特許第6989267号(P6989267)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989267
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】セラミックパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/38 20060101AFI20211220BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   H01L23/38
   H05K7/20 S
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-26440(P2017-26440)
(22)【出願日】2017年2月15日
(65)【公開番号】特開2018-133460(P2018-133460A)
(43)【公開日】2018年8月23日
【審査請求日】2019年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000229830
【氏名又は名称】株式会社フェローテックホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】小川 正広
(72)【発明者】
【氏名】八田 貴幸
【審査官】 豊島 洋介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−344066(JP,A)
【文献】 特開2002−185108(JP,A)
【文献】 特開2004−304167(JP,A)
【文献】 特開2002−280654(JP,A)
【文献】 特開2007−123674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L23/29
23/34 −23/36
23/373−23/427
23/44
23/467−23/473
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックを主成分とし、表面と裏面とを有する平板形状の基板本体と、
前記基板本体の外周形状に沿い前記表面側に配置された表面側枠体と、
を有するセラミックパッケージにおいて、
前記セラミックパッケージは、
前記基板本体の前記表面側であり、前記表面側枠体の内周空間に配置された金属からなる伝熱部材と、
前記基板本体の前記裏面と対向し、セラミックを主成分とする平板形状のセラミック板と、
前記基板本体の前記裏面と前記セラミック板の前記裏面と対向する対向面との間であり、前記伝熱部材と対向する位置に配置された複数の熱電変換素子と、
をさらに有し、
前記基板本体の前記裏面と前記セラミック板の前記対向面とには、それぞれ銅からなる電極層を備えた複数の電極を有し、
前記複数の電極の内、前記裏面に形成された前記電極層である複数の裏面電極層と前記裏面との間、及び前記複数の電極の内、前記対向面に形成された前記電極層である複数の対向面電極層と前記対向面との間には、前記裏面電極層及び前記対向面電極層へ他の金属元素が拡散することを防止するバリア層である薄膜層を有し、
前記薄膜層は、タングステン又はモリブデンで形成されており、
前記複数の裏面電極層及び前記複数の対向面電極層は側面が露出しており、
前記複数の熱電変換素子は前記複数の電極を介して電気的に直列に接続されている、
セラミックパッケージ。
【請求項2】
前記基板本体と前記表面側枠体とは、ロウ材層を介して接合されている、
請求項1に記載のセラミックパッケージ。
【請求項3】
前記基板本体の外周形状に沿い前記基板本体の裏面側に配置された裏面側枠体を有し、
前記複数の熱電変換素子は、前記裏面側枠体の内周空間に配置されている、
請求項1または請求項2に記載のセラミックパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、熱電変換素子を用いて、発熱素子の冷却や温度制御を行う装置、例えば半導体レーザ素子を搭載したオプトパッケージやCMOSパッケージなどに適用できるセラミックパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ペルチェ効果を利用した熱電変換素子を備えた熱電変換モジュールは、構造が簡単で、取り扱いが容易で、しかも、安定な特性を維持することができるため、広範囲にわたる利用が注目されている。
【0003】
特に、局所冷却ができ、室温付近の精密な温度制御ができるため、半導体レーザや光集積回路等に代表されるように、一定温度に精密制御される装置や小型冷蔵庫等に利用されている。
【0004】
このような熱電変換モジュールとしては、例えば下記特許文献1、2に記載の技術が開示されている。
この特許文献1の技術とは、キャビティ形状の基体の一方の面に熱電変換モジュールを配置し、他方の面に、セラミック製の載置用基台等を介して光学部品を配置したものである。なお、この熱電変換モジュールは、熱電変換モジュールの形状を保持するセラミック板の間に、複数の熱電変換素子を配列したものである。
【0005】
また、特許文献2の技術とは、複数のベアチップ(電子部品)が、熱電変換モジュールの厚み方向の一方のセラミック板上に、直接に搭載されたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−324391号公報
【特許文献2】特開2016−58680号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の熱電変換モジュールでは、動作により発熱を伴い冷却の必要のある冷却対象の部品(以下、単に「発熱素子」ともいう)を冷却する際の放熱性や、冷却に伴う問題の対策が十分ではなく、一層の改善が望まれていた。
【0008】
例えば特許文献1に記載の技術では、熱電変換モジュールのセラミック板をキャビティ形状の基体に接触させ、さらにその基体に載置用基台を介して光学部品を配置する構成であるので、発熱素子の発熱量がより高くなる現状においては、より高い放熱性が求められ、従来の構造では放熱性が十分ではないという問題があった。
【0009】
また、特許文献2に記載の技術では、熱電モジュールの一方のセラミック板に直接に電子部品を搭載するので、熱電変換素子の平面方向の位置によって熱引きの状態が異なる。そのため、熱電変換モジュールの機能を有効に使用できないので、全体として放熱性が低いという問題がある。また、平面方向における温度にばらつきがあると、電子部品を搭載したセラミック板等の平面度が悪くなるという問題もある。
【0010】
そこで、本発明は、放熱性に優れたセラミックパッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明の第1局面は、セラミックを主成分とし、表面と裏面とを有する平板形状の基板本体と、基板本体の外周形状に沿い表面側に配置された表面側枠体と、を有するセラミックパッケージに関するものである。
【0012】
このセラミックパッケージは、基板本体の表面側であり、表面側枠体の内周空間に配置された金属からなる伝熱部材と、基板本体の裏面と対向し、セラミックを主成分とする平板形状のセラミック板と、基板本体の裏面とセラミック板の裏面と対向する対向面との間であり、伝熱部材と対向する位置に配置された複数の熱電変換素子と、を有する。
【0013】
さらに、基板本体の裏面とセラミック板の対向面とには、それぞれ銅からなる電極層を備えた複数の電極を有し、複数の電極の内、裏面に形成された電極層である複数の裏面電極層と裏面との間、及び複数の電極の内、対向面に形成された電極層である複数の対向面電極層と対向面との間には、裏面電極層及び対向電極層へ他の金属元素が拡散することを防止するバリア層である薄膜層を有し、複数の熱電変換素子は複数の電極を介して電気的に直列に接続されている。
【0014】
本第1局面では、基板本体の裏面側に裏面電極層等を介して熱電変換素子が接続されており、しかも、基板本体の表面に複数の熱電変換素子と対向する位置に金属製の伝熱部材が配置されている。つまり、セラミック製の基板本体(即ちキャビティ底板)を、熱電変換モジュールの一方のセラミック板として用いて(即ち共用して)、この基板本体の熱電変換素子と反対側に伝熱部材を配置している。
【0015】
従って、この伝熱部材に発熱素子を配置して、熱電変換素子を作動させることによって、伝熱部材が発熱素子から発せられる熱を広く拡散し、熱電変換素子が効率良く吸熱を行うことができる。したがって、本セラミックパッケージは、放熱性を向上させることができるという顕著な効果を奏する。
【0016】
また、表面側枠体で囲まれた基板本体の表面に、熱伝導性に優れた金属製の伝熱部材(例えば熱拡散板)が配置されているので、熱は効率良く水平方向に広げられる。そのため、伝熱面積の拡大が図れるとともに、平面方向における均熱化がなされるので、基板本体の平面度を好適に保つことができる。
【0017】
しかも、熱電変換モジュールは、その厚み方向(熱電変換素子が配列される平面方向と垂直の方向)しか熱引きができないが、伝熱部材によって、水平方向に熱が広げられた上での全体的な熱引きが可能になり、この点からも放熱性が向上するという利点がある。
【0018】
また、裏面電極層と裏面との間、及び、対向面電極層と対向面との間には、裏面電極層及び対向電極層へ他の金属元素が拡散することを防止するバリア層である薄膜層が配置されているので、容易に電極を形成できるという利点がある。つまり、薄膜層上に、スパッタリングやメッキ等によって、容易に銅からなる電極層を形成できる。
【0019】
なお、他の金属元素とは、裏面電極層や対向電極層の周囲に存在しバリア層によってその拡散が防止される金属元素を示している。ここで、拡散を防止するとは、完全に防止することだけでなく、拡散を抑制することも含んでいる(以下、同様)。
【0020】
なお、上述の薄膜層が、裏面電極層と裏面との間、及び、対向面電極層と対向面との間に存在することで、薄膜層がバリア層の役割を果たし、製造過程において、裏面電極層及び対向面電極層へ、他の金属元素が拡散することを防止できるという利点もある。
【0021】
ここで、薄膜層は、製造過程の熱処理時に活性金属の拡散を防止可能な材料として、その熱処理時の温度で合金化せず、また、溶融しない程度の高融点材料を用いればよく、例えば、タングステン又はモリブデン等の金属で形成することができる。
【0022】
(2)本発明の第2局面では、基板本体と表面側枠体とは、ロウ材層を介して接合されている。
本第2局面では、基板本体と表面側枠体とは、例えばロウ付けにより接合して一体化できる。
【0023】
上記であれば、基板本体を平板として作製することが可能であり、従来のキャビティ付きセラミック基板のような複雑形状ではないので、複雑形状が原因で発生し易い焼成歪みや反りなどを抑制できる。そのため、製品の歩留まりが高いという利点がある。また、基板本体に歪みや反りなどが発生した場合においても、平板であるため、容易に歪みや反りの修正が可能となる。
【0024】
なお、基板本体と表面側枠体とを接合するロウ材層の材料(ロウ材)として、熱電変換素子を基板本体に接合する材料より高融点の材料を用いる場合には、基板本体と表面側枠体とをロウ付けした後に、ロウ材の融点を気にすることなく、熱電変換素子を容易に接合することができる。
【0025】
(3)本発明の第3局面では、基板本体の外周形状に沿い基板本体の裏面側に配置された裏面側枠体を有し、複数の熱電変換素子は、裏面側枠体の内周空間に配置されている。
本第3局面では、基板本体の裏面側に裏面側枠体が配置され、この裏面側枠体で囲まれた内周空間に、複数の熱電変換素子が配置されている。
【0026】
従って、例えば裏面側枠体を設けることにより、セラミックパッケージを基台等の表面に載置する際、裏面側枠体によるセラミックパッケージの支持が可能となり、確実に載置することができる。つまり、熱電変換モジュールだけではなく、裏面側枠体の先端が基台等の表面に接することにより、安定した状態で、セラミックパッケージを基台等に載置することができる。
【0027】
さらに、裏面側枠体を設けることにより、熱電変換モジュールの熱電変換素子を外部環境から隔離することができ、熱電変換素子が外部環境の影響を受けること抑制することができる。
【0028】
また、裏面側枠体に、内周空間を覆うように蓋体を配置することにより、内周空間を容易に気密することができる。しかも、この蓋体は、基板本体に接合するものではないので、基板本体の部品載置面の平面度に影響を与えることなく、確実に封止することができる。
【0029】
<ここで、本発明の各構成について説明する>
・基板本体、セラミック板は、セラミックを主成分(50体積%を上回る量)とする部材(即ちセラミック基板)である。このセラミックとしては、アルミナ、窒化アルミニウム等を採用できる。
【0030】
・表面側枠体、裏面側枠体としては、基板本体と同様に、セラミックを主成分(50体積%を上回る量)とする枠体が挙げられる。なお、それ以外に、例えばコバールのような金属(単体や合金)の枠体でもよい。
【0031】
・伝熱部材は、基板本体より熱伝導率が高い金属(例えば単体や合金や複数の種類の金属からなるものなど)であり、板材等を用いることができる。例えば、伝熱部材の材料としては、銅、銅−タングステン、銅−モリブデンなどを用いることができる。この伝熱部材の大きさや配置としては、基板本体(従ってセラミックパッケージ)を厚み方向から見た平面視で、全ての熱電変換素子を含む範囲で設けることが好ましい。
【0032】
・熱電変換素子は、電力の供給により、素子の一方が吸熱し他方が発熱する熱電変換素子(即ちペルチェ素子)である。
・電極層を構成する導電材料としては、熱伝導率の高い材料である銅(Cu)が用いられる。また、電極層の表面には、適宜、ニッケル(Ni)や、金(Au)などのメッキ層を形成してもよい。
【0033】
・薄膜層とは、電極を構成する層のうちの一部の層(1層)を示すものであり、スパッタリングや蒸着など周知の薄膜形成の手法で形成できる。
・ロウ材層を構成するロウ材としては、AgCuロウ材等の銀ロウが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施形態のセラミックパッケージ等の斜視図である。
図2】第1実施形態のセラミックパッケージ等を厚み方向に(XY平面沿って)破断して模式的に示す断面図である。
図3】(a)は基板本体上の第1電極を厚み方向に破断して示す断面図、(b)はセラミック板上の第2電極を厚み方向に破断して示す断面図である。
図4】(a)は表面側枠体を厚み方向に破断して示す断面図、(b)は基板本体を厚み方向に破断して示す断面図、(c)は第1電極を厚み方向に破断しその形成方法を示す説明図である。
図5】(a)はセラミック板を厚み方向に破断して示す断面図、(b)は第2電極を厚み方向に破断しその形成方法を示す説明図、(c)は片持ちの熱電変換素子搭載基板を厚み方向に破断して示す断面図である。
図6】(a)は基板本体に表面側枠体を接合した状態を示す断面図、(b)基板本体に表面側枠体を接合したものに片持ちの熱電変換素子搭載基板を接合したセラミックパッケージを示す断面図、(c)はセラミックパッケージに発熱素子や蓋体を接合した状態を示す断面図である。
図7】第2実施形態のセラミックパッケージ等を厚み方向に(XY平面沿って)破断して模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
図1及び図2に示すように、本第1実施形態のセラミックパッケージ1は、略直方体の箱状の部材であり、その一方の表面(図2の上方)に、上方に開口するキャビティ(内周空間)3を有するとともに、他方の表面(図2の下方)に熱電変換モジュール5を備えたものである。
【0036】
なお、セラミックパッケージ1の内周空間3には、光学部品等の発熱素子7が配置され、内周空間3の開口端3aは、例えばコバールからなる金属製の蓋体9により覆われて、気密されている。なお、以下では、セラミックパッケージ1に発熱素子7を収容した部材を、素子収納パッケージ2と称する。
【0037】
<セラミックパッケージの構成>
以下、セラミックパッケージ1の構成について詳しく説明する。
図2に示すように、セラミックパッケージ1は、表面11aと裏面11bとを有する平板形状のセラミック製の基板本体11と、基板本体11の外周形状に沿い表面11a側に配置されたセラミック製の表面側枠体13とを備えている。
【0038】
基板本体11は、平面視(Y方向から見た場合)で、矩形状であり、表面側枠体13は、平面視で、基板本体11の外縁に沿った四角枠状である。
この基板本体11と表面側枠体13とは、例えばアルミナ等のセラミックからなり、基板本体11と表面側枠体13とは、金属を主成分とする枠体接合層14及び例えば銀ロウ等のロウ材からなるロウ材層15により一体に接合されている。
【0039】
また、基板本体11の表面11a側には、表面側枠体13の内周空間3に配置された例えば銅−タングステン(例えば、タングステンに銅を含浸させた部材)等の金属からなる伝熱部材(金属板)17が配置されている。この伝熱部材17は、金属を主成分とする中央接合層(例えば、Cuを主成分とするメタライズ層)19及び銀ロウ等からなる中央ロウ材層21を介して、基板本体11の表面11a側に接合されている。なお、伝熱部材17の熱伝導率は、基板本体11や表面側枠体13の熱伝導率より大である。
【0040】
一方、基板本体11の裏面11bには、裏面11bと所定間隔を開けて対向するように、即ち基板本体11と平行に、平面視で矩形状のセラミック板23が配置されている。このセラミック板23は、例えばアルミナ等からなる。
【0041】
さらに、基板本体11の裏面11bとセラミック板23の対向面23a(即ち前記裏面11bと対向する面)との間には、伝熱部材17と対向する位置に、即ち、平面視で伝熱部材17と重なる領域内に、複数の熱電変換素子25が配置されている。
【0042】
なお、セラミック板23の対向面23aと反対側の外側面23bには、平面視で矩形状の金属層27が形成されている。
また、基板本体11の裏面11bとセラミック板23の対向面23aとには、それぞれ銅などの金属からなる複数の電極(即ち第1電極29、第2電極31)が形成されている。そして、複数の熱電変換素子25は、複数の電極29、31を介して電気的に直列に接続されている。
【0043】
このように、平行に配置された基板本体11及びセラミック板23と、基板本体11及びセラミック板23の間に配置された複数の熱電変換素子25と、複数の熱電変換素子25を電気的に直列に接続するように配置された基板本体11側の第1電極29及びセラミック板23側の第2電極31等とにより、熱電変換モジュール5が構成されている。
【0044】
つまり、基板本体11は熱電変換モジュール5の一部として(即ち共用するように)構成されている。
なお、基板本体11及びセラミック板23とで挟まれた平板状の空間、即ちXZ方向に広がる空間に、複数の熱電変換素子25がXZ平面である平面方向に沿って複数配置されている。
【0045】
この熱電変換モジュール5は、外部から熱電変換素子25に電力(即ち直流電流)が供給されることにより、いわゆるペルチェ効果によって、Y方向における一方の主面側(例えば図2の上面側)が吸熱し、他方の主面側(図2の下面側)が発熱する機能を有する。
【0046】
外部から熱電変換素子25に電力を供給する方法としては、例えば、熱電変換素子25につながるリード線(図示せず)等をセラミック板23の表面に形成して、このリード線を介して電力を供給することができる。
【0047】
なお、熱電変換素子25は、直方体形状のペルチェ素子であり、N型熱電変換素子25nとP型熱電変換素子25pとからなる。ここでは、N型熱電変換素子25nとP型熱電変換素子25pとが交互に配置されて、直列に接続されている。
【0048】
<電極の構成>
次に、第1,第2電極29、31の構成について説明する。
図3(a)に示すように、第1電極29は、基板本体11側から、Tiスパッタ層41、Wスパッタ層(即ち薄膜層)42、Cuスパッタ層43、Cuメッキ層(即ち電極層)44、Niメッキ層45、Auメッキ層46の順に構成されている。
【0049】
このうち、Cuスパッタ層43とCuメッキ層44とは一体となって、裏面電極層47を構成している。なお、Cuスパッタ層43とCuメッキ層44とは、同じ材料から構成されているので、実際には殆ど区別はつかない。
【0050】
同様に、図3(b)に示すように、第2電極31は、セラミック板23側から、Tiスパッタ層51、Wスパッタ層(即ち薄膜層)52、Cuスパッタ層53、Cuメッキ層(即ち電極層)54、Niメッキ層55、Auメッキ層56の順に構成されている。
【0051】
このうち、Cuスパッタ層53とCuメッキ層54とは一体となって、対向面電極層57を構成している。なお、Cuスパッタ層53とCuメッキ層54とは、同じ材料から構成されているので、実際には殆ど区別はつかない。
【0052】
[1−2.セラミックパッケージの製造方法]
次に、セラミックパッケージ1の製造方法について、図4図5に基づいて説明する。
<表面側枠体の製造方法>
まず、図4(a)に示すような、表面側枠体13の製造方法について説明する。
【0053】
例えばアルミナ等を材料とするセラミックスラリーを用いて、例えばドクターブレード法によって、セラミックグリーンシート(以下単にグリーンシートと記す)を作製する。
次に、グリーンシートを表面側枠体13の平面形状に合わせて、中央部をパンチング等より打ち抜いて矩形状の枠状シートを作製する。
【0054】
これとは別に、タングステンやモリブデン等の導電材料を用いてメタライズインクを作製する。
次に、枠状シートの表面と裏面に(図4(a)の上下方向)、メタライズインクを印刷する。
【0055】
その後、焼成して、表面と裏面の両側にメタライズ層13a、13bを備えた表面側枠体13を作製する。
<基板本体等の製造方法>
次に、図4(b)に示すような、基板本体11等の製造方法について説明する。
【0056】
ここでは、複数の基板本体11の作製用の母材(図示せず)から、基板本体11を個片化する場合を例に挙げる。なお、以下では、母材に対する加工を行うが、説明の簡易化のために基板本体11に対する加工として説明する箇所がある(なお、図4は、基板本体11に関する内容を示している)。
【0057】
前記表面側枠体13と同様に、例えばアルミナ等を材料とするセラミックスラリーを用いて、例えばドクターブレード法によって、グリーンシートを作製する。
その後、グリーンシートを焼成して、セラミック絶縁基板である基板本体11の母材を作製する。
【0058】
次に、図4(b)、(c)に示すように、母材において、基板本体11の表面11aと裏面11bの全面に、Ti、W、Cuのスパッタリングを順次実施し、Tiスパッタ層41、Wスパッタ層42、Cuスパッタ層43を形成する。
【0059】
ここで、Tiスパッタ層41を形成しておくことで、基板本体11とTiスパッタ層41の表面に形成される各層(Wスパッタ層42やCuスパッタ層43等)とを確実に密着させることができる。
【0060】
なお、Wスパッタ層42は、Tiスパッタ層41のTiが後述する熱電変換素子25の接合の際の加熱により、Cuメッキ層44側に拡散することを防止するバリア層としての役割を果たす。結果、基板本体11と第1電極29との密着性が良好に保たれる。
【0061】
次に、Cuスパッタ層43の表面にドライフィルム(感光性フィルム)を貼り付け、露光・現像を行うことにより、基体本体11の表面11a(図4(b)の上方の面)側に、基体本体11の外周に沿ったリング状の領域と中央の領域とに各パターンを露出させ、基体本体11の裏面11b(図4(b)の下方の面)側に、第1電極29の平面形状である電極パターンを露出させる。
【0062】
次に、Cuメッキにより、露出した電極パターン(即ちCuスパッタ層43の露出部分)に、Cuメッキ層44を形成する。
最後に、ドライフィルムを剥離した後、基体本体11の表面11a及び裏面11bにおける、Cuメッキ層44が形成されていない箇所のTiスパッタ層41、Wスパッタ層42、Cuスパッタ層43を、エッチング等により剥離する。その後、基体本体11の平面形状に合わせて、母材に対してレーザ等によりダイシングし、基体本体11を個片化する。
【0063】
<セラミック板等の製造方法>
次に、図5(a)に示すような、熱電変換モジュール5のセラミック板23等の製造方法について説明する。
【0064】
なお、以下では、複数のセラミック板23の作製用の母材(図示せず)に対する加工を行うが、説明の簡易化のためにセラミック板23に対する加工として説明する箇所がある(なお、図5は、セラミック板23に関する内容を示している)。
【0065】
前記基板本体11と同様に、例えばアルミナ等を材料とするセラミックスラリーを用いて、例えばドクターブレード法によって、グリーンシートを作製する。
その後、グリーンシートを焼成して、セラミック絶縁基板であるセラミック板23の母材を作製する。
【0066】
次に、図5(b)に示すように、セラミック板23の対向面23aの全面に、Ti、W、Cuのスパッタリングを順次実施し、Tiスパッタ層51、Wスパッタ層52、Cuスパッタ層53を形成する。
【0067】
ここでも、Tiスパッタ層51を形成しておくことで、セラミック板23とTiスパッタ層51の表面に形成される各層(Wスパッタ層52やCuスパッタ層53等)とを確実に密着させることができる。
【0068】
なお、Wスパッタ層52は、Tiスパッタ層51のTiが後述する熱電変換素子25との接合の際の加熱により、Cuメッキ層54側に拡散することを防止するバリア層としての役割を果たす。結果、セラミック板23と第2電極31との密着性が良好に保たれる。
【0069】
次に、Cuスパッタ層53の表面にドライフィルム(感光性フィルム)を貼り付け、露光・現像を行うことにより、第2電極31の平面形状である電極パターンを露出させる。
次に、Cuメッキにより、露出した電極パターン(即ちCuスパッタ層53の露出部分)に、Cuメッキ層54を形成する。
【0070】
更に、Cuメッキ層54の上に、Niメッキ、Auメッキを順次実施して、Niメッキ層55、Auメッキ層56を形成する。なお、前記各メッキ層54〜56は、例えば無電解メッキや電解メッキにより形成することができる。
【0071】
その後、ドライフィルムを剥離した後、セラミック板23の対向面23a及び外側面23bにおける、Cuメッキ層54が形成されていない箇所のTiスパッタ層51、Wスパッタ層52、Cuスパッタ層53を、エッチング等により剥離する。その後、セラミック板23の平面形状に合わせて、母材に対してレーザ等によりダイシングし、セラミック板23を個片化する。
【0072】
また、図5(a)に示すように、セラミック板23の外側面23bには、金属層27が形成されるが、この金属層27の形成方法は、第2電極31と同様に、順次スパッタリングやメッキが実施されて同様に積層されるので、その説明は省略する。
【0073】
次に、図5(c)に示すように、セラミック板23の対向面23aの第2電極31上に、AuSn等の半田を印刷する。そして、半田の上に熱電変換素子25を配置し、例えば280℃にて半田を溶融させて半田付けを行う。
【0074】
これにより、片持ちの熱電変換素子(ペルチェ素子)搭載基板61を得る。
<表面側枠体の接合方法>
次に、図6(a)に示すように、基板本体11に表面側枠体13を接合する。
【0075】
具体的には、基板本体11の表面11aの枠体接合層14と、表面側枠体13のメタライズ層13bとの間に、AgCuロウ材等の銀ロウ材を配置し、例えば700℃〜900℃程度に加熱してロウ材を溶融させてロウ付けする。これにより、基板本体11と表面側枠体13とがロウ材層15で一体に接合されて、表面側枠体13で囲まれたキャビティ(内周空間)3を備えた基板本体11が形成される。
【0076】
また、このロウ付けの際には、中央接合層19と伝熱部材17とが、同様なロウ材によってロウ付けされる。つまり、中央ロウ材層21により接合される。
さらに、前記ロウ付けの際には、表面側枠体13のメタライズ層13aと板状の気密封止用リング63とが、同様なロウ材によってロウ付けされる。即ち、ロウ材からなるリング用接合層64により接合される。なお、この気密封止用リング63とは、例えばコバールからなる金属製であり、平面視で、表面側枠体13の平面形状と同様な四角枠状の板材である。
【0077】
なお、このとき、必要に応じて、光ファイバ用のパイプ金具(図示せず)なども、同時に接合することができる。
その後、基板本体11と各種部材が接合された状態で、Niメッキ、Auメッキを順次実施して、基板本体11の裏面11a側の第1電極29となるCuメッキ層44の上に、Niメッキ層45、Auメッキ層46を形成する。なお、前記各メッキ層44〜46は、例えば無電解メッキにより形成することができる。
【0078】
また、この際に、放熱部材17等のその他の金属部材にも同時に、Niメッキ、Auメッキを順次実施することとし、Niメッキ層、Auメッキ層を形成してもよい。
<片持ちの熱電変換素子搭載基板の接合方法>
次に、図6(b)に示すように、基板本体11の裏面11bに、上述した片持ちの熱電変換素子搭載基板61を接合する。
【0079】
具体的には、基板本体11の裏面11bの第1電極29と、熱電変換素子25の上端とを、例えばSnSb等の半田を用いて、例えば240℃程度に加熱して接合する。
これにより、本第1実施形態のセラミックパッケージ1が完成する。
【0080】
その後、図6(c)に示すように、伝熱部材17の表面に発熱素子7を接合して実装する。そして、内周空間3を覆うように、気密封止用リング63に蓋体9を当接させ、例えば抵抗溶接によって気密封止用リング63に蓋体9を接合する。
【0081】
これにより、発熱素子7の周囲の内周空間3を気密した素子収納パッケージ(即ちキャビティ付きペルチェモジュール)2が得られる。
[1−3.効果]
(1)本第1実施形態では、基板本体11の裏面11bに第1電極29を介して熱電変換素子25が接続されており、しかも、基板本体11の表面11aに複数の熱電変換素子25と対向する位置に金属製の伝熱部材17が配置されている。
【0082】
つまり、セラミック製の基板本体11を、熱電変換モジュール5の一方のセラミック板として用いて(即ち共用して)、この基板本体11の熱電変換素子25と反対側に伝熱部材17を配置している。
【0083】
従って、この伝熱部材17に発熱素子7を配置して、熱電変換素子25を作動させること(即ち電力を供給すること)によって、伝熱部材17が発熱素子7から発せられる熱を広く拡散し、熱電変換素子25が効率良く吸熱を行うことができるので、放熱性を向上させるという顕著な効果を奏する。
【0084】
また、表面側枠体13で囲まれた基板本体11の表面に、金属製の伝熱部材17が配置されているので、熱は効率良く水平方向に広げられる。そのため、伝熱面積の拡大が図れるとともに、平面方向における均熱化がなされるので、基板本体11の平面度を好適に保つことができる。
【0085】
しかも、熱電変換モジュール5は、その厚み方向しか熱引きができないが、伝熱部材17によって水平方向に熱が広げられた上での全体的な熱引きが可能になり、この点からも放熱性が向上するという利点がある。
【0086】
また、裏面電極層47と裏面11bとの間、及び、対向面電極層57と対向面23aとの間には、タングステンからなる薄膜層42が配置されているので、第1、第2電極29、31を容易に形成できるという利点がある。
【0087】
なお、タングステンが、薄膜層として、裏面電極層47と裏面11bとの間、及び、対向面電極層57と対向面23aとの間に存在することで、タングステンがバリア層の役割を果たし、製造過程において、裏面電極層47及び対向面電極層57へ、他の金属元素(例えば、上述のTi元素)が拡散することを防止できるという利点もある。
【0088】
(2)本第1実施形態では、基板本体11と表面側枠体13とは、ロウ付けにより接合して一体化できる。
上記であれば、基板本体11を平板として作製することが可能であり、従来のキャビティ付きセラミック基板のような複雑形状ではないので、複雑形状が原因で発生し易い焼成歪みや反りなどを抑制できる。そのため、製品の歩留まりが高いという利点がある。また、基板本体11に歪みや反りなどが発生した場合においても、平板であるため、容易に歪みや反りの修正が可能となる。
【0089】
[1−4.文言の対応関係]
第1実施形態の、表面11a、裏面11b、基板本体11、表面側枠体13、セラミックパッケージ1、内周空間3、伝熱部材17、セラミック板23、対向面23a、熱電変換素子25、電極層47、57、電極29、31、裏面電極層47、対向面電極層57、薄膜層42、ロウ材層15は、それぞれ、本発明の、表面、裏面、基板本体、表面側枠体、セラミックパッケージ、内周空間、伝熱部材、セラミック板、対向面、熱電変換素子、電極層、電極、裏面電極層、対向面電極層、薄膜層、ロウ材層の一例に相当する。
【0090】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容については、説明を省略又は簡略化する。なお、第1実施形態と同様な構成については、同じ番号を使用する。
【0091】
図7に示すように、本第2実施形態のセラミックパッケージ71(従って素子収容パッケージ72)は、第1実施形態と同様に、基板本体11の表面11aに表面側枠体13が接合され、基板本体11の裏面11bに片持ちの熱電変換素子搭載基板61が接合されている。
【0092】
なお、内周空間3には、同様に、伝熱部材17及び発熱素子7が配置され、内周空間3を閉塞するように蓋体9が接合されている。
特に本第2実施形態では、基板本体11の裏面11bには、表面側枠体13と同様な裏面側枠体73が、表面側枠体13と図7における上下対称となるように接合されている。
【0093】
なお、裏面側枠体73の材質や形状、基板本体11との接合方法は、表面側枠体13と同様である。
また、裏面側枠体73の厚み(図7の上下方向の寸法:高さ)は、片持ちの熱電変換素子搭載基板61の厚み(高さ)と同様に設定されている。
【0094】
本第2実施形態は、第1実施形態と同様な効果を奏する。
また、裏面側枠体73は、セラミックであるので、金属材料に比べて、熱伝導性が低いため、熱の戻り等が発生しにくく、ペルチェ効果を妨げにくいという利点がある。
【0095】
さらに、裏面側枠体73が設けられているので、セラミックパッケージ71(従って素子収容パッケージ72)を、基台等の表面に載置する際に、裏面側枠体73によるセラミックパッケージ71の支持が可能になり、確実に載置することができる。つまり、片持ちの熱電変換素子搭載基板61だけではなく、裏面側枠体73の先端(図7の下端)が基台等の表面に接することにより、安定した状態で、セラミックパッケージ71等を基台等に載置することができる。
【0096】
さらに、裏面側枠体73を設けることにより、熱電変換モジュール5の熱電変換素子25を外部環境から隔離することができ、熱電変換素子25が外部環境の影響を受けること抑制することができる。
【0097】
加えて、裏面側枠体73の厚みは、片持ちの熱電変換素子搭載基板61の厚みと同様に設けられているので、裏面側枠体73を設けても、片持ちの熱電変換素子搭載基板61を基台等に接触させて配置することができ、効果的に放熱することを妨げない。
【0098】
また、裏面側枠体73に、裏面側枠体73で囲まれた裏側の内周空間75を覆うように蓋体(図示せず)を配置することにより、裏側の内周空間75を容易に気密することとしてもよい。この蓋体は、基板本体11に接合するものではないので、基板本体11の部品載置面(例えば表面11a)の平面度に影響を与えることなく、確実に封止することができる。
【0099】
[3.実験例]
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
この実験例は、本発明例、本発明の範囲外の比較例1、2のセラミックパッケージのモデルを設定し、コンピュータシミュレーションによって、熱の伝わる状態(従って熱の分布)を調べたものである。
【0100】
本発明例のモデルは、第1実施形態と基本的に同様に、セラミック製(アルミナ製)の基板本体と表面側枠体とを一体とし、その表面側に伝熱部材、発熱素子を順次配置し、反対の裏面側に熱電変換モジュールを配置したものである。
【0101】
比較例1のモデルは、セラミック製(アルミナ製)の基板本体と表面側枠体とを一体とし、その表面側に発熱素子を配置し、裏面側に伝熱部材、熱電変換モジュールを順次配置したものである。
【0102】
比較例2のモデルは、セラミック製(アルミナ製)の基板本体と表面側枠体とを一体とし、その表面側に、伝熱部材、熱電変換モジュール、発熱素子を順次配置したものである。
【0103】
そして、各モデルに対して、下記の条件で加熱するとともに熱電変換素子(ペルチェ素子)を駆動して、熱の状態を調べた。
<実験条件>
発熱素子の発熱量:5[W]
環境温度 :30[℃]
ペルチェ電流 :0.8[A]
熱伝達係数 :100[W/m・K]
なお、熱伝達係数とは、各モデルの真下に放熱フィンを設置し、フィン表面を風速5m/secの条件で空冷した状態における熱伝達係数である。
【0104】
この実験によれば、本発明例では、発熱素子の最大温度は68.023℃と低く、放熱性に優れていることが分かる。
それに対して、比較例1では、発熱素子の最大温度は73.606℃と高く、また、比較例2も、発熱素子の最大温度は82.351℃と高く、放熱性に劣っている。
【0105】
[4.その他の実施形態]
尚、本発明は、前記実施形態等に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0106】
(1)各導電材料からなる層(導電層)の配置は、本発明の範囲内で、適宜変更できる。例えば更に他の層を積層したり、いくつかの層を省略してもよい。
(2)表面側枠体や裏面側枠体の材料としては、基板本体と同様な材料(例えばアルミナ等のセラミック)を採用できるが、異なる材料を採用してもよい。例えばコバール等の金属や、基板本体とは異なるセラミック材料を採用できる。
【0107】
(3)内周空間を覆う蓋体は用いなくてもよい。従って、気密封止用リングを省略してもよい。
(4)なお、上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を、省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0108】
1、71…セラミックパッケージ
3、75…内周空間
7…発熱素子
11…基板本体、
11a…表面
11b…裏面
13…表面側枠体
15…ロウ材層
17…伝熱部材
23…セラミック板
23a…対向面
25…熱電変換素子
29…第1電極
31…第2電極
42…薄膜層
47…裏面電極層
57…対向面電極層
73…裏面側枠体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7