【実施例】
【0030】
<比較例1>
まず、
図1に示す構造を有する電析装置を用意した。陰極5は、溶融塩3への浸漬面積が5cm×8cmとなるよう切断した厚み3mmのCu板を用い、陽極6は、溶融塩3への浸漬面積が5cm×8cmとなるよう切断した厚み3mmのAl板を用いた。
【0031】
次に、Al化合物である無水AlCl
3と、別のハロゲン化物であるNaClをそれぞれ50mol%ずつ秤量し、Mn化合物として予め脱水処理したMnCl
2を0.1mass%秤量し、総重量が1200gとなるようアルミナ坩堝2に投入した。したがって、MnCl
2の量は1.2gである。脱水処理は、MnCl
2水和物をN
2ガスなどの不活性雰囲気中で約400℃、4時間以上加熱することにより行った。
【0032】
材料が投入されたアルミナ坩堝2を密閉容器1の内部に移動し、電気炉4によって材料を350℃に加熱することによって溶融塩3を得た。次に、攪拌機8の回転羽根を溶融塩3に沈降させ、400rpmの回転数で0.5時間撹拌した。その後、陰極5と陽極6の間に単位電極面積当たり60mA/cm
2(2.4A)の定電流を0.5時間通電し、電流および加熱を停止した。そして、溶融塩3が冷却固化する前に電極を離脱し、陰極5をアセトンで超音波洗浄した。陰極5の表面には、膜状の電析物が析出していた。膜状の電析物は、陰極5を構成するCuを濃硝酸で溶解除去することによって回収した。回収された電析物は、乳鉢で粉砕し粉末状である比較例1のサンプルを得た。
【0033】
比較例1の電解条件、電析物の形態、濃度ムラ及び磁気特性を
図2に示す。
図2に示すように、比較例1のサンプルは強磁性を示したが、その残留磁化はほぼ0emu/gであった。残留磁化の測定は、振動試料型磁力計(VSM、玉川製作所製)を用いて行った。また、濃度ムラは以下のようにして評価した。まず、得られた膜の断面もしくは粉末の成型体の断面をイオンミリングで削り、酸化等の影響を除いた後、EPMA(電子線マイクロアナライザー:Electron Probe Micro Analyzer)を用いてMn及びAlの元素マッピングを行った。具体的には、50μm角の領域で元素マッピング(256点×256点)を行い、領域内におけるMn:Al比率の最大値と最小値が、2.5at%未満の場合を〇、2.5at%以上5.0at%未満を△、5.0at%以上を×とした。
図2に示すように、比較例1のサンプルにおいては、濃度ムラの評価は×であった。
【0034】
<比較例2〜15>
Mn化合物であるMnCl
2の濃度を変えた他は、比較例1と同様にして比較例2〜5のサンプルを作製した。また、通電時間を1時間又は4時間とした他は、比較例1〜5と同様にして比較例6〜15のサンプルを作製した。
図2に示すように、比較例2〜15においても電析物は膜状であった。また、比較例2〜15のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも×であった。
【0035】
このように、比較例1〜15では強磁性の膜状電析物が得られた。電析物の残留磁化は、Mn化合物の初期濃度が高いほど増加する傾向が認められたが、得られる残留磁化は比較的小さかった。これは、電解の進行に伴って溶融塩中のMnが消費されるため、生成される電析物中のMn比率が低下するためであると考えられる。その結果、Mn比率の低い強磁性のτ相や、Mn比率の低い非磁性のγ2相又はγbrass相が生成されるため、残留磁化が低下したものと考えられる。一方、Mn化合物の初期濃度が3mass%と多すぎると、通電時間の短い比較例5や比較例10では、残留磁化がやや減少した。これは、Mn化合物の初期濃度が高すぎると、Mn化合物が溶融塩に対して飽和するため固形物として溶融塩中に分散してしまい、電流密度が例えば30mA/cm
2未満に低下することで電気化学的反応が阻害されるためであると考えられる。
【0036】
<
参考例1、実施例
2〜5>
電解中にMn化合物であるMnCl
2を追加投入した他は、それぞれ比較例6〜10と同様にして
参考例1及び実施例
2〜5のサンプルを作製した。
【0037】
MnCl
2の追加投入は、下記の通りに行った。まず、MnCl
2水和物を予めN
2ガスなどの不活性雰囲気中で約400℃、4時間以上脱水処理し、得られた無水MnCl
2を不活性雰囲気中で乳鉢を用いて粉砕した。得られた粉末を5mm径の円柱状ペレットに成形して無水MnCl
2のペレットを作製した。このようにして得られたペレットを電解中に溶融塩3に追加投入した。ペレットの追加投入は10分毎に行い、1回当たりの投入量は
参考例1及び実施例
2〜5において、すべて0.38gとした。
【0038】
図2に示すように、
参考例1及び実施例
2〜5のサンプルは強磁性を示し、それぞれ対応する比較例6〜10よりも残留磁化が大きかった。また、初期のMn化合物濃度が1mass%以上である実施例4及び5においては、陰極5に析出するMnAl合金の形態が膜状だけでなく、大部分が粉状であった。また、
参考例1及び実施例
2〜5のサンプルにおいては、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0039】
尚、粉状の電析物については、一部が陰極5に残留するものの、残りはアルミナ坩堝2の底部に堆積する。このため、溶融塩3中に沈降した粉末状の電析物をろ過回収するとともに、溶融塩をデカンテーションし、底部に残った粉末状の電析物と溶融塩の混合物を冷却固化後、アセトンで洗浄し、ろ過回収した。いずれの回収法で得られた粉末状電析物も、膜状電析物を粉砕した粉末状サンプルと合わせて混合し、評価サンプルとした。
【0040】
このように、
参考例1及び実施例
2、3では強磁性の膜状電析物が得られ、実施例4及び5では強磁性の膜状電析物と粉末状電析物の両方が得られた。尚、
参考例1及び実施例
2〜5において、溶融塩中におけるMn化合物の濃度1mass%当たり、且つ、電極面積1cm
2当たりの電気量は、それぞれ6mAh、12mAh、30mAh、60mAh及び180mAhである。
【0041】
電析物の残留磁化は、Mn化合物の初期濃度が0.1〜1mass%までは増加し、3mass%ではやや減少した。これは、Mn化合物の初期濃度が0.1mass%と低すぎると、初期濃度の維持操作を行っても生成される電析物のMn比率が低く、Mn比率の低い強磁性のτ相や、Mn比率の低い非磁性のγ2相又はγbrass相が生成しやすくなるため膜状電析物を形成しやすく、Mn化合物の初期濃度が0.2mass%以上と適切であれば、τ相が生成し、さらにMn化合物の初期濃度の維持操作を行っていることから、膜状に生成できなかったτ相が粉末状電析物となって得られたものと考えられる。一方、Mn化合物の初期濃度が3mass%と高いと、Mn化合物の追加投入量が電解によって消費されるMn量を上回り、Mn化合物が溶融塩に対して飽和するため、固形物として溶融塩中に分散することで、電気化学的反応を阻害する原因になるものと考えられる。
【0042】
<
参考例2及び実施例
7〜10>
電解中にMn化合物であるMnCl
2を追加投入した他は、それぞれ比較例11〜15と同様にして
参考例2及び実施例
7〜10のサンプルを作製した。使用するペレット及び投入条件は、それぞれ
参考例1及び実施例
2〜5と同じとした。
【0043】
図2に示すように、
参考例2及び実施例
7〜10のサンプルも強磁性を示し、それぞれ対応する比較例11〜15よりも残留磁化が大きかった。また、いずれの
参考例2及び実施例
7〜10においても、陰極5に析出するMnAl合金の形態が膜状だけでなく、大部分が粉状であった。また、
参考例2及び実施例
7〜10のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0044】
このように、
参考例2及び実施例
7〜10では強磁性の膜状電析物と粉末状電析物の両方が得られた。得られた強磁性の電析物の残留磁化は、Mn化合物の初期濃度が0.1〜1mass%までは増加し、3mass%ではやや減少した。これはMn化合物の初期濃度が0.1mass%と低すぎると、生成される電析物のMn比率が低下し、Mn比率の低い強磁性のτ相や、Mn比率の低い非磁性のγ2相又はγbrass相が生成しやすくなり、Mn化合物の初期濃度が3mass%と高いと、Mn化合物の追加投入量が電解によって消費されるMn量を上回り、Mn化合物が溶融塩に対して飽和するため、固形物として溶融塩中に分散することで、電気化学的反応を阻害する原因になるものと考えられる。
【0045】
<実施例11〜16>
通電時間を0.5時間に設定するとともに、得られた析出物に熱処理を施した他は、実施例4及び9と同様にして実施例11〜16のサンプルを作製した。電析物はいずれも膜状であった。熱処理は、粉末状のサンプルをN
2ガスフローにて1時間かけて300℃〜700℃まで昇温し、この状態を0.5時間維持することにより行った。
【0046】
図3に示すように、熱処理温度がそれぞれ300℃、600℃及び700℃である実施例11、15及び16のサンプルが強磁性を示したのに対し、熱処理温度がそれぞれ400℃、500℃及び550℃である実施例12〜14のサンプルはメタ磁性を示した。尚、残留磁化が0emu/gであっても、ある強度の磁場で磁化(磁場誘起型強磁性転移)する場合はメタ磁性と判定し、その磁場を応答磁場とした。応答磁場は転移における磁化曲線の接線と磁場軸との切片とした。また、メタ磁性の応答磁場は、熱処理温度が高いほど低くなる傾向があった。また、実施例11〜16のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0047】
<実施例17〜19>
通電時間をそれぞれ0.5時間、2時間及び3時間に設定した他は、実施例4及び9と同様にして実施例17〜19のサンプルを作製した。
図3に示すように、実施例17のサンプルは膜状であり、実施例18及び19のサンプルは膜状及び粉状であった。尚、実施例17〜19において、溶融塩中におけるMn化合物の濃度1mass%当たり、且つ、電極面積1cm
2当たりの電気量は、それぞれ30mAh、120mAh及び180mAhである。
【0048】
このように、通電時間が短いと電析物は膜状であったが、通電時間を長くすると電析物が粉末状となった。これは、Mn化合物の濃度1mass%当たり60mAh/cm
2の電気量で電解した場合、通電時間が長くなると膜状電析物の膜厚が10〜20μm程度となり、初期状態の電極表面に比べて平坦性が失われ、凹凸の凸部分にデンドライト成長が始まることで粉末状電析物が生成すると考えられる。また、実施例17〜19のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0049】
尚、実施例17は、熱処理を省略した他は、実施例11〜16と同じ条件である。
図3に示すように、熱処理を行わない実施例17と比べ、熱処理を行った実施例11(熱処理温度:300℃)、実施例15(熱処理温度:600℃)及び実施例16(熱処理温度:700℃)の方が大きな残留磁化が得られた。特に、熱処理温度がそれぞれ600℃及び700℃である実施例15及び16においては、残留磁化の増加が顕著であった。
【0050】
<比較例16〜21>
電解中にMnCl
2の追加投入を行わなかった他は、それぞれ実施例11〜16と同様にして比較例16〜21のサンプルを作製した。
【0051】
図3に示すように、比較例16のサンプルは強磁性を示したが、比較例17〜21のサンプルでは磁性が認められなかった。また、比較例16〜21のサンプルにおいては、濃度ムラの評価はいずれも×であった。このように、電解後に熱処理を行ったとしても、電解中にMnCl
2の追加投入を行わない場合には、高い磁性を得ることができず、且つ、濃度ムラも大きかった。
【0052】
<実施例20〜25>
得られた析出物に0.5時間の熱処理を施した他は、実施例9と同様にして実施例20〜25のサンプルを作製した。電析物はいずれも膜状及び粉末状であった。
【0053】
図3に示すように、熱処理温度がそれぞれ300℃、600℃及び700℃である実施例20、24及び25のサンプルが強磁性を示したのに対し、熱処理温度がそれぞれ400℃、500℃及び550℃である実施例21〜23のサンプルはメタ磁性を示した。また、強磁性を示した実施例20、24及び25のサンプルは、熱処理を施していない実施例9のサンプルと比べ、残留磁化が増加した。特に、熱処理温度が600℃である実施例24においては、残留磁化の増加が顕著であった。また、メタ磁性の応答磁場は、熱処理温度が高いほど低くなる傾向があった。実施例20〜25のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0054】
<実施例26〜30>
単位電極面積当たりの電気量を30mAh/cm
2とした他は、実施例17、4、18、19及び9と同様にして実施例26〜30のサンプルを作製した。
【0055】
図4に示すように電流密度を30mA/cm
2に小さくしても、強磁性の膜状電析物が得られた。また、実施例26及び27のサンプルは膜状であり、実施例28〜30のサンプルは膜状及び粉状であった。また、実施例26〜30のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。尚、実施例26〜30において、溶融塩中におけるMn化合物の濃度1mass%当たり、且つ、電極面積1cm
2当たりの電気量は、それぞれ15mAh、30mAh、60mAh、90mAh及び120mAhである。
【0056】
<実施例31〜35>
単位電極面積当たりの電気量を120mAh/cm
2とし、通電時間をそれぞれ0.2時間、0.4時間、0.5時間、1時間及び2時間とした他は、実施例26〜30と同様にして実施例26〜30のサンプルを作製した。
【0057】
図4に示すように電流密度を120mA/cm
2に大きくしても、強磁性の膜状電析物が得られた。また、実施例31及び32のサンプルは膜状であり、実施例33〜35のサンプルは膜状及び粉状であった。また、実施例31〜35のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。尚、実施例31〜35において、溶融塩中におけるMn化合物の濃度1mass%当たり、且つ、電極面積1cm
2当たりの電気量は、それぞれ24mAh、48mAh、60mAh、120mAh及び240mAhである。
【0058】
<実施例36〜48>
Al化合物の種類及び割合とハロゲン化物の種類及び割合を変えた他は、実施例9と同様にして実施例36〜48のサンプルを作製した。Al化合物の種類及び割合とハロゲン化物の種類及び割合は、
図4及び
図5に示すとおりである。
【0059】
図4及び
図5に示すように、ハロゲン化物がKClである場合よりもNaClである場合の方が残留磁化が高くなり、ハロゲン化物がNaClである場合よりもLiClである場合の方が残留磁化が高くなる傾向にあるが、実施例39のようにKClとLiClを組合せると残留磁化がより大きくなった。また、Al化合物であるAlCl
3をAlF
3又はAlBr
3によって少量置換しても強磁性の粉状電析物が得られた。実施例44のように氷晶石(AlNa
3F
6)を用いても粉状電析物が得られた。実施例45及び46では希土類ハロゲン化物のLaCl
3およびDyCl
3を少量含有させることで残留磁化が僅かに増加した。実施例47及び48のように、アルカリ土類ハロゲン化物を少量含有させても、強磁性の粉状電析物が得られた。また、実施例36〜48のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0060】
<実施例49〜56>
電解時の溶融塩の温度をそれぞれ150℃、200℃、300℃、400℃、450℃、500℃、550℃及び600℃に設定した他は、実施例9と同様にして実施例49〜56のサンプルを作製した。但し、実施例55及び56においては、溶融塩の温度を考慮して、AlCl
3とNaClの割合を49:51に調整した。
【0061】
図5に示すように、電解時における溶融塩の温度が150℃〜350℃の範囲では、温度が高いほど強磁性の電析物の残留磁化が増加した。これは、溶融塩の温度が低すぎると電析物中のMn比率が減少し、Mn比率の低い強磁性のτ相や、Mn比率の低い非磁性のγ2相又はγbrass相が生成しやすくなるためである。一方、温度が400℃以上、600℃未満の範囲ではメタ磁性が観測され、メタ磁性の応答磁場は、溶融塩の温度が高いほど低くなる傾向があった。また、温度が600℃である場合には強磁性となり、非常に大きな残留磁化が得られた。したがって、十分な残留磁化を得るためには、電解時における溶融塩の温度を150℃以上、350℃以下、或いは、600℃程度とすればよい。さらに、メタ磁性を得るためには電解時における溶融塩の温度を400℃以上、600℃未満とすればよい。実施例49〜56のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0062】
<実施例57〜60>
電解時における電流密度をそれぞれ15mA/cm
2、30mA/cm
2、120mA/cm
2及び150mA/cm
2に設定した他は、実施例9と同様にして実施例57〜60のサンプルを作製した。
【0063】
図5に示すように、電解時における電流密度が15mA/cm
2〜60mA/cm
2の範囲では、電流密度が高いほど強磁性の電析物の残留磁化は増加したが、電流密度を150mA/cm
2まで上昇させると、かえって残留磁化が著しく減少した。これは、電流密度が低すぎると電析物中のMn比率が減少し、Mn比率の低い強磁性のτ相や、Mn比率の低い非磁性のγ2相やγbrass相が生成しやすくなるためであり、電流密度が高すぎるとτ相の形成自体が起こりにくくなるためであると考えられる。したがって、十分な残留磁化を得るためには、電解時における電流密度を30mA/cm
2以上、120mA/cm
2以下とすればよい。また、実施例57〜60のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0064】
<実施例61〜73>
Al化合物の種類及び割合とハロゲン化物の種類及び割合を変えた他は、実施例23と同様にして実施例61〜73のサンプルを作製した。Al化合物の種類及び割合とハロゲン化物の種類及び割合は、
図5及び
図6に示すとおりである。
【0065】
図5及び
図6に示すように、Al化合物の種類及び割合とハロゲン化物の種類及び割合を変えても、所定の温度で熱処理することによりメタ磁性が得られることが分かった。また、実施例61〜73のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
【0066】
<実施例74〜81>
電解時の溶融塩の温度をそれぞれ150℃、200℃、300℃、400℃、450℃、500℃、550℃及び600℃に設定した他は、実施例23と同様にして実施例74〜81のサンプルを作製した。但し、実施例80及び81においては、溶融塩の温度を考慮して、AlCl
3とNaClの割合を49:51に調整した。
【0067】
図7に示すように、電解時の溶融塩の温度が150℃〜550℃であれば、所定の温度で熱処理することによりメタ磁性が得られ、電解時の溶融塩の温度が600℃であれば、所定の温度で熱処理することにより強磁性が得られることが分かった。また、実施例74〜81のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。
<実施例82〜85>
電解時における電流密度をそれぞれ15mA/cm
2、30mA/cm
2、120mA/cm
2及び150mA/cm
2に設定した他は、実施例23と同様にして実施例82〜85のサンプルを作製した。
【0068】
図7に示すように、電解時における電流密度を変えても、所定の温度で熱処理することによりメタ磁性が得られることが分かった。また、実施例82〜85のサンプルにおいても、濃度ムラの評価はいずれも○であった。