特許第6989231号(P6989231)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989231
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】組立て式トイレ
(51)【国際特許分類】
   A47K 11/04 20060101AFI20211220BHJP
【FI】
   A47K11/04
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-133906(P2017-133906)
(22)【出願日】2017年7月7日
(65)【公開番号】特開2019-13523(P2019-13523A)
(43)【公開日】2019年1月31日
【審査請求日】2020年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105350
【氏名又は名称】KOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100169188
【弁理士】
【氏名又は名称】寺岡 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】一志 剛
(72)【発明者】
【氏名】北原 聖司
【審査官】 広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3180717(JP,U)
【文献】 特開2015−083104(JP,A)
【文献】 特開2015−123998(JP,A)
【文献】 特開2007−006955(JP,A)
【文献】 特開2015−123370(JP,A)
【文献】 特開2014−233460(JP,A)
【文献】 実開平07−022926(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 11/00−11/02
A47K 13/02
F16B 5/00
B65D 6/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口部を有する便座であり、上記便座よりも下部が筒状の容器である組立て式トイレであって、
上記便座が四角形の板状体からなり、上記開口部は、上記四角形の対角線に沿って開口し、
上記容器は、4枚の板の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、
上記四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の上記両端部のうち、一方が取り外せない構造であり、
上記板には、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されていることを特徴とする組立て式トイレ。
【請求項2】
請求項1の組立て式トイレにおいて、
上記開口部の周縁が、上記板状体のその他の部分とは異なる肌触りであることを特徴とする組立て式トイレ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の組立て式トイレにおいて、
上記便座が発泡スチロール製であることを特徴とする組立て式トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立て式トイレに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地震等の自然災害発生時に、被災地向けの簡易トイレについての技術が検討されてきた。たとえば、特許文献1等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−75260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された簡易トイレは、いわゆる洋式のトイレである。洋式のトイレといえば便座に座るタイプのものである。しかしながら、一般家庭用と被災地では、トイレの使用環境が異なる。すなわち、一般家庭用のトイレは、鍵が掛けられるため、トイレにまたがっても構わないが、被災地では鍵が無い場合または鍵があってもそれが信用出来ない場合がある。
【0005】
人間の心理として、被災地のような、どのようなことが起こるかわからない場所では、トイレを使用する際には、またがった姿勢よりも、両足を閉じることが可能な姿勢を選びたがるものである。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、両足を閉じて使用することが自然な組立て式トイレを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の組立て式トイレは、上部が開口部を有する便座であり、便座よりも下部が筒状の容器であり、便座が四角形の板状体からなり、開口部は、四角形の対角線に沿って開口し、容器は、4枚の板の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の上記両端部のうち、一方が取り外せない構造であり、板には、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されていることを特徴とする組立て式トイレ。
【0008】
ここで、開口部の周縁が、板状体のその他の部分とは異なる肌触りであることとしても良い。
【0009】
また、便座が発泡スチロール製であることとしても良い。
【0010】
また、容器は、4枚の板の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の両端部のうち、一方が取り外せない構造であることとしても良い。
【0011】
また、板には、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されていることとしても良い。
【発明の効果】
【0012】
両足を閉じて使用することが自然な組立て式トイレを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの斜視図である。
図2】容器の組立ての様子を示す図である。
図3】便座と筒状の容器と、底面パッドとを組立てる様子を示す図である。
図4】本発明の実施の形態の変形例に係る便座の平面図である。
図5】本発明の実施の形態の変形例に係る筒状の容器の斜視図である。
図6】本発明の実施の形態の変形例に係る底面パッドと、それに設置する補助パッドを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る組立て式トイレについて、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る組立て式トイレの斜視図である。本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、上部が開口部2を有する便座3であり、便座3よりも下部が底面パッド4を有する筒状の容器5である。そして、便座3が四角形の板状体からなっている。そして、開口部2は、四角形の対角線に沿って開口している。これらの構成部材である便座3、底面パッド4および筒状の容器5は、発泡スチロール製である。
【0016】
なお、便座3の開口部2の周縁6が、便座3を構成する板状体のその他の部分とは異なる肌触りである。すなわち、その他の部分が発泡スチロール特有のザラザラ感のある肌触りであるのに対し、便座3の開口部2の周縁6は、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くした、滑らかな肌触りとなっている。そのため、便座3の開口部2の周縁6は、その他の部分よりも若干凹みがあり、周縁6がテーパー状となっている。
【0017】
また、便座3の開口部2が四角形の対角線に沿っている、その対角線の端の方には、矢印3aが表示されている。そして、矢印3aから遠い側の開口部2が、矢印3aに近い側の開口部2よりも若干幅広になっている。
【0018】
図2は、容器5の組立ての様子を示す図である。図2(A)(B)は、4枚の外形が4角形の板7,8,9,10を示している。板7,8,9,10は、対向する2つの辺に嵌め合わせ用の凹凸を有している。また、板7,8,9,10は、それぞれ同一形状をしている。
【0019】
板7,8を例に嵌め合わせの様子を説明する。板7の辺7aと板8の辺8aとは同一形状をしている。板7の辺7bと板8の辺8bとは同一形状をしている。辺7bの凸部7b1,7b1は、根元よりも先端の方が幅広のテーパー状である。その形状とほぼ完全に適合するのが、辺8aの凹部8a1,8a1である。このような辺の形状の同一および適合関係は、図2(B)に示す板9と板10も同様である。
【0020】
図2(C)に示すように、板8を板7に向かって方向Aに沿って近づけると、凸部7b1,7b1と凹部8a1,8a1とがほぼ完全に適合し、板7,8が嵌め合わせられる。板7,8が図2(C)に示すように嵌め合わせられると、方向Aに板7,8を移動し嵌め合わせを解くことは可能だが、方向Bに板7,8を移動し嵌め合わせを解くことは、根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によってできない。
【0021】
このような嵌め合わせは、図2(D)に示す板9,10についても同様に可能であり、図2(E)に示すように板7,8,9,10相互に可能である。以上が図2(E)に示す筒状の容器5の組立方法である。
【0022】
すなわち、筒状の容器5は、4枚の板7,8,9,10の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の両端部のうち、一方が根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によって取り外せない構造である。なおもう一方は、前述の、方向Aに板7,8を移動し嵌め合わせを解くことは可能であることと同様に、嵌め合わせを解くことは可能である。
【0023】
また、図2に示すように、板7,8,9,10には、嵌め合わせる前には半円12のマークで、嵌め合わせた状態で円形13となる、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されている。
【0024】
また、図2に示すように、板7,8,9,10には、嵌め合わせる際にその板を移動させる方向を示す方向マーク14が、各々に一つづつ表示されている。板9,10についても板7,8と嵌め合わせた状態で同じ方向を向くように表示されている。この方向マーク14は、板7,8,9,10の片面のみに表示している。
【0025】
また、図3は、便座3と筒状の容器5と、底面パッド4とを組立てる様子を示す図である。便座3の裏側面には、筒状の容器5の上端の四角形とほぼ完全に適合する四角形の溝が形成されており、その溝が筒状の容器5の上端の四角形に嵌め合わせられる。
【0026】
また、筒状の容器5の下端の四角形と底面パッド4も、底面パッド4にほぼ完全に適合する四角形の溝16が形成されており、その溝が筒状の容器5の上端の四角形に嵌め合わせられる。溝16は、外側凸部17と内側凸部18の谷間として形成されている。
【0027】
なお、必要に応じて、便座3を隠すふた20を使用できる。
【0028】
(本発明の実施の形態によって得られる主な効果)
本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、開口部2が便座3の外形である四角形の対角線に沿って開口している。そのため、四角形の角を両足で挟んで便座3に座るのが自然であるため、両足を閉じて使用することが自然な組立て式トイレを提供することができる。
【0029】
また、便座3は、発泡スチロール製である。そのため、外気温度が低くても、便座3に肌をくっつける際には、それ程冷たさを感じない。また、便座3、底面パッド4および筒状の容器5は、発泡スチロール製であるため、組立て式トイレ1を軽く、持ち運びしやすいものとすることができる。
【0030】
また、便座3の開口部2の周縁6が、便座3を構成する板状体のその他の部分とは異なる肌触りである。すなわち、その他の部分が発泡スチロール特有のザラザラ感のある肌触りであるのに対し、便座3の開口部2の周縁6は、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くした、滑らかな肌触りとなっている。そのため、肌触りの滑らかな箇所に肌をくっつけることで、開口部2を見なくても(周囲が暗くても)、開口部2から極端に外れた位置に座ることを抑制できる。
【0031】
また、筒状の容器5は、4枚の板7,8,9,10の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の両端部のうち、一方が根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によって取り外せない構造である。このことにより、底面パッド4等で筒状の容器5の下端を固定すれば、筒状の容器5は、外力によっても四角柱の筒状の形状を維持できやすいものとなる。
【0032】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる前には半円12のマークで、嵌め合わせた状態で円形13となる、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されている。そのため、マークを目印に組立作業を円滑に行うことができる。このことによって組立て式トイレ1の組立が容易になる。
【0033】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる際にその板を移動させる方向を示す方向マーク14が、各々に一つづつ表示されている。板9,10についても板7,8と嵌め合わせた状態で同じ方向を向くように表示されている。この方向マーク14は、板7,8,9,10の片面のみに表示している。このことによって、組立ての際に方向マーク14を筒状の容器5の内側に同じ方向にすれば良いとの導きをすることができる。このことによって組立て式トイレ1の組立が容易になる。
【0034】
また、便座3の開口部2が四角形の対角線に沿っている、その対角線の端の方には、矢印3aが表示されている。そして、矢印3aから遠い側の開口部2が、矢印3aに近い側の開口部2よりも若干幅広になっている。この矢印3aは、その矢印に向かって座ることを推奨しており、そのように座ることで、開口部2の周縁6等が排泄物で汚れることを、幅広の開口部2とすることにより低減できる。なお、本発明を使用する場合は、排泄物を溜めるビニール袋等の袋を用いることが好ましく、開口部2から入った排泄物が袋に収まるように容器5内に袋を配置する。袋の開口部分を便座3と容器5で挟んで保持することで、不意に袋が閉じてしまうことを防ぐことができる。
【0035】
(他の形態)
上述した本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々の変形実施が可能である。
【0036】
本発明の実施の形態に係る組立て式トイレ1は、上部が開口部2を有する便座3であり、便座3よりも下部が底面パッド4を有する筒状の容器5である。また、組立て式トイレ1は、ふた20を有している。しかし、これらの部材の中で底面パッド4とふた20は、必須の構成部材ではないため省略することができる。
【0037】
また、便座3は、発泡スチロール製である。しかし、便座3の材質は、段ボール等を適宜選択できる。また、筒状の容器5および底面パッド4の材質も発泡スチロールであるが、段ボール等を適宜選択できる。
【0038】
また、筒状の容器5は、外形が四角柱の筒状のものとしているが、外形が円柱、楕円柱、三角柱等の他の多角柱としても良い。
【0039】
また、便座3の開口部2の周縁6が、便座3を構成する板状体のその他の部分とは異なる肌触りである。すなわち、その他の部分が発泡スチロール特有のザラザラ感のある肌触りであるのに対し、便座3の開口部2の周縁6は、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くした、滑らかな肌触りとなっている。しかしながら、便座3の開口部2の周縁6の肌触りを、その他の部分とは異なるものとする必要はない。
【0040】
仮に便座3の開口部2の周縁6の肌触りを、その他の部分とは異なるものとする場合でも、便座3が発泡スチロールの場合には、便座3の開口部2の周縁6をザラザラ感のある肌触りとし、便座3を構成する板状体のその他の部分を滑らかな肌触りとしても良い。
【0041】
また、便座3の開口部2の周縁6を、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くして、滑らかな肌触りとしているが、発泡スチロールの表面を加熱溶融等して、滑らかな肌触りとしても良い。
【0042】
また、便座3の開口部2の周縁6は、その他の部分よりも若干凹みがあり、周縁6がテーパー状となっている。しかしながら、便座3の開口部2の周縁6は、そのようなテーパー状となっていなくても良い。
【0043】
また、筒状の容器5は、4枚の板7,8,9,10の対向する両端部の凹凸を嵌め合わせた外形が四角柱の筒状のものであり、四角柱の筒状の形状とした状態で、3枚の板を固定した場合に、残りの1枚の板の両端部のうち、一方が根元よりも先端の方が幅広の凸部7b1,7b1のテーパー形状によって取り外せない構造である。組立の際などにおける便宜的な構造であるが、このような構造は採用しなくてもよい。
【0044】
たとえば、辺7bの凸部7b1,7b1は、根元よりも先端の方が幅広のテーパー状としているが、そのようなテーパー状せずに根元と先端とが等幅としても良い。
【0045】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる前には半円12のマークで、嵌め合わせた状態で円形13となる、嵌め合わせの箇所を示すマークが付されている。しかしながら、そのようなマークは必要ない。仮にマークを付するとしても半円12、円形13に限らない。また、マークの形を位置によって変えても良い。
【0046】
また、板7,8,9,10には、嵌め合わせる際にその板を移動させる方向を示す方向マーク14が、各々に一つづつ表示されている。板9,10についても板7,8と嵌め合わせた状態で同じ方向を向くように表示されている。この方向マーク14は、板7,8,9,10の片面のみに表示している。しかしながら、そのような方向マーク14は必要ない。仮に方向マーク14を付するとしても方向マーク14の形および/または位置を変更できる。
【0047】
また、便座3の開口部2が便座3の外形である四角形の対角線に沿っている、その対角線の端の方には、矢印3aが表示されている。そして、矢印3aから遠い側の開口部2が、矢印3aに近い側の開口部2よりも若干幅広になっている。しかしながら、矢印3aの存在と、矢印3aから遠い側の開口部2が、矢印3aに近い側の開口部2よりも若干幅広になっている、開口部2の形状にしなくてもよい。
【0048】
たとえば、図4は、本発明の実施の形態の変形例に係る便座23の平面図である。便座23の開口部22の周縁26が、便座23を構成する板状体のその他の部分とは異なる肌触りである。すなわち、その他の部分が発泡スチロール特有のザラザラ感のある肌触りであるのに対し、便座23の開口部22の周縁26は、発泡スチロールの表面を押圧し、その密度を高くした、滑らかな肌触りとなっている。そのため、便座23の開口部22の周縁26は、その他の部分よりも若干凹みがあり、周縁26がテーパー状となっている。図1に示す実施の形態とは開口部22の形状が異なる。図4に示す形態では、開口部22は6辺を有する形状である。開口部22は、便座23を構成する4角形の板の一の対角線に沿った長穴である。開口部22の長手方向に位置する4つの辺は、それぞれ便座23の辺に平行である。本形態において開口部22は点対称な形状である。周縁26は、開口部22の周囲を、ほぼ同一の幅で取り囲んでいる。
【0049】
図5は、本発明の実施の形態の変形例に係る筒状の容器28の斜視図である。筒状の容器28は、全ての板の上部にそれぞれ2つ、合計8つの溝30を形成した以外は、本発明の実施の形態に係る筒状の容器5と同一の構成である。筒状の容器28は、いわゆる手提げ付きレジ袋等を溝30に引っ掛けることができる。レジ袋等を筒状の容器28の中に開口部を上に向けて設置すると、排泄物をそのレジ袋に入れることができる。レジ袋を取り替えることで、何度でも組立て式トイレ1を使用できる。溝30は、断面角型の容器28の角部分の近傍に形成されている。開口部22の長手方向に沿って、レジ袋等の手提げ袋の手持ち部分をひっかけることができる。
【0050】
もちろん溝30がなくてもレジ袋等を使用できるが、溝30に引っ掛ける方が簡単にレジ袋を使用できる。この例では、全ての板の上部にそれぞれ2つ、合計8つの溝30を形成しているが、対向する一対の板の上部にそれぞれ2つ等、一部の板に溝30を形成しても良い。
【0051】
図6は、本発明の実施の形態の変形例に係る底面パッド42と、それに設置する補助パッド40を示す図である。図6(A)は、底面パッド42と補助パッド40の分解斜視図であり、図6(B)は、底面パッド42に補助パッド40が設置されている図である。
【0052】
補助パッド40は、発泡スチロールの2枚の板を使って十字状の板材としたものである。底面パッド42は、筒状の容器5の下端がはまり込む溝より内側に補助パッド40の下端(十字状)がはまり込む溝44がある以外は底面パッド4とほぼ同一である。そのため、筒状の容器5,28を底面パッド42に嵌め込むと共に補助パッド40を底面パッド42に嵌め込むことは可能である。
【0053】
補助パッド40は、仮に小さなレジ袋を筒状の容器5,28の中に開口部を上に向けて設置する際に高さが足りず、たとえば筒状の容器28の溝30に排泄物の重量がかかってしまい、非常に不安定なものになってしまうのを防ぐまたは抑制するためのものである。すなわち、補助パッド40は、レジ袋等を底上げして使うため等のためのものである。
【0054】
補助パッド40の形状は、十字状以外のものとしても良い。それに伴い底面パッド42の形状も変えることができる。また補助パッド40の材質は、発泡スチロール以外の、たとえば段ボール等を適宜選択できる。
【符号の説明】
【0055】
1 組立て式トイレ
2 開口部
3 便座
5,28 筒状の容器
6 周縁
7,8,9,10 板
12,13 マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6