【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ビービービー インコーポレイテッドが、Biosensors and Bioelectronics, volume 117, 15 October 2018, Pages 480−486にて、ファン ヒョンドゥ、チェ ジェキュが発明したアプタマー−抗体サンドイッチ形成を伴うトロンビンの検出のための磁力支援電気化学センサーについて公開した。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1ターゲット物質を捕獲するための第1捕獲物質、磁性ナノ粒子、及び酸化反応及び還元反応中少なくとも1つの反応を行う反応物質を含む磁性ナノ粒子複合体、第2ターゲット物質を捕獲するための第2捕獲物質が固定される第1電極、及び前記第1電極とは異なる電極である第2電極を含み、前記第1ターゲット物質及び前記第2ターゲット物質のうち少なくとも1つが試料に含まれるバイオセンサーに電気的接続される検出装置の検出方法であって、
印加される電圧の変化による電流を検出して前記バイオセンサーに流される前記試料に前記第2ターゲット物質が捕獲されているか否かを確認するために、前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧を上昇させる第1段階及び下降させる第2段階を含む循環電圧供給段階と、
前記循環電圧供給段階の前に、前記電流の曲線を安定化させるために前記第1段階での最低電圧及び前記第2段階での最低電圧のうち少なくとも1つの最低電圧よりは高い電圧を予め設定された時間以上に印加させる信号安定化段階と、
前記第1段階による電流及び前記第2段階による電流を検出する信号検出段階と、を含む検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本出願の上述の目的、特徴及び長所は図面及び明細書を通じて明らかになるだろう。ただし、本出願は多様な変更を加えることができ、さまざまな実施例を有してもよく、以下では特定の実施例を図面に合わせて詳細に説明する。
【0017】
図面において、層及び領域の厚さは明確性を確実にするために誇張されたものであり、また、構成要素(element)または層が異なる構成要素または層の”上(on)”または”上(on)”で指摘されることは、他の構成要素または層の真上だけではなく中間に他の層または他の構成要素を介在する場合をすべて含む。明細書の全体に渡って同じ参照番号は原則的に同じ構成要素を示す。また、各実施例の図面に示される同じ思想の範囲内の機能が同じ構成要素は同じ参照符号を使って説明する。
【0018】
本出願と関連する公示機能あるいは構成に対する具体的な説明が本出願の要旨を不必要とすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で利用される数字(例えば、第1,第2等)は一つの構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0019】
また、以下の説明で使われる構成要素に対する接尾辞”モジュール”及び”部”は明細書を作成する際の容易のみを考慮して付与されたり混用されたりしたものであり、それ自体が互いに区別される意味または役割を果たすものではない。
【0020】
本出願の一実施例により、バイオセンサーにおいて、磁性ナノ粒子複合体と、第1電極及び第2電極を含む反応部と、前記バイオセンサーの外部から前記反応部に試料が導入されるように通路を形成する試料導入部とを含む。前記磁性ナノ粒子複合体は、第1ターゲット物質を捕獲するための第1捕獲物質、磁性ナノ粒子、及び酸化反応及び還元反応中少なくとも1つの反応を行う反応物質を含む。前記磁性ナノ粒子複合体は、前記反応部内で磁性を有して前記反応部の状態条件(condition)の変化により運動性が変化できる特性を有し、前記第1電極には第2ターゲット物質を捕獲するための第2捕獲物質が固定され、前記第2電極は前記第1電極とは異なる電極であり、前記第1ターゲット物質及び前記第2ターゲット物質のうち少なくとも1つが試料に含まれる、バイオセンサーを提供する。
【0021】
前記磁性ナノ粒子は前記磁性ナノ粒子の外側に反応器が露出するように変形され、前記反応器には前記反応物質が固定される、バイオセンサーが提供される。
【0022】
前記反応器はアミン基(amine)であり、前記反応物質は金(gold)である、バイオセンサーが提供される。
【0023】
前記第1捕獲物質は前記反応器に固定されている反応物質に固定される、バイオセンサーが提供される。
【0024】
前記第1電極の少なくとも一部領域には前記第2ターゲット物質の吸着を防止するブロッキング物質が配置される、バイオセンサーが提供される。
【0025】
前記ブロッキング物質はBSA(Bovine Serum Albumin)である、バイオセンサーが提供される。
【0026】
前記第1捕獲物質は、抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含み、前記第2捕獲物質は、抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含む、バイオセンサーが提供される。
【0027】
前記第1ターゲット物質は、前記試料に含まれている前記第2ターゲット物質と同じ物質であり、前記第1捕獲物質は、前記第2捕獲物質と同じ物質である、バイオセンサーが提供される。
【0028】
前記第1ターゲット物質は、前記第1電極に固定されている第2捕獲物質であり、前記第2ターゲット物質は、前記第1捕獲物質と同じ物質であり、前記第1捕獲物質は試料に含まれる、バイオセンサーが提供される。
【0029】
前記第1ターゲット物質は、前記第1電極に固定されている第2捕獲物質であり、前記第2ターゲット物質は、前記第1捕獲物質と同じ物質であり、前記第2捕獲物質は試料に含まれる、バイオセンサーが提供される。
【0030】
前記反応部に形成される磁場が変更されれば、前記磁性ナノ粒子複合体の運動方向が変更される、バイオセンサーが提供される。
【0031】
前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧が変更されれば、前記磁性ナノ粒子複合体の運動方向が変更される、バイオセンサーが提供される。
【0032】
前記第1電極及び前記第2電極とは異なるコイル形態の第3電極を含み、前記第3電極に印加される電流が変更されれば、前記磁性ナノ粒子複合体の運動方向が変更される、バイオセンサーが提供される。
【0033】
前記第1電極と電気的接続される第4電極の少なくとも一部及び前記第2電極と電気的接続される第5電極の少なくとも一部は前記バイオセンサーの外部に露出する、バイオセンサーが提供される。
【0034】
前記第1電極と前記第4電極は一つの電極で構成され、前記第2電極と前記第5電極は一つの電極から構成される、バイオセンサーが提供される。
【0035】
前記第4電極の少なくとも一部及び前記第5電極の少なくとも一部は電流を測定できるデバイスに電気的接続される、バイオセンサーが提供される。
【0036】
前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧は、前記デバイスによって制御され、前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧に従う電流により、前記試料に前記第2ターゲット物質が含まれているか否かを確認できる、バイオセンサーが提供される。
【0037】
本出願の一実施例によれば、第1ターゲット物質を捕獲するための第1捕獲物質、磁性ナノ粒子、及び酸化反応及び還元反応中少なくとも1つの反応を行う反応物質を含む磁性ナノ粒子複合体、第2ターゲット物質を捕獲するための第2捕獲物質が固定される第1電極、及び前記第1電極とは異なる電極である第2電極を含み、前記第1ターゲット物質及び前記第2ターゲット物質のうち少なくとも1つが試料に含まれるバイオセンサーに電気的接続されることができる電極部と、印加される電圧の変化による電流を検出して前記バイオセンサーに導入される前記試料に前記第2ターゲット物質が捕獲されているか否かを確認するために、前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧を上昇させる第1段階及び下降させる第2段階を含む電圧を供給するように制御し、前記第1段階及び前記第2段階を含むように電圧を供給する前に、前記電流の曲線を安定化させるために少なくとも前記第1段階での最低電圧及び前記第2段階での最低電圧のうち少なくとも1つの最低電圧よりは高い電圧を予め設定された時間以上印加させる電圧を供給するように制御する制御部と、を含む、検出装置が提供される。
【0038】
前記第1捕獲物質は、抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含み、前記第2捕獲物質は、抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含む、検出装置が提供される。
【0039】
前記第1捕獲物質は前記第2捕獲物質と同じ物質であり、前記第1ターゲット物質は前記第2ターゲット物質と同じ物質であり、前記第1ターゲット物質は前記試料に含まれる、検出装置が提供される。
【0040】
前記制御部は、前記第1段階で、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇される電圧を供給するように制御し、前記第2段階で、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降される電圧を供給するように制御する、検出装置が提供される。
【0041】
前記制御部は、前記電流の曲線を安定化させるために、前記第1電極及び前記第2電極の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加される電圧を供給するように制御する、検出装置が提供される。
【0042】
前記制御部は、前記電流の曲線を安定化させるために、前記第1電極及び前記第2電極の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加される電圧を供給するように制御することに続いて、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降される電圧を供給するように制御する、検出装置が提供される。
【0043】
前記制御部は、前記電流の曲線を安定化させるために、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降される電圧を供給するように制御することに続いて、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇される電圧を供給するように制御する、検出装置が提供される。
【0044】
前記制御部は、前記電流の曲線を安定化させるために、前記第1電極及び前記第2電極の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加される電圧を供給するように制御することに続いて、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇される電圧を供給するように制御する、検出装置が提供される。
【0045】
本出願の一実施例によれば、第1ターゲット物質を捕獲するための第1捕獲物質、磁性ナノ粒子、及び酸化反応及び還元反応中少なくとも1つの反応を行う反応物質を含む磁性ナノ粒子複合体、第2ターゲット物質を捕獲するための第2捕獲物質が固定される第1電極、及び前記第1電極とは異なる電極である第2電極を含み、前記第1ターゲット物質及び前記第2ターゲット物質のうち少なくとも1つが試料に含まれるバイオセンサーに電気的接続される検出装置の検出方法であって、印加される電圧の変化による電流を検出して前記バイオセンサーに導入され前記試料に前記第2ターゲット物質が捕獲されているか否かを確認するために、前記第1電極及び前記第2電極の間に印加される電圧を上昇させる第1段階及び下降させる第2段階を含む循環電圧供給段階と、前記電圧制御段階を行う前に、前記電流の曲線を安定化させるために少なくとも前記第1段階での最低電圧及び前記第2段階での最低電圧のうち少なくとも1つの最低電圧より高い電圧を予め設定された時間以上印加する信号安定化段階と、及び前記第1段階における電流及び前記第2段階における電流を検出する信号検出段階と、を含む、検出方法が提供される。
【0046】
前記第1捕獲物質は、抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含み、前記第2捕獲物質は、抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含む、検出方法が提供される。
【0047】
前記第1捕獲物質は前記第2捕獲物質と同じ物質であり、前記第1ターゲット物質は前記第2ターゲット物質と同じ物質であり、前記第1ターゲット物質は前記試料に含まれる、検出方法が提供される。
【0048】
前記第1段階は、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇する段階であり、前記第2段階で、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下から下降する段階である、検出方法が提供される。
【0049】
前記信号安定化段階は、少なくとも前記第1段階での最低電圧及び前記第2段階での最低電圧のうち少なくとも1つの最低電圧より高い電圧を予め設定された時間以上印加する信号安定化段階は、前記第1電極及び前記第2電極の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加される電圧を供給する段階を含む、検出方法が提供される。
【0050】
前記信号安定化段階は、前記第1電極及び前記第2電極の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加される電圧を供給する段階に続いて、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降する電圧を供給する段階を含む、検出方法が提供される。
【0051】
前記信号安定化段階は、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降する電圧を供給する段階に続いて、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇する電圧を供給する段階を含む、検出方法が提供される。
【0052】
前記信号安定化段階は、前記第1電極及び前記第2電極の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加される電圧を供給する段階に続いて、前記第1電極及び前記第2電極の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇させる電圧を供給する段階を含む、検出方法が提供される。
【0053】
<検出システム(1)>
以下では、試料(sample)内にターゲット物質の有無を検出できる検出システム(1)に対して開示する。
【0054】
一実施例で、人体から抽出される血液、小便、DNAサンプルなどと同じ試料から、特定抗原、抗体、DNA、及び/またはRNAなどの有無(すなわち、ターゲット物質の有無)に基づいてターゲット病気(すなわち、確認しようとする病気)の有無を検出できる検出システム(1)に対して開示する。
【0055】
図1は本出願の一実施例における検出システム(1)を説明する図である。
【0056】
本出願の一実施例よれば、前記検出システム(1)は、バイオセンサー(1000)及び検出装置(2000)を含むことができる。
【0057】
前記バイオセンサー(1000)は、試料内に含まれるターゲット物質と特定反応が誘導される生物学的受容体を含み、このような反応を電気的または光学的信号に変換することに関して、単独でまたは検出装置(2000)等を通じて試料内のターゲット物質の有無を感知することができるように作製された素子であってもよい。
【0058】
一例として、前記バイオセンサー(1000)は、微細流体チャネル内で流体の表面張力などの影響で試料が移動するように作製された微細流体力学基盤のバイオセンサー(1000)であってもよい。この時、前記バイオセンサー(1000)は剛性を持つ物体で作製されてもよい。一例で、前記バイオセンサー(1000)はプラスチックを含んでもよく、及び/または前記バイオセンサー(1000)はガラスを含んでもよい。
【0059】
本出願の一実施例におけるバイオセンサー(1000)に対しては、以下で更に具体的に説明する。
【0060】
前記検出装置(2000)は、前記バイオセンサー(1000)内の反応による結果から導出される電気的、光学的、磁気的、及び/または熱的信号の変化を認識して、前記試料へのターゲット物質の有無を確認する装置であってもよい。
【0061】
一例で、前記検出装置(2000)は前記バイオセンサー(1000)が投入される投入口を有し、前記バイオセンサー(1000)の電気的変化に基づいて前記バイオセンサー(1000)に導入される試料へのターゲット物質の有無を確認することができる。
【0062】
前記検出装置(2000)は前記バイオセンサー(1000)における結果値を検出するために作製された単独の装置や、前記バイオセンサー(1000)における結果値を検出するために変形された他機能を含む装置であってもよい。例えば、前記検出装置(2000)はバイオセンサー(1000)用検出装置(2000)であってもよく、バイオセンサー(1000)が投入されるように1つ領域が変形された携帯電話装置や、家電製品に一体された形態で構成された装置であってもよい。
【0063】
また、前述した例示に限らず、以下で説明する本出願の一実施例における検出装置(2000)による開示から容易に導出されることができる検出装置(2000)は全て本明細書における検出装置(2000)に対応することはもちろんである。
【0064】
<バイオセンサー(1000)>
1、バイオセンサー(1000)の構成
図2は本出願の一実施例におけるバイオセンサー(1000)を説明する図である。
【0065】
前記バイオセンサー(1000)は試料導入部(1100)、反応部(1200)及び/または接触部(1300)を含んでもよい。ただし、上記の構成要素が全て含まれることではなく、各構成要素は省略、または重複されてもよく、既に開示されている構成要素以外の構成要素を更に含む形態でバイオセンサー(1000)が作製されることも可能である。
【0066】
1.1試料導入部(1100)
前記試料導入部(1100)は、前記バイオセンサー(1000)の外部から前記バイオセンサー(1000)の内部へ試料が導入される領域である。換言すれば、前記試料導入部(1100)は以下で説明される反応部(1200)に試料が導入されるように通路を形成する領域である。
【0067】
前記試料は、ターゲット物質を含む物質である。一例で、前記試料は、生体から分泌された分泌物である。前記検体は血液、血漿、血清、唾液、小便、などである。他の例で、前記検体は研究目的で獲得された物質である。前記検体は事件現場で獲得されたDNAサンプル、RNAサンプルなどであってもよく、動物の細胞及びウイルスなどから抽出されたDNAサンプル、RNAサンプルなどである。
【0068】
前記試料導入部(1100)から供給される試料はバイオセンサー(1000)の内部で移動することができる。前記試料導入部(1100)から供給された試料は前記試料導入部(1100)から前記反応部(1200)に移動することができる。
【0069】
前記試料は微細流路に沿って移動することができる。前記検体はメンブレイン上を移動することができる。その他にも、バイオセンサー(1000)で活用する多様な方式を通じて具現される移動方法により試料導入部(1100)を通じて供給される検体が移動することができる。
【0070】
1.2反応部(1200)
前記反応部(1200)は特異的反応が実行される領域である。前記反応部(1200)は前記バイオセンサー(1000)内でターゲット物質とターゲット物質を捕獲するための捕獲物質の間の特異的反応が実行される領域である。
【0071】
前記ターゲット物質は前記試料に含まれている検出しようとする物質である。一例で、前記ターゲット物質は抗原であってもよい。換言すれば、前記ターゲット物質は病気を持つ患者の血液などで検出される病気に関連する抗原である。他の例で、前記ターゲット物質はDNAである。換言すれば、前記ターゲット物質は病気を持つ患者の血液などで検出されるウイルスのDNAである。
【0072】
前記捕獲物質は前記ターゲット物質に特異的に結合する物質である。一例で、前記捕獲物質は抗体である。前記捕獲物質は前記抗原に抗原−抗体反応に基づいて特異的に結合する抗体である。他の例で、前記捕獲物質はDNAである。前記捕獲物質は前記DNAに特異的配列の相補性に基づいて特異的に結合するDNAである。
【0073】
図3は本出願の一実施例における反応部(1200)を説明する図である。
【0074】
前記反応部(1200)は磁性ナノ粒子複合体(1210)、第1電極(1220)及び/または第2電極(1230)を含むことができる。ただし、上述の構成要素が全て含まれることではなく、各構成要素は省略、または重複されてもよく、既に開示されている構成要素以外の構成要素を更に含む形態の反応部(1200)を含むバイオセンサー(1000)が作製されることも可能である。
【0075】
第1電極(1220)は第2電極(1230)に比べて上流に配置されてもよい。ここで、”上流”とは、試料が試料導入部(1100)を通じて導入された地点から反応部(1200)側に移動する移動方向を基準にして上流にあることを意味する。この時、前記第1電極(1220)は前記第2電極(1230)に比べて試料導入部(1100)に近くてもよい。
【0076】
または、第1電極(1220)は第2電極(1230)に比べて下流に配置されることができる。ここで、”下流”とは、試料が試料導入部(1100)を通じて導入された地点から反応部(1200)側に移動する移動方向を基準にする下流にあることを意味する。この時、前記第2電極(1230)は前記第1電極(1220)に比べて試料導入部(1100)に近くてもよい。
【0077】
または、第1電極(1220)及び第2電極(1230)は互いに対向して配置されることができる。前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)は前記試料導入部(1100)からの距離が同一であってもよい。
【0078】
磁性ナノ粒子複合体(1210)は前記第1電極(1220)に比べて上流に配置されることができる。磁性ナノ粒子複合体(1210)は前記第2電極(1230)に比べて上流に配置されることができる。磁性ナノ粒子複合体(1210)は第1電極(1220)及び第2電極(1230)に比べて上流に配置されることができる。
【0079】
以下では、それぞれの構成要素に対して更に具体的に説明する。
【0080】
1.2.1磁性ナノ粒子複合体(1210)
1.2.1.1意味
図4は本出願の一実施例における磁性ナノ粒子複合体(1210)を説明する図である。
【0081】
前記磁性ナノ粒子複合体(1210)は磁性ナノ粒子(1211)、反応物質(1212)及び/または第1捕獲物質(1213)を含むことができる。ただし、上述の構成要素が全て含まれることではなく、各構成要素は省略、または重複されてもよく、既に開示されている構成要素以外の構成要素を更に含む形態の磁性ナノ粒子複合体(1210)が供給されてもよい。
【0082】
前記磁性ナノ粒子(1211)は磁性を有する粒子であり、その種類は、酸化鉄(Fe
2O
、Fe
3O
4)、Ferrite(Fe
3O
4で1つのFeが違う磁性関連原子に変わった形態、例:CoFe
2O
4、MnFe
2O
4))及び/または合金(磁性原子による酸化問題、伝導性及び安全性を高めるために貴金属と合金させたもの、例:FePt,CoPtなど)等を含むことができる。一例で、前記磁性ナノ粒子(1211)は200〜500nmの大きさの強磁性を有するFe
2O
3粒子である。
【0083】
前記反応物質(1212)は、酸化反応及び還元反応中少なくとも1つの反応を行う物質である。前記反応物質(1212)は熱伝導性及び電気電導度が高い物質であり、遷移金属、移転後金属、及び/または半金属を含むことができる。一例で、前記反応物質(1212)は金粒子(Au)を意味することができる。他の例で、前記反応物質(1212)は銀粒子(Ag)を意味することができる。
【0084】
前記反応物質(1212)は前記磁性ナノ粒子(1211)に固定されることができる。一例で、前記反応物質(1212)は、前記磁性ナノ粒子(1211)との化学的結合力を通じて、前記磁性ナノ粒子(1211)に固定されることができる。他の例で、前記反応物質(1212)は前記磁性ナノ粒子(1211)の外側に露出するアミン基に結合して、前記磁性ナノ粒子(1211)に固定されることができる。
【0085】
前記第1捕獲物質(1213)は第1ターゲット物質と特異的に結合する物質である。一例で、前記第1ターゲット物質はターゲット物質(すなわち、試料に含まれる検出しようとする物質)である。この時、前記第1捕獲物質(1213)は前記ターゲット物質と特異的に結合することができる。他の例で、前記第1ターゲット物質は前記ターゲット物質と特異的に結合する物質である。この時、前記第1捕獲物質(1213)は前記ターゲット物質と競争的に前記ターゲット物質と特異的に結合する物質と特異的に結合することができる。
【0086】
前記第1捕獲物質(1213)は抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸(例、DNA,RNA)、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0087】
より具体的な例として、前記第1ターゲット物質が「抗原」である場合、前記第1捕獲物質(1213)は抗体である。他の例で、前記第1ターゲット物質が「DNA」である場合、前記第1捕獲物質(1213)は前記DNA(すなわち、ターゲット物質)のシングルストランド(single strand)と相補的に結合する配列を含むシングルストランドDNAである。
【0088】
前記第1捕獲物質(1213)は、前記反応物質(1212)に固定されることができる。前記第1捕獲物質(1213)は、前記反応物質(1212)が前記磁性ナノ粒子(1211)に固定された後に前記反応物質(1212)と結合して、前記磁性ナノ粒子(1211)に固定されることができる。
【0089】
これにより、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)は前記反応物質(1212)を含み、下記に説明する第1電極(1220)上の第2捕獲物質(1222)の隣接する領域に前記磁性ナノ粒子複合体(1210)が固定されれば前記バイオセンサー(1000)内の検出信号を変動させるところに関して、バイオセンサー(1000)を利用してターゲット物質の有無を検出することが可能にし、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の第1捕獲物質(1213)が前記反応物質(1212)との結合を通じて固定されて前記反応物質(1212)の外側に露出することによって、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)に反応物質(1212)が含まれることによりターゲット物質と第1捕獲物質(1213)の間の反応性低下が防止され、前記磁性ナノ粒子(1211)のアミン基の露出程度により反応物質(1212)の結合程度が制御されることで、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の磁性が消滅しない最適な磁性ナノ粒子複合体(1210)が形成されることができる。
【0090】
以下では、本出願の一実施例における磁性ナノ粒子複合体(1210)の合成方法に対して具体的に開示する。
【0091】
1.2.1.2.合成方法
以下では、反応物質(1212)として金(gold)を利用し、第1捕獲物質(1213)として抗−PSA検出抗体を用いる磁性ナノ粒子複合体(1210)を合成する方法に対して開示する。ただし、金は反応物質(1212)の、抗−PSA検出抗体は第1捕獲物質(1213)の一実施例に過ぎず、当業者によって容易に反応物質(1212)が他の反応物質(1212)(例えば、銀)、第1捕獲物質(1213)は他の第1捕獲物質(1213)(例えば、他の病気に対する抗体、抗原、DNAなど)で代替されることは自明である。
【0092】
本出願の一実施例における磁性ナノ粒子複合体(1210)を合成するために、アミン基に変形された500nmの直径を有する磁性ナノ粒子(1211)が1mlに1mg入っている溶液50mlを1時間超音波処理した後、超音波処理された溶液を氷の上で連続的に1時間振りながらHAuCl
4・3H
2Oが1mlに6mg入っている溶液1mlを添加した。
【0093】
その後、HAuCl
4・3H
2Oが添加された溶液に0.2M水素化ホウ素ナトリウム0.2mlを還元剤として徐々に添加して3時間撹拌し、その後形成された金(Au)が固定されている磁性ナノ粒子(1211)を脱イオン水(すなわち、精製水)で2回洗浄してから使用するまで4°Cで保管した。
【0094】
上記の手順を通じて形成された金(Au)が固定されている磁性ナノ粒子(1211)をPBS溶液(phosphate buffered saline solution)で2回洗浄した。洗浄後PBS溶液を廃棄し、金(Au)が固定されている磁性ナノ粒子にDMSO(Dimethyl sulfoxide)に溶解された10mM DSP(dithiobis(succinimidyl propionate))を添加し、室温で30分インキュベーションした。本出願の一実施例によれば前記DSPは金(Au)と今後添加される抗−PSA検出抗体(すなわち、第1捕獲物質(1213)の一様態)の間のリンカーとして機能することができる。
【0095】
以後、インキュベーションされた溶液内の金(Au)が固定されている磁性ナノ粒子(1211)をPBS溶液で洗浄して、インキュベーションされた溶液内のバインディング(binding)されていないDSPを除去した後、抗−PSA検出抗体を金(Au)が固定されている磁性ナノ粒子(1211)に添加して、室温で1時間かつ4°Cで16時間インキュベーションした。
【0096】
上記の手順を通じて形成された抗−PSA抗体が固定された金(Au)が固定されている磁性ナノ粒子(1211)(すなわち、磁性ナノ粒子複合体(1210))をPBSで2回洗浄して今後使用するまで4℃で保管した。
【0097】
前述した手順を通じて、本出願の一実施例における磁性ナノ粒子複合体(1210)は合成されることができ、このような磁性ナノ粒子複合体(1210)はバイオセンサー(1000)内に供給されて試料に含まれたターゲット物質と反応することができる。
【0098】
具体的な磁性ナノ粒子複合体(1210)の動作に関しては以下で説明する。
【0099】
1.2.2.第1電極(1220)
1.2.2.1.意味
図5は本出願の一実施例における第1電極(1220)を説明する図である。
【0100】
前記第1電極(1220)は、電子を放出または受容する伝導性媒介体として、炭素、アルミニウム、白金、金及び/または銀などの該当分野で電極として利用される物質のうち少なくとも1つの物質を含む。
【0101】
本出願の一実施例によれば、前記第1電極(1220)上にはブロッキング物質(1221)及び第2捕獲物質(1222)が配置されることができる。ただし、前記第1電極(1220)上にブロッキング物質(1221)が固定されなかったり、第2捕獲物質(1222)が配置されなかったり、他の物質が更に構成される形態でバイオセンサー(1000)が作製されることもできる。
【0102】
前記ブロッキング物質(1221)は試料に含まれるターゲット物質の前記第1電極(1220)への吸着を防止する物質である。前記ブロッキング物質(1221)は試料に含まれるターゲット物質の前記第1電極(1220)への固定を防止する物質である。前記ブロッキング物質(1221)は試料に含まれるターゲット物質以外の他の物質(すなわち、非ターゲット物質)の前記第1電極(1220)への吸着を防止する物質である。換言すれば、前記ブロッキング物質(1221)は非ターゲット物質の前記第1電極(1220)への固定を防止する物質である。一例で、前記ブロッキング物質(1221)はBSA(Bovine Serum Albumin)等の蛋白質、sucroseなどと同じsaccharide,Tween−20,Triton X−100等と同じdetergentであってもよい。
【0103】
前記ブロッキング物質(1221)は前記第1電極(1220)上に配置されることができる。前記ブロッキング物質(1221)は前記第1電極(1220)中少なくとも一部領域に配置されることができる。前記ブロッキング物質(1221)は前記第1電極(1220)中少なくとも一部領域に固定されることができる。
【0104】
前記第1電極(1220)上に前記ブロッキング物質(1221)が配置される形態でバイオセンサー(1000)が作製されることは磁性ナノ粒子複合体(1210)を含むバイオセンサー(1000)において必需である。これに関しては以下の実験における結果グラフと共に具体的に説明する。
【0105】
前記第2捕獲物質(1222)は第2ターゲット物質と特異的に結合する物質である。一例で、前記第2ターゲット物質はターゲット物質(すなわち、試料に含まれる検出しようとする物質)である。この時、前記第2捕獲物質(1222)は前記ターゲット物質と特異的に結合することができる。
【0106】
前記第2捕獲物質(1222)は抗原、抗体、変形抗体、抗体類似体、アプタマー、核酸(例えば、DNA,RNA)、脂質及びウイルス蛋白質抗原のうち少なくとも1つを含むことができる。より具体的な例として、前記第2ターゲット物質が「抗原」である場合、前記第2捕獲物質(1222)は抗体である。他の例で、前記第2ターゲット物質が「DNA」である場合、前記第2捕獲物質(1222)は前記DNA(すなわち、ターゲット物質)のシングルストランドと相補的に結合する配列を含むシングルストランドDNAである。
【0107】
前記第2捕獲物質(1222)は前記第1捕獲物質(1213)と同じ物質である。換言すれば、前記第2捕獲物質(1222)が抗−PSA抗体である場合、前記第1捕獲物質(1213)は同じの抗−PSA抗体である。
または、前記第2捕獲物質(1222)は前記第1捕獲物質(1213)と異なる物質である。換言すれば、前記第2捕獲物質(1222)が抗−PSA抗体である場合、前記第1捕獲物質(1213)はPSAと反応するが、第2捕獲物質(1222)が結合する抗原決定基(epitope)と他の抗原決定基(epitope)に特異的に結合する抗体である。
【0108】
前記第2捕獲物質(1222)は、前記第1電極(1220)上に固定されることができる。これにより、前記第2捕獲物質(1222)は前記第1電極(1220)上に固定された後前記ブロッキング物質(1221)が固定されて、前記ブロッキング物質(1221)の前記バイオセンサー(1000)内の検出信号改善程度を前記第2捕獲物質(1222)により低下させないようにする。
【0109】
以下では、本出願の一実施例におけるブロッキング物質(1221)及び第2捕獲物質(1222)が固定されている第1電極(1220)の作製方法に対して具体的に開示する。
【0110】
1.2.1.2ブロッキング物質(1221)及び第2捕獲物質(1222)が固定されている第1電極(1220)の作製方法
以下では、ブロッキング物質(1221)としてBSA(Bovine Serum Albumin)を利用し、第2捕獲物質(1222)として抗−PSA検出抗体を用いるブロッキング物質(1221)及び第2捕獲物質(1222)が固定されている第1電極(1220)の作製方法に対して開示する。
【0111】
ただし、BSAはブロッキング物質(1221)の、抗−PSA検出抗体は第2捕獲物質(1222)の一実施例に過ぎず、当業者によって容易にブロッキング物質(1221)は他ブロッキング物質(1221)として、第2捕獲物質(1222)は他の第2捕獲物質(1222)(例えば、他の病気に対する抗体、抗原、DNAなど)で代替されることは自明である。
【0112】
本出願の一実施例におけるブロッキング物質(1221)及び第2捕獲物質(1222)が固定されている第1電極(1220)を作製するために、スクリーン印刷された炭素電極(screen−printed carbon electrode,SPCE)にカルボジイミド架橋結合(carbodiimide crosslinking)を通じて抗−PSA抗体を固定させることができる。
【0113】
その一方法で、炭素電極表面を室温で一晩HMD(Hexamethylenediamine)で処理してアミン官能基を導入し、炭素電極を脱イオン水(すなわち、精製水)で洗浄した後、電極にMES緩衝液(pH4.7)に0.4M EDC(1−ethyl−3−(3−dimethylaminopropyl)carbodiimide hydrochloride)、0.1M sulfo−NHS(N−hydroxysulfosuccinimide)及び0.1mg/mlの抗−PSA抗体が混合された混合溶液を置いて、制御された湿度チャンバーで室温で2時間インキュベーションした。
【0114】
上記の手順を通じて生成された第2捕獲物質(1222)(一例で、抗−PSA抗体)が固定されている電極にブロッキング物質(1221)の一例であるBSAを処理するために、上記の手順を経て電極に1%BSA溶液を処理して徐々に撹拌した後、PBA溶液で洗浄した。
【0115】
以後、洗浄されたブロッキング物質(1221)(一例で、BSA)及び第2捕獲物質(1222)(一例で、抗−PSA抗体)が固定されている電極をN2気体でブロー感想(blow drying)した後、今後使用するまで4°Cで保管した。
【0116】
前述した手順を通じて、本出願の一実施例におけるブロッキング物質(1221)及び第2捕獲物質(1222)が固定されている第1電極(1220)が作製されることができ、このような第1電極(1220)はバイオセンサー(1000)内に供給されて試料に含まれるターゲット物質と反応することができる。
【0117】
本出願の一実施例におけるブロッキング物質(1221)及び第2捕獲物質(1222)が固定されている第1電極(1220)はバイオセンサー(1000)内で作動電極(working electrode)として機能することができる。具体的に、第1電極(1220)の機能に関しては、バイオセンサー(1000)の動作で説明される具体的実施例を通じて容易に理解されるだろう。
【0118】
1.2.3第2電極(1230)
前記第2電極(1230)は、電子を放出または受容する伝導性媒介体として、炭素、アルミニウム、白金、金及び/または銀など該当分野で電極として利用される物質のうち少なくとも1つの物質を含むことができる。
【0119】
前記第2電極(1230)は前記第1電極(1220)と別途に配置されることができる。前記第2電極(1230)は前記第1電極(1220)と物理的に離隔してもよい。前記第2電極(1230)は前記第1電極(1220)とは異なる電極である。
【0120】
ここで、前記第2電極(1230)と前記第1電極(1220)が異なることは第1電極(1220)及び第2電極(1230)を構成する物質構成が異なる場合以外にも、第1電極(1220)及び第2電極(1230)を構成する物質構成が同一であっても、第1電極(1220)及び第2電極(1230)が物理的に離隔して区別される2個の電極を有する場合を含むことができる。
【0121】
本出願の一実施例における第2電極(1230)はバイオセンサー(1000)内で基準電極(reference electrode)として機能することができる。具体的に、第2電極(1230)の機能に関しては、バイオセンサー(1000)の動作で説明される具体的実施例を通じて容易に理解されるだろう。
【0122】
1.3接触部(1300)
前記接触部(1300)は電気伝導性を有する物質で構成されることができる。一例で、前記接触部(1300)は電子を放出または受容する伝導性媒介体として、炭素、アルミニウム、白金、金及び/または銀など該当分野で電極で利用される物質のうち少なくとも1つの物質を含むことができる。
【0123】
前記接触部(1300)は前記第1電極(1220)と電気的接続される第1端子と、前記第2電極(1230)と電気的接続される第2端子を含むことができる。前記接触部(1300)が電極物質で構成される場合、前記接触部(1300)は前記第1電極と電気的接続される第4電極及び前記第2電極(1230)と電気的接続される第5電極を含むことができる。
【0124】
前記接触部(1300)の少なくとも一部領域は前記バイオセンサー(1000)の外部に露出することができる。一例で、前記接触部(1300)が前記第1電極(1220)と電気的接続される第1端子及び前記第2電極(1230)と電気的接続される第2端子を含む場合、前記第1端子の少なくとも一部及び前記第2端子の少なくとも一部は前記バイオセンサー(1000)の外部に露出することができる。他の例で、前記接触部(1300)が電極物質で構成される場合、前記第1電極(1220)と電気的接続される第4電極の少なくとも一部及び前記第2電極(1230)と電気的接続される第5電極の少なくとも一部は前記バイオセンサー(1000)の外部に露出することができる。
【0125】
本出願の一実施例によれば、前記接触部(1300)は前記第1電極(1220)と前記第4電極が一つの電極で構成され、前記第2電極(1230)と前記第5電極は一つの電極で構成される形態で形成されることができる。ここで、前記第1電極(1220)と前記第4電極が一つの電極で構成されることは一つの電極の片側が反応部(1200)と連結され、第2捕獲物質(1222)が固定されており、同じ電極の他方が前記バイオセンサー(1000)の外側に露出している形態を意味する。ここで、前記第2電極(1230)と前記第5電極が一つの電極で構成されることは一つの電極の片側が反応部(1200)と連結され、同じ電極の他方が前記バイオセンサー(1000)の外側に露出している形態を意味する。
【0126】
前記接触部(1300)は、下記に説明する検出装置(2000)に電気的接続される機能を果たすことができる。前記接触部(1300)の前記バイオセンサー(1000)の外部に露出する領域は前記検出装置(2000)に電気的接続される機能を果たすことができる。
【0127】
前記接触部(1300)と前記検出装置(2000)の間の電気的接続は物理的接続を通じて実現されることができる。前記接触部(1300)は前記検出装置(2000)の内部に導入される形態で前記検出装置(2000)との電気的接続を実現することができる。
【0128】
本出願の一実施例における接触部(1300)は検出装置(2000)と電気的接続され、前記検出装置(2000)の制御部(2400)を通じて前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に印加される電圧が制御されることができる。本出願の一実施例における接触部(1300)は検出装置(2000)と電気的接続され、前記バイオセンサー(1000)内の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の電圧及び/または電流に対する情報を前記検出装置(2000)で検出することができる。
【0129】
本出願の一実施例における接触部(1300)の機能に関しては、バイオセンサー(1000)の動作で説明される具体的実施例を通じて容易に理解されるだろう。
【0130】
2.バイオセンサー(1000)の動作
従来利用されるバイオセンサー(1000)のターゲット検出方式は大きくサンドイッチ方式及び競争的方式で分類されることができる。
【0131】
したがって、磁性ナノ粒子複合体(1210)を含むバイオセンサー(1000)において、サンドイッチ方式を利用して試料内のターゲット物質を検出する動作に対して説明し、競争的方式を利用して試料内のターゲット物質を検出する動作においては変更されなければならない構成及び動作のみに対して具体的に説明する。
【0132】
2.1バイオセンサー(1000)の一般的動作
図6は本出願の一実施例におけるバイオセンサー(1000)の一般的動作を説明する図である。
【0133】
バイオセンサー(1000)の試料導入部(1100)には試料が供給される。試料にはターゲット物質が含まれることができる。試料にはターゲット物質及び非ターゲット物質が含まれることができる。ここで、非ターゲット物質とは試料内に存在するが、第1捕獲物質(1213)及び第2捕獲物質(1222)と特異的に結合されない物質を意味する。
【0134】
試料がバイオセンサー(1000)の試料導入部(1100)に供給されれば、試料はバイオセンサー(1000)内の経路に従って移動する。一例で、バイオセンサー(1000)は微細流路(または、微細流管)が形成され、試料導入部(1100)に供給される試料は毛細管力(Capillary Force)の作用により移動することができる。
【0135】
試料は試料導入部(1100)を通過して反応部(1200)に移動することができる。前記反応部(1200)には磁性ナノ粒子複合体(1210)が存在することができる。前記磁性ナノ粒子複合体(1210)は説明した通り、磁性ナノ粒子(1211)、反応物質(1212)及び第1捕獲物質(1213)を含むことができる。前記第1捕獲物質(1213)の場合、ターゲット物質(すなわち、第1ターゲット物質)と特異的に結合可能な抗体である。この時、抗体はCDR領域を含むFab(fragment antigen binding)、Fc(fragment crystallizable)等の断片形態の抗体、及び/またはIgG(Immunoglobulin G)等のfull antibodyを全て含むことができる。
【0136】
前記試料導入部(1100)から移動された試料に含まれるターゲット物質は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)と特異的に結合することができる。前記ターゲット物質は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の第1捕獲物質(1213)と結合することができる。前記磁性ナノ粒子複合体(1210)及びターゲット物質は抗原−抗体反応による結合を行うことができる。前記抗原−抗体反応は前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)で実行されることができる。
【0137】
前記反応部(1200)には第2捕獲物質(1222)が固定される第1電極(1220)、及び第2電極(1230)が固定されてもよい。前記ターゲット物質と結合する磁性ナノ粒子複合体(1210)は、前記第1電極(1220)上に固定される第2捕獲物質(1222)により捕獲されることができる。換言すれば、前記第1電極(1220)上に固定される第2捕獲物質(1222)は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)と結合されたターゲット物質(すなわち、第2ターゲット物質)と結合し、前記2捕獲物質と前記ターゲット物質の間の結合によって、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)は前記第2捕獲物質(1222)に捕獲されることができる。
【0138】
前記第1捕獲物質(1213)及び第2捕獲物質(1222)が抗体である場合、前記第1電極(1220)上に固定される抗体(1222)は試料内の抗原(すなわち、ターゲット物質)と反応することができる。前記第1電極(1220)上に固定される抗体(1222)に結合された抗原は磁性ナノ粒子複合体(1210)と結合することができる。または、前記第1電極(1220)上に固定される抗体(1222)に結合された抗原は、抗体(1222)に固定された後に磁性ナノ粒子複合体(1210)の抗体(1212)と結合されることができる。この時、前記第1ターゲット物質と前記第2ターゲット物質は同じ物質である。
【0139】
試料が試料導入部(1100)に供給された後に一定時間が経過すれば、前記第1電極(1220)の第2捕獲物質(1222)により捕獲された磁性ナノ粒子複合体(1210)及びターゲット物質を除いて前記反応部(1200)を基準にして下流に移動することができる。第1電極(1220)に捕獲されなかった磁性ナノ粒子複合体(1210)、ターゲット物質及び非ターゲット物質は試料処理部(未図示)に移動することができる。試料処理部には、第1電極(1220)に捕獲されなかった多数の試料を収集することができる。
【0140】
前記第1電極(1220)上に固定される第2捕獲物質(1222)により磁性ナノ粒子複合体(1210)が捕獲された場合、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧による電流値(すなわち、印加される電圧により出力される電流値)が変動することができる。前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧による電流値が変動することは、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)に固定される反応物質(1212)の酸化/還元により前記第1電極(1220)または前記第2電極(1230)上の物質特性の変動に起因する可能性がある。
【0141】
本出願の一実施例によれば、磁性ナノ粒子複合体(1210)を用いるバイオセンサー(1000)は競争的方式の診断キットとして提供される。
【0142】
前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の前記第1捕獲物質(1213)は抗原である。前記第1捕獲物質(1213)が抗原である場合、前記第1捕獲物質(1213)は試料内の抗原(すなわち、ターゲット物質)と競争的に第1電極(1220)上の第2捕獲物質(1222)と結合することができる。この時、前記第1捕獲物質(1213)により捕獲される第1ターゲット物質は第2捕獲物質(1222)である。
【0143】
試料内の抗原(すなわち、ターゲット物質)も第1電極(1220)上の第2捕獲物質(1222)と結合することができる。この時、第2捕獲物質(1222)の第2ターゲット物質は第1捕獲物質(1213)及び試料内の抗原である。
【0144】
結果的に、前記第2捕獲物質(1222)には第1捕獲物質(1213)及び試料内の抗原が競争的に結合して、試料内の抗原量が増加するほど前記第1電極(1220)上の第2捕獲物質(1222)に捕獲される第1捕獲物質(1213)の量が減少することができる。
【0145】
前記第1電極(1220)上に固定される第2捕獲物質(1222)により磁性ナノ粒子複合体(1210)が捕獲された場合、前記第1電極(1220)上に固定される第2捕獲物質(1222)により捕獲されたターゲット物質(すなわち、抗原)の量は減少することができる。その結果、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧による電流値は前記ターゲット物質が試料に含まれなかった場合に比べて前記ターゲット物質が試料に多数含まれている場合に微小に検出され、サンドイッチ方式のバイオセンサー(1000)とは異なって、測定された検出値が微小であれば試料内のターゲット物質の量が多いと確認することができる。
【0146】
本出願における他の実施例によれば、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の前記第1捕獲物質(1213)は抗体である。前記第1捕獲物質(1213)が抗体である場合、前記第1捕獲物質(1213)は試料内の抗原(すなわち、ターゲット物質)と結合することができる。または、前記第1捕獲物質(1213)は第1電極(1220)上の第2捕獲物質(1222)と結合することができる。この時、第2捕獲物質(1222)は抗原である。前記第2捕獲物質(1222)の第2ターゲット物質は抗体である。換言すれば、前記第2捕獲物質(1222)の第2ターゲット物質は第1捕獲物質(1213)である。
【0147】
試料内の抗原(すなわち、ターゲット物質)及び電極に固定される第2捕獲物質(1222)は第1捕獲物質(1213)に対して競争することができる。
【0148】
結果的に、試料内の抗原が多いほど前記第2捕獲物質(1222)に結合される第1捕獲物質(1213)の量は減少することができる。試料内の抗原が少ないほど前記第2捕獲物質(1222)に結合される第1捕獲物質(1213)は増加することができる。
【0149】
したがって、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧による電流値は前記ターゲット物質が試料に含まれていなかった場合に比べて前記ターゲット物質が試料に多数含まれている場合に微小に検出され、測定された検出値が微小であれば試料内のターゲット物質の量が多いと確認することができる。
【0150】
2.2第1実施例におけるバイオセンサー(1000)の動作
本出願の一実施例によれば、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)には磁性を有する磁性ナノ粒子複合体(1210)が提供され、その結果反応部(1200)の状態条件(condition)を変更して前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の運動性を制御することができる。
【0151】
本出願の一実施例によれば、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の運動性を制御する手順を通じて、前記第1電極(1220)上の第2捕獲物質(1222)と結合しない(すなわち、第2捕獲物質(1222)により捕獲されなかった)他の物質を洗浄(washing)することができる。
【0152】
ここで、他の物質とは、第1電極(1220)に捕獲されなかった磁性ナノ粒子複合体(1210)、ターゲット物質及び非ターゲット物質を含むことができる。
【0153】
第1電極(1220)に捕獲されなかった磁性ナノ粒子複合体(1210)等が前記第1電極(1220)の隣接する領域に配置されることによって、前記試料内にターゲット物質が含まれていないにもかかわらずnegative signalが検出されて偽陽性で診断されたりするなどの問題を解決するために、前記反応部(1200)の状態条件を変更して他の物質を洗浄することによって、バイオセンサー(1000)の正確度、敏感度、バックグラウンド減少などを効果として導出できる利点を有する。
【0154】
前記反応部(1200)の状態条件を変更する方法は、1)前記反応部(1200)に形成される磁場を変更したり、2)前記反応部(1200)に形成される電場を変更したり、3)前記反応部(1200)に形成される磁場及び電場を変更する形態を含む。
【0155】
一例で、前記第1電極(1220)と隣接する領域に磁石が位置し、その後、前記第1電極と対向する領域に磁石が位置する形態で、前記反応部(1200)に形成される磁場を変更することができる。これに関して、具体的なバイオセンサー(1000)の動作は以下に
図7を用いて説明する。
【0156】
他の例で、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に印加される電圧の大きさ、周波数などを変更して電場を変更することができ、また他の例で、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)とは異なるコイル形態の第3電極を含むバイオセンサー(1000)において、前記第3電極に印加される電流を変更して、前記反応部(1200)に形成される磁場及び/または電場を変更することができる。
【0157】
図7は本出願の第1実施例におけるバイオセンサー(1000)の動作を説明する図である。
【0158】
本出願の一実施例によれば、前記反応部(1200)の第1電極(1220)下段及び前記反応部(1200)の第1電極(1220)上段に磁場(magnetic field)を形成するための機構が配置されることができ、前記磁場を形成するための機構のON/OFFが制御されることができる。
【0159】
前記磁場の形成は磁石と第1電極(1220)の間隔によって制御されることができる。磁石と第1電極(1220)の間隔が狭いと前記反応部(1200)内の磁場が更に強くなる。磁石を第1電極(1220)下段と上段を交互に位置させたり、上段または下段に位置する磁場を形成するための機構のON/OFFを交互に行う時、その回数や維持時間により磁性ナノ粒子複合体(1210)の運動が変わる。
【0160】
より具体的に、本出願の一実施例における磁性ナノ粒子複合体(1210)を利用して実験を行った結果、磁性ナノ粒子複合体(1210)が反応部(1200)に位置する場合、反応部(1200)の上/下に磁石を繰り返して位置させた時、磁石が反応部(1200)の上/下で100回繰り返して位置する場合に比べて磁石が反応部(1200)の上/下で200回繰り返して位置する場合は、信号は微弱に小さくなったが相対的に安定した(すなわち、error barが小さくなった)様相を示し、磁石が反応部(1200)の上/下で400回繰り返して位置する場合は、磁石が反応部(1200)の上/下で100回繰り返して位置し、200回繰り返して位置する場合に比べて検出信号が大きくなり、安定的で、均一性も向上する様相を示すことが確認された。
【0161】
以下では、説明の便宜のために上述の実施例に基づいたバイオセンサー(1000)の動作を説明するが、磁場を形成するための機構の配置位置が変更されたり、説明された通り磁場及び/または電場を変更して反応部(1200)の環境条件を変更する場合も当業者によって容易に具現されることができるため、各場合の具体的な説明は省略する。
【0162】
試料がバイオセンサー(1000)の試料導入部(1100)に供給されれば、試料はバイオセンサー(1000)内の経路に従って移動することができる。
【0163】
本出願の他の実施例によれば、必需ではないが、前記試料がバイオセンサー(1000)の試料導入部(1100)に供給されれば、前記反応部(1200)の環境条件制御を開示できるように、前記バイオセンサー(1000)の試料導入部(1100)は前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)とは異なる別途の電極を備えることができる。
【0164】
試料は試料導入部(1100)を通過して反応部(1200)に移動することができる。前記反応部(1200)には磁性ナノ粒子複合体(1210)が存在することができる。前記反応部(1200)の第1電極(1220)の上/下段に配置される磁場を発生させる機構がOFFになれば、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)及び試料は試料導入部(1100)から下流方向へ移動することができる。
【0165】
前記ターゲット物質は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の第1捕獲物質(1213)と結合することができる。前記磁性ナノ粒子複合体(1210)及びターゲット物質は抗原−抗体反応による結合を行うことができる。前記抗原−抗体反応は前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)で実行されることができる。
【0166】
前記ターゲット物質は前記第1電極(1220)の第2捕獲物質(1222)と結合することができる。前記第2捕獲物質(1222)に結合したターゲット物質と結合する磁性ナノ粒子複合体(1210)は前記第2捕獲物質(1222)により捕獲されてバイオセンサー(1000)の検出信号の変動に関与することができる。
【0167】
本出願の一実施例によれば、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の上段に配置される磁場を発生させる機構がOFFになり、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の下段に配置される磁場を発生させる機構がONになれば、前記反応部(1200)の第1電極(1220)側に磁性ナノ粒子複合体(1210)の運動が誘導されることができる。このような手順を通じて、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の第1捕獲物質(1213)及びターゲット物質間及び/またはターゲット物質及び第1電極(1220)の第2捕獲物質(1222)の間の反応が向上する。
【0168】
以後、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の下段に配置される磁場を発生させる機構がOFFになり、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の上段に配置される磁場を発生させる機構がONになれば、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の上段側に磁性ナノ粒子複合体(1210)の運動が誘導されることができる。このような環境条件で、前記第1電極(1220)の第2捕獲物質(1222)に捕獲されなかった磁性ナノ粒子複合体(1210)が第1電極(1220)の上段側に誘導され、前記第1電極(1220)の第2捕獲物質(1222)と隣接する領域に捕獲されなかった磁性ナノ粒子複合体(1210)が洗浄(washing)できる。換言すれば、前記第1電極(1220)の第2捕獲物質(1222)に捕獲されなかった磁性ナノ粒子複合体(1210)が第1電極(1220)の上段側に誘導され、前記第1電極(1220)の第2捕獲物質(1222)と隣接する領域から捕獲されなかった磁性ナノ粒子複合体(1210)が除去(remove)できる。
【0169】
本出願の他の実施例によれば、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の上段に配置される磁場を発生させる機構がOFFになり、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の下段に配置される磁場を発生させる機構がONになる第1環境条件、及び前記反応部(1200)の第1電極(1220)の下段に配置される磁場を発生させる機構がOFFになり、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の上段に配置される磁場を発生させる機構がONになる第2環境条件は繰り返し実行することができる。
【0170】
換言すれば、前記反応部(1200)に第1環境条件が造成されて一定時間経過した後、第2環境条件が造成される場合の実施例以外にも、前記反応部(1200)に第1環境条件が造成された後の第2環境条件が造成された後に、第1環境条件及び第2環境条件が順次繰り返し造成されるように制御することができる。
【0171】
このような手順を通じて、試料に含まれるターゲット物質は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)と特異的に結合は更に活発になる。換言すれば、このような手順を通じて、試料に含まれるターゲット物質は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)と特異的結合程度が増加することができ、その結果、バイオセンサー(1000)の敏感度は向上することができる。
【0172】
前記反応部(1200)の第1電極(1220)の上段に配置される磁場を発生させる機構がOFFになり、前記反応部(1200)の第1電極(1220)の下段に配置される磁場を発生させる機構がOFFになれば、第2捕獲物質(1222)に捕獲されなかった磁性ナノ粒子(1211)、ターゲット物質及び非ターゲット物質は前記反応部(1200)の下流に移動することができる。
【0173】
前記第2捕獲物質(1222)に捕獲されなかった磁性ナノ粒子(1211)、ターゲット物質及び非ターゲット物質が前記反応部(1200)の下流に位置する試料処理部へ移動すると、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧による電流値を検出して試料内のターゲット物質の有無を確認することができる。
【0174】
本出願の一実施例によれば、コイル形態の第3電極を反応部(1200)の上部及び下部に配置することができる。前記反応部(1200)の上部及び下部に配置される第3電極に印加される電流を調節することによって、前記反応部(1200)に形成される磁場を制御することができる。
【0175】
図8は本出願の一実施例における磁場を供給するための第3電極の配置を説明するための拡大図である。
【0176】
図8は、
図2に示されるバイオセンサー(1000)において反応部(1200)を拡大した図である。前記反応部(1200)の上部及び下部にはコイル形態の第3電極が形成されてもよい。前記バイオセンサー(1000)が検出装置(2000)と電気的接続すれば、第3電極に印加される電流が制御される。
【0177】
具体的に、反応部(1200)の上部に位置する第3電極に電流が印加されれば、反応部(1200)の上部に磁石が配置されたのと類似する効果が誘発されることができる。一例で、反応部(1200)の上部に位置する第3電極に電流が印加されれば、磁性ナノ粒子複合体(1210)は前記反応部(1200)の上部に位置する第3電極に隣接する位置へ移動することができる。また、反応部(1200)の下部に位置する第3電極に電流が印加されれば、反応部(1200)の下部に磁石が配置されたのと類似する効果が誘発されることができる。一例で、反応部(1200)の下部に位置する第3電極に電流が印加されれば、磁性ナノ粒子複合体(1210)は前記反応部(1200)の下部に位置する第3電極に隣接する位置へ移動することができる。
【0178】
このように、前記反応部(1200)の上部に配置される第3電極及び前記反応部(1200)の下部に配置される第3電極に印加される電流を制御することによって、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の運動性を制御することができる。
【0179】
場合により、前記反応部(1200)の上部に配置される第3電極に第1電流を印加し、前記反応部(1200)の下部に配置される第3電極に第2電流を印加する動作を繰り返し行う形態で前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の運動性を制御することができる。
【0180】
2.3第2実施例におけるバイオセンサー(1000)の動作
本出願の一実施例におけるバイオセンサー(1000)は、ブロッキング物質(1221)が固定される第1電極(1220)を含むことができる。更に具体的に、本出願の一実施例におけるバイオセンサー(1000)は、BSAが固定される第1電極(1220)を含むことができる。
【0181】
前記第1電極(1220)上にBSAが固定されることは、単純に試料に含まれるターゲット物質が前記第1電極(1220)上に吸着することを防止するためのブロッキング機能を果たす以外にも、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)の酸化/還元作用を補助する機能を果たす。
【0182】
図9は本出願の一実施例におけるBSAが固定される第1電極(1220)を含むバイオセンサー(1000)の電圧による電流変化を説明する図である。
【0183】
図9を参照し、BSAが固定されず第2捕獲物質(1222)が固定される第1電極(1220)を含むバイオセンサー(1000)に、ターゲット物質を含む試料を供給して検出を行った結果、電圧の変化による電流の変化が検出されていないことを確認した(図示のグラフのBSAX)。
【0184】
ただし、同じバイオセンサー(1000)の第1電極(1220)にBSAを固定させた場合にターゲット物質を含む試料を供給して検出を行った結果、電圧の変化による電流の変化が検出されることを確認した(図示のグラフのBSAO)。
【0185】
このような結果グラフを通じて、BSA及び第2捕獲物質(1222)が固定される第1電極(1220)を含むバイオセンサー(1000)を利用して試料にターゲット物質が存在するか否かを検出できることを確認しており、ブロッキング物質(1221)(例、BSA)は磁性ナノ粒子複合体(1210)を含むバイオセンサー(1000)において酸化/還元作用を補助する機能を果たすことを確認した。
【0186】
<検出装置(2000)>
1.検出装置(2000)
1.1検出装置(2000)の構成
図10は本出願の一実施例における検出装置(2000)を説明する図である。
【0187】
前記検出装置(2000)は電極部(2100)、メモリー部(2200)、電気的信号発生部(2300)及び/または制御部(2400)を含む。ただし、上述の構成要素が全て含まれることではなく、各構成要素は省略、または重複されてもよく、既に開示されている構成要素以外の構成要素を更に含む形態で検出装置(2000)を作製することも可能である。
【0188】
1.1.1電極部(2100)
前記電極部(2100)は、電子を放出または受容する伝導性媒介体として、炭素、アルミニウム、白金、金及び/または銀などの該当分野で電極として利用される物質のうち少なくとも1つの物質を含むことができる。
【0189】
前記電極部(2100)は、前記バイオセンサー(1000)の接触部(1300)に電気的接続される機能を果たすことができる。前記電極部(2100)は前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)に電気的接続される第1電極端子、前記バイオセンサー(1000)の第2電極(1230)に電気的接続される第2電極端子を含むことができる。前記第1電極端子及び前記第2電極端子は、前記バイオセンサー(1000)の接触部(1300)が前記第1電極と電気的接続される第4電極及び前記第2電極(1230)と電気的接続される第5電極を含む場合、前記第1電極端子は前記第1電極(1220)及び第4電極と電気的接続され、前記第2電極端子は前記第2電極(1230)及び第5電極に電気的接続される。
【0190】
本出願の一実施例における電極部(2100)はバイオセンサー(1000)と電気的接続されて、前記バイオセンサー(1000)内の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の電圧及び/または電流に対する情報を前記検出装置(2000)により検出することができる。
【0191】
本出願の一実施例における電極部(2100)はバイオセンサー(1000)と電気的接続され、前記検出装置(2000)内で発生する電気エネルギー(例えば、電圧及び/または電流)を前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に伝達する機能を果たすことができる。
【0192】
本出願の一実施例によれば、前記電極部(2100)は前記バイオセンサー(1000)の接触部(1300)と物理的連結される。前記バイオセンサー(1000)は前記検出装置(2000)の一部領域に嵌合されて、前記バイオセンサー(1000)の接触部(1300)と前記検出装置(2000)の電極部(2100)が接触することができる。
【0193】
本出願の一実施例における電極部(2100)の機能に関しては、検出装置(2000)の動作で説明される具体的な実施例を通じて容易に理解されるだろう。
【0194】
1.1.2メモリー部(2200)
前記メモリー部(2200)は情報を一時的または非一時的に保存する機能を果たすことができる。
【0195】
一例で、前記メモリー部(2200)はハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリー(flash memory)、ロム(ROM:Read−Only Memory)、及び/またはラム(RAM:Random Access Memory)等を含む形態で具現されてもよい。他の例として、前記メモリー部(2200)は無線通信を通じて他のサーバーに接続されて必要な情報を他のサーバーに保存する形態で具現されてもよい。これに限定されず、前記検出装置(2000)から該当情報を活用できるように情報を保存する機能を果たす機能的ユニットはどのようなハードウェアまたはソフトウェア構造を有することに関わらず、前記メモリー部(2200)に対応することができる。
【0196】
本出願の一実施例におけるメモリー部(2200)は、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧値に関する情報を保存することができる。前記メモリー部(2200)は前記第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧による電流値を検出して前記バイオセンサー(1000)に導入される試料にターゲット物質が含まれているか否かを検出するために、印加されるべき第1電極(1220)及び第2電極(1230)の間の電圧値に関する情報が保存されることができる。
【0197】
本出願の一実施例におけるメモリー部(2200)の機能に関しては、検出装置(2000)の動作で説明される具体的な実施例を通じて容易に理解されるだろう。
【0198】
1.1.3電気的信号発生部(2300)
前記電気的信号発生部(2300)は、電圧及び/または電流を発生させる機能を果たすことができる。一例で、前記電気的信号発生部(2300)は直流電圧/電流発生器(DC voltage/current generators)を含んでもよい。他の例で、前記電気的信号発生部(2300)はPWM出力発生器を含むことができる。また、他の例で、前記電気的信号発生部(2300)は交流標準電圧発生器を含んでもよい。
【0199】
前記電気的信号発生部(2300)は、電圧及び/または電流を発生させる機能を果たすICチップなどの電子回路形態で形成されてもよく、ハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組合せによりコンピュータやこれに類似する装置で形成されてもよく、本出願の一実施例に係る場合、前記電気的信号発生部(2300)は前記制御部(2400)に含まれる形態で形成されてもよい。
【0200】
本出願の一実施例における電気的信号発生部(2300)の機能に関しては、検出装置(2000)の動作で説明される具体的な実施例を通じて容易に理解されるだろう。
【0201】
1.1.4制御部(2400)
前記制御部(2400)は検出装置(2000)の全般的な動作を制御することができる。前記制御部(2400)はこのために各種情報の演算及び処理を実行し、前記検出装置(2000)の構成要素の動作を制御することができる。
【0202】
前記制御部(2400)はハードウェア、ソフトウェアまたはこれらの組合せによりコンピュータやこれに類似する装置で形成されることができる。ハードウェア的に制御部(2400)は電気的信号を処理して制御機能を果たすCPUチップなどの電子回路形態で提供されてもよく、ソフトウェア的にはハードウェア的な制御部(2400)を駆動するプログラム形態で提供されてもよい。
【0203】
前記制御部(2400)は前記電極部(2100)を通じて前記バイオセンサー(1000)に電圧及び/または電流を供給できる前記電気的信号発生部(2300)を制御することができる。
【0204】
本出願の一実施例における前記制御部(2400)は、前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧の変化により電流を検出して前記バイオセンサー(1000)に導入される前記試料に前記ターゲット物質が捕獲されているか否かを確認するために、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に印加される電圧を上昇させる第1段階及び下降させる第2段階を含む電圧を供給するように制御することができる。これは、循環電圧を供給して、試料に含まれるターゲット物質の定性及び/または定量を分析するためである。
【0205】
本出願の一実施例における前記制御部(2400)は、前記電流の曲線を安定化させるために少なくとも前記第1段階での最低電圧及び前記第2段階での最低電圧のうち少なくとも1つの最低電圧より高い電圧を予め設定された時間以上印加する電圧を供給するように制御する。
【0206】
ここで、安定化されるとの意味は、循環電圧供給段階での電圧による電流グラフで、電流が最大である際に電位/還元電位が相対的に増加したり、及び/または電流が最小である際に電位/酸化電位値が相対的に減少することを意味する。または、ここで、安定化されるとの意味は、循環電圧供給段階での電圧による電流グラフで、最大電流値が相対的に増加したり、及び/または最小電流値が相対的に減少することを意味する。または、ここで、安定化されるとの意味は、循環電圧供給段階での電圧による電流グラフで、電圧0Vに対応する酸化による電流(電圧増加による電流)及び還元による電流(電圧減少による電流)が相対的に更に一致することを意味する。
【0207】
本出願の一実施例における前記制御部(2400)は、前記電極部(2100)または別途の磁場形成機構を通じて前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)の環境条件を変更するように制御する。一例で、前記制御部(2400)は前記電極部(2100)と電気的接続される前記第1電極(1220)、前記第2電極(1230)及び/または前記第3電極に供給される電気的信号を制御して、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)の環境条件を変更するように制御する。他の例で、前記制御部(2400)は前記検出装置(2000)に含まれる別途の磁場形成機構のON/OFFを制御して、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)の環境条件を変更するように制御する。
【0208】
以下で特別に言及しない場合、検出装置(2000)の動作は制御部(2400)の制御によって実行されると解釈される。本出願の一実施例における制御部(2400)の機能に関しては、検出装置(2000)の動作で説明される具体的な実施例を通じて容易に理解されるだろう。
【0209】
1.2検出装置(2000)の動作
図11は本出願の一実施例における検出装置(2000)の動作を説明する図である。
【0210】
本出願の一実施例によれば、検出装置(2000)は第1信号を受信(S1000)すれば、第2信号を供給(S2000)して、第3信号を検出(S3000)することができる。ただし、各段階が必ず実行されるわけではなく、各段階を省略したり重複して実行することができ、他の手順が追加的に実行されることも可能である。
【0211】
1.2.1第1信号の受信(S1000)
本出願の一実施例によれば、前記検出装置(2000)は第1信号を受信(S1000)することができる。一例で、第1信号とは前記バイオセンサー(1000)に追加的に具備される別途の電極等を通じて前記バイオセンサー(1000)の試料導入部(1100)に試料が導入される場合に受信される信号を意味する。他の例で、第1信号とは前記バイオセンサー(1000)に追加的に具備される別途の電極等を通じて前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に試料が到達した場合に受信される信号を意味する。また他の例で、第1信号とは前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び/または第2電極(1230)を通じて前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に試料が到達した場合に受信される信号を意味する。また他の例で、第1信号とは前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び/または第2電極(1230)を通じて前記バイオセンサー(1000)の試料処理部に試料が到達した場合に受信される信号を意味する。
【0212】
前記検出装置(2000)の制御部(2400)は、第1信号が受信されれば第2信号(S2000)の供給を開始する。
【0213】
1.2.2第2信号の供給(S2000)
本出願の一実施例によれば、前記検出装置(2000)は第2信号を供給(S2000)することができる。一例で、第2信号とは、前記検出装置(2000)が前記バイオセンサー(1000)の一つの動作を制御するための信号である。前記第2信号の例示として、1)前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)の環境条件を変更するために前記バイオセンサー(1000)に伝送される信号を意味することになり、2)前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧の変化による電流を検出して前記バイオセンサー(1000)に導入される前記試料に前記ターゲット物質が捕獲されているか否かを確認するために、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に印加される電圧を上昇させる第1段階及び下降させる第2段階を含む電圧を供給するために前記バイオセンサー(1000)に伝送される信号を意味することになり、及び/または、3)前記電流の曲線を安定化させるために少なくとも前記第1段階での最低電圧及び前記第2段階での最低電圧のうち少なくとも1つの最低電圧より高い電圧を予め設定された時間以上印加する電圧を供給するために前記バイオセンサー(1000)に伝送される信号を意味することになる。
【0214】
図12は本出願の一実施例における第2信号の供給(S2000)を説明する図である。
【0215】
本出願の一実施例によれば、前記検出装置(2000)は第2−1信号を供給(S2100)し、第2−2信号を供給(S2200)し、第2−3信号を供給(S2300)することができる。ただし、各段階が必ず実行されるわけではなく、各段階を省略したり重複して実行することができ、他の手順が追加的に実行されることも可能である。
【0216】
前記第2−1信号の供給(S2100)は、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)の環境条件を変更するために、前記検出装置(2000)から前記バイオセンサー(1000)に電気的信号が伝送される動作を意味する。
【0217】
一例で、前記制御部(2400)は前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧の大きさ、周波数などを変更するための電気的信号を供給して、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)の環境条件を変更することによって、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に位置する磁性ナノ粒子複合体(1210)、ターゲット物質及び/または非ターゲット物質の運動性を変更することができる。
【0218】
他の例で、前記制御部(2400)はバイオセンサー(1000)に含まれるコイル形態の第3電極に印加される電流を変更するための電気的信号を供給して、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)の環境条件を変更することによって、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に位置する磁性ナノ粒子複合体(1210)、ターゲット物質及び/または非ターゲット物質の運動性を変更することができる。
【0219】
前記第2−2信号の供給(S2200)は、以下で説明する第2−3信号の供給(S2300)の前に、第2−3信号の供給(S2300)における電流の曲線を安定化させるために、特定電圧を印加するための電気的信号が前記検出装置から前記バイオセンサー(1000)に伝送される動作を意味する。
【0220】
一例で、前記第2−2信号の供給(S2200)段階では、前記2−3信号における電流の曲線からターゲット物質の有無を検出する前に、前記第1電極(1220)の第2捕獲物質に捕獲される磁性ナノ粒子複合体(1210)の酸化/還元反応を誘導して、前記2−3信号における電流の曲線を安定化させる機能を果たすことができる。
【0221】
前記第2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に予め設定された時間以上特定電圧が印加されて、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)は酸化前処理を実行することができる。一例で、前記第2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加されることができる。他の例で、前記2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加される。
【0222】
前記第2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に予め設定された時間以上特定電圧が印加されて、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)は酸化前処理を実行し、その後、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧が減少して前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)は還元前処理を実行することができる。一例で、前記第2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間の電圧が少なくとも1V以上、少なくとも0V以下に下降される電圧が印加される。他の例で、前記2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に1.5Vの電圧が10秒の間印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.5Vから−0.2Vに、−0.1V/s速度で減少する。
【0223】
前記第2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に予め設定された時間以上特定電圧が印加されて、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)は酸化前処理を実行し、その後、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧が減少し、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)は還元前処理を実行した後、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧が増加して前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)は酸化前処理を実行することができる。一例で、前記第2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に少なくとも2秒の間、少なくとも1V以上の電圧が印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降する電圧が印加され、その後、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇する電圧が印加される。他の例で、前記2−2信号の供給(S2200)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.5Vから−0.2Vに、−0.1V/s速度で減少された後、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が−0.2Vから1.5Vに、0.1V/s速度で増加することができる
【0224】
前記第2−3信号の供給(S2300)は、前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧の変化による電流を検出して前記バイオセンサー(1000)に導入される前記試料に前記ターゲット物質が捕獲されているか否かを確認するために、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間に印加される電圧を上昇させる第1段階及び下降させる第2段階を含む電圧を供給するための信号が前記検出装置から前記バイオセンサー(1000)に伝送される動作を意味する。
【0225】
図13は本出願の一実施例における第2−3信号の供給(S2300)を説明する図である。
【0226】
一例で、前記第2−3信号の供給(S2300)段階では、循環電圧電流法(cyclic voltammetry)により試料にターゲット物質が含まれているか否か(定性分析)及び/または試料に含まれるターゲット物質の相対的量(定量分析)を行うために、少なくとも1つ周期(T)の電圧の上昇電位及び下降電位を含むスイッチング電圧(switching potential)を供給する機能を果たすことができる。
【0227】
前記第2−3信号の供給(S2300)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧が増加した後、前記第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧が減少し、前記検出装置(2000)は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)の酸化による検出値を捕獲して、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)の還元による検出値を捕獲することができる。一例で、前記第2−3信号の供給(S2300)によれば、前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇する電圧が印加された後、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降する電圧が印加されることができる。他の例で、前記2−3信号の供給(S2300)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が0.0Vから1.2Vに、0.1V/s速度で増加することに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.2Vから0.0Vに、−0.1V/s速度で減少することができる。
【0228】
前記第2−3信号の供給(S2300)によれば、前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧が減少した後、前記第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される電圧が増加し、前記検出装置(2000)は前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)の還元による検出値を捕獲して、前記磁性ナノ粒子複合体(1210)の反応物質(1212)の酸化による検出値を捕獲することができる。一例で、前記第2−3信号の供給(S2300)によれば前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間の電圧が少なくとも1V以上から少なくとも0V以下に下降する電圧が印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)の間の電圧が少なくとも0V以下から少なくとも1V以上に上昇する電圧が印加されることができる。他の例で、前記2−3信号の供給(S2300)によれば、前記バイオセンサー(1000)の前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.2Vから0.0Vに、−0.1V/s速度で減少することに続いて、第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が0.0Vから1.2Vに、0.1V/s速度で増加することができる。
【0229】
1.2.3第3信号の検出(S3000)
本出願の一実施例によれば、前記検出装置(2000)は第3信号を検出(S3000)することができる。一例で、前記第3信号の検出は前記検出装置(2000)が前記第2−3信号の供給(S2300)における前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)の電流を検出する動作を意味する。
【0230】
より具体的に、第2−3信号の供給(S2300)が循環電圧電流法(cyclic voltammetry)によりターゲット物質の有無を分析する場合、第3信号検出を通じて獲得された前記第2−3信号の供給(S2300)による第1電極(1220)及び第2電極(1230)の上昇電位及び下降電位による電流グラフが最大電流値及び最小電流値を有することを確認することで、試料へのターゲット物質の存在を確認することができる。
【0231】
1.3第3実施例における検出装置(2000)の動作
図14は本出願の第3実施例における第2−3信号の供給(S2300)の前に、還元前処理を行う動作を説明する図である。
【0232】
本出願の一実施例における検出装置(2000)は、前記第2−3信号の供給(S2300)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が0.0Vから1.2Vに、0.1V/s速度で増加することに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.2Vから0.0Vに、−0.1V/s速度で減少するように第2−3信号が供給される場合、前記第2−3信号の供給(S2300)の前に、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に還元前処理が実行される。
【0233】
前記第2−3信号の供給(S2300)の前に、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に還元前処理が実行されるように第2−2信号を供給(S2200)することができる。
【0234】
本出願の一実施例における検出装置(2000)は、前記第2−2信号の供給により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.5Vから−0.2Vに、−0.1V/s速度で減少することができる。
【0235】
図15は本出願の一実施例における第2−2信号の供給(S2200)及び第2−3信号の供給(S2300)における第3信号の検出グラフを説明する図である。
【0236】
図15のAは前記第2−3信号の供給(S2300)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が0.0Vから1.2Vに、0.1V/s速度で増加することに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.2Vから0.0Vに、−0.1V/s速度で減少するように第2−3信号が供給される場合、前記第2−3信号の供給(S2300)の前に、前記第2−2信号の供給(S2200)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.5Vから−0.2Vに、−0.1V/s速度で減少し、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が−0.2Vから1.5Vに、0.1V/s速度で増加する場合の第2−3信号による電圧による電流グラフを図示した。
【0237】
図15のBは
図13に示される時間による電圧グラフに対応する電圧が第1電極(1220)及び第2電極(1230)に印加される場合の第2−3信号による電圧における電流グラフを図示した。
【0238】
図15のCは前記第2−3信号の供給(S2300)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が0.0Vから1.2Vに、0.1V/s速度で増加することに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.2Vから0.0Vに、−0.1V/s速度で減少するように第2−3信号が供給される場合、前記第2−3信号の供給(S2300)の前に、前記第2−2信号の供給(S2200)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加される場合の第2−3信号による電圧おける電流グラフを図示した。
【0239】
図15を参照すれば、Bに対応する電圧−電流グラフでの最大電流値が、A、Cに対応する電圧対比電流グラフでの最大電流値に比べて増加したことが確認できる。
【0240】
また、
図15を参照すれば、Bに対応する電圧−電流グラフでの電流が最大である時の電位/還元電位が、A,Cに対応する電圧−電流グラフでの電流が最大である時の電位/還元電位に比べて増加したことが確認できる。
【0241】
また、
図15を参照すれば、Bに対応する電圧−電流グラフでの電圧0Vに対応する酸化による電流及び還元による電流が、A,Cに対応する電圧−電流グラフに比べて相対的に更に一致することが確認できる。
【0242】
1.4第4実施例における検出装置(2000)の動作
第3実施例における検出装置(2000)の動作では、第2−3信号により酸化による電流を検出した後に還元による電流を検出する場合、還元前処理が第2−3信号の前に実行される場合、第2−3信号における検出値が安定化されることを確認した。
【0243】
第4実施例における検出装置(2000)の動作では、第2−3信号により還元による電流を検出した後に酸化による電流を検出する場合、安定化された第2−3信号における検出値を捕獲するために酸化前処理を行う実施例に対して説明する。
【0244】
図16は本出願の第4実施例における第2−3信号の供給(S2300)の前に酸化前処理を行う動作を説明する図である。
【0245】
本出願の一実施例における検出装置(2000)は、前記第2−3信号の供給(S2300)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.2Vから0.0Vに、−0.1V/s速度で減少することに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が0.0Vから1.2Vに、0.1V/s速度で増加するように第2−3信号が供給(S2300)される場合、前記第2−3信号の供給(S2300)の前に、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に酸化前処理が実行されることができる。前記第2−3信号の供給(S2300)の前に、前記バイオセンサー(1000)の反応部(1200)に酸化前処理が実行されるように第2−2信号を供給(S2200)することができる。本出願の一実施例における検出装置(2000)は、前記第2−2信号の供給(S2200)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加されることができる。
【0246】
本出願の一実施例における検出装置(2000)は、前記第2−2信号の供給(S2200)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.5Vから−0.2Vに、−0.1V/s速度で減少した後、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が−0.2Vから1.5Vに、0.1V/s速度で増加することができる。
【0247】
本出願の一実施例における検出装置(2000)は、前記第2−2信号の供給(S2200)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び第2電極(1230)には1.5Vの電圧が10秒の間印加されることに続いて、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が−0.2Vから1.5Vに、0.1V/s速度で増加することができる。
【0248】
その結果、前記第2−3信号の供給(S2300)により前記バイオセンサー(1000)の第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が0.0Vから1.2Vに、0.1V/s速度で増加した後、前記第1電極(1220)及び前記第2電極(1230)に印加される電圧が1.2Vから0.0Vに、−0.1V/s速度で減少するように第2−3信号が供給(S2300)する場合、
図15のグラフと同じように最も安定化される第2−3信号による電圧における電流グラフを獲得できることができる。
【0249】
今まで、本出願のいくつかの実施例における循環電圧電流法(cyclic voltammetry)によりターゲット物質の有無を分析する方法に対して具体的に開示したが、本出願の一実施例によれば差動パルス電圧法(Differential pulse Voltammetry)に従ってターゲット物質の有無を分析することもできる。
【0250】
具体的な例で、前記2−3信号を供給(S2300)して、第3信号を検出(S3000)する段階において、前記2−3信号を供給(S2300)する時点で1Vの電圧から0Vの電圧まで、1)4mVのステップポテンシャル(step potential)を有し、2)−50mVの変調振幅(modulation amplitude)を有し、3)変調時間(modulation time)が5秒であり、4)インターバルタイム(interval time)が200msである形態でパルス信号を提供することができる。
【0251】
その結果、前記第3信号を検出(S3000)する段階では印加パルスによる電流のグラフが示され、示されたグラフは最大電流値または最小電流値を有するかを確認することで、試料へのターゲット物質の存在を確認することができる。
【0252】
上述では本出願における実施例を基準にして本出願の構成と特徴を説明したが、本出願はこれに限定されることではなく、本出願の思想と範囲内で多様に変更または変形できることは、当業者に明白であり、従ってこのような変更または変形は本出願の特許請求の範囲に属することを明らかにする。