特許第6989155号(P6989155)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許69891552つのワークピースを横方向にネジ止めするコネクタ
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  • 特許6989155-2つのワークピースを横方向にネジ止めするコネクタ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989155
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】2つのワークピースを横方向にネジ止めするコネクタ
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/58 20060101AFI20211220BHJP
【FI】
   E04B1/58 503L
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2019-547995(P2019-547995)
(86)(22)【出願日】2018年2月23日
(65)【公表番号】特表2020-511606(P2020-511606A)
(43)【公表日】2020年4月16日
(86)【国際出願番号】EP2018054469
(87)【国際公開番号】WO2018166773
(87)【国際公開日】20180920
【審査請求日】2021年2月18日
(31)【優先権主張番号】17161537.0
(32)【優先日】2017年3月17日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515002012
【氏名又は名称】クナップ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】クナップ,フリードリヒ
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−008490(JP,A)
【文献】 特開平11−256687(JP,A)
【文献】 実開昭61−007384(JP,U)
【文献】 実開平04−034509(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第2799636(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/58
E04B 1/26
F16B 12/12
F16B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース(2、3)のうちの1つに設けられた実質的に円筒型である止まり穴(8)に嵌る形状の本体(4)を備え、
前記本体(4)は、ベース面(5)と、当該ベース面(5)に平行であるカバー面(6)と、当該ベース面と当該カバー面とを接続する実質的に円筒型の側面(7)とを有し、
前記本体(4)には、前記ベース面(5)および前記カバー面(6)に対して鋭角(α)を有して前記本体(4)を貫通するネジ(10)用の第一穴(9)が設けられており、
更に前記本体(4)には、前記ベース面(5)および前記カバー面(6)に対してほぼ垂直に前記本体(4)を貫通している他のネジ(12)用の第二穴(11)であって、前記第一穴(9)を挟む位置にある少なくとも2つの第二穴(11)が設けられている、ことを特徴とする、2つのワークピースを横方向にネジ止めするためのコネクタ。
【請求項2】
前記カバー面(6)および前記側面(7)には、面取り部(13)が設けられており、
前記第一穴(9)は、前記面取り部(13)から始まって設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ベース面(5)は、実質的に円形であることを特徴とする請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記鋭角(α)は、15度から60度までの範囲の角度であり、好ましくは約30度であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体(4)の前記側面(7)には、前記ベース面(5)および前記カバー面(6)に対して垂直方向に延設し、且つ前記ベース面(5)に向かって先細りした形状のV字型リブ(15)が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記本体(4)の前記側面(7)には、前記ベース面(5)および前記カバー面(6)に対して垂直方向に延設し、且つ前記ベース面(5)に向かって先細りした形状のノッチ(16)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第一穴(9)および前記第二穴(11)の少なくとも一方は、ネジ頭部(17、18)を収容するための皿穴を設けていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第一穴(9)は、前記ベース面(5)を貫通していることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記ワークピース(3)に設けられた前記止まり穴(8)内において、前記本体(4)の下に配置されるシム(20)を備えており、
前記シム(20)は、
前記本体(4)の前記ベース面(5)と形状が一致する円筒部分(21)と、
前記円筒部分(21)から突出した舌部(22)とを有しており、
前記円筒部分(21)には、前記本体(4)の前記第一穴(9)の延長線上にスロット(23)が設けられており、且つ前記本体(4)の前記第二穴(11)の延長線上にあって、前記スロット(23)を挟む複数の穴(24)が設けられており、
前記舌部(22)には、ほぼ垂直方向に貫通した少なくとも1つの第三穴(25)が設けられている、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記コネクタ(1)は金属、好ましくはアルミニウム製であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのワークピースを横方向にネジ止めするためのコネクタであって、本体およびネジ用の第一穴を備えている。ここで、当該本体は、ベース面と、当該ベース面に対して平行であるカバー面と、当該ベース面と当該カバー面とに接続する実質的に略円筒型の側面であって、一方のワークピースの内部にある実質的に円筒型の止まり穴に形状適合し挿入するための側面とを有している。また、前記ネジ用の第一穴は、当該ベース面と当該カバー面に対して鋭角を有して前記本体を貫いている。
【背景技術】
【0002】
例えば木製の2つのワークピースは、例えば、重ね合せて取り付けたり留め継ぎしたり(例えば舌と溝や、ほぞ穴とほぞや、指継手など)、あるいは逃げ溝(例えば蟻継手や蟻継ぎしたハウジングなど)を用いることによって、一方と他方とを繋ぐことが可能である。また、このような接続に関して、その安定性を増すために、付加的な継手または接着、接合、釘打ち、ネジ止めの少なくとも1つを用いることが出来る。また、例えば金属製の板を、2つのワークピースの接続箇所に配置し、両方のワークピースにネジ止めする、もしくはそれらのワークピースに釘打ちすることも知られている。このとき、ネジもしくは釘が金属板に対して直角に入ると、両方のワークピースに張力が生じて、好ましくない剪断荷重がかかる。
【0003】
金属板とネジ止めされる接続の態様に関して特別なものとしては、横方向のネジ止めがある。この場合は、ネジは、鋭角に金属板を貫いて対応ワークピース内にねじ込まれる。そのため、ネジ先が前記接続箇所から離れた位置となる。また、横方向のネジ止めのためにネジを容易に鋭角に管理するべく、追加のガイド素子を金属板に組み込んだり、そのようなガイド素子として角度の付いたシムを金属板の中に挿入したりすることも知られている。横方向のネジ止めの場合、横方向の位置に応じたネジは、実質的に張力を受け、且つ小さなせん断応力だけを受け、それによって、直角にネジ接続された場合に比べてより大きな力をもつことができ、ワークピース同士の安定した接続を実現することができる。
【0004】
しかしながら、このような横方向のネジ接続方式は、金属板、ガイド素子、およびネジに起因して、高い材料コスト、ひいては輸送貯蔵コストが高くつき、また、しばしば表面にはっきりと目に見えて残って気になることがある。更に、横方向のネジ接続方式を実現する場合、局所的なエラーおよび個々の横方向のネジ接続の手抜きさえも、複数のワークピースから形成される完成品上において、すぐに発見されない可能性がある。したがって、横方向のネジ接続方式の耐負荷能力は予測不能に減少する。加えて、頭部の高さを超えて作業する場合、最初に緩んだ部品が落下することを防止するために注意を払わなければならない。
【0005】
EP2799636A1は、ほぼ円筒型の本体が、互いに離れて延びる4つの星形の接続ネジによって横方向に貫通されているコネクタを開示している。コネクタは、2つの接続ネジを用いてワークピースへと固定され、2つの他の接続ネジを用いて隣り合う他のワークピースへとネジ止めされる。接続ネジと接続ネジとの間には、本体に任意で開口部または垂直に位置決めされたネジを有する。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、材料を節約し、容易に且つ信頼性を有して使用できる、2つのワークピースを横方向にネジ止めするコネクタを提供することにある。
【0007】
この目的は、本発明によれば、少なくとも2つの第二穴を特徴とする、冒頭に記載した種類のコネクタよって達成され、これら少なくとも2つの第二穴は、前記第一穴を挟むように位置していて、且つベース面とカバー面に対してほぼ垂直に本体を通過している。
【0008】
この構成によれば、2つのワークピースの連結箇所をまたぐ金属板を節約することができる。適切な止まり穴の深さを有するコネクタは、ワークピースと同一平面にある止まり穴に挿入され、わずかに見えるだけである。それにも関わらず、事前に作成された止まり穴を有するコネクタの欠陥のある配置は除外され、止まり穴が塞がれていないままであることにより、個々のコネクタの想定外の欠落は、すぐに見える。コネクタは、一方のワークピースを横断するネジ接続から、他方のワークピースの止まり穴の壁を直接的に介して、他のネジの助けにより第二穴の内部に固く固定された本体へと力を伝達する。第二穴の中において、これら他のネジは、止まり穴の周りのワークピースを固定し、例えば、割れることを防止し、本体が、止まり穴の壁の中に沈むこと、及び横方向へのネジ接続の張力によって傾くことを、防止する。横方向のネジ接続のためのコネクタには、木製のワークピースだけではなく、他の材料からでも良く、例えば、プラスチック、複合材料、さらには金属も使用することが出来る。
【0009】
また、カバー面および側面には面取り部が設けられ、この面取り部から第一穴が始まっていることが、特に好ましい。このような面取り部は、コネクタの本体を超えて第一穴を通って回転するネジの頭部の(過剰な)張り出しの回避に役立ち、また、特定の先述の角度に対応する方法において、ネジの頭部をコネクタに確実に配置させることができる。
【0010】
ここで、コネクタのベース面は、好ましくはほぼ円形である。ワークピースにおける相補的な円形の止まり穴は、とりわけ簡単に製造されることが可能であり、例えば、穿孔あるいは平削りにより、連続して製造されることが可能である。円形のコネクタの力をワークピースへと導入することもまた好ましい。これにより、例えば角度のあるコネクタの場合におこるような局所的な力のピークを回避することができる。
【0011】
コネクタの有利な変更態様としては、先述の特定の角度が15から60度であり、好ましくは約30度である。このような角度は、ワークピース上の横向きのネジ接続に好ましい力をもたらす。
【0012】
本体は、その側面上に、ベース面およびカバー面に対して垂直に延設されたV字型リブを有し、このリブはベース面に向かって先細りになっている。これにより、コネクタは、止まり穴に挿入された時に、頭部の高さを超えて作業する場合でも、止まり穴に打ち込まれているため、ネジが入れられる前にワークピースから抜け落ちることがない。先細りとすることによって、簡便に自身を中心に挿入することが可能になる。
【0013】
また、本体が、その側面上にベース面およびカバー面に対して垂直に延び、ベース面に向かって先細ったノッチを有する場合も利点である。このようなノッチにより、引っ張り力の下で、止まり穴内において本体が広がり追加的な内部係止を実現させることができる。
【0014】
ネジを中心にするために、前記第一穴および前記第二穴の少なくとも一方は、ネジ頭部を収容するために皿穴であることが、好ましい。
【0015】
止まり穴の壁を覆うコネクタの特に好ましい力の分布は、前記第一穴がベース面を貫通する場合に生じる。この場合、コネクタの側面は、最大限の負荷がかかっている側において、横方向のネジ接続の方向に止まり穴の壁と縁がないように係合し、それにより、止まり穴を有するワークピースの割れの危険性が低減される。
【0016】
コネクタの好ましい実施形態は、ワークピースの止まり穴内において本体の下に配置するためのシムによって特徴付けられる。このシムは、コネクタの本体のベース面の形状と一致する円筒部分と、当該円筒部分から突出した舌部とを有している。ここで、前記円筒部分には、当該本体の第一穴の延長線上に設けられたスロットと、当該本体の前記第二穴の延長線上に設けられた、スロットを挟んだ位置にある複数の穴とが設けられている。また、前記舌部には、少なくとも1つの第三穴がほぼ垂直に貫通している。
【0017】
前記止まり穴は、シムの断面形状と適合している。本体の下において止まり穴内にシムを配置できることにより、止まり穴内のコネクタの固定をより確かなものとすることにつながる。したがってコネクタおよびネジは、より小さくなるように選択することができ、あるいは、止まり穴はワークピースにまたがる様態に配置することもでき、その結果、コネクタは組み立て時にワークピースの相互の位置ずれを防止する。
【0018】
特に安定した実施形態としては、コネクタは金属、好ましくはアルミニウムからなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、添付した図面に示される例示的な実施形態を参照して、以下により詳細に説明される。図面は以下の通りである。
図1】2つのワークピースを横方向にネジ止めするための本発明によるコネクタの本体の斜め上方から見た斜視図を示す。
図2】一方のワークピースの止まり穴に挿入され、他方のワークピースにネジ止めされた位置でのコネクタの斜め上方から見た斜視図を示す。
図3】一方のワークピースの止まり穴に挿入され、他方のワークピースにネジ止めされた位置におけるコネクタの縦断面図を示す。
図4図1の本体の下に位置する、コネクタのシムを斜め上方から見た斜視図を示す。
図5図1に示す本体のコネクタと図4に示すシムとを一方のワークピースの止まり穴に挿入され、他方のワークピースにネジ止めされている位置における、斜め上方から見た斜視図を示す。
図6図1に示す本体のコネクタと図4に示すシムとを一方のワークピースの止まり穴に挿入され、他方のワークピースにネジ止めされている位置における長手方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1から図3は、2つのワークピース2、3を横方向にネジ止めするためのコネクタ1の第一の実施形態を示す。コネクタ1は、ベース面5(図3)と、ベース面5と平行であるカバー面6と、ベース面5およびカバー面6に接続しているほぼ円筒型の側面7とを有した本体4を有している。本体4は、ワークピース2、3のうちの1つの実質的に円筒型の止まり穴(ここでは右側のワークピース3の止まり穴8)に、その止まり穴8の内部形状に合致した状態で挿入される。
【0021】
コネクタ1には、ネジ10のための第一穴9が設けられており、この第一穴9は、ベース面5およびカバー面6に対して鋭角αを有して本体4を貫通している。コネクタ1には更に、別のネジ12各々のための第二穴11が少なくとも2つ以上設けられている。これら第二穴11は、第一穴9を挟むように位置し、ベース面5およびカバー面6に対してほぼ垂直に本体4を貫通している。
【0022】
第一穴9が本体4を通過する角度である、ベース面5およびカバー面6に対する前記角度αは、任意に15度から60度であり、図3の例では約30度である。
【0023】
図1から図3の例では、本体4のベース面5は実質的に円形である。ここで本体4のカバー面6および側面7には、面取り部13が設けられており、面取り部13からほぼ直角に第一穴9は始まっている。あるいは例えばベース面5は、楕円形もしくは多角形であってもよく、および/または第一穴9はカバー面6もしくは側面7から開始してもよい。
【0024】
図2および図3の例における止まり穴8は、主として円形断面である部分と、第一穴9へとネジ10をネジ止めすることを可能にするもしくは容易にするための任意の凹部14とを有している。あるいは、止まり穴8は、例えば楕円形もしくは多角形の異なる断面形状を有することが出来る。更に、コネクタ1の形状に合わせて挿入するための止まり穴8は、必ずしも本体4のベース面5に合わせた断面を有する必要はない。
【0025】
別の変形例(図示せず)では、本体に、ベース面およびカバー面5、6に対して鋭角αを有して本体4を貫通する2つ以上の第一穴9を有するものであってもよい。例えば、2つ以上の第一穴9は、互いに隣接する任意の面取り部から開始することができる。または同様に、他の穴の上に配置されることもできる。そのため、第一穴9は、任意の面取り部13から開始することができ、更に第一穴9は、カバー面6もしくは凹部(図示せず)から開始することができ、および/あるいは更に第一穴9は、側面7から開始することができる。1つまたは複数の第一穴9は、それぞれ2つ以上の第二穴11によって挟まれるように位置しており、複数の隣接配置された第一穴9の場合、第二穴11の幾つかは第一穴9と第一穴9との間に配置することもできる。
【0026】
図1の例では、本体4には、その側面7に、ベース面5およびカバー面6に対して垂直方向に延びた、ベース面5に向かって先細りになっているV字型リブ15を任意で有いている。V字型リブ15は、止まり穴への挿入時に止まり穴8内にコネクタ1を打ち込むために必要に応じて側面7上に分布されている。
【0027】
本体4は更に、必要に応じて、その側面7にノッチ16を有していてもよく、ノッチ16はベース面5およびカバー面6に対して垂直方向に延設されていて、カバー面5に向かって先細りしている形状を有している。この任意のノッチ16もまた、必要に応じて側面7に分布される。
【0028】
第一穴9および/または第二穴11は、第一穴9のためのネジ10あるいは第二穴11のための別のネジ12の頭部17、18を受け入れるための任意の皿穴であり、すなわち、それらは、それぞれネジ頭部17、18のための皿穴19を有する。
【0029】
図3に例示したコネクタ1では、第一穴9は本体4のベース面5を貫通している。本体4が別の形状(例えば、より高い側面7、より小さいベース面5、より顕著な面取り部13、および/またはより小さい角度α)を有している場合には、第一穴9は代替的に、少なくとも部分的に側面7を貫通してもよい。
【0030】
図1から図3と同じ部材に同じ参照記号を付した図4から図6の代替的な実施形態においては、コネクタ1は、ワークピース3の止まり穴8内における本体4の下に配置されるシム20を、備えている。シム20は円筒部分21と、円筒部分21から突出した舌部22とを、有する。
【0031】
円筒部分21は、本体4のベース面5に実質的に一致している。本体4は、止まり穴8内の前記円筒部分21の上に載っている。本体4内の前記第一穴9の延伸部において、円筒部分21はスロット23を有しており、ネジ止め状態(図6)では、第一穴9と同様にネジ10が貫通する。特に鋭角αの場合、スロット23が任意の片側において開いたスロットとすることができる。
【0032】
シム20の円筒部分21においても、スロット23が、本体4の第二穴11の延長線上にある複数の穴24によって挟まれた位置に設けられている。図6の例に示す通り、穴24には、ネジ止めがなされた状態において、第二穴12に入った別のネジ12が貫通している。シム20の舌部22には、追加ネジ26のための第三穴25がほぼ垂直に貫通して設けられている。言うまでもなく、舌部22は、複数の追加ネジ26のための2つ以上の第三穴25有してもよい。
【0033】
コネクタ1の図4から図6による変形例内の止まり穴8は、その形状がコネクタの断面と必ずしも一致していなくても良い。図示した例のように、舌部22が円筒部分21よりも狭い場合には、止まり穴8は、図5の例のように、断面においてこの舌部22の形状を反映できる。ここでは、舌部22に対応する止まり穴8の一部分が、横方向のネジ接続のためにネジ10をネジ止めするための凹部14の機能を果たす。
【0034】
コネクタ1のこの変形例では、止まり穴8およびコネクタ1は、ワークピースをまたがって設けてもよい。すなわち、少なくともわずかな範囲において、左側のワークピース2に位置することができ、また残りは右側のワークピース3に位置することが出来る(図示せず)。
【0035】
図示された例では、止まり穴8の深さは、本体4の側面7の高さ、もしくは本体4の側面の高さとシム20の厚さとを合わせた高さと一致しており、止まり穴8に挿入した後には、本体4のカバー面6はワークピース2、3両方と同一平面に仕上げられる。しかしながら、この種の同一平面への仕上げの終了は、コネクタ1の機能に必要ではない。したがってコネクタ1の本体4は、一旦完全に挿入された場合に、止まり穴8から突き出す、すなわち、本体4(適用可能な場合はシム20と共に)は止まり穴8の深さよりも高くすることができる。また反対に、本体4(適用可能な場合はシム20と共に)は止まり穴8の深さよりも低くすることが出来る。コネクタ1は更に、互いに同一平面ではなく階段状に互いに隣接して配置されたワークピース2、3にも、使用可能である。
【0036】
図示した例では、ワークピース2、3は木製であるが、代替的にプラスチック、複合的材料により作製することができ、もしくは適当な横ネジを用いて、金属により作製することができ、この場合に任意で互いに異なる材料から作製することもできる。
【0037】
コネクタ1は、実施例ではアルミニウムからなるが、代替的に、異なる材料、プラスチックもしくは複合材料によって作製することもできる。さらに、図4から図6の例では、本体4およびシム20は互いに異なる材料で作製することができる。
【0038】
本発明は、提示された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての変形、組み合わせ、および修正を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6