特許第6989270号(P6989270)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6989270方位基準システムの較正および調整システムならびに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6989270
(24)【登録日】2021年12月6日
(45)【発行日】2022年1月5日
(54)【発明の名称】方位基準システムの較正および調整システムならびに方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 17/38 20060101AFI20211220BHJP
   G01C 1/00 20060101ALI20211220BHJP
【FI】
   G01C17/38 B
   G01C17/38 K
   G01C17/38 N
   G01C17/38 S
   G01C1/00 Z
【請求項の数】3
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2017-40497(P2017-40497)
(22)【出願日】2017年3月3日
(65)【公開番号】特開2017-173315(P2017-173315A)
(43)【公開日】2017年9月28日
【審査請求日】2019年12月11日
(31)【優先権主張番号】15/060,358
(32)【優先日】2016年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/278,743
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516174194
【氏名又は名称】イノベイティブ ソリューション アンド サポート,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】シャーラム アスカルポール
【審査官】 久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0278050(US,A1)
【文献】 中国実用新案第201242442(CN,Y)
【文献】 特表2004−525347(JP,A)
【文献】 特開2014−006248(JP,A)
【文献】 特開昭60−123721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 17/38
G01C 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1の磁力計を備える、航空機の姿勢方位基準システム(AHRS)を再較正する方法であって、
前記AHRSの初回較正を実行するステップであって、前記AHRSの初回較正を実行するステップは、地表に沿って1以上の選択した場所に配置されるとともに1以上の既知の磁方位に方向づけられる航空機の初回較正をした方位および姿勢を取得するために、初回の磁力計較正値を算出することを有するステップ(202,204,206,302)と、
前記AHRSを再較正するステップであって、前記AHRSを再較正するステップは、
前記航空機を1以上の以前に選択した前記場所の1つで地表に沿って1以上の既知の磁方位の1つに選択的に位置付けること(208,304)と、
前記航空機が停止している間に1つの前記既知の磁方位の少なくとも1の磁力計から磁力計測定値を取得すること(208)と、
前記場所に対応する地球の取得した理論磁気特性ならびに前記航空機の以前に較正した方位および姿勢に基づいて、1つの前記既知の磁方位における前記少なくとも1の磁力計の理論磁力計測定値を算出すること(210)と、
前記磁力計測定値から前記少なくとも1の磁力計の前記理論磁気特性を引くことにより次回の磁力計較正値を計算すること(212)と、
前記AHRSを再較正するために前記磁力計較正値を使用することと、
を有するステップと、
前記AHRSを追加較正するために設置ずれ値を算出するステップであって、前記設置ずれ値を算出するステップは、
較正磁方位を取得するために初回の前記磁力計較正値又は次回の前記磁力計較正値を適用すること(306)と、
前記少なくとも1の磁力計の前記設置ずれ値を、前記較正磁方位と前記既知の磁方位とを比較することによって決定すること(308)と、
前記AHRSを追加較正するために前記設置ずれ値を使用すること(310)と、
を有するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの磁力計の前記磁力計較正値は、下記数式に従って算出される、請求項1に記載の方法。
Xcal = Xb - (VIsinθ - HIcosθcosφ)
Ycal = Yb - (HIsinψcosφ - HIsinφcosψsinθ - VIcosθsinφ)
Zcal = Zb - (-HIsinψsinφ - HIcosφcosψsinθ - VIcosθcosφ)
ここで、
Xbはx軸の磁力計測定値であり、
Ybはy軸の磁力計測定値であり、
Zbはz軸の磁力計測定値であり、
ψは既知の較正磁方位であり、
θは既知の較正ピッチ角度であり、
φは既知の較正ロール角度であり、
HIは前記位置付けられた航空機の前記以前に選択した場所における水平局所地球磁場強度であり、
VIは前記位置付けられた航空機の前記以前に選択した場所における垂直局所地球磁場強度である。
【請求項3】
前記少なくとも1の磁力計からの前記磁力計測定値は、前記航空機のエンジンおよび航空電子機器が動作している間に取得される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/833,513号(現在は米国特許第9,157,747号)の継続出願である、2015年10月12日に出願された米国特許出願第14/881,114号の一部継続出願である、2016年3月3日に出願された米国特許出願第15/060,358の継続出願であり、これに基づく利益を主張する。
【0002】
本発明は、例えば航空機の姿勢方位基準システムや船舶の方位システムといった、移動手段の方位基準システムにおける偏差を較正し調整するシステムおよび方法に関するものであり、これらのシステム内の1以上の磁力計を、移動手段の様々な磁方位における実測値と理論値とを用いて較正し、移動手段の既知の磁方位における硬化鉄擾乱および製造欠陥に関連する偏差について再較正または調整を行う。
【背景技術】
【0003】
例えば航空機の姿勢方位基準システム(AHRS:Attitude and Heading Reference System)のような方位システムを有する移動手段は一般に、測定誤差を最小にするため定期的な較正が必要である。測定誤差は、硬化鉄擾乱および/または磁力計または方位システムの他の構成要素に関連した設置のずれのような要因によって起こり得る。ほとんどの従来技術の較正方法では、較正近似値に到達するのに8以上の異なる位置へと移動手段を何度も配置変更しなければならない。そうして、測定誤差の最小化のため、航空機の飛行中に較正近似値は定期的に再計算される。駐機場にある航空機のような移動手段の置かれた位置の、磁場の水平および垂直強度の理論値のような地球の理論磁場特性を、その位置での磁力計実測値と比較するために利用する従来技術の方法は、出願人の知る限り存在しない。これらの従来技術の較正方法は時間がかかり、較正手順を複雑にし、潜在的には較正精度に影響する。このような従来技術の方法の例には、以下の特許文献1−5があるが、いずれもAHRS方位の較正に、例えばウェブサイトから取得した、地球磁場の理論的な磁場成分を使用するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7587277号明細書
【特許文献2】米国特許第8061049号明細書
【特許文献3】米国特許第7891103号明細書
【特許文献4】米国特許第7146740号明細書
【特許文献5】米国特許第6860023号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記観点から、硬化鉄擾乱、移動手段の構成要素の設置ずれ、および方位システムに悪影響を与えるその他の要因に起因する誤差に対応するやり方で移動手段の方位システムを迅速かつ正確に測定し調整する、簡便なシステムおよび方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、姿勢方位基準システムにおける偏差を調整するシステムおよび方法を対象とする。これらの技術は、AHRSまたは移動手段に設置されるその他の方位基準システムを用いて測定結果を取得するときに起こり得る偏差を、効率的かつ正確に調整する。また、これらの技術は、移動手段の向きや方向に関する正確な測定結果を提供することとなるため、運行目的にも使用可能である。加えて、例えば移動手段に設置される画像システムにおけるカメラの調整を行うことで測定結果の訂正が可能となるのと同様に、これらの技術により移動手段上のハードウェア機器の配置(例えばアンテナやカメラ等の配置)の安定化と制御が可能となる。
【0007】
ある実施形態に従って、本発明は、航空機のAHRSまたは船舶上に設置されるものといった、移動手段に設置される1以上の磁力計を使用する方位システムを較正して硬化鉄擾乱および磁力計の設置ずれに起因する偏差を調整する方法を含む。これは、磁力計の実測値とともに地球磁場の理論的な磁場成分を用いて方位システムを較正することにより達成される。
【0008】
ある実施形態に従って、移動手段の1以上の方位(例えば北、南、東および西に対応する4つの異なる磁方位)での磁力計からの実測値、および、それらの位置または方位における地球磁場の理論磁場特性セットの(例えばこの情報を有するウェブサイトからの)、取得が行われてよい。これらの理論値は、移動手段のそれぞれの位置における磁場の水平および垂直強度の値を含む。これらの方位ごとの磁力計の理論測定値が算出され、方位システムの較正値を得るためにこれらと同じ位置での磁力計の実測値と比較される。これらの較正値が、例えば得られたすべての較正値を平均することにより、磁力計の共通平均ゲインおよびオフセットを提供するために使用され、測定誤差について方位システムが共通に較正される。ある実施形態において、共通平均ゲインおよびオフセットを、異なる位置または方位で取得された測定値に対応する複数の異なる較正値を平均することによって得るようにしてもよい。この較正方法は、望ましくは航空機のエンジンおよび航空電子機器、または移動手段の対応する機器が動作した状態で実行される。所望なら、これらの較正値をローパスフィルタでフィルタしてノイズ効果を減少させてもよい。
【0009】
較正方法を移動手段の1つの位置で完了させることは可能であるが、4つのコンパス方位の方向、具体的には北、南、東および西でこれを行うと、正確性を増すことが知られている。
【0010】
さらに、一度初回較正が行われると、初回の方位較正方法で必要とされるすべての工程を実行することなく、再調整および再較正の目的で、後に磁力計の較正値を生成または計算することができる。結果として本発明は、定期的な磁力計較正値の決定および偏差に対応した再調整が要求される付加的硬化鉄擾乱の調整のための解決策を提供する。
【0011】
加えて、一度方位システムの初回較正または次回再較正が行われると、本発明では磁力計と選択された移動手段の軸との間の設置ずれ角度を算出することによってハードウェア設置エラーの存在を判断することができ、算出された設置ずれ角度に基づいて磁力計と方位システムとをさらに調整することができる。
【0012】
さらに、方位システムの初回較正または次回再較正の間、移動手段(例えば航空機、船舶等)は、初回較正値の取得および/または1つの既知の方位に基づく取得済み較正値の再計算に用いることのできる理論磁力計測定値を効率的に計算できるよう、地球の表面(例えば地面)に沿って選択的に配置され、1以上の既知の磁方位に調整される。結果的に、移動手段の方位システムは調整および/または再較正され、信頼性のある方位情報を提供することができる。加えて、製造および/または設置エラー、例えば磁力計の設置ずれに起因する調整を、移動手段の初回較正および/または次回再較正時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明のある実施形態に従って方位基準システムの初回較正を行う工程を示すフロー図である。
図2】本発明のある実施形態に従って方位基準システムの再較正を行う工程を示すフロー図である。
図3】本発明のある実施形態に従って方位基準システムの磁力計の設置ずれを判断し較正を行う工程を示すフロー図である。
図4】本発明のある実施形態に従って方位基準システムの偏差を調整する工程を示すフロー図である。
図5】本発明のある実施形態に従った方位基準システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
AHRSシステムでは一般に、リアルタイムでの向き・方向情報を提供可能な3軸センサシステムが採用される。その結果、こうしたシステムには信頼性高く、効率的で、正確であることが求められる。運行関連パラメータの計算のため、AHRSには、回転、適切な加速、および磁場強度を検知し計測することのできる、それぞれジャイロスコープ、加速度計および磁力計が含まれる。例えば、磁力計を使用すると、磁北および/または真北の方位に対する移動手段の方位を計算するのに必要な情報を得ることができる。しかし、磁場の測定は局所磁気擾乱の影響を受けやすい。特に、磁力計のそばに鉄鋼材(例えば天然磁石)または電磁石が存在すると、付加的な磁場が形成され存在するために、擾乱が生じることがある。重要なことに、こうした硬化鉄効果によりAHRSの方位測定に誤りが発生することがあり、移動手段運行中の危険な状況を回避するために定期的に調整が必要となる。
【0015】
さらに、付加的擾乱は、個別に取り付けられる3軸磁力計の設置手続(例えば取り付け)ミスによっても生じ得る。具体的には、選択した軸からの磁力計の設置ずれがあると、取得された計測値にオフセットエラーが生ずることになる。こうした場合、磁力計の設置ずれ角度を決定することにより、方位システムが正確な計測値を提供できるよう較正することができる。
【0016】
その結果、硬化鉄擾乱および考えられる磁力計の設置ずれに対応し、AHRSまたは他の方位システムから信頼できる正確な方位測定値の取得することを可能とする、磁力計の較正値を決定することにより方位システムを定期的に較正し調整するシステムおよび方法が提供される。以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0017】
まず図1を参照すると、1以上の磁力計を含む移動手段方位システムの初回較正を行う方法100を説明するフロー図である。図1のフロー図に例示するように、また以下により詳細に説明するように、移動手段、例えば航空機または船舶の所定の位置に対応する現在の地球磁場の垂直および水平成分が取得される。これは図1のブロック102に示している。図1のブロック104に示すように、移動手段は既知の磁方位に位置づけられ、または方向づけされる。図1のブロック106に示すように、次に磁力計の設置姿勢が決定される。図1のブロック108に示すように、次に地球磁場の垂直および水平成分に基づいて磁力計の理論値が計算される。図1のブロック110に示すように、実測値から理論値を引いて方位システムのそれぞれの磁力計の硬化鉄較正値が取得される。
【0018】
一般に、例えば航空機に搭載される姿勢方位基準システムもしくはAHRSにおいて、AHRSの磁方位およびピッチ角度の較正は大変時間のかかる操作であり、較正の実行された空港の地理的近傍に限定されることがしばしばである。例えばx、yおよびz平面に調整される3軸磁力計、または2軸磁力計構成に用いることのできる本発明の方法100では、そのようなことはない。いずれの場合であっても、移動手段の配置された地点における地球の理論磁場特性セット、例えば磁場の水平強度と垂直強度の理論値が取得される。これらの理論値の情報は、望ましくはウェブサイト、または地球磁場に関する情報を提供する適切なソースおよび/またはデータベースから取得してよい。理論値の基となる地理情報へのアクセスを提供する機関の例には、国立地球物理データセンタ(NGDC:National Geophysical Data Center)に関するウェブサイトを運営するアメリカ海洋大気庁(NOAA:National Oceanic and Atmospheric Administration)がある。例えば、搭載する従来のAHRSを較正中の航空機は、エンジンと航空電子機器を動作させた状態で、磁気的にクリーンで平坦な場所に磁北を向いて配置することが望ましい。望ましくは従来のAHRSの磁力較正ページまたはインタフェースにアクセスし、上述のウェブサイトから取得した水平および垂直強度に加えて全磁界を含む理論値を磁力較正ページまたはインタフェースに入力し、例えば北の測定値が選択される。正確性改善のため、この手続を他の3つの垂直磁方位、東、南および西について繰り返すのが望ましく、まず移動手段をこれらの方位に配置し、手続を繰り返し、その方位に対応する測定値を選択することになる。このような航空機の再配置によって、土地の表面が原因で生じ得る異常により起こる航空機の方向(例えばピッチとロールの角度)の変動に対応することにより航空機の方位のより正確な推定が可能となる。
【0019】
この点に関し、硬化鉄効果の存在しない通常の磁力計計測値(例えば磁力計の理論値)は、4つの垂直方位の北、東、南および西のそれぞれについて、以下の式で定義されることに注目されたい。
【0020】
(a)北の方位では:
【数1】
【0021】
(b)東の方位では:
【数2】
【0022】
(c)南の方位では:
【数3】
【0023】
(d)西の方位では:
【数4】
【0024】
このとき、
【0025】
HIは水平局所磁場強度であり、
【0026】
VIは垂直局所磁場強度であり、
【0027】
θは航空機のピッチ角度であり、
【0028】
φは航空機のバンク角度であり、
【0029】
ψは航空機の磁方位であり、
【0030】
xMagはx軸の磁力計理論測定値であり、
【0031】
yMagはy軸の磁力計理論測定値であり、
【0032】
zMagはz軸の磁力計理論測定値である。
【0033】
磁力計実測値の上記値からの偏差は較正対象ユニットの硬化鉄オフセットと呼ばれ、本発明の方法に従って磁力計実測値から引かれ、方位修正のための以下の式となる。
【数5】
ここで、
【0034】
【数6】
【0035】
ここで、
【0036】
Xbはx軸の磁力計実測値であり、
【0037】
Ybはy軸の磁力計実測値であり、
【0038】
Zbはz軸の磁力計実測値であり、
【0039】
Xcal=Xb-xMagはx軸の磁力計較正値であり、
【0040】
Ycal=Yb-yMagはy軸の磁力計較正値であり、
【0041】
Zcal=Zb-zMagはz軸の磁力計較正値である。
【0042】
このようにして、移動手段に搭載された方位システムの初回較正のための上記方法をまとめると、移動手段の1以上の方位、例えば望ましくは北、南、東および西に対応する4つの異なる磁方位の1以上の磁力計から実測値を取得し、同じ位置における地球の理論磁場特性セットも、例えばこの情報を含むウェブサイトから、取得される。これらの理論値には、全体磁場と同様に、移動手段のそれぞれの位置における磁場の水平および垂直強度の値が含まれる。各方位の磁力計の理論測定値が算出され、同じ位置の磁力計実測値と比較されて方位システムの較正値が取得される。これらの較正値は、例えば取得したすべての較正値を平均するなどして、磁力計の共通平均ゲインおよびオフセットを提供するために使用され、測定誤差について方位システムが共通に較正される。ある実施形態で、共通平均ゲインは、異なる磁方位における平均磁力計理論測定値と平均磁力計実測値との比の計算により、および/または、平均して平均共通ゲインを得られる異なる磁方位についての相乗比を求めることにより、取得できる。この較正方法は、望ましくは航空機のエンジンおよび航空電子機器、または移動手段の対応する機器が動作した状態で実行される。所望なら、これらの較正値をローパスフィルタでフィルタしてノイズ効果を減少させてもよい。
【0043】
較正方法100を移動手段の1つの位置で完了させることは可能であるが、4つのコンパス方位の方向、具体的には北、南、東および西でこれを行うと、正確性を増すことが知られている。
【0044】
次に図2を参照すると、本発明のある実施形態に従って磁力計較正値(例えばXcal、Ycal、Zcal)を計算し、方位システムの再較正を行う代表的な方法200を説明するフロー図である。ある実施形態で、磁力計の硬化鉄効果を補償するため、AHRSの初回較正が例えば上記図1に記載のように実行される。初回較正の実行のために、202に示すように、移動手段は1以上の選択した位置に配置され、1以上の既知の磁方位に方向づけられる。
【0045】
204で、適用される較正方法に基づき磁力計較正値が決定される。例えば、このような較正値は、1以上の選択された地点および磁方位における磁力計実測値と、同じ地点および磁方位における計算された磁力計理論測定値との偏差を計算することにより取得される。磁力計の較正値を取得すると、206に示すようにAHRSを較正して補正された方位および姿勢の測定を行なえるようになる。
【0046】
ある実施形態で、磁力計周辺に存在する付加的硬化鉄に対応するAHRSシステムの再較正の実行が必要となることがある。例えば、航空機のコックピットに鉄鋼材を含む追加機材が追加され、以前に較正した方位の調整が必要となることがある。ある実施形態で、運行計測のための慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Units)の使用に関連する追加の処理目的のため、以前に算出した磁力計較正値の再算出が必要となることがある。これは208で、既知の方位、ピッチおよびロール角度を用いた以前に較正された磁力計の測定値の計算を可能とする1つの以前選択した地点および既知の方位に移動手段を配置して、磁力計実測値を取得することにより、達成される。
【0047】
210で、理論磁力計測定値は既知の選択地点に対応する地球の理論磁気特性を取得することにより算出可能である。212で、磁力計較正値は208で取得した磁力計実測値から理論磁力計測定値を引くことにより算出され、次の式が算出された磁力計較正値となる。
【数7】
【0048】
ここで、
Xbはx軸の磁力計実測値であり、
Ybはy軸の磁力計実測値であり、
Zbはz軸の磁力計実測値であり、
Xcal=Xb-xMagはx軸の磁力計較正値であり、
Ycal=Yb-yMagはy軸の磁力計較正値であり、
Zcal=Zb-zMagはz軸の磁力計較正値であり、
ψは既知の較正磁方位であり、
θは既知の較正ピッチ角度であり、
φは既知の較正ロール角度であり、
HIは水平局所磁場強度であり、
VIは垂直局所磁場強度である。
【0049】
次に図3を参照すると、AHRSシステム内の1以上の磁力計の設置ずれ値を決定し算出する代表的な方法300を説明するフロー図である。ある実施形態で、1以上の3軸磁力計の設置(例えば取り付け)が選択した移動手段の軸に正確に調整されていないものとする。その結果、磁力計は一定の設置ずれオフセットを示し、AHRSシステムは誤った方位測定を行うことになり、移動手段の信頼性と運行に影響が出ることになる。このような場合、方法300により磁力計の設置ずれの存在を決定することで解決が可能となる。さらに、移動手段の磁力計の設置中に(例えば製造試験段階で)決定されると、3軸磁力計を交換および/または再設置することにより適切な対応をとることができる。加えて、ある実施形態では、考えられる車両の保守および/または修理案件に対応するため、この決定が後(例えば設置後)に行われてよい。こうした場合、算出された磁力計の設置ずれ値は、補正された方位および姿勢の測定値を得るためにAHRSを追加較正するのに用いることができる。
【0050】
まず302で、方法300は移動手段のAHRSシステムに含まれる磁力計の較正値を決定する。ある実施形態で、図1に関連して説明した方法100を用いて、較正値を取得してよい。ある実施形態で、図2に関連して説明した方法200を用いて、AHRSシステムを再調整し、較正値を再算出してよい。
【0051】
304で、移動手段は既知の磁方位に方向づけられる。例えばある実施形態で、移動手段は一般的な方位、例えば北、南、東および西のいずれか、またはその他適切な方位に方向づけられる。306で、移動手段の較正磁方位はAHRSシステムに含まれる磁力計の較正値を適用することで決定することができる。
【0052】
308で、磁力計の設置ずれ値は、取得された較正方位と既知の磁方位とを比較することにより決定することができる。特に、較正磁方位と既知の方位との差は、移動手段の横軸と縦軸とに関する設置された磁力計の設置ずれ値を示し得る。
【0053】
ある実施形態で、磁力計の設置ずれ値は、310でAHRSシステムをさらに較正することにより偏差を調整するときに用いることができる。例えば、磁力計の設置ずれ値を、縦軸と横軸の磁力計実測値から引いてよい。設置ずれ値は、移動手段の他の装置における偏差を調整するのにも同様に用いることができる。
【0054】
図4は、AHRSシステムにおける硬化鉄効果および設置のずれに関連する偏差を調整する代表的な方法400を説明するフロー図である。特に、402で移動手段のAHRSシステムは補正された方位および姿勢の測定値が得られるよう較正される。ある実施形態で、図1に関連して説明した方法またはその他適切な較正方法を用いて較正が行われる。404で、移動手段は特定の位置に既知の磁方位で方向づけられ、較正されたAHRSから補正された方位および姿勢の測定値が取得される。例えば、特定の位置は、航空機の保守を行いやすくするために磁気標識と平坦な地面とを有する空港であってよい。
【0055】
406で、取得された方位実測値が既知の磁方位と比較される。方位実測値と既知の磁方位との間に差があれば(例えば406で「真」)、408で示すように、測定差異が移動手段の縦軸および横軸に関する磁力計の設置ずれ値となる。このような磁力計の設置ずれは、移動手段の磁力計の設置(例えば取り付け)中に起こり得る。較正中に設置ずれに対応することができないと、AHRSの方位測定値に誤りが発生し、移動手段の運行に悪影響を与え、移動手段の運行中に危険な状況をもたらすことがある。従って、410で、設置ずれ値が磁力計実測値から引かれて設置エラーが補正され、412で示すように、既知の方位および地点における磁力計の補正測定値が算出される。
【0056】
既知の磁方位とAHRSから取得した較正方位実測値との間に差がなければ(例えば406で「偽」)、方法400は412に進み、既知の磁方位および地点における航空機の磁力計実測値を取得する。
【0057】
さらに、414で、既知の地点における取得された較正方位、姿勢(例えばピッチ角度、ロール角度)および地磁気の特性(例えば水平および垂直強度)に基づいて、理論磁力計測定値が算出される。
【0058】
416で、取得された磁力計実測値から理論磁力計測定値を引くことにより磁力計較正値が取得される。ある実施形態で、磁力計較正値は、新たな硬化鉄擾乱が生じた場合のAHRSシステムの再較正に、および/または、過去に算出した磁力計較正値の評価に、用いることができる。
【0059】
図5は、本発明のある実施形態に従った代表的な姿勢方位基準システムのブロック図である。方位基準システム500は、航空機、船舶またはその他の移動手段に組込まれてよい。方位基準システム500は、単独で、または方位基準システム500を含む移動手段の他の構成要素と連携して、図1−4に開示した方法を実行するよう構成されてよい。
【0060】
図5に示すように、方位および基準システム500は、ジャイロスコープ504、磁力計506および加速度計508の3つを含む慣性計測装置502を含む。上述した較正方法は、磁力計506および加速度計508と連携して用いられてよい。記載のように、姿勢方位基準システム500はディスプレイ510も含む。ディスプレイ510は、1以上の液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal displays)、発光ダイオード(LED:light emitting diodes)、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diodes)、および/またはその他の適切な表示構成要素を含んでよい。加えて、方位基準システム500は、慣性計測装置502のいずれかおよび/またはすべての構成要素からの内部入力(例えば、磁力実測値に関連するデータおよびその他の関連するデータを含み得る)と同様に、外部設定モジュール514からの外部入力(上述した理論値および特性、および/または、既知のおよび/または以前の較正方位値のような追加特性の手入力を含み得る)を受信するマイクロコントローラ512を含み得る。ある実施形態で、システム500は、全地球測位システム(GPS:global positioning system)、または、追加運行情報(例えば移動手段の航路)を取得するその他の航行センサを含んでよい。
【0061】
ある実施形態で、姿勢方位基準システム500は、統合待機ユニット、主または副姿勢方位基準システム、大気データ姿勢方位基準システム、または慣性航行システムといった適切な航空機の方位基準システムであってよく、同様に方位情報源が必要な移動手段または慣性システムのような、適切な航空機以外のシステムであってよい。
【0062】
システム500は、磁力計506および加速度計510を用いて移動手段の方位および姿勢を決定する。ある実施形態で、こうした決定は移動手段が停止している(例えば地上にある)間、および/または、移動手段が通常動作している間(例えば航空機のフライト中)に行われてよい。例えば、ある実施形態で、航空機は、空港敷地内で既知の磁方位を識別する(例えば羅針図類似の)指定された標識を含み得る特定の平坦なエリアに配置され、この標識により、地表の変化に対応するための磁力測定値の繰り返し取得の必要がなくなる。マイクロコントローラ512はその後、本発明の実施形態に従って、移動手段の補正された方位および姿勢を提供するため、磁力計の較正値および/または再較正値を決定してよい。結果として、姿勢方位基準システムは、特に、ピッチ、ロール、ヨー、および真方位角度といった重要な運行情報の、測定、算出、および表示に用いられる。
【0063】
ある実施形態で、システム500は、内部および外部入力に関連するいずれかのデータを含むがこれに限らない、方位システム500に関連するいずれかのおよびすべてのデータを記憶可能な、1以上の不揮発性の物理記憶デバイス(図示せず)をさらに含んでよい。記憶デバイスはさらに、図1−4を参照して説明したいずれかの処理を含む、方位システム(または関連する構成要素)の調整を含む処理のいずれかまたはすべてに関連するコンピュータプログラム命令を記憶してもよい。マイクロコントローラ512は、記憶されたデータへのアクセスのため、および/または記憶された命令の実行のため、記憶デバイスと通信してよい。
【0064】
特定の実施形態に適用された本発明の様々な新規の特徴を示し説明してきたが、記載し説明したシステムおよび方法の形態および詳細を、当業者が本発明の要旨から離れることなく様々に省略、置き換えおよび変更することができることを理解されたい。本明細書での開示およびそれに基づく本発明の教示の理解に基づき、当業者は、そこで提供されそこに含まれる一般的な構造および機能が、発明の別な実施形態で変更できることを認識するだろう。したがって、図1図5で示した特定のシステムおよび方法は、実施形態のシステムおよび方法の中に認識される本発明の特定の実施形態の様々な側面および機能の十分かつ完全な理解および認識を容易にする例証のためのものである。例示目的であって限定目的でない記載された実施形態でない形態によっても本発明が実施可能であることを当業者は理解するだろう。そして、本発明は請求項の記載によってのみ限定される。
【0065】
本出願は、2013年3月15日に出願された米国特許出願第13/833,513号(現在は米国特許第9,157,747号)の継続出願である、2015年10月12日に出願された米国特許出願第14/881,114号の一部継続出願であり、これに基づく利益を主張する。
【0066】
本発明は、例えば航空機の姿勢方位基準システムや船舶の方位システムといった、移動手段の方位基準システムにおける偏差を較正し調整するシステムおよび方法に関するものであり、これらのシステム内の1以上の磁力計を、移動手段の様々な磁方位における実測値と理論値とを用いて較正し、移動手段の既知の磁方位における硬化鉄擾乱および製造欠陥に関連する偏差について再較正または調整を行う。
【0067】
例えば姿勢方位基準システム(AHRS:Attitude and Heading Reference System)のような方位システムを有する移動手段は一般に、測定誤差を最小にするため定期的な較正が必要である。測定誤差は、硬化鉄擾乱および/または磁力計または方位システムの他の構成要素に関連した設置のずれのような要因によって起こり得る。ほとんどの従来技術の較正方法では、較正近似値に到達するのに8以上の異なる位置へと移動手段を何度も配置変更しなければならない。そうして、測定誤差の最小化のため、航空機の飛行中に較正近似値は定期的に再計算される。駐機場にある航空機のような移動手段の置かれた位置の、磁場の水平および垂直強度の理論値のような地球の理論磁場特性を、その位置での磁力計実測値と比較するために利用する従来技術の方法は、出願人の知る限り存在しない。これらの従来技術の較正方法は時間がかかり、較正手順を複雑にし、潜在的には較正精度に影響する。このような従来技術の方法の例には、米国特許第7587277号、8061049号、7891103号、7146740号、および6860023号明細書があるが、いずれもAHRS方位の較正に、例えばウェブサイトから取得した、地球磁場の理論的な磁場成分を使用するものではない。
【0068】
上記観点から、硬化鉄擾乱、移動手段の構成要素の設置ずれ、および方位システムに悪影響を与えるその他の要因に起因する誤差に対応するやり方で移動手段の方位システムを迅速かつ正確に測定し調整する、簡便なシステムおよび方法が求められている。
【0069】
本発明は、姿勢方位基準システムにおける偏差を調整するシステムおよび方法を対象とする。これらの技術は、AHRSまたは移動手段に設置されるその他の方位基準システムを用いて測定結果を取得するときに起こり得る偏差を、効率的かつ正確に調整する。また、これらの技術は、移動手段の向きや方向に関する正確な測定結果を提供することとなるため、運行目的にも使用可能である。加えて、例えば移動手段に設置される画像システムにおけるカメラの調整を行うことで測定結果の訂正が可能となるのと同様に、これらの技術により移動手段上のハードウェア機器の配置(例えばアンテナやカメラ等の配置)の安定化と制御が可能となる。
【0070】
ある実施形態に従って、本発明は、航空機のAHRSまたは船舶上に設置されるものといった、移動手段に設置される1以上の磁力計を使用する方位システムを較正して硬化鉄擾乱および磁力計の設置ずれに起因する偏差を調整する方法を含む。これは、磁力計の実測値とともに地球磁場の理論的な磁場成分を用いて方位システムを較正することにより達成される。
【0071】
ある実施形態に従って、移動手段の1以上の方位(例えば北、南、東および西に対応する4つの異なる磁方位)での磁力計からの実測値、および、それらの位置または方位における地球磁場の理論磁場特性セットの(例えばこの情報を有するウェブサイトからの)、取得が行われてよい。これらの理論値は、移動手段のそれぞれの位置における磁場の水平および垂直強度の値を含む。これらの方位ごとの磁力計の理論測定値が計算され、方位システムの較正値を得るためにこれらと同じ位置での磁力計の実測値と比較される。これらの較正値が、例えば得られたすべての較正値を平均することにより、磁力計の共通平均ゲインおよびオフセットを提供するために使用され、測定誤差について方位システムが共通に較正される。ある実施形態において、共通平均ゲインおよびオフセットを、異なる位置または方位で取得された測定値に対応する複数の異なる較正値を平均することによって得るようにしてもよい。この較正方法は、望ましくは航空機のエンジンおよび航空電子機器、または移動手段の対応する機器が動作した状態で実行される。所望なら、これらの較正値をローパスフィルタでフィルタしてノイズ効果を減少させてもよい。
【0072】
較正方法を移動手段の1つの位置で完了させることは可能であるが、4つのコンパス方位の方向、具体的には北、南、東および西でこれを行うと、正確性を増すことが知られている。
【0073】
さらに、一度初回較正が行われると、初回の方位較正方法で必要とされるすべての工程を実行することなく、再調整および再較正の目的で、後に磁力計の較正値を生成または計算することができる。結果として本発明は、定期的な磁力計較正値の決定および偏差に対応した再調整が要求される付加的硬化鉄擾乱の調整のための解決策を提供する。
【0074】
加えて、一度方位システムの初回較正または次回再較正が行われると、本発明では磁力計と選択された移動手段の軸との間の設置ずれ角度を計算することによってハードウェア設置エラーの存在を判断することができ、計算された設置ずれ角度に基づいて磁力計と方位システムとをさらに調整することができる。
【0075】
さらに、方位システムの初回較正または次回再較正の間、移動手段(例えば航空機、船舶等)は、初回較正値の取得および/または1つの既知の方位に基づく取得済み較正値の再計算に用いることのできる理論磁力計測定値を効率的に計算できるよう、地球の表面(例えば地面)に沿って選択的に配置され、1以上の既知の磁方位に調整される。結果的に、移動手段の方位システムは調整および/または再較正され、信頼性のある方位情報を提供することができる。加えて、製造および/または設置エラー、例えば磁力計の設置ずれに起因する調整を、移動手段の初回較正および/または次回再較正時に行うことができる。
【0076】
図1は、本発明のある実施形態に従って方位基準システムの初回較正を行う工程を示すフロー図である。
図2は、本発明のある実施形態に従って方位基準システムの再較正を行う工程を示すフロー図である。
図3は、本発明のある実施形態に従って方位基準システムの磁力計の設置ずれを判断し較正を行う工程を示すフロー図である。
図4は、本発明のある実施形態に従って方位基準システムの偏差を調整する工程を示すフロー図である。
図5は、本発明のある実施形態に従った方位基準システムのブロック図である。
【0077】
AHRSシステムでは一般に、リアルタイムでの向き・方向情報を提供可能な3軸センサシステムが採用される。その結果、こうしたシステムには信頼性高く、効率的で、正確であることが求められる。運行関連パラメータの計算のため、AHRSには、回転、適切な加速、および磁場強度を検知し計測することのできる、それぞれジャイロスコープ、加速度計および磁力計が含まれる。例えば、磁力計を使用すると、磁北および/または真北の方位に対する移動手段の方位を計算するのに必要な情報を得ることができる。しかし、磁場の測定は局所磁気擾乱の影響を受けやすい。特に、磁力計のそばに鉄鋼材(例えば天然磁石)または電磁石が存在すると、付加的な磁場が形成され存在するために、擾乱が生じることがある。重要なことに、こうした硬化鉄効果によりAHRSの方位測定に誤りが発生することがあり、移動手段運行中の危険な状況を回避するために定期的に調整が必要となる。
【0078】
さらに、付加的擾乱は、個別に取り付けられる3軸磁力計の設置手続(例えば取り付け)ミスによっても生じ得る。具体的には、選択した軸からの磁力計の設置ずれがあると、取得された計測値にオフセットエラーが生ずることになる。こうした場合、磁力計の設置ずれ角度を決定することにより、方位システムが正確な計測値を提供できるよう較正することができる。
【0079】
その結果、硬化鉄擾乱および考えられる磁力計の設置ずれに対応し、AHRSまたは他の方位システムから信頼できる正確な方位測定値の取得することを可能とする、磁力計の較正値を決定することにより方位システムを定期的に較正し調整するシステムおよび方法が提供される。以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施形態をより詳細に説明する。
【0080】
まず図1を参照すると、1以上の磁力計を含む移動手段方位システムの初回較正を行う方法100を説明するフロー図である。図1のフロー図に例示するように、また以下により詳細に説明するように、移動手段、例えば航空機または船舶の所定の位置に対応する現在の地球磁場の垂直および水平成分が取得される。これは図1のブロック102に示している。図1のブロック104に示すように、移動手段は既知の磁方位に位置づけられ、または方向づけされる。図1のブロック106に示すように、次に磁力計の設置姿勢が決定される。図1のブロック108に示すように、次に地球磁場の垂直および水平成分に基づいて磁力計の理論値が計算される。図1のブロック110に示すように、実測値から理論値を引いて方位システムのそれぞれの磁力計の硬化鉄較正値が取得される。
【0081】
一般に、例えば航空機に搭載される姿勢方位基準システムもしくはAHRSにおいて、AHRSの磁方位およびピッチ角度の較正は大変時間のかかる操作であり、較正の実行された空港の地理的近傍に限定されることがしばしばである。例えばx、yおよびz平面に調整される3軸磁力計、または2軸磁力計構成に用いることのできる本発明の方法100では、そのようなことはない。いずれの場合であっても、移動手段の配置された地点における地球の理論的磁場特性セット、例えば磁場の水平強度と垂直強度の理論値が取得される。これらの理論値の情報は、望ましくはウェブサイト、または地球磁場に関する情報を提供する適切なソースおよび/またはデータベースから取得してよい。理論値の基となる地理情報へのアクセスを提供する機関の例には、国立地球物理データセンタ(NGDC:National Geophysical Data Center)に関するウェブサイトを運営するアメリカ海洋大気庁(NOAA:National Oceanic and Atmospheric Administration)がある。例えば、搭載する従来のAHRSを較正中の航空機は、エンジンと航空電子機器を動作させた状態で、磁気的にクリーンで平坦な場所に磁北を向いて配置することが望ましい。望ましくは従来のAHRSの磁力較正ページまたはインタフェースにアクセスし、上述のウェブサイトから取得した水平および垂直強度に加えて全磁界を含む理論値を磁力較正ページまたはインタフェースに入力し、例えば北の測定値が選択される。正確性改善のため、この手続を他の3つの垂直磁方位、東、南および西について繰り返すのが望ましく、まず移動手段をこれらの方位に配置し、手続を繰り返し、その方位に対応する測定値を選択することになる。このような航空機の再配置によって、土地の表面が原因で生じ得る異常により起こる航空機の方向(例えばピッチとロールの角度)の変動に対応することにより航空機の方位のより正確な推定が可能となる。
【0082】
この点に関し、硬化鉄効果の存在しない通常の磁力計計測値(例えば磁力計の理論値)は、4つの垂直方位の北、東、南および西のそれぞれについて、以下の式で定義されることに注目されたい。
【0083】
(a)北の方位では:
【数8】
【0084】
(b)東の方位では:
【数9】
【0085】
(c)南の方位では:
【数10】
【0086】
(d)西の方位では:
【数11】
【0087】
このとき、
【0088】
HIは水平局所磁場強度であり、
【0089】
VIは垂直局所磁場強度であり、
【0090】
θは航空機のピッチ角度であり、
【0091】
φは航空機のバンク角度であり、
【0092】
ψは航空機の磁方位であり、
【0093】
xMagはx軸の磁力計理論測定値であり、
【0094】
yMagはy軸の磁力計理論測定値であり、
【0095】
zMagはz軸の磁力計理論測定値である。
【0096】
磁力計実測値の上記値からの偏差は較正対象ユニットの硬化鉄オフセットと呼ばれ、本発明の方法に従って磁力計実測値から引かれ、方位修正のための以下の式となる。
【数12】
ここで、
【0097】
【数13】
【0098】
ここで、
Xbはx軸の磁力計実測値であり、
Ybはy軸の磁力計実測値であり、
Zbはz軸の磁力計実測値であり、
Xcal=Xb-xMagはx軸の磁力計較正値であり、
Ycal=Yb-yMagはy軸の磁力計較正値であり、
Zcal=Zb-zMagはz軸の磁力計較正値である。
【0099】
このようにして、移動手段に搭載された方位システムの初回較正のための上記方法をまとめると、移動手段の1以上の方位、例えば望ましくは北、南、東および西に対応する4つの異なる磁方位の1以上の磁力計から実測値を取得し、同じ位置における地球の理論磁場特性セットも、例えばこの情報を含むウェブサイトから、取得される。これらの理論値には、全体磁場と同様に、移動手段のそれぞれの位置における磁場の水平および垂直強度の値が含まれる。各方位の磁力計の理論測定値が計算され、同じ位置の磁力計実測値と比較されて方位システムの較正値が取得される。これらの較正値は、例えば取得したすべての較正値を平均するなどして、磁力計の共通平均ゲインおよびオフセットを提供するために使用され、測定誤差について方位システムが共通に較正される。ある実施形態で、共通平均ゲインは、異なる磁方位における平均磁力計理論測定値と平均磁力計実測値との比の計算により、および/または、平均して平均共通ゲインを得られる異なる磁方位についての相乗比を求めることにより、取得できる。この較正方法は、望ましくは航空機のエンジンおよび航空電子機器、または移動手段の対応する機器が動作した状態で実行される。所望なら、これらの較正値をローパスフィルタでフィルタしてノイズ効果を減少させてもよい。
【0100】
較正方法100を移動手段の1つの位置で完了させることは可能であるが、4つのコンパス方位の方向、具体的には北、南、東および西でこれを行うと、正確性を増すことが知られている。
【0101】
次に図2を参照すると、本発明のある実施形態に従って磁力計較正値(例えばXcal、Ycal、Zcal)を計算し、方位システムの再較正を行う代表的な方法200を説明するフロー図である。ある実施形態で、磁力計の硬化鉄効果を補償するため、AHRSの初回較正が例えば上記図1に記載のように実行される。初回較正の実行のために、202に示すように、移動手段は1以上の選択した位置に配置され、1以上の既知の磁方位に調整される。
【0102】
204で、適用される較正方法に基づき磁力計較正値が決定される。例えば、このような較正値は、1以上の選択された地点および磁方位における磁力計実測値と、同じ地点および磁方位における計算された磁力計理論測定値との偏差を計算することにより取得される。磁力計の較正値を取得すると、206に示すようにAHRSを較正して補正された方位および姿勢の測定を行なえるようになる。
【0103】
ある実施形態で、磁力計周辺に存在する付加的硬化鉄に対応するAHRSシステムの再較正の実行が必要となることがある。例えば、航空機のコックピットに鉄鋼材を含む追加機材が追加され、以前に較正した方位の調整が必要となることがある。ある実施形態で、運行計測のための慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Units)の使用に関連する追加の処理目的のため、以前に計算した磁力計較正値の再計算が必要となることがある。これは208で、既知の方位、ピッチおよびロール角度を用いた以前に較正された磁力計の測定値の計算を可能とする1つの以前選択した地点および既知の方位に移動手段を配置して、磁力計実測値を取得することにより、達成される。
【0104】
210で、理論磁力計測定値は既知の選択地点に対応する地球の理論磁気特性を取得することにより計算可能である。212で、磁力計較正値は208で取得した磁力計実測値から理論磁力計測定値を引くことにより計算され、次の式が計算された磁力計較正値となる。
【数14】
【0105】
ここで、
Xbはx軸の磁力計実測値であり、
Ybはy軸の磁力計実測値であり、
Zbはz軸の磁力計実測値であり、
Xcalはx軸の磁力計較正値であり、
Ycalはy軸の磁力計較正値であり、
Zcalはz軸の磁力計較正値であり、
ψは既知の較正磁方位であり、
θは既知の較正ピッチ角度であり、
φは既知の較正ロール角度であり、
HIは水平局所磁場強度であり、
VIは垂直局所磁場強度である。
【0106】
次に図3を参照すると、AHRSシステム内の1以上の磁力計の設置ずれ値を決定し計算する代表的な方法300を説明するフロー図である。ある実施形態で、1以上の3軸磁力計の設置(例えば取り付け)が選択した移動手段の軸に正確に調整されていないものとする。その結果、磁力計は一定の設置ずれオフセットを示し、AHRSシステムは誤った方位測定を行うことになり、移動手段の信頼性と運行に影響が出ることになる。このような場合、方法300により磁力計の設置ずれの存在を決定することで解決が可能となる。さらに、移動手段の磁力計の設置中に(例えば製造試験段階で)決定されると、3軸磁力計を交換および/または再設置することにより適切な対応をとることができる。加えて、ある実施形態では、考えられる車両の保守および/または修理案件に対応するため、この決定が後(例えば設置後)に行われてよい。こうした場合、計算された磁力計の設置ずれ値は、補正された方位および姿勢の測定値を得るためにAHRSを追加較正するのに用いることができる。
【0107】
まず302で、方法300は移動手段のAHRSシステムに含まれる磁力計の較正値を決定する。ある実施形態で、図1に関連して説明した方法100を用いて、較正値を取得してよい。ある実施形態で、図2に関連して説明した方法200を用いて、AHRSシステムを再調整し、較正値を再計算してよい。
【0108】
304で、移動手段は既知の磁方位に方向づけられる。例えばある実施形態で、移動手段は一般的な方位、例えば北、南、東および西のいずれか、またはその他適切な方位に方向づけられる。306で、移動手段の較正磁方位はAHRSシステムに含まれる磁力計の較正値を適用することで決定することができる。
【0109】
308で、磁力計の設置ずれ値は、取得された較正方位と既知の磁方位とを比較することにより決定することができる。特に、較正磁方位と既知の方位との差は、移動手段の横軸と縦軸とに関する設置された磁力計の設置ずれ値を示し得る。
【0110】
ある実施形態で、磁力計の設置ずれ値は、310でAHRSシステムをさらに較正することにより偏差を調整するときに用いることができる。例えば、磁力計の設置ずれ値を、縦軸と横軸の磁力計実測値から引いてよい。設置ずれ値は、移動手段の他の装置における偏差を調整するのにも同様に用いることができる。
【0111】
図4は、AHRSシステムにおける硬化鉄効果および設置のずれに関連する偏差を調整する代表的な方法400を説明するフロー図である。特に、402で移動手段のAHRSシステムは補正された方位および姿勢の測定値が得られるよう較正される。ある実施形態で、図1に関連して説明した方法またはその他適切な較正方法を用いて較正が行われる。404で、移動手段は特定の位置に既知の磁方位で方向づけられ、較正されたAHRSから補正された方位および姿勢の測定値が取得される。例えば、特定の位置は、航空機の保守を行いやすくするために磁気標識と平坦な地面とを有する空港であってよい。
【0112】
406で、取得された方位実測値が既知の磁方位と比較される。方位実測値と既知の磁方位との間に差があれば(例えば406で「真」)、408で示すように、測定差異が移動手段の縦軸および横軸に関する磁力計の設置ずれ値となる。このような磁力計の設置ずれは、移動手段の磁力計の設置(例えば取り付け)時に起こり得る。較正時に設置ずれに対応することができないと、AHRSの方位測定値に誤りが発生し、移動手段の運行に悪影響を与え、移動手段の運行中に危険な状況をもたらすことがある。従って、410で、設置ずれ値が磁力計実測値から引かれて設置エラーが補正され、412で示すように、既知の方位および地点における磁力計の補正測定値が計算される。
【0113】
既知の磁方位とAHRSから取得した較正方位実測値との間に差がなければ(例えば406で「偽」)、方法400は412に進み、既知の磁方位および地点における航空機の磁力計実測値を取得する。
【0114】
さらに、414で、既知の地点における取得された較正方位、姿勢(例えばピッチ角度、ロール角度)および地磁気の特性(例えば水平および垂直強度)に基づいて、理論磁力計測定値が計算される。
【0115】
416で、取得された磁力計実測値から理論磁力計測定値を引くことにより磁力計較正値が取得される。ある実施形態で、磁力計較正値は、新たな硬化鉄擾乱が生じた場合のAHRSシステムの再較正に、および/または、過去に計算した磁力計較正値の評価に、用いることができる。
【0116】
図5は、本発明のある実施形態に従った代表的な姿勢方位基準システムのブロック図である。方位基準システム500は、航空機、船舶またはその他の移動手段に組込まれてよい。方位基準システム500は、単独で、または方位基準システム500を含む移動手段の他の構成要素と連携して、図1−4に開示した方法を実行するよう構成されてよい。
【0117】
図5に示すように、方位および基準システム500は、ジャイロスコープ504、磁力計506および加速度計508の3つを含む慣性計測装置502を含む。上述した較正方法は、磁力計506および加速度計508と連携して用いられてよい。記載のように、姿勢方位基準システム500はディスプレイ510も含む。ディスプレイ510は、1以上の液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal displays)、発光ダイオード(LED:light emitting diodes)、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diodes)、および/またはその他の適切な表示構成要素を含んでよい。加えて、方位基準システム500は、慣性計測装置502のいずれかおよび/またはすべての構成要素からの内部入力(例えば、磁力実測値に関連するデータおよびその他の関連するデータを含み得る)と同様に、外部設定モジュール514からの外部入力(上述した理論値および特性、および/または、既知のおよび/または以前の較正方位値のような追加特性の手入力を含み得る)を受信するマイクロコントローラ512を含み得る。ある実施形態で、システム500は、全地球測位システム(GPS:global positioning system)、または、追加運行情報(例えば移動手段の航路)を取得するその他の航行センサを含んでよい。
【0118】
ある実施形態で、姿勢方位基準システム500は、統合待機ユニット、主または副姿勢方位基準システム、大気データ姿勢方位基準システム、または慣性航行システムといった適切な航空機の方位基準システムであってよく、同様に方位情報源が必要な移動手段または慣性システムのような、適切な航空機以外のシステムであってよい。
【0119】
システム500は、磁力計506および加速度計510を用いて移動手段の方位および姿勢を決定する。ある実施形態で、こうした決定は移動手段が停止している(例えば地上にある)間、および/または、移動手段が通常動作している間(例えば航空機のフライト中)に行われてよい。例えば、ある実施形態で、航空機は、空港敷地内で既知の磁方位を識別する(例えば羅針図類似の)指定された標識を含み得る特定の平坦なエリアに配置され、この標識により、地表の変化に対応するための磁力測定値の繰り返し取得の必要がなくなる。マイクロコントローラ512はその後、本発明の実施形態に従って、移動手段の補正された方位および姿勢を提供するため、磁力計の較正値および/または再較正値を決定してよい。結果として、姿勢方位基準システムは、特に、ピッチ、ロール、ヨー、および真方位角度といった重要な運行情報の、測定、計算、および表示に用いられる。
【0120】
ある実施形態で、システム500は、内部および外部入力に関連するいずれかのデータを含むがこれに限らない、方位システム500に関連するいずれかのおよびすべてのデータを記憶可能な、1以上の不揮発性の物理記憶デバイス(図示せず)をさらに含んでよい。記憶デバイスはさらに、図1−4を参照して説明したいずれかの処理を含む、方位システム(または関連する構成要素)の調整を含む処理のいずれかまたはすべてに関連するコンピュータプログラム命令を記憶してもよい。マイクロコントローラ512は、記憶されたデータへのアクセスのため、および/または記憶された命令の実行のため、記憶デバイスと通信してよい。
【0121】
特定の実施形態に適用された本発明の様々な新規の特徴を示し説明してきたが、記載し説明したシステムおよび方法の形態および詳細を、当業者が本発明の要旨から離れることなく様々に省略、置き換えおよび変更することができることを理解されたい。本明細書での開示およびそれに基づく本発明の教示の理解に基づき、当業者は、そこで提供されそこに含まれる一般的な構造および機能が、発明の別な実施形態で変更できることを認識するだろう。したがって、図1図5で示した特定のシステムおよび方法は、実施形態のシステムおよび方法の中に認識される本発明の特定の実施形態の様々な側面および機能の十分かつ完全な理解および認識を容易にする例証のためのものである。例示目的であって限定目的でない記載された実施形態でない形態によっても本発明が実施可能であることを当業者は理解するだろう。そして、本発明は請求項の記載によってのみ限定される。
【0122】
1.少なくとも1の磁力計を含む航空機の姿勢および測定方位システムを再較正する方法であって、
航空機を地上で地表に沿って1つの既知の磁方位に選択的に配置するステップと、
前記航空機が地上で停止している間に前記既知の磁方位の前記少なくとも1の磁力計から実測値を取得するステップと、
前記航空機の初回較正で決定された姿勢値に少なくとも一部基づいて、前記既知の磁方位における前記少なくとも1の磁力計の理論測定値を決定するステップと、
前記実測値および前記理論測定値に少なくとも一部基づいて、再較正共通平均ゲインおよびオフセットを計算するステップと、
前記航空機の再較正磁方位を決定するため、および、測定エラーについて前記方位システムを再較正するため、前記再較正共通平均ゲインおよびオフセットを使用するステップと、
前記既知の磁方位と前記再較正磁方位との比較に少なくとも一部基づいて、設置ずれ値を決定するステップと、
設置ずれエラーについて前記方位システムを調整するために前記設置ずれ値を使用するステップと、
を含む、方法。
2.前記航空機の前記初回較正は、
前記航空機を地表に沿って複数の選択された磁方位に選択的に配置することと、
前記航空機が地上で停止している間に前記複数の選択された磁方位の前記少なくとも1の磁力計から第1の実測値セットを取得することと、
前記配置された航空機の地点に関連づけられた理論磁場特性セットに少なくとも一部基づいて、前記配置された航空機の前記選択された磁方位における前記少なくとも1の磁力計の理論測定値を算出することと、
前記第1の実測値セットと、前記配置された航空機の前記複数の選択された磁方位における前記方位システムの較正値セットを求めるための前記理論測定値と、の比較に少なくとも一部基づいて、前記少なくとも1の磁力計についての共通平均ゲインおよびオフセットを計算することと、
測定エラーについて前記方位システムの初回較正のために前記共通平均ゲインおよびオフセットを使用することとを含む、請求項1に記載の方法。
3.前記航空機の前記初回較正における前記航空機の前記複数の選択された磁方位は、北、南、東および西の磁方位を含む、請求項2に記載の方法。
4.前記求めた前記配置された航空機の前記選択された磁方位の較正値セットをフィルタする少なくとも1のローパスフィルタを使用することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
5.前記理論磁場特性セットを取得するステップは、地球物理学データへのアクセスを提供する組織から前記セットを取得することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
6.前記航空機は関連するエンジンおよび航空電子機器を有し、前記再較正方法は、前記航空機のエンジンおよび航空電子機器が動作中に実行される、請求項1に記載の方法。
7.前記少なくとも1の磁力計は、3軸磁力計を含む、請求項1に記載の方法。
8.前記航空機の磁方位を求める方程式が下記数式15であり、このとき数式16を満たす、請求項7に記載の方法。
【数15】
【数16】
9.少なくとも1の磁力計を備えた航空機の姿勢および測定方位システムを再較正する方法であって、
航空機を地上で地表に沿って1つの既知の磁方位に選択的に配置するステップと、
前記航空機が地上で停止している間に前記既知の磁方位の前記少なくとも1の磁力計から実測値を取得するステップと、
前記航空機の初回較正で決定された姿勢値に少なくとも一部基づいて、前記既知の磁方位における前記少なくとも1の磁力計の理論測定値を決定するステップと、
前記実測値および前記理論測定値に少なくとも一部基づいて、再較正共通平均ゲインおよびオフセットを計算するステップと、
測定エラーについて前記方位システムを再較正するために前記再較正共通平均ゲインおよびオフセットを使用するステップと、
を含む、方法。
10.設置ずれエラーを補償するステップをさらに含み、前記設置ずれエラーを補償するステップは、
航空機を既知の方位に配置することと、
前記航空機の較正磁方位を決定するために前記較正共通平均ゲインおよびオフセットを使用することと、
前記既知の磁方位と前記再較正磁方位との比較に少なくとも一部基づいて、設置ずれ値を決定することと、
設置ずれエラーについて前記方位システムを調整するために前記設置ずれ値を使用することとを含む、請求項9に記載の方法。
11.前記航空機の前記1つの既知の磁方位は、前記航空機の北、南、東および西の磁方位を含むグループから選択される、請求項9に記載の方法。
12.前記少なくとも1の磁力計は、3軸磁力計を含む、請求項9に記載の方法。
13.前記再較正共通ゲインおよびオフセットは、下記数式17を一部用いて計算される、請求項12に記載の方法。
【数17】
14.前記航空機は関連するエンジンおよび航空電子機器を有し、前記再較正方法は前記航空機のエンジンおよび航空電子機器が動作中に実行される、請求項9に記載の方法。
15.少なくとも1の磁力計を備えた航空機の姿勢および測定方位システムの調整方法であって、
少なくとも1の磁方位を選択すること、および、地上で地表に沿って少なくとも1の選択された磁方位に配置して共通平均ゲインおよびオフセットを求めることに関する前記方位システムの較正を実行するステップと、
設置ずれエラーの補償のため前記方位システムを調整するステップとを含み、前記方位システムの調整は、
前記航空機を既知の磁方位に配置することと、
前記既知の磁方位と前記較正磁方位との比較に少なくとも一部基づいて、設置ずれ値を決定することと、
設置ずれエラーについて前記方位システムを調整するために前記設置ずれ値を使用することと、を含む、方法。
16.前記方位システムの較正を実行するステップは、
前記航空機を地上で地表に沿って1つの既知の磁方位に選択的に配置することと、
前記航空機が地上で停止している間に前記既知の磁方位の前記少なくとも1の磁力計から実測値を取得することと、
前記航空機の初回較正で決定された姿勢値に少なくとも一部基づいて、前記既知の磁方位における前記少なくとも1の磁力計の理論測定値を決定することと、
前記実測値および前記理論測定値に少なくとも一部基づいて、再較正共通平均ゲインおよびオフセットを計算することと、
前記航空機の再較正磁方位を決定するため、および、測定エラーについて前記方位システムを再較正するため、前記再較正共通平均ゲインおよびオフセットを使用することと、を含む、請求項15に記載の方法。
17.前記航空機の前記少なくとも1の較正中に選択された磁方位は、北、南、東および西の磁方位を含むグループから選択される、請求項15に記載の方法。
18.前記少なくとも1の磁力計は、3軸磁力計を含む、請求項15に記載の方法。
19.前記航空機は関連するエンジンおよび航空電子機器を有し、前記較正方法は前記航空機のエンジンおよび航空電子機器が動作中に実行される、請求項9に記載の方法。
20.少なくとも1の磁力計を備えた移動手段の姿勢および測定方位システムを再較正する方法であって、
前記移動手段を地表に沿って1つの既知の磁方位に選択的に配置するステップと、
前記移動手段が停止している間に前記既知の磁方位の前記少なくとも1の磁力計から実測値を取得するステップと、
前記航空機の初回較正で決定された姿勢値に少なくとも一部基づいて、前記既知の磁方位における前記少なくとも1の磁力計の新たな理論測定値を決定するステップと、
前記実測値および前記理論測定値に少なくとも一部基づいて、再較正共通平均ゲインおよびオフセットを計算するステップと、
前記移動手段の再較正磁方位を決定するため、および、測定エラーについて前記方位システムを再較正するため、前記再較正共通平均ゲインおよびオフセットを使用するステップと、
を含む、方法。
21.前記移動手段は、水中で地表に沿って配置される船舶である、請求項20に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5