(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好ましい形態を以下に例示する。
本発明では、例えば、第1撮像画像によって異物が検出されるような場合であっても、第2撮像画像によって当該異物が検出されないような場合、或いは、当該異物が第1撮像部の撮像方向において所定の監視範囲から外れるような場合には、当該異物に関する処理(例えば、当該異物の画像の詳細な解析や異物検出に基づく保護動作など)を省略することもできる。このようにすれば、必要性の低い処理の簡略化や省略によって処理負荷を軽減することができ、様々な動作の時間短縮を図ることができる。そして、このように処理負荷を軽減しても、異物が監視範囲内に影響を与えるような事態は生じにくくなる。
なお、第2撮像画像によって異物が検出されるような場合に、第1撮像画像によって当該異物が検出されない場合、或いは、当該異物が第2撮像部の撮像方向において所定の監視範囲から外れるような場合に、当該異物に関する処理(例えば、当該異物の画像の詳細な解析や異物検出に基づく保護動作など)を省略しても、類似の効果が得られる。
更に、このような構成のものでは、第1撮像部によって生成された第1撮像画像内において第1監視範囲(例えば、五徳近傍の範囲)内に異物が存在し、且つ第2撮像部によって生成された第2撮像画像内において第2監視範囲(例えば、五徳近傍の範囲)内に異物が存在する場合に保護動作(例えば、設定操作部で指示される火力が最低火力よりも大きい場合に、設定操作部で指示される火力よりも低い火力にする保護動作)を行うようにしてもよい。そして、第1撮像画像において第1監視範囲内に異物が存在せず、第2撮像画像において第2監視範囲内に異物が存在しないような状態となったときに、保護動作を解除するようにしてもよい。この例では、第1撮像部の撮像方向又は第2撮像部の撮像方向のいずれかにおいて異物が監視範囲から外れるような場合に保護動作を行わないようにすることができ、必要性の低い状態での保護動作を省略して動作の適正化を図ることができる。
【0010】
加熱調理器において、第1撮像部及び第2撮像部は、筐体部に対して直接的に又は他部材を介して間接的に組み付けられていてもよい。この加熱調理器は、第1撮像部及び第2撮像部にいずれについても筐体部と一体的に構成することができるため、構成のコンパクト化を図ることができ、複雑な構成や大掛かりな構成を用いずとも各撮像部と筐体内の装置とを電気的に連携させやすくなる。
【0011】
加熱調理器において、第1撮像部は、当該加熱調理器の前後方向一方側から前後方向他方側を撮像する構成であってもよい。第2撮像部は、当該加熱調理器の左右方向一方側から左右方向他方側を撮像する構成であってもよい。この加熱調理器は、ガスバーナから火炎が放出される領域に物体が存在する場合に、第1撮像部によって生成される第1撮像画像により、物体の左右方向の位置関係を認識することができ、第2撮像部によって生成される第2撮像画像により、物体の前後方向の位置関係を認識することができる。
【0012】
加熱調理器において、第1撮像部は、当該加熱調理器の前方側から後方側を撮像する構成であってもよい。この加熱調理器は、当該加熱調理器の前方側(具体的には第1撮像部よりも前方側)に存在する物体が第1撮像部によって生成される第1撮像画像内に入り込まなくなり、このような物体の影響が排除された第1撮像画像に基づき、ガスバーナから火炎が放出される領域に存在する物体をより正確に認識しやすくなる。
【0013】
加熱調理器は、第1撮像部及び第2撮像部のいずれかによって異物の画像を含んだ異物混入画像が得られた場合に所定の保護動作を行う保護動作部を有していてもよい。この加熱調理器は、第1撮像部によって生成される第1撮像画像及び第2撮像部によって生成される第2撮像画像に基づいて異物混入画像であるか否かを判定することができる。つまり、異なる向きで撮像された2種類の撮像画像によって異物混入画像であるか否かを判定することが可能となるため、1種類の撮像画像に基づいて判定する方法と比較して判定の精度が高まる。そして、異物混入画像が得られた場合には、保護動作部によって所定の保護動作を行うことができる。
【0014】
加熱調理器は、第1撮像部及び第2撮像部によって得られた複数の撮像画像に基づき、調理器具の底面積を推定する底面積推定部を有していてもよい。この加熱調理器は、異なる向きで撮像された2種類の撮像画像によって調理器具の底面積をより正確に推定することができる。
【0015】
加熱調理器は、当該加熱調理器の近傍の所定位置の照度が所定の低下状態となった場合にガスバーナから火炎が放出される領域に向けて赤外線照明光を照射する赤外線照明部を含んでいてもよい。この加熱調理器は、当該加熱調理器の近傍の照度が低下した場合に赤外線照明光を照射し、ガスバーナから火炎が放出される領域近傍の画像の不鮮明化を抑制又は防止することができる。
【0016】
加熱調理器は、第1撮像部によって所定方向一方側から他方側に向けて撮像を行い、第2撮像部によって所定方向一方側から他方側に向けて第1撮像部とは異なる向きで撮像を行い、所定方向において予め定められた基準位置から第1撮像部及び第2撮像部によって撮像された物体までの距離を算出するように構成してもよい。例えば、第1撮像部によって前方側から後方側に向けて撮像を行い、第2撮像部によって前方側から後方側に向けて第1撮像部とは異なる向きで撮像を行い、前後方向における所定の基準位置から第1撮像部及び第2撮像部によって撮像された物体までの距離を算出するように構成してもよい。或いは、第1撮像部によって上方側から下方側に向けて撮像を行い、第2撮像部によって上方側から下方側に向けて第1撮像部とは異なる向きで撮像を行い、上下方向における所定位置から第1撮像部及び第2撮像部によって撮像された物体までの距離を算出するように構成してもよい。いずれの場合でも、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bをステレオカメラとして利用し、第1撮像部90Aによって生成される第1撮像画像及び第2撮像部90Bによって生成される第2撮像画像に基づいて、所定の基準位置から第1撮像部及び第2撮像部によって撮像された物体までの距離を、ステレオ視差を用いた公知の計測方式で計測してもよい。
【0017】
<実施例1>
(基本構成)
以下、実施例1について、図面を参照して説明する。
まず、
図1〜
図4等を参照し、加熱調理器1の基本構成を説明する。
図1に示す加熱調理器1は、ビルトインコンロとして構成され、上端部が開放した箱状の筐体部2と、筐体部2の上端部に固定される天板5(トッププレート)とを備え、天板5から露出するように、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4Cが設けられている。筐体部2は、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C、グリル庫3などを収容する構成をなし、前面側に前面パネル7A,7Bなどが配置されてなる。右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C、グリル庫3のそれぞれには、
図3で示すガスバーナ51,52,53,54が設けられ、これらガスバーナ51,52,53,54の各々は、一部又は全部が筐体部2内に収容された形態でそれぞれ設けられている。天板5上において、各ガスバーナ51,52,53の周囲には、五徳9A、9B、9Cがそれぞれ設けられている。五徳9A、9B、9Cは、載置部の一例に相当し、ガスバーナ51,52,53の上方側に調理器具を載置するために用いられる。五徳9A、9B、9Cのいずれも、調理器具を支持するための複数の支持部が間隔をあけて環状に配置されるとともに複数の支持部の各上端部が、近接するガスバーナよりも上方側に配置された構成をなし、複数の支持部上に調理器具が載置されたときにガスバーナの上方側に調理器具が配置されるように支持する構成をなす。
【0018】
筐体部2内には、
図2のように、ガス配管として、共通のガス流路である共通供給路60と、共通供給路60から分岐したガス流路である複数の分岐供給路61,62,63,64とが設けられ、共通供給路60を通って流れたガスが、各分岐供給路61,62,63,64を通って各ガスバーナ51,52,53,54に導かれるようになっている。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられている。分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51G及び閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52G及び閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53G及び閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。ガスバーナ54は、グリル庫3内において上側の所定位置に配置される上グリルバーナ54Aと、グリル庫3内において上グリルバーナ54Aよりも下側に配置される下グリルバーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐したガス流路である分岐供給路64には、分岐供給路64から分岐して上グリルバーナ54Aにガスを導くガス流路である第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下グリルバーナ54Bにガスを導くガス流路である第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54G及び閉止弁54Fが設けられ、第1供給路65Aには第1供給路65Aを開閉可能な複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには第2供給路65Bを開閉可能な電磁弁54Kが設けられている。第1供給路65Aには、電磁弁54Jと並列にバイパス路66Aが設けられ、第2供給路65Bには、電磁弁54Kと並列にバイパス路66Bが設けられている。
【0019】
図1に示すように、加熱調理器1の前面部付近には、右こんろ部4A、左こんろ部4B、小こんろ部4C、グリル庫3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dがそれぞれ設けられている。第1の回転操作部6A、第4の回転操作部6Dは、筐体部2の前面部の一部を構成する右側の前面パネル7Aから露出するように設けられ、第2の回転操作部6B、第3の回転操作部6Cは、筐体部2の前面部の一部を構成する左側の前面パネル7Bから露出するように設けられている。第1の回転操作部6Aは、右こんろ部4Aを構成するガスバーナ51の点火、消火、火力調整を行うものであり、第2の回転操作部6Bは、左こんろ部4Bを構成するガスバーナ52の点火、消火、火力調整を行うものであり、第3の回転操作部6Cは、小こんろ部4Cを構成するガスバーナ53の点火、消火、火力調整を行うものである。第4の回転操作部6Dは、ガスバーナ54(グリルバーナ)の点火、消火、火力調整を行うものである。
図1の例では、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。
【0020】
次に、
図3等を参照して加熱調理器1の電気的構成について説明する。
図3において制御回路10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェイスなどを備える。なお、図示はしていないが、制御回路10の内部又は外部に不揮発性メモリを設けてもよい。電源回路57は電池ボックスに収容された2つの乾電池56からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有し、電源回路57で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
【0021】
スイッチ30A,30B,30C,30Dは、
図1で示す回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するように設けられ、
図3のように、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部が退避位置(消火位置)のときには対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部が突出位置(点火位置)のときには対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。例えば、
図1で示す実線位置のように、回転操作部6Aが退避位置にあるときには、
図3で示すスイッチ30Aがオフ状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは制御回路10に対してオフ状態を示す信号(オフ信号)を入力する。また、
図1の二点鎖線6A’のように回転操作部6Aが突出位置にあるときには、
図3で示すスイッチ30Aがオン状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは、制御回路10にオン状態を示す信号(オン信号)を入力する。
【0022】
変位検出部32A,32B,32C,32Dは、
図1で示す回転操作部6A,6B,6C,6Dにそれぞれ対応するように設けられ、
図3のように、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路42A,42B,42C,42Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部の変位(回転位置)を対応する変位検出部(エンコーダ等の回転角度センサなど)が検出し、この変位検出部に対応する火力信号入力回路から変位検出部が検出した変位(回転位置)に応じた信号が制御回路10に与えられる。例えば、回転操作部6Aに対応して設けられた変位検出部32Aは、回転操作部6Aの変位(回転位置)を検出し得るようになっており、この変位検出部32Aに対応する火力信号入力回路42Aから制御回路10に対し、変位検出部32Aが検出した変位(即ち、回転操作部6Aの回転位置)に応じた信号が与えられる。なお、回転操作部6A,6B,6Cは、設定操作部の一例に相当し、上述したように、ガスバーナ51,52,53の火力を設定する操作に用いられる。
【0023】
図2のように、各ガスバーナ51,52,53,54A,54Bのそれぞれに隣接して熱電対51C,52C,53C,54C、54Dがそれぞれ設けられ、
図3のように、熱電対51C,52C,53C,54C、54Dのそれぞれに対応して温度信号入力回路44A,44B,44C,44D,44Eがそれぞれ設けられている。更に、
図3のようにイグナイタ回路46が及びイグナイタ28が設けられ、イグナイタ28には、各ガスバーナ51,52,53,54のそれぞれに隣接して図示しないイグナイタ端子が設けられている。
【0024】
図3で示す駆動回路48Aは、制御回路10からの制御量が指示されることに応じて、火力調整弁51Eを制御量に応じた開度に駆動する構成をなす。駆動回路48Bは、制御回路10からの制御量が指示されることに応じて、火力調整弁52Eを制御量に応じた開度に駆動する構成をなす。駆動回路48Cは、制御回路10からの制御量が指示されることに応じて、火力調整弁53Eを制御量に応じた開度に駆動する構成をなす。駆動回路49Aは、電磁弁51F,51Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路であり、駆動回路49Bは、電磁弁52F,52Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路であり、駆動回路49Cは、電磁弁53F,53Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路であり、駆動回路49Dは、電磁弁54F,54G,54H,54J,54Kを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路50は、元電磁弁N1を制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。なお、図示はしていないが、例えば圧電ブザー装置などの公知構成をなすブザー装置や、メロディ、メッセージなどの音声を発する公知構成の音声装置(スピーカ等)や、LEDや液晶表示器などの公知構成の表示装置なども、制御回路10によって制御される構成をなす。
【0025】
図3のように、加熱調理器1は、更に、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bを備える。第1撮像部90A及び第2撮像部90Bはいずれも、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラなど、撮像範囲からの可視光又は赤外線を受光して撮像範囲の画像を生成し得る公知構成の撮像装置によって構成されており、それぞれが、予め定められた所定位置(
図1の例では天板5上の位置)に固定された構成をなす。
図1の例では、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bは、いずれも、筐体部2に対して天板5を介して間接的に組み付けられ、少なくともガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域を、上下方向と交差する向き(具体的には、上下方向と直交する方向である水平方向に沿った向き)で撮像するように構成されている。第1撮像部90Aは、加熱調理器1の前後方向一方側から前後方向他方側を撮像する撮像部であり、具体的には、天板5の前端部寄りの位置に固定され、加熱調理器1の前方側から後方側を撮像する構成をなす。
図1、
図6等で示すコンロ構成の例では、例えば五徳9A、9B、9Cのいずれにも調理器具が載置されていない状態のときに、ガスバーナ51,52,53の全ての上端部が撮像され、五徳9A、9B、9Cの全ての上端部が撮像され得るように第1撮像部90Aの撮像範囲が設定されている。第1撮像部90Aは、例えば五徳9A、9B、9Cのいずれにも調理器具が載置されていない状態でガスバーナ51,52,53のそれぞれを最大火力にしたときにガスバーナ51,52,53の各炎の全てが撮像され得るような撮像範囲であってもよく、ガスバーナ51,52,53の各炎の一部(少なくとも各炎の上縁(上側の境界)及び左右両縁(左右の境界)を含んだ部分)が撮像され得るような撮像範囲であってもよい。なお、本明細書では、天板5の厚さ方向を上下方向とし、天板5を平面視したときの長手方向を左右方向(横方向)とし短手方向を前後方向とする。上下方向と左右方向は直交する関係にあり、前後方向は上下方向及び左右方向と直交する関係にある。上下方向は、例えば鉛直方向となっている。第2撮像部90Bは、第1撮像部90Aとは異なる向き(具体的には、水平方向に沿った向きであって第1撮像部90Aの撮像の向きとは異なる向き)に撮像する撮像部であり、
図1、
図6、
図7等で示すコンロ構成では、加熱調理器1の左右方向一方側から左右方向他方側を撮像する構成をなす。
図1等で示す例では、第2撮像部90は、天板5において左端部寄り(前方側から見て左端寄り)の位置に固定されており、加熱調理器1の左端側から右端側(前方側から見て右端側)を撮像する構成をなす。第2撮像部90Bは、例えば五徳9A、9B、9Cのいずれにも調理器具が載置されていない状態でガスバーナ51のみを燃焼させて最大火力としているときに少なくともガスバーナ51の炎の上縁(上側の境界)及び左右両縁(左右の境界)が撮像され得るような撮像範囲となっており、ガスバーナ52のみを燃焼させて最大火力としているときに少なくともガスバーナ52の炎の上縁(上側の境界)及び左右両縁(左右の境界)が撮像され得るような撮像範囲となっており、ガスバーナ53のみを燃焼させて最大火力としているときに少なくともガスバーナ53の炎の上縁(上側の境界)及び左右両縁(左右の境界)が撮像され得るような撮像範囲となっている。
【0026】
(ガスバーナの制御)
次に、ガスバーナの制御について説明する。なお、以下の説明では、ガスバーナ51の制御を代表例として説明する。
図3で示す制御回路10は、所定の開始条件の成立時に
図4の制御を開始する。所定の開始条件の成立時は、例えば、所定の電源スイッチのオン動作によって加熱調理器1の電源がオン状態に切り替わった時(電源回路57から各部品に電力が供給され得る状態となった時)などである。制御回路10は、
図4の制御を開始した場合、開始直後に第1撮像部90Aによって撮像された画像(第1基準画像)及び開始直後に第2撮像部90Bによって撮像された画像(第2基準画像)を「初期の基準画像」として取得し、これらの「初期の基準画像」をメモリに記憶する(S1)。初期の基準画像(第1基準画像及び第2基準画像)は、五徳9A,9B,9Cのいずれにも調理器具が載置されていないときに第1撮像部90A及び第2撮像部90Bによって撮像された場合にのみステップS1にて画像を新規に記憶することができ、五徳9A,9B,9Cに調理器具が載置されていない画像を初期の基準画像(第1基準画像及び第2基準画像)として用いることができる。なお、五徳9A,9B,9Cのいずれかに調理器具が載置されているときには、ステップS1の処理を省略すればよい。五徳9A,9B,9Cのいずれかに調理器具が載置されているか否かは、公知の様々な方法で判定することができる。
【0027】
本構成では、例えば、
図6で概念的に示す撮像範囲AR1の画像が第1撮像部90Aによって撮像されるようになっており、五徳9A,9B,9Cのいずれにも調理器具が載置されていないときの撮像範囲AR1の画像が第1基準画像となる。また、
図8で示す撮像範囲AR3の画像が第2撮像部90Bによって撮像されるようになっており、五徳9A,9B,9Cのいずれにも調理器具が載置されていないときの撮像範囲AR3の画像が第2基準画像となる。また、本構成では、例えば製品設置時などにおいて、五徳9A,9B,9Cのいずれにも調理器具が載置されていないとき、撮像範囲AR1の画像を第1撮像部90Aによって生成して当該画像をデフォルトとなる第1基準画像とし、撮像範囲AR3の画像を第2撮像部90Bによって生成して当該画像をデフォルトとなる第2基準画像とすることができる。そして、ステップS1において五徳9A,9B,9Cに調理器具が載置されていない状態の撮像範囲AR1,AR3の画像がそれぞれ第1撮像部90A及び第2撮像部90Bによって得られた場合には、これらの画像を新たな初期の基準画像(第1基準画像、第2基準画像)として更新することができる。
【0028】
制御回路10は、ステップS1の後、ステップS2の処理を行う。ステップS2の処理は、ステップS2の時点で第1撮像部90Aによって撮像された画像(第1現在画像)を取得し、この第1現在画像と第1基準画像(ステップS1で更新された場合にはステップS1で得られた第1基準画像であり、更新されていない場合にはステップS1の前から予め記憶されている第1基準画像)とを比較する処理である。また、ステップS2の時点で第2撮像部90Bによって撮像された画像(第2現在画像)を取得し、この現在画像と第2基準画像(ステップS1で更新された場合にはステップS1で得られた第2基準画像であり、更新されていない場合にはステップS1の前から予め記憶されている第2基準画像)とを比較する処理である。制御回路10は、ステップS2の後、ステップS3の判定処理を行う。ステップS3の判定処理は、ステップS2で取得された第1現在画像において第1基準画像から変化した領域(第1差分領域)があるか否かを判定し、ステップS2で取得された第2現在画像において第2基準画像から変化した領域(第2差分領域)があるか否かを判定する処理である。制御回路10は、ステップS2で取得された第1現在画像において第1差分領域が存在し且つ第2現在画像において第2差分領域が存在する場合、ステップS4において第1差分領域及び第2差分領域(異物と推定される領域)の面積を計算する。制御回路10は、ステップS3において、第1差分領域又は第2差分領域のいずれかが存在しない判定した場合、ステップS2以降の処理を再び行う。なお、ステップS3の判定方法としては、第1差分領域の総面積が一定値以上の場合(例えば、画素数が一定値以上の場合)に「第1差分領域がある」と判定し、一定値未満の場合には「第1差分領域がない」と判定するような判定方法を採用することもできる。同様に、第2差分領域の総面積が一定値以上の場合に「第2差分領域がある」と判定し、一定値未満の場合には「第1差分領域がない」と判定するような判定方法を採用することもできる。
【0029】
制御回路10は、ステップS4の処理において、ステップS2で得られた第1現在画像における第1差分領域を特定し、その第1差分領域を連続している領域ごとに分ける。同様に、ステップS2で得られた第2現在画像における第2差分領域を特定し、その第2差分領域を連続している領域ごとに分ける。制御回路10は、第1差分領域が1つの連続領域(単一領域)のみからなる場合には、その単一領域の面積を求め、第1差分領域において連続している領域が複数存在する場合(複数の連続領域がそれぞれ分離した形で第1差分領域が構成される場合)には各々の連続領域(各々の個別領域)の面積を求める。同様に、第2差分領域が1つの連続領域(単一領域)のみからなる場合には、その単一領域の面積を求め、第2差分領域において連続している領域が複数存在する場合(複数の連続領域がそれぞれ分離した形で第2差分領域が構成される場合)には各々の連続領域(各々の個別領域)の面積を求める。制御回路10は、ステップS4の後にステップS5の処理を行い、ステップS4での算出結果に基づき、「第1差分領域のいずれかの連続領域の面積が一定値以上であり且つ第2差分領域のいずれかの連続領域の面積が一定値以上である」という条件を満たすか否かを判定し、条件を満たすと判定した場合にはステップS6の処理を行い、条件を満たさないと判定した場合にはステップS2以降の処理を再び行う。
【0030】
第1差分領域のうちの面積が一定値以上である領域を第1連続領域とし、第2差分領域のうちの面積が一定値以上である領域を第2連続領域とした場合、制御回路10は、ステップS6において第1連続領域及び第2連続領域の位置をそれぞれ検出する。具体的には、第1現在画像内での第1連続領域の位置を特定し、第2現在画像内での第2連続領域の位置を特定する。そして、制御回路10は、ステップS7において、第1連続領域の位置が予め定められた一定範囲(第1監視範囲AR2)内であるか否か、及び第2連続領域の位置が予め定められた一定範囲(第2監視範囲AR4)内であるか否か、を判定する。本構成では、
図6のように、第1撮像部90Aによって撮像し得る範囲AR1のうちの一部範囲AR2がガスバーナ51に関して定められた第1監視範囲となっており、ステップS7では、ステップS6において一定値以上と判定された第1連続領域の少なくとも一部がこの第1監視範囲AR2内に存在するか否かを判定する。また、
図8のように、第2撮像部90Bによって撮像し得る範囲AR3のうちの一部範囲AR4がガスバーナ51に関して定められた第2監視範囲となっており、ステップS7では、ステップS6において一定値以上と判定された第2連続領域の少なくとも一部がこの第2監視範囲AR4内に存在するか否かを判定する。
【0031】
例えば、
図6〜
図8の例では、調理器具Taが存在しないときの撮像範囲AR1の画像が第1基準撮像画像となり、調理器具Taが存在しないときの撮像範囲AR3の画像が第2基準撮像画像となる。そして、調理器具Taが存在しないときの第1監視範囲AR2の画像は、
図9(A)で示す画像M1のような画像となり、調理器具Taが存在しないときの第2監視範囲AR4の画像は、
図10(A)で示す画像M3のような画像となる。一方、
図6(A)のように調理器具Taが存在するときの第1監視範囲AR2の画像は、
図9(B)で示す画像M2のような画像となり、調理器具Taが存在するときの第2監視範囲AR4の画像は、
図10(B)で示す画像M4のような画像となる。
図9(B)、
図10(B)のような画像が生成される例では、ステップS3において、
図9(B)で示す調理器具Taの領域が第1差分領域(画像G1の領域)として抽出され、
図10(B)で示す調理器具Taの領域(画像G2の領域)が第2差分領域として抽出され、ステップS4では、第1現在画像及び第2現在画像のそれぞれにおいて、調理器具Taの領域の面積が第1連続領域及び第2連続領域の各面積として算出されることになる。そして、ステップS7では、
図9(B)の調理器具Taの領域に相当する第1連続領域が第1監視範囲AR2にあると判定され、
図10(B)の調理器具Taの領域に相当する第2連続領域が第2監視範囲AR4にあると判定されることになる。
【0032】
制御回路10は、ステップS7において、第1連続領域の少なくとも一部の位置が第1監視範囲AR2内であり且つ第2連続領域の少なくとも一部の位置が第2監視範囲AR4内であると判定した場合、ステップS8において、ガスバーナ51が燃焼中であるか否かを判定し、燃焼中であると判定した場合にはステップS15において火力制御を行い、燃焼中でないと判定した場合にはステップS9の処理を行う。ステップS15の火力制御については後述する。制御回路10は、ステップS7において、第1連続領域の位置が第1監視範囲AR2内にない、又は第2連続領域の位置が第2監視範囲AR4内にないと判定した場合、ステップS2以降の処理を再び行う。この例では、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bの両方によって撮像された物体が異物(ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域に存在する物体であって、加熱調理器1を構成する部品以外の物体)と推定されることになる。制御回路10は、ステップS8においてガスバーナ51が燃焼中でないと判定した場合には、ステップS9において調理器具を検出する処理(具体的には、調理器具形状のパターンマッチング)を行う。制御回路10は、ステップS9の処理を行う場合、例えば、上述の第1連続領域の外形を抽出し、ステップS10において、その抽出された第1連続領域の外形と、予め登録された多数のパターン画像と比較し、公知のパターンマッチングの方法によっていずれかの登録パターンに該当するか否かを判定する。制御回路10は、ステップS10において、第1連続領域の外形が登録されたパターン画像に該当しないと判定した場合、ステップS14において、ガスバーナ51についての点火禁止フラグをセットする。点火禁止フラグは、セットされているときにイグナイタ28の放電動作及び電磁弁51F,51Gの開弁を禁止するフラグであり、制御回路10は、ガスバーナ51についての点火禁止フラグがセットされているときにはイグナイタ28の放電動作及び電磁弁51F,51Gの開弁を行わない。
【0033】
制御回路10は、ステップS10において第1連続領域の外形が登録されたパターン画像に該当すると判定した場合、ステップS11において、調理器具の位置、径を算出する処理を行い、第1連続領域の横方向の位置と、第1連続領域の下部(底部)の径を計算し、第2連続領域の横方向の位置と、第2連続領域の下部(底部)の径を計算する。そして、制御回路10は、ステップS12において、第1連続領域の横方向の位置が予め定められた第1正規範囲内にあるか否かを判定するとともに、第2連続領域の前後方向の位置が、予め定められた第2正規範囲内にあるか否かを判定する。第1連続領域の横方向の位置が予め定められた第1正規範囲内にある場合とは、例えば、第1連続領域の横方向の中心位置とガスバーナ51の横方向の中心位置の横方向の距離が第1所定範囲以内である場合である。第2連続領域の前後方向の位置が予め定められた第2正規範囲内にある場合とは、例えば、第2連続領域の前後方向の中心位置とガスバーナ51の前後方向の中心位置の前後方向の距離が第2所定範囲以内である場合である。
【0034】
例えば、
図6のような例では、ステップS9において、
図9(B)で示す調理器具Taの画像G1(第1連続領域)の外形と、予め登録された多数のパターン画像との比較がなされる。そして、調理器具Taの画像G1の外形が、公知のパターンマッチングによっていずれかの登録パターンに該当すると判定された場合には、ステップS11において、調理器具Taの画像G1(第1連続領域)の横方向の位置が算出される。更に、
図10(B)で示す調理器具Taの画像G2(第2連続領域)の前後方向の位置も算出される。
【0035】
ステップS11では、更に調理器具Taの底部の面積(底面積)を求めてもよい。
図9(B)、
図10(B)の例では、例えば、底部を円形と推定し、
図9(B)で示す調理器具Taの画像G1(第1連続領域)における底部の横方向幅Xaに基づき、π×(Xa/2)
2の式により底面積を求める方法を採用してもよい。或いは、底部を矩形と推定し、
図9(B)で示す調理器具Taの画像G1(第1連続領域)における底部の横方向幅Xaと、
図10(B)で示す調理器具Taの画像G2(第2連続領域)における底部の前後方向幅Zaとに基づき、Xa×Zaの式により底面積を求める方法を採用してもよい。或いは、横方向幅Xaと前後方向幅Zaとが一致する場合に底部が円形であると推定してπ×(Xa/2)
2の式により底面積を求め、一致しない場合に底部が矩形であると推定してXa×Zaの式により底面積を求めるような方法を用いてもよい。或いは、底部を円形と推定し、
図9(B)で示す調理器具Taの画像G1(第1連続領域)における底部の横方向幅Xaと、
図10(B)で示す調理器具Taの画像G2(第2連続領域)における底部の前後方向幅Zaとに基づき、XaとZaの平均値Ra(Ra=(Xa+Za)/2)を直径と推定し、π×(Ra/2)
2の式により底面積を求める方法を採用してもよい。
【0036】
そして、ステップS12では、
図9(B)で示すように、調理器具Taの画像G1(第1連続領域)の横方向の中心位置Caを検出し、予め定められたガスバーナ51の横方向の中心位置Cxと位置Caとの横方向の距離が第1所定範囲以内である場合に第1連続領域の横方向の位置が予め定められた第1正規範囲内にあると判定し、第1所定範囲を超える場合に第1正規範囲内にないと判定する。同様に、
図10(B)で示すように、調理器具Taの画像G2(第2連続領域)の前後方向の中心位置Cbを検出し、予め定められたガスバーナ51の前後方向の中心位置Czと位置Cbとの前後方向の距離が第2所定範囲以内である場合に第2連続領域の前後方向の位置が予め定められた第2正規範囲内にあると判定し、第2所定範囲を超える場合に第2正規範囲内にないと判定する。
【0037】
制御回路10は、ステップS12において第1連続領域の横方向の位置が第1正規範囲内にない又は第2連続領域の前後方向の位置が第2正規範囲内にないと判定した場合、上述したステップS14の処理を行い、ガスバーナ51についての点火禁止フラグをセットする。制御回路10は、ステップS12において第1連続領域の横方向の位置が第1正規範囲内にあり且つ第2連続領域の前後方向の位置が第2正規範囲内にあると判定した場合、ステップS13において火力決定制御を行い、火力調整弁51Eの開度を回転操作部6Aの回転角度に対応した開度(回転操作部6Aで指示された開度)とする。
【0038】
なお、本構成では、回転操作部6Aに対して所定の点火操作(退避位置にあるときに押圧する操作)がなされた場合、点火禁止フラグがセットされていないことを条件として制御回路10が電磁弁51F,51Gを開弁し且つイグナイタ回路46に駆動信号を与える点火制御を行い、これに応じてイグナイタ回路46がイグナイタ28に火花放電を行わせる。このような動作により、ガスバーナ51が点火状態となる。一方、回転操作部6Aに対して所定の点火操作がなされたときに点火禁止フラグがセットされている場合には、制御回路10は点火制御(電磁弁51F,51Gを開弁し、イグナイタ回路46に駆動信号を与える制御)を行わず、ガスバーナ51の消火状態を継続させる。なお、点火禁止フラグは、例えば、ステップS3、S5、S7のいずれかでNoとなる場合、又は、ステップS12でYesとなる場合にリセットされるようにするとよい。
【0039】
次に、ステップS15の火力制御について説明する。
制御回路10は、
図4で示すステップS15の制御を、
図5のような流れで行う。本構成では、第1撮像部90Aによって一定時間毎に定期的に撮像画像が取得されるようになっている。制御回路10は、ステップS21において、第1撮像部90Aによって前回(1フレーム前)生成された撮像画像(ステップS21の処理を行う前の直近の撮像画像である第1前回画像)と、ステップS21の処理を行う時点で第1撮像部90Aによって生成された撮像画像(第1現在画像)とを比較する。同様に、第2撮像部90Bによって前回(1フレーム前)生成された撮像画像(ステップS21の処理を行う前の直近の撮像画像である第2前回画像)と、ステップS21の処理を行う時点で第2撮像部90Bによって生成された撮像画像(第2現在画像)とを比較する。制御回路10は、ステップS22では、第1現在画像において第1前回画像から変化した領域(第1差分領域)があるか否かを判定し、第2現在画像において第2前回画像から変化した領域(第2差分領域)があるか否かを判定する。制御回路10は、第1差分領域及び第2差分領域がいずれも生じているとステップS22で判定した場合、ステップS23において第1差分領域、第2差分領域の面積を計算する。制御回路10は、ステップS22において、第1差分領域又は第2差分領域のいずれかがないと判定した場合、ステップS30の処理を行う。制御回路10は、ステップS23の処理を行う場合、第1差分領域を連続している領域ごとに分け、特定された第1差分領域が1つの連続領域(単一領域)のみからなる場合には、その単一領域の面積を求め、特定された第1差分領域において連続している領域が複数存在する場合(複数の連続領域がそれぞれ分離した形で差分領域が構成される場合)には各々の連続領域(各々の個別領域)の面積を求める。更に、第2差分領域を連続している領域ごとに分け、特定された第2差分領域が1つの連続領域(単一領域)のみからなる場合には、その単一領域の面積を求め、特定された第2差分領域において連続している領域が複数存在する場合(複数の連続領域がそれぞれ分離した形で差分領域が構成される場合)には各々の連続領域(各々の個別領域)の面積を求める。制御回路10は、ステップS23で得られた1又は複数の連続領域の面積のうち、第1差分領域を構成する1又は複数の連続領域(第1連続領域)のいずれかが一定値以上の面積であるか否か、及び第2差分領域を構成する1又は複数の連続領域(第2連続領域)のいずれかが一定値以上の面積であるか否か、を判定し(ステップS24)、いずれかの第1連続領域の面積及びいずれかの第2連続領域の面積がいずれも一定値以上であると判定した場合ステップS25の処理を行い、そうでない場合には、ステップS30の処理を行う。
【0040】
制御回路10は、ステップS24で一定値以上と判定した第1連続領域及び第2連続領域の位置をステップS25で検出し、その後、その第1連続領域の少なくとも一部の位置が上述した第1監視範囲AR2(
図6)内であるか否か、及びその第2連続領域の少なくとも一部の位置が上述した第2監視範囲AR4(
図8)内であるか否かを、ステップS26で判定する。制御回路10は、ステップS26において、第1連続領域が第1監視範囲AR2内に無い、又は第2連続領域が第2監視範囲AR4内に無い、と判定した場合、ステップS30の処理を行い、第1連続領域が第1監視範囲AR2内に有り且つ第2連続領域が第2監視範囲AR4内に有ると判定した場合、ステップS27において、ガスバーナ51が燃焼中であるか否かを判定する。制御回路10は、ステップS27において燃焼中であると判定した場合、ステップS28において現在の火力(具体的には、現在の火力調整弁51Eの開度)を記憶し、ステップS29において火力を「弱」にする制御を行う。火力「弱」の状態は、例えば、火力調整弁51Eの開放時に設定し得る開度範囲(予め定められた開度範囲)のうちの最も小さい開度とすることができる。このように、制御回路10は、保護動作部の一例として機能し、第1監視範囲AR2及び第2監視範囲AR4のいずれにおいても異物の画像を含んだ異物混入画像が得られた場合には、所定の保護動作として火力を「弱」に抑制する制御を行う。ここでは、第1監視範囲AR2内に第1連続領域の一部が存在する画像が異物混入画像の一例に相当し、第2監視範囲AR4内に第2連続領域の一部が存在する画像が異物混入画像の一例に相当する。なお、ステップS29において、所定の保護動作として、ブザー音の鳴動を行ったり、「異物が検出されました」等のメッセージをスピーカからの音声として又は表示部での表示として発したり、ランプを所定パターンで点灯させたりする方法で、報知を行うようにしてもよい。
【0041】
制御回路10は、ステップS22、S24、S26のいずれかでNoとなる場合、ステップS30の処理を行い、ステップS29で設定した「弱」状態が継続しているか否かを判定する。制御回路10は、ステップS30の処理において、
図5の制御開始後にステップS29の処理が行われていない状態、又はステップS31の処理の後にステップS29の処理が行われていない状態、のいずれかに該当すると判定した場合にはステップS21以降の処理を再び行う。制御回路10は、ステップS30の処理において、ステップS29の処理が行われた後にステップS31の処理が行われずに「弱」火力が継続していると判定した場合、ステップS31の処理を行い、ガスバーナ51の火力をステップS28で記憶された火力に回復する。即ち、火力調整弁51Eの開度を、ステップS28で記憶された開度に戻す。
【0042】
図11(A)では、ガスバーナ51が点火した直後に第1撮像部90Aによって撮像された第1監視範囲AR2内の画像の一例を示し、
図12(A)では、ガスバーナ51が点火した直後に第2撮像部90Bによって撮像された第2監視範囲AR4内の画像の一例を示す。
図11(B)では、異物(人の手)が入り込んだときの第1監視範囲AR2内の画像の一例を示し、
図12(B)では、異物(人の手)が入り込んだときの第2監視範囲AR4内の画像の一例を示す。
図11(B)の画像M5には、調理器具Taの画像G1と加熱調理器1の一部の画像に加え、異物(人の手)の画像H1が含まれている。
図12(B)の画像M6には、調理器具Taの画像G2と加熱調理器1の一部の画像に加え、異物(人の手)の画像H2が含まれている。例えば、
図5の制御を行っているときに、第1監視範囲AR2の画像が
図11(A)のような画像から
図11(B)のような画像に変化し、第2監視範囲AR4の画像が
図12(A)のような画像から
図12(B)のような画像に変化する場合、ステップS22において異物(人の手)の画像H1の領域が第1差分領域として抽出され、異物(人の手)の画像H2の領域が第2差分領域として抽出される。そして、例えば一定値が画像H1,H2の面積よりも小さく設定されている場合、ステップS24では、画像H1の領域(第1連続領域)の面積及び画像H2の領域(第2連続領域)の面積が一定値以上と判定され、ステップS26では、画像H1の位置が第1監視範囲AR2内にあると判定され、画像H2の位置が第2監視範囲AR4内に有ると判定されることになる。このような場合、燃焼中であれば、ステップS28、S29の処理がなされ、火力が「弱」に抑制されることになる。
【0043】
更に、制御回路10は、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bをステレオカメラとして利用し、第1撮像部90Aによって生成される第1撮像画像及び第2撮像部90Bによって生成される第2撮像画像に基づいて、異物の所定部位までの距離を、ステレオ視差を用いた計測方式で計測してもよい。
【0044】
ここで、本構成の効果を例示する。
加熱調理器81は、第1撮像部90Aがガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域を上下方向と交差する向きで撮像し得るため、第1撮像部90Aによって生成される撮像画像により、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域に存在する物体の上下方向の位置関係を認識することができる。また、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bがガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域を異なる向きで撮像し得るため、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域に物体が存在する場合に、その物体の形状を、異なる向きで撮像して得られた撮像画像に基づいて、より具体的に且つより正確に認識しやすくなる。
【0045】
また、加熱調理器1は、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bにいずれについても筐体部2と一体的に構成することができるため、構成のコンパクト化を図ることができ、複雑な構成や大掛かりな構成を用いずとも各撮像部と筐体内の装置とを電気的に連携させやすくなる。
【0046】
また、加熱調理器1は、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域に物体が存在する場合に、第1撮像部90Aによって生成される第1撮像画像により、物体の左右方向の位置関係を認識することができ、第2撮像部90Bによって生成される第2撮像画像により、物体の前後方向の位置関係を認識することができる。
【0047】
また、加熱調理器1は、加熱調理器1の前方側(具体的には第1撮像部90Aよりも前方側)に存在する物体が第1撮像部90Aによって生成される第1撮像画像内に入り込まなくなり、このような物体の影響が排除された第1撮像画像に基づき、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域に存在する物体をより正確に認識しやすくなる。
また、加熱調理器1は、異なる向きで撮像された2種類の撮像画像によって異物混入画像であるか否かを判定することが可能となるため、1種類の撮像画像に基づいて判定する方法と比較して判定の精度が高まる。そして、異物混入画像が得られた場合には、保護動作部によって所定の保護動作を行うことができる。
【0048】
加熱調理器1は、制御回路10を底面積推定部として機能させることもでき、この場合、制御回路10は、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bによって得られた複数の撮像画像に基づき、調理器具の底面積を推定するように動作し得る。この加熱調理器1は、異なる向きで撮像された2種類の撮像画像によって調理器具の底面積をより正確に推定することができる。
【0049】
加熱調理器1は、
図1、
図3等で示すように、照度センサ94と赤外線照明部92A,92Bとを備えていてもよい。そして、加熱調理器1の近傍の所定位置(照度センサ94の設置位置)の照度が所定の低下状態となった場合(例えば、照度センサ94で検出される照度が一定レベル以下に低下した場合)に、制御回路10が、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域に向けて赤外線照明光を照射するように赤外線照明部92A,92Bを制御してよい。この場合、照度センサ94で検出される照度が一定レベルを超えている場合には、赤外線照明部92A,92Bによる照射を停止するように制御を行うことが望ましい。照度センサ94は、例えば、天板上面に固定されるように設けられていてもよく、筐体部2の前面部又は前面部近傍に設けられていてもよい。或いは、レンジフード(
図18で示すレンジフード100と同様のレンジフード)に設けられていてもよい。
このようにすれば、加熱調理器1の近傍の照度が低下した場合に赤外線照明光を照射し、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域近傍の画像の不鮮明化を抑制又は防止することができる。
【0050】
<実施例2>
図13〜
図15で示す実施例2の加熱調理器1は、構成については、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bの配置のみが
図1〜
図3で示す実施例1の加熱調理器1と異なっており、それ以外は実施例1の加熱調理器1と同様である。なお、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bの各撮像面は、前後方向と直交する平面方向に沿った面であってもよく、前後方向に対してある程度傾斜していてもよい。
【0051】
図13〜
図15で示す加熱調理器1は、第1撮像部90Aによって所定方向一方側から他方側に向けて撮像を行い、第2撮像部90Bによって所定方向一方側から他方側に向けて第1撮像部90Aとは異なる向きで撮像を行い、所定方向において予め定められた基準位置から第1撮像部90A及び第2撮像部90Bによって撮像された物体までの距離を算出する機能を有する。具体的には、第1撮像部90Aによって前方側から後方側に向けて前後方向又は前後方向に対して傾斜した斜め方向に撮像を行い、第2撮像部90Bによって前方側から後方側に向けて第1撮像部90Aとは異なる向きで前後方向又は前後方向に対して傾斜した斜め方向に撮像を行い、前後方向における所定の基準位置から第1撮像部90A及び第2撮像部90Bによって撮像された物体までの距離を算出する。この例では、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bをステレオカメラとして利用し、第1撮像部90Aによって生成される第1撮像画像及び第2撮像部90Bによって生成される第2撮像画像に基づき、前後方向において予め定められた基準位置(例えば、第1撮像部90A又は第2撮像部90Bのいずれかの撮像面の位置)から第1撮像部90A及び第2撮像部90Bによって撮像された物体までの距離を、ステレオ視差を用いた公知の計測方式で計測する。
【0052】
図13〜
図15で示す実施例2の加熱調理器1がこのような距離計測を行う場合、どのような流れで行ってもよいが、例えば、実施例1と同様の流れで
図4、
図5で示す制御を行い、
図4のステップS11において調理器具までの距離計測を行うような例が挙げられる。実施例2の加熱調理器1で行う
図4、
図5の制御は、実施例1と同一の制御に加え、更に、以下のような距離測定処理が付加される。
【0053】
図13、
図14で示す加熱調理器1では、
図13、
図14のようにこんろ部4Cの五徳9Cに調理器具Taが載置された場合、
図15(A)のような第1撮像画像(第1撮像部90Aによって生成された画像)と
図15(B)のような第2撮像画像(第2撮像部90Bによって生成された画像)とによって、所定部位までの距離(前後方向の距離)を、ステレオ視差を用いた計測方式で計測することができる。具体的には、例えば、第1撮像画像における物体の所定部位の画像と第2撮像画像における物体の所定部位の画像とが同一部位を示す画像であることが公知の手法で特定できれば、ステレオ視差を用いた公知の計測方式で距離を計測することができる。例えば、
図15(A)の例では、第1撮像画像に含まれる物体画像(調理器具画像G3)の一部画像G41を特徴画像として抽出し、
図15(B)の例では、第2撮像画像に含まれる物体画像(調理器具画像G4)においてこの特徴画像と同一の部分の画像G42を公知の方法で抽出し、これらの解析結果を利用し、三角測量の原理によって前後方向における基準位置(例えば、第1撮像部90A又は第2撮像部90Bの撮像面の位置)から物体の所定位置(特徴画像G41,G42の位置)までの距離を算出する。なお、第1撮像画像及び第2撮像画像において同対象の画像である特徴画像G41,G42をそれぞれ抽出する方法は、公知のステレオマッチング処理によって行うことができ、ステレオマッチング処理は、ローカルマッチング手法やグローバルマッチング手法など、公知の方式を好適に用いることができる。このような方法を用いれば、調理器具Taの左右方向の位置だけでなく、調理器具Taの前後方向の位置をも特定することができる。
【0054】
なお、上述した説明では、第1撮像画像及び第2撮像画像のそれぞれにおいて調理器具と認識された画像に基づき、ステップ11にて調理器具までの距離を計測する例を示したが、距離計測の適用例はこの例に限定されない。例えば、
図4のステップS6又は
図5のステップS25において、第1撮像画像及び第2撮像画像に基づき、位置検出の対象となる物体(異物)の所定部位までの前後方向の距離を計測してもよい。この場合の距離計測も上述した説明と同様の方法で行うことができる。ステップS6において所定の基準位置(例えば、第1撮像部90A又は第2撮像部90Bの撮像面の位置)から物体(画像が第1撮像画像及び第2撮像画像に含まれる異物)の所定部位までの前後方向の距離を計測する場合、計測された距離が所定の正規範囲(加熱調理器1の近傍に相当する範囲)内にある場合にのみステップS7においてYesに進むようにし、計測された距離が所定の正規範囲外にある場合にはステップS7においてNoに進むようにしてもよい。このようにすれば、正規範囲を外れる距離に位置する物体の画像のみがステップS6において位置検出の対象となる場合に、点火禁止フラグセットの対象とならなくなる。つまり、新たに物体(異物)が撮像されたとしても、その物体(異物)が加熱調理器1の近傍から前後に外れている場合には点火を禁止しないようにすることができる。同様に、ステップS25において所定の基準位置(例えば、第1撮像部90A又は第2撮像部90Bの撮像面の位置)から物体(画像が第1撮像画像及び第2撮像画像に含まれる異物)の所定部位までの前後方向の距離を計測する場合、計測された距離が所定の正規範囲(加熱調理器1の近傍に相当する範囲)内にある場合にのみステップS26においてYesに進むようにし、計測された距離が所定の正規範囲外にある場合にはステップS26においてNoに進むようにしてもよい。このようにすれば、正規範囲を外れる距離に位置する物体の画像のみがステップ25において位置検出の対象となる場合に火力抑制制御の対象とならなくなる。つまり、新たに物体(異物)が撮像されたとしても、その物体(異物)が加熱調理器1の近傍から前後に外れている場合には火力を強制的に抑制するような制御を行わないようにすることができる。
【0055】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)加熱調理器において、第1撮像部は、加熱調理器の後方側から前方側を撮像する構成であってもよい。第2撮像部は、加熱調理器の右端側(前方側から見て右端側)から左端側(前方側から見て左端側)を撮像する構成であってもよい。第1撮像部又は第2撮像部のいずれか又は両方が、前後方向及び左右方向に対して傾斜した方向であって且つ水平方向に沿った方向に撮像し得る構成であってもよい。
(2)上述した実施例では、
図4、
図5で示す制御をガスバーナ51に関連して行う構成を例示したが、
図4、
図5で示す制御をガスバーナ52に関連して行ってもよく、ガスバーナ53に関連して行ってもよい。
(3)上述した実施例では、第1撮像部90A及び第2撮像部90Bが筐体部2に対して他部材(天板5)を介して間接的に組み付けられた例を示したが、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域を撮像し得る配置であれば、いずれか又は両方が、筐体部2に直接的に組み付けられていてもよい。また、筐体部2がガスバーナ51,52,53のそれぞれの一部を内部に収容する構成を例示したがガスバーナ全体が筐体部内に収容されていてもよい。
(4)上述した実施例では、第1撮像画像及び第2撮像画像がいずれも異物混入画像である場合に保護動作を行う例を示したが、いずれかが異物混入画像である場合に保護動作を行うようにしてもよい。
(5)上述した実施例では、第2撮像部90Bが筐体部2に組み付けられた例を示したが、第2撮像部90Bに代えて、又は第2撮像部90Bに加えて、他の第2撮像部を設けてもよい。例えば、
図16の例では、撮像範囲AR5(
図17)を撮像し得る第2撮像部90Cがレンジフード100に固定されており、更に、レンジフード100に固定される赤外線照明部92Cが設けられている。第2撮像部90Cは、五徳9A,9B,9C(載置部)の上方側に配置され、ガスバーナ51,52,53から火炎が放出される領域を上方側から撮像するように構成されている。この加熱調理器1は、調理器具と前後に重なる異物や左右に重なる異物を検出しやすくなる。
図16、
図17で示す加熱調理器1では撮像範囲AR5が設定され、異物の監視範囲として第3監視範囲AR6が設定されている。このように範囲を設定した上で、実施例1と同様の方法で
図4、
図5のような制御を行うことができる。或いは、
図18のように、ガスバーナ51,52,53の上方側に第1撮像部90A、第2撮像部90Bをそれぞれ設け、第1撮像部90Aによって上方側から下方側に向けて撮像を行い、第2撮像部90Bによって上方側から下方側に向けて第1撮像部90Aとは異なる向きで撮像を行い、上下方向における所定位置から第1撮像部90A及び第2撮像部90Bによって撮像された物体までの距離を算出するようにしてもよい。この例では、これら第1撮像部90A及び第2撮像部90Bをステレオカメラとして利用し、第1撮像部90Aによって生成される第1撮像画像及び第2撮像部90Bによって生成される第2撮像画像に基づいて、物体の所定部位までの距離(上下方向の距離)を、ステレオ視差を用いた計測方式で計測してもよい。例えば、第1撮像画像に含まれる物体画像の一部を特徴画像として抽出し、第2撮像画像に含まれる物体画像においてこの特徴画像と同一の部分の画像を公知の方法で抽出し、これらの解析結果を利用し、三角測量の原理によって上下方向における基準位置(例えば、第1撮像部90A又は第2撮像部90Bの撮像面の位置)から物体の所定位置(特徴画像の位置)までの距離を算出してもよい。
(6)上述した実施例では、
図5のように、一定時間内に得られた複数の画像の差分に基づいて異物混入画像が得られたか否かを判定したが、制御回路10(保護動作部)は、ガスバーナの点火動作直後に第1撮像部90Aによって得られた画像を第1基準画像とし、ガスバーナの点火動作直後に第2撮像部90Bによって得られた画像を第2基準画像とし、第1基準画像から一定範囲以上の変化がある撮像画像が第1撮像部90Aによって得られ、第2基準画像から一定範囲以上の変化がある撮像画像が第2撮像部90Bによって得られた場合に、異物混入画像が得られたと判定してもよい。この場合、ガスバーナの点火動作直後に第1撮像部90A、第2撮像部90Bによって得られた画像から一定範囲以上の変化がある撮像画像が異物混入画像の一例に相当する。
(7)上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、異物混入画像が得られた場合にガスバーナの火力を設定操作部の設定よりも所定レベル低い火力とするように保護動作を行ってもよい。例えば、火力が多段階に設定されうる構成の場合には、設定操作部で設定される火力よりも所定段階(例えば、一段階、二段階など)低い火力の状態を抑制火力状態としてもよい。或いは、異物混入画像が得られた場合にガスバーナの火力を設定操作部の設定に応じた火力調整弁の開度よりも一定開度小さくした火力を抑制火力状態としてもよい。或いは、異物混入画像が得られた場合にガスバーナを消火するように保護動作を行ってもよい。
(8)上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、「第1撮像部がガスバーナから火炎が放出される領域を上下方向と交差する向きで撮像する構成」は、実施例1のように第1撮像部がガスバーナから火炎が放出される領域を前方側から後方側に向けて前後方向に沿った向き(例えば、受光光軸が前後方向に沿った方向となるような向き)で撮像する構成であってもよく、後方側から前方側に前後方向に沿った向きで撮像してもよく、左右方向に沿った向き(例えば、受光光軸が左右方向に沿った方向となるような構成)で撮像してもよく、前後方向に対して傾斜した向きで水平方向に撮像してもよい。そして、「第2撮像部がガスバーナから火炎が放出される領域を、第1撮像部とは異なる向きで撮像する構成」は、第2撮像部が、第1撮像部とは異なる向きで水平方向に撮像する構成(例えば、受光光軸が水平方向に沿った方向となるような構成)であってもよく、水平方向に対して交差する方向(例えば、上下方向に沿った向き、或いは上下方向に対して傾斜した方向に沿った向きなど)に撮像する構成(例えば、受光光軸が水平方向に対して交差する方向となるような構成)であってもよい。
(9)上述した実施例又は上述した実施例を変更したいずれの例においても、所定の解除操作を行い得る解除操作部(例えば、解除操作として押圧操作を行い得る押圧ボタンなど)を設けることができる。そして、解除操作部に対して解除操作が行われた場合、ステップS29で行われる制御を解除するようにしてもよい。一例としては、解除操作部に対して解除操作が行われた場合、解除操作後の一定期間(例えば3分)の間、ステップS21の後にステップS30の処理を行うようにすることができる。