(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記デニムが、固定された状態及び/又はガーメントウォッシュ後及び/又はブリーチング後のTSA試験において、TS7値が6以下である、請求項1又は請求項2に記載のリヨセルデニム。
前記デニムが、固定された状態及び/又はガーメントウォッシュ後及び/又はブリーチング後のTS750値が100以下である、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
リヨセルを含むか又はリヨセルからなる糸の糸強度が、固定された後に25cN/tex以上であるか、及び/又はガーメントウォッシュ後に4.5cN/tex以上であるか、及び/又はブリーチング後に2cN/tex以上である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
前記デニムが、固定された状態でのマーティンデール摩耗テストにおいて、穴形成まで15,000サイクル以上、並びに、ガーメントウォッシュ後及び/又はブリーチング後のマーティンデール摩耗テストにおいて、穴形成まで8,000サイクルの少なくとも1つを記録する、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
前記デニムの経糸面が、マーティンデールピリングテストにおいて、固定された状態で5以上であるか、及び/又はガーメントウォッシュ後に5以上、及びブリーチング後に5以上であるピリンググレードを有する、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
リヨセルフィラメントを含む経糸及び緯糸の少なくとも1つの糸伸びが、固定された後に4%以上であるか、及び/又はガーメントウォッシュ後に2%以上であるか、及び/又はブリーチング後に1%以上である、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
前記経糸面の前記デニムの毛羽立ちグレードが、ガーメントウォッシュ後に4以上であり、ブリーチング後に3以上である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
前記デニムの繊維スプライスが、固定される前及び/又は固定された後に4以上であるか、及び/又はガーメントウォッシュ後に4.5以上であるか、及び/又はブリーチング後に4.5以上であるグレードを有する、請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
リヨセルフィラメント(8)からなる又はリヨセルフィラメント(8)を含む糸の光沢が、20%以上の反射である、請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載のリヨセルデニム。
【背景技術】
【0002】
デニムは、通常、綾織りパターンを有する経糸表布で、綿から織られる生地である。ごく一般的なデニム生地は、インディゴ染めデニムであり、経糸だけが染色されている。緯糸は白色のままである。しかし、経糸の芯は未染色のままであり、その結果デニムに特有の退色特性をもたらす。経糸表織であるため、デニムは、外側が着色(典型的にはインディゴ)されており、内部は白色(未着色)である。
【0003】
綿は高い耐性があり、したがって侵襲性の仕上げ(aggressive finishing)にも耐えることができる繊維であるが、その機械的特性及び触覚的品質は理想的ではなく、デニムにわずかな範囲の潜在能力しか与えていない。
【0004】
そのため、過去には、綿を、絹及び/又は人工繊維及びフィラメントで少なくとも一部分を置き換えることにより、デニムの品質を向上することが試みられている。このような例の1つとして、伸縮性を向上させるためにエラスタンを加えることが挙げられる。通常、最大3%のエラスタンを加えることができ、それ以上のエラスタンを加えると寿命に有害である。
【0005】
人工連続フィラメント糸は、ステープルファイバーを使用して作られた糸から製造される生地と比較して、異なる特徴を有する生地を製造するために、織物産業で広く使用されている。連続フィラメント糸は、すべての繊維が糸の長さ全体にわたって連続しているものである。連続フィラメント糸は、一般に、すべて互いに平行であり、かつ製造時の糸の軸に対して平行な20〜200又はそれ以上の個々の繊維からなる。糸は、ポリマー又はポリマー誘導体の溶液又は溶融物を押し出した後、製造された糸をボビン又はリールに巻き付けること、又は遠心巻き取りでケークを形成することにより製造される。
【0006】
合成ポリマー連続フィラメント糸が一般的である。例えば、ナイロン、ポリエステル、及びポリプロピレンの連続フィラメント糸は、さまざまな生地で使用されている。これらは、製造される糸に必要な繊維の数に相当する、多数の穴を有する紡糸口金を通して溶融ポリマーを溶融紡糸することにより製造される。溶融ポリマーが固化し始めた後、糸を引っ張ってポリマー分子を配向させ、糸の特性を改善することができる。
【0007】
連続フィラメント糸は、乾式紡糸により、二酢酸セルロース及び三酢酸セルロースなどのセルロース誘導体から紡糸することもできる。ポリマーは適切な溶媒に溶解された後、紡糸口金から押し出される。押出後、溶媒が急速に蒸発し、ポリマーが糸状に沈殿する。新しく製造される糸を、引っ張ってポリマー分子を配向させてもよい。
【0008】
さらに、ビスコース法を使用して、セルロースから連続フィラメント糸を製造することができる。セルロースは、水酸化ナトリウム及び二硫化炭素との反応によってキサントゲン酸セルロースに変換され、次に水酸化ナトリウム溶液に溶解される。一般にビスコースと呼ばれるセルロース溶液が、紡糸口金から酸浴に押し出される。水酸化ナトリウムが中和され、セルロースが沈殿する。同時に、キサントゲン酸セルロースは、酸との反応によりセルロースに戻る。新しく形成された繊維を引っ張って、セルロース分子を配向させ、洗浄して繊維から反応物を除去した後、乾燥させ、ボビンに巻き取る。この方法の以前のバージョンでは、湿潤した糸を、遠心巻き取り機(Topham Box)を使用して集めてケークにしていた。次に、糸ケークをオーブンで乾燥させた後、ボビンに巻き取った。
【0009】
また、連続フィラメントセルロース糸は、キュプラ法を使用しても製造される。セルロースを水酸化銅アンモニアの溶液に溶解する。得られた溶液は水浴に押し出され、ここで水酸化銅アンモニアが希釈され、セルロースが沈殿する。得られた糸を洗浄し、乾燥させ、ボビンに巻き取る。
【0010】
ビスコース法又はキュプラ法で製造されたセルロース連続フィラメント糸は、製織することで生地にすることができる。製造された生地は、婦人服及び紳士服の裏地など、さまざまな用途に使用される。
【0011】
連続フィラメントセルロース糸から構成される生地は、着用者の快適さを高めるための湿潤状態風合い(moisture handling)に優れている。これらは、連続フィラメント合成糸を使用して作られた生地ほどは容易に静電気を発生しない。
【0012】
現在入手可能な連続フィラメントセルロース糸から構成される生地は、一般的に物理的特性が劣っている。乾燥強度及び引裂強度は、ポリエステルなどの合成ポリマーから構成される生地と比較して劣っている。セルロースと水との相互作用により、湿潤強度は乾燥強度よりもはるかに低い。耐摩耗性は低い。また、水との相互作用によりセルロースが柔らかくなり、その糸で作られた生地が湿潤時に不安定になる。これは、家庭用洗濯機でこれらの材料を洗うときに特に問題である。
【0013】
これらの欠陥により、元来、連続フィラメントセルロース糸を使用して作られていた製品は、現在、主にポリエステル及びナイロンなどの合成ポリマー連続フィラメント糸によって作られている。
【0014】
しかし、合成糸には問題がある。これらを使用して作られた生地には、セルロース糸から作られた生地が持つ湿潤状態風合い性(moisture handling capability)がない。合成織物は静電気を発生させる可能性がある。合成糸で作られた生地は、絹よりも着心地がはるかに悪いことに気づいている人もいる。さらに、合成糸から作られた生地は耐洗浄性が悪く、過度の収縮を避けるためにはドライクリーニングが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、利用可能なデニム生地に関しては、高い吸湿性を有し、多種多様な侵襲性の薬剤での仕上げが可能であり、洗浄可能で柔らかなデニム生地を作成することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本目的は、緯糸及び経糸から構成され、上記緯糸及び上記経糸のうちの少なくとも一方がリヨセルフィラメントを含むか又はリヨセルフィラメントからなるデニム生地によって解決される。
【0017】
このようなリヨセルフィラメントデニムは、侵襲性の仕上げ剤に耐える。さらに、リヨセルフィラメント糸を含むか又はリヨセルフィラメント糸からなるデニムは、絹成分を含むデニムよりもさらに柔らかく滑らかである。したがって、本発明に係るリヨセルフィラメントデニムは、完全に新しい一群の特性を有する新しい種類の生地を提供する。これは、仮にリヨセルステープルファイバーを含むか又はリヨセルステープルファイバーからなるデニムが綿デニムの代替品になり得るとしても、綿糸の特性から予測されるよりも驚くべきことである。
【0018】
リヨセルは、直接溶解法によって製造されるセルロース系人工繊維の一種に与えられた一般名である。リヨセル製法は、例えば、米国特許第4,246,221号明細書及び国際公開第93/19230号パンフレットに記載されている。
【0019】
木材パルプのスラリーを、アミンオキシドの水溶液を使用して形成する。次に、薄膜蒸発器でスラリーから水を蒸発させる。水位が特定のレベルを下回ると、セルロースはアミンオキシド中の溶液を形成する。得られた粘性液体は、約70℃未満でガラス状の固体に固化する。この温度より高く維持すると、紡糸口金を通してポンプで押し出されフィラメントを形成し、フィラメントは直ちに水に浸漬され、ここでアミンオキシドが希釈されてセルロースが沈殿する。
【0020】
アミンオキシドセルロース溶液の押し出しに使用される紡糸口金は、連続フィラメント糸に必要なフィラメントの数に相当する多数の穴を有している。押し出し後、水の向流で新しく形成された糸からアミンオキシドを洗い流す。この洗浄は、繊維を洗浄するために水が導入される自動前進リールで行ってもいい。さらなる処理を助けるために仕上げを施してもよく、糸を乾燥させる。洗浄及び乾燥させた糸をボビンに巻き付ける。
【0021】
リヨセル製法では、木材パルプ状のセルロースが、使用される唯一の原料である。使用される木材パルプは、持続可能な管理された森林から得られるものである。製造されるフィラメントは100%セルロースであり、この製法で唯一の生産物である。アミンオキシド溶媒は洗浄水から回収され、さらなるフィラメントを製造するために再利用される。この回収率は99.7%にも達することがある。結果として、リヨセル製法の環境への影響は非常に低い。その製法からガス又は液体の排出物の放出はほぼなく、製造されたフィラメントには溶媒が含まれていない。
【0022】
対照的に、ビスコース法は、二硫化炭素、水酸化ナトリウム、硫酸、及び硫酸亜鉛を使用する。細心の注意を払わなければ、硫化水素及び二硫化炭素がそのプロセスから放出される可能性がある。この製法の副産物として硫酸ナトリウムが生産される。
【0023】
本発明は、以下のさらなる特徴によってさらに改善することが可能であり、それらの特徴は、互いに独立して組み合わせることが可能であり、それぞれが異なる技術的効果を示す。
【0024】
本発明の製品を製造するために使用される連続フィラメントリヨセル糸は、撚られていない状態で製造されたままの糸であってもよいか、又は巻き戻しによって撚られていてもよい。連続フィラメントリヨセル糸は二重糸であってもよい。連続フィラメントリヨセル糸は、糸を一緒に撚ることにより、又は例えばエアジェットを使用して混ぜ合わせることにより、別の連続フィラメント糸又はステープルファイバー糸と組み合わせてもよい。
【0025】
本発明に係るリヨセルデニムは、緯糸及び経糸のうちの少なくとも一方に、10%以上のリヨセルフィラメントを含むことが好ましい。リヨセルデニム中のリヨセルフィラメントの最小総含有量は10%より多いことが好ましい。含有量が10%を超えると、リヨセルフィラメントを含むか又はリヨセルフィラメントからなる糸の柔らかい構造を考慮すると、生地の手触りを著しく改善することが可能である。その結果、リヨセルの総含有量が10%以上であると、リヨセルフィラメントが経糸又は緯糸のどちらで使用されているかに関係なく、すでに触覚的な影響がある。さらに、10%以上のリヨセルフィラメントと、他の合成若しくはセルロースフィラメント(例えば、ビスコース又はキュプラフィラメント)、又はビスコース若しくはキュプラステープルファイバー、又はウール及び綿とを混合させると、糸の強度が向上する。最後に、10%以上のリヨセルフィラメントと合成繊維との混合により、生地の通気性及び水分管理が著しく向上する。
【0026】
デニム製法の染色及び仕上げの手順は、強い化学的影響と生地の強い機械的処理を組み合わせるため、非常に要求が厳しい。したがって、ビスコース及び絹繊維は、この手順に耐えられないため、これらの製法では使用できない。これが、ビスコース及び/又はキュプラステープルファイバー及びフィラメントが、リヨセルフィラメントと組み合わせて非常にわずかな部分でしか使用できない、又は別の実施形態ではリヨセルフィラメントに置き換える必要さえあり得る理由である。
【0027】
別の好ましい実施形態によれば、デニムは漂白(ブリーチング)されている。例えば絹を含有するデニムと対照的に、リヨセルフィラメントは、塩素系漂白剤などの侵襲性の仕上げ剤で処理することが可能である。さらに、驚くべきことに、このような侵襲性の仕上げ剤(特に塩素系漂白剤)は、リヨセルフィラメントを含むか又はリヨセルフィラメントからなる糸を柔らかくし、それによりリヨセルデニムの柔らかさ及び滑らかさが実際に改善されることがわかった。
【0028】
本発明に係るリヨセルデニムは、優れた柔らかさを有する。柔らかさの間接的な測定値としては、TSAティシューソフトネス測定装置によって決定されるTS7値がある。一実施形態によれば、本発明に係るデニムは、固定された状態、すなわちガーメントウォッシュ前において、TS7値が8以下である。さらに、本発明に係るデニムでは、ガーメントウォッシュ後、及びブリーチング後でも、TS7値は6以下である。
【0029】
TSAにより、滑らかさと相関する別のパラメータ(TS750値)も得られる。本発明に係るデニムは、固定された状態においてTS750値が120以下であることが好ましい。ガーメントウォッシュ後及び/又はブリーチング後も、TS750値は120以下に維持され得る。
【0030】
上記の滑らかさ及び/又は柔らかさを有することにより、本発明に係るデニムは、綿デニムよりも優れた滑らかさ及び/又は柔らかさを有し、絹糸を有するデニムよりも部分的には優れた柔らかさ及び/又は滑らかさを有する。
【0031】
デニムは高い機械的弾性を有することも好ましい。例えば、デニムは、固定された状態、すなわちガーメントウォッシュ前のマーティンデール摩耗テストにおいて、穴の形成までに15,000サイクル以上を記録することがある。別の実施形態では、デニムは、ガーメントウォッシュ後及び/又はブリーチング後、穴の形成までに8,000サイクルを記録することがある。これは、本発明に係るデニムが強い摩耗を受ける織物に使用可能であることを示す。
【0032】
デニムの外面、すなわちデニムの経糸面は、別の実施形態では、固定された状態(すなわちガーメントウォッシュ前)で5以上であり、及び/又はガーメントウォッシュ後で5以上であり、及びブリーチング後で5以上であるピリンググレードを有し得る。
【0033】
リヨセルフィラメント糸が使用される少なくとも1つの(経糸及び/又は緯糸)方向のデニムの糸強度は、固定状態条件20/65で、好ましくは20cN/tex以上であり、より好ましくは25cN/tex以上であり、及び/又は湿潤状態で10cN/tex以上であり、好ましくは20cN/tex以上である。ガーメントウォッシュ後、リヨセルフィラメント糸が使用される少なくとも1つの(経糸及び/又は緯糸)方向の糸強度は、条件20/65で、好ましくは4.5cN/tex以上であり、好ましくは5cN/tex以上であり、及び湿潤条件で、好ましくは3cN/tex以上であり、好ましくは7cN/tex以上である。ブリーチング後、リヨセルフィラメント糸が使用される少なくとも1つの(経糸及び/又は緯糸)方向の糸強度は、条件20/65で、2cN/tex以上であり、好ましくは3cN/tex以上であり、及び湿潤条件で、好ましくは2cN/tex以上であり、より好ましくは5cN/tex以上である。
【0034】
リヨセルフィラメントを含むか、又はリヨセルフィラメントからなる緯糸及び/又は経糸の糸伸びは、固定された後に4%以上、及び/又はガーメントウォッシュ後に2%以上、及び/又はブリーチング後に1%以上であり得る。
【0035】
本発明に係るデニムの毛羽立ちは、ガーメントウォッシュ後に4以上であり、経糸面、すなわちデニムの外面でブリーチング後に3以上であるグレードを有し得る。
【0036】
本発明に係るデニムの繊維スプライスは、固定される前及び/又は固定された後に4以上であるか、及び/又はガーメントウォッシュ後に4.5以上であるか、及び/又はブリーチング後に4.5以上であるグレードを有し得る。
【0037】
上記のすべてのパラメータにより、本発明に係るデニムは、非常に広範囲のデニム用途に適した生地となる。一方で、柔らかさ、滑らかさ、及び光沢と、一方で耐摩耗性及び糸強度などの機械的特性との組合せが、デニムに特有の組合せを与えている。
【0038】
リヨセルフィラメントを含むか、又はリヨセルフィラメントからなる経糸及び/又は緯糸の方向における、ハンドルオメーターによって決定される比剛軟度は、ガーメントウォッシュ後に4mN m
2 g
−1以上であり、及び/又はブリーチング後に3mN m
2 g
−1以上である。これらの値は、本発明のデニムの滑らかさ及び柔らかさが優れていることを示している。
【0039】
リヨセルフィラメントを含む(好ましくはリヨセルフィラメントからなる)経糸及び/又は緯糸の光沢は、20%以上の反射であり得る。これにより、高光沢を有するデニムを作成できる。
【0040】
また、本発明は、上述のリヨセルデニムが使用される衣服、特に婦人服及び/又は紳士服(例えばジャケット、コート、ブラウス、ドレス、及びズボンなど)に関する。
【0041】
さらに、本発明は、リヨセルフィラメントを含む又はリヨセルフィラメントからなる糸のデニム生地における使用に関する。
【0042】
ASTMD 1909により測定される生地の水分率は、快適性レベルの指標である。桑絹の水分率は11%であり、水分率に関して、すべての生地のうち最高の快適度の1つを提供する。本発明に係るリヨセルフィラメント糸及び/又はデニムは、好ましくは、桑絹と同等又はさらにそれ以上の快適さをもたらす、13%以上の水分率を有することが好ましい。
【0043】
本発明に係るリヨセルフィラメントデニムは、連続フィラメント糸での製造に適し、綿に匹敵するデニムをもたらす任意のスタイル、織り又は仕上げのものであってよい。リヨセルフィラメントデニムは、平織り、綾織り、繻子織、綿繻子織、ホップサック織、コード織、及びファンシー織りで作られていてよい。生地は、シャトル織機、レピア織機、発射織機又はリボン織機を含む連続フィラメント糸を織るのに適した、任意の織機を使用して織られてもよい。
【0044】
連続フィラメントリヨセル糸を使用して製造されたリヨセルデニム生地は、連続フィラメントビスコース糸から製造された生地と同様の美観及び外観を有することができるが、著しく優れた物理的特性を有することができる。糸の強度及び弾性率が高いほど、生地の破断強度、引裂強度、耐摩耗性、及び安定性の向上をもたらす。湿潤した生地の特性も優れている。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明に係るリヨセルフィラメントデニムの、絹に対する品質を調査するために、サンプルを準備し、綿からなるか又は綿を含むデニムから作られた比較例と比較した。デニムの場合、ボトムがベンチマークであり、人工繊維又はフィラメントの糸を使用するデニムはいずれもこれに対して市場で競争しなければならない。本発明のリヨセルフィラメントデニムのサンプルは、以下のテストを使用して比較例と比較される。
【0047】
テスト
・DIN EN ISO 12947−2に準拠したマーティンデール摩耗テスト。
・DIN EN ISO 12945−2に準拠したマーティンデールピリングテスト。
・DIN EN ISO 5077に準拠した洗浄収縮;両方のサンプル方向の収縮の絶対値から、合計を総収縮として取得した。
・ISO 105 X12に準拠した摩擦に対する堅牢度。
・DIN EN ISO 15487に準拠したAATCC耐久プレス評価。
・DIN EN ISO 9237に準拠した通気性。
・DIN EN 20105−A02に準拠した堅牢度。
・DIN EN ISO 2062に準拠した経糸及び緯糸の糸強度。
・ASTMD 1909に準拠した水分率。
・糸の光沢はEN 14086−2003年1月に準拠して45°の角度で決定した。
・生地の光沢は、TAPPI T480に準拠して75°の角度で決定した。
【0048】
最終消費者にとっては、洗浄後に生地の外観がどのように変化するかは重要である。これを評価するために、表面の毛羽立ち、ピリング、及び繊維スプライスを以下のテストに従って決定した。
【0049】
テストは、昼光ランプD65を備えるVarioluxの色評価キャビネット「Multilight Datacolor」が提供された暗室内で3人が実施した。ランプはキャビネットの上部に取り付けられた。
【0050】
毛羽立ちをテストするために、テストサンプルは実験者によって斜めに保持され、毛羽立ちは最高(グレード5、毛羽立ちなし)と最悪(グレード1、最大2mmの長い突出した繊維)との間でグレード分けされた。
【0051】
ピリングの数(生地表面の毛玉)は、DIN EN ISO 12 945−2と同等であるEMPA標準SN 198525の参照サンプル(ニットK3又はK2、又は織布W3又はW2)を使用して評価した。参照サンプルは1〜5でグレード付けされ、テストサンプルと比較される。グレード5は、ピリングのないデニムに相当する。テストサンプルの表面にピリングが多いほど、グレードは悪くなる。最低のグレードは1である。
【0052】
フィブリル繊維が精練によって表面に移動すると、繊維スプライス(fiber splice)が作成される。精練されたサンプルを顕微鏡下で分析する場合、フィブリル繊維は突き出たブラシ状の端となる。繊維スプライスの測定には、UHL Technische MikroskopeのX10接眼レンズを有する顕微鏡SMを使用した。フィブリルが見られない滑らかな表面に対しては、グレード5が与えられた。表面から部分的に切り離された、長く湾曲した繊維端の毛が密である場合には、グレード1が与えられた。
【0053】
3つのテストすべてにおいて、中間グレードとすることが可能であった。
【0054】
サンプルに洗浄を施す場合は、DIN EN ISO 6330に準拠して洗浄を行った。乾燥状態のパラメータを評価するためのテストは、コンディショニング状態65/20で実行する。本出願において言及されるすべての基準は、参照によりその全体が含まれる。
【0055】
サンプルは以下のように準備した。ここでは、重量はDIN EN 12127に準拠して決定した。緯糸及び経糸の糸カウントは、DIN 53820−3に準拠して実行した。
【0056】
リヨセルフィラメントデニムに関するサンプル1、2、3、5、及び6、並びにサンプル1、2、3、5、及び65がそれに対してテストされるベンチマークである綿に関する比較サンプル4及び7の材料及び特性の概要を表1に示す。
【0057】
サンプル1、2、3、5、及び6、並びに比較サンプル4及び7
サンプル1はデニム1857−Aであり、その経糸は、リヨセルフィラメントで作られたdtex 500f300を有するブライト無撚糸からなる。緯糸は、ライクラ(Lycra)T400のコアを有する綿糸からなっていた。これにより、70%のリヨセル糸、20%の綿、8%のエラストマルチエステル、及び2%のエラスタンを有する生地が得られた。デニムの重量は343gm
−2であった。
【0058】
サンプル2は、33%のリヨセルフィラメント及び67%の綿を含むデニム978−150−814であった。重量は143gm
−2であった。経糸は綿のリング糸Zで作られた。緯糸は糸dtex 150f90で作られた。
【0059】
サンプル3は、デニム1857−8であり、その経糸は、100%のリヨセルフィラメントのブライト無撚糸からなり、この糸は、dtex 500f300の質量での線密度を有していた。緯糸は、ライクラT400のELASコアを有する100%ポリエステル糸であった。これにより、356gm
−2及び70%のリヨセル、28%のポリエステル、及び2%のエラスタンを有するデニムが得られた。
【0060】
サンプル6は、70%のリヨセル、28%の綿、及び2%のエラスタンを含むデニム1857−CNFであった。経糸は556dtexを有するリヨセルフィラメント糸からなっていた。緯糸は、エラスタンのコアを有するダル綿リング糸から作られた。
【0061】
サンプル5は、45%のリヨセル及び55%の綿のデニム978−100−814であった。経糸は綿のリング糸Zからなっており、緯糸はリヨセル糸dtex 100f 60からなっていた。材料重量は128gm
−2であった。
【0062】
比較サンプル4は、59%の綿及び41%の絹で作られたデニム840−814であり、経糸は綿で作られ、緯糸は絹で作られた。これにより高い柔らかさ及び高い滑らかさ、並びに高い光沢を有するデニムをもたらした。重量は171gm
−2であった。
【0063】
比較サンプル7は、98%の綿及び2%エラスチンからなるデニム435−4047であった。経糸は綿のリング糸から作られ、緯糸はダルエラスタンのコアを持つ綿のリング糸から作られた。
【0064】
サンプル1〜3及び6を、耐洗浄性、仕上げ剤に対する耐性、滑らかさ、柔らかさ、及び光沢について、比較サンプル7をベンチマークとして評価した。
【0065】
サンプル2及び5を、比較サンプル4をベンチマークとして評価したのは、両者が同じ緯糸材料を使用しているリヨセル経糸デニムと綿経糸デニムを比較するためである。
【0066】
サンプル及び比較サンプルは、次の仕上げ工程を受けた。各仕上げ工程後、サンプル及び比較例をテストした。
【0067】
固定
まず、サンプル1、3及び4、並びに比較サンプル7を、195℃で45秒間固定した後にテストした。これらのテストの結果を表2にまとめる。
【0068】
ガーメントウォッシュ
サンプル1、2、3、5、6並びに比較サンプル4及び7を、次のようにガーメントウォッシュした。
【0069】
1:60の液比で、2.5kgの生地及び150Lの液体で、2g/LのPersoftal L、2g/Lのソーダ、及び0.3g/LのLavasperse KDS concで、22rpmで60℃で20分間最大加熱速度で、フィブリル化を行った。
【0070】
次に、液体を40℃に冷却し、300Lの冷水ですすぎ、次に5分間50℃で150Lの温水ですすぎ、その温水でのすすぎの開始直後に加熱を開始し、次に300Lの冷水で再度すすいだ。
【0071】
すすいだ後、酵素洗浄を、1:60の液比で、2.5kgの生地と150Lの液体で、22rpmで再度行った。液体には、2g/LのPersoftal L、3g/LのPeristal E、及び0.3g/LのLavasperse KDS concが含まれていた。pH値はpH4.5〜5の間になるように制御された。最大加熱速度で55℃に加熱した後、pH値を確認した。pH5.5で、2g/LのPerizym 2000を加えた後、酵素を加え、次に材料を55℃で55分間処理した。次に、材料を85℃に加熱し、85℃で15分間処理した。
【0072】
次に液体を排出し、材料を次のようにすすいだ。最初に、300Lの冷水ですすぎ、次に150Lの温水ですすぎ、2番目のすすぎ工程の補充とともに加熱を開始した。50℃で5分間、温すすぎを続けた。最後に、冷すすぎを300Lで行った。
【0073】
最大速度で加熱した後、40℃で15分間、2%のTubingal RGH、1%のTubingal RWM、3g/Lの Peristal Eを使用して、上記のように1:60の液比で再生を行った。
【0074】
次に、液体を排出し、材料を80℃で50分間タンブラー乾燥させた後、20分間冷却させた。
【0075】
その後、サンプル及び比較例を上記のようにテストした。結果を表3にまとめる。
【0076】
強ブリーチング
最後の一連のテストでは、サンプル1、2、3、5、6及び比較サンプル4及び7を次のようにブリーチングした。
【0077】
事前精練は、1:60の液比で、2.5kgの生地と150Lの液体を使用して行われた。予備洗浄には、2g/Lの Persoftal L、0.5g/LのNaOH 100%(1g/LのNaOH 50%)及び0.2g/LのLava Sperse KDS concを使用した。事前精練は20分間60℃(最大加熱速度)で行った。
【0078】
その後、40℃に冷却した後、300Lで冷すすぎを行った。
【0079】
ブリーチングは、1:60の液比及び15rpmで、低温で、30分間、再び2.5kgの生地と、2g/Lのソーダと0.4g/LのLava Sperse KDS concを含む150Lの液体で行われた。pH値を確認し、pH10で維持した。漂白剤として、3g/Lの活性塩素(20mL/Lの漂白液150g/L)を使用した。
【0080】
次に液体を排出し、材料を上記のように300Lで冷水ですすぎ、150Lで温水ですすいだ。
【0081】
2mL/Lの過酸化水素50%で、30分間40℃で脱塩素を実行した。
【0082】
その後、300Lで冷水すすぎ、50℃で5分間150Lで温水すすぎ(このすすぎと共に加熱を開始した)、及び300Lの冷水すすぎが実行された。
【0083】
次に、酵素洗浄後すすぎ及び再生が行われ、タンブル乾燥が次のように行われた。
【0084】
すすいだ後、酵素洗浄を、1:60の液比で、2.5kgの生地と150Lの液体で、22rpmで再度行った。液体には、2g/LのPersoftal L、3g/LのPeristal E、及び0.3g/LのLavasperse KDS concが含まれていた。pH値はpH4.5〜5の間に維持された。最大加熱速度で55℃に加熱した後、pH値を確認した後、酵素を加え、次に材料を55℃で55分間処理した。次に、材料を85℃に加熱し、85℃で15分間処理した。
【0085】
次に液体を排出し、材料を次のようにすすいだ。最初に、300Lの冷水ですすぎ、次に150Lの温水ですすぎ、2番目のすすぎ工程の充填と共に加熱を開始した。50℃で5分間、温すすぎを続けた。最後に、冷すすぎを300Lで行った。
【0086】
最大速度で加熱した後、15分及び40℃で2%のTubingal RGH、1%のTubingal RWM、3g/LのPeristal Eを使用して、上記のように1:60の液比で再生を行った。
【0087】
次に、サンプルと比較例を上記のようにテストした。これらのテストの結果を表4にまとめる。
【0088】
結果
表1〜表4から以下のことが明らかである。サンプル2及び5を比較サンプル4と比較すると、本発明に係るリヨセルフィラメントは、湿潤及び乾燥両方において、引張強さ(tenacity)が比較サンプル4の絹デニムの引張強さよりも著しく高い。さらに、リヨセルフィラメントデニムはすべて、乾燥及び湿潤両方における糸強度及び糸伸びが、比較サンプル4及び7に例示される非リヨセルフィラメント綿デニムと比較して優れている。
【0089】
さらに、リヨセルフィラメントデニムは、綿と同様に、絹を破壊する塩素系漂白剤などの侵襲性の仕上げ剤にも耐えることが実証されている。
【0090】
ピリング、毛羽立ち、及び繊維スプライスに関しては、リヨセルフィラメントデニムは、ガーメントウォッシュの前後及びブリーチング後の綿デニムと比較して、(1グレード以上良くはないにしても)少なくとも匹敵する。さらに、リヨセルフィラメントは、洗浄後に綿で発生するフィブリル化を受けない。
【0091】
綿はガーメントウォッシュの前後及びブリーチング後に、糸強度は依然として高いが、本発明に係るリヨセルフィラメントデニムの糸強度も依然として非常に良好である。特に、リヨセルフィラメントデニムの糸強度は、いずれも綿デニムよりも優れ、かつ絹を含むデニムでしか達成できない光沢、柔らかさ、及び滑らかさと組み合わさっている。ただし、後者はブリーチングできない。
【0092】
これは、TSAティシューソフトネス測定装置(TSAテスト)、ハンドルオメーター、及び手触りパネルを使用して、柔らかさ及び滑らかさを分析する下記のテストから明らかになる。
【0093】
TSAテスト
TSAテストは、サンプル1〜5のリヨセルフィラメントデニムの触覚的品質が、比較サンプル4の絹デニムの触覚的質と比べて(優れていないとしても)少なくとも同等であることを検証するために実施された。
【0094】
デニムに絹を使用することで改善される2つの主な触覚的品質は、柔らかさ及び滑らかさである。これらの特性を客観的に評価するために、TSAテストを実施した。
【0095】
TSAテストは、Schloszerらによる、「Griffbeurteilung von Textilien mittels Schallanalyse」、Meilland Textilberichte、1/2102、p.43−45、emtec出版物Gruner、「ティッシュの柔らかさを分析するための新しい客観的な測定技術」(2012)、TSA取扱説明書、及びavr−Allgemeiner Vliesstoff Report 5/2015、p.99−101の「Neue und Objektive Messtechnik fur Softness−Analyse」に記載されている。元来、音響スペクトルを使用してティッシュや不織布の柔らかさ及び滑らかさを測定するために開発されたもので、織布の柔らかさ及び滑らかさを評価することにも適応されている。
【0096】
TSAテストは、ドイツのライプツィヒにあるemtec electronics GmbHのTSAティシューソフトネス測定装置と、そのTSAに標準装備されているソフトウェアESMを使用して行った。TSAは、所定の力でサンプル生地に対して、星状物体を押したり回転させたりすることで生じる音響スペクトルを測定する。テストするために、生地の外周をクランプしたが、それ以外、特に回転体の反対側では支えられていない。ここで実行されたTSAテストでは、ソフトウェア及びその評価アルゴリズムは使用しなかった。代わりに、TSAによって測定された7kHz(TS7)での音圧を、柔らかさの客観的間接測定値として採用し、TSAによって測定された音スペクトルの750Hz(TS750)での音圧を、滑らかさの客観的間接測定値として採用した。音圧は、TSAによってdB V
2 rmsとして自動的に与えられ、ここで、Vは回転体の回転速度である。これらの値を直接使用することにより、EMSアルゴリズムが織布用ではなくティッシュ用に開発されたものである理由で生じる得る問題を回避した。4つのプローブの合計を、各サンプルのTSAテストにかけた。
【0097】
テストするために、直径11cmの生地サンプルをTSAデバイスの必要に応じてクランプし、引っ張らずにテストした。
【0098】
TS7の値が低いほど柔らかさが高く、TS750の値が低いほど滑らかさが高いことを示す。
【0099】
ハンドルオメーターテスト
ハンドルオメーターテストは、米国ニュージャージー州ウェストベルリンのThwing−Albert Instrument Companyのハンドルオメーターテストデバイスを使用して行った。サンプルサイズは10cm×10cmであった。1/4インチのスロットを、1,000gのビーム及びステンレス鋼の表面で使用した。テストはサンプル条件65/20で行った。
【0100】
TSA及びハンドルオメーターテストの両方で、デニムの右の外側のみを考慮した。結果を表5にまとめる。
【0101】
結果として、ハンドルオメーターにより、2つの直交方向(選択されたセットアップにおいて経糸方向に相当する縦方向MDと、選択されたセットアップにおいて緯糸方向に相当する横方向CD)に対応する2つの力の測定値が得られる。これらの力は、テストされた表面の硬さ及び滑らかさに関連している。力はテストサンプルのかさ重量で正規化され、mN m
2 g
−1で表される比剛軟度をもたらす。
【0102】
表5から、比較サンプル7の綿デニムは、滑らかさに関して、サンプル1、3及び6よりも劣っていることになる。これらのリヨセルフィラメントデニムは、ガーメントウォッシュ前の比較サンプル7の綿デニムよりも硬いが、ガーメントウォッシュ後の比較サンプル7よりは柔らかい。
【0103】
比較サンプル4の絹デニムは、絹の代わりにリヨセルエンドレスフィラメントが緯糸に使用されているサンプル2及び5よりも滑らかではない。さらに、リヨセルフィラメントデニムは、仕上げ前の比較サンプル4の絹デニムよりも柔らかい。仕上げ後のサンプル2及び5の柔らかさは、比較サンプル4の柔らかさに相当する。
【0104】
したがって、本発明に係るリヨセルフィラメントデニムは、実際に優れた柔らかさ及び滑らかさと、ブリーチング可能特性を兼ね備えていることが、TSA及びハンドルオメーターテストから結論付けることができる。さらに、リヨセルフィラメントデニムは高い引張強さを有する。この組合せにより、新しい種類のデニム生地がもたらされる。
【0105】
手触りパネル
TSA及びハンドルオメーターテストの結果を検証するために、手触りパネルを使用した。10人の独立した織物の専門家から構成されるパネルが集められた。パネルの仕事は、比較例と比較して、本発明に係るリヨセルフィラメントデニムの感触を客観的に評価することであった。
【0106】
パネルメンバーに左右されない再現性のある結果を得るために、手触りパネルは次のように行った。
【0107】
手触りパネルでテストするすべてのサンプルは、17cm×17cmのフォーマットで提供され、上端の境界から約2cmの両面接着テープを使用してカーボンに接着させた。生地サンプルを、右の経糸面側が正面を向くように厚紙に接着した。緯糸方向が水平で、経糸方向が垂直になるように配置された。
【0108】
手触りの評価のために、手触りを説明するための説明的な形容詞の対照的なペアの提供することにより、セマンティックグリッドを定義した。望ましい品質に相当する対照的なペアの用語は、「最高」とみなされる。したがって、滑らかさが望ましい品質であった生地では、反対の品質である粗さに対してよりも高いグレードが与えられる。グレードは1(最低)〜10(最高)の範囲であった。
【0109】
さらに、評価がどのように行われるべきかを、例えば、滑らかさを評価するための生地の上での手の動きを規定することによって、規定した。
【0110】
可能な限り近い構造パラメータを有するのと同時に手触りが大きく異なる同じ構造タイプ(織り)の参照サンプル生地を、各用語ペアについて事前に定義した。例えば、参照粗さを有すると考えられている生地と、参照滑らかさを有すると考えられている生地を、手触りパネルに与えた。
【0111】
それぞれの参照生地のグレードは、それぞれ2及び8に定めた。したがって、用語ペアのより低い品質の参照生地は、定義上グレード2で、用語ペアのより良い品質の参照生地はグレード8である。グレード2及び8をそれぞれ割り当てることで、2つの参照材料よりも良い又は悪い品質の材料があった場合、テスト中にスケールを拡大することができた。したがって、粗さ−滑らかさスケールで、粗さの参照材料はグレード2を有すると定義され、滑らかさの参照材料はグレード8を有すると定義された。次にテストされた他のすべての材料は、参照材料と比較して、手触りパネルによってグレード付けされなければならなかった。
【0112】
デニムサンプルのテストには、次のセマンティックグリッドを用いた。
・感触の評価:綿のような(グレード2)及び絹のような(グレード8);
・密度の評価:目の粗い(グレード2)及び目が詰まった(グレード8)。
・着用感の評価:硬い(グレード2)及び柔らかい(グレード8)。
・表面の評価:粗い(グレード2);滑らかである(グレード8)。
【0113】
グレード2の参照材料として、比較サンプル7を使用した。グレード8の参照材料として、すべての用語ペアについて比較サンプル4を使用した。
【0114】
パネルには、上記の特性を以下の通り評価するよう指示した。
・感触の評価:サンプルカードを片手で取り上げ、生地を折りたたんだ。次に、手触りパネルのメンバーは、デニムの右(経糸面)側が手のひらに触れるように、懸案中の生地をつかむように求められた。
・密度は、生地がより目が粗い織り又はより密な織りの感触を与えるかどうかを示す。サンプルカードを、個々の手触りパネルメンバーの前のテーブル上に置いた。生地を両手で取り、生地を揉んで伸ばした。
・着用感は、片手でサンプルカードを再び持ち上げて、生地を折りたたんでおいて決定する。次に、サンプルカードを振って、生地の落下パターンを評価する。その後、生地を空いている手でつかんでさらに評価する。
・最後に、表面の感触を判断するために、横になっている厚紙をテーブルに置いた。経糸表面は、手のひらを経糸方向及び緯糸方向に動かすことにより評価した。
【0115】
各サンプル生地及び各用語ペアについて、個々の手触りパネルメンバーによる評価全体の平均と平均からの偏差を計算した。平均は、サンプルの評価及びランク付けに使用された。結果の要約を表6に示す。
【0116】
光沢
本発明に係るリヨセルデニムで使用可能なそれぞれの糸の光沢を、光沢計を使用して測定した。入射光の反射率%の結果を表7に示す。糸の光沢を測定するために、糸をラップオーバーの厚紙に巻き付け、EN 14086−01/2003に準拠して45°で光沢を測定した。生地の光沢は、TAPPI T480に準拠して75°で決定された。視野角は、糸の光沢を測定するために糸の方向に沿って向けられた。
【0117】
サンプル1、3、7、8は、表7に示す質量での線密度を有する100%のブライトリヨセルフィラメントから作られた糸であった。
【0118】
サンプル2、4、5、6は比較サンプルである。
【0119】
サンプル3は、他のすべてのサンプル及び比較例よりもはるかに優れた光沢を示した。サンプル1及び6の光沢は、絹を含む比較サンプル7のデニムに匹敵した。
【0120】
デニムに使用できる糸の光沢は、20%以上の反射であった。
【0121】
したがって、本発明に係るリヨセルフィラメントデニムは、優れた光沢と侵襲性の仕上げ剤に対する耐性も兼ね備えていると結論付けることができる。