【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1.ウェブサイトの掲載日 :令和3年5月31日 ウェブサイトのアドレス:https://www.instagram.com/?hl=ja https://www.instagram.com/metal._.live/ 公開者 :株式会社ONE LIVE 2.ウェブサイトの掲載日 :令和3年5月31日 ウェブサイトのアドレス:https://twitter.com/?lang=ja https://twitter.com/metalive5 公開者 :株式会社ONE LIVE 3.ウェブサイトの掲載日 :令和3年5月31日 ウェブサイトのアドレス:https://www.youtube.com/ https://www.youtube.com/channel/UCECIlsFBUBRF8CFJXS62UqA 公開者 :株式会社ONE LIVE 4.ウェブサイトの掲載日 :令和3年5月31日 ウェブサイトのアドレス:https://www.j−metalive.com/ 公開者 :株式会社ONE LIVE
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような方法は、金属の日々の国際相場の影響を受け、頻繁な見積と交渉の過程を経て遂行される金属屑取引業界の業務実態に即していない。
【0008】
本発明は、金属屑取引業界の業務実態に即した金属屑取引システム、金属屑取引方法及び金属屑取引プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の金属屑取引システムは、
複数の操作端末と、
前記複数の操作端末の間の通信を可能とする情報通信網と、
前記情報通信網を介して前記複数の操作端末と通信可能な管理サーバーと、
前記管理サーバーの指示により情報を記憶する管理データベースと、を有し、
前記複数の操作端末は、前記情報通信網および前記管理サーバーを介して前記複数の操作端末に含まれる他の操作端末へ金属屑の見積情報を送信する見積情報送信手段を有し、
前記管理サーバーは、
金属相場データを前記管理データベースに記憶させる相場情報記憶手段と、
前記管理データベースに記憶された前記金属相場データを、前記情報通信網を介して前記複数の操作端末へ送信する相場情報送信手段と、
前記見積情報を前記管理データベースに履歴情報として記憶させる履歴情報記憶手段と、
前記管理データベースに記憶された前記履歴情報を前記操作端末からの要求に応じて前記操作端末へ送信する履歴情報送信手段と、を有
し、
前記複数の操作端末のそれぞれは、その操作端末を使用する利用者を特定する2次元コードを表示する2次元コード表示手段を有し、
前記複数の操作端末は、
前記2次元コードを画像認識する画像認識手段と、
前記2次元コードから取得したコード情報を、前記情報通信網を介して前記管理サーバーへ送信するコード情報送信手段と、を有し、
前記管理サーバーは、
前記コード情報送信手段が送信した情報に基づき、前記コード情報を送信した前記操作端末を使用する利用者と、前記コード情報により特定された利用者とが、取引関係にあることを前記管理データベースに記憶させる取引先記憶手段と、
前記複数の操作端末からの要求に応じて、前記取引関係にある利用者の情報を前記複数の操作端末へ送信する取引先情報送信手段と、を更に有する。
【0010】
本願の金属屑取引方法は、
複数の操作端末と、
前記複数の操作端末の間の通信を可能とする情報通信網と、
前記情報通信網を介して前記複数の操作端末と通信可能な管理サーバーと、
前記管理サーバーの指示により情報を記憶する管理データベースと、を使用する金属屑取引方法であって、
前記複数の操作端末が、前記情報通信網および前記管理サーバーを介して前記複数の操作端末に含まれる他の操作端末へ金属屑の見積情報を送信するステップと、
前記管理サーバーが、
金属相場データを前記管理データベースに記憶させるステップと、
前記管理データベースに記憶された前記金属相場データを、前記情報通信網を介して前記複数の操作端末へ送信するステップと、
前記見積情報を前記管理データベースに履歴情報として記憶させるステップと、
前記管理データベースに記憶された前記履歴情報を前記操作端末からの要求に応じて前記操作端末へ送信するステップと、
前記複数の操作端末のそれぞれが、その操作端末を使用する利用者を特定する2次元コードを表示するステップと、
前記複数の操作端末が、
前記2次元コードを画像認識するステップと、
前記2次元コードから取得したコード情報を、前記情報通信網を介して前記管理サーバーへ送信するステップと、
前記管理サーバーが、
前記コード情報に基づき、前記コード情報を送信した前記操作端末を使用する利用者と、前記コード情報により特定された利用者とが、取引関係にあることを前記管理データベースに記憶させるステップと、
前記複数の操作端末からの要求に応じて、前記取引関係にある利用者の情報を前記複数の操作端末へ送信するステップと、を含む。
【0011】
本願の金属屑取引プログラムは、
複数の操作端末と、
前記複数の操作端末の間の通信を可能とする情報通信網と、
前記情報通信網を介して前記複数の操作端末と通信可能な管理サーバーと、
前記管理サーバーの指示により情報を記憶する管理データベースと、に所定の手段を実行させる金属取引支援プログラムであって、
前記複数の操作端末に、前記情報通信網および前記管理サーバーを介して前記複数の操作端末に含まれる他の操作端末へ金属屑の見積情報を送信する見積情報送信手段を実行させ、
前記管理サーバーに、
金属相場データを前記管理データベースに記憶させる相場情報記憶手段を実行させ、
前記管理データベースに記憶された前記金属相場データを、前記情報通信網を介して前記複数の操作端末へ送信する相場情報送信手段を実行させ、
前記見積情報を前記管理データベースに履歴情報として記憶させる履歴情報記憶手段を実行させ、
前記管理データベースに記憶された前記履歴情報を前記操作端末からの要求に応じて前記操作端末へ送信する履歴情報送信手段を実行させ
、
前記複数の操作端末のそれぞれに、その操作端末を使用する利用者を特定する2次元コードを表示する2次元コード表示手段を実行させ、
前記複数の操作端末に、
前記2次元コードを画像認識する画像認識手段を実行させ、
前記2次元コードから取得したコード情報を、前記情報通信網を介して前記管理サーバーへ送信するコード情報送信手段を実行させ、
前記管理サーバーに、
前記コード情報送信手段が送信した情報に基づき、前記コード情報を送信した前記操作端末を使用する利用者と、前記コード情報により特定された利用者とが、取引関係にあることを前記管理データベースに記憶させる取引先記憶手段を実行させ、
前記複数の操作端末からの要求に応じて、前記取引関係にある利用者の情報を前記複数の操作端末へ送信する取引先情報送信手段を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、金属屑取引業界の業務実態に即した金属屑取引システム、金属屑取引方法及び金属屑取引プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本実施形態に係る金属屑取引システム、金属屑取引方法及び金属屑取引プログラムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係るシステムの全体構成を模式的に示した図である。
図2は本発明に係る管理サーバー10、管理データベース20、操作端末30を示すブロック図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る金属屑取引システムは、
複数の操作端末30と、
複数の操作端末30の間の通信を可能とする情報通信網と、
情報通信網を介して複数の操作端末30と通信可能な管理サーバー10と、
管理サーバー10の指示により情報を記憶する管理データベース20と、を有し、
複数の操作端末30は、情報通信網を介して複数の操作端末30に含まれる他の操作端末30および管理サーバー10へ金属屑の見積情報を送信する見積情報送信手段30bを有し、
管理サーバー10は、
金属相場データを管理データベース20に記憶させる相場情報記憶手段10iと、
管理データベース20に記憶された金属相場データを、情報通信網を介して複数の操作端末30へ送信する相場情報送信手段10fと、
見積情報を管理データベース20に履歴情報として記憶させる履歴情報記憶手段10hと、
管理データベース20に記憶された履歴情報を操作端末30からの要求に応じて操作端末30へ送信する履歴情報送信手段10dと、を有する。これにより、金属屑取引業界の業務実態に即した金属屑取引システムとしている。なお、本願において「見積情報」とは、買い手が特定の取引対象物について算出した価格等に関する情報と、売り手が特定の取引対象物物についての価格の算出を買い手に依頼するための情報のいずれも含む。
【0015】
図1では情報通信網として、インターネット40を利用した例を挙げている。
図1に示すように、システム本体は、インターネット40を介してアクセス可能な、管理サーバー10と、管理データベース20とにより構成され、例えば、管理会社がシステムの運営と管理を行う。システムの各利用者は手元の操作端末30を通してシステムを利用する。管理サーバー10の相場情報記憶手段10iは、相場情報を管理データベース20に記憶させる。相場情報は、管理サーバー10がインターネット40を通じて金属相場情報サイト50等の相場情報を提供するシステムから入手しても良いが、システム管理者が相場情報を入手し、操作端末30を操作する等して入力しても良い。また、管理サーバー10の相場情報送信手段10fは、管理データベース20に記憶された金属相場データを、インターネット40を介して操作端末30へ送信する。なお、情報通信網としては、
図1に示すように、インターネット40を用いることが好ましいが、インターネット40に限らず、LAN、WANなどの他の情報通信網を用いることができる。インターネット40を介して送信された情報は、
図2に示す管理サーバー10の受信手段10a又は操作端末30の受信手段30aによって受信される。
【0016】
管理サーバー10と各利用者の操作端末30はインターネット40を介して通信可能に接続されている。管理サーバー10には、本システムのサーバー側の本体プログラムが格納されている。管理サーバー10、管理データベース20及び操作端末30は使用するハードウェア機器やOS及びミドルウェアを特に限定するものではない。
【0017】
管理サーバー10と管理データベース20は、通常のクライアントサーバーシステムと同様のサーバー機能とデータベース機能を持ち、本システムのクライアント側のアプリケーションと連携して動作する。本システムで使用する各種情報は管理データベース20に検索可能な形式で記録される。データベースの構成方式はこれ以外の制限を特に受けることはない。本システムで使用する各種情報としては、例えば、利用者情報、会社情報、グループ等設定情報、見積情報、取引履歴情報、写真(画像)情報、金属相場情報等がある。
【0018】
各利用者の操作端末30は、本システムのクライアント側端末として、システムのアプリケーションが動作する。操作端末30は、通常のクライアント側端末としての機能を保有していればよく、これ以外に特に制限を受けることはない。具体的には、インターネット40に接続可能なスマートフォン、タブレット、パソコンなどの電子情報端末を利用することができる。
【0019】
本システムの処理プログラムは、管理サーバー10に実装されるプログラムと操作端末30に実装されるアプリケーションの両方を含んでいる。
【0020】
システム利用者としては、製鋼メーカーや精錬メーカー等のメーカー、一次問屋、二次問屋、個人事業主、金属屑が発生する金属加工工場、解体現場、製造メーカー等の金属屑取引に従事する人々を幅広く想定している。システム利用者数としては、個人事業主等が多くなると想定される。個人事業主等以外では、会社の組織で複数人が連携して業務遂行をする必要があり、取引先との交渉情報の社内共有が重要となる。
【0021】
金属の重量、金額などの取引の規模としては、メーカーと一次問屋との間が最も大きいが、取引の頻度としては、二次問屋と個人事業主等との間が最も多くなる。二次問屋と個人事業主等間で頻繁に見積のやりとりが行われるので、本システムに対するアクセスも主にそれに依存して多くなる。本システムは、利用者間のあらゆる取引で利用することができる。例えば、個人事業主等同士、二次問屋同士、一次問屋同士、メーカー同士、個人事業主等と一時問屋の間、二次問屋とメーカーの間など、
図1に矢印で示している取引以外にも利用が可能である。
【0022】
図3は、本実施形態に係る金属屑取引システムを使用して、金属屑取引交渉を行う際の処理ステップを示す図である。
図3の各処理ステップについて、操作端末30における表示例等を参照しつつ説明する。操作端末30の表示例等を
図4から
図18に示す。
【0023】
まず、システム利用者は、
図3に示すステップS201として、操作端末30を使用して、本システムを利用するための基本的な情報の登録を行う。登録内容は、利用者情報、自社会社情報等である。利用者情報としては、会社名等の法人名、氏名、メールアドレス等がある。これらの情報は、
図1に示す管理データベース20に記録される。なお、本願において「自社」とは、実施形態に係るシステムを利用者主観により説明するために想定した特定のシステム利用者を意味する。
【0024】
図4は、自社の会社情報を新規登録する画面の表示例を示す。
図5は、登録された自社の会社情報を表示する画面の表示例を示す図である。自社である「合同会社佐藤金属」に関して、所属メンバーとして佐藤一郎、鈴木二郎、高橋三郎、自社の拠点情報として西淀川営業所の住所および営業時間が登録されている。各表示項目の下には、それぞれ、「会社情報を編集」、「所属設定」、「変更」のボタンが表示され、登録内容の変更が可能となっている。また、最下部には「新規拠点を追加」のボタンが表示され、新規拠点の登録も可能となっている。
【0025】
複数の操作端末30は、見積情報および進捗情報を、複数の操作端末30に含まれる特定の操作端末30と共有することを設定する情報共有設定手段30cを有することが好ましい。また、管理サーバー10は、情報共有設定手段30cにより設定された共有に関する情報を管理データベース20に記憶させる共有関連情報記憶手段10kと、共有情報に基づき、見積情報及び進捗情報を特定の操作端末30へ送信する共有情報送信手段10cと、を有することが好ましい。
図6は共有設定を行う画面の表示例を示す図である。この画面において自社のメンバーの中で誰と情報を共有するかを設定することができる。この設定により、自社内各メンバーの顧客とのやりとり情報を含む全ての情報が共有設定したメンバー間で共有される。
【0026】
操作端末30のそれぞれは、その操作端末30を使用する利用者を特定する2次元コードを表示する2次元コード表示手段30eを有してもよい。また、操作端末30は、2次元コードを画像認識する画像認識手段30fと、2次元コードから取得したコード情報を、情報通信網を介して管理サーバー10へ送信するコード情報送信手段30gと、を有してもよい。管理サーバー10は、コード情報送信手段30gが送信した情報に基づき、コード情報を送信した操作端末30を使用する利用者と、コード情報により特定された利用者とが、取引関係にあることを管理データベース20に記憶させる取引先記憶手段10lと、操作端末30からの要求に応じて、取引関係にある利用者の情報を操作端末30へ送信する取引先情報送信手段10eと、を有してもよい。2次元コードは、本システムを使用するために必要となる利用者情報を、本システムの処理プログラムが2次元コード化したものとすることができる。各利用者の操作端末30に実装されているカメラ等によって2次元コードが画像認識されると、当該2次元コードに対応する利用者が取引先としてシステム登録される。2次元コードの画像認識は、操作端末30にインストールされた本システムのアプリケーションによって操作端末30が実行することが好ましい。2次元コードは、システム利用者間で送付して利用することができる。あるいは、自社の2次元コードを店頭に表示して、来店する利用者に画像認識してもらうことで、簡単に自社を取引先としてシステム登録させることができる。取引先のアカウントは、自社のメンバーの取引先として登録しても良いが、まずは
図16の上部に示す「法人宛」にメッセージが届き、会社の管理者が対応するように構成することが好ましい。
【0027】
図7は、登録された顧客の会社情報を表示する画面の表示例を示す図である。本願において「顧客」とは、自社として想定した特定のシステム利用者の取引先となり得る特定のシステム利用者を意味する。複数の操作端末30は、複数の操作端末30に含まれる他の操作端末30を使用する利用者のランクを設定するランク設定手段30dを有し、管理サーバー10は、ランク情報を管理データベース20に記憶させるランク情報記憶手段10gを有し、履歴情報記憶手段10hは、ランク情報と紐づけて履歴情報を記憶することが好ましい。
図7の表示例に示す会社についてランク情報及びグループ情報が管理データベース20に記憶されている場合には、管理サーバー10がインターネット40を介して当該情報を操作端末30へ送信し、操作端末30は、
図7に示す画面にランク情報及びグループ情報を表示することが好ましい。
図8は、登録された顧客のランクを表示する画面の表示例を示す。
図8に示す表示例では、株式会社田中スクラップの田中四郎と株式会社加藤メタルの加藤五郎の2名がAランクとして登録されていることを示す。ランクは、各利用者が各顧客に対して設定することができる。ここで「ランク」とは、顧客を分類して管理することを可能とする指標である。例えば、顧客を重要度に応じてAランクからCランクに分類することができるが、これに限らず、ランクの意味は各システム利用者で決めることができる。また、ランクはA、BおよびCの3段階に限らず、2段階または4段階以上としても良い。
【0028】
見積情報送信手段30bは、他の操作端末30を複数指定して、見積情報を一斉送信できることが好ましい。
図9は、グループ設定を行う画面の表示例を示す図である。
図9に示す表示例は、グループ名を「アルミ」として、顧客2名を設定した状態を示している。本画面で設定したグループは、ひとつの管理単位としてシステムに利用される。例えば、アルミに関する見積情報を複数名に一斉送信する際には、「アルミ」のグループに設定されている全ての顧客に送信する、又は、グループの中から利用者が選択した顧客に送信するといった利用が可能である。
【0029】
基本的な情報の設定後、システム利用者は、具体的な取引業務を開始する。以後、管理サーバー10は、システム上で取引業務に使用された全ての情報を、管理データベース20に記録させる。例えば、管理サーバー10は、見積情報を管理データベース20に履歴情報として記憶させる履歴情報記憶手段10hを有する。また、管理サーバー10は、管理データベース20に記憶させた情報を、操作端末30からの要求に応じて、操作端末30へ送信する。例えば、管理サーバー10は、管理データベース20に記憶された履歴情報を操作端末30からの要求に応じて操作端末30へ送信する履歴情報送信手段10dを有する。
【0030】
操作端末30の見積情報送信手段30bは、インターネット40および管理サーバー10を介して複数の操作端末30に含まれる他の操作端末30へ金属屑の見積情報を送信する。利用者は、最初に、見積対応の業務種別を設定する。購入または売却の二つの種別がある。
【0031】
図10は、見積り作成を行う画面の表示例を示す図である。
図3に示すステップS202として、購入を希望する場合は「購入」をタップし、売却を希望する場合は「売却」をタップする。
図10に例示しているように、見積り作成を行う画面には、過去の見積情報を表示するための「進行中」、「顧客別」、「外部送信履歴」、「全て」のボタンを配置しても良い。「進行中」は操作時点で進行中の案件の情報を表示するボタンである。「顧客別」は過去の案件の情報を顧客別に表示するためのボタンである。「外部送信履歴」は、SNS、SMS等により外部送信を行った履歴を表示するためのボタンである。「全て」は全ての案件の情報を表示するためのボタンである。これらのボタンを押すと、管理サーバー10を介して、管理データベース20に記録された情報がインターネット40を通じて操作端末30に送信され、操作端末30の画面上に表示される。なお、本実施形態の説明は、タッチパネルによる操作を想定して行うが、これに限られるものではなく、マウス、キーボード、音声認識等の他の操作方法を採用することもできる。
【0032】
図11及び
図12は、
図3に示すステップS202にて「購入」を選択した場合に表示される画面の例である。
図11は画面上部を表し、
図12は画面下部を表している。「売却」が選択された場合は、
図11の最上部の表示が「購入」ではなく、「売却」と表示され、単価を入力する欄が表示されないが、他は同様である。「購入」は見積作成者が金属屑を購入することを希望している場合に選択するボタンであり、「売却」は見積作成者が金属屑を売却することを希望している場合に選択するボタンである。
図3に示すステップS203として、この画面にて、見積情報を入力することができる。見積情報の入力の前に、必要に応じて、
図10に示す画面から過去の案件の情報を参照することができるため、過去の案件を参考にして見積情報を簡単に入力することができる。各入力項目の詳細については後述する。見積の作成後、
図12の最下部に示す「確認」をタップすると、確認画面が表示される。利用者は見積内容を確認し、取引先へ見積情報を送信することができる。見積情報は、インターネット40を通じて管理サーバー10へ送信され、管理サーバー10から取引先の操作端末30へ送信される。管理サーバー10は、見積情報を管理データベース20に記憶する。
【0033】
図13は、
図12に示す取引先の「追加」を選択した場合に表示される画面の表示例を示している。画面中央に利用者の顧客として登録されている取引先の選択画面が表示され、その他の部分が暗く表示される。この画面にて、見積情報を送信したい取引先を選択すると、
図12に示す画面に、選択した顧客が取引先として表示される。システム利用者が、
図13に示す検索フィールドに、例えば、個人・グループ・ランクに関するキーワードを入力すると、条件にしたがって検索された顧客が表示される。利用者は、その中から取引先を選択する。
【0034】
複数の操作端末30は、金属屑の見積情報を、管理サーバー10へ送信せず、操作端末30に含まれる他の操作端末30へのみ送信する外部送信手段30hを有しても良い。外部送信手段30hを使用する場合、利用者は、
図12の下部に示す「外部送信」の右側にチェックを入れておくと、
図14に示す画面に遷移し、SNS、SMS等のアプリケーションソフトウェアから、インターネット40を介して、本実施形態に係るシステムに登録されていない取引先へ見積り情報を送信することができる。このように、SNS、SMS、Eメールといった外部送信機能と連携することで、本システムを利用していない取引先に対しても見積依頼を送信することができる。合わせて、本システムのクライアント側アプリケーションをダウンロードするような誘導も図ることができるので、本システムの利用を促進することができる。
【0035】
図15は、
図10に示す「全て」をタップした後に表示される見積案件一覧の表示例を示す図である。複数の案件を縦方向に並べて表示している。
図15に示す画面では、各案件の左から順に、売却または購入を示す「売」、「買」のマーク、「法人」か「個人」かを示すマーク、取引先を示すマーク、品名、金額、見積期限、通信日時、ステータスを示すマークがそれぞれ表示される。
図15に示すように、見積案件一覧においては、各ステータスを、それぞれ異なる色のマークにより表示することが好ましい。これにより、利用者が、複数の案件の中から、必要な案件を容易に探すことができる。
図15に示す各案件をタップすると、各案件の見積情報を表示する画面に遷移する。各案件の見積り情報は、
図11及び
図12で入力する事項が表示されるものとすることができる。各利用者は、この見積り情報を見て顧客に連絡を取り、取り引きを進めることができる。
【0036】
図16は、見積情報の受信履歴一覧を表示する画面の表示例を示している。各見積案件は、このように、受信、発信のそれぞれのフォルダに分けて表示しても良い。受信履歴の各案件に表示される事項は、
図15の見積案件一覧と同様である。
【0037】
管理サーバー10は、複数の操作端末30の間の通信に基づき、見積情報に関する取引交渉の進捗情報を管理データベース20に記憶させる進捗情報記憶手段10jと、複数の操作端末30からの要求に応じて進捗情報を複数の操作端末30へ送信する進捗情報送信手段10bと、を有することが好ましい。進捗情報は、ステータスとして
図15および
図16に示す画面に表示する。ステータスとしては、例えば、新規、回答待ち、承認、辞退、再見積り、期限切れ、成約、未成約、回答済み、回答有り、取り下げ等を設けることが考えられる。
【0038】
図17は、各種金属の相場情報一覧を表示する画面の表示例を示す図である。
図17では、例として、「鉄(東鉄特級:Fe)」、「銅(建値:Cu)」、「アルミニウム(LME Al)」、「ニッケル(LME Ni)」、「クロム(高炭素FeCr)」、「超硬(FeW)」、「錫(LME Sn)」、「鉛(建値:Pb)」の1キログラム当たりの価格(円)を表示している。この他、例えば、「鉛(LME Pb)」、「亜鉛(建値:Zn)」、「亜鉛(LME Zn)」、「金(建値:Au)」、「銀(建値:Ag)」、「プラチナ(Pt)」、「チタン(FeTi)」、「コバルト(Co99.3%)」、「タングステン(FeW)」、「モリブデン(酸化Mo)」、「バナジウム(FeV)」、「NY原油」の相場を表示することが好ましい。ここで「建値」とは国内の精錬メーカーが円換算により算出した国内相場を意味し、「LME」とは国際相場を意味する。建値とLMEは取引によって使い分ける必要があるため、両方を表示することで見積作成を容易にしている。また、金属取引の見積価格には原油相場等の商品先物市場の相場も影響するため、原油相場等の商品先物市場の相場も表示することが好ましい。なお、「系統」は、金属屑取引においては一般的に金属の元素を意味するため、本システムにおいても、金属の元素を意味するものとしても良いが、上記のように、相場の種類を示すことで、より取引の実情に即したシステムとすることができる。
【0039】
管理サーバー10が相場情報送信手段10fにより情報通信網を介して複数の操作端末30へ送信する金属相場データは、所定期間における相場平均を含むことが好ましい。
図18は、
図17の「銅(LME Cu)」の右側に表示されている「詳細」をタップした際に表示される、銅(LME Cu)の相場情報の詳細を表示する画面の表示例を示している。この表示例では、過去の日付における米ドルのTTSレート、銅1キログラムの国際相場(米ドル)、国際相場をTTSレート(対顧客電信売相場)により円換算した値を表示している。これにより、過去の見積情報と、その見積日の相場を参考に新たな見積を作成することができ、見積の作成を容易にすることができる。
図18に示す画面の上部には、上述の所定期間における相場平均として、国際相場価格の前月平均も表示される。規模の小さな取引の金額交渉は、主に日々の国際相場価格に基づくが、規模の大きな取引、例えば、メーカーと一次問屋間の取引などは、前月平均に基づいて金額交渉が行われているという業界の実情があるためである。「所定期間における相場平均」の「所定期間」は、1か月の他、1週間、2週間、2か月、3か月、半年、1年等、任意の期間とすることができる。操作端末30の操作により任意の期間を設定できることが好ましい。また、
図18に示す画面の上部に表示する「前月現物平均値」などの数値は、各系統の取引実情に即して表示することが好ましい。例えば、
図19に示すように系統に応じた数値とすることで、本願の出願時点での取引実情に即した数値とすることができる。
【0040】
図11及び12に示す見積情報の各項目について説明する。
図11及び12に示す例では、上から順に、品名、系統、重量、形状、サイズ、風袋、引き取り条件、期限、単価、備考、登録日、写真(画像)、取引先の順に表示されている。これらの情報は、過去の見積情報を検索する際に利用することができる。例えば、過去の見積情報を検索する際に系統を特定することで、管理データベース20に記憶された同じ系統に関する見積情報を、管理サーバー10を介して操作端末30へ送信し、操作端末30に表示するものとすることができる。系統、重量、形状、サイズ、風袋、引き取り条件、単価、写真(画像)は、取引対象の金属屑に対する個別の見積条件として、金属屑固有データを構成する。見積情報は、金属屑の金属種を示す系統と、金属屑の重量と、金属屑の形状と、を含むことが好ましい。見積情報は、金属屑のサイズと、金属屑をまとめた状態を示す風袋と、金属屑の取り引き条件と、を更に含むことが好ましい。
【0041】
「系統」とは、
図17を参照して上述した項目であり、取引交渉の際及び後日となってから、相場情報を確認するための重要な項目となる。
【0042】
「重量」とは、取引の対象となる金属屑の重量規模による分類である。例えば、「1キログラム」、「5キログラム」、「100キログラム」、「200キログラム」、「1000キログラム」、「10000キログラム」、「20000キログラム」、「それ以上」等をプルダウンメニュー等の選択画面から選択できるものとすることが好ましい。
【0043】
「形状」とは、売買対象の金属屑の形状を示すものであり、例えば、「有形/コロ/新切れ」、「有形/解体/メッシュ」、「有形/打ち抜き/メッシュ」、「有形/パイプ/棒」、「タライ粉/切粉」、「粉末/スラッジ/汚泥」、「線材/電線」、「流れ/カス」、「触媒」等を、プルダウンメニュー等の選択画面から選択できるものとすることが好ましい。形状は金属屑の価値に大きく影響する。
【0044】
「サイズ」とは、金属屑の大きさを示すものであり、例えば、「インサイズ(1m以内、200kg未満)」、「オーバーサイズ」、「単重オーバー(200kg以上)」等を、プルダウンメニュー等の選択画面から選択できるものとすることが好ましい。インサイズは、溶鉱炉にそのまま投入出来るサイズであり価値が高くなる。
【0045】
「風袋」とは、金属屑がまとめられている形態を示すものであり、例えば、「バラ」、「フレコン」、「パレット」、「バッカン」、「パレティーナ」、「ドラム」、「ペール管」、「木箱」、「箱」、「個」、「結束」等を、プルダウンメニュー等の選択画面から選択できるものとすることが好ましい。売買成立後の物流の際に重要となる項目である。
【0046】
「引き取り条件」とは、どのように引き取るかを示すものであり、例えば「置き場渡し」、「持ち込み」等を、プルダウンメニュー等の選択画面から選択できるものとすることが好ましい。これも物流の際の重要事項である。
【0047】
「単価」は、金属屑の所定重量あたりの価格である。通常、円/kgが用いられるが、金属の種類等の状況に応じて円/g、円/tonが用いられる。「単価」は購入を希望する場合にのみ見積情報に含まれる。
【0048】
「写真(画像)」は、取引対象の金属屑の状態を確認する等、金属屑の取引に関連する画像を送信するために使用されるが、必ずしも金属屑の画像である必要はなく、取引状況に応じて、柔軟に活用することが期待される。
【0049】
図17に示す相場一覧を表示する画面は、
図16に示す表示例の最下部に示す「相場」のボタンから遷移する。
図16に示す表示例の下部に記載の「ホーム」、「チャット」、「見積り」、「相場」、「メニュー」を表示するメニューバーは、操作端末30において、常時又は必要に応じて表示することが好ましい。
【0050】
図17のメニューバーの「ホーム」をタップすると、
図16に示す画面に遷移する。
図17のメニューバーの「チャット」をタップすると、取引相手とのチャット画面に遷移し、取引相手とチャットによる取引条件の交渉を行うことができる。
図17のメニューバーの「見積り」をタップすると、
図10に示す画面に遷移する。
図17のメニューバーの「メニュー」をタップすると、その他のメニュー一覧が表示され、各メニューをタップすると、そのメニューの画面に遷移する。
【0051】
本実施形態に係る金属屑取引方法は、
複数の操作端末30と、
複数の操作端末30の間の通信を可能とする情報通信網と、
情報通信網を介して複数の操作端末30と通信可能な管理サーバー10と、
管理サーバー10の指示により情報を記憶する管理データベース20と、を使用する金属屑取引方法であって、
複数の操作端末30が、情報通信網および管理サーバー10を介して複数の操作端末30に含まれる他の操作端末30へ金属屑の見積情報を送信するステップと、
管理サーバー10が、
金属相場データを管理データベース20に記憶させるステップと、
管理データベース20に記憶された金属相場データを、情報通信網を介して複数の操作端末30へ送信するステップと、
見積情報を管理データベース20に履歴情報として記憶させるステップと、
管理データベースに記憶された履歴情報を複数の操作端末30からの要求に応じて複数の操作端末30へ送信するステップと、を含む。
【0052】
本実施形態に係る金属屑取引プログラムは、
複数の操作端末30と、
複数の操作端末30の間の通信を可能とする情報通信網と、
情報通信網を介して複数の操作端末30と通信可能な管理サーバー10と、
管理サーバー10の指示により情報を記憶する管理データベース20と、に所定の手段を実行させる金属屑取引プログラムであって、
複数の操作端末30に、情報通信網および管理サーバー10を介して複数の操作端末30に含まれる他の操作端末30へ金属屑の見積情報を送信する見積情報送信手段30bを実行させ、
管理サーバー10に、
金属相場データを管理データベース20に記憶させる相場情報記憶手段10iを実行させ、
管理データベース20に記憶された金属相場データを、情報通信網を介して複数の操作端末30へ送信する相場情報送信手段10fを実行させ、
見積情報を管理データベース20に履歴情報として記憶させる履歴情報記憶手段10hを実行させ、
管理データベース20に記憶された履歴情報を操作端末30からの要求に応じて操作端末30へ送信する履歴情報送信手段10dを実行させる。
【0053】
以上に説明した本実施形態の金属屑取引システム、方法及びプログラムを利用することで、金属屑売買の見積に必要な項目を入力するだけで簡単に見積情報の作成、写真(画像)添付や保存、送信が可能となる。一斉送信も可能であり、大幅な省力化となる。本実施形態のシステムは購入の場合と販売の場合の両方に利用することができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、見積に必要な項目として、品名、系統、重量、形状、サイズ、風袋、引き取り条件、期限、単価、金属相場情報、備考、写真(画像)、登録日、取引先が表示され、各項目に入力する情報をプルダウン等の選択画面から選択することで、いままでのシステムには存在していなかった金属屑取引に特化した情報を、見積情報として容易に入力し、保存し、共有することができる。また、本実施形態によれば、見積情報の送信後の進捗状況(成約、未成約)を一目で認識することができ、システムのアプリケーション内で見積りに対する返信、回答も可能となる。また案件ステータス毎や顧客別に進捗状況一覧を確認することもできる。
【0055】
また、本実施形態によれば、過去の見積情報が、顧客ごとに添付した画像を含め保存され、閲覧可能であり、閲覧時には、当日の対象金属の相場情報を合わせて確認することができる。これにより、従来、過去の見積を確認する際、過去の金属相場表から調べて見ていた手間を大きく省くことができる。また、従来、見積りを口頭で行った場合、メモを取る必要があったが、自動的に保存されることで省力化と正確性の向上が図れる。
【0056】
また、本実施形態によれば、同じ会社のメンバーを情報共有者に設定することで、送受信される見積り情報を瞬時に共有することができ、社内での価格情報の共有や取引の進捗状況が確認でき、商談のスピードを上げることができる。従来、各担当者が取得した見積情報(日々、口頭で行われる)を社内で瞬時に共有できるツールはなく、メールやSNS、日報などで別途、報告する必要があったが、本システムのアプリケーションを使用することで、発信、受信した時点においてアプリケーション内で共有される。これにより、誰がどこに見積りを送ったのか、誰から見積りを受け取ったのかを管理者が確認でき、リアルタイムで商談の進捗や内容を把握することができる。また、日報などでの報告が必要なくなる。
【0057】
また、本実施形態によれば、重要度に応じて顧客のランク設定を行い、対応履歴情報を管理することで、営業データ分析や広告戦略の策定に活用することが可能となる。
【0058】
また、本実施形態によれば、店頭に自社の2次元コードを設置して、来店者の操作端末で画像認識してもらうことで、簡単に取引先として登録され、相手と繋がることができる。これにより、従来、連絡先を交換することなく店頭に金属屑を持ち込んで、その場で買い取り依頼をしていた顧客の情報を取得し、連絡を取ることが可能となり、その後の営業活動に繋げられる点で大きな効果がある。
【0059】
上記のように、本実施形態によれば、今までの煩雑な作業が改善され、売買の速度の飛躍的な向上をもたらすとともに、営業要員数の適正化による企業の負担軽減にも繋がる。
【0060】
以上、本願の実施形態に係る金属屑取引システム、金属屑取引方法及び金属屑取引プログラムを説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用できることはいうまでもない。なお、本願の金属屑取引システムにおいては「手段」を「部」と読み替えることもできる。例えば、「見積情報送信手段」は「見積情報送信部」と読み替えることができる。また、見積情報等は管理データベース20に記憶することが好ましいが、これに限らず、管理サーバー10又は操作端末30に搭載されている記憶装置に記憶しても良い。
【解決手段】 複数の操作端末30が、情報通信網および管理サーバー10を介して複数の操作端末30に含まれる他の操作端末へ金属屑の見積情報を送信する見積情報送信手段30bを有し、管理サーバー10が、金属相場データを管理データベース20に記憶させる相場情報記憶手段10iと、管理データベース20に記憶された金属相場データを、情報通信網を介して複数の操作端末30へ送信する相場情報送信手段10fと、見積情報を管理データベース20に履歴情報として記憶させる履歴情報記憶手段10hと、管理データベース20に記憶された履歴情報を操作端末30からの要求に応じて操作端末30へ送信する履歴情報送信手段10dと、を有するものとする。