(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アーム(20、30)のそれぞれは、各アームを対応するハンドル部材(12、13)に結合するための弾性部材(25、35)を含み、各弾性部材(25、35)は、前記アーム(20、30)のそれぞれにおける開口(26、36)を備え、弾性要素(6、7)が前記開口の内側に突出していることを特徴とする、請求項1に記載のプライヤ状器具。
前記アーム(20、30)のそれぞれは、各アームを対応するハンドル部材(12、13)に結合するための弾性部材(25、35)を含み、各弾性部材(25、35)は、前記アーム(20、30)のそれぞれにおける開口(26、36)を備え、アーム構造に固定された一方の端と、それぞれの開口(26、36)の内部を自由に移動できる他方の端(38、39)とを有する板バネが備えられることを特徴とする、請求項1に記載のプライヤ状器具。
前記第2のより遠位の連結点(31、33)は、前記アーム(20、30)のそれぞれにおいて形成されたスロット(15、21)であって、各ハンドル部材(12、13)の前記遠位端(42、46)に垂直に固定された対応する摺動ピン(31、33)によって係合されるスロット(15、21)内に位置していることを特徴とする、請求項1に記載のプライヤ状器具。
各ハンドル部材(12、13)は、前記ハンドル部材(12、13)の中間位置に位置するピン(27、29)によって、一方のアーム(20、30)の前記弾性要素(6、7)の前記拡大自由端(38、39)に、及び前記ハンドル部材(12、13)の前記遠位端(42、46)に位置し他方のアーム(30、20)のスロット(15、21)の内部を摺動する摺動ピン(31、33)によって、前記他方のアーム(30、20)に交差連結されることを特徴とする、請求項6に記載のプライヤ状器具。
前記摺動ピン(31、33)は、各ハンドル部材(12、13)の前記遠位端(42、46)に垂直に固定されていることを特徴とする、請求項8に記載のプライヤ状器具。
前記ジョー(2、3)は前記アーム(20、30)の対応する遠位端(22、32)上に、弾性要素(45、55)を介在させて、取り外し可能な様態で取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載のプライヤ状器具。
対応するジョー(2、3)と一体に形成された、かつ前記ジョー(2、3)の長手方向の延在に垂直な方向において延在する、対応するピン(10、11)を受け入れるために、各アーム(20、30)の前記遠位端(22、32)においてガイドスロット(16、17)が備えられることを特徴とする、請求項10に記載のプライヤ状器具。
前記ジョー(2、3)の前記遠位クランプ部分(8、9)の間の所望の距離を維持するために、前記アーム(20、30)の近位端(24、34)においてロック手段(47)が備えられることを特徴とする、請求項1に記載のプライヤ状器具。
前記ロック手段(47)は、一方のアーム(30)の前記近位端(34)においてヒンジ(50)上に枢動可能に取り付けられた鋸歯状バー(49)であって、前記ハンドル部材(12、13)によって前記アーム(20、30)の一方が他方に向けて接近するよう強いられる場合に、他方のアーム(20)の前記近位端(24)において備えられたラチェット(47)によって係合される、鋸歯状バー(49)を含むことを特徴とする、請求項13に記載のプライヤ状器具。
前記ラチェット(47)を前記鋸歯状バー(49)の歯との係合から解放し、前記ハンドル部材(12、13)を解放して前記整形外科手術用プライヤ状器具(1)を使用準備完了位置に戻すための押しボタン(28)が、一方のアーム(20)の前記近位端(24)において備えられることを特徴とする、請求項14に記載のプライヤ状器具。
前記ジョー(2、3)の前記遠位クランプ部分(8、9)は取り外し可能であり、前記アーム(20、30)のそれぞれの前記遠位端において備えられたシート内で支持される対応するピンによって支持され、ファスナ機構(21、23)が、前記遠位クランプ部分(8、9)を迅速に解放するために前記ジョー(2、3)のそれぞれにおいて備えられることを特徴とする、請求項1に記載のプライヤ状器具。
【背景技術】
【0003】
この特定の技術分野においてよく知られているように、膝蓋は大腿骨顆の間の溝内を摺動するレンズ形状骨の種子骨である。その機能は、筋肉による前方引っ張りの作用線をシフトさせることによって四頭筋の効率を向上させることである。
【0004】
膝関節として、筋肉及び腱は膝蓋を大腿骨顆に向かうよう強いる。従って、膝蓋と、膝関節を構成するその他の骨との間にはかなりの相対運動が存在する。
【0005】
加齢、病気、又はスポーツ活動により膝の関節表面は劣化する可能性がある。特定の病状を治療するために、顆を外科的に除去し、これらの構造をプロステーゼインプラントに置き換えることが一般的になっている。同じ処置によって、膝蓋の関節表面も置き換えられる場合がある。膝蓋に接続された腱のため、関節表面のみを置き換えることが一般に望ましい。例えば、金属ベースプレートを有する又は有さない、関節表面を有するポリエチレンによって作られた膝蓋ボタンが、大腿骨顆に隣接する膝蓋の後側又は内側を置き換えるため使用されている。そのようなプロステーゼをインプラントするために、膝蓋の後面を切除して、プロステーゼをその上に取り付けることが可能な平坦な表面が作られる。
【0006】
損傷した膝蓋表面の切断、穿孔、及び置き換えの処置は複雑であり時間がかかる。過去には、外科医は多くの場合、適切な切断を行うための矢状鋸の操作において自らの手と目の熟練に頼っていた。現在では、処置には以下の3つの別個の基本的ステップを要する。
1)膝蓋の損傷した後関節面を切除又は除去する。
2)切除された膝蓋において、プロステーゼを受け入れるための手段を設ける。
3)切除され準備された膝蓋にプロステーゼを取り付ける。
【0007】
これらの3つのステップを遂行するために、いくつかの別個の装置が採用される。これらの装置としては、膝蓋をしっかりと保持してその後面を露出させるための装置と、鋸と、除去される膝蓋の部分を制御するための鋸ガイドと、インプラントを確実に取り付けるための手段を提供するドリルと、プロステーゼインプラントを取り付けるための手段の配置及び深さを制御するためのドリルガイドと、プロステーゼを挿入しプロステーゼを所定の位置に圧入するための装置とが含まれる。この後者の装置により、切除された膝蓋へのプロステーゼの取り付けが確実であることが保証される。
【0008】
そのような処置のための装置が開発され記述されている。特に、クランプ状膝蓋切除及び置き換え装置が、米国特許第5,147,365号明細書及び米国特許第6,010,509号明細書に記載されている。
【0009】
米国特許第5,147,365号明細書では、膝蓋の所定の部分を切除するためにクランプし矢状鋸をガイドするためのプライヤ状装置が開示された。回転式の目盛り付きスタイラスによって、一体型の矢状鋸を基準にした膝蓋の位置が測定される。ジョー部材のそれぞれの中に捕捉スロットが備えられ、捕捉スロットを通して矢状鋸が取り付け可能である。スタイラス及びドローバーは鋸ガイドとして働く。スタイラス及びドローバーアセンブリは、クランプの支点に備えられたボアを通して嵌合するスケールブッシングを含む。スタイラスアームは、垂直に調節可能なスケールポストを運ぶ。これにより外科医は、除去される膝蓋の正確な量を決定することが可能になる。
【0010】
米国特許第6,010,509号明細書では、膝蓋を把持及び保持するためのプライヤ状クランプであって、バネ付勢されたヒンジボルトを有するプライヤ状クランプを含む、膝蓋切除及び置き換え装置が開示された。特別に設計されたドリルガイドが、手術中に膝蓋を解放することなく、所定の位置に嵌められること、及びヒンジボルトから取り外されることが可能である。同様に、特別に設計された膝蓋ボタンプレッサが、所定の位置に嵌められること、及びヒンジボルトから取り外されることが可能である。処置の間に膝蓋を解放し、再び把持し、再方向付けする必要がないため、手術の時間が大幅に短縮される。
【0011】
上記の器具は多くの観点において有利であるが、いくつかの制限を依然として有する。実際には、「膝蓋クランプ(patella clamps)」として一般に知られている既存の器具の使用に関連して遭遇される問題はいくつかある。
【0012】
クランプ器具は、手術中に膝蓋を確実に保持するために使用される。既存の膝蓋クランプのほとんどはかなり大きく嵩張る。使用中、この器具は外科医の視野を遮り、関節への物理的接近を妨げる。
【0013】
その上、既存の膝蓋プレッサクランプ(patella presser clamps)のいくつかは、機械的倍率を向上するためにかなり長いハンドルを備えている。しかしこれにより、非常に望ましくない出来事である手術中の膝蓋の破損のリスクが増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明を際立たせる技術的課題は、既知のプライヤ状器具の制限を克服するための、及び膝蓋骨を柔らかに取り扱うと同時に安定した把持を保証することを可能にするための構造的及び機能的特徴を有する、膝蓋骨に対して手術を行うための新たな整形外科手術用プライヤ状器具を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、より単純で、より扱いやすく、使用がより容易で、手術中に外科医の視野を遮らない、膝蓋の置き換えのための器具を提供することである。
【0016】
本発明の更なる目的は、調整された力を器具の把持クランプに提供すると同時に、把持クランプによる膝蓋骨の保持の確固とし安定した位置付けを保証することが可能なプライヤ状装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の基礎となる発明概念は、外科医によって使用される器具ハンドルと膝蓋骨を保持するための把持クランプとの間の一種の中間力伝達システムを提供することであり、そのような中間力伝達システムは、器具が膝蓋骨を把持した場合に穏やかな弾性的追加力を発揮するための回復性及び弾性手段を含む。
【0018】
この発明概念によれば、技術的課題は、膝蓋骨を保持及び把持するための整形外科手術用プライヤ状器具であって、
ヒンジボルトを用いて互いに対して枢動可能に取り付けられた対応するハンドル部材に結合された、少なくとも2つのジョーと、
膝蓋骨の少なくとも周縁部を把持及び保持するための、各ジョーにおける遠位クランプ部分と、
器具ハンドル部材とジョーとの間の中間力伝達機構と、
ハンドル部材から構造的に独立した、かつこれらのハンドル部材とジョーとの間に置かれた、前記中間力伝達機構における2つのアームと、
第1の連結点において各アームを対応するハンドル部材に結合するための、各アーム内の弾性部材と、
ハンドル部材の対応する遠位端に係合する、各アームにおける第2のより遠位の連結点と
を含み、
一方のアームの第1の連結点と他方のアームの第2の連結点とは同じハンドル部材に交差連結されている、
整形外科手術用プライヤ状器具によって解決される。
【0019】
アームのそれぞれは、無荷重状態において予め傾斜するように、及び全荷重状態において他方のアームに対して実質的に平行に保たれ、それにより膝蓋骨への荷重伝達が最適化されるように構成されることに留意されたい。
【0020】
前記アームのそれぞれは実質的に平坦であり、アーチ形状を有し、遠位端が対応するジョーに結合され、近位端がヒンジボルトを基準にしてより近位でハンドル部材とオーバラップしている。
【0021】
有利には、前記第2のより遠位の連結点は、アームのそれぞれにおいて形成されたスロットであって、各ハンドル部材の遠位端に垂直に固定された対応する摺動ピンによって係合されるスロット内に位置している。
【0022】
その上、アームのそれぞれは、各アームを対応するハンドル部材に結合するための弾性部材を含み、各弾性部材は、アームのそれぞれにおける開口を含み、弾性要素又はトングが開口の内側に突出している。
【0023】
トングは、アーム構造に固定された一方の端と、それぞれの開口の内部を自由に移動できる他方の端とを有する一種の板バネであり、弾性要素の拡大自由端が、対応するピンによってハンドル部材の第1の連結点に連結される。
【0024】
言い換えると、各ハンドル部材は、ハンドル部材の中間位置に位置するピンによって、一方のアームの弾性要素の前記拡大自由端に、及びハンドル部材の遠位端に位置し他方のアームのスロットの内部を摺動する摺動ピンによって、他方のアームに交差連結される。摺動ピンは、各ハンドル部材の遠位端に垂直に固定されている。
【0025】
本発明によるプライヤ状器具において、ジョーは前記アームの対応する遠位端上に、弾性要素を介在させて、取り外し可能な様態で取り付けられる。
【0026】
対応するジョーと一体に形成された、かつジョーの長手方向の延在に垂直な方向において延在する、対応するピンを受け入れるために、各アームの遠位端においてガイドスロットが備えられる。それぞれのアーム上での各ジョーの、前記弾性要素と対照をなすわずかな軸方向の移動を提供するために、前記ピンのそれぞれは対応するガイドスロットの内部を自由に摺動できる。
【0027】
ハンドル部材を手で圧迫することによって第2の又は更なる弾性把持作用が要求される場合、圧縮バネが介在し、それによりピンが関連するスロットの内部を摺動することが可能になる。
【0028】
ジョーの遠位クランプ部分の間の又はジョーの間の所望の距離を維持するために、アームの近位端においてロック手段が備えられることに更に留意されたい。
【0029】
そのようなロック手段は、一方のアームの近位端においてヒンジ上に枢動可能に取り付けられた鋸歯状バーであって、ハンドル部材によってアームの一方が他方に向けて接近するよう強いられる場合に、他方のアームの近位端において備えられたラチェットによって係合される、鋸歯状バーを含む。
【0030】
特定の実施形態について図面を参照して以下に説明する。実施形態の以下の説明は例示のためにのみ提供されるものであり、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される本発明を限定する目的のためのものではないということは、整形外科分野の当業者にとってこの開示から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付の図面を参照すると、膝蓋骨に対して手術を行うための整形外科手術用プライヤ状器具が全体としてかつ概略的に1により示されている。
【0033】
本発明の器具1は、一対の組み合わせプロング又はジョー2、3と、ヒンジボルト5を用いて互いに対して枢動可能に取り付けられた対応するハンドル部材12、13とを有する、プライヤ状クランプである。
【0034】
器具1は通常、
図4のより詳細な図で示されるように、バネ14によって好ましくは弾性的に付勢されたヒンジボルト5によって開位置又は使用準備完了位置において保持される。
【0035】
バネ14はその弾性的付勢力を、器具1が使用準備完了位置にある場合にジョー2及び3を開いたまま保つために発揮する。
【0036】
ジョー2、3は対応する遠位クランプ部分8及び9を有し、遠位クランプ部分8及び9は両方共、膝蓋骨(図示せず)の周縁部を把持及び保持するための比較的平坦なクランプ表面18、19を有する。
【0037】
ジョー2、3の対応する遠位端8、9のこれらの平坦なクランプ表面18及び19は互いに向き合っており、器具1が
図1に示す使用準備完了位置にある場合、相互に接近して近接するように駆動される準備ができている。器具1が使用準備完了位置にある場合、表面18と19との間に所定の間隙が設けられている。
【0038】
既知の解決策とは異なり、本発明のプライヤ状器具1は、外科医によって使用される器具ハンドル12、13と、ジョー2、3との間に中間力伝達システム4又は機構を含む。
【0039】
この中間力伝達システム4は、ハンドル部材12、13から構造的に独立した、かつこれらのハンドル部材12、13とジョー2、3との間に置かれた、2つのアーム20及び30を含む。
【0040】
より具体的には、アーム20、30のそれぞれは実質的に平坦であり、アーチ形状を有し、遠位端22、32が対応するジョー2、3に結合され、近位端24、34がヒンジボルト5を基準にしてより近位でハンドル部材12、13とオーバラップしている。
【0041】
2つのアーム20、30は、以下で説明する器具1の様々な要素を受け入れるために異なるように形作られた近位端24、34のみを除いて、実質的に対称の形状である。
【0042】
ジョー2、3はそれぞれ、アーム20、30の対応する遠位端22、32上に、以下で開示される弾性要素45、55を介在させて、取り外し可能な様態で取り付けられる。
【0043】
これに関して、対応するジョー2、3と一体に形成された、かつジョーの長手方向の延在に垂直な方向において延在する、対応するピン10、11を受け入れるために、各アーム20、30においてガイドスロット16、17が備えられる。それぞれのアーム20、30上での各ジョー2、3のわずかな軸方向の移動を提供するために、各ピン10、11はガイドスロット16、17の内部を自由に摺動できる。
【0044】
ジョー2、3の遠位クランプ部分8、9は取り外し可能であり、各アーム20、30の遠位端において備えられたシート内で支持される、かつ
図2において部分的に可視である、対応するピンによって支持される。起こり得る清掃又は他の形状のクランプとの交換のために遠位クランプ部分8、9を迅速に解放するために、ファスナ機構21、23が各ジョーにおいて備えられる。
【0045】
アーム20及び30の両方は、本発明の整形外科手術用プライヤ状器具を、図面には示していない例えばドリルガイド又は切除ガイドなどの関連し協働するその他の器具と結合するための接続手段を含む。本発明では、そのような必須ではない器具との接続手段に焦点を合わせていないが、アームがそれらの手段を備えることに注意することは重要である。
【0046】
有利には、本発明によれば、アーム20、30のそれぞれは、各アーム20、30を対応するハンドル部材12、13に結合するための弾性部材25、35を含む。
【0047】
弾性部材25、35は、作用力によって曲げられた後でそれらの元の形態又は位置に戻る回復性部材として構成された、アームのそれぞれの部分を含む。
【0048】
弾性部材25、35は、アーム20、30の全体的な弾性及び回復性に比較してより大きな弾性及び回復性を有する部分を備えている。
【0049】
各弾性部材25、35は、アーム20、30のそれぞれにおける開口26、36を含み、弾性要素6、7又はトングが開口の内側に突出している。
【0050】
このトングは、アーム構造に固定された一方の端と、それぞれの開口26又は36の内部を自由に移動できる他方の端とを有する一種の板バネと考えられてもよい。
【0051】
これらの弾性要素6、7又はトングの各1つは、アーム20、30と一体に形成された一方の端と、滴(drop)に実質的に類似した2次元形状を有する反対側の拡大自由端38、39とを有する。
【0052】
弾性要素6又は7の拡大自由端38又は39は、対応するピン27、29によってハンドル部材12又は13の第1の点に連結される。
【0053】
これはハンドル部材とアームとの間の第1の接触点又は連結点である。
【0054】
より詳細には、本発明のプライヤ状器具1の各ハンドル部材12、13は、中間力伝達システム4に、2つの連結点において結合される。
【0055】
第1の連結点は、1つのアーム20、30の弾性要素6、7又はトングの拡大自由端38又は39である。
【0056】
第2の連結点は、各ハンドル部材12、13の遠位端42、46に垂直に固定された対応する摺動ピン31、33によって係合される、アーム20、30のそれぞれにおいて形成されたスロット15、21内に位置している。
【0057】
スロット15及び21は、対応するアーム20、30上のわずかにずらした位置に備えられたより短いスロット16及び17に実質的に平行である。
【0058】
従って上記の説明を考慮すると、ハンドル部材12は、ヒンジ5より近位の、ハンドル部材12の中間位置に位置するピン27によって、アーム20の弾性要素6の拡大自由端38に、及び遠位端42に位置し他方のアーム30のスロット21の内部を摺動するピン33によって、交差連結される、ということは明らかである。
【0059】
対応する様態で、ハンドル部材13は、ヒンジ5より近位の、ハンドル部材13の中間位置に位置するピン29によって、アーム30の弾性要素7の拡大自由端39に、及び遠位端46に位置し他方のアーム20のスロット15の内部を摺動するピン31によって、交差連結される、ということは明らかである。
【0060】
一方のハンドル部材12は、第1の連結点38においてアーム20に、及びピン33とスロット21との間の摺動結合によって表される第2の連結点において他方のアーム30に連結されることに留意されたい。
【0061】
従って、他方のハンドル部材13は、第1の連結点39において第2のアーム30に、及びピン31とスロット15との間の摺動結合によって表される第2の連結点において第1のアーム20に連結されることに留意されたい。
【0062】
2つのハンドル部材12、13はヒンジボルト5において結合されることを考慮すると、上記の構成は、外科医が遠位接近クランプ部分8及び9を介して膝蓋骨を把持及び保持するためにハンドル部材に働きかける場合の、把持力の最初の穏やかな発揮を可能にする、中間力伝達システム又は機構を表す。
【0063】
しかし本発明によれば、器具1に含まれ以下で開示される更なる特徴により、第2の又は更なる弾性把持作用が本発明のプライヤ状器具1によって発揮されてもよい。
【0064】
図5及び以下においてわかるように、アーム20又は30の各1つと、対応するジョー2、3との間に圧縮バネ45又は55が備えられる。
【0065】
圧縮バネ45又は55は、スロット16又は17の近くの、アーム20、30と対応するジョー2、3との間に形成された対応するシート43、44内に位置する。
【0066】
シート43及び44は対応する隣接したスロット16及び17と実質的に整列されると言うことができる。
【0067】
ハンドル部材12、13を手で圧迫することによって第2の又は更なる弾性把持作用が要求される場合、圧縮バネ45、55が介在し、それによりピン10及び11が関連するスロット16、17の内部を摺動することが可能になる。
【0068】
ジョーの遠位端8、9の間の又はジョー2、3の間の所望の距離を維持するために、アームの近位端24、34においてロック手段47が備えられることに留意されたい。ロック手段の一例は、
図5〜
図9に示すように、アーム30の近位端34においてヒンジ50上に枢動可能に取り付けられた鋸歯状バー49である。
【0069】
単にヒンジ50を収容するために、第2のアーム30の近位端34の形状は、第1のアーム20の他方の近位端24の形状とは異なっている。
【0070】
アーム20、30の一方が他方に向けて接近するよう強いられる場合に鋸歯状バー49の歯に段階的に係合するように、歯又はラチェット47が第1のアーム20の近位端24において備えられる。
【0071】
ラチェット47を鋸歯状バー49の歯との係合から解放し、ハンドル部材12、13を解放して器具1を使用準備完了位置に戻すための押しボタン28が備えられる。
【0072】
次に、本発明のプライヤ状器具1の機能について説明する。
【0073】
外科医によってハンドル部材12、13に対して加えられる圧迫作用により、2つのハンドル部材の一方が他方に向けて閉じることが可能になる。この圧迫作用により、両方のアーム20、30が押されてより近付く。
【0074】
この圧迫作用はヒンジボルト5のねじりバネ14の弾性力に対抗して得られ、この弾性力は、使用準備完了位置においてハンドル部材を開いたまま保ち、結果としてアーム20、30を一方が他方から離れたそれらの静止位置に保つ傾向がある。
【0075】
ハンドル部材12、13は、ジョーの平坦な表面18、19の間の距離が膝蓋骨の厚さに実質的に対応する最小の間隙に達するまで、外科医によって自由に閉じられ得る。
【0076】
ハンドル部材12、13に対して加えられる圧迫作用により、ハンドル部材に接続されたアーム20及び30はより近付くよう強いられ、それらのそれぞれの近位端24、34の一方が他方に向けて接近する。
【0077】
図6、
図7、及び
図8の例によってわかるように、ハンドル部材12、13と弾性要素6、7の拡大自由端38、39との間の連結は、これらの弾性要素の全てのうち最初に移動し、それからそれらは開口26、36のそれぞれの内部エッジに到達する。
【0078】
拡大自由端38及び39が、開口26、36のそれぞれの内部エッジに当接する位置に到達したら、対応するアーム20、30は移動し、曲がって、より近付いてもよい。
【0079】
この第1の弾性反応により、膝蓋骨に対して特に穏やかな把持及び保持力を器具が発揮することが可能になる。
【0080】
ジョー2、3の遠位クランプ部分8、9が膝蓋骨の厚さに対応する保持位置に到達した場合、ロック手段47によってその構成が固定される。
【0081】
外科医の要求に応じて、ハンドル部材12、13は更に閉じられて更なる圧迫作用が加えられてもよく、その場合、ハンドル部材12、13は圧縮バネ45、55の弾性反応に遭遇し、それにより依然として弾性状態の下で更なる閉鎖及び把持作用が可能になる。
【0082】
これらの圧縮バネを変形させることによって、ジョー2、3の遠位クランプ部分8、9に対して第2の弾性力が加えられる。
【0083】
このようにして、ロック手段47の最大更に3つのより多くの歯が歯付きラックにおいて係合することが可能になる。
【0084】
ハンドル部材12、13を介してこの追加力を加えることによって、結果として生じる把持作用が器具全体を通してジョー2、3の遠位クランプ部分8、9上にまで伝達され、それにより膝蓋骨は穏やかに圧迫され、安定した把持が保証される。その上、アーム20、30が無荷重状態において予め傾斜されている場合、同じアーム20、30が全荷重状態において互いにほぼ平行になり、それにより膝蓋骨への荷重伝達が最適化される。
【0085】
アーム20、30の端に位置付けられた歯付きラックは、所望の距離で止め、保つものである。歯付きラックにおけるボタンを押すことにより歯が解放され、アーム/ハンドルが開くことが可能になる。
【0086】
図11及び
図12を参照して、本発明のプライヤ状器具のアームに組み込まれた弾性部材の効果について説明する。
【0087】
図11の器具1は、上記ですでに説明した本発明の整形外科手術用プライヤに対応する。
【0088】
図12の器具1001は器具の別の例であり、ハンドル部材12、13とジョー2、3との間に置かれたアーム1020及び1030が修正されている。特に、アーム1020及び1030は、いかなる弾性部材も有さないバルク体を含む。従ってアーム1020及び1030はハンドル部材12、13に直接結合される。
【0089】
以下において「膝蓋プライヤ」又は単に「プライヤ」とも呼ばれる
図11の器具1及び
図12の器具1001の性能を比較するために、有限要素(FEM)シミュレーションが実行された。
【0090】
動作において、膝蓋プライヤは、アタッチメント(すなわちクランプ)が膝蓋骨と接触するまで抵抗なしに閉じる。この接触状況をシミュレートするため、及び計算を容易にするために、本例では、アタッチメントが1つの剛性の「ファントムボディ」1000によって置き換えられる。
【0091】
この例において、クランプがボディ1000と接触したら、ハンドル部材12及び13のいかなる更なる閉鎖も、プライヤのアーム20、30又は1020、1030の変形を引き起こす。
【0092】
器具1の場合、弾性部材25及び35が変形を主に吸収する。それとは異なり、器具1001の場合、バルク金属材料の弾性特性に従って、アーム1020及び1030全体が変形する。
【0093】
器具1の動作をより詳細に説明すると、上側ハンドル部材12は、ヒンジボルト5の回転中心の周りを回転できるのみである。回転移動が行われ、その角回転のために必要なトルクが計算される。同じことが下側ハンドル部材13についても有効である。
【0094】
上側アーム20は、ピン27によって上側ハンドル部材12に接続され、ピン31の摺動を可能にするスロット15によって下側ハンドル部材13に更に接続される。
【0095】
下側アーム30は、ピン29によって下側ハンドル部材13に接続され、ピン33の摺動を可能にするスロット21によって上側ハンドル部材12に更に接続される。
【0096】
両方のハンドル部材12及び13に対して、両方の回転を反対方向に加えた場合、両方のアーム20、30又は1020、1030は閉じる。
【0097】
この閉鎖移動は、鋸歯状バー49の垂直(下向き)の移動をもたらし、同時に、ラチェット47のヒンジ50の垂直(上向き)の移動をもたらす(方向は
図11及び
図12において表されるように定義される)。これらの移動はラチェット47の押しボタン28の位置を考慮して評価される。
【0098】
両方のアーム20、30又は1020、1030の移動の合計により、ラチェット47の後続歯の係合がもたらされる。本例では、2つの後続歯の間の距離は2.05mmと仮定される。
【0099】
結果として、両方のハンドル部材12、13に対して加えられる両方のトルクの合計は、ラチェット47における所与の歯の及び歯付きラックの垂直移動の合計と相互に関連し得る。
【0100】
結果として生じるトルクは関心対象の距離に正規化され、この距離は、2つの後続歯の間の2.05mmという仮定される距離に等しい。
【0101】
シミュレーションは弾性変形(すなわち塑性変形なし)について計算される。弾性域内では、トルクと移動との間の線形相関が仮定され得る。
【0102】
器具1及び器具1001の性能のより良好な比較のために、必要なトルクを達成するために必要な力は、ヒンジ5の回転中心から120mmである、ハンドル部材12及び13のグリップの最初の部分における単一の印加点(親指−人差し指領域におけるユーザの手を表す)を考慮することによって計算される。
【0103】
図11の器具1についてFEMシミュレーションを実行することによって、以下が計算される。
− 上側ハンドルにおけるトルク:13448N・mm
− 下側ハンドルにおけるトルク:13037N・mm
− 合計のトルク:26485N・mm
− 上側アームの水平移動:−2.757mm(下向き)
− 下側アームの水平移動:2.997mm(上向き)
− 合計の移動:5.754mm
【0104】
器具1の場合、26485N・mmのトルクにより2つのハンドル部材12、13の約5.754mmの閉鎖が提供される。
【0105】
歯付きラックの1ステップに正規化される場合、正規化されたトルクは、
(2.050/5.754*26485)=9436N・mm
である。
【0106】
器具1の場合、120mmのレバーについて、これは印加点において加えられる(9436/120)=79Nの正規化された力に対応する。
【0107】
次に、
図12の器具1001についての類似のFEMシミュレーションを考慮すると、以下が計算される。
− 上側ハンドルにおけるトルク:88411N・mm
− 下側ハンドルにおけるトルク:88341N・mm
− 合計のトルク:176752N・mm
− 上側アームの水平移動:−0.903mm(下向き)
− 下側アームの水平移動:0.861mm(上向き)
− 合計の移動:1.764mm
【0108】
器具1001の場合、176752N・mmのトルクにより2つのハンドル部材12、13の約1.764mmの閉鎖が提供される。
【0109】
再び、歯付きラックの1ステップに正規化される場合、正規化されたトルクは、
(2.050/1.764*176752)=205409N・mm
である。
【0110】
器具1001の場合、120mmのレバーについて、これは印加点において加えられる(205409/120)=1712Nの正規化された力に対応する。
【0111】
FEMシミュレーションによれば、2.05mmの正規化された距離に対して、器具1は79Nの閉鎖力を必要とし、器具1001は1712Nの力を必要とする(これは前者の21.8倍である)。
【0112】
アーム20、30に組み込まれた弾性部材25、35により、ラチェット47を1つの歯だけ閉じるために必要な力は、弾性部材を有さないアーム1020及び1030における状況と比較して(約22分の1に)減少する。
【0113】
(79Nと計算された)器具1によって必要とされる力はユーザの片手のみによって容易に達成可能であるのに対して、(1712Nと計算された)器具1001によって必要とされる力はユーザによって容易に達成可能ではない。
【0114】
当業者は、剛性のボディではなく膝蓋骨のクランプについて、類似の考慮が行われ得ることを理解する。
【0115】
膝蓋骨をクランプするアタッチメントに対する力は、本発明による器具1において、同じ因数によって減少する。
【0116】
従って、本発明の整形外科手術用プライヤ状器具を使用すれば、膝蓋骨の穏やかなクランプが、繊細な骨を壊すことなしに可能である。
【0117】
本発明の範囲を理解するに当たって、本明細書中で使用される用語「備える(comprising)」及びその派生語は、記載された特徴、要素、構成要素、グループ、整数、及び/又はステップの存在を指定するがその他の記載されていない特徴、要素、構成要素、グループ、整数、及び/又はステップの存在を除外しない非制限用語であることが意図される。前述のことは、用語「含む(including)」、「有する(having)」、及びそれらの派生語などの同様の意味を有する語にも当てはまる。また、用語「部(part)」、「セクション(section)」、「部分(portion)」、「部材(member)」、又は「要素(element)」は、単数形で使用される場合、特に明記しない限り、単一の部分又は複数の部分という二重の意味を有し得る。
【0118】
また、用語「第1の(first)」及び「第2の(second)」は、様々な構成要素を説明するために本明細書中で使用される場合があるが、これらの構成要素はこれらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は1つの構成要素を別の構成要素から区別するためにのみ使用される。
【0119】
本発明について説明するために特定の実施形態のみが選択されたが、添付の特許請求の範囲において規定された本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更及び修正が本明細書において行われ得ることは、当業者にとってこの開示から明らかであろう。