(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本件を実施するための形態を説明する。
下記の項目「1」で各実施形態に共通する紙製容器用のシートおよびシートから組み立てた食品用容器の構成について説明する。項目「2」で各実施形態に個別の詳細構成について説明する。項目「3」では各実施形態に共通するシートの材料について説明する。
以下の実施形態では、シートから組み立てられた食品用容器を水平面に載置した状態を基準にして上下方向を定める。また、食品用容器の収容空間に向かう方向を「内側」、その反対方向を「外側」と定める。
【0016】
以下の各実施形態において、シートの折目に設けられた「罫線」は、「正罫線」および「逆罫線」の二種類に区別される。「罫線」は折目の設けられた領域に沿って線状に押し込み加工された部位である。
本実施形態において「正罫線」は、シートを容器に組み立てた状態で容器の内側となる面に凸設された罫線であり、シートを容器の内側に向かって折り曲げるために用いられる。
本実施形態において「逆罫線」は、容器の内側となる面に「正罫線」の突出する向きとは逆向きに凹設された罫線であり、シートを容器の外側に向かって折り曲げるために用いられる。
【0017】
[1.共通構成]
<全体構造>
図1および
図2は実施形態にかかる二重フランジ付き紙製容器用のブランクシート11S(以下単に「シート11S」ともいう)を説明する説明図であり、
図3および
図4は、
図1および
図2のシート11Sを用いて組み立てた紙製容器10(以下単に「容器10」ともいう)の斜視図である。
図3に示すように、容器10は、内側に収容空間を有する容器本体11と、容器本体11の開口を閉塞する上蓋シール40とを備えている。
図4は
図3の容器10から上蓋シール40を取り外した状態を示している。
容器10は、食品が収容された状態でそのまま電子レンジで加熱できる電子レンジ調理用の包装体である。
【0018】
図3および
図4の容器本体11は、
図1および
図2に示す紙製のシート11Sを折って四角トレー型に成形された箱体である。
本実施形態の容器本体11は、食品用容器として好適に用いることができる。容器本体11に用いるブランクシート11Sに、ガスバリア性に優れた層を設けることにより、真空包装や、ガス置換包装に適した容器にすることができる。
上蓋シール40は、容器本体11の開口を閉塞するためのリッド部材である。本実施形態の上蓋シール40は、容器本体11の収容空間を密閉するシール部材である。本実施形態の上蓋シール40はフィルムシートで形成されている。上蓋シール40の素材としては、フィルムシートのほか、紙素材を使用することもできる。
【0019】
図3および
図4に示すように、容器本体11は、収容空間の底面をなす長方形状の底面部1と、底面部1の四辺から立設された側面部3,5を有している。容器本体11で開口の周囲には、側面部3,5の上縁から外側へ延出されたフランジ部7,9が設けられている。フランジ部7,9は、水平方向に沿って延在する幅広な面部を有しており、この面部が上蓋シール40を貼合するための貼合面をなす。
すなわち、上蓋シール40は、フランジ部7,9の上側を向いた面(貼合面)にヒートシールで溶着されている。
【0020】
本明細書では、底面部1の一対の長辺に立設された側面部のそれぞれを「第一側面部3」と称し、底面部1の一対の短辺に立設された側面部のそれぞれを「第二側面部5」と称する。そして、一対の第一側面部3の上縁から延出されたフランジ部のそれぞれを「第一フランジ部7」と称し、一対の第二側面部5の上縁から延出されたフランジ部のそれぞれを「第二フランジ部9」と称する。
【0021】
そのほか、第一フランジ部7の両端部に第一突出片17(
図3および
図4では一つの第一突出片17にのみ符号を付す)が設けられており、第二フランジ部9の両端部に第二突出片19(
図1では一つの第二突出片19にのみ符号を付す)が設けられている。容器本体11の角部では、第一突出片17と第二突出片19とが重ね合わされている。また、容器本体11の角部で上面側には、フランジ部7の第一突出片17の側縁部とフランジ部9の端縁部とが突き合わされた突き合わせ部20が設けられている。
容器本体11の角部で、側面部5の外側の面には折り返し部13が折り重ねられている。折り返し部13は、容器本体11の角部で隣接する側面部3,5どうしを連結するコーナーフラップである。折り返し部13で隣接する側面部3,5どうしが連結されるので、容器本体11の角部の上下方向に沿う辺で隙間(切れ目)が生じないようになっている。
【0022】
<ブランクシート>
図1および
図2は、容器本体11に用いるブランクシート11Sの展開図である。
図1および
図2は、容器10に組み立てられた状態で内側を向く面(以下、「表面(おもてめん)」という)を上側から視た平面図として描かれている。なお、以下の説明で「内側」,「外側」なる用語は、シート11Sを容器に組み立てた状態での容器の内側,外側に対応している。
【0023】
ブランクシート11Sは、底面部1に対応する長方形の底面シート1Sを有している。底面シート1Sの四辺のうち対向する一対の長辺には折目L1,L2(第一折目)を介して一対の第一側面シート3Sが接続されており、四辺のうち対向する一対の短辺には折目L3,L4(第一折目)を介して一対の第二側面シート5Sが接続されている。
【0024】
第一側面シート3Sで底面シート1Sとは反対側(第一折目の反対側)の辺には折目L5(第二折目)を介して第一フランジシート7Sが設けられている。第二側面シート5Sで底面シート1Sとは反対側(第一折目の反対側)の辺には折目L7(第二折目)を介して第二フランジシート9Sが設けられている。
第一側面シート3S,第二側面シート5Sのそれぞれは第一側面部3,第二側面部5に対応している。第一フランジシート7S,第二フランジシート9Sのそれぞれは第一フランジ部7,第二フランジ部9に対応している。
【0025】
第一フランジシート7Sは、折目L5を介して第一側面シート3Sに接続された第一領域70S(第一シート片)と、折目L6(第三折目)を介して第一領域70Sに接続された第二領域71S(第二シート片)とに分けられている。第一領域70Sの両端部には第一突出片シート17Sが連設されている。
第二フランジシート9Sは、折目L7を介して第二側面シート5Sに接続された第一領域90S(第一シート片)と、折目L8(第三折目)を介して第一領域90Sに接続された第二領域91S(第二シート片)とに分けられている。第二領域71Sの両端部には第二突出片シート19Sが連設されている。
第一領域70S,90S(第一シート片)と第二領域71S,91S(第二シート片)とからなる第一フランジシート7S,第二フランジシート9Sのそれぞれが「フランジシート片」に対応している。折目L6,L8(第三折目)は、第一領域70S,90Sで第一側面シート3S,第二側面シート5Sとは反対側(第二折目と反対側)の辺に設けられている。
【0026】
さらに、第一側面シート3Sには、折目L9を介して折り返しシート13Sが接続されており、第二側面シート5Sには、折目L10を介して折り返しシート12Sが接続されている。折り返しシート12S,13Sのそれぞれは三角形状のシートであり、折目L11を介して互いに接続されている。
折り返しシート12S,13Sは折り返し部13に対応している。
【0027】
各折目L1〜L4の設けられた領域においてシートを折る方向は、容器の内側へ向かう方向に設定されている。
そのため、本実施形態の各折目L1〜L4には、正罫線が設けられている。折目L1〜L4では、正罫線を介して、底面シート1Sに対して第一側面シート3S,第二側面シート5Sが容器の内側へ向かう折り方向へ折り曲げられるようになっている。
本実施形態では、折目L9,L10,L11の設けられた領域にも正罫線が形成されている。
一般にシートに罫線を設けることで、罫線の部分の剛性が低下して、折目を付けやすくなる(折りやすくなる)。この際、「正罫線」と「逆罫線」との何れを採用するかは、折り方向やシートの面剛性等に左右される。本実施形態で想定するシートの面剛性は比較的低く、容器の内側へ向かって谷折れされる折目では、容器の内側となる面へ向かって凸設された突条をなす正罫線(折ったとき折りの内側となる面に向かって凸をなす正罫線)のほうが折目を付けやすい。このため、折目L1〜L4及び折目L9,L10,L11には「正罫線」が設けられている。
【0028】
各折目L6,L8の設けられた領域において、シートを折る方向は容器の外側へ向かう方向(正罫線が設けられた折目L1〜L4とは逆向き)に設定されている。
各折目L6,L8の設けられた領域は、第一領域70S,90Sに対して第二領域71S,91Sを、容器の外側へ向かう折り方向へ180°折り返す部位である。そのため、各折目L6,L8の部分は、シート11Sの他の折目の部分よりも折り返したシートの反発力が大きくなる。
本実施形態のシート11Sでは、各折目L6,L8でのシートの折り方向と、正罫線が設けられた折目L1〜L4でのシートの折り方向の違いと、反発力の大きさとを考慮して、折目L6,L8の設けられた領域のそれぞれに、剛性低下部60が設けられている。
【0029】
剛性低下部60は、折目L1〜L4(第一折目)で第一側面シート3Sまたは第二側面シート5S(側面シート)を折る方向とは逆向きへ第二領域71Sまたは第二領域91S(第二シート片)を折り返す方向への剛性が低下された部位である。剛性低下部60では、折目L6,L8の折り方向(言い換えれば、折目L1〜L4の折り方向とは逆向きの折り方向)への剛性が低下される。剛性低下部60は、折目L6または折目L8に沿って線状に延在している。この剛性低下部60の設けられた部分では、折目L6,L8よりも折り返される角度の狭い折目L1〜L4及び折目L9,L10などよりも、一層剛性を低下させることが望ましい。
折目L6,L8に適用される剛性低下部60の具体的な構造は後述する。
【0030】
各折目L5,L7の設けられた領域において、シートを折る方向は容器の外側へ向かう方向(正罫線が設けられた折目L1〜L4とは逆向き)に設定されている。
折目L5,L7の設けられた領域は、第一側面シート3S,第二側面シート5Sに対して第一領域70S,90Sを容器の外側へ向かう折り方向へ折り返す部位である。
折目L5,L7では、折目L6,L8の設けられた領域よりも、シートを折り返す角度が小さいので、折り返したシートの反発力は折目L6,L8よりも小さい。
折目L5,L7での折り方向は、上記のように正罫線が設けられた折目L1〜L4とは逆向きであるので、折目L5,L7の設けられた領域は、外向きの折り方向に対して剛性を低下させる構造を備えていることが好ましい。
【0031】
<製造方法>
図1に示すブランクシート11Sは、下記の手順1および2で組み立てられて
図3および
図4に示す容器本体11に成形される。
手順1:第一領域70S,90Sに第二領域71S,91Sを折り重ねる折り重ね工程
手順2:折り重ね工程で得たシート11S(
図2参照)から容器10を組み立てる成形工程
上記の手順1,2では、剛性低下部60は手順2でシート11Sから容器10を組み立てる前に予め第一領域70S,90Sに第二領域71S,91Sを折り重ねるための部位(折目L6,L8の設けられた領域)に形成されているものである。
【0032】
具体的には、手順1において、まず、折目L6,L8を介して第一領域70S,90Sに対して第二領域71S,91Sを容器の外側へ向かう方向へ折り返す。次に、折り返した第二領域71S,91Sを第一領域70S,90Sの下面側に重ね合わせる。それから、第二領域71S,91Sと第一領域70S,90Sとを接着する。
これにより、シート11Sは、
図2に示すように第一領域70S,90Sの下面側に第二領域71S,91Sを折り重ねた状態になる。この第一領域70S,90Sと第二領域71S,91Sとが重ね合わされた二重折り部位(シートが二重折りされた部位)がフランジ部7,9(二重フランジ)をなす。フランジ部7,9がシートを二重折りして形成されているため、フランジ部7,9の強度を確保することができる。
【0033】
次に、手順2において、折目L1,L2,L3,L4を介して底面シート1Sに対して一対の第一側面シート3Sと一対の第二側面シート5S(四つの側面シート)を容器の内側へ向かう方向へ折り立てる。それから、第一側面シート3Sと第二側面シート5Sとの隣接する辺どうしを突き合わせるとともに、折目L11を介して折り返しシート12Sと折り返しシート13Sとを折り重ねる。そして、折り重ねた折り返しシート12S,13Sを、折り返しシート13Sが外側に配置されるように第二側面シート5Sの外側を向いた面へ重ね合わせる。折り返しシート12S,13Sが互いに接着されるとともに、折り返しシート12Sが第二側面シート5Sの外側の面に接着される。
【0034】
折目L5,L7を介して第一側面シート3S,第二側面シート5S(四つの側面シート)に対して第一領域70S,90S(第一フランジシート7S,第二フランジシート9S)を容器の外側へ向かう方向へ折り返す。これにより、フランジ部7,9が側面部3,5の上縁から容器の外側へ向かって張り出される。
さらに、第一領域70Sに設けられた第一突出片シート17Sが、第二領域91Sに設けられた第二突出片シート19Sの上面側に重ね合わされて、第二突出片シート19Sの上面側に接着される。
なお、上記の接着には、ヒートシールや、超音波溶着,ホットメルト剤による接着,テープ材による接着等、公知の手法を適宜使用することができる。成形速度の向上を考慮すると、ヒートシールによる接着が好ましい。
【0035】
[2.詳細構成]
次に剛性低下部60に関する詳細な構成を説明する。以下では、剛性低下部60の具体例として、以下の第一実施形態〜第四実施形態に示す四種類の構造を挙げる。
図5〜
図18は、第一実施形態〜第四実施形態の説明図である。
図5〜
図18のうち、
図5,7,9,11,13,15および17のそれぞれは、
図1において破線で囲む部分を拡大して示す平面図である。
図5〜
図18のうち、
図6,8,10,12,14,16および18のそれぞれは、対応する
図5,7,9,11,13,15または17の矢視断面を示す断面図である。
図5〜
図18のそれぞれでは、折目L6,折目L5,折目L1のみを示し、他の折目の図示および説明を省略している。各実施形態で折目L8は折目L6と同様に構成され、折目L7は折目L5と同様に構成され、折目L2〜L4は、折目L1と同様に構成される。
【0036】
第一実施形態に係る剛性低下部60は、「逆罫線」が設けられた構造である。
図5〜
図18のうち、
図5〜
図12は、第一実施形態の説明図である。
第二実施形態に係る剛性低下部60は、「正罫線」と「半切ミシン目」とが設けられた構造である。
図13,
図14は、第二実施形態の説明図である。
第三実施形態に係る剛性低下部60は、「正罫線」と「全切ミシン目」とが設けられた構造である。
図15,
図16は、第三実施形態の説明図である。
第四実施形態に係る剛性低下部60に「正罫線」を含む「リード罫線」が設けられた構造である。
図17,
図18は、第四実施形態の説明図である。
【0037】
本実施形態で「逆罫線」は、上記のように「正罫線」の突出する向きとは逆向きに凹設された罫線であって、言い換えれば、シートを容器に組み立てた状態で外側に向かって凸設された罫線である。シートを容器の内側に向かって折り曲げるために用いられる。
本実施形態で「半切ミシン目」は、シートにおいて線状に押し込んで形成された複数の断続的な凹部からなるミシン目状の脆弱部である。下記の「全切ミシン目」をなす複数の切り込みがシートを貫通するのに対して、「半切ミシン目」をなす複数の凹部はシートを貫通しない。すなわち、「半切ミシン目」をなす凹部はシートを厚さ方向へ「半分」押し込んで形成された凹部に限らず、シートを非貫通で押し込んだ凹部であればよい。「半切ミシン目」は「非貫通ミシン目」とも言える。
【0038】
本実施形態で「全切ミシン目」は、シートにおいて線状に形成された複数の断続的な切り込みからなるミシン目状の脆弱部である。「全切ミシン目」をなす複数の切り込みは、シートを貫通している。「全切ミシン目」は「貫通ミシン目」とも言える。
本実施形態で「リード罫線」は、正罫線または逆罫線上に設けられており、正罫線または逆罫線に沿って線状に押し込んで形成された連続的な凹部からなる溝状の脆弱部である。
【0039】
[A.第一実施形態]
第一実施形態に係る剛性低下部60として、下記パターンA〜パターンDの四通りのパターンを例に挙げる。
[A−1.パターンA]
パターンAでは、
図5,
図6に示すように、剛性低下部60(折目L6)に逆罫線61(第一逆罫線)が設けられている。折目L5には逆罫線(第二逆罫線)50が設けられている。また、折目L1には正罫線(第一罫線)100が設けられている。
図6に示すように、本実施形態の正罫線100は、容器の内側へ向かって凸設された突条をなす。逆罫線50,61は、正罫線100の突出する向きとは逆向きに凹設された溝(容器の外側へ向かって凸設された突条)をなす。
【0040】
[A−2.パターンB]
パターンB(第一変形例)では、
図7,
図8に示すように、剛性低下部60(折目L6)に、逆罫線62A(第一逆罫線)と、逆罫線62A上に形成された半切ミシン目62Bとが設けられている点がパターンAと異なり、そのほかはパターンAと共通である。
半切ミシン目62Bをなす凹部は、
図7に示すように逆罫線62Aに沿って断続的に形成さており、
図8に示すように逆罫線62Aの設けられた領域において表面(おもてめん)から裏面へ向かって押し込み形成されている。
【0041】
[A−3.パターンC]
パターンC(第二変形例)では、
図9,
図10に示すように、剛性低下部60(折目L6)に、逆罫線63A(第一逆罫線)と、逆罫線63A上に形成された全切ミシン目63Bとが設けられている点がパターンAと異なり、そのほかはパターンAと共通である。
全切ミシン目63Bをなす切り込みは、
図9に示すように逆罫線63Aに沿って断続的に形成さており、
図10に示すように逆罫線63Aの設けられた領域を貫通した貫通孔をなす。
【0042】
[A−4.パターンD]
パターンD(第三変形例)では、
図11,
図12に示すように、剛性低下部60(折目L6)に、逆罫線64A(第一逆罫線)と、逆罫線64A上に形成された凹部からなるリード罫線64Bが設けられている点がパターンAと異なり、そのほかはパターンAと共通である。
リード罫線64Bをなす凹部は、
図11に示すように逆罫線64Aに沿って線状に連続して形成されており、
図12に示すように逆罫線64Aの設けられた領域において表面(おもてめん)から裏面へ向かって押し込み形成されている。
【0043】
[A−5.作用効果]
本実施形態のシート11Sは、折目L6(折目L8)において剛性低下部60が設けられているので、第二領域71S,91Sを折り返す方向への剛性が低下されている。そのため、折目L6(折目L8)において第二領域71S,91Sが、容器の外側へ向かって(折目L1〜L4で第一側面シート3S,第二側面シート5Sを折る方向とは逆向き)に折り返しやすくなり、かつ、第二領域71S,91Sを折り返した際の反発力が抑制される。
そのため、二重フランジ付きの容器10において、成形時にフランジ部(二重フランジ)7,9に歪みが生じにくくなり、容器本体11の歪みも抑制される。
フランジ部7,9が歪みにくいので、フランジ部7,9と上蓋シール40との密着性が向上する。
【0044】
第一実施形態のパターンAでは、剛性低下部60として適用された逆罫線61,62A〜64Aにより、第二領域71S,91Sが容器の外側へ向かって(折目L1〜L4で第一側面シート3S,第二側面シート5Sを折る方向とは逆向き)に折り返しやすく、かつ、第二領域71S,91Sを折り返した際の反発力が抑制される。
さらに、折目L5(L7)にも逆罫線50が適用されていることにより、第一領域70S,90Sが容器の外側へ向かってに折り返しやすくなる。これにより、フランジ部7,9での反発力がより抑制される。
【0045】
第一実施形態のパターンBで半切ミシン目62Bは、逆罫線62Aの設けられた領域でシートの厚みを他の部分よりも薄くして、剛性をより低下させる。
第一実施形態のパターンCで全切ミシン目63Bは、逆罫線63Aの設けられた領域でシートに貫通孔を穿つことで、剛性をより低下させる。
第一実施形態のパターンDでリード罫線64Bは、逆罫線64Aの設けられた領域で線状にシートの厚みを他の部分よりも薄くして、剛性をより低下させる。
このように、第一実施形態のパターンB,C,Dでは、逆罫線61,62A〜64Aにさらに半切ミシン目62B,全切ミシン目63Bまたはリード罫線64Bを組み合わせているので、第二領域71S,91Sの折り返しやすさがより向上し、かつ、折り返した際の反発力がより抑制される。全切ミシン目63Bを設けたパターンCは、半切ミシン目62Bを設けたパターンBよりも一層折り返した際の反発力が抑制される。半切ミシン目62Bを設けたパターンBは、全切ミシン目63Bを設けたパターンCよりも折目L6,L8の部分での剛性が維持されるので容器の強度が確保されやすい。
【0046】
第一実施形態のパターンB,パターンCでは、シート11Sが容器10に成形された状態で、フランジ部7,9の外縁部に沿って、半切ミシン目62Bまたは全切ミシン目63Bに対応する凹凸形状が表われる。この凹凸形状のため、容器10の使用者がフランジ部7,9の外縁部を把持した際に滑りにくく、容器10の把持性が向上する。また、上蓋シール40をフランジ部7,9から剥がす際に、フランジ部7,9を手指で押さえやすくなるので開封性が向上する。
さらに、第一実施形態のパターンCでは、全切ミシン目63Bを有することで、第二領域71S,91Sと第一領域70S,90Sとを接着する際、折目L6,L8の部分に接着剤が入り込みやすい。そのため、第二領域71S,91Sと第一領域70S,90Sとの接着がより確実になる。
【0047】
[B.第二実施形態]
第二実施形態では、
図13,
図14に示すように、下記の二点が第一実施形態のパターンAと異なり、そのほかはパターンAと共通である。第一に、剛性低下部60(折目L6)に正罫線65A(第二罫線)と、正罫線65A上に形成された半切ミシン目65B(第一半切ミシン目)とが設けられている。第二に、折目L5に正罫線51A(第三罫線)と、正罫線51A上に形成された半切ミシン目51B(第二半切ミシン目)とが設けられている。
正罫線65A,51Aは、
図14に示すように、正罫線100の突出する向きと同じ方向に(容器の位置側へ向かって)凸設された突条をなす。
半切ミシン目65B,51Bをなす凹部は、
図13に示すように正罫線65A,51Aに沿って断続的に形成さており、
図14に示すように正罫線65A,51Aの設けられた領域において表面(おもてめん)から裏面へ向かって押し込み形成されている。
【0048】
[C.第三実施形態]
第三実施形態では、
図15,
図16に示すように、下記の二点が第二実施形態と異なり、そのほかは第二実施形態と共通である。第一に、剛性低下部60(折目L6)において、正罫線66A(第二罫線)上に全切ミシン目66B(第一全切ミシン目)が形成さている。第二に、折目L5において正罫線52A(第三罫線)上に形成された全切ミシン目52B(第二全切ミシン目)が形成されている。
全切ミシン目66B,52Bをなす切り込みは、
図15に示すように正罫線66A,52Aに沿って断続的に形成さており、
図16に示すように正罫線66A,52Aの設けられた領域を貫通している。
【0049】
[D.第四実施形態]
第三実施形態では、
図17,
図18に示すように、下記の二点が第二実施形態と異なり、そのほかは第二実施形態と共通である。第一に、剛性低下部60(折目L6)において、正罫線67A(第二罫線)上に形成された凹部からなるリード罫線67B(第一リード罫線)が設けられている。第二に、折目L5において正罫線53A(第三罫線)上に形成された凹部からなるリード罫線53B(第二リード罫線)が設けられている。
リード罫線67B,53Bをなす凹部は、
図17に示すように正罫線67A,53Aに沿って線状に連続して形成さており、
図18に示すように正罫線67A,53Aの設けられた領域において表面(おもてめん)から裏面へ向かって押し込み形成されている。
【0050】
[E.第二〜第四実施形態の作用効果]
第二実施形態では、剛性低下部60として適用された正罫線65Aと半切ミシン目65Bにより、正罫線65Aの設けられた領域でシートの厚みを他の部分よりも薄くして、剛性をより低下させている。
第三実施形態では、剛性低下部60として適用された正罫線66Aと全切ミシン目66Bにより、正罫線66Aの設けられた領域でシートに貫通孔を穿つことで、剛性をより低下させる。
第四実施形態では、剛性低下部60として適用された正罫線67Aとリード罫線67Bにより、正罫線67Aの設けられた領域でシートの厚みを他の部分よりも薄くして、剛性をより低下させている。
したがって、第二〜第四実施形態では、第二領域71S,91Sが折り返しやすくなり、かつ、折り返した際の反発力が抑制される。
【0051】
第二〜第四実施形態では、折目L5(L7)にも、正罫線51A,52Aまたは53Aと、半切ミシン目51B,全切ミシン目52Bまたはリード罫線53Bとの組み合わせが適用されていることにより、第一領域70S,90Sが容器の外側へ向かってに折り返しやすくなる。これにより、フランジ部7,9での反発力がより抑制される。
そのうえ、第二実施形態および第三実施形態では、シート11Sが容器10に成形された状態で、フランジ部7,9の外縁部に沿って半切ミシン目65Bまたは全切ミシン目66Bに対応する凹凸形状が表われるため、第一実施形態のパターンB,パターンCと同様の効果を奏する。加えて、第三実施形態では、全切ミシン目66Bを有することで、折目L6,L8の部分に接着剤が入り込みやすいので、第一実施形態のパターンCと同様の効果が得られる。
【0052】
[3.材料]
次に、容器10の各部に適用される材料について述べる。
【0053】
容器本体11(ブランクシート11S)に用いる紙素材は、紙は、一般的に用いられている紙であれば特に限定されず、植物由来のパルプを主成分とする紙であることが好ましく、木材パルプを主成分とする紙であることがより好ましい。
具体的には、クラフト紙,上質紙,板紙,紙器用原紙,ミルクカートン原紙,カップ原紙,ライナ紙,塗工紙,片艶紙,グラシン紙、グラファン紙等が挙げられる。これらのなかでも、クラフト紙,上質紙、板紙,紙器用原紙,カップ原紙,片艶紙が好ましい。剛性の面から、板紙の中では高級板紙,特殊板紙,カップ原紙,クラフト紙がより好ましい。クラフト紙としては、晒クラフト紙、未晒クラフト紙および片艶晒クラフト紙が挙げられる。印刷適性や衛生面から、晒クラフト紙および片艶晒クラフト紙が好ましい。
【0054】
また、表裏ライナと中芯との三層で構成されたダンボールを使用しても良い。特に容器本体11の強度と成形加工性とを両立させる観点から、ダンボールの厚みの小さいマイクロフルートが好ましい。
紙素材の坪量は、強度と成形加工性の観点から、好ましくは200〜800[g/m
2]であり、より好ましくは200〜700[g/m
2]であり、さらに好ましくは200〜500[g/m
2]であり、よりさらに好ましくは300〜500[g/m
2]である。
【0055】
紙素材の密度は、成形加工性の観点から、好ましくは0.4〜1.2[g/cm
3]であり、より好ましくは0.5〜1.0[g/cm
3]であり、さらに好ましくは0.6〜0.9[g/cm
3]であり、よりさらに好ましくは0.7〜0.9[g/cm
3]である。
紙素材の厚さは、強度と成形加工性の観点から、好ましくは200〜1000[μm]であり、より好ましくは250〜1000[μm]であり、さらに好ましくは300〜700[μm]であり、よりさらに好ましくは300〜500[μm]である。
【0056】
紙素材には、種々の添加剤が含有されてよい。内添サイズ剤としては、ロジン系,アルキルケテンダイマー系,アルケニル無水コハク酸系,スチレン−アクリル系,高級脂肪酸系、石油樹脂系等が挙げられる。内添サイズ剤以外に、公知のその他の内添剤を添加してもよい。その他の内添剤としては、填料,紙力増強剤,歩留り向上剤,pH調整剤,濾水性向上剤,耐水化剤,柔軟剤,帯電防止剤,消泡剤,スライムコントロール剤,染料・顔料等が挙げられる。
【0057】
填料としては、二酸化チタン,カオリン,タルク,炭酸カルシウム等が挙げられる。
紙素材の表裏面には、耐水性付与等を目的としたラミネートを施すことが好ましい。
具体的には、ポリエチレン,ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂,ナイロン6等の脂肪族ポリアミド系樹脂,ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂が挙げられる。
【0058】
紙素材の抄紙においては、公知の湿式抄紙機を適宜選択して使用することができる。
抄紙機としては、長網抄紙機,ギャップフォーマー型抄紙機,円網式抄紙機,短網式抄紙機等が挙げられる。
抄紙機によって形成された紙層は、例えば、フェルトにて搬送し、ドライヤーで乾燥させることが好ましい。ドライヤー乾燥前にプレドライヤーとして、多段式シリンダードライヤーを使用してもよい。
また、前記のようにして得られた紙に、カレンダーによる表面処理を施して厚さやプロファイルの均一化を図ってもよい。カレンダー処理としては公知のカレンダー処理機を適宜選択して使用することができる。
なお、容器10の容器本体11に用いる材料は、上記紙素材に限らず、種々の紙製資材を用いることができる。
【0059】
上蓋シール40をなすフィルムシートは、バリア性を含む樹脂積層体であることが好ましい。より好ましくは、中間層にバリア層を含み、容器本体11のフランジ部7,9に接する層は、フランジ部7,9にヒートシールされる必要があるため、熱可塑性樹脂からなる層を含む樹脂積層体である。
すなわち、樹脂積層体は、中間層にバリア層を含み、容器本体11のフランジ部7,9に接する層に熱可塑性樹脂からなる層を含むフィルム材料であることがより好ましい。
【0060】
バリア層は、樹脂に限られず金属箔等でもよい。紙基材層の印刷面を視認できるようにして、意匠性を高める観点からは、バリア層が、樹脂により構成されることが好ましく、透明の樹脂により構成されることがより好ましい。
バリア層を構成する樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール,エチレンビニルアルコール共重合体およびポリ塩化ビニリデン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましく、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール,エチレンビニルアルコール共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1つがより好ましい。
【0061】
ポリアミド系樹脂としては、芳香族ポリアミドが好ましく、ポリアミドMXD6がより好ましい。
樹脂積層体の容器本体11のフランジ部7,9に接する層を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6等の脂肪族ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂が挙げられる。
【0062】
容器10の収容空間に食品を充填した状態で電子レンジにより加熱されることを考慮すると、例えばポリプロピレン(PP)樹脂、具体的には、ホモポリプロピレン,ランダムポリプピレン共重合体,ブロックポリプロピレン共重合体であり、特に、ランダムポリプロピレン共重合体を用いるのが好ましい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン69,ナイロン610,ナイロン612,ナイロン11,ナイロン12などの脂肪族ポリアミド重合体、ナイロン6‐66(ナイロン6とナイロン66の共重合体を表す。以下同様に表記する)、ナイロン6‐10,ナイロン6‐12,ナイロン6‐69,ナイロン6‐610,ナイロン66‐69などの脂肪族ポリアミド共重合体を例示することができる。なかでも、脂肪族ポリアミド共重合体が好ましく、特にナイロン6‐66,ナイロン6‐10またはナイロン6‐12が好ましい。これらは単独で用いられてもよいし、二種以上混合して用いられてもよい。
【0063】
ポリエステル系樹脂としては、ポリ(エチレンテレフタレート),ポリ(ブチレンテレフタレート),ポリ(エチレンテレフタレート/イソ二レート),ポリ(エチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール/テレフタレート)などが代表格としてあげられる。更にこれらの重合体に共重合成分としてエチレングリコール,ブチレングリコール,シクロヘキサンジメタノール,ネオペンチルグリコール,ペンタンジオールなどのジオール類、あるいはイソフタール類,ベンゾフェノンジカルボン酸,ジフェニルスルホンジカルボン酸,ジフェニルメタンジカルボン酸,プロピレンビス(フェニルカルボン酸),ジフェニルオキサイドジカルボン酸,シュウ酸,マレイン酸,マロン酸,コハク酸、グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,スベリン酸,アゼライン酸,サバチン酸,ジエチルコハク酸などのジカルボン酸を含有させたものが使用できる。
【0064】
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン,低密度ポリエチレン,中密度ポリエチレン,高密度ポリエチレンなどのポリエチレン系樹脂や、ポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、プロピレンエチレン共重合体,エチレン酢酸ビニル共重合体,アイオノマー樹脂,エチレン(メタ)アクリル酸共重合体,エチレン(メタ)アクリル酸‐不飽和カルボン酸エステル共重合体などの各種共重合体が挙げられる。好ましくは、ポリエチレン系樹脂であり、特に好ましくは、直鎖状低密度ポリエチレンである。これらは単独で用いられてもよく、二種以上混合して用いられてもよい。
【0065】
本フィルム材料は、上記の構成の他、種々を組み合わせた多層構成としてもよい。
また、フィルム層は、環境負荷低減の観点から、ポリ乳酸(PLA),ポリグリコール酸(PGA),ポリブチレンサクシネート(PBS)等の生分解性樹脂を用いることも好ましい。
本フィルム材料は、それぞれドライラミネート法により積層してもよく、同時に溶融押出しする共押出し法により形成したフィルムが好ましい。
そのほか、ホットメルト接着剤の塗工方法としては、公知の方法を広く採用することができる。例えば、ホットメルト接着剤を溶融タンク内で130〜190℃で加熱溶融させた後、溶融タンクからホースを介してホットメルト吐出機器のノズルへ送り、ノズルから連続的又は間欠的にホットメルト接着剤を吐出させて、被接着物の接着面に塗工する方法を挙げることができる。
【0066】
[4.そのほか]
上述の各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
例えば、第一〜第四実施形態のそれぞれにおいて、折目L5,L7に逆罫線と逆罫線上に設けた半切ミシン目,全切ミシン目またはリード罫線との組み合わせを適用してもよい。
【0067】
別の実施形態において剛性低下部60は、折目L6,L8の設けられた領域において、折目L1(および折目L2〜L4)の設けられた領域に凸設された正罫線100の突出する向きとは逆向きに押し込んで形成された複数の凹部からなる半切ミシン目を有する構造であってもよい。この実施形態は、剛性低下部60に逆罫線(第一逆罫線)が設けられていない点が上記の「パターンB」とは異なる。
この半切ミシン目をなす凹部は、折目L6,L8に沿って断続的に形成され、折目L6,L8の設けられた領域において表面(おもてめん)から裏面へ向かって押し込み形成される。
【0068】
上記の別の実施形態においては、折目L5,L7(第二折目)の設けられた領域には、逆罫線,逆罫線と逆罫線上に設けた半切ミシン目,全切ミシン目またはリード罫線との組み合わせ、もしくは、正罫線と正罫線上に設けた半切ミシン目,全切ミシン目またはリード罫線との組み合わせなど、剛性を低下させる任意の構造が適用されてよい。
剛性低下部60として適用された半切ミシン目により、第二領域71S,91Sが容器の外側へ向かってに折り返しやすくなり、反発力が抑制される。そのため、上記の第一実施形態と同様の効果が得られる。
【0069】
更に別の実施形態において剛性低下部60は、折目L6,L8の設けられた領域に形成された複数の切り込みからなる全切ミシン目を有する構造であってもよい。全切ミシン目をなす切り込みは、折目L6,L8に沿って断続的に形成され、折目L6,L8の設けられた領域においてシートを貫通した貫通孔をなす。この実施形態は、剛性低下部60に逆罫線(第一逆罫線)が設けられていない点が上記の「パターンC」とは異なる。
この場合も、折目L5,L7(第二折目)の設けられた領域には、逆罫線,逆罫線と逆罫線上に設けた半切ミシン目,全切ミシン目またはリード罫線との組み合わせ、もしくは、正罫線と正罫線上に設けた半切ミシン目,全切ミシン目またはリード罫線との組み合わせなど、剛性を低下させる任意の構造が適用されてよい。
【0070】
上記の更に別の実施形態では、剛性低下部60として適用された全切ミシン目により、第二領域71S,91Sが容器の外側へ向かってに折り返しやすくなり、反発力が抑制される。そのため、上記の第一実施形態と同様の効果が得られる。
そのほか、上述した各実施形態において、容器10の形状は四角トレー型に限らず、任意の角柱トレー型や,円筒型であってもよい。
【解決手段】二重フランジ付き紙製容器用シート11Sは、底面シート1Sと、第一折目L1〜L4を介して底面シート1Sに接続された側面シート3S,5Sと、第二折目L5,L7を介して側面シート3S,5Sに接続された第一シート片70S,90Sおよび第三折目L6,L8を介して第二シート片71S,91Sからなるフランジシート片7S,9Sを備える。シート11Sは、第二シート片71S,91Sを第一シート片70S,90Sに折り重ねるための第三折目L6,L8が設けられた領域に線状に形成され、第一折目L1〜L4で側面シート3S,5Sを折る方向とは逆向きに第二シート片71S,91Sを折り返す方向への剛性が低下された剛性低下部60を具備している。