特許第6989024号(P6989024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989024
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】移動支援装置の点検指示装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20211220BHJP
   B66B 17/20 20060101ALI20211220BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20211220BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20211220BHJP
   G06Q 10/00 20120101ALI20211220BHJP
【FI】
   B66B5/00 G
   B66B17/20 A
   H04Q9/00 311K
   H04Q9/00 301C
   H04M11/00 301
   G06Q10/00 300
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2020-545373(P2020-545373)
(86)(22)【出願日】2019年8月29日
(86)【国際出願番号】JP2019033989
(87)【国際公開番号】WO2021038806
(87)【国際公開日】20210304
【審査請求日】2020年8月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】志賀 諭
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 誠一
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−018174(JP,A)
【文献】 特開2010−189162(JP,A)
【文献】 特開2018−188273(JP,A)
【文献】 特開2018−144983(JP,A)
【文献】 特開2019−099371(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00
B66B 17/20
B66B 1/00−1/52
H04Q 9/00
H04M 11/00
G06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動支援装置が設けられた建築物に配置されたロボットに向けて情報を送信する送信部と、
前記ロボットから情報を受信する受信部と、
前記ロボットに向けて、前記移動支援装置の状況を確認するための動作指令の情報を前記送信部に送信させる制御判定部と、
前記ロボットが前記制御判定部からの動作指令の情報に基づいて前記移動支援装置の状況を確認して当該状況の確認結果を示す情報を送信し、前記受信部が前記移動支援装置の状況の確認結果を示す情報を受信した際に、前記受信部が受信した情報に基づいて前記移動支援装置の状況を判定する確認結果判定部と、
を備え
前記制御判定部は、前記受信部が前記移動支援装置から異常の発生を示す情報を受信した際に、前記移動支援装置に向けて、当該異常の状況に応じた動作指令の情報を前記送信部に送信させ、前記ロボットに向けて、前記移動支援装置が当該異常の状況に応じた動作した状態における当該異常の状況を確認するための動作指令の情報を前記送信部に送信させる移動支援装置の点検指示装置。
【請求項2】
前記制御判定部は、前記移動支援装置としてのエレベーターに向けて、前記ロボットが配置された階にかごを移動させる指令の情報を前記送信部に送信させ、前記ロボットに向けて、前記エレベーターの乗場に向けて走行させる指令の情報を前記送信部に送信させ請求項に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【請求項3】
前記制御判定部は、前記受信部が前記ロボットから前記乗場へ到着したことを示す情報を受信した後、前記エレベーターに向けて、前記乗場でドアを開かせる指令の情報を前記送信部に送信させる請求項2に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【請求項4】
前記制御判定部は、前記受信部が前記エレベーターから前記乗場でドアを開いたことを示す情報を受信した際に、前記ロボットに向けて、前記かごの内部に移動させる指令の情報を前記送信部に送信させる請求項3に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【請求項5】
前記制御判定部は、前記受信部が前記ロボットから前記かごの内部に移動したことを示す情報を受信した後、前記エレベーターに向けて、異常に応じた診断運転を開始させる指令の情報を前記送信部に送信させる請求項4に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【請求項6】
前記制御判定部は、前記受信部が前記エレベーターから異常に応じた診断を行っていることを示す情報を受信した後、前記ロボットに対して、当該異常の状況を確認するための動作指令の情報を前記送信部に送信させる請求項5に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【請求項7】
前記制御判定部は、前記エレベーターのかごが停止した状態で使用不能であり、前記ロボットが前記かごの停止階と異なる階に配置されている場合に、前記ロボットに対し、移動支援装置としてのエスカレーターを利用して前記かごの停止階まで移動させる指令の情報を前記送信部に送信させる請求項から請求項6のいずれか一項に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【請求項8】
前記確認結果判定部は、前記移動支援装置の状況の判定結果に基づいて、保守員による対応の要否を判定する請求項から請求項7のいずれか一項に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【請求項9】
前記確認結果判定部は、前記エレベーターのかごが停止した状態で使用不能であり、前記ロボットが前記かごの停止階と異なる階に配置されており、前記ロボットが前記かごの停止階に移動するための手段がない場合に、保守員による対応が必要と判定する請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の移動支援装置の点検指示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動支援装置の点検指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、保守員自動手配システムを開示する。当該保守員自動手配システムによれば、保守員の派遣要求時において適切な保守員を自動で手配し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本特開2018−90392号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の保守員自動手配システムにおいては、勘違いによって保守員の派遣が要求された場合でも、保守員が現地を訪問することになる。このため、保守員が無用に現地を訪問することもある。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、保守員が無用に現地を訪問することを抑制できる移動支援装置の点検指示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る移動支援装置の点検指示装置は、移動支援装置が設けられた建築物に配置されたロボットに向けて情報を送信する送信部と、前記ロボットから情報を受信する受信部と、前記ロボットに向けて、前記移動支援装置の状況を確認するための動作指令の情報を前記送信部に送信させる制御判定部と、前記ロボットが前記制御判定部からの動作指令の情報に基づいて前記移動支援装置の状況を確認して当該状況の確認結果を示す情報を送信し、前記受信部が前記移動支援装置の状況の確認結果を示す情報を受信した際に、前記受信部が受信した情報に基づいて前記移動支援装置の状況を判定する確認結果判定部と、を備え、前記制御判定部は、前記受信部が前記移動支援装置から異常の発生を示す情報を受信した際に、前記移動支援装置に向けて、当該異常の状況に応じた動作指令の情報を前記送信部に送信させ、前記ロボットに向けて、前記移動支援装置が当該異常の状況に応じた動作した状態における当該異常の状況を確認するための動作指令の情報を前記送信部に送信させる


【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、点検指示装置は、ロボットからの移動支援装置の状況の確認結果を示す情報に基づいて、移動支援装置の状況を判定する。このため、保守員が無用に現地を訪問することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される移動支援システムの構成図である。
図2】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用されるエレベーターの構成図である。
図3】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用されるエスカレーターの構成図である。
図4】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される動く歩道の構成図である。
図5】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置としての情報センター装置のブロック図である。
図6】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される移動支援システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
図7】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される移動支援システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
図8】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される移動支援システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
図9】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置としての情報センター装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
図10】実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置としての情報センター装置のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される移動支援システムの構成図である。図2は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用されるエレベーターの構成図である。図3は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用されるエスカレーターの構成図である。図4は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される動く歩道の構成図である。
【0011】
図1の移動支援システムにおいて、複数のエレベーター1と複数のエスカレーター2と複数の動く歩道3とは、移動支援装置として、建築物に設けられる。
【0012】
図2に示されるように、複数のエレベーター1の各々において、昇降路1aは、図示されない建築物の各階を貫く。機械室1bは、昇降路1aの直上に設けられる。複数の乗場1cの各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場1cの各々は、昇降路1aに対向する。
【0013】
複数のエレベーター1の各々において、巻上機1dは、機械室1bに設けられる。主ロープ1eは、巻上機1dに巻き掛けられる。かご1fは、昇降路1aの内部に設けられる。かご1fは、主ロープ1eの一側に吊るされる。釣合おもり1gは、昇降路1aの内部に設けられる。釣合おもり1gは、主ロープ1eの他側に吊るされる。
【0014】
複数のエレベーター1の各々において、複数の乗場ドア1hの各々は、複数の乗場1cの各々の出入口に設けられる。かごドア1iは、かご1fの出入口に設けられる。
【0015】
複数のエレベーター1の各々において、エレベーター制御装置1jは、機械室1bに設けられる。エレベーター制御装置1jは、エレベーター1を全体的に制御し得るように設けられる。
【0016】
複数のエレベーター1の各々において、エレベーター監視装置1kは、機械室1bに設けられる。エレベーター監視装置1kは、エレベーター制御装置1jからの情報に基づいてエレベーター1の状態を監視し得るように設けられる。
【0017】
図3に示されるように、複数のエスカレーター2の各々は、建築物において互いに隣接する隣接階の下方階から上方階にまたがるように設けられる。
【0018】
複数のエスカレーター2の各々において、下部乗降口2aは、隣接階の下方階に設けられる。上部乗降口2bは、隣接階の上方階に設けられる。
【0019】
複数のエスカレーター2の各々において、下部機械室2cは、下部乗降口2aの直下に設けられる。上部機械室2dは、上部乗降口2bの直下に設けられる。
【0020】
複数のエスカレーター2の各々において、複数のエスカレーターステップ2eは、下部乗降口2aと上部乗降口2bとの間に設けられる。複数のエスカレーターステップ2eは、無端状に設けられる。
【0021】
複数のエスカレーター2の各々において、一対のエスカレーター欄干2fの一方は、複数のエスカレーターステップ2eの一側の外側に設けられる。一対のエスカレーター欄干2fの他方は、複数のエスカレーターステップ2eの他側の外側に設けられる。一対のエスカレーター欄干2fの各々は、当該エスカレーター2の長手方向に沿う。
【0022】
複数のエスカレーター2の各々において、一対のエスカレーター手摺2gの各々は、一対のエスカレーター欄干2fの各々に設けられる。一対のエスカレーター手摺2gの各々は、無端状に設けられる。
【0023】
複数のエスカレーター2の各々において、エスカレーター制御装置2hは、上部機械室2dに設けられる。エスカレーター制御装置2hは、当該エスカレーター2を全体的に制御し得るように設けられる。
【0024】
複数のエスカレーター2の各々において、エスカレーター監視装置2iは、上部機械室2dに設けられる。エスカレーター監視装置2iは、エスカレーター制御装置2hからの情報に基づいて当該エスカレーター2の状態を監視し得るように設けられる。
【0025】
図4に示されるように、複数の動く歩道3の各々は、建築物において各階に設けられる。
【0026】
複数の動く歩道3の各々において、一側乗降口3aは、当該動く歩道3の一側に設けられる。他側乗降口3bは、当該動く歩道3の他側に設けられる。
【0027】
複数の動く歩道3の各々において、一側機械室3cは、一側乗降口3aの直下に設けられる。他側機械室3dは、他側乗降口3bの直下に設けられる。
【0028】
複数の動く歩道3の各々において、複数の歩道プレート3eは、一側乗降口3aと他側乗降口3bとの間に設けられる。複数の歩道プレート3eは、無端状に設けられる。
【0029】
複数の動く歩道3の各々において、一対の歩道欄干3fの一方は、複数の歩道プレート3eの一側の外側に設けられる。一対の歩道欄干3fの他方は、複数の歩道プレート3eの他側の外側に設けられる。一対の歩道欄干3fの各々は、当該動く歩道3の長手方向に沿う。
【0030】
複数の動く歩道3の各々において、一対の歩道手摺3gの各々は、一対の歩道欄干3fの各々に設けられる。一対の歩道手摺3gの各々は、無端状に設けられる。
【0031】
複数の動く歩道3の各々において、歩道制御装置3hは、一側機械室3cに設けられる。歩道制御装置3hは、当該動く歩道3を全体的に制御し得るように設けられる。
【0032】
複数の動く歩道3の各々において、歩道監視装置3iは、一側機械室3cに設けられる。歩道監視装置3iは、制御装置からの情報に基づいて当該動く歩道3の状態を監視し得るように設けられる。
【0033】
図1において、情報センター装置4は、当該建築物から離れた場所に設けられる。例えば、情報センター装置4は、エレベーター1と複数のエスカレーター2と複数の動く歩道3との保守会社に設けられる。情報センター装置4は、図1においては図示されない複数のエレベーター監視装置1kの各々からの情報に基づいて複数のエレベーター1の各々の状態を把握し得るように設けられる。情報センター装置4は、図1においては図示されない複数のエスカレーター監視装置2iの各々からの情報に基づいて複数のエスカレーター2の各々の状態を把握し得るように設けられる。情報センター装置4は、図1においては図示されない複数の歩道監視装置3iの各々からの情報に基づいて複数の動く歩道3の各々の状態を把握し得るように設けられる。
【0034】
ロボット5は、当該建築物に配置される。ロボット5は、自律移動し得るように設けられる。例えば、加速度センサ5aとジャイロセンサ5bとマイク5cとカメラ5dとは、ロボット5に予め搭載される。例えば、加速度センサ5aとジャイロセンサ5bとマイク5cとカメラ5dとは、ロボット5に後から取り付けられる。
【0035】
例えば、情報センター装置4は、複数のエレベーター1の各々における異常の内容と複数のエレベーター1の各々に対する動作指令とロボット5に対する動作指令との情報を対応付けて予め記憶する。例えば、情報センター装置4は、複数のエスカレーター2の各々における異常の内容と複数のエスカレーター2の各々に対する動作指令とロボット5に対する動作指令との情報を対応付けて予め記憶する。例えば、情報センター装置4は、複数の動く歩道3の各々における異常の内容と複数の動く歩道3の各々に対する動作指令とロボット5に対する動作指令との情報を対応付けて予め記憶する。
【0036】
例えば、エレベーター1に関し、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kからの異常通報の情報を受信した際に当該異常の内容に対応付けられた動作指令の情報を抽出する。情報センター装置4は、エレベーター1に向けて、抽出した動作指令の情報を送信する。情報センター装置4は、ロボット5に向けて、抽出した動作指令の情報を送信する。
【0037】
エレベーター1において、エレベーター監視装置1kは、情報センター装置4から当該動作指令の情報を受信する。エレベーター監視装置1kは、エレベーター制御装置1jに向けて、当該動作指令を送信する。エレベーター制御装置1jは、当該動作指令に基づいてエレベーター1の動作を制御する。
【0038】
ロボット5は、情報センター装置4から当該動作指令の情報を受信する。ロボット5は、当該動作指令に基づいて動作する。
【0039】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kから利用者の閉じ込めを示す情報を受信した場合、動作指令の情報として、ロボット5に向けて、かご1fが停止している階の乗場1cへの移動指令と当該乗場1cにおけるカメラ5dでの撮影指令とマイク5cでの収音指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0040】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kからエレベーター1が使用できない情報を受信した場合、動作指令の情報として、かご1fが停止している階の乗場1cへの移動指令と当該乗場1cにおけるカメラ5dでの撮影指令とマイク5cでの収音指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0041】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kからエレベーター1の故障を示す情報を受信した場合に、かご1fが停止している階または動作した安全スイッチが設定されている階の乗場1cへの移動指令と当該乗場1cにおけるカメラ5dでの撮影指令とマイク5cでの収音指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0042】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kから異常音を示す情報を受信した場合に、異常音が発生したかご1fの内部または乗場1cへの移動指令とかご1fの内部または当該乗場1cにおけるカメラ5dでの撮影指令とマイク5cでの収音指令と加速度センサ5aでの加速度検出指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0043】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kから乗場1cインジケータランプの球切れを示す情報を受信した場合に、球切れがあった乗場1cへの移動指令と当該乗場1cにおけるカメラ5dでの撮影指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0044】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kから乗場押釦ON故障を示す情報を受信した場合に、乗場押釦ON故障の連絡があった乗場1cへの移動指令と当該乗場1cにおけるカメラ5dでの撮影指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0045】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kからかご1f内インジケータランプの球切れを示す情報を受信した場合に、かご1fの内部への移動指令とかご1fの内部におけるカメラ5dでの撮影指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0046】
例えば、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kからかご1f内照明の切れを示す情報を受信した場合に、かご1fの内部への移動指令とかご1fの内部におけるカメラ5dでの撮影指令と図示されない照度計での照度測定指令とを送信する。ロボット5は、当該指令に基づいて動作する。
【0047】
この際、ロボット5がかご1fに乗ったり各階の間を移動したりする必要があると、情報センター装置4は、エレベーター1に向けて、動作指令の情報を送信する。例えば、情報センター装置4は、エレベーター1に向けて、ロボット5の動作指令に対応した乗場呼びとかご呼びとの登録指令を送信する。
【0048】
ロボット5は、情報センター装置4に向けて、エレベーター1の異常の状況の結果を示す情報として収集した情報を送信する。
【0049】
情報センター装置4は、ロボット5からエレベーター1の異常の状況の確認結果を示す情報を受信する。この際、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kからの情報に基づいてかご1fの位置の情報を受信する。情報センター装置4は、ロボット5からの情報と監視装置との情報とを対応付けて記憶する。具体的には、情報センター装置4は、エレベーター1の異常の状況の確認結果を示す情報とかご1fの位置の情報とを対応付けて記憶する。
【0050】
なお、エレベーター1が1台だけ設定されている建築物においては、ロボット5が上下方向に移動できない場合は、保守員へ通知する。
【0051】
また、ロボット5の点検運転中は、外乱を避けるため、エレベーター1において、乗場呼び等の応答せずに、利用者の乗降を規制する。
【0052】
なお、エスカレーター2、動く歩道3によるロボット5の点検も同様に行われる。
【0053】
次に、図5を用いて、情報センター装置4を説明する。
図5は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置としての情報センター装置のブロック図である。
【0054】
図5に示されるように、情報センター装置4は、点検指示装置として、送信部4aと受信部4bと制御判定部4cと確認結果判定部4dとを備える。
【0055】
送信部4aは、ロボット5等に向けて情報を送信し得るように設けられる。受信部4bは、ロボット5等から情報を受信し得るように設けられる。制御判定部4cは、ロボット5に向けて、移動支援装置の状況に応じてエレベーター1等の状況を確認するための動作指令の情報を送信部4aに送信させ得るように設けられる。確認結果判定部4dは、ロボット5が制御判定部4cからの動作指令の情報に基づいて移動支援装置の状況を確認して当該異常の確認結果を示す情報を送信し、受信部4bが当該移動支援装置の状況の確認結果を示す情報を受信した際に、受信部4bが受信した情報に基づいて移動支援装置の状況を判定する。
【0056】
次に、図6から図8を用いて、移動支援システムの動作の概要を説明する。
図6から図8は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置が適用される移動支援システムの動作の概要を説明するためのシーケンス図である。
【0057】
ステップS1では、エレベーター制御装置1jは、異常を検出する。その後、ステップS2では、エレベーター監視装置1kは、異常の発生を示す情報を送信する。その後、ステップS3では、情報センター装置4は、異常の発生を示す情報を受信する。その後、ステップS4では、情報センター装置4は、異常が発生したエレベーター1を確認する。その後、ステップS5では、情報センター装置4は、当該エレベーター1が設けられた建築物に配置されたロボット5に向けて当該エレベーター1の乗場1cに向けて走行させる指令の情報を送信する。
【0058】
その後、ステップS6では、ロボット5は、当該エレベーター1の乗場1cに向けて走行させる指令の情報を受信する。その後、ステップS7では、ロボット5は、当該エレベーター1の乗場1cに向けて走行を開始する。その後、ステップS8では、ロボット5は、当該エレベーター1の乗場1cに到着する。その後、ステップS9では、ロボット5は、当該エレベーター1の乗場1cに到着したことを示す情報を送信する。
【0059】
ステップS10では、情報センター装置4は、当該エレベーター1の乗場1cに到着したことを示す情報を受信する。その後、ステップS11では、情報センター装置4は、当該エレベーター1に向けてロボット5が到着した乗場1cへかご1fを移動させる指令を送信する。
【0060】
ステップS12では、エレベーター監視装置1kは、ロボット5が到着した乗場1cへかご1fを移動させる指令を受信する。その後、ステップS13では、エレベーター監視装置1kは、当該乗場1cに対応した乗場呼びの登録を要求する情報を送信する。
【0061】
ステップS14では、エレベーター制御装置1jは、当該乗場1cに対応した乗場呼びの登録を要求する情報を受信する。その後、ステップS15では、エレベーター制御装置1jは、当該乗場1cに対応した乗場呼びを登録する。その後、ステップS16では、エレベーター制御装置1jは、かご1fを当該乗場1cに応答させる。
【0062】
その後、ステップS17では、エレベーター監視装置1kは、かご1fが当該乗場1cに到着したことを示す情報を送信する。
【0063】
その後、ステップS18では、情報センター装置4は、かご1fが当該乗場1cに到着したことを示す情報を受信する。その後、ステップS19では、情報センター装置4は、当該乗場1cにおいてエレベーター1のドアを開かせる指令の情報を送信する。
【0064】
その後、ステップS20では、エレベーター監視装置1kは、当該乗場1cにおいてエレベーター1のドアを開かせる指令の情報を受信する。その後、ステップS21では、エレベーター監視装置1kは、当該乗場1cにおいてエレベーター1のドアを開かせる指令の情報を送信する。
【0065】
その後、ステップS22では、エレベーター制御装置1jは、当該乗場1cにおいてエレベーター1のドアを開かせる指令の情報を受信する。その後、ステップS23では、エレベーター制御装置1jは、当該乗場1cにおいてエレベーター1のドアを開く。
【0066】
その後、ステップS24では、エレベーター監視装置1kは、当該乗場1cにおいてエレベーター1のドアが開いたことを示す情報を送信する。
【0067】
その後、ステップS25では、情報センター装置4は、当該乗場1cにおいてエレベーター1のドアが開いたことを示す情報を受信する。その後、ステップS26では、情報センター装置4は、ロボット5をかご1fの内部に移動させる指令の情報を送信する。
【0068】
その後、ステップS27では、ロボット5は、かご1fの内部に移動させる指令の情報を受信する。その後、ステップS28では、ロボット5は、かご1fの内部に移動する。その後、ステップS29では、ロボット5は、かご1fの内部に移動したことを示す情報を送信する。
【0069】
その後、ステップS30では、情報センター装置4は、ロボット5がかご1fの内部に移動したことを示す情報を受信する。その後、ステップS31では、情報センター装置4は、異常の状況に応じた診断運転を開始させる指令の情報を送信する。
【0070】
その後、ステップS32では、エレベーター監視装置1kは、当該診断運転を開始させる指令を受信する。その後、ステップS33では、エレベーター監視装置1kは、当該診断運転を開始させる指令の情報を送信する。
【0071】
その後、ステップS34では、エレベーター制御装置1jは、当該診断運転を開始させる指令の情報を受信する。その後、ステップS35では、エレベーター制御装置1jは、当該診断運転を開始する。その後、ステップS36では、エレベーター制御装置1jは、エレベーター1のドアを閉じる。
【0072】
その後、ステップS37では、ロボット5は、エレベーター1のドアが閉じたことを検出する。その後、ステップS38では、ロボット5は、異常の確認を開始する。
【0073】
その後、ステップS39では、エレベーター制御装置1jは、エレベーター1の診断運転を完了する。
【0074】
その後、ステップS40では、情報センター装置4は、かご1fの位置を示す情報を送信する。
【0075】
その後、ステップS41では、ロボット5は、異常の確認を完了する。その後、ステップS42では、ロボット5は、異常の確認結果に基づいて保守員の派遣要否を判定する。その後、ステップS43では、ロボット5は、保守員の派遣要否の判定結果を示す情報を送信する。
【0076】
その後、ステップS44では、情報センター装置4は、保守員の派遣要否の判定結果を示す情報を受信する。その後、ステップS45では、情報センター装置4は、当該判定結果に応じた対応を指示する。
【0077】
次に、図9を用いて、情報センター装置4の動作を説明する。
図9は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置としての情報センター装置の動作の概要を説明するためのフローチャートである。
【0078】
ステップS51では、情報センター装置4は、エレベーター監視装置1kからエレベーター1の異常の発生を示す情報を受信する。その後、情報センター装置4は、ステップS52の動作を行う。ステップS52では、情報センター装置4は、ロボット5に向けて、異常の発生を示す情報を受信したことを示す情報と異常の状況に応じてエレベーター1の異常の状況を確認するための動作指令を送信する。
【0079】
その後、情報センター装置4は、ステップS53の動作を行う。ステップS53では、情報センター装置4は、ロボット5からエレベーター1の異常の状況の確認結果を示す情報を受信する。その後、情報センター装置4は、ステップS54の動作を行う。ステップS54では、情報センター装置4は、保守員の携帯端末に向けて、エレベーター1の異常の状況の確認結果を示す情報を送信する。その後、情報センター装置4は、動作を終了する。
【0080】
なお、保守員は、携帯端末においてエレベーター1の異常の状況の確認結果を示す情報を表示させることにより当該異常を把握する。保守員は、当該異常の対応が必要である場合、当該異常を解消する。その結果、エレベーター1は復旧する。
【0081】
以上で説明した実施の形態1によれば、情報センター装置4は、ロボット5からのエレベーター1等の状況の確認結果を示す情報に基づいて、移動支援装置の状況を判定する。このため、エレベーター1等に新たなセンサを設けることなく、保守員が無用に現地を訪問することを抑制できる。
【0082】
この際、ロボット5は、エレベーター1等と直接的に連携する必要がない。このため、性能が制限された安価なロボット5を用いて、エレベーター1等の点検を行うことができる。
【0083】
また、保守員は、定量的なデータに基づいて対応可否を判断できる。このため、保守員が出動した場合の対応を早めることができる。その結果、エレベーター1等の復旧を早めることができる。
【0084】
なお、エレベーター1等の利用者または管理者において対応できる場合、保守員の出動は不要となる。この場合、エレベーター1等の復旧をより早めることができる。
【0085】
また、情報センター装置4は、ロボット5に対してだけでなく、エレベーター1等に対しても動作指令を送信する。このため、異常の内容に応じてエレベーター1等を適切に点検することができる。特に、エレベーター1においては、異常の確認を行うために、ロボット5をかご1fに乗せることもある。この場合でも、ロボット5をかご1fの内部に円滑に移動させることができる。
【0086】
なお、かご1fが停止した状態で使用不能であり、ロボット5がかご1fの停止階と異なる階に配置されている場合、情報センター装置4において、ロボット5に対し、エスカレーター2を利用してかご1fの停止階まで移動させる指令の情報を送信してもよい。この場合、エレベーター1の状況を適切に判定することができる。
【0087】
また、かご1fが停止した状態で使用不能であり、ロボット5がかご1fの停止階と異なる階に配置されており、ロボット5がかご1fの停止階に移動する手段がない場合、情報センター装置4において、保守員による対応が必要と判定してもよい。この場合、エレベーター1の復旧をより早めることができる。
【0088】
また、建築物の管理者等からエレベーター1等の異常を知らせる電話連絡があった場合に、情報センター装置4において、エレベーター1等とロボット5とに対して動作指令の情報を送信してもよい。この場合も、保守員が無用に現地を訪問することを抑制できる。
【0089】
なお、機械室1bがなくて昇降路1aの上部または下部に巻上機1d、エレベーター制御装置1j、エレベーター監視装置1kが設けられるエレベーター1において、実施の形態1の点検指示装置を適用してよい。この場合も、保守員が無用に現地を訪問することを抑制できる。
【0090】
次に、図10を用いて、情報センター装置4の例を説明する。
図10は実施の形態1における移動支援装置の点検指示装置としての情報センター装置のハードウェア構成図である。
【0091】
情報センター装置4の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0092】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、情報センター装置4の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、情報センター装置4の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0093】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、点検指示装置の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、情報センター装置4の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0094】
情報センター装置4の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、制御判定部4cの機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、制御判定部4cの機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0095】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで情報センター装置4の各機能を実現する。
【0096】
図示されないが、制御装置の各機能も、情報センター装置4の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。監視装置の各機能も、情報センター装置4の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、この発明に係る移動支援装置の点検指示装置は、移動支援システムに利用できる。
【符号の説明】
【0098】
1 エレベーター、 1a 昇降路、 1b 機械室、 1c 乗場、 1d 巻上機、 1e 主ロープ、1f かご、 1g 釣合おもり、 1h 乗場ドア、 1i かごドア、 1j エレベーター制御装置、 1k エレベーター監視装置、 2 エスカレーター、 2a 下部乗降口、 2b 上部乗降口、 2c 下部機械室、 2d 上部機械室、 2e エスカレーターステップ、 2f エスカレーター欄干、 2g エスカレーター手摺、 2h エスカレーター制御装置、 2i エスカレーター監視装置、 3 動く歩道、 3a 一側乗降口、 3b 他側乗降口、 3c 一側機械室、 3d 他側機械室、 3e 歩道プレート、 3f 歩道欄干、 3g 歩道手摺、 3h 歩道制御装置、 3i 歩道監視装置、 4 情報センター装置、 4a 送信部、 4b 受信部、 4c 制御判定部、 4d 確認結果判定部、 5 ロボット、 5a 加速度センサ、 5b ジャイロセンサ、 5c マイク、 5d カメラ、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア
図1
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