更する変圧器が内蔵されていてもよい。海底送電ケーブル12は、海底に敷設されて、例えば地上の電力系統(外部電源等)に接続されている。発電機5によって発電された電力は、送電ケーブル11及び海底送電ケーブル12を通じて、電力系統に給電可能である。同様に、電力系統から発電機5に給電することもできる。
【0027】
送電ケーブル11は、例えば複数箇所において、係留索10に対して留められている。送電ケーブル11は、連結ユニット(線状部材連結ユニット)13によって係留索10に繋ぎ留められている。
【0028】
次に、
図3を参照して、連結ユニット13について説明する。連結ユニット13は、係留索10及び送電ケーブル11を連結している。送電ケーブル11は、係留索10が延在する方向と交差する方向において、係留索10と離間している。係留索10の長手方向に沿う仮想線である第1軸線L10と、送電ケーブル11の長手方向に沿う仮想線である第2軸線L11とは、略同一方向に延在している。第1軸線L10と第2軸線L11とは互いに異なる方向に延在していてもよい。係留索10の断面形状は、例えば円形を成している。送電ケーブル11の断面形状は、例えば円形を成している。係留索10の外径は、送電ケーブル11の外径よりも大きい。係留索10の強度は、送電ケーブル11の強度よりも高くてもよい。送電ケーブル11は、係留索10と比較して、可撓性が高く、変形しやすくてもよい。
【0029】
連結ユニット13は、係留索保持部(線状部材保持部、第1線状部材保持部)14、第1係合部(係合部)15、送電ケーブル保持部(第2線状部材保持部)16、第2係合部17、及び連結リング(連結部)18を備える。
【0030】
係留索保持部14は、係留索10の外周面に巻き付けられた複数のらせん部19を含む。らせん部19は、係留索10の外周面に沿って周方向に延在すると共に、係留索10の長手方向に対して傾斜している。らせん部19が係留索10の長手方向に対して傾斜する角度は、係留索10の長手方向において、同一でもよく、異なっていてもよい。らせん部19は、例えば、係留索10の長手方向に位置をずらしながら、数周以上巻かれている。複数のらせん部19は、互いに異なる方向に延在して交差し、網目を成している。らせん部19は、所定の幅を有する帯状を成している。係留索保持部14の帯状の部材は、例えば係留索保持部14の端部において、係留索10の長手方向における同一位置に巻き付けられていてもよい。
【0031】
らせん部19は、係留索10を海中に沈める前であり、例えば、地上(又は船上)において、係留索10に対して巻き付けられて取り付けられる。らせん部19は、例えば作業員によって、係留索10に対して巻き付けられる。らせん部19は、係留索10の外周面に対して密着されている。らせん部19は、弾性を有し、例えば、係留索10が変形すると、らせん部19は摩擦によって力が伝達されて、係留索10の外周面に追従して変位する。らせん部19の材質としては、例えば、ナイロンを用いることができる。
【0032】
係留索10の長手方向において、らせん部19の一端には、第1係合部15が連結されている。第1係合部15は、例えばリング状を成している。第1係合部15は、例えばは、らせん部19に連続して形成されている。第1係合部15は、例えば、シャックル20を介して、連結リング18に連結されている。リング状の第1係合部15に、らせん部19に連続する帯状の部材を挿通させることができる。
【0033】
連結ユニット13は、係留索10の長手方向に離間して、一対の係留索保持部14を備えている。一対の係留索保持部14は、係留索10の長手方向において、連結リング18の両側に配置されている。第1係合部15は、係留索10の長手方向において、連結リング18に近い方の端部に連結されている。
【0034】
送電ケーブル保持部16は、複数の紐状の部材21aが交差して形成された網目部21を含む。網目部21は、送電ケーブル11の長手方向において、所定の範囲を覆うように形成されている。複数の紐状の部材21aは、送電ケーブル11の長手方向に対して、傾斜するように配置されている。送電ケーブル保持部16の両端部には、送電ケーブル11の長手方向において、同一箇所で周方向に連続する筒状部22,23が形成されている。網目部21及び筒状部22,23は、弾性を有し、送電ケーブル11の外形に応じて変形する。網目部21及び筒状部22,23は、送電ケーブル11の長手方向及び径方向に伸縮可能である。
【0035】
送電ケーブル保持部16は、送電ケーブル11を海中に沈める前であり、例えば、地上において、送電ケーブル11に対して巻き付けられて取り付けられる。例えば、網目が形成されたシート状の送電ケーブル保持部16を、送電ケーブル11に巻き付けることで、送電ケーブル保持部16を装着することができる。送電ケーブル保持部16は、送電ケーブル11の外周面に対して密着されている。送電ケーブル保持部16の材質としては、例えば、ナイロンを用いることができる。
【0036】
筒状部22には、第2係合部17が連結されている。第2係合部17は、例えばリング状を成している。第2係合部17は、筒状部22から延びる紐状の部材22aに接続されている。第2係合部17は、例えば、シャックル24を介して、連結リング18に連結されている。
【0037】
連結ユニット13は、送電ケーブル11の長手方向に離間して、一対の係留索保持部14を備えている。一対の係留索保持部14は、係留索10の長手方向において、連結リング18の両側に配置されている。第2係合部17は、送電ケーブル11の長手方向において、連結リング18に近い方の端部に連結されている。
【0038】
連結リング18は、略矩形の枠体である。当該矩形の角部は湾曲し丸みを帯びている。連結リング18の形状は、矩形でもよく、円形でもよく、その他の形状でもよい。連結リング18には、シャックル20,24を介して、第1係合部15及び第2係合部17が連結されている。具体的には、係留索10の長手方向において両側から、連結リング18に対して、第1係合部15を介して係留索保持部14が連結されている。送電ケーブル11の長手方向において両側から、連結リング18に対して、第2係合部17を介して送電ケーブル保持部16が連結されている。
【0039】
連結ユニット13によれば、係留索10に対して送電ケーブル11を留めることができる。これにより、係留索10に対する送電ケーブル11の相対的な位置を維持することができる。係留索10に対して送電ケーブル11の移動を抑制することができるので、送電ケーブル11が係留索10に絡まるおそれが低減される。そのため、係留索10及び送電ケーブル11の損傷のおそれが低減される。
【0040】
連結ユニット13によれば、らせん部19が係留索10の外周面に巻き付けられているので、係留索10の長手方向において力を分散させて、係留索10を保持することができる。これにより、係留索10に対して局所的に力がかかることが抑制されるので、線状部材の損傷を抑制して、信頼性を向上することができる。この連結ユニット13では、係留索10が長手方向に延びた場合に、らせん部19が追従して延びることで、係留索10の収縮に対応させて、らせん部19を変形させることができる。これにより、係留索10を安定して保持することができる。そのため、係留索10と連結ユニット13との相対的な位置関係を維持することができる。例えば係留索10に作用する張力が変化して、係留索10が伸びている状態から縮んだ場合に、係留索10の外径が太くなると、らせん部19は、係留索10の外径の変化に対応して変形する。そのため、係留索保持部14は確実に係留索10を保持することができる。
【0041】
連結ユニット13では、らせん部19が帯状を成しているので、らせん部19と係留索10との接触面積を増やすことができ、局所的な応力集中を抑制することができる。また、らせん部19と係留索10との接触面積を増やすことで、らせん部19と係留索10との間の摩擦力を増やし、係留索10と連結ユニット13との相対的な位置関係を維持することができる。
【0042】
連結ユニット13では、複数のらせん部19が互いに異なる方向に配置されて網目を成しているので、係留索10に作用する力を複数の方向に分散させることができる。
【0043】
連結ユニット13では、送電ケーブル11の長手方向に離間して配置された一対の送電ケーブル保持部16によって、送電ケーブル11が保持される。送電ケーブル11の長手方向に力を分散させて、送電ケーブル11を保持することができる。そのため、送電ケーブル11に対して局所的に力がかかることが抑制されるので、送電ケーブル11の損傷を抑制して、信頼性を向上することができる。
【0044】
本開示は、前述した実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で下記のような種々の変形が可能である。
【0045】
上記の実施形態では、係留索10と送電ケーブル11とを連結する線状部材連結ユニットについて、説明しているが、連結される線状部材は、係留索10及び送電ケーブル11に限定されない。線状部材連結ユニットは、例えば、複数の係留索を連結してもよく、複数の送電ケーブルを連結してもよい。線状部材は、例えば、通信ケーブル、ワイヤー、チェーン、支柱、棒状部材等でもよい。線状部材連結ユニットは、水中で使用されるものに限定されず、例えば空中で使用することもできる。線状部材連結ユニットは、複数の線状部材を連結するものに限定されず、線状部材を保持する線状部材保持部を、他の物体に連結して使用してもよい。
【0046】
上記の実施形態では、帯状のらせん部19を含む係留索保持部14について説明しているが、送電ケーブル保持部16が帯状のらせん部を含んでもよい。また、係留索保持部14は、帯状のらせん部19を含むものに限定されず、紐状のらせん部を含んでもよい。線状部材保持部は、網目を成すように配置されているものに限定されず、交差していないらせん部を含んでもよい。らせん部は、線状部材の長手方向において、隙間を形成しながら配置されていてもよく、線状部材の長手方向において重なるように配置されていてもよい。
【0047】
線状部材連結ユニットは、線状部材の長手方向に離間する一対の線状部材保持部を備えるものに限定されない。線状部材連結ユニットは、一つの係留索保持部14と、一つの送電ケーブル保持部16とを連結してもよい。線状部材連結ユニットは、一対の係留索保持部14と、一つの送電ケーブル保持部16とを連結してもよい。線状部材連結ユニットは、一つの係留索保持部14と、一対の送電ケーブル保持部16とを連結してもよい。
【0048】
係合部(第1係合部、第2係合部)は、線状部材保持部(第1線状部材保持部、第2線状部材保持部)の端部に連結されているものに限定されず、線状部材保持部の長手方向の中央部に連結されているものでもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 発電装置(水中浮遊式発電装置)
2 発電用ポッド(浮体)
10 係留索(線状部材、第1線状部材)
11 送電ケーブル(第2線状部材)
13 連結ユニット(線状部材連結ユニット)
14 係留索保持部(線状部材保持部、第1線状部材保持部)
15 第1係合部(係合部)
16 送電ケーブル保持部(第2線状部材保持部)
17 第2係合部
18 連結リング(連結部)
19 らせん部