(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1カバー体と前記第2カバー体とは、長手方向の長さが前記ベース体より短尺であって、前記第1カバー体と前記第2カバー体との開口側が前記ベース体の長手方向中央部で互いに付き合わされるように、前記第1リング体と前記第2リング体とが前記ベース体の長手方向中央部に隣接配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載の運動装置。
前記第1カバー体が使用者の第1施療部に接すると共に、前記第2カバー体が使用者の第2施療部に接した状態で、前記第1カバー体と前記第2カバー体とが、周方向に沿って互いに異方向となるように回転することにより、前記第1施療部と前記第2施療部との間にねじりの力を与えて、前記第1施療部と前記第2施療部との間にストレッチ運動を付与する
ことを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記載の運動装置。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明にかかる運動装置1の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。また、図面に関して、見やすくするため、構成部品の一部を省略して描いている。
本発明にかかる運動装置1(ねじり運動装置、乃至はストレッチ運動装置)は、筒状のベース体2と、ベース体2を周方向に取り巻き、そのベース体2の外周回りを回転するリング体10と、ベース体2に外套するカバー体14とを有している。
【0016】
まず、運動装置1内に収容されているベース体2について、詳細に説明する。
図1〜
図8に示すように、ベース体2は、内部が空洞とされた長尺で筒状の部材で形成され、駆動力を発生させる駆動部28(詳細は後述)などが内部に固定状態で配設されている。本実施形態のベース体2は、円筒状の部材で形成されている。ベース体2は、二つの空間に分けられている。
【0017】
詳しくは、本実施形態のベース体2には、長手方向一方側の内部に一つの空間が設けられていると共に、他方側の内部に一つ空間が設けられている。つまり、ベース体2は、二つの空間に区切られ、各空間には駆動部28、変換部39、制御部44(詳細は後述)などが収容されている。なお、これら二つの空間は、ベース体2内においてそれぞれ連通した状態となっている。
【0018】
本実施形態においては、ベース体2の長手方向の一方側は第1筐体部3で構成され、その内部は空間とされている。また、ベース体2の長手方向の他方側は第2筐体部6で構成され、その内部は空間とされている。
このように、本実施形態においては、
図2〜
図4などに示すA方向(ベース体2の長手方向の一方側)から順に、第1筐体部3、第2筐体部6と呼ぶこととする。
【0019】
図2〜
図4などに示すように、第1筐体部3は、一方が開口され他方が閉塞された有底筒状の部材で形成されている。この第1筐体部3は、開口部側が第2筐体部6側に向けられるように設けられている。すなわち、第1筐体部3の閉塞部(底部)は、ベース体2の一方側の端部となる。なお、この開口部について、本実施形態を説明する便宜上、開口されているものとしている。
【0020】
第1筐体部3の内部には、駆動部28を制御する制御部44が収容されている。この第1筐体部3の閉塞部には、外部と連通し、電源の配線Lなどが配設される孔部4が形成されている。
図3、
図7などに示すように、第1筐体部3の両端側には、第1筐体部3の長手方向中途部の外径より小さい外径の段差部5(段付き部)が設けられている。つまり、第1筐体部3は、長手方向において両端側に段差が付けられることにより、両端が絞り込まれた形状となっている。なお、第1筐体部3の段差部5のうち、開口部側の段差部を第1接続部5aとし、閉塞部側の段差部を第1段差部5bとする。
【0021】
第1接続部5aは、階段状の二つの段差が設けられている。この第1接続部5aは、第1筐体部3の長手方向中途部の外径より小径の段差が付けられ、さらに小径の段差がもう一つ付けられた、階段状の部位である。すなわち、第1接続部5aは、二段階下がった部位となっている。
第1接続部5aは、第2筐体部6の開口部に付き合わされて連結される。この第1接続部5aの一段目と二段目の接続部分(階段状の部位)には、後述する第1回転体9aを構成する第1リング体10aなどが外嵌される。
【0022】
一方で、第1段差部5bには、環状のブッシュ部材8が外嵌されている。このブッシュ部材8には、後述する第1カバー体14aを構成する第1蓋部材20が摺動自在に外嵌するようになっている。
第2筐体部6は、長手方向において、第1筐体部3と対称に配置されたものである。すなわち、第2筐体部6は、第1筐体部3を長手方向において、反転(鏡像反転)させて所定の間隔で配置したものともいえる。第1筐体部3と第2筐体部6は隣接配置されている。
【0023】
ゆえに、ベース体2を構成する第2筐体部6は、第1筐体部3と略同形状であるので、概要のみを説明する。
第2筐体部6は、第1筐体部3と略対称となる位置で且つ、開口部側が第1筐体部3側に向けられるように設けられている。すなわち、第2筐体部6の閉塞部(底部)は、ベース体2の他方側の端部となる。この第2筐体部6には、後述する駆動部28が収容されている。
【0024】
第2筐体部6の一方側端部(開口部側)には、第2接続部7aが設けられている。また、第2筐体部6の他方側端部(閉塞部側)には、第2段差部7bが設けられている。第2接続部7aは、第1接続部5aを長手方向において、反転(鏡像反転)させたものである。つまり、第2接続部7aは、第1接続部5aと同様に、階段状の二つの段差が設けられている。
【0025】
第2接続部7aは、第1接続部5aに付き合わされて連結され、後述する第2回転体9bを構成する第2リング体10bなどが外嵌される。第2段差部7bは、第1段差部5bと同様の形状であって、後述する第2カバー体14bを構成する第2蓋部材26が摺動自在に外嵌する環状のブッシュ部材8が外嵌されている。
このように、本実施形態のベース体2は、他方側を向いた第1筐体部3の開口部(第1接続部5a)と、一方側を向いた第2筐体部6の開口部(第2接続部7a)とが付き合わされて連結されることにより、一体の形状となると共に内部が連通状態となっている。すなわち、ベース体2は、両端部が閉塞され、その両端部に対して長手方向中途部が絞り込まれた(くびれた)円筒形状の部材とされている。
【0026】
なお、ベース体2の長手方向中央部(第1接続部5a及び第2接続部7a)の外周側には、後述する変換部39が配備されている。
次に、ベース体2の径方向外側に設けられる回転体9について、詳細に説明する。
図1、
図2などに示すように、回転体9は、ベース体2の長手方向軸心を中心として周方向に回転するものである。この回転体9は、ベース体2を周方向に取り巻くリング体10と、ベース体2に外套するカバー体14とを有し、そのリング体10がカバー体14に連結されて一体となったものである。
【0027】
つまり、回転体9は、駆動部28による駆動力でリング体10がベース体2の長手方向軸心を中心として周方向に回転すると、カバー体14もリング体10の回転と一体となってベース体2に対して共に回転する構成とされている。
回転体9は、ベース体2の長手方向に沿って一対備えられている。詳しくは、ベース体2の長手方向に沿って一方側に第1回転体9aが設けられ、ベース体2の長手方向に沿って他方側に、第1回転体9aに対して対称となるように、第2回転体9bが設けられている。
【0028】
すなわち、第1回転体9aと第2回転体9bは、長手方向において対称に配置されたものである。言い換えれば、第2回転体9bは、第1回転体9aを反転(鏡像反転)させて隣りに配置したものともいえる。
また、第1回転体9aと第2回転体9bは、ベース体2の周方向に沿って互いが反対方向となるように回転するものである。
【0029】
第1回転体9aは、ベース体2の長手方向に沿って一方側に設けられている第1リング体10aと、ベース体2の長手方向の一方側端部より遊嵌状態で嵌まり込むと共に、第1リング体10aに連結される第1カバー体14aとを有している。また、第1回転体9aは、第1筐体部3を外套し、その第1筐体部3の回りを周方向に回転するものである。
第2回転体9bは、ベース体2の長手方向に沿って他方側に設けられている第2リング体10bと、ベース体2の長手方向の他方側端部より遊嵌状態で嵌まり込むと共に、第2リング体10bに連結される第2カバー体14bとを有している。また、第2回転体9bは、第2筐体部6を外套し、その第2筐体部6の回りを周方向に回転するものである。
【0030】
リング体10は、ベース体2に対して周方向へ回転するものであり、長手方向に一対備えられている。リング体10は、ベース体2の径方向外側に張り出すように設けられると共に、ベース体2に摺動自在に外嵌されている。本実施形態においては、第1リング体10aと第2リング体10bが、長手方向に一対となるように備えられている。
第1回転体9aを構成する第1リング体10aは、所定の厚みを有した円環状の部材で形成されていて、第1接続部5aにおいて第1筐体部3を外嵌する。第1リング体10aの内周面(外嵌する面)は、第1段差部5bの一段目の面と略同じ大きさとなっている。
【0031】
図7に示すように、第1リング体10aには、内周面(外嵌する面)側において、第2筐体部6側に向かって突出し、周方向に連続した突設部11が設けられている。その突設部11は、後述する変換部39の第1従動側かさ歯車41aにより外嵌される。この第1リング体10aは、突設部11が設けられることにより、軸心方向で切断した場合、L字形状の断面となっている。
【0032】
第1リング体10aの軸心方向の側面には、第1リング体10aの軸心方向と同方向を向いたネジ穴12が形成されている。このネジ穴12には、第1リング体10aと第1カバー体14aとを共に固定するためのネジ(図示せず)が挿入される。ネジ穴12は、第1リング体10aの一方側の側面において周方向に、等間隔に複数形成されている。本実施形態においては、ネジ穴12は、周方向に等間隔に6個形成されている。
【0033】
また、第1リング体10aの軸心方向の側面には、第1リング体10aの軸心方向と同方向を向いた貫通孔13が形成されている。この貫通孔13には、第1リング体10aと第1従動側かさ歯車41aとを共に固定するためのネジ(図示せず)が挿入される。貫通孔13は、第1リング体10aの一方側の側面において周方向に、等間隔に複数形成されている。本実施形態においては、貫通孔13は、6個形成されている。また、貫通孔13は、ネジ穴12より径方向内側であって、そのネジ穴12と同じ間隔で設けられている。
【0034】
図7に示すように、第1リング体10aは、第1接続部5aにおいて第1筐体部3を外嵌すると共に、ネジ(締結具)により第1カバー体14aに固定される。また、第1リング体10aは、第1従動側かさ歯車41aにより外嵌されると共に、その第1従動側かさ歯車41aをネジ(締結具)により固定する。
第2リング体10bは、長手方向において、第1リング体10aと対称に配置されたものである。すなわち、第2リング体10bは、第1リング体10aを長手方向において、反転(鏡像反転)させて所定の間隔で配置したものともいえる。つまり、第1リング体10aと第2リング体10bは、ベース体2の長手方向中央部に隣接配置されている。
【0035】
ゆえに、第2回転体9bを構成する第2リング体10bは、第1リング体10aと略同形状であるので、概要のみを説明する。
第2リング体10bは、第2接続部7aにおいて第2筐体部6を外嵌する。第2リング体10bには、内周面(外嵌する面)側において、第1筐体部3側に向かって突出し、周方向に連続した突設部11が設けられている。その突設部11は、後述する変換部39の第2従動側かさ歯車41bにより外嵌される。
【0036】
なお、第2リング体10bに設けられているネジ穴及び貫通孔の個数・間隔などについては、第1リング体10aのネジ穴12及び貫通孔13と同様である。
つまり、第2リング体10bは、第2接続部7aにおいて第2筐体部6を外嵌すると共に、ネジにより第2カバー体14bに固定される。また、第2リング体10bは、第2従動側かさ歯車41bにより外嵌されると共に、その第2従動側かさ歯車41bをネジにより固定する。
【0037】
ところで、第1リング体10aと第2リング体10bは、長手方向軸心回りに異なる方向に回転するように備えられている。
具体的には、
図2〜
図4などに示すA方向(長手方向の一方側)から見た場合、例えば、第1リング体10aがベース体2の第1筐体部3を中心として時計方向(右回転)すると、第2リング体10bはベース体2の第2筐体部6を中心として反時計方向(左回転)する。
【0038】
そして、第1リング体10aの回転が一定の角度になると、変換部39が逆方向の回転運動に変換することにより、第1リング体10aは反時計方向(左回転)に逆回転するようになる。それと同時に、変換部39が逆方向の回転運動に変換することにより、第2リング体10bも時計方向(右回転)に逆回転するようになる。この第1リング体10aと第2リング体10bの相対回転(正回転・逆回転)は、繰り返し行われる。
【0039】
図1、
図2などに示すように、カバー体14は、一方が開口とされ他方が有底とされた有底筒体であって、ベース体2の長手方向の端部より遊嵌状態で嵌まり込むと共に、リング体10に連結されている。つまり、カバー体14は、ベース体2に対して摺動自在のリング体10を内側に備えると共にそのリング体10に係合され、ベース体2を外側から覆うものである。
【0040】
カバー体14は、開口部側がベース体2の長手方向中央部側に向けられるように設けられている。すなわち、カバー体14は、底部側が運動装置1の一方側の端部となるように設けられる。カバー体14は、開口側が互いに付き合わされるように長手方向に一対備えられていて、ベース体2の長手方向軸心を中心として、リング体10と共にベース体2に対して周方向へ回転するものである。
【0041】
つまり、カバー体14は、駆動部28による駆動力でリング体10がベース体2の長手方向軸心を中心として周方向に回転すると、そのリング体10と共に一体となってベース体2に対して回転するものである。本実施形態においては、第1カバー体14aと第2カバー体14bが、長手方向に一対となるように備えられている。
第1回転体9aを構成する第1カバー体14aは、長手方向の長さがベース体2より短尺であり、且つ、一方が開口され他方が閉塞された有底筒状の部材で形成されている。
【0042】
第1カバー体14aは、開口部側がベース体2の長手方向中央部側に向けられるように設けられ、内部に設けられている第1リング体10aに固定されている。すなわち、第1カバー体14aは、底部側が運動装置1の一方側の端部となるように設けられる。
本実施形態の第1カバー体14aは、軸心方向の両端が開口されている第1円筒部材15と、その第1円筒部材15の一方側を閉塞する第1蓋部材20と、を有している。
【0043】
第1円筒部材15は、一方及び他方共に開口された部材である。第1円筒部材15の内径は、第1リング体10aの外径とほぼ同じ径又はやや大きい径とされている。また、第1円筒部材15の長手方向の長さは、第1筐体部3より長いものとされている。つまり、第1円筒部材15は、第1筐体部3を遊嵌状に十分に覆うことができる大きさとされている。
【0044】
図7、
図8に示すように、第1円筒部材15の内壁面には、周方向に連続して形成されている環状突設部16が設けられている。
環状突設部16は、第1リング体10aと略同じ環形状とされている。この環状突設部16は、内側に向かって垂下された膜のような形状ともいえる。環状突設部16の軸心方向の側面には、貫通孔17が複数形成されている。
【0045】
その貫通孔17は、環状突設部16の側面において、第1リング体10aに設けられているネジ穴12と同方向で且つ同間隔で、周方向に複数形成されている。本実施形態においては、貫通孔17は、周方向に等間隔に6個形成されている。すなわち、環状突設部16の貫通孔17と、第1リング体10aのネジ穴12は、一対一の対応関係となっている。
【0046】
図8中の一点破線に示すように、第1カバー体14aは、第1リング体10aのネジ穴12と環状突設部16の貫通孔17を合わせた上で、ネジで第1リング体10aに固定されることにより、第1リング体10aと一体の部材となる。これにより、第1カバー体14aと第1リング体10aは、供回りが可能となる。
また、第1円筒部材15の内壁面には、径方向内側に向かって突出したリブ部材18が設けられている。リブ部材18は、第1円筒部材15の長手方向に向かって連続して形成されていて、周方向に等間隔に複数形成されている。本実施形態においては、リブ部材18は、周方向に等間隔に6個形成されている。
【0047】
リブ部材18は、環状突設部16の貫通孔17と重ならない位置に設けられている。つまり、リブ部材18は、環状突設部16の貫通孔17から周方向にずらした位置に設けられている。リブ部材18は、第1円筒部材15の長手方向に沿って設けられている板片であって、一方側端部にはネジ穴19が形成されている。また、リブ部材18の他方側端部は、環状突設部16に係合されている。
【0048】
ネジ穴19は、リブ部材18の長手方向に沿って設けられている。ネジ穴19は、第1蓋部材20を固定するネジが締め込まれる。
第1蓋部材20は、円盤形状とされていて、外径は第1円筒部材15の外径と略同じ径となるように形成されている。第1蓋部材20の表面(軸心方向の側面)には、貫通孔21が複数形成されている。
【0049】
その貫通孔21は、第1蓋部材20の表面において、リブ部材18に設けられているネジ穴19と同方向で且つ同間隔で、周方向に複数形成されている。本実施形態においては、貫通孔21は、周方向に等間隔に6個形成されている。すなわち、第1蓋部材20の貫通孔21と、リブ部材18のネジ穴19は、一対一の対応関係となっている。
また、第1蓋部材20の表面中央部には、第1筐体部の孔部4が内挿され、電源の配線Lなどが配設される孔部22が形成されている。
【0050】
図8中の二点破線に示すように、第1蓋部材20の貫通孔21とリブ部材18のネジ穴19を合わせた上で、第1円筒部材15の一方側を第1蓋部材20で塞いでネジでそれらを固定することにより、第1蓋部材20と第1円筒部材15が一体の部材となり、有底筒状の第1カバー体14aが形成される。
第2カバー体14bは、長手方向において、第1カバー体14aと対称に配置されたものである。すなわち、第2カバー体14bは、第1カバー体14aを長手方向において、反転(鏡像反転)させて所定の間隔で配置したものともいえる。つまり、第1カバー体14aと第2カバー体14bは隣接配置されている。
【0051】
ゆえに、第2回転体9bを構成する第2カバー体14bは、第1カバー体14aと略同形状であるので、概要のみを説明する。
第2カバー体14bは、第1カバー体14aと略対称となる位置で且つ、開口部側が第1カバー体14a側に向けられるように設けられている。第2カバー体14bは、開口部側がベース体2の長手方向中央部側に向けられるように設けられ、内部に設けられている第2リング体10bに固定されている。すなわち、第2カバー体14bは、底部側が運動装置1の他方側の端部となるように設けられる。
【0052】
第2カバー体14bは、軸心方向の両端が開口されている第2円筒部材23と、その第2円筒部材23の他方側を閉塞する第2蓋部材26と、を有している。第2円筒部材23は、第1円筒部材15と同様の形状であり、第2筐体部6を十分に覆うことができる大きさとされている。
第2円筒部材23の内壁面には、周方向に連続して形成され、第2リング体10bと略同じ環形状の環状突設部24が設けられている。つまり、環状突設部24は、第1円筒部材15の環状突設部16と同様の形状である。なお、環状突設部24に設けられている貫通孔の個数・間隔などについては、第1円筒部材15に形成されている環状突設部16の貫通孔13と同様である。
【0053】
第2カバー体14bは、第2リング体10bのネジ穴と環状突設部24の貫通孔を合わせた上で、ネジで第2リング体10bに固定されることにより、第2リング体10bと一体の部材となる。これにより、第2カバー体14bと第2リング体10bは、供回りが可能となる。
また、第2円筒部材23の内壁面には、径方向内側に向かって突出し且つ、長手方向に向かって連続して形成されたリブ部材25が設けられている。なお、リブ部材25の形状及び配置については、第1円筒部材15のリブ部材18と同様である。また、リブ部材25に設けられているネジ穴については、第1円筒部材15に形成されているリブ部材18のネジ穴19と同様である。
【0054】
第2蓋部材26には、第1蓋部材20と同様の形状であり、貫通孔が複数形成されている。なお、第2蓋部材26に形成されている貫通孔の個数・間隔などについては、第1蓋部材20に形成されているリブ部材18の貫通孔21と同じである。
第2蓋部材26の貫通孔とリブ部材25のネジ穴を合わせた上で、第2円筒部材23の一方側を第2蓋部材26で塞いでネジでそれらを固定することにより、第2蓋部材26と第2円筒部材23が一体の部材となり、有底筒状の第2カバー体14bが形成される。
【0055】
すなわち、第1カバー体14aの開口部と第2カバー体14bとの開口部が、ベース体2の長手方向中央部で互いに付き合わされるようになっている。
なお、本実施形態においては、第1カバー体14aと第2カバー体14bは、第1カバー体14aの開口部と、第2カバー体14bの開口部との間に、スペーサ部材27を挟んだ上で、互いに付き合わせて備えられている。
【0056】
このスペーサ部材27は、円環状の部材であって、径方向外側に突出し且つ周方向に連続した突出部が設けられている。つまり、第1カバー体14aと第2カバー体14bは、スペーサ部材27の突出部を挟むように、互いに付き合わされている。
ところで、第1カバー体14aと第2カバー体14bとは、ベース体2の周方向に沿って互いに異方向となるように回転する。
【0057】
具体的には、
図2〜
図4などに示すA方向(長手方向の一方側)から見た場合、例えば、第1カバー体14aが第1リング体10aと共に、ベース体2の第1筐体部3を中心として時計方向(右回転)すると、第2カバー体14bは第2リング体10bと共に、ベース体2の第2筐体部6を中心として反時計方向(左回転)する。
そして、第1カバー体14aの回転が一定の角度になると、変換部39が逆方向の回転運動に変換することにより、第1カバー体14aは反時計方向(左回転)に逆回転するようになる。それと同時に、変換部39が逆方向の回転運動に変換することにより、第2カバー体14bも時計方向(右回転)に逆回転するようになる。この第1カバー体14aと第2カバー体14bの相対回転(正回転・逆回転)は、繰り返し行われる。
【0058】
このように、運動装置1内において、ベース体2は、第1回転体9a及び第2回転体9bの回転運動に対して、姿勢を一定の状態(例えば、水平方向)で維持される。このベース体2は、第1リング体10a及び第2リング体10bにより支持されることにより、内部において、宙に浮いたような状態となっているともいえる。
つまり、第1リング体10a及び第2リング体10bが回転しても、ベース体2は第1カバー体14a及び第2カバー体14bの内部において非回転の状態となるので、運動装置1全体から見て、動かずに固定されたような状態(長手方向において非回転の状態)となっている。
【0059】
図5に示すように、駆動部28は、駆動力を発生させる駆動モータ29と、出力された駆動力を所定の速度に減速するギアボックス31と、減速された駆動力を変換部39へ伝達する回転軸と、を有している。
駆動モータ29は、出力軸29aが第1筐体部3側を向くように配備されていて、本体部が第2筐体部6内に収容されている。その出力軸29aには、ウオームギア30が取り付けられている。
【0060】
本実施形態においては、駆動モータ29の出力軸29aは、第1筐体部3側であって、長手方向の軸心よりやや斜め外側を向くように配備されている。
ギアボックス31は、二本の回転軸32、36と、複数のギアが収容されている。詳しくは、ギアボックス31内には、径外方向を向き、出力軸29aに対して直交方向に交差する第1回転軸32と、その第1回転軸32に対して直交方向に交差する第2回転軸36と、が収容されている。
【0061】
第1回転軸32には、長手方向中央部において、ウオームホイール33とウオームギア34が隣接するように取り付けられている。第1回転軸32のウオームホイール33は、ギアボックス31内に挿入され、出力軸29aに取り付けられているウオームギア30に歯合している。なお、ウオームホイール33とウオームギア34について、
図5などの図中においては歯を省略して示している。
【0062】
また、第1回転軸32の両端部には、ベアリング35が取り付けられている。この第1回転軸32は、一対のベアリング35を介してギアボックス31に回動自在に支持されている。
第2回転軸36には、長手方向中央部において、ウオームホイール37が取り付けられている。第2回転軸36のウオームホイール37は、第1回転軸32のウオームギア34に歯合している。また、第2回転軸36の片側の端部には、変換部39を構成する駆動側歯車40が取り付けられている。
【0063】
また、第2回転軸36のウオームホイール37の両隣りには、ベアリング38が取り付けられている。この第2回転軸36は、一対のベアリング38を介してギアボックス31に回動自在に支持されている。
上記の駆動部28が出力した駆動力を変換部39へ伝達する過程としては、駆動モータ29の出力軸29aより駆動力が出力されると、出力軸29aのウオームギア30から第1回転軸32のウオームホイール33へ伝達されて第1回転軸32が回転することにより、ここで減速(一次減速)される。その回転する第1回転軸32のウオームギア34から第2回転軸36のウオームホイール37へ伝達されて第2回転軸36が回転することにより、ここで減速(二次減速)される。第2回転軸36に取り付けられている変換部39の駆動側歯車40が回転するようになる。
【0064】
なお、出力軸29aのウオームギア30と、第1回転軸32のウオームホイール33については、一次減速手段と見ることができる。また、第1回転軸32のウオームギア34と、第2回転軸36のウオームホイール37については、二次減速手段と見ることができる。ギアボックス31では、二段階の減速が行われる。
変換部39は、駆動部28からの駆動力を、第1リング体10a及び第2リング体10bの相対回転運動に変換するものである。
【0065】
図5に示すように、変換部39は、駆動部28により回転する駆動側歯車40と、駆動側歯車40に歯合し且つリング体10に固定されている従動側歯車41と、を有している。本実施形態においては、変換部39にかさ歯車機構を採用している。なお、
図2〜
図5などの図中においては、かさ歯車機構の歯を省略して示している。
従動側かさ歯車41は、第1リング体10aと第2リング体10bとの夫々に対面するように設けられ、第1リング体10aに設けられた第1従動側かさ歯車41aと、第2リング体10bに設けられた第2従動側かさ歯車41bとの間に、駆動側かさ歯車40が設けられている。つまり、駆動側かさ歯車40は、第1従動側かさ歯車41aと第2従動側かさ歯車41bとの両方に歯合している。
【0066】
第1従動側かさ歯車41aの裏面(歯が形成されている反対側の面)には、ネジ穴42が複数設けられている。このネジ穴42は、第1リング体10aに設けられている貫通孔13の個数と同数(6個)で且つ同じ間隔で設けられている。
つまり、第1従動側かさ歯車41aは、第1リング体10aの突設部に外嵌し且つ、ネジ穴42を第1リング体10aの貫通孔13を合わせた上でネジで第1リング体10aに固定されることにより、第1リング体10aと一体の部材となる。これにより、第1従動側かさ歯車41aと第1リング体10aは、供回りが可能となる。
【0067】
第2従動側かさ歯車41bは、長手方向において、第1従動側かさ歯車41aと対称に配置されたものである。第1従動側かさ歯車41aと第2従動側かさ歯車41bは、駆動側かさ歯車40を挟むように隣接配置されている。ゆえに、第2従動側かさ歯車41bは、第1従動側かさ歯車41aと略同形状であるので、説明を省略する。
この第1従動側かさ歯車41aと、第2従動側かさ歯車41bは、駆動側かさ歯車40が回転すると、長手方向軸心回りに互いに異なる方向に回転するように備えられている。
【0068】
具体的には、
図5などに示すA方向(長手方向の一方側)から見た場合、例えば、第1従動側かさ歯車41aと第1リング体10aがベース体2の第1筐体部3を中心として時計方向(右回転)すると、第2従動側かさ歯車41bと第2リング体10bはベース体2の第2筐体部6を中心として反時計方向(左回転)する。
そして、第1従動側かさ歯車41aにより第1リング体10aの回転が一定の角度になると、駆動部28の駆動モータ29が逆回転することにより駆動側かさ歯車40が逆回転し、第1従動側かさ歯車41aが反時計方向(左回転)に逆回転するようになる。それと同時に、駆動モータ29の逆回転により、第2従動側かさ歯車41bも時計方向(右回転)に逆回転するようになる。この第1従動側かさ歯車41aと第2従動側かさ歯車41bの相対回転(正回転・逆回転)は、繰り返し行われる。
【0069】
本実施形態の運動装置1には、リング体10の回転位置を検出する位置検出部43と、その位置検出部43で検出された信号に基づいてリング体10の回転方向を制御する制御部44と、を備えている。
図6に示すように、本実施形態においては、位置検出部43にリミットスイッチを採用し、第1リング体10aの内周側に2つ設けている。つまり、第1リング体10aの内周側に正回転時(例えば時計方向に回転)に第1リング体10aの回転位置を検出するリミットスイッチ43aと、逆回転時(例えば反時計方向に回転)に第1リング体10aの回転位置を検出するリミットスイッチ43bとを設けている。
【0070】
例えば、第1リング体10aが、例えば時計方向に回転(正回転)し所定の角度になると、リミットスイッチ43aにより時計方向における第1リング体10aの回転位置が検出され、その検出された信号が制御部44に送信される。
制御部44は、検出された信号に基づいて、駆動部28に駆動モータ29を逆回転させる信号を送信する。駆動部28は、送信された信号に基づいて駆動モータ29を逆回転する。
【0071】
変換部39は、駆動側かさ歯車40が逆回転することにより、第1従動側かさ歯車41aを逆回転方向である反時計方向に切り替えて、第1リング体10aを反時計方向に回転させると共に、第2従動側かさ歯車41bを逆回転方向である時計方向に切り替えて、第2リング体10bを時計方向に回転させる。
続いて、第1リング体10aが、反時計方向に回転(逆回転)し所定の角度になると、リミットスイッチ43bにより反時計方向における第1リング体10aの回転位置が検出され、その検出された信号が制御部44に送信される。
【0072】
制御部44は、検出された信号に基づいて、駆動部28に駆動モータ29を正回転させる信号を送信する。駆動部28は、送信された信号に基づいて駆動モータ29を正回転する。
変換部39は、駆動側かさ歯車40が正回転することにより、第1従動側かさ歯車41aを正回転方向である時計方向に切り替えて、第1リング体10aを時計方向に回転させると共に、第2従動側かさ歯車41bを正回転方向である反時計方向に切り替えて、第2リング体10bを反時計方向に回転させる。
【0073】
このようにして、第1リング体10a及び第2リング体10bの回転方向の切り換えが繰り返されることとなる。
まとめると、本発明の運動装置1(ストレッチローラ)は、第1カバー体14aが使用者Uの第1施療部に接すると共に、第2カバー体14bが使用者Uの第2施療部に接した状態で、第1カバー体14aと第2カバー体14bとが、周方向に沿って互いに異方向となるように回転することにより、第1施療部と第2施療部との間にねじりの力を与えて、第1施療部と第2施療部との間にストレッチ運動を付与するものである。
【0074】
さて、リング体10の回転角度の制御について、角度検出機構であるリミットスイッチ43の配置の間隔を広くしたり、狭くしたりすることで、リング体10の回転角度を変更することができる。例えば、二つのリミットスイッチ43の配置の間隔を広くした場合、リング体10の回転位置を検出するタイミングが長くなるので、リング体10の回転を大きくすることができる。一方で、二つのリミットスイッチ43を間隔を狭めて配置すると、リング体10の回転を小さくすることができる。
【0075】
また、リミットスイッチ43を複数配置するようにしても、リング体10の回転角度を変更することができる。この場合、リング体10の回転角度を複数(例えば、10°と45°など)設けることができる。
また、駆動モータ29の出力軸29aに、角度検出機構として回転を検出できるセンサ(フォトセンサ、ロータリエンコーダなど)を取り付けて、出力軸29aの回転角度を読み取って、リング体10の回転角度を制御するようにしてもよい。
【0076】
ところで、運動装置1全体を振動させる振動手段を備えていてもよい。振動手段としては、振動を発生させるモータを備えていてもよいし、内蔵されている駆動モータ29を用いて振動を発生させてもよい。
また、図示はしないが、それぞれの円筒部材15、23の外周面に、クッション材を巻くように備えてもよい。このクッション材に関し、表面に突起が形成されていてもよい。突起は、当接する使用者の部位(腰部、背中など)に対して、押圧してストレッチ運動をさらに良好にするものとしてもよい。
【0077】
詳説した本発明の運動装置1の作動態様については、様々な使い方が考えられる。
図9に示すように、例えば、運動装置1を床面上に、運動装置1の長手方向が使用者Uの左右方向(横方向)となるように向けて置き、使用者Uの腰部が運動装置1に接するように、運動装置1上に仰向けになって使用してもよい。
この場合、本発明の運動装置1は、使用者Uの腰部に対して、使用者Uの身長の方向にねじり運動を付与することにより、その腰部を伸ばしたり、ほぐしたりするストレッチ運動を効果的に行えることができる。
【0078】
なお、
図9においては、運動装置1を使用者Uの腰部に接するようにしたが、背中と接するようにしてもよいし、肩胛骨部と接するようにしてもよい。この場合、背筋を伸ばしたり、ほぐしたりするストレッチ運動を効果的に行えることができる。
また、図示しないが、例えば、運動装置1を床面上に、運動装置1の長手方向が使用者Uの身長の方向(縦方向)となるように向けて置き、使用者Uの背中が運動装置1に接するように、運動装置1上に仰向けになって使用してもよい。つまり、棒状のストレッチ器具のような使い方をしてもよい。
【0079】
この場合、本発明の運動装置1は、使用者Uの背中に対して、使用者Uの左右方向にねじり運動を付与することにより、その背中をほぐしたりするストレッチ運動を効果的に行えることができる。
また、図示しないが、例えば、運動装置1を床面上に置き、各カバー体14を使用者Uの両手で押さえるように載せると共に使用者Uの上体を俯せて、背部を伸ばすように使用してもよい。
【0080】
この場合、本発明の運動装置1は、使用者Uの肩胛骨部に対して、使用者Uの身長の方向にねじり運動を付与することにより、その肩胛骨部や背筋を伸ばしたり、ほぐしたりするストレッチ運動を効果的に行えることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
【0081】
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、作動条件や操作条件、構成物の寸法、重量などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。